Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

308話です!どうぞ!


Mission308 バカンス~正義などない~

*南西海域 8月26日 6:13*

 

摩耶「急げーーー!!8月もう終わるぞー!!」

 

南西海域の海を猛スピードで航行するアマ・デトワール号に艦娘達が乗っているのだが、普段とは違い水着を着ていた。

加賀とステフは そんな場合ではないと却下していたのだが、Devil May Cry鎮守府の艦娘達はバカンスに行きたい気持ちを忘れていなかった。

ステフから次々と言い渡される任務に嫌気が差し、口八丁で誤魔化して あの手この手で任務から逃げ、脱走紛いにバカンスしに来てしまっていた。

 

ネロ「(これ絶対 帰った後がヤバいよな・・・)」

 

ネロはアマ・デトワール号を操縦するため、半ば強引に連れてこられていた。

ニコと(たける)は居ないのだが、2人は面倒臭いという理由で辞退していた。

アマ・デトワール号にはバカンス用に、ビーチチェアやパラソル、ドリンクや食事、浮き輪などが大量に積まれている。

 

「「「(何で こんな事に・・・)」」」

 

加賀と大淀、香取は、最後までバカンスに行く事を反対してたのだが、二航戦と翔鶴型、葛城、夕張、鹿島、明石に騙される形でアマ・デトワール号に乗せられ、気付けば この状況だった。

しかも8人は、しっかりと加賀と大淀、香取の分の水着も用意していた。

 

摩耶「ネロ、もっと急げ!8月 終わるぞ!」

 

ネロ「これで最大スピードだよ。つうか、8月まだ数日あるだろうが」

 

摩耶「26日だぞ!26日って言ったら、夏休み終わりそうで悲壮感と焦りで一杯になる頃合いだろ!だから急げよ!」

 

鈴谷「遊ばなきゃ損する!」

 

鹿島「人間が悲壮感と焦りで一杯になるのは遊べる時間が残り少ないからではなく、宿題やってなくて間に合わないからでは?しかも艦娘に夏休みとか関係ないですし」

 

『黙れ鹿島!!喋んな!!』

 

ここまで来てバカンスが中止になると困るので、余計な事を言う鹿島を黙らせようとする艦娘達。しかし、そんな事で怯む鹿島ではなかった。

 

鹿島「マトモに言い返せないからって そうやって大声で遮っても事実は変わりませんよ?まぁ頭の悪い人ほど言葉じゃ勝てないから暴言や大声で相手の言葉を遮るんでしょうが、馬鹿だから それで自分が頭 悪いって周りに証明して恥を掻いてる自覚がないんですよね。あっ、馬鹿だから改めろと言われても無理ですよね?ごめんなさい、忘れてください♪」

 

鹿島が小悪魔な笑みで馬鹿にした言葉のオンパレードを突き付けると、絶対バカンス行きたい派の艦娘達が遂にキレた。

 

ビスマルク「何こいつ!」

 

天龍「こいつ船から落とせ!」

 

龍驤「捨てたれ捨てたれ!」

 

鹿島「きゃああああ!!言葉で勝てないからって暴力はいけませんよ!」

 

『お前は言葉の暴力 振るってんだよ!』

 

鹿島「提督代理さん、助けてくださーい!!」

 

確かに言葉では鹿島に勝てないため、艦娘達は力ずくで黙らせる事にした。鹿島を御輿のように担ぎ、海に捨てようとする。

今回は鹿島が言い過ぎであるため、自業自得である。

 

ネロ「危ないから大人しくしてろよー」

 

何の感情も篭っていないのだが、まぁ一応 責任者なので注意だけしておくネロだった。

 

プリンツ「(助けないんだ・・・)」

 

 

・・・・・・

 

*無人島 7:14*

 

いつも通り平常運転で騒がしくする艦娘達は、目的の島の近くまで来たのだが、そこで見た光景に我が目を疑い眉を顰めていた。ネロも唖然とし、開いた口が塞がらない。

そこで見た光景は、島の浜でバカンスを楽しむ水着を着た深海棲艦達だった。

しかも ご丁寧に、ビーチチェアやパラソルまで用意し、プラスチック容器に入った謎の黒い液体のドリンクをストローで飲んだり、グラスに入ったメロンクリームソーダまである。

そして その中に混じる8体の固体を見て、霧島と鳥海は何やら興奮していた。

 

