319話です!どうぞ!
ヤクザに
次に問い詰めるべき相手が分かったバージルと刹那は、信玄に会うために急ぎ真田家の屋敷へと向かう。
そして拐われた茉優は、真田家の屋敷で待っていた父親の
信玄は自らの手で娘を殺そうとするが、屋敷に侵入した黒装束達に包囲され追い詰められる。
それに乗じ、茉優は黒装束に拉致された。
そして黒装束達に包囲された信玄の前に、真田の主治医だったDr.グリーンが現れるのだった。
*真田家の屋敷 9月26日 18:28*
信玄「お前・・・」
グリーン「私よ。邪魔して悪いけど、あなたの娘に死なれたら困るの」
信玄「何なんだ、お前は?」
グリーン「科学者、虚無主義者、資本主義者、強化人間━━」
Dr.グリーンは ゆっくりと信玄に迫りながら、執務机にあった万年筆を手に取り、蛇のような長い舌で万年筆の先を舐めた。それにより、万年筆の先に緑色の液体が付着する。
グリーン「━━
そして万年筆を、信玄の首筋に刺した。刺した場所を中心に、信玄が肌が焼け爛れたようになり、眼球の白目の部分が黄色く変色する。
信玄は刀を落とし、縁側の方へ出ると、藻掻き苦しみながら中庭の池に落ちた。
それを見たDr.グリーンは、黒装束達を率いて満足そうに屋敷を後にした。
・・・・・・
それから数時間後、バージルと刹那が乗る車が屋敷に到着した。
空は稲光と共に、雷が鳴っている。
車を停めて降りるが、不審な程に人の気配がない。
刹那「警備が居ないわ」
警備が居ようと居なかろうと、バージルには どうでもいい問題だった。寧ろ邪魔する者が居ないなら好都合というもの。
バージル「信玄」
信玄を探し屋敷の中を見て回るが、人の影は どこにも見当たらない。
屋敷を探し回っていると、真田が治療を受けていた部屋の扉が僅かに開いていた。
バージルと刹那は1度 顔を見合わせてから中に入るが、そこにも人の姿は無い。
刹那「バージル」
だが刹那が、床に転がる警備の死体を見付けた。
死体の胸には、バージルが見た『真田家の遺産』の本の1ページと共に、ナイフが突き刺さっていた。そのページには、血で“女を取り返しに来い”と書かれている。
そしてページには、写真も載っていた。何かの建物の写真だ。
バージル「これは・・・これは どこなんだ?」
刹那「真田様の奥方の故郷。会社は山の中に研究所を作った」
バージル「・・・遠いか?」
刹那「ここから500キロある」
バージルは どうするか考えると、ふと部屋に残されたままの透明の容器に目が止まる。それは奇妙な物体が入っていた容器だ。
真田に会いに来た日には中に、おたまじゃくしにクラゲの足みたいな触手の尻尾がある物体が入っていたが、今は空っぽだった。
それを見て、バージルはハッとして何かに気付き、徐に真田が寝ていたベッドの機械を起動した。
その頃、屋敷の通路をズブ濡れの何者かが歩いており、飾ってあった鎧武者の防具と2本の刀を手に取った。
バージルは真田が寝ていたベッドに横になり、機械に自分の身体をスキャンさせる。
モニターにはバージルのレントゲン映像が映し出され、足から胸へと移動すると、バージルの心臓に触手のある物体が取り付いていた。
何かに考えが至ったバージルは、上の服を脱ぎ捨てた。
バージル「その装置を取り出す」
刹那「どうやって?やめてバージル、あなたが死ぬのを視た。予知は当たる、必ず当たるの!」
バージル「あの老人が死ぬのは、予知できなかっただろ」
刹那「あなたが ここと同じような部屋で死ぬのを━━」
バージル「茉優を殺し屋共に渡しておけない。助けられるのは俺だけだ、助けるには取り出さねば」
刹那「そんな事したら死ぬわ」
バージル「それでもいい。ぐあぁっ・・・!」
バージルは鞘から抜いた閻魔刀を自身の胸の下に突き刺し、痛みに耐えながら身体を切開していく。
刹那は涙を流しながら必死に止める。
