Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

前回と温度差が激しいですが、309話です!どうぞ!


Mission309 香取の気持ち~もう1つのバカンス~

ステフから言い渡される任務から逃げた大多数の艦娘達は、ネロ、加賀、大淀、香取を無理矢理 連れてバカンスに行ってしまう。

バカンスを謳歌する前から水着に着替えて準備万端だったのだが、目的の島では深海棲艦が先にバカンスを楽しんでいた。

それを見てネロと艦娘達は唖然とするのだが、艦娘達が攻撃を仕掛け深海棲艦を島から追い出してしまう。

深海棲艦は撤退する時、涙目で艦娘達を恨めしそうに見てから姿を消した。

島が空くとネロ達は上陸し、各々がバカンスを楽しむのだった。

 

 

*無人島 8月26日 10:34*

 

ネロは様子の おかしい香取と話すため、どうにかタイミングを作ろうとしていたのだが、その機会は思ったより早く来た。ネロは今、香取と一緒に島の木々が群生する場所を歩いていた。

鹿島の采配で2人はペアを組まされ、薪を集める係となり共に行動していた。しかし移動中は どちらも喋らず、重苦しい雰囲気だけが漂っていた。

 

ネロ「(どう話したもんかなぁ・・・)」

 

鹿島の予想では、香取の様子が おかしくなったのはダンテ、ネロ、バージルが悪魔の姿になったのを見たせいだと言っていたが、それが当たっていたとしても、それを踏まえた上で どう話すのが正解か分からない。

自分達は悪魔だが、悪い奴ではない?

そういうものだから仕方ない、納得してくれ?

確かに悪魔の血は流れているが、人間でもある?

それとも2千年前のスパーダの伝説から説明するか?

どれも何か違う気がする。

 

 

“愛を持って接すれば、香取さんも きっと分かってくれます。愛です”

 

“愛です!”

 

 

鳳翔と鹿島は そう言っていたが、正直 何の参考にもならない。

姉妹と言っても、鹿島とは違う。香取は香取だ。話して納得してくれるとは限らない。

そもそも、香取は話したいと思っているのだろうか?

悪魔は憎むべき存在だと教えられてきた香取が、自分やダンテとバージルが悪魔だと知ってショックを受けなかったはずはない。何を どう話そうと、最終的には香取の気持ちに大きく左右される結果となるだろう。

ダンテとバージルのためにも元の関係性に戻りたいとは思うが、大事なのは香取自身が何を求め、どうすれば気持ちのモヤモヤを取り除いてやれるかだ。彼女自身が話を聞きたい、納得したいと思わなければ、聞き入れてはくれないだろう。

 

香取「・・・・・・ネロさん、どこまで行くんですか・・・?」

 

ずっと歩き続け、薪を探すだけなのに随分と奥まで来た事で香取は不審に思い、我慢できずネロに声を掛けた。

しかし、ネロからの返事は返ってこない。ネロは香取と どう話すか考えるのに集中していて、聞こえてなかった。

 

香取「っ・・・いい加減にしてください!」

 

香取の大声にネロは驚き、やっと振り向いた。

 

ネロ「あ、悪い、何か言ったか?」

 

香取「ぁ、いえ・・・」

 

香取は気まずそうな表情を浮かべ、すぐにネロから視線を逸らしてしまった。

どちらも沈黙し、嫌になるほど空気が重苦しい。

 

ネロ「(・・・・・・何か、こんなの俺らしくないよな・・・)」

 

自分達の事を話すにしても、香取の気持ちを知るにしても、どちらにせよ話さなければ前に進まない。ネロはウダウダ考えるのをやめ、覚悟を決めて口を開いた。

 

ネロ「香取、俺が怖いか?」

 

香取「・・・な、何で そんなこと訊くんですか?」

 

ネロ「香取の俺に対する態度が変だから。執務の時とかは普通なのに、それ以外じゃ俺と話そうとしないだろ?」

 

香取「それは・・・」

 

ネロ「俺やダンテ、バージルが悪魔になったからか?」

 

香取「・・・・・・!」

 

ネロの核心を突いた質問に、香取は俯き加減の顔を強張らせ、両手を握った。

 

ネロ「ごめんな」

 

香取「・・・何で・・・何で謝るんですか?」

 

ネロ「いや、何ていうか・・・怖い思いさせちゃったかなって・・・」

 

香取「・・・・・・怖いですよ、当たり前じゃないですか・・・」

 

ネロ「うん・・・そう、だよな・・・」

 

