感想ありがとうございます!
今回は前回に収まらなかった分ですね。
307.5話です!どうぞ!
アレクサンドロ・オルロフを拉致された夕張、ホノルル、呉提督、
ステフが手に入れた情報で、シフチェンコと民兵組織の標的がコソボ郊外にあるアメリカ軍基地だと判明する。
アメリカ軍基地の近くにある廃墟となった施設では、オルロフが拷問を受け、それに屈して核弾頭ファイヤーバードを起動させてしまった。
そこにコソボへ入った夕張達が奇襲を仕掛け、銃撃戦になる中オルロフとチェゲトを確保する。
しかし、民兵組織の数が多く、夕張、ホノルル、呉提督、ステフだけで戦うには多勢に無勢で不利だった。
そこへ、他のチームとして動いていたネロと艦娘達が援軍として駆け付け、民兵組織に攻撃を仕掛けていく。
混乱の中 解除状況を訊くが、チェゲトに繋げてあるキーボードが銃弾に当たり、キーの一部が欠損していた。これでは解除パスワードの入力ができない。
そこで夕張は、辺りにあったボルト、金属製の大きなフック、歯車とを配線で繋ぎ、欠けたキーの代用にしてしまう。
そんな中、オルロフを護ってヴィクトル・レフキンが凶弾に倒れる。
瀕死のヴィクトルから解除パスワードを聞きながら、オルロフがチェゲトで解除パスワードを打ち込んでいくが、システムが古く時間が掛かっていた。起爆タイマーの残り時間から見て、最後のパスワードを打ち込むまでに間に合いそうにない。
そこで健は、“2000年問題”を応用できるかもしれないと閃き、核弾頭に今現在が1916年だと勘違いさせ、起爆の阻止に成功するのだった。
*コソボ共和国郊外 コソボ時間8月16日 16:21*
銃撃戦の混乱の中、民兵組織のリーダーであるシフチェンコが逃走し、それをステフが追っていた。それを見た呉提督も、遅れて2人を追う。
シフチェンコは時々 後ろを振り返りながら銃を撃つが、走りながらで しっかりと照準を合わせていないため、ステフには当たらない。
ステフが追い付き、逃げるシフチェンコに飛び掛かり2人で地面を転がる。その時に、シフチェンコの手から銃が離れた。
2人は すぐに起き上がり、素手での格闘戦が始まる。ステフは現役のエージェント、シフチェンコは元特殊部隊、どちらも訓練を受けた接近戦を繰り広げていく。
格闘戦の末、ステフ顔に拳が入る。
ステフが殴られ怯んでる隙に、シフチェンコは自分が落とした銃を拾うために走る。それを阻止するために、ステフも走る。
あと少しでステフの手が届くというところで、シフチェンコが銃を拾い、振り返り至近距離で銃口を向けてくる。銃口を向けられた事で、ステフは動きを止めた。
シフチェンコ「残念だったな。戦争は止められない」
ステフ「っ・・・!」
あとは引き金が引かれるだけの状況に、ステフは悔しさから歯を食い縛る。
呉「ステフ!!」
呉提督が追い付き、走る足を止めてシフチェンコに銃口を向ける。だが呉提督が引き金を引くよりも早く、バンが走ってきてシフチェンコを撥ね飛ばした。
そのバンは『Devil May Cry』の移動式事務所で、運転していたのはニコなのだが、バンに乗るニコはパニックになっていた。
ニコ「どどどどどどうしよ!?わ、わわわ、私、人、人 轢いちまった!こ、これマズいよな・・・?絶対マズいよな!?け、けけけ刑務所?刑務所に入るのか・・・?どどどどうする?に、逃げるか・・・?」
吃りながらブツブツと1人で喋るニコにステフが名を呼ぶが、パニックになるニコには聞こえてないのか ずっと喋り続けている。
改めて大声で名を呼ぶと、やっとニコがステフの方を向いた。
ニコ「な、何・・・?」
ステフ「お手柄よ」
ステフは笑顔で そう言い、遠くまで吹き飛んだシフチェンコの方へ歩いていく。
呉提督もバンの運転席の方まで来ると・・・
呉「ナイスドライブ」
それだけ言い、ステフと同じくシフチェンコの方へ向かった。