霧島「あ、あれは・・・まさか伝説の深海棲艦!?」

 

何か ふざけた総称に、ネロは白けた様子で聞き返す。

 

霧島「夏にしか現れないと言われる伝説の深海棲艦です。あれは『潜水夏姫』、あっちは『戦艦夏姫』、そっちのは『港湾夏姫』ですね。あっ、まさか!あそこに居るのは『重巡夏姫』では!?」

 

鳥海「見てください!『潜水新棲姫バカンスmode(モード)』と『集積地棲姫バカンスmode』も居ますよ!?あっ!あっちには『泊地水鬼バカンスmode』と『戦艦仏棲姫バカンスmode』も!」

 

ネロ「何だよバカンスモードって、水着 着ただけだろ。それ言うなら こっちも全員バカンスモードだよ。おい、皆からも何か言って・・・・・・え?」

 

深海棲艦が すぐ そこに居るのに、霧島と鳥海の はしゃぎっぷりにネロが呆れて皆の方を見ると、他の艦娘達は水族館で海洋生物を見る子供のような表情をしていた。

 

潮「わぁ~・・・!」

 

雷「凄~い、あんな深海棲艦 初めて見た!」

 

浦風「あの黒いの、何 飲んどるけ?」

 

龍驤「あいつら どうやってメロンクリームソーダ用意してん?」

 

陽炎「私もメロンクリームソーダ飲みたくなってきた・・・」

 

ネロ「いや、皆?あれ深海棲艦、感心してる場合じゃ━━」

 

『深海棲艦も夏って楽しむんだね!』

 

ネロ「そこじゃねぇ、問題は そこじゃねぇ」

 

ネロとしては、まさか こんな所で多くの深海棲艦が集結してるとは思わなかった。

数も多いため、ここで ぶつかるには準備が足りない。ネロは1度オリーブ財団に戻ってから作戦を立てようと考えるが、絶対バカンス行きたい派の艦娘である主犯メンバーは それ処ではなかった。

 

鈴谷「ねぇ、あそこで深海棲艦バカンスしてたら、鈴谷達どうすんの?」

 

目的の島を深海棲艦が占拠してバカンスしてたら、自分達がバカンスできないという考えに至っていた。なら他の場所に行けばいいという発想は微塵もない。

 

摩耶「なぁ、あそこって無人島だよな?」

 

『うん』

 

天龍「ホテルみたいに予約制じゃないよな?」

 

『うん、違う』

 

「「・・・・・・あいつら島から叩き出せー!!!」」

 

『おおーーーっ!!!!』

 

バカンスを楽しむ深海棲艦を島から追い出すため、摩耶と天龍を筆頭に艦娘達がアマ・デトワール号から降りて突撃した。

船に残った艦娘は加賀と鳳翔、大淀、香取型、まるゆ、あきつ丸、明石、間宮だけだった。

 

ネロ「やっぱダンテの艦娘だよなぁ・・・」

 

Devil May Cry鎮守府の日本艦は、最早ダンテの娘と言っても過言ではない程の影響を受けまくっている。そして その日本艦の影響を受け始めている海外艦の艦娘達。

目的の島が占拠されてるなら、ここで艦娘達が取るべき行動は1つ。突撃あるのみ。

ネロは苦笑いを浮かべて艦娘達の背中を見ていた。

 

潜水夏姫『キタノ・・・ネェ・・・・・・?エモノタチ・・・ガァ・・・・・・フフ・・・ハハハ・・・!

 

戦艦夏姫『ナンドデモ・・・・・・シズメテ・・・アゲル・・・

 

港湾夏姫『フザケタ・・・ヤツラメ・・・ッ!ココデ・・・・・・シズメテ・・・ヤルワッ!

 

重巡夏姫『ブスイナ・・・・・・ヤツラ・・・・・・メ・・・ッ!カエレ・・・ッ!

 

潜水新棲姫『アナタタチ・・・ハ・・・・・・トオ・・・サナイ・・・・・・カラ・・・

 

集積地水鬼『アツメタ・・・ブッシ・・・ハ・・・・・・ヤラセハ・・・・・・シナイ・・・・・・・・・ッ!