バージル「この先は見るんじゃない・・・!あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛・・・!」
閻魔刀を身体から引き抜くと、今度は自分の腕を切開した傷口に突っ込んだ。
モニターには、バージルの手が徐々に心臓へと上がっていく様子が映っている。
刹那が必死にやめるよう言って止める中、バージルの心拍数は異常なほど早く鼓動を刻む。
そこに、ガラス戸を突き破って信玄が入ってきた。身体には鎧を纏い、手に刀を持っている。
信玄は、Dr.グリーンの毒に冒されながらも生きていた。
刹那は一瞬 驚き後退ったが、動けないバージルを護るため すぐに前に出て、信玄に立ち塞がる。
信玄「どけ!」
刹那「彼に寄らないで」
信玄「こいつは父を殺し、お前の姉に手を出した。そんな奴が欲しいのか?!」
そう言いながら信玄は、刹那が立つのとは反対側のバージルの横に回り、邪魔と言わんばかりに身体をスキャンしてる機械を、無理矢理バージルの足の方へと押す。
信玄の言ってる事は完全に言い掛かりだが、今の彼には聞く耳など持っていないだろう。
バージル「よせ・・・!」
刹那がバージルの上を飛び越え再び信玄の前に立ち塞がるが、危険であるためバージルは止める。
しかし、そうも言ってられない別の問題が発生した。
バージル「マズい、見えない・・・」
無理矢理 動かされた事で機械が不具合を起こし、モニターにはノイズが走り、バージルの足しか映らなくなってしまった。
信玄「いつまでもゴミを漁ってろ」
刹那「正気じゃない」
最早 信玄には、何を言っても話が通じない雰囲気を纏っていた。それを証明するように、信玄が刹那に襲い掛かる。
刹那は何度も迫る刃を避け、少し離れた場所に飾られてあった刀を取りに行く。
刹那が離れた隙に、信玄は動けないバージルに刀を振り下ろす。しかし、完全にバージルに振り下ろされる前に、刹那が鞘に納まったままの刀で受け止めバージルを守る。
信玄の刀を押し退け刹那は抜刀し、2人は本格的に刃を交え、刹那は素早い身の熟しで、信玄は一振り一振りが重い剣術を使い、剣戟を繰り広げていく。
その後ろで、手探りで装置を外そうとしていたバージルは、突然 憑き物が取れたような顔をして身体から腕を引き抜いた。バージルが指先に掴む物を見ると、血塗れで触手を振り回す小さな装置があった。
バージル「刹那・・・」
だがバージルの心拍数を映す心電図は心臓が止まった事を示し、バージルは目を瞑り呼吸も止まった。
そんな事になってる間も、刹那と信玄の戦いは続いていたが、体格や純粋な腕力でも負ける刹那は劣勢だった。刀を掬い上げられるように弾き飛ばされ、更に刀の柄で顔面を殴られ倒れてしまう。
信玄の今の目的はバージルを殺すこと。刹那が倒れてる間に またバージルの方へ向かっていく。
刹那「バージル!」
刹那は信玄の後ろから飛び掛かり止めるが、背負い投げの要領で投げ飛ばされる。
だが上手く着地し、バージルが横になるベッドの下に転がる刀を拾うと、切っ先を向けて信玄を警戒しながらバージルに呼び掛ける。
刹那「バージル?バージル!?バージル!」
しかしバージルは、眠ったように動かない。
そんなバージルに気を取られてる隙に、切っ先を向けていた刀を信玄に弾かれ、刀の腹側で顔面を殴り飛ばされる。
刹那は果敢に立ち向かい、小柄な体格と素早い動きを駆使して、どうにか信玄と渡り合う。
戦ってる2人は気付いていないが、直後バージルの身体に異変が起きる。切開した傷と縫われていた傷跡が瞬時に消え、バージルの指と瞼がピクリと動いた。
信玄と渡り合っていた刹那だったが1歩 及ばず、強烈に殴られた刹那は倒れて気絶した。
信玄は先に刹那にトドメを刺そうと刀を振り下ろすが、刹那に届く前に刃が止まった。信玄は まさかと思いベッドの方を見ると、目を覚ましたバージルが閻魔刀で刃を止めていた。
