感想ありがとうございます!
すみません、28日に投稿する予定でしたが、同居人がコロナの可能性が出てきまして私も自宅待機する事にし、暇な時間ができたので続きを投稿していきます。
310話です!どうぞ!
ネロは、自分やダンテとバージルが悪魔だと知って様子が おかしい香取と話す事にした。
香取と話す中で砲撃を受けたりと一悶着はあったが、ネロは自分達を見て、今後 自分達を信じられるか信じられないかを判断してほしいと伝えた。
香取は、ネロ達が悪魔である事実とネロの言葉に迷ったまま、2人で薪を拾って浜に戻るのだった。
艦娘達のせいで、悪戦苦闘しながら かき氷を作らされるネロを見ながら、香取はネロ達の事を知るため、歩み寄る努力を始める。
一方ダンテの方は、南方泊地海域にある島で昼寝していたが、別の運命を辿った未来に また呼ばれた。
呼ばれた理由を未来の川内から聞くが、ただ一緒に海で遊びたかっただけだった。ダンテは帰ろうとするが、川内の泣き落としで仕方なく付き合う事になる。
すると艦娘の山風も来るのだが、ダンテは山風から冷たい態度を取られる。川内の話では、人見知りで照れ屋で恥ずかしがり屋で素直じゃないかららしい。
冷たい態度を取られる中、ダンテは川内と山風と一緒に遊ぶ事になったのだが・・・。
*海水浴場 ?月?日 13:34*
未来の方では、山風が浮き輪を使って浅瀬で泳いでいた。
ダンテと川内は砂浜に腰を下ろし、2人で山風を見守っている。完全に保護者と子供の絵面である。
2人で黙って山風を見ていたが、ダンテは そろそろ本題に入りたかった。
ダンテ「今回は何が目的だ?」
川内「・・・目的って?」
ダンテ「俺を呼んだ本当の理由だ」
川内「提督と海水浴デート」
ダンテ「嘘だな」
川内「・・・嘘って言える根拠は?」
文明が滅んだ この時代では、纏まったエネルギーが手に入りにくく貴重だと聞いてる。一緒に遊ぶためだけに そんな貴重なエネルギーを消費するとは考えにくい。レジスタンスの指導者であるアーロンは どうか知らないが、口うるさそうな五十鈴が聞けば許さないだろう。
もし五十鈴に黙って川内が勝手に こんな事をしたと考えても、この時代の状況から見て遊んでるような余裕があるとは思えないし、川内も それは分かってるはずだ。だから ただ遊ぶだけで川内がダンテを呼ぶとは思えない。
それらを根拠として言うと、川内は諦めたように溜め息を吐いた。
川内「何もない間は提督にも楽しんでもらおうと思って黙ってたのに、何で そうやって見抜いちゃうかなぁ・・・」
ダンテ「時代は違うが、お前とも長い付き合いだ。俺を欺こうなんて甘い考えだ」
川内「・・・・・・そう、提督の言う通り目的は他にある」
この未来の世界では、海沿いの場所は未開拓地となり人の手が入らなくなった。つまり漁もできていないため、この世界の者は久しく海鮮物を食べていない事になる。
レジスタンスは確保が難しくなってる食料問題を解決するため、海沿いの場所を開拓する事に決めた。
しかし、それをできなくする問題もあった。海沿いに現れる水棲型 魔界兵器だ。その魔界兵器は海から現れ襲ってくる。
川内は見た事がないらしいのだが、魔界兵器と遭遇して命からがら逃げ延びた者の話では、人魚のような姿をしてるらしく、いつの間にか『マーメイド』と呼称されるようになったらしい。
しかし陸までは追ってこないらしく、海に近付かなければ安全という事で、これまでは海に近付くのは禁止されていた。
だが先の食料問題があり、それを解消するための漁をするため、レジスタンスは魔界兵器の討伐を決定した。
