Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

メキシコでの話も終わりましたので、徐々に雰囲気を戻していこうかなと思います。

326話です!どうぞ!


Mission326 エネルギー磁場~宙に浮かぶ門~

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 10月21日 14:23*

 

呉提督が売春組織を壊滅させてから数日後の昼下がり、オリーブ財団は騒然としていた。鹿島が1人で戻ってきたのだ。

全員が どういう事なのかと話をしたがっていたが、先にネロ、加賀、香取、ステフが鹿島と話す事にした。皆には それからだ。

 

鹿島「申し訳ございませんでした・・・」

 

ステフ「いいえ、無事だっただけ良かったわ」

 

香取「鹿島、これは どういう事なの?!許可のない任務に勝手に出て心配 掛けるなんて!」

 

鹿島「香取姉・・・」

 

加賀「何があったのか話してくれる?先ずは、どうして鈴谷と2人だけで行ったのか」

 

鹿島「・・・鈴谷さんとは、2人でメキシコの売春組織の情報を手に入れようという話になったんです。それで・・・」

 

ネロ「2人だけで行った訳か」

 

鹿島「はい・・・」

 

ステフ「その後は どうしたの?」

 

鹿島「私と鈴谷さんは薬を盛られたのか、意識を失って・・・」

 

目覚めると、鹿島は見知らぬ場所で監禁されていたらしい。鈴谷は一緒ではなかったので、引き離され別々の場所に監禁されていたようだ。

そして自力で脱出し、1人でアメリカに戻り今日、オリーブ財団に辿り着いた。

鈴谷の事は探そうとしたが、追手から逃げるのに手一杯で探す余裕はなかったそうだ。

 

鹿島「あの、鈴谷さんは・・・?」

 

ネロ「・・・呉の おっさんとモリソンが見付けてくれたけど・・・死んだよ。投与された麻薬の過剰摂取が原因だった・・・」

 

鹿島「そんな・・・!?わ、私のせいです・・・私のせいで鈴谷さんが・・・!」

 

鹿島は手で顔を覆い、自分が鈴谷に余計な事を言わなければと、ブワッと泣き出してしまった。その鹿島の様子に、ネロ達は何も言えなかった。

本来なら独断行動を咎め、何かしらの罰を与えるべきなのだが、本人も大変な目に遭ったであろうから、その辺りの話は鹿島が落ち着いてからにした方が良さそうだった。

 

ステフ「脱出時の事を詳しく聞きたかったけど、今は休んでいいわ。香取、鹿島を部屋に送ってあげて」

 

香取「分かりました」

 

鹿島は香取に連れ添われながらブリーフィングルームから出るが、出た瞬間に待ち伏せていた熊野に胸ぐらを掴まれた。

 

熊野「あなたのせいで・・・あなたのせいで鈴谷は・・・!」

 

ネロ「熊野、よせ!!」

 

透かさずネロが止めに入り、熊野を鹿島から引き離す。

ネロは今の内にと香取に離れるよう言い、香取は鹿島を連れて そそくさと その場を後にした。

 

熊野「止めないでください!!」

 

ネロ「止めるに決まってるだろ!お前の気持ちは分かる!けど今 鹿島を責めても どうにもならないだろ!」

 

熊野「わたくしの気持ちなんて分かるはずない!!」

 

その後、加賀に呼ばれた最上と三隈も加えて熊野を落ち着かせ、艦娘寮に戻らせた。

艦娘寮には鹿島も戻ったので、熊野が変な気を起こさないよう加賀には同伴してもらい、しばらく最上型と話をしてもらう事にした。

 

ネロ「ステフ、これから どうするつもりなんだ?」

 

ステフ「私達は常に、死と隣り合わせの世界に居る。彼女が このまま立ち直れないなら、全ての任務から外して日本に送り返す」

 

ネロ「このまま何もしないのか?」

 

ステフ「これは彼女自身が、自分の気持ちと どう折り合いを付けるかよ。他者が何を言っても、どうにかなる問題じゃない」

 

ネロ「・・・俺には そうは思えない」

 

ステフ「でもできる限りの事はするつもりよ。彼女が立ち直れるように」

 

ネロ「助かる。・・・ダンテに相談できれば・・・」

 

ステフ「居場所は分かるの?」

 

ネロ「それは・・・」

 

ステフ「今は居ない人を頼らず、私達にできる事をしましょ」

 

ネロ「・・・分かった」

 

ネロは、自分が熊野のために何ができるか考えながら、ブリーフィングルームから退室した。

直後、ステフのスマホに着信が入る。

 

ステフ「私よ」

 

?『やぁ、本部長、久しぶりだね』

 

ステフ「監査・・・」

 

?『最上型 軽空母3番艦の事は、既に聞いている』

 

ステフ「それに関しては私のミスよ。何かしらの罰を与えるつもりなら、私が受けるわ」

 

?『いや、それに関しては口出しするつもりはない。それより早急に調べてほしい事がある』

 

監査からオリーブ財団に与えられた任務は、ロサンゼルスで謎のエネルギー磁場が発生してるので、その調査命令だった。

 

?『それと もう1つ、最優先にしてもらいたいことがある』

 