呉提督とステフの様子から、自分は罪に問われないとニコは理解し、深く息を吐き出し安堵するのだった。口元が緩んでるので、ちょっと嬉しそう。
・・・・・・
*廃墟 16:55*
大怪我を負ったシフチェンコを確保した呉提督とステフは、夕張達が居る廃墟の施設に戻った。
その2階では、凶弾に倒れたヴィクトルの傍に夕張、ホノルル、健、オルロフが付き添い、ネロ、長門型、大和型、川内型が後ろから見守っている。
ステフ「彼は どう?助かりそう?」
陸奥「できる処置はしたけど、もう助かりそうにないわ・・・」
ヴィクトルの最後が近く、誰もが重く口を閉じる中、オルロフだけは死ぬなと呼び掛け続けていた。
オルロフ「ヴィクトル、私達はやったんだ。ファイヤーバードを止めた。これで戦争は起きない。一緒にアメリカに帰ろう。2人で話したい事や やりたい事が沢山あるんだ。ヴィクトル・・・!」
ヴィクトルは微笑を浮かべ、穏やかな顔でオルロフの話を聞いていたが、彼は ゆっくりと目を瞑った。
夕張が首に指を当て、脈を取るが・・・。
夕張「・・・・・・彼は・・・旅立った」
オルロフ「ヴィクトルゥ~・・・!」
ホノルル「ヴィクトルおじいちゃん・・・」
オルロフは悔しそうに、永眠した彼の名を口にし、ホノルルも涙を流していた。
亡くなった者を生き返らせる方法は、この世界にもない。だが、まだできる事はある。
ステフ「オルロフさん、私はアメリカの諜報機関オリーブ財団の本部長、“ステファニー・ブラウン”です。レフキン氏は戦争を止めた立役者です。私が持つ権限を全て使いアメリカへ移送し、手厚く埋葬する事を お約束します」
オルロフ「あぁ・・・あぁ、よろしく頼む」
ホノルル「ヴィクトルおじいちゃん、最後 笑ってたよ・・・?オルロフおじいちゃん護れて、きっと嬉しかったんだと思う・・・」
オルロフ「あぁ・・・きっと あいつも、任務から解放されて喜んでるだろう・・・」
ヴィクトルは戦争を止めた英雄として、アメリカ政府が然るべき形で彼を手厚く埋葬し、表彰もしてくれるだろう。それが、亡くなった者にできる唯一の事だった。
そして残るは、勘違いで起爆が止まって そのままの核弾頭だ。
ステフ「ファイヤーバードの方は どうすればいいの?」
健「今 爆発する心配はないけど、問題自体は解決した訳じゃないんだ」
ファイヤーバードには今が1916年だと誤認識させただけで、最終的に爆発する心配がなくなった訳ではない。ファイヤーバードの認識から、爆発までのタイマーが凡そ100年に延長されただけだ。
呉「ちょちょいと分解して壊すじゃ駄目なの?」
夕張「それは今の段階じゃ難しいわね」
ファイヤーバードは、今の世の中に出てる既存の技術で造られた訳ではない。その構造は、完全にブラックボックスだった。
ファイヤーバードを造ったオルロフでも、他の科学者と協力して造ったため、その構造の全てを把握してる訳ではなかった。
完全に危険を取り除くには、ファイヤーバードの構造を調べ よく理解し、放射能の問題も踏まえてリスクを最小限に抑え、解体する方法を見付けるしかない。そこに辿り着くには、人類は莫大な時間を要する事になるだろう。
夕張「絶対に見付けてみせる。次に爆発するまで100年以上ある訳だし、その間には何とかできるでしょ」
呉「駄目だった時は?」
健「また“2000年問題”の応用だね」
呉「え?」
呉提督は、どうやってファイヤーバードの爆発を止めたのか知らないため、“2000年問題”と言われてもチンプンカンプンだった。
近くのアメリカ軍基地の協力の下、ファイヤーバードは慎重に運び出され、解体する方法が見付かるまでアメリカ政府が厳重に保管する事となった。
そしてオリーブ財団の面々とオルロフは、アメリカへと戻るのだった。
・・・・・・
*アメリカ 老人ホーム アメリカ時間8月19日 14:06*
アメリカへと戻ったオルロフは、脱走した老人ホームへと戻ってきていた。