川内「それで私と山風に討伐命令が下ったの」
ダンテ「2人だけでか?」
川内「人手不足だから。でも私だって山風を危険な目に遭わせたい訳じゃないし不安だから、それで提督を呼んだの」
ダンテ「・・・やっと楽しくなりそうだ」
川内「言っとくけど、提督と遊びたかったのも本当だから。だから嘘だなんて言わないで」
ダンテ「お、おう・・・(何か、今日は怒られてばっかりだな・・・)」
山風には話し掛けるなと怒られ、川内には今のを除いても既に何回か怒られてる。ダンテは、艦娘の世界に戻ってから ずっと1人の時間が長かった。口うるさく怒られる事もなかったので、完全に油断していた。
ただ、丁度 山風の話も出たので、自然と彼女についての話に移った。
ダンテ「山風だったか?あの艦娘は どうしたんだ?」
川内「あの娘は元々 大本営の艦娘だったんだけどね、文明が崩壊してから独りだった あの娘を見付けて、私が面倒 見る事にしたの」
大本営の艦娘と言っても、合同演習で大本営の艦隊で参加していた山風とは別の個体である。艦娘は見た目も名前も同じ者を何人でも建造、ドロップできるので ややこしい。
ダンテ「お前が母親代わりって事か?」
川内「まぁ、そういうこと」
川内が母親代わりなど、似合わないと思いダンテは鼻で笑ったが、それで また川内に怒られた。
だが山風については、まだ疑問が残っている。
ダンテ「俺に会いたがってたって話だが、何で あいつは俺に会いたがる?」
川内「実は、提督の話は よくしてたんだ。私や鎮守府の生き残りから話を聞いてから、たまに話が聞きたいって せがまれるようになって。提督の活躍とか聞いてる内に、あの娘は提督に憧れるようになったの。あの娘にとって、提督は お伽噺に出てくるヒーローってわけ」
自分に憧れるとか一先ず どうでもいいが、ダンテとしては どんな話をしたのか分からないため、そっちの方が恐ろしい。変に誇張されてなければいいが・・・。
すると、浅瀬で泳いでた山風が こちらに戻ってきた。
川内「疲れた?休憩する?」
山風「違う・・・川内さんも・・・一緒に遊ぼ・・・?」
川内「そうだね、折角 海に来た訳だし。提督も一緒に行こ?」
山風「ダメッ!」
普段は物静かで大人しい山風が、急に大声を出した事で川内は驚き、ダンテは片眉を吊り上げ よく分かってない顔をする。
山風「2人で・・・遊ぶの・・・」
川内「え?でも、ずっと提督に会いたかったんでしょ?一緒に遊べば仲良くなれるよ?」
山風「嫌っ!・・・別に・・・会いたいと思ったこと・・・ない・・・」
川内「(あっれ~!?)」
ダンテ「(これの どこが憧れてんだか・・・)」
ダンテは どうなってるのかと疑問を投げ掛ける視線を川内に向けるが、川内は苦笑いを返すだけだった。これには川内も困ってるようだ。
ダンテ「俺の事は気にせず行ってこいよ」
川内「え、でも・・・」
ダンテ「お嬢ちゃんが待ち惚けだぜ」
川内「・・・うん、分かった・・・ごめんね提督」
川内は後ろ髪 引かれながらも、山風の ねだるような目に負け、山風と一緒に海の方に向かい波打ち際で遊び始める。
それを見ながらダンテは、山風が何故あんな態度を取るのか考えていた。
ダンテ「(・・・さては
これまで鎮守府で駆逐艦の相手をしてきた経験から、ダンテは そういう理由で山風が あんな態度を取ると目星を付けた。
その予想が当たってるか間違ってるか、吉と出るか凶と出るかは、まだ これからだろう。
・・・・・・