これまで仲良くしてた相手から怖がられるのは、流石にネロも精神的に来るものがあった。

こんな話を切り出され、香取は逃げ出したい気分だろうが、ネロも これ以上 何を話せばいいか分からず正直 逃げたかった。

すると、香取がポツポツと自分の正直な気持ちを話し始めた。

 

香取「悪魔は、深海棲艦と同じで倒さなきゃならない相手なんです。なのに・・・自分の提督が、信頼する人達が悪魔だって知って・・・バージルさんは別にって感じですけど・・・」

 

信頼という部分でバージルだけ除外され、ネロは何とも言えず苦笑いを浮かべた。

 

香取「何も分からなくなって・・・怖くて、どうしたらいいか分からなくて・・・・・・私は・・・私は何を信じればいいんですか?!」

 

ネロ「香取、俺達は━━」

 

香取「来ないでください!!」

 

香取を宥めるため歩み寄ろうとしたが、香取に拒絶されネロの足が止まる。

 

香取「最初は鎮守府の皆が嫌いでした!提督も艦娘も皆いい加減で・・・でも こんな私を受け入れてくれて・・・元帥を助けてほしい願いを叶えてくれて・・・チャランポランだけど最後にはビシッと決めてくれる人達なんだって、凄い人達だなって思ってたんです・・・。なのに・・・何で提督やネロさんが悪魔なんですか・・・?こんなの酷い・・・!」

 

ネロ「香取!」

 

香取は泣きながら どこかへ走り出し、放っておけないネロは驚きつつも彼女を追った。

 

ネロ「香取!香取!!聞いてくれ!」

 

香取「嫌っ!聞きたくない!!」

 

ネロの制止も聞かず、逃げるように走り続けていたが、ネロの手が香取の腕を掴んだ。

ネロを拒絶して香取は暴れるが、ネロは香取の両肩に掴み直すと自分の方へ向き直らせる。

 

ネロ「香取、聞いてくれ」

 

香取「何も聞きたくない!」

 

ネロ「頼むから聞いてくれ!君に黙ってたのは悪かった。でも騙そうとか、そんなつもりで話さなかった訳じゃないんだ」

 

香取「そんなの関係ない!あなた達が悪魔なのは変わらないじゃない!」

 

ネロ「俺を見ろ。俺を見ろ!」

 

暴れる香取の身体を揺さぶり大声を出すと、暴れていた香取はネロの顔を見て動きを止めた。

 

ネロ「君の目には俺が どう映ってる?・・・ん?どう映ってる?」

 

香取「・・・・・・・・・」

 

ネロ「俺達には確かに悪魔の血が流れてる。でも君が思う悪魔とは違うんだ」

 

香取「そんなの・・・」

 

ネロ「できないよな?納得できないよな?だけど俺には君を納得させるだけの答えは持ってない。だけど鎮守府に来てから見てきたこと、色々あるよな?悪魔ってだけじゃない、それ以外の事も目にしてきただろ?俺も、ダンテも、バージルも、君が見てきた全てが俺達なんだ」

 

ダンテ、ネロ、バージルの存在を彼らたらしめるのは、何も悪魔の血が流れているという事だけではないだろう。

香取はDevil May Cry鎮守府に着任してから共に過ごし、言葉を交わし、彼ら自身の色んな面を見てきたはずだ。ネロは それら全てを引っ括めて、自分達が信用できるか できないかを判断してほしかった。

 

ネロ「君の魂は どう言ってる?心で感じたままに、君が見てきた全てを もう1度 考えてほしい。君の魂は何て言ってる?」

 

香取「・・・・・・・・・っ!」

 

ネロから視線を外し俯いていた香取は、突然ネロを突き飛ばすと艤装を展開し、主砲を向けてきた。

 

ネロ「香取・・・」

 

香取「悪魔は、倒さなきゃならないんです・・・倒さなきゃ・・・・・・うああああああっ!!!」

 

香取は自分の気持ちやネロの言葉で感情がグチャグチャになり、整理できない気持ちをネロに向けて砲撃する。

ネロは躱せるはずだが、動こうとしない。そして着弾し、吹き飛ばされる。

ネロに感情を ぶつけるように砲撃は続き、避けないネロは何度も吹き飛ぶ。

 

香取「何で・・・何で反撃しないの?!」

 

香取からの問い掛けに、ネロは微かに笑った。

 

ネロ「・・・・・・しないさ・・・」

 

香取「どうして・・・?このままじゃ あなたが死ぬのよ?!」

 