彼は相変わらず、テレビのリモコンを ぶっ叩きまくっていた。直してる途中でオルロフが脱走し、健も追い掛けたので そのままだった。
そこに健が現れ、オルロフが座る椅子の肘掛けに座った。
健が今日ここに来たのは、オルロフが その後どうしてるか様子を見に来るためだった。
健「こんにちは」
オルロフ「やぁ、元気かね?また調子が悪いんだ、この・・・!」
健「貸して」
健はリモコンを渡すよう手を差し出す。オルロフは どうするか少しの間 考え、健にリモコンを渡した。
だが最初の時とは違い、彼は笑みを浮かべながら渡した。健も笑みを浮かべながら受けとると、リモコンの修理を始める。
健「出来た。ボタン押してみて」
修理は途中だったので、今回は早く作業が終わった。
健からリモコンを受け取り操作してみると、テレビの画面が次々と切り替わり、オルロフも嬉しそうに笑顔を見せる。
そして彼は、あるチャンネルで止めた。
オルロフ「これこれ、これが観たかったんだ。私は これが好きでね」
健「僕も これ好きだよ。
2人は一緒に番組を観ながら、時間が許すまで談笑した。
*町*
その頃 呉提督とステフは、車で ある町に来ていた。車を停めたのは、バニスター捜査官の実家の前だった。
ステフは上司として、バニスター捜査官の ご両親に彼女の死を伝えるため、ここまで来ていた。
車を停めたが、ステフの顔は浮かないものだった。呉提督は心配し、声を掛けた。
呉「大丈夫?」
ステフ「・・・・・・どう伝えればいいか分からないの。彼女は真面目で努力家で、とても優秀な人材だった。だからオリーブ財団に招いた。“一緒に より良い世界にしないか”と。彼女は この先も世界に必要だった。それなのに・・・。部下の死を ご家族に伝える事は何度もあった。でも・・・いつも どう伝えればいいか分からないの。凄く怖い・・・」
呉「・・・・・・そのままでいいの。そのまま伝えてあげて。ステフが彼女を どう思っていたか、どう思っているかを」
ステフ「・・・そうね・・・行ってくる」
バニスター捜査官の事を ご両親に伝える決心をしたステフは、車から降り家へと向かった。
それを見送った呉提督は、話が終わるまで車で待機するのだった。
・・・・・・
*オリーブ財団 艦娘寮・屋上 20:11*
その日の夜、ネロ達は艦娘寮の屋上で、延期になったバーベキューを楽しんでいた。誰もがビール瓶やジュースの入ったコップを持ち、談笑しながら食事を楽しんでいた。
料理ができる者が主に、調理をして料理を並べているのだが、そんな中で熊野は、大和が用意したローストビーフを見詰めていた。
熊野「これは、神戸牛ですの?」
鈴谷「そんな訳ないじゃん」
大和「アメリカ産の物ですが、それでも美味しいですよ」
鈴谷が呆れて否定してると、大和特製『大和ラムネ』の瓶を片手に いつの間にか衣笠が近くに居た。
衣笠「大和ラムネ最っ高!さすが大和ホテルね!」
大和「ホテルじゃありません!」
衣笠が言い放った嬉しくもない呼び名に、大和が軽く怒っている近くでは、長門が はしゃいでいた。
長門「さぁ皆!今日は じゃんじゃん食べて、じゃんじゃん呑んで楽しむぞ!」
陸奥「長門はジュースにしなさい」
長門「何故だ!?」
陸奥「質が悪いから」
長門「え・・・?」
陸奥の脳裏には、花見の二次会での記憶が思い起こされているのだが、長門には その記憶がないため、お酒を呑んではいけない理由が分からなかった。
そんな中ホノルルは、遠くに見えるロサンゼルスの街の光を眺めていた。
その後ろから、ネロが近付いてきた。
ネロ「ホノルル」
ホノルル「あ、ネロだ。楽しんでる?」
ネロ「それなりにな。・・・・・・大丈夫か?」
ホノルル「・・・何が?」
ホノルルは何の事か分からず、不思議そうに首を傾げる。
ネロが気に掛けていたのは、コソボでのヴィクトルの死だ。オリーブ財団の面々の中では、ホノルルが1番ショックを受けていた。
