Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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317話です!どうぞ!


Mission317 別荘~2人だけの逃亡生活~

東京タワーの近くにある増上寺で行われる真田(さなだ)の葬式に、刹那(せつな)に連れられバージルも参列する事となった。

だが、茉優(まゆ)を狙うヤクザが僧侶に成り済まして潜んでおり、挙げ句 茉優を拐って増上寺は混乱する。

一瞬 油断したバージルは撃たれたのだが、何故か悪魔としての治癒能力が いつの間にか失われていた。

血を流し満身創痍のバージルは閻魔刀でヤクザを斬り捨て、茉優を助けると一緒に増上寺の外に逃げる。

ヤクザから逃げた茉優は どこかに行こうとして新幹線に乗り、それを追ってバージルも乗り込む。だが、茉優を追ってヤクザも新幹線に乗っていた。

新幹線でヤクザを退けたバージルは、茉優と共に新幹線から降りて街へと出るのだった。

 

 

*街 9月23日 16:46*

 

ヤクザの追跡を逃れるために街に出たバージルと茉優だったが、2人は歩きながら話しつつ揉めていた。

 

バージル「兎に角 安全な場所を見付けなければならない」

 

茉優「何 言ってるの?新幹線に居たのは ほんとにヤクザ?」

 

バージル「寺で襲ってきた奴らと同じだ」

 

茉優「なぜ私を追ってるって━━」

 

バージル「兎に角 安全な場所を見付ける、路上に居るのは危険だ」

 

茉優「どういう事だか━━」

 

バージル「黙って聞け。この街の中心部は どっちだ?」

 

茉優「真っ直ぐよ」

 

自分の話を聞かず勝手に1人で全部 決めてしまうバージルに、茉優は相変わらず不機嫌になりながらも答えた。

茉優としては不満だろうが、バージルには焦りがあった。治癒能力を失い身体能力までも下がった今の自分の身体に、まだ理解が追い付いていなかった。

それに加え、そんな状態で茉優を護れるかも怪しい。

状況は全てに置いて最悪で、焦りで頭の中がグチャグチャで、僅かに残ってる理性で平静を保っているだけだ。我儘な茉優の言葉に構ってる余裕はない。

 

 

・・・・・・

 

2人は街の中心部を目指し しばらく歩いていたが、バージルは何かを探すように辺りをキョロキョロと見渡す。茉優は それに気付いていたが、無視して歩き続ける。

 

バージル「ここより静かな場所はないのか?」

 

茉優「8ブロック先にあるわよ」

 

バージル「そうか、じゃあ あそこにするぞ。行くぞ」

 

HOTEl(ホテル)』と書いてある看板を見たバージルは、即決で そこに入る事を決めて1人で さっさと行ってしまう。

茉優は その建物が掲げる看板を見て、心底 信じられないような顔をしていた。しかし、怪我をするバージルを放っておけなかったのか、茉優も その建物に入った。

 

 

*ホテル*

 

建物に入ると、すぐにフロントがあった。フロントにはオーナーである女性がペットの猫を撫でながら暇そうにしていた。

茉優は ここが何なのかバージルが分かってないと気付いていたため、やんわり教えて場所を変えようと試みる。

 

茉優「ここは、ラブホテル」

 

バージル「何だって?」

 

茉優「ラブホテル」

 

バージル「・・・・・・?」

 

茉優「カップルの・・・分かる?」

 

バージル「分からん」

 

秒で ぶった斬るバージルの返答に、話にならず茉優は呆れて溜め息が出てしまう。

そんな様子も お構いなしに、バージルは ここで しばらく身を隠すつもりでいた。

 

バージル「部屋を2つ借りたい、隣り合った部屋だ」

 

オーナー「今 混んでるから貸せるのは一部屋だけよ」

 

バージル「何故だ?部屋を2つだ、隣り合った部屋ぐらいあるだろ?」

 

オーナー「混んでるから空いてない!」

 

バージル「隣り合った部屋だ!」

 

オーナー「今 空いてないって言ってるでしょ、しつこいわよ!」

 