バージル「俺の友に手を出すな」
ベッドから起き上がったバージルは、信玄諸共 刀を押し退け吹き飛ばす。
バージル「茉優は どこだ?」
信玄「消えた、あのヴァイパーの奴が連れ去った。これが父が取り憑かれていた・・・悪魔か。神の過ちだ!!」
信玄は腰にあった刀も抜き、迫るバージルに二刀流で斬り掛かる。だがバージルは1歩 後ろに下がり避けると、互いに間合いを はかりながら睨み合いになる。
信玄「お前や、あの
先に信玄が動き、次々と迫る刃を閻魔刀1本だけで防ぎ、同時に2刀を受け止めると、信玄を後ろに押し込みながら部屋の外へと吹き飛ばす。
床を転がる信玄は すぐに起き上がり刀を構え、信玄を追って部屋を出たバージルと再び刃を交える。そして僅かな剣戟の3振り目で、バージルの顔に刃が入った。
だが信玄はバージルの顔を見て驚いた。バージルの顔に深く入った斬り傷が、一瞬にして消えた。
どちらからともなく動き、先程までとは違い激しく素早い応酬が始まる。
バージルが追い込む形で信玄を後退させていくが、バージルが一撃を入れようとした瞬間に信玄の2刀が身体に突き刺さる。それによりバージルは動きを止めた。
バージルには信玄を斬るチャンスはあったが、そうせずに閻魔刀の刃を信玄の刀に ぶつけて へし折る。
そして未だ突き刺さる もう片方の刀を身体から引き抜き、信玄を正面から蹴り飛ばす。
引き抜いた刀を捨て信玄に斬り掛かるが、信玄は床を転がり避けると、近くに飾られてあった刀を手に取り また刃を交える。
バージルに刀を受け止められるが、今度は信玄がバージルを押し込み後退させ縁側に出ると、閻魔刀を弾き何度もバージルを斬る。
そしてバージルの一振りを潜るように避け、脇腹に重い一撃を入れる。
振り返り向かい合うが、バージルに付けた傷は全て消える。
バージルは ゆっくりと歩を進め、至近距離で互いに構えるが、バージルは閻魔刀を鞘に戻した。
バージル「娘を殺そうとした奴など・・・殺す価値もない」
バージルには、最初から信玄を殺すつもりはなかった。信玄は茉優の父親であるため、少し遠慮した部分もある。
そしてバージルの脳裏には、自分の世界でのネロとの戦いも思い出していた。
“聞けよ足手纏い。殺し合うな。他に方法があるだろ。俺が このクソ喧嘩を止めてやる”
殺す以外にも方法があるとネロが教えてくれた事を、この真田家の騒動を通してバージルは思い出したのだ。
何度も その身に刃を受けたのも、信玄には倒せないと思い知らせて諦めさせるためだった。
これで自分が間違っていたと信玄が思い直せば、まだ真田家には救いがある。茉優と信玄の、親子の関係も一から やり直せるチャンスも僅かに残る。バージルは そこまで考え、茉優のために閻魔刀を引いたのだ。
バージルは信玄の横を通り、刹那が居る部屋に戻ろうとする。
だがバージルの そんな想いも知らずに、信玄は雄叫びを上げながらバージルの背中から襲い掛かる。振り返ったバージルの胸が、刀で貫かれる。
信玄「何と言うバケモノなんだ お前は・・・?!」
バージル「・・・魔剣士だ」
バージルが答えた瞬間、信玄の身体に幾つもの幻影剣が突き刺さる。治癒能力を取り戻したのと同時に、悪魔としての力も全て取り戻していた。
バージルは、3度目のチャンスをくれてやるほど寛大ではない。ここまでしても理解せず立ち向かってくるなら、もう止めるには殺す他なかった。
刀から手を離した信玄は、ゆっくりと倒れた。
バージルは床に転がる信玄を見ながら、胸に突き刺さる刀をスッと抜くと、雷鳴と共に稲光が瞬いた。
バージルが部屋に戻ると、丁度 刹那が意識を取り戻したところだった。
バージル「起きろ、そうだ」
バージルは ゆっくりと刹那を起こすと、バージルを見た刹那は嬉しそうに笑う。