ネロ「反撃なんてできる訳がない・・・」

 

香取「くっ・・・!」

 

また砲撃が再開され、ネロは吹き飛ばされる度に地面を転がり、木に身体を叩き付けられる。

それは しばらく続いたが、一通り撃つと少しは落ち着いたのか、砲撃が止まった。

ネロはボロボロになり、うつ伏せで倒れたまま動かない。

 

香取「あぁ、どうしよ・・・」

 

少しは落ち着いた事で自分の理不尽な行いに気付き、動かないネロの姿を見て血相を変えながら駆け寄る。

 

香取「ネロさん、起きてください!ネロさん!!」

 

呼び掛け続けるが、打ち所が悪かったのかネロは目を覚まさなかった。

 

 

・・・・・・

 

ネロ「ぅ・・・」

 

香取「ネロさん、大丈夫ですか!?」

 

幾ばくかの時間が過ぎ、ネロの意識が戻った。

ぼんやりとした視界の中で、自分を見る香取の顔があるのが見えた。どうやら上から覗き込んでいる。

意識がハッキリしてくると、膝枕されてるのが分かった。

どれだけの時間そうされてたのか分からないが、長い時間なら香取の足に負担を掛けていただろう。それは申し訳ないので、ネロは すぐに身体を起こした。

 

香取「ぁ、まだ寝てた方がいいんじゃ・・・」

 

ネロ「大丈夫・・・けど、流石に砲撃に当たると痛いな・・・」

 

香取「そんなの当たり前ですよ・・・。あの、ネロさん・・・」

 

ネロ「ん?」

 

香取「ごめんなさい・・・」

 

香取はネロに謝罪し、深く頭を下げた。

 

香取「取り乱して、あなたに酷い事を・・・」

 

ネロ「だから大丈夫だって」

 

香取「でも・・・」

 

ネロは唐突に、自分の祖父が“魔剣士”と呼ばれる悪魔だと話した。そして人間との間にダンテとバージルが産まれた事も。

 

香取「それって、提督とバージルさんは、人間と悪魔の混血児って事ですか!?」

 

ネロ「そういうこと。んで、何の因果か そのバージルの息子が俺な訳だ」

 

香取「(純粋な悪魔ではない・・・?3人は人間でもあるということ・・・?でも、悪魔は悪魔・・・)」

 

ネロ「これ、前に鳳翔から聞いたんだけどさ」

 

その話は、Devil May Cry鎮守府が発足してから まだ月日が浅い頃、ダンテが半人半魔であると当時の艦娘達が始めて知った時の話だった。

 

ネロ「皆も香取と同じだったらしい。ダンテに悪魔の血が流れてるって知って、どうしたらいいか分からなかったんだってさ。加賀なんて凄かったらしいぞ。凄い剣幕でダンテに掴み掛かったらしいからな」

 

ネロは笑っているが、実際あの当時は大変だった。ダンテが何を言っても、加賀は敵意を剥き出しに話を聞こうとしなかったのだから。

赤城、加賀、鳳翔、大淀、明石、間宮は、嘗ては横須賀鎮守府に所属していた。

突如として鎮守府に悪魔が現れ、当時の提督も悪魔へと変貌し、艦娘の仲間は次々と悪魔に殺され、彼女達6人も危険な状態だった。

そこに異世界から来たダンテに救われ、彼女達はダンテと共にDevil May Cry鎮守府に着任した。

そんな事があった中で、命の恩人であり信頼するダンテが悪魔だと知った時は驚いたし、ショックも受け、彼女達も どうしたらいいか分からなくなった。

6人以外の艦娘も着任していた中、不思議な事があった。どういう訳か、艦娘全員が同じ夢を見たのだ。ダンテの戦いの記憶を。

夢の中の魔塔テメンニグルで戦うダンテと、そこで関わる者達との会話を見て、艦娘達はダンテに対する考えを固めた。自分達はダンテを信じると。

 

ネロ「キレまくった加賀も、それでダンテ自身を見て判断するって決めたらしい。だから香取も、俺達を見て判断してくれないか?」

 

香取「それは・・・」

 

ネロ「今はムリでも、必ずアンタの信頼を勝ち取ってみせる」

 

ネロは自信があるのか、握り拳を見せながら笑みを浮かべていた。

しかし、香取は浮かない顔でネロから視線を外した。

 

香取「それは・・・考えておきます・・・」

 

ネロ「うん、今は それで充分だ」

 

話のキリもいいところで、ネロは薪拾いの事を思い出した。早く戻らないと皆が心配する。

ネロは香取を連れて、必要な分だけ薪になりそうな枝を持って浜に戻った。

 

 

*南方泊地海域 無人島*

 

その頃ダンテは、南方泊地海域にある島の浜で寝転がっていた。ダンテは深海棲艦アカギを探す休憩に、少し昼寝でもしようかと ここに立ち寄っていた。

ダンテの意識が眠りに落ちていった直後、ダンテの身体が虹色に光り、一瞬にして姿を消した。この現象は・・・また未来に呼ばれたのか?