何の事かネロから聞いたホノルルは、悲しげな笑みを浮かべて また街の方に顔を向けた。
ホノルル「大丈夫だよ・・・艦娘として誰かの死は、初めてじゃないから」
ネロ「・・・本当に大丈夫か?」
ホノルル「だから大丈夫だって!私達に、落ち込んだり止まってる暇はない。そうでしょ?」
ネロ「・・・・・・フッ、そうだな。それと、ありがとな」
急に礼を言われ、またしても何の事か分からないホノルルは また小首を傾げた。
ネロ「俺のために、バーベキュー提案してくれたんだろ?」
ネロの言葉を聞き、ホノルルはバツが悪そうにアイオワの方を見た。
ホノルル「もしかして、アイオワから聞いた?」
ネロ「聞いた」
バーベキューを提案した理由は、大っぴらに言うつもりはなかったので、ホノルルはアイオワがバラした事実に不満そうに溜め息を吐いた。
ホノルル「まぁ、日本艦とのコミュニケーションは大事だし、ネロには私達を上手く使ってくれないと困るもんね」
ネロ「これでも努力してんだけどな・・・」
ホノルル「ほらほら、落ち込んでないで楽しまなきゃ。ほら、皆の所 行こ!」
元気が少しなかったホノルルは、元気一杯の笑顔を見せながらネロの手を引き、楽しんでる皆の輪の中へと入っていった。
そこに、来るはずのなかったステフが現れ、屋上が静まり返る。
ステフ「・・・何?」
夕張「いや、だって来ないとばかり・・・」
ステフ「差し入れのビール持ってきただけよ、すぐ帰るわ。はい、これ」
鳳翔「あ、ありがとうございます・・・」
ステフ「それじゃ、楽しんで」
ステフは大量購入したビールを渡し、踵を返して さっさと帰ろうとする。それを夕張が止めた。
夕張「ねぇ、良かったらステフも一緒にバーベキューしようよ」
ステフ「私は あなた達の上司で、友達じゃないのよ?」
気まずい空気に、誰もが口を開く事ができず、ステフを見ながら動く事さえできない。
すると、ステフが悪い笑みを浮かべた。
ステフ「冗談よ」
ステフが そう言った瞬間、艦娘達は ちょっとしたパニックに陥った。
木曾「こっわ!こっわ!そういう冗談やめろよ!本気で怒ってるのかと思ったぞ!」
電「こ、怖かったのです・・・」
不知火「悪質な冗談ですね」
天龍「皆ビビり散らかして情けねぇな」
球磨「お前もビビってただろクマ」
天龍「ビ、ビビってなんかないやい!」
ステフ「ハッピー、私の お肉 持ってきて!」
呉「レア?ミディアム?ウェルダン?それとも真っ黒?」
ステフ「真っ黒 持ってきたら ぶっ殺すわよ?」
呉「・・・了解」
来てくれないと思っていたステフも揃い、皆は改めて乾杯した。
ネロはできるだけ この場に居る者達と言葉を交わし、ステフも上司と部下の壁を取っ払い、皆と分け隔てなく談笑する。
オリーブ財団の面々は、今後も自分達に のし掛かる任務のために、今だけは英気を養うのだった。
そのはずだったが・・・
香取「・・・・・・・・・」
皆から少し離れた場所で、香取は何か思い詰めた表情で、皆と談笑するネロを見ていた。
・・・・・・
*日本 街 日本時間8月20日21:35*
日本の繁華街で、1人の老人が辺りを見渡しながら歩いていた。
その男はハットを被り、杖を持った黒人男性。名は“モリソン”。
彼は幾人もの便利屋やデビルハンターに仕事を紹介する仲介屋であり、ダンテやレディ、トリッシュとも付き合いが長く、ダンテ達の世界にあるレッドグレイブ市での魔界化の時に、ネロやVとも ちょっとした縁を持っている。
そんな彼が、艦娘の世界の日本の街を歩いていた。
モリソンは立ち止まり、上の方を見上げる。
モリソン「おいおい、こいつは どういう事だ・・・?」
モリソンは、自分が日本の街に居る事に戸惑っていた。
モリソンは無理矢理 出したので、殆んど活躍させられないかもしれません。してもらわなきゃいけない事が何もなくて・・・。
次回からは、ちょっとだけ夏をテーマにした お話をやっていこうと思います。
次回も宜しく お願い致します!