刹那「予知が外れた」
バージル「言っただろ。怪我は どうだ?」
刹那「何でもない」
バージル「そうか・・・礼を言う」
バージルは茉優を助けに行くため、屋敷を後にしようとする。
刹那「きっと罠よバージル」
刹那が そう言っても、バージルの歩みは止まらなかった。
刹那はバージルを手伝うため、床に転がる刀を拾って追い掛けようとしたが、床に散らばる設計図に目が止まる。それは機械仕掛けの鎧武者の、スーツの設計図だった。
*研究所*
その頃 茉優は、
茉優「何なのよ ここは?・・・何を隠してるの?」
原田「すぐ分かるさ茉優」
グリーン「ようこそ茉優」
案内の途中、Dr.グリーンが現れた。
茉優はバージルの力を奪ったDr.グリーンが現れた事で、目付きを鋭くさせて敵意を向ける。
原田「大丈夫。彼女も、真田家のために働いてる」
茉優「自分自身のためよ。バージルの力を奪った」
茉優の責める言葉を聞いても、Dr.グリーンは悪びれる様子もなく どこ吹く風である。
茉優「お祖父様には、いったい何をしたの?」
祖父の主治医だったDr.グリーンが この悪事に加担してるのなら、祖父の死も この女の仕業であると茉優は考えていた。
グリーン「最後の望みを叶え、安らぎを与えた。次は あなたよ」
意味深な事を言ったDr.グリーンは、原田を見る。その原田は不安そうな顔をしていた。
そしてDr.グリーンが茉優の首筋に爪を刺すと、茉優は意識を失い倒れるのを原田が受け止めた。
原田「手を貸せ!」
Dr.グリーンは さっさと どこかに立ち去り、原田は茉優を ゆっくり休ませれる場所に運ぶため部下に指示を出す。
・・・・・・
しばらくすると、茉優はベッドの上で目を覚ました。
グリーン「よく眠れた?」
部屋の外に出ると、Dr.グリーンの声がした。下のフロアから茉優を見上げており、周りでは研究所の職員が働いており、真田家に仕える忍者の一族、黒装束を身に纏うブラック・クランが警備に立っていた。
Dr.グリーンを見た茉優は睨みながら、下のフロアに下りて対峙する。
茉優「あなたが どうやって お祖父様や原田を騙したのか知らないけど━━」
グリーン「ちょっと落ち着いて。お祖父様に頼まれたのよ」
茉優「今 真田を仕切ってるのは私」
研究所の中央は吹き抜けになっており、各フロアの吹き抜けに渡り通路が架けられている。
茉優とDr.グリーンは今そこに立っているのだが、Dr.グリーンが操作パネルを動かすと、渡り通路が動いて回転を始めた。
グリーン「何故そうなったんだと思う?なぜ先代は あなたを選んだのかしら?あなたが強いから?弱いからじゃないの?」
渡り通路の回転で向きが変わった事で、赤く大きな鎧武者型のロボットの姿が茉優の視界に入る。
茉優が これが何なのかと思考を巡らせながら ゆっくり近付くと、鎧武者の首が動き茉優を見る。それに驚き、茉優は足を止めた。
*村*
バージルは簡素な村へと着き、村の奥を見る。そこには写真にもあった通りタワーのような研究所が聳え建っていた。
外には地元住民の何人かが出歩いていたが、バージルを見た途端に逃げるように民家の中に入った。
そしてバージルの前に、黒い忍者装束の原田が現れ立ち塞がる。
バージルと原田は歩きながら互いに接近し、原田は背中の刀を抜いた。
民家の影から、忍者の一族ブラック・クランが大量に現れ、地上や民家の屋根から戦いの時をまっている。
原田「我々と戦っても無駄だぞ。弱ってるし、たった1人だ」
眼前まで近付いた原田は そう言い放ったが、彼は まだ知らない。バージルが自力で力を取り戻した事を。
原田「ブラック・クランは真田家を、700年間 護ってきた」
バージル「・・・・・・仲間は あれだけか?」
バージルの問いに、原田は笑みを浮かべるだけだった。忍者の一族として、これまで培ってきた経験や練度から、バージルを相手にしても怖くないという自信の表れなのかもしれない。