 

集積地水鬼バカンスmodeは、大量のマンゴーが入った器を大事そうに持ち、マンゴーを食べながら言っていた。どうやら物資とは、マンゴーのようだ。

 

泊地水鬼『モウ・・・トベナイノ・・・・・・トベナイノヨ・・・・・・ワカル・・・?ネェ

 

戦艦仏棲姫『コナクテ・・・・・・イイ・・・ノニ・・・・・・・・・ッ

 

艦娘達の接近に気付き、水着を着てる事から この浜を奪おうとしてると即座に判断した深海棲艦は、自分達がバカンスを楽しむ浜を護るために反撃に出る。

艦娘達も それに応戦し、航空戦や砲雷撃戦を繰り広げ、無人島の沖は瞬く間に戦場と化した。

そんな激戦を繰り広げる艦娘達を見ながら、ネロは感心しつつ呆れてもいた。

 

ネロ「あいつら、いつもより動きがいいな」

 

大淀「自分達の遊びが懸かってるから必死なんだと思います」

 

加賀「はぁ、もう付き合ってられないわ・・・」

 

加賀と大淀はネロとは違い、感心はなく呆れしかなかった。

 

明石「頑張れー!!夕張、皆より兵装 多いんだから しっかり攻撃して!!利根さん外してる!!もっと右 狙ってください!!電ちゃんと潮ちゃん、あたふたしてないで攻撃するの!!春雨ちゃんと五月雨ちゃんも ちゃんと撃って!!」

 

間宮「が、頑張れ~・・・」

 

明石も絶対バカンス行きたい派の1人なので、応援にも熱が入る。

こんな状態になって今更やめろとは言えないので、間宮も控え目に応援していた。

 

まるゆ「あの、止めなくていいんですか・・・?」

 

あきつ丸「今この状態で止めると逆に危ないであります」

 

ネロ「香取、これ どうしたらいいと思う?」

 

香取「ぁ・・・わ、私には分かりません・・・」

 

訊かれた香取は余所余所しく、甲板から船内へと逃げるように去ってしまった。

そんな香取の様子に、加賀と大淀、まるゆ、明石、あきつ丸、間宮は不思議そうな顔をしていたが、鳳翔と鹿島は何か思い当たる事があるのか、意味深に目を細めた。

 

鳳翔「ネロさん、ちょっと・・・」

 

鹿島「こっちに来てくれます?」

 

ネロ、鳳翔、鹿島は、加賀達から離れ話をする事にした。勿論、話すのは香取の事だ。

 

鳳翔「ネロさん、香取さんの様子が以前から おかしいと気付いてましたか?」

 

ネロ「あぁ、それは気付いてた。でも変なんだよなぁ・・・」

 

提督代理になると決めてから、艦隊運用や執務に関する事を教えられる時は普通なのだが、そうじゃない時は先程のように、香取は余所余所しくなり口数も極端に減るのだ。

ネロが元の世界に戻されるまでは そんな事はなかったと記憶してるが、始まりは恐らく、ネロがニコと共に2人だけで鎮守府に戻ってからだ。

 

ネロ「俺 何かしたかな?自分じゃ分からないんだけど・・・」

 

鳳翔「元の世界に戻ってる間となると、ネロさん自身が何かしたというのは考えられませんね・・・」

 

鹿島「・・・私が思うに、原因はルキフェルスとの最後の戦いじゃないですか?」

 

ネロ「ルキフェルスとの・・・?何で?」

 

鹿島「前にニューヨークに行った時に、私が言った言葉を憶えてませんか?」

 

 

“あ、香取姉には知られないようにしてくださいね?”

 

“香取姉が その話を聞くと、気絶しちゃうかもしれないので。それに、私と違って認めようとはしないでしょうから”

 

 

ネロ「それって、魔女の女王が復活してコナーの家に行った時か?」

 

鹿島「はい。ルキフェルスとの戦いで、提督さん達は悪魔の姿になりました。香取姉は その時、3人の悪魔の姿を初めて見たんです」

 

鳳翔「それだと、香取さんが ああなった辻褄も合いますね」

 

この世界では、既に悪魔の存在は知れ渡っている。悪魔が引き起こした災厄を多くの者が目にし、耳にしている。

日本海軍でも、今となっては深海棲艦と同等に悪魔は憎むべき存在だと教え込ませている。香取も長年に渡り そう教え込まれているため、ダンテ達が悪魔だと知ったショックは計り知れないはずだ。

 

鹿島「香取姉の、提督さん達に対する信用ガタ落ちです」

 

ネロ「それって、結構マズい・・・よな・・・?」

 