 

 

・・・・・・

 

*南西海域 無人島 13:12*

 

浜に戻ってから時間も過ぎ、昼食も終わらせたネロは現在、悪戦苦闘していた。

ネロの前には沢山の艦娘の行列ができている。

昼食が終わり、艦娘達は食後の かき氷を所望したのだが、何故かネロが作らされていた。

かき氷機は1つしかなく、しかも手動でレバーを回して氷を削るタイプなので、かなり しんどい。

しかも艦娘の人数も多く、おかわりで並び直す者も居て全然 終わらない。

 

蒼龍「提督代理まだ~?」

 

ウォースパイト「暑いから早くしてください」

 

ネロ「今やってんだろうが!黙って待ってろ!」

 

ネロは ひたすらレバーを回す手を動かし続けているが、かき氷機が1つで手動では、どんなに急いでも かき氷が出来るスピードにも限度がある。

待ち時間が長くて艦娘達から文句が出るが、ネロはキレ返しながらも かき氷を作る手は止めない。

そんなネロの様子を、香取は1人 離れた場所から見ていた。

 

 

“だから香取も、俺達を見て判断してくれないか?”

 

 

香取「(ネロさん自身を見て判断、か・・・)」

 

香取は、ネロに言われた言葉を考えていた。その言葉を聞いた上で、自分は それができるのか、何ができるのかを。

 

香取「(・・・・・・よし!)」

 

香取は何を思ったのか、かき氷の行列の方に向かった。行列を通り過ぎ、かき氷製造機と化したネロに近付く。

 

香取「・・・手伝いましょうか?」

 

ネロ「え・・・?いや、いいよ。香取も遊ぶか かき氷 食いたいだろ?」

 

悪戦苦闘してるくせに まさか断られるとは思わず、香取は その顔をムッとさせた。

 

香取「(あなたが見て判断しろって言ったくせに・・・!)手伝います!」

 

ネロ「あ、はい・・・」

 

半ば怒ったように言われ、ネロは無条件で申し出を受け入れる事となった。

ネロが かき氷機のレバーを回し、香取が かき氷の形を整え、シロップを掛けて出来上がった かき氷を艦娘達に配り、次のカップをセットする。

そんな様子を見ていた鳳翔と鹿島は、互いの顔を見て笑った。

 

 

*浜 ?月?日 13:13*

 

?「・・・・・・く・・・・・・とく・・・提督、起きてってば」

 

無人島の浜で寝ていたはずのダンテは、誰かに呼ばれる声で目を開けた。そこには青空をバックに、髪が長く、真っ白のワンピースタイプの水着を着た少女が見下ろしていた。

 

ダンテ「・・・・・・神通?」

 

川内「わたくし“川内”と申します!いつになったら覚えていただけるんでしょうか?!」

 

ダンテ「おい、またか お前」

 

ダンテの目の前に居たのは、未来の川内だった。

川内は、いつまで経っても神通と間違えるので怒っている。髪を伸ばして間違われる容姿をしてるから仕方がない。

ダンテは また呼ばれたのかと思い、川内が怒ってるのを無視して あまり気乗りしない様子だったが、その態度に川内も不満そうだった。

 

川内「また呼ぶって約束だったんだから、今になって文句 言わないでよ」

 

ダンテ「・・・まぁ、それも そうだな」

 

ダンテは身体を起こし、今どこに居るのか辺りを見渡してみる。どうやら浜のようだが、ダンテが居た無人島の浜とは どこか違う。

 

ダンテ「ここは・・・日本か?」

 

川内「うん。昔は海水浴場として賑わってた場所だけど、文明が崩壊してからはね・・・」

 

気温が暑い事から こちらの世界も夏の時期のようだが、確かに浜辺には誰1人として姿はない。居るのはダンテと川内だけだ。

 

ダンテ「で、今回は どうしろって?」

 

川内「折角の夏だからね。提督と海で遊びたいなーと思って」

 