バージル「茉優を返せ」
原田「茉優を守ってくれて感謝する。彼女の家族のために、もう1度 役に立ってくれ」
バージル「ふざけるんじゃないぞ坊や」
バージルの言葉が戦いの引き金になり、原田は至近距離でバージルに斬り掛かる。それを避けて閻魔刀を抜き、剣戟を始める。
戦いの流れで位置が替わりながら原田の刀を受け止めるが、バージルは蹴りを喰らい後ろに下がる。
原田「やれ!」
原田の命令で、周りに居たブラック・クランが一斉に動き始め襲い掛かる。次々と斬り掛かってくるブラック・クランを、バージルは閻魔刀でバッタバッタと斬り捨てる。
その途中、原田が刀の切っ先を向けながら突っ込んでくる。胸で刃を受け止めたバージルは、地面を滑るように後ろに押し込まれていく。
刀を引き抜いた原田がバージルを斬り、バージルは斬られた勢いで後ろを向く。バージルの額は、斬られた事でパックリと割れていた。
バージルが原田の方に向き直ると、額の傷が瞬時に消えた。それを見て、原田はバージルの能力が戻ってる事に やっと気付き、顔から笑みを消す。
バージル「これで分かったか?」
原田「・・・殺っちまえ!矢を使え!殺れ!」
原田の命令で戦術を変え、屋根に居たブラック・クランが矢を放ってくる。バージルは閻魔刀で斬り捨てながら防いでいく。
ブラック・クランは遠距離から矢を射る者と、刀を抜き接近戦を挑む者とで分かれるが、バージルは矢を防ぎながら接近してきたブラック・クランを次々と斬り伏せていく。地面がブラック・クランの身体から噴き出る鮮血で彩られていく。
更に幻影剣を飛ばし、餌食になったブラック・クランが屋根から転がり落ちていく。
バージルが閻魔刀を投げると、ブラック・クランは回転しながら飛ぶ閻魔刀に首を斬り飛ばされていく。
その間も、バージルはミラージュエッジで他のブラック・クランを斬り伏せる。
そして閻魔刀は、ブーメランのようにバージルの手に戻った。
ブラック・クランが次々と倒されるのを見て、このままでは全滅する思った原田は民家の中に入ると、懐から小瓶を取り出す。
手で口と鼻を塞ぎながら、小瓶の中にある液体を桶に移す。その液体は緑色でブクブクと気泡が立っており、それはDr.グリーンが用意した毒液だった。
原田は毒液に矢の先を浸し、毒矢にしてしまう。これが原田の、バージルを倒すための切り札だった。
*研究所*
茉優「バージル・・・」
研究所の外回廊から、茉優が村を見下ろしている。その眼で見えるのは、こちらに向かって走るバージルと それを追う真田忍軍の姿。
*村*
バージルがブラック・クランの間を駆け抜け、『疾走居合』で纏めて斬り飛ばす。
そこに戻ってきた原田が、バージルの背中目掛けて毒矢を射る。バージルは背中越しに毒矢を斬り捨て防ぐ。
バージル「ムダに命を捨てねば分からんのか?」
原田「これが真田様の ご遺志だ」
バージル「奴は死んだ」
原田「俺は真田家に仕える者だ。真田様の遺言に従い、茉優のためにも お前を見逃すつもりはない」
バージル「愚かな・・・!」
?「それは あなたも同じよ」
背後から女の声がして振り返ると、Dr.グリーンが口から毒液を吹き掛けてきた。顔面に掛けられた毒液が目に入り、バージルは目を開けられず怯む。
その隙を狙って、原田がバージルの背中に毒矢を射る。全身に毒が回ったバージルは倒れ、動かなくなってしまった。
グリーン「本当に役に立たないわね。バージルを運んで」
言われた原田は悔しそうに、残っていたブラック・クランにバージルを運ぶよう指示した。
*研究所*
バージルが倒れる瞬間は、茉優も見ていた。
すぐにでもバージルを助けに向かいたかったが、自分の力では研究所から出る事もできないため、ただ悔しそうに見てる事しかできなかった。
次回も宜しく お願い致します!