*南西海域 無人島 8月26日 14:16*
一方バカンスに来ていたネロ達の方は、かき氷に満足した艦娘達が、また各々 遊びに戻っていた。
香取と協力して かき氷を作っていたネロは疲れたのか、その場で ぶっ倒れていた。
香取「だ、大丈夫ですか・・・?」
ネロ「・・・・・・かき氷なんて嫌いだ!!」
そんなこと言われても香取も困ってしまうので、それについては特に何も言葉を返さなかった。
もう十分過ぎる程かき氷を作ったので、ネロは起き上がって必要のない物を片付け始め、香取も何か言う訳でもなく それを手伝う。
黙々と片付けをする中、香取が口を開いた。
香取「あの、皆はネロさんが悪魔なの知ってたんですよね?」
ネロ「そうだな。付き合いの浅い艦娘は数人しか知らないと思うけど、日本艦は結構 前から知ってるぞ」
香取「日本艦はって、どれくらいの艦娘が知ってたんですか?」
ネロ「えっと・・・香取以外かな?」
香取「・・・・・・え?」
ネロ「え?」
香取「私以外・・・?鹿島も知ってたんですか?」
ネロ「そう、だな・・・」
香取の顔が不機嫌そうで、ネロは どうしたのかと焦り、言葉も歯切れが悪くなる。
ただ、香取は本当に怒っていた。
香取「(私以外の全員?!鹿島も知ってて、私だけ教えられてなかったっていうの?!・・・私だけ仲間外れじゃない!)」
香取の顔が怒りで どんどん歪められ、その顔を見たネロは変な汗が噴き出て狼狽える。
ネロ「あ、あの・・・香取?」
香取「知りません!」
何か よく分からんが怒られ、ネロの脳内は“?”で埋め尽くされた。
ネロは ただ片付けをするのも退屈なため、音楽でも聴こうと音楽プレーヤーとヘッドホンをバッグから取り出した。
ネロが出したヘッドホンは最近 販売された新型ヘッドホンで、オリーブ財団に来てからロサンゼルスで買った。最近のネロの お気に入りだ。
ネロが音楽を聴く準備をしてるのを見て、香取は不思議そうな顔をした。
香取「ネロさんも、音楽とか聴くんですね」
ネロ「そりゃ聴くって」
その意外そうな言葉に、それこそ意外過ぎてネロは吹き出し笑った。
だが香取は、どこか落ち込んだ様子だった。
香取「(私、何も知らないんだ・・・ネロさんの事も、提督の事も・・・私だけ・・・)」
ネロ「なぁ、香取も一緒に聴くか?予備のヘッドホンとプレーヤー貸してやるよ」
香取「え?あ、じゃあ・・・お願い、します・・・」
これもネロの事を知る いい機会かと思い、香取はヘッドホンを借り、2人で大音量で流れる音楽を聴きながら片付けを再開した。
阿武隈「きゃあああああ!!」
鬼怒「ちょっと何!?何なのさ!?」
すると海から、吸盤の付いた巨大な触手が飛び出し、鬼怒と阿武隈に巻き付いて2人を持ち上げる。
長門「な、何だ!?」
ビスマルク「ちょっと嘘でしょ!?」
突然の事に艦娘達が狼狽えてると、更に海中から海面の上へと触手が飛び出し その数を増やすと、次々と艦娘達に巻き付いて持ち上げていく。
そして大きな水柱が上がると、超巨大なタコが現れた。
利根「な・・・な・・・何じゃ こりゃーー!?」
吹雪「怪獣!?」
木曾「まさか こいつも悪魔か!?ネロ!」
ネロを呼ぶが、返事がない。
ネロの方を見ると、海に背を向けてヘッドホンで音楽を聴き、片付けに没頭して気付いていない。香取も同様である。
妙に片付けに時間が掛かってるように感じるが、ネロと香取は かき氷関連の物を片付けた後、他の要らない物も序でに片付け始めたので継続中だった。
鈴谷「何かヌメヌメするー!気持ち悪~い!」
間宮「助けてくださ~い!」