鹿島「まだ その様子は見られませんが、香取姉が日本海軍に報告すれば日本政府を敵に回し、提督さん達も他の悪魔と同じように討伐対象になります。今はオリーブ財団の所属でもありますから、ステフが知ればアメリカ政府も敵に回す事になりますね」

 

問題は それだけではない。ダンテの下に付く艦娘達も、悪魔に協力していたとして罪に問われる可能性がある。そうなると解体は免れないはずだ。

 

鳳翔「私達まで危うい状況ですね」

 

鹿島「私達 艦娘は どうにかなると思いますよ?“知らなかった、自分達も騙されていた”と押し通せば、提督さん達だけ損する形で、最悪 私達の解体は免れるかと」

 

ネロ「おい、こっちに全部 丸投げかよ!?」

 

鹿島「後先 考えずに悪魔の姿になるからでは?」

 

ネロ「ぅ・・・」

 

鳳翔「致し方ありません。もしもの時は、私達は それで逃げましょう」

 

ネロ「鳳翔!?」

 

鳳翔なら何かしらフォローしてくれると思っていたが、鹿島の考えに乗っかり魔剣士3人に罪を丸投げしようとするので、これにはネロも素頓狂な声を上げて驚いてしまう。

ただ、鳳翔もダンテ達を見捨てて そう言ってる訳ではない。そうなった時、解体されれば本当の終わりだ。だが解体を免れれば、追われる身となったダンテ達を何かしらの形で助ける事もできる。ちゃんと考えがあっての事だった。

 

鹿島「なので提督代理さんには、このバカンスで しっかり香取姉の信用を取り戻してくださいね♪」

 

ネロ「取り戻すって・・・どうやって?」

 

鳳翔「それは・・・愛です」

 

鹿島「愛です!」

 

ネロ「・・・・・・何その意味不明な理屈」

 

鳳翔「愛を持って接すれば、香取さんも きっと分かってくれます。愛です」

 

鹿島「愛です!」

 

ネロ「どっかの宗教の回し者かよ・・・」

 

鳳翔と鹿島は、満面の笑みでサムズアップを向けていた。

愛が どうとかは置いといて、一先ず香取とは話さなければならないだろう。ネロは どう話そうか、頭を悩ませるのだった。

 

 

・・・・・・

 

それから数時間が経ち、バカンス中の深海棲艦と戦う お邪魔虫の艦娘達は、未だに戦闘を続けていた。

どちらの陣営にも被害が出ており、深海棲艦側も忌々しそうに顔を歪めていた。

 

潜水夏姫『イタイッ!

 

戦艦夏姫『キャァ!

 

港湾夏姫『イタイジャナイノッ・・・!

 

重巡夏姫『コノワタシガ・・・・・・ヤラレルトイウノ・・・?

 

潜水新棲姫『イタイッ!・・・ヤメテヨッ!!

 

きっと砂浜で集めたのだろう。潜水新棲姫バカンスmodeが艦娘の爆雷に被弾すると、沢山の綺麗な色の貝殻が弾け飛んだ。

 

集積地水鬼『イタイ・・・ヤメロ! モエテシマウ・・・!

 

瑞々しいはずのマンゴーが燃えて、この蒸し暑い時期にホットフルーツに変わってしまうかもしれない恐怖・・・。

 

泊地水鬼『フフッ・・・・・・イタイ・・・イタイワ・・・・・・ウッフフフフフフ・・・!

 

戦艦仏棲姫『ヤメテ・・・

 

深海棲艦は ただバカンスを楽しんでただけなのに、こうなってくると可哀想になってくる。

艦娘達のせいでバカンスが滅茶苦茶になり、これ以上は続けられないと判断したのか、深海棲艦は海の底へと撤退していく。

潜水新棲姫バカンスmodeと、マンゴーを大事そうに持っていた集積地水鬼バカンスmodeは、海中に潜水する前に涙目で、恨めしそうに艦娘達を見てから姿を消した。

 

摩耶「はっはっはっはっはっ!この島は あたしらの(もん)だ!」

 

天龍「正義は必ず勝つんだよ!ざまぁ見ろ!」

 

まるゆ「・・・・・・勝っちゃいましたね・・・」

 

加賀「何かしら?この後味の悪さは・・・」

 

あきつ丸「何故か胸が締め付けられる痛みが・・・」

 

間宮「何か、悪い事しちゃったわね・・・」

 