ホテルなら部屋ぐらい空けておけと思うバージルと、そんな都合良く空いてて堪るかと思うオーナーの女性との間で口論が始まる。

それは徐々にヒートアップしていき、埒が空かないので茉優が助け船を出す。

 

茉優「二部屋お願いしたいんですけど、どの部屋でもいいから、ありますか?」

 

オーナー「今 混んでるからね。空いてんのはね・・・地下の牢屋、ナースの部屋、火星探険」

 

茉優はバージルと違って比較的 穏やかに訊ねたので、オーナーの女性も落ち着いて話してくれた。

しかし、バージルには意味不明だった。

 

バージル「何だ それは?」

 

茉優「・・・・・・空いてるのが どの部屋か説明してくれたの」

 

茉優が改めて分かりやすく説明すると、やっぱり意味が分からずバージルは唖然としていた。

 

 

・・・・・・

 

とりあえず一部屋 借り、部屋の鍵を持ったバージルと茉優が通路を歩く。

借りた部屋の前に着きドアを開けると、選んだのは火星探険の部屋だった。

 

バージル「ここでいい」

 

宇宙をテーマにしてるだけあって内装も奇抜で、茉優は微妙な顔でバージルを見る。バージルも茉優の言いたい事は理解できたが・・・

 

バージル「ゆっくりできそうだ」

 

皮肉を言いながらドアを閉めた。

一先ず休める場所は確保できたため、あとは敵に対する警戒だけだ。バージルは真っ先に窓の方に向かい、外を見る。

 

茉優「どこで、寝るつもり?」

 

ベッドは1つ、一緒に寝るのは論外。そうなると、女性である茉優としては その確認は大切だった。

バージルは茉優の方に振り返ると、一言だけ返した。

 

バージル「寝ない」

 

 

・・・・・・

 

時間も経ち、外は すっかり夜になり雨が降っていた。

部屋にはテラスに出るための扉があり、バージルは そこから外に出て、雨に打たれながら地上を見下ろしていた。寝ずの番で見張りをするつもりだ。

部屋の方に振り返り、窓から中の様子を見る。部屋では茉優が、大人しくベッドで寝ているようだ。

茉優の方は問題ない事を確認したバージルは、自分の足下を見た。バージルの傷は塞がっておらず、血が足を伝い流れ、雨水と一緒に排水溝に流れていく。

 

筑摩「沢山 血が流れてる」

 

意識が朦朧とするバージルの耳に、筑摩の声が聞こえた。そちらに振り向くと、艦娘売買のオークションで死んだ筑摩の幻が居た。

 

筑摩「ヒーローは辞めたのでしょ?」

 

バージル「あいつらが、茉優を殺そうと・・・」

 

筑摩「放っておくのです。いつだって死ねるでしょ?こっちに来てください」

 

幻の筑摩は、バージルを死に誘おうとする。

そして遂に限界を迎えたバージルは、崩れ落ちるように倒れた。

実は まだ起きていた茉優は、横になったまま窓越しでバージルが倒れるのを見ていた。茉優は驚いた表情で身体を起こした。

 

 

・・・・・・

 

*??? 9月24日 1:25*

 

バージルは眩しい光を感じながら、徐々に意識が覚醒した。

目を開けると羊の鳴き声が聞こえ、横を見るとケージに入れられた羊と目が合った。

反対側を見ると、ホテルのフロントに居たオーナーの女性と、背中を向けて顔は見えないが、男性が手を洗いながら何かを話していた。

男性は手袋を嵌め、手術で使うタイプのピンセットで、血塗れの銃弾を掴んで金属トレイに置き始めた。

理解が全く追い付かないまま天井の方を見ると、茉優が近付いてきて見下ろしてくる。

 

茉優「起きました」

 

バージル「うぅ・・・」

 

さっきから ずっと眩しいので、バージルはライトを どけて身体を起こす。

男性が誰かと改めて顔を見ると、まだ若く見知らぬ青年だった。茉優の説明だと、若い男性はホテルのオーナーの孫だそうだ。

バージルが倒れた後、茉優はホテルのオーナーに助けを求めた。救急車は呼ばず、内密で助けてほしいと頼み。

茉優とホテルのオーナーの2人でバージルを ここまで運び、孫がバージルの身体に残っていた弾を摘出し、傷を縫って処置してくれていた。

 