コロラド「何か よく分かんないけど、迎撃するわね!」
触手に捕まってない艦娘が艤装を装着し、艦載機を発艦し砲撃も開始する。
巨大タコは艦娘を捕まえた触手を振り回し、浜に居る艦娘に ぶつけて殴り飛ばす。
阿武隈「前髪 乱れる~!」
天龍「待ってろ!今 助けてやる!う、うわああああああ!?」
天龍が阿武隈の捕まる触手に掴まるが、巨大タコは触手を暴れさせ、天龍は ぶら下がったまま振り回される。
巨大タコが暴れ、艦娘達も爆撃や砲撃でドッカンドッカン響かせてるのに、ヘッドホンから大音量で流れる音楽のせいでネロと香取は まだ気付かない。
プリンツ「━━━━!?」
プリンツ・オイゲンが何か言ってたが、ネロと香取には聞こえないまま触手に吹き飛ばされる。
千代田「━━━━!!」
千代田が何か叫びながらネロと香取の方へ走っていくが、触手に巻き付かれ凄い勢いで引き寄せられていった。
艦娘達は触手に捕まったまま振り回され、浜に叩き付けられ、放り投げられ、殴り飛ばされたりと、巨大タコを相手に悪戦苦闘していた。
*海水浴場 ?月?日 14:16*
未来では、海に入って遊ぶ川内と山風を見ながらボーっとするダンテだったのだが、妙な気配を感じて すぐに立ち上がる。
ダンテは この悪寒にも似た気配が どこから来てるか探るが、それは川内と山風が入る海からだと気付く。
ダンテ「川内、海から出ろ!!」
川内「え・・・?」
直後 水柱が上がり、上半身が人型、下半身が魚の尾、顔には目まで覆う金属の額当てが付けられ、手には三又槍を持つ異形が現れた。見た目の特徴から、こいつが魔界兵器マーメイドに違いない。
川内「山風 泳いで!」
山風「う、うん!」
川内と山風は泳いで浜まで戻ろうとするが、マーメイドは手に持つ三又槍を構え、宙に浮いた状態で2人を追う。このままでは間に合わない。
ダンテは即座にキングケルベロスを取り出し、川内と山風に向かって鎖を伸ばす。鎖が2人に巻き付くと、ダンテは一気に引っ張り2人を海から出す。
川内「ありがとう提督、助かったよ」
山風「痛い・・・」
ダンテ「それよりも、お前が言ってた事は正しかったな」
マーメイドは陸までは追ってこないという話だった。川内と山風を砂浜まで引っ張り込むとマーメイドは動きを止め、それ以上は近付こうとしない。
川内「本当だね」
ダンテ「っ・・・!?避けろ!」
ダンテは危険を察知し、川内と山風を左右に突き飛ばす。
ダンテも その場から飛び退くと、さっきまで立っていた場所に真っ黒な槍が何本も砂浜に突き刺さった。
ダンテ「(あいつ、今どうやって攻撃した?)」
黒い槍が飛んでくる時、ダンテの視界に居たマーメイドは動いていなかった。それこそ攻撃モーションも何もなく、何の前触れもなく攻撃された事になる。
川内「山風、行くよ!」
山風「撃つよ!撃つからね!」
川内と山風は艤装を装着し、マーメイドに向かって砲撃する。
それに合わせ、ダンテもエボニー&アイボリーを連射するが、マーメイドは避けようともせず ただダンテ達を見ている。
川内「やった!」
全弾 命中し、川内は倒したと思い声を上げるが、砲撃の爆発で発生した煙が晴れると、無傷のマーメイドが姿を現した。
川内「効いてない!?・・・まさか、あいつも防御壁 張れるタイプ・・・?」
ダンテ「いや、そうじゃないだろ」
銃弾と砲弾は、間違いなくマーメイドに当たっていた。スキュルの時のように、手前で攻撃が止められたようには見えなかった。
山風「早く・・・終わってよ・・・!」