どこに正義があるのか分かりゃしない。

とりあえず浜が空いたので、戦闘をしていた艦娘達は先に島へ上陸し、アマ・デトワール号に残っていたネロ達も遅れて上陸した。

しかし、1つ問題があった。戦闘に参加していた艦娘達も無事では済まず、中破艦や大破艦が出ていた。被弾した事で水着もボロボロだ。

 

明石「皆ー、高速修復材 用意したから入っていいよー」

 

明石が持ってきたドラム缶に高速修復材を混ぜた水を入れ、簡易的な入渠ドックを用意してくれていた。

普段は風呂として お湯で入渠するが、今回は暑いので水風呂だ。

 

天龍「待ってました!」

 

早く遊びたくて のんびり入渠してる時間も勿体ないので、天龍は駆け出しダイブすると、頭からドラム缶に入った。

身体の傷は癒され消えたのだが、この入り方には1つ問題があった。自力で出れない。

天龍は水風呂の中でゴボゴボ言いながら、外に飛び出してる足をバタバタと動かし溺れかけていた。

 

明石「あーはいはい、今 引っ張り上げるから」

 

明石は艤装を展開し、艤装のクレーンで天龍を引っ張り上げ救出する。入渠してるのに、溺死したら元も子もない。

そして他の艦娘達も入渠していくのだが、天龍の失敗を見ていたにもかかわらず気が急いて、頭からドラム缶にダイブして全員ゴボゴボ言っていた。結局、明石がクレーンで全員を引っ張り上げるという手間が掛かった。

 

鹿島「やっぱりバカなんですかね?うちの鎮守府バカしか居ないんですけど」

 

よく こんなんで、20年以上も鎮守府として活動してこれたものだ。

 

 

・・・・・・

 

上陸してからネロ達は、役割分担をしながらテントの設営、仮設トイレの設置、薪の確保、調理道具の準備などを始めた。

テントの設営をしてる所を見る限り、今晩は島に泊まるつもりのようだ。まさか、月末まで帰らず遊ぶつもりか・・・?

そして早く準備が終わった者から、続々と海や砂浜で遊び始める。

因みに、水着がボロボロになった艦娘達は、予備を持ってきていたので既に着替えてある。道中などで深海棲艦と会敵する可能性は考えられたので、ちゃんと準備だけはしていた。

ただ、何故か駆逐艦の艦娘は総じて、海軍から支給されてるスク水だった。水着を買う お金が無かったのだろうか?

 

天津風「うん、こういうのも楽しいかも」

 

島風「天龍さん、もっと早くー!」

 

天龍「これが限界だ!」

 

海では、天津風と島風が膨らませたシャチフロートに乗り、天龍が ばた足で泳ぎ押してあげていた。

そんな様子を、陸から龍田が生暖かい目で見守ってる。

海中では潜水艦と潜水空母の艦娘が、海に生きる生物を見ながら一緒に泳いでいた。

 

高雄「愛宕、ちょっと待ってー!」

 

愛宕「高雄ちゃん、こっち こっちー!」

 

波打ち際では、高雄と愛宕が追いかけっこをしていた。平和。

砂浜では、大井が北上を待っていた。

 

北上「大井っち、お待たせ」

 

大井「北上さぁ~ん!(あぁ、北上さんの水着姿、何て美しく尊いの!)」

 

後ろから声を掛けられ、振り返ると黄色のビキニを着た北上が居た。

大井の血圧が上昇中。

 

北上「これ、ちょっと大胆だったかな?変じゃない?」

 

大井「そんな事ないですよ、すっごく似合ってます!・・・・・・うっ!」

 

水着姿を絶賛していたが、大井は急に北上に背を向け、手で鼻を押さえた。

 

北上「大井っち、大丈夫?」

 

大井「だ、大丈夫です~、気にしないでくださ~い・・・(ぐっ、鼻血が・・・!妄想が捗る!)」

 

弥生、卯月、初雪、潮、若葉、春雨、五月雨、霰、浜風、夕雲、巻雲、フレッチャー、サミュエル・B・ロバーツ、シロッコ、レーベレヒト・マース、マックス・シュルツがサンドアートに挑戦しようとしてるのだが、今は何を作るか話し合っていた。

 

卯月「で、何 作るぴょん?」

 

五月雨「じゃあ・・・司令官とか どうかな?」

 

初雪「難易度 高過ぎて、完成形が見えない・・・」

 

マックス「何で提督にしようと思ったのか不思議・・・」

 

五月雨「うぅ・・・」

 

若葉「それぐらいで落ち込むな。いつか皆で作ろう」

 

夕雲「そうね、目標があるって大事だから~」

 

シロッコ「で、どうすんの?」

 

『・・・・・・・・・』

 

卯月「(あ、これ一生 決まらないパターンぴょん・・・)」

 

卯月以外は比較的 大人しい艦娘ばかり集まったからか、中々 意見が出ないし決まらなかった。お城とかじゃ駄目なのか?