バージル「医者なのか?」

 

茉優「・・・医者と言えば医者だけど、彼は獣医なの」

 

人間の専門医ではないという事実にバージルは耳を疑い、また青年の方を見る。

 

茉優「まだ学生」

 

そんなヒヨッコに任せたのかと、今度は茉優を睨む。

だが青年については それだけではなかった。

 

茉優「大きい動物専門」

 

更なる事実に、自分は動物と同じかと不満に思いながら自身の身体を見る。いや、確認しなくてもガタイは充分 大きいと思う。筋肉質なんだから。

そこで ふと、以前 艦娘達から言われた言葉を思い出した。助けてくれた者には せめて愛想良くしろと、口を酸っぱくして言われていた。

 

バージル「あー、礼を言う」

 

試しに実践してみようと思い、礼を言って手を差し出すが、青年はビックリして後退り、ホテルのオーナーなんか飛び跳ねながら部屋の端まで逃げた。えらく怯えた様子に、バージルは唖然とした。

 

バージル「あー・・・(何か間違ったか?)」

 

茉優「傷を縫ってもらった時、暴れたんじゃないの?」

 

青年「落ち着いて、落ち着いて」

 

青年を よく見てみると、顔や腕には沢山の大小様々な絆創膏が貼られていた。

怯える程どんな暴れ方をしたんだろうか?

 

茉優「もう私 片付けとくんで、少し お休みになってください」

 

青年「分かりました」

 

バージルは茉優にも お礼を言ったが、彼女は何も言葉を返さない。

次に自分の身体を見て、異変は現実なのだと改めて実感した。

 

バージル「前は こんなの必要なかった・・・」

 

茉優「何が?手助け?」

 

バージル「・・・・・・・・・あの医者、お前の祖父の主治医の金髪女は何者だ?」

 

茉優「去年お祖父様が、アメリカに治療に行って知り合ったの」

 

バージル「・・・お前の祖父は俺の治癒能力を取り出して、移植できると・・・今の俺は治癒能力が消えてる・・・あの女の仕業だ」

 

 

*街*

 

呑み屋が建ち並ぶ狭い道を、緑のレザーコートを着たDr.グリーンが歩いていた。その先では、増上寺の屋根で弓を使っていた黒装束の男が待っていた。

 

?「2時間も待たせやがって、人を馬鹿にするな」

 

グリーン「まだ見付けてないのね?」

 

そう言った直後、Dr.グリーンは馬鹿にしたように ほくそ笑む。その顔を見た黒装束の男は、怒りに任せてDr.グリーンの肩を掴むと、横の壁に押し付ける。

 

?「ふざけるな、クソ女、殺すぞ・・・!」

 

グリーン「私に何かを感じさせてくれるなら、嬉しいわ『原田(はらだ)』」

 

原田「これ以上 馬鹿な事が言えないように、お前の口を横に斬り裂いて━━っ・・・!」

 

喋ってる途中でDr.グリーンは、爪の先で“原田”と呼んだ男の頬に浅い引っ掻き傷を付ける。だが その程度の事で、原田の言葉は止まった。

 

グリーン「あなたに お願いしておいたでしょ おチビさん。バージルを連れてきてって」

 

原田「俺が仕事をするのは、真田家のため━━」

 

また喋ってる途中で、Dr.グリーンは原田の頬の傷に緑色の息を吹き掛けた。すると原田は苦悶の声を漏らし、傷を中心に頬が焼け爛れたようになり、息ができなくなる。

 

Dr.グリーン「真田家のためですって?分かったわ」

 

そしてDr.グリーンは原田の首を掴み、自分がやられたように壁に押し付け位置が入れ替わる。

 

Dr.グリーン「遺言通りにできなかったくせに。彼を どれだけ失望させたか分かってるの?バージルは どこ?あいつには まだ用がある」

 

また原田の頬に息を吹き掛けると皮膚が元に戻り、呼吸もできるようになり原田は息が乱れていた。

 

原田「バージルには特別な力が━━」

 