ダンテと川内が、どういう事かと攻撃の手を止め考えてる間も、山風は1人で砲撃を続けていた。それも全てマーメイドに命中するが、やはりマーメイドには効いてないらしく無傷だった。
ダンテ「走れ!」
そうしてる間にも、また どこからともなく黒い槍が飛んでくる。川内は自分の足で走り避けるが、山風は それに気付いてないのか同じ場所に留まり、砲撃を続けている。
ダンテが山風を脇に抱えて飛び退くと、山風が立っていた場所に黒い槍が突き刺さった。
ダンテは砂浜に着地してからも、山風を抱えたままマーメイドを睨んでいたが、脇に抱える山風が暴れ出した。
山風「は、放して・・・放してよ!」
ダンテ「だったら避けるぐらいしてくれ。お前を庇いながらじゃ、俺も戦えない」
そう言われた山風はショックだったのか、落ち込んだような表情をする。ダンテは それに気付かないが、今は気に掛けてられなかった。
今まで色んな悪魔と戦ってきたが、どの悪魔も初めて会った時は初見だから、どんな攻撃をしてくるかは分からない。それでも攻撃モーションは必ずあったので、対処も余裕だった。
壁や床に隠れて死角から狙ってくる悪魔も居たが、どこからか飛び出し攻撃を仕掛けてくると想像できるので、腹積もりもできたし待ち構えて反撃も可能だった。
だがコイツは何だ?
姿を隠してる訳でもないのに、攻撃する素振りも見せず攻撃を仕掛けてくる。
しかも魔術的な何かで魔法陣が出てる訳でもない。完全に どこから攻撃が来るのか読めないのだ。
こちらの命を狙い、槍が至近距離まで接近しなければ気付けない。少しでも気を抜けば槍の餌食だ。
ダンテ「(魔界兵器・・・この時代で誰が生み出してるのか知らないが、厄介な奴を解き放ってくれたもんだな)」
また黒い槍が飛んでくるため、ダンテと川内は それをギリギリで躱す。
避けながらもマーメイドを観察してるが、奴は全く動かず やはり攻撃方法が不明だ。どうやって槍を出してるのか、どうやって飛ばしてるのか分からない。
山風「もう、放してよ!放してってばぁ!」
ダンテ「だったら ちゃんと避けれるか?」
山風「言われなくても避ける!」
ダンテ「そう願いたいもんだ」
マーメイドの攻撃のカラクリは分からないが、それなら追い込まれる前に叩こうと考えた。
マーメイドには こちらの攻撃が効いてないような節があるが、ダメージが通る程の威力が足りなかっただけかもしれない。
ダンテは山風を下ろすと、カリーナ=アンⅡを肩に担ぐように構え、ミサイルを連続発射する『パラノイア』を撃ち込み、更に そのまま小型ミサイルを連続発射する『マルチプル』も撃ち込む。
そして脇で構えるとチャージし、カリーナ=アンⅡの後部から炎が出たタイミングで、強力なチャージ弾『エクスプローシヴ』も発射する。それでもマーメイドは避けようともせず、全弾 命中して大爆発に巻き込む。
煙が晴れると、どう見ても無傷のマーメイドが姿を見せた。
川内「あいつは不死身なの・・・!?」
ダンテ「(こうなったら直接 殴るか)」
ダンテが手を翳すと、その手に魔剣ダンテが現れる。
そしてダンテは、マーメイドが居る海へと向かって駆け出し、跳躍して真デビルトリガーを発動すると、飛翔してマーメイドに向かっていく。
飛行スピードの勢いも乗せて斬り掛かり、その動きに合わせて紅い魔力の剣、ミラージュソードが追撃する。だが斬り裂く事も傷を付ける事もなく、全ての刃がマーメイドの外皮で止まってしまった。
直後、真魔人ダンテの身体に何本も黒い槍が突き刺さる。
川内「提督!」
山風「ああっ・・・!?」