 

白露「よーし、白露が いっちばん大きいの見付けるんだからね!」

 

叢雲「まぁ、勝負ってんなら負けるつもりはないわ」

 

弥生、卯月、初雪、春雨、五月雨以外の睦月型、吹雪型、白露型は、貝殻を拾って その大きさを競っていた。地味だが楽しそうだ。

 

不知火「どうですか?」

 

陽炎「うん、砂の中に入るって変な感じ」

 

陽炎は、不知火と雪風の手によって砂の中に埋められ、砂風呂を楽しんでいた。

そこに朝潮と大潮が、3人のために冷えたドリンクを持ってきてくれた。

 

朝潮「熱中症になるといけませんから、どうぞ飲んでください」

 

不知火「お気遣い、ありがとうございます」

 

大潮「キンキンに冷えた麦茶ですよー!」

 

雪風「わぁーい!」

 

4人は その場で麦茶をストローで飲むのだが、何故か陽炎だけ お預けを喰らっていた。

 

陽炎「あ、あの~、私も麦茶 飲みたいな~・・・」

 

朝潮と大潮、雪風は不知火を見た。陽炎の分の麦茶は不知火に渡してあるため、3人には どうしてやる事もできない。

そして肝心の不知火は、ストローで麦茶を飲み続けながら無言で陽炎を見下ろしていた。

 

陽炎「あのさぁ!!前から思ってたけど、私に何か恨みでもあるわけ!?」

 

不知火「・・・身に覚えがないと?」

 

陽炎「え・・・?」

 

陽炎型の1番艦と2番艦、陽炎と不知火、2人の姉妹としての絆に暗雲が立ち込め、不知火の顔を見た朝潮は冷や汗を流していた。

大潮と雪風は、半笑いで陽炎と不知火を交互に見てるのだが、多分この2人は何も考えてない。

そして陽炎は、あの時の事かと不知火の知らない事まで自ら暴露し謝罪するが、余罪が出てきたので許されるはずもなく、更に砂を盛られて完全に埋められ封印された。

設営したテントの近くでは、龍驤が真面目に残ってる準備作業をしていたのだが、アメリカ艦の大人組を見て怒っていた。

 

龍驤「おい、そこのアメリカ艦!何で遊び始めてんねん?!手伝えや!」

 

彼女達も最初は真面目に手伝い、サラトガやイントレピット、ノーザンプトンは今も作業中だが、他のアメリカ艦は途中から適当になり、最終的に放り出してバカンスを満喫し始めていた。

 

ホーネット「そういうの、日本艦に任せるわ」

 

ヒューストン「面倒臭いから残りはやっといて」

 

龍驤「ふざけんなよ お前ら!」

 

武蔵「龍驤、ここは我ら大和型と長門型に任せてくれ」

 

長門型と大和型が、アメリカ艦を手伝いに連れ戻すため彼女達の前に立ち塞がる。

 

長門「皆で準備すれば、その分 早く遊べるようになる。だから準備に戻れ」

 

長門達がアメリカ艦の説得を始めるのだが、彼女達を前にしてアメリカ艦は、何かを企むように悪い笑みを浮かべていた。

 

アイオワ「ふ~ん・・・だったら、ビーチバレーボールで勝負よ!そっちが勝ったら手伝ってあげる」

 

武蔵「おもしろい!日本とアメリカ、どちらが強者か思い知らせてやる!」

 

長門型と大和型も一緒になって、ビーチバレーボールで遊び始めてしまった。

 

龍驤「長門型と大和型ぁああああああ!!!!」

 

陸奥と大和は顔の前で手を合わせ、龍驤に向かって謝っていた。謝る前に、戻って手伝ってあげてほしい。

そんな艦娘達を、海中から様子を見る巨大な影があった。同じく海中に居る潜水艦と潜水空母の艦娘は気付いていない。

艦娘達が誰1人その影に気付かないまま、影は ゆっくりと深度 深く姿を消した。




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