バージルを捕まえる事に関して原田が抗議しようとするが、髪を掴まれ また壁に押し付けられた。

 

Dr.グリーン「今の彼は ただの人間、彼の身体は弱ってる、私が変えたの。治癒能力を奪うため抑制装置を打った、分かる?私を敬ったら どう?」

 

捲し立てるDr.グリーンは、八つ当たり紛いに原田を引き倒すように投げた。

 

Dr.「あいつを見付けて、ヤクザ達より先に」

 

用がなくなりDr.グリーンは立ち去り、原田は険しい顔で その背中を見送った。

 

 

・・・・・・

 

*港町 14:08*

 

朝一で出発したバージルと、パーカーにジーパン姿に着替えた茉優は長崎県へと入り、今はバスに乗って真田家の別荘がある港町へと向かっていた。

茉優は起きてるのだが、バージルは治癒能力が失われ疲れているのか居眠りしていた。

バスに揺られながら、いびきを掻くバージルの身体が徐々に茉優の方へ傾いていく。

それに気付いた茉優は変な いびきだなと思い、バージルの顔を覗き込んでるとバスが止まった。

それと同時にバージルが目を覚ますが、超至近距離に茉優の顔があり眉間に皺を寄せる。

 

茉優「ここで降りるわよ」

 

茉優を追ってバスを降りると、そこは民家が建ち並び、大きな山が見え、港には沢山の漁船が並んで停泊していた。

 

バージル「ここは どこだ?」

 

茉優「長崎の外れよ」

 

茉優は ここが大好きなのか、彼女は とびっきりの笑顔で答えた。

 

 

・・・・・・

 

*真田家の別荘 15:30*

 

茉優「こっち」

 

バージルと茉優は、先に夕飯の食材を買ってから、真田家が所有する別荘へと来た。

 

 

・・・・・・

 

夜になり、茉優は夕飯の準備をしていた。

バージルは暇を持て余し、画鋲で壁に飾られていた1枚の写真を手に取り見る。そこには今よりも若い茉優と男が一緒に写っていた。

 

バージル「これは葬儀場で弓を使った男だ。恋人か?」

 

茉優「彼は『原田 堅一郎(けんいちろう)』。夏の武道大会で優勝したの。彼は弓、私は剣で。原田と私は結婚の約束をしてた」

 

バージル「何故しなかった?」

 

茉優「お祖父様が、“最低でも15歳まで待て”って言うから」

 

自分には縁遠い微笑ましく人間らしい話に、バージルは鼻で笑って写真を戻した。

夕飯の準備も終わり、食卓に料理も並び終えたので、バージルと茉優は席に着いた。

 

茉優「山の幸と、海の幸」

 

茉優が簡単に料理の説明をしてくれるが、鎮守府に居たから和食は初めてではないので、バージルは軽く頷いて流した。

 

茉優「いただきます」

 

茉優が手を合わせて食事を始める際の挨拶をすると、笑みを浮かべながらバージルを見詰める。同じように“いただきます”を言えという催促である。

 

バージル「・・・いただきます」

 

それに気付いたバージルは、手までは合わせなかったがポツリと言った。

バージルの脳裏では、鎮守府でダンテ共々 鳳翔から食事のマナーで文句を言われ、怒られた記憶が蘇っていた。

バージルは席に座るなり箸を手に持っていたのだが、スープから手を付けたくなって箸が邪魔になり、一先ず茶碗に盛った白米に ぶっ刺してスプーンに持ち替えた。すると、茉優が直ぐ様バージルの箸を取りテーブルの上に置く。

 

茉優「箸を突き立てるのは良くない」

 

バージル「(またやってしまったか・・・)」

 

またバージルの脳裏に、鳳翔に怒られた記憶が蘇る。とりあえず反省。

ご飯に箸を突き立てるのは、『あの世と この世の橋渡し』という意味があり、死者に供える一膳飯の作法である。生者が食べる場合はやるべきではない。

 

茉優「全てに意味があるの」

 

茉優に咎められ、鳳翔との苦い記憶を思い出しながらも、バージルは茉優と初めて会った日の夜の事に触れた。

 