透かさずマーメイドが、真魔人ダンテの首を狙い三又槍を横凪ぎに振ると、真魔人ダンテは身体を反らして躱し、後退して砂浜に戻る。
山風「つ、突き刺さってる・・・」
山風は、黒い槍が真魔人ダンテに刺さってるのを見て、血の気が引いていた。
真魔人ダンテが自身に刺さる槍を掴み力を込めると、槍がバラバラになり砕け散った。
そして真魔人化を解き、元のダンテに戻る。
川内「提督、大丈夫!?」
ダンテ「平気だ。それよりも・・・」
マーメイドに接近しても、黒い槍が どこから来てるか、どうやって飛ばしてるのか分からない。
川内も今はギリギリで躱してはいるが、マーメイドの攻撃方法が分からなければ、いつまでも躱し続けるのも難しくなってくるだろう。
ダンテ「川内、山風、もっと後ろに下がれ。陸まで来ないなら、海から離れてる方が まだ安全だ」
川内「提督は?」
ダンテ「いつも通り前に出るさ」
そう言って、ダンテはマーメイドを見ながら不敵に笑う。だが その笑みは、長くは続かなかった。
山風「私も・・・前で戦う・・・」
川内「駄目だよ山風、提督の言うこと聞いて」
山風「嫌っ!提督に負けたくない!」
川内「・・・・・・え、え、どゆこと?」
ダンテに負けたくないと言うが、今 戦ってる相手はマーメイドのはずでは・・・?
川内は どういう事か分からず混乱し、ダンテは やれやれと思いながら溜め息を吐いていた。
ダンテ「こいつ、俺に川内 取られると思って張り合ってやがるんだ」
川内「えっ、何で!?」
ダンテ「お前と仲良しに見えて妬いてるって事だ」
それを聞き、川内は少しの間 呆然としていたが、急に だらしない笑みを浮かべると、山風を抱き締めて頭を撫で始めた。
川内「もう、可愛いなぁ山風は。ジェラっちゃったの?う~ん、よしよし♪」
ダンテ「バカ親も大概にしとけ」
川内「バカァ!?せめて“親バカ”って言ってくれないかなぁ?!」
“親バカ”と“バカ親”では大きく意味が変わるので、川内にとっては重要な部分だった。
山風「私も・・・前で戦うんだから・・・!」
尚も聞き分けのない山風。
本当は こういう手を使いたくないと思いながら、ダンテは それを実行に移す事にした。
ダンテ「いいのか?川内に嫌われるぞ?」
川内「え?」
山風「せ、川内さんは・・・嫌わないもん・・・!」
ダンテ「そうかぁ?川内は言うこと聞く奴が好きなんだ。そうだよな?」
川内「えっ!?え、あ、えっと、えぇー・・・?」
いきなり話を振られ、この状況で何と言えばいいか分からず戸惑ってしまう。
ダンテ「大人しく後ろに下がったら、川内に嫌われずに済むだろうなぁ」
山風「・・・・・・後ろに下がる!」
山風は下がる宣言をし、トテトテと走って離れていく。それを見て、川内はダンテに苦笑いを向けた。
川内「駆逐艦の扱い、上手になったね」
ダンテ「バカみたいな人数に囲まれてたら嫌でも慣れる。お前も行け」
川内「了解」
川内も山風を追って後ろに下がっていくと、ダンテに向かって黒い槍が飛んでくる。ダンテは魔剣ダンテで凪ぎ払い、全ての槍を打ち砕く。
ダンテ「待たせたな。これで全力で相手してやれる」
魔剣ダンテを手に、ダンテはマーメイドに向かっていき、後ろに下がった川内と山風が砲撃で支援する。
未来と過去、2つの時代で戦いが始まり、ダンテは攻撃の通じないマーメイドを どう倒すのか?
そしてネロは、艦娘達が戦ってる事に気付けるのだろうか?
続く・・・。
コロナの感染が また増えておりますので、皆さんも お体を ご自愛ください。
次回も宜しく お願い致します!