それを聞いたダンテは白けたような顔をすると、徐に以前 川内から渡されたデバイスを懐から取り出す。

 

ダンテ「おい、これ どうやったら帰れるんだ?」

 

川内「帰ろうとしないで!ちょっ、それ変に弄っちゃダメだって!壊れる!こ・わ・れ・るー!」

 

ダンテがデバイスを弄ろうとするので、川内は慌ててダンテの腕を掴んでやめさせる。

デバイスには設定もあるので、変に触ると設定が狂って呼べなくなる。下手をすればダンテが元の時間軸に戻れなくなるので、川内が慌てるのも当然だ。

 

ダンテ「ふざけんな、俺も暇じゃないんだ。遊ぶためだけに わざわざ呼ぶんじゃねぇ」

 

ダンテが冷たく突き放すと、川内はダンテの腕を掴んだまま俯いてしまった。

 

川内「だって、折角こうして提督と会えるようになったんだよ・・・?もう会えないと思ってた提督に・・・。少しくらい、甘えたっていいじゃん・・・」

 

顔を伏せる川内の声は震えており、身体も小さく震えていた。もしかすると、泣いてるのかもしれない。

 

ダンテ「・・・・・・ったく、少しだけだぞ」

 

そんな風にされると、ダンテも弱い。なので、少しだけ付き合ってやる事にした。

しかし、ダンテは気付いていなかった。顔を伏せてるためダンテから見えないが、川内は悪い笑みを浮かべていた。

 

川内「(ふっ、計画通り)」

 

そして顔を上げた川内は、徐に何かを渡してきた。

既に その顔からは、悪い笑みは消えている。

 

ダンテ「・・・何だ これ?」

 

川内「提督用の水着。どうせ持ってないだろうと思って用意しといたの」

 

ダンテ「文明 滅んでるのに水着はあるのか。てっきり素っ裸で泳ぐのかと思ってたぞ」

 

川内「私が水着 着てるのに何で そういう発想になるの・・・?」

 

仕方なく、ダンテは その場で水着に着替えようとしたのだが、川内が悲鳴を上げて それを止め、物陰で着替えてこいと怒鳴りダンテを行かせるのだった。

 

 

・・・・・・

 

改めて水着に着替えたダンテが戻ってきたのだが、早く元の時間軸に帰りたくてテンションが上がらず、覇気もない。

 

ダンテ「で、何したいんだ?まだ何も聞いてねぇぞ」

 

川内「ちょっと待ってね、もう1人 来るから。あ、丁度 来たよ」

 

ダンテは五十鈴でも来るのかと思ったが、どうも違うみたいだ。遠くから、浮き輪に身体を通した状態で緑髪の少女が、トテトテと走ってくるのが見える。

その少女を見てダンテは、川内の知り合いで背丈から、艦娘の駆逐艦だろうと判断した。

そして少女が目の前まで来ると、川内が優しく微笑みながら口を開いた。

 

川内「山風、どうだった?」

 

山風「近くに・・・敵は居なかったから・・・大丈夫・・・」

 

その少女は、改白露型 駆逐艦2番艦の山風だった。まだDevil May Cry鎮守府には着任していない艦娘だ。

 

川内「この娘ね、提督に会いたがってたの。ほら山風、この人がダンテ提督だよ」

 

お互いに紹介されたが、山風は目の前の人物がダンテだと分かった途端、サッと川内の後ろに隠れてしまった。意味が分からずダンテは首を傾げ、川内は苦笑いを浮かべた。

 

川内「この娘ちょっと人見知りで、提督に会えて恥ずかしいみたい」

 

ダンテ「山風か。ダンテだ、よろしくな」

 

ダンテとしても怖がらせるつもりはないので、川内の後ろを覗き込むようにして山風を見ると、改めて挨拶してみた。

しかし・・・

 

山風「・・・・・・話し掛けないで!」

 

山風は怒ったようにダンテからプイッと顔を背けると、また どこかに向かって走っていく。

そんな山風を見たダンテは、川内に言いたい事があった。

 

ダンテ「・・・俺に“会いたがってた”って言ったか?」

 

川内「うん、言った」

 

ダンテ「あれ会いたかった奴にする態度か?」

 

川内「照れ屋だから素直じゃないだけだよ。という訳で、今日は この3人で遊びまーす!」

 

ダンテ「もう勝手にしてくれ・・・」

 

こうしてダンテの方も、望まずして未来で夏を楽しむ事となった。




次回も宜しく お願い致します!
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