バージル「それじゃあ、屋敷で お前が雨の中を駆け出した意味は何だ?」

 

茉優「・・・お祖父様が危篤だったから・・・」

 

バージル「死ぬと分かってただろ。ずっと病気だった」

 

茉優「私は死を恐れたんじゃない」

 

バージル「・・・じゃあ何だ?」

 

バージルは話しやすいようにと、極めて優しい声音で訊くように努める。だが、茉優は どこか言いづらそうに口籠る。

 

バージル「あの夜 何を聞いた?」

 

茉優「・・・・・・・・・」

 

バージル「なぜ父親に叩かれたんだ?」

 

茉優「警告しようとしたから」

 

バージル「何をだ?」

 

茉優「・・・・・・・・・」

 

バージル「お前の祖父から何を聞いた?」

 

それから茉優はポツポツと話し始め、あの夜 真田は、3日以内に自分の遺書が読まれ、茉優は日本で最も権力のある人間になると言ったそうだ。

 

バージル「・・・・・・会社のか?」

 

茉優は小さく頷いた。

真田産業は、今ではアジア最大の企業だ。真田 亡き後、その後継者に茉優が選ばれていた。

 

茉優「私は嫌だった・・・それを知ってて・・・なぜ私に会社を継がせたの・・・?父が継ぎたがってたのに・・・」

 

バージル「それが理由だ」

 

これは想像だが、会社を継ぎたがっていた信玄は、真田の理念に反する野心を持っていたのだろう。

そして会社を継ぎたくない茉優に、後継者としての器を見出だしたのかもしれない。

真田が亡くなった今となっては、その真意を確かめる術はない。

茉優はバージルの言葉に驚いた顔をしていたが、バージルには他にも聞いておきたい事があった。

 

バージル「ところで お前の婚約者の()()()()()は?」

 

茉優「・・・“まさのぶ”」

 

バージル「それを知ってるのか?」

 

茉優「いいえ」

 

バージル「・・・なぜ結婚する?あいつは碌な人間じゃない」

 

茉優「・・・父が決めたの、去年」

 

バージル「何?」

 

茉優「この結婚で政界に手が回しやすくなる」

 

バージル「・・・・・・・・・」

 

茉優「もし逆らったら父の不名誉になるわ」

 

バージル「・・・・・・・・・」

 

茉優「あなたには分からないでしょ?日本人じゃないから」

 

そう言って茉優は、いつの間にか また白米に突き刺さっていたバージルの箸を取って、テーブルに置いた。

それから茉優は、もう何も話さず黙々と食事を続け、バージルは祖父や父に運命を翻弄される茉優に何と言えばいいか分からず、ただ黙って彼女を見詰めるのだった。

 

 

*真田家の屋敷*

 

その頃 真田家の屋敷では、警察署長を含めた所轄の幹部4人が信玄と面会していた。

奥に見える信玄の執務室では、勝信が酒の入ったグラス片手に、ウロウロしながら誰かと電話してるのが見える。

 

信玄「まだ娘を見付けられんのか?この細長い島国では道も線路も、上りと下りしかないというのに何をやってる?」

 

署長「信玄様ご安心ください、私の部下が総力を上げて取り組んでおりますので━━」

 

信玄「では そいつら相当な愚か者だな、儂の時間を無駄にしよって。父の事で色々 忙しいのだ」

 

信玄は話を切り上げ自分の執務室に向かおうと歩き出したが、後ろを確認すると警察署長達が俯いたまま その場で まだ立っていたので、信玄は思わず二度見してしまった。

 

信玄「早く探しに行かんか!!」

 

署長「はい・・・」

 

信玄に怒鳴られ、警察署長達は やっと動いて屋敷を後にした。

信玄が戻ってくるのを見て、勝信は携帯とグラスを置いて畏まる。

 

信玄「君の情報筋からは もっと いい報せが入ったのだろうな?遺書は3日後に読まれる。我々には時間がない」

 

勝信「・・・すぐに、見付かります。部下を向かわせました。2人は南に逃げたようです」

 

勝信の手の者が、バージルと茉優に迫ろうとしていた。




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