その内容を聞き、ステフの顔が強張る。それはダンテ、ネロ、バージルの拘束命令だった。

 

 

・・・・・・

 

*ロサンゼルス 街 17:35*

 

夕方、ステフから調査命令が下された天龍型、由良、鬼怒、阿武隈が、夕張が造ったエネルギー磁場を測定する機械を手に、街を歩き回っていた。

 

阿武隈「この機械、うんとも すんとも言わないんだけど」

 

天龍「壊れてんのか?」

 

由良「自信満々だったから大丈夫だとは思う」

 

鬼怒「それより もう飽きたー!ただ歩くだけって退屈だよぉ・・・」

 

5人は立ち止まり、もう少し調査を続けるか、何もなかったとして帰るか相談してると、龍田が人混みの中で妙な人物に視線が止まる。その人物は神父の格好をしてるのだが、明らかに こちらを見ていて龍田と目が合う。

 

龍田「天龍ちゃん、変な人が居る」

 

天龍「変な人?」

 

龍田「ほら、あそこに」

 

天龍「・・・・・・どこ?」

 

龍田が指を指した場所を見るが、それらしい人物は見当たらない。

龍田は、いつの間にか神父が消えていた事に驚いていた。

 

龍田「あれ!?でも、さっきまで あそこに・・・」

 

天龍「気のせいじゃねぇの?」

 

鬼怒「あっ!ホットドッグの屋台 出てるし、行ってみない?」

 

阿武隈「えっ、でも、今 調査中だよ?」

 

鬼怒「ホットドッグからエネルギー磁場が出てるかもしれないし、確認しよう!」

 

阿武隈「それ食べたいだけだよね!?」

 

由良「まぁ、小腹も空いたし、ちょっとぐらい寄り道してもいいんじゃない?」

 

龍田は先程の神父が気になりつつも、5人で調査の名目でホットドッグの屋台に立ち寄った。

その5人の姿を、離れた場所から刀を持った男女2人が見ていた。

 

女「ふーん、あれが艦娘なんだ」

 

男「言っておくが、余計な事はするなよ?」

 

女「ちょっとだけ。それに、あなたの弟子が どんなものか気になるしね。じゃあ また後で」

 

男「おい」

 

女は単独で どこかに行き、男は それに溜め息を吐きながら、自身も どこかへ姿を消した。

 

 

・・・・・・

 

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 20:28*

 

天龍達は結局、エネルギー磁場を計測する事ができず そのまま帰ってきた。

だが夜になって、ロサンゼルス上空に異変が起きた。それにより、動ける者全員がブリーフィングルームに集められていた。

 

ステフ「これが今現在のロサンゼルスの様子よ」

 

巨大モニターにはロサンゼルスの街の様子が映し出されているのだが、その上空には謎の巨大な門が出現していた。

更に門の周りでは、見るからに怪しい雲か煙が立ち込めている。

 

阿武隈「あんなの昼間には無かったですよ!?」

 

川内「何だろう この感じ・・・?何か嫌な予感がする・・・」

 

ネロ「あぁ、俺もだ」

 

大淀からの報告で、どうやら あの門を中心に、エネルギー磁場が発生してるようだ。

 

ステフ「どんな危険があるか判らない。既に警察と消防が市民の避難に動いてるけど、私達も手伝う事にするわ。すぐに出発よ!」

 

『了解!』

 

皆がロサンゼルスに向かおうと動こうとするが、鹿島がブリーフィングルームに入ってきた。

 

鹿島「私も出ます」

 

武蔵「大丈夫なのか?」

 

鹿島「余計な事はしませんし、避難誘導ぐらいなら私にもできます」

 

ネロ「ステフ」

 

ステフ「分かった、ムリはしないように」

 

鹿島「了解」

 

ネロと艦娘達、ニコは急ぎロサンゼルスへと向かった。

オリーブ財団には加賀、鳳翔、夕張、大淀、明石、間宮、(たける)が待機となり、最上型は艦娘寮で休ませているので、彼女達も一緒には行かない。

 

 

・・・・・・

 

*ロサンゼルス 街 22:02*

 

街に着いてから艦娘達は、警察と消防と協力しながら すぐに避難誘導を始めた。人々は それに従い、街の外側へと大移動している。

だが問題は、街の中心部だった。謎の門が浮遊してる周囲の避難は完了しておらず、人々は そこに留まり宙に浮かぶ門を仰ぎ見ている。しかも避難誘導するべき警察と消防も一緒になってだ。

 

ウォースパイト「まだ人が こんなに沢山・・・」

 

大和「皆さん、早く ここから避難してください!」

 

街の中心部に来ていたネロと艦娘達が避難させようとするが、人々は動かず何かを呟いている。聞き取ろうとして耳を澄ませると・・・

 

市民「天使様だ・・・」

 

誰もが口々に そう呟き、ウットリとした表情で門を見ている。ネロと艦娘達が門の方を見るが、それらしい存在は確認できない。

彼らには、いったい何が見えているのだろうか?

 

ニコ「天使様・・・」

 

更にニコまで、人々と同様 様子が おかしくなり、門を見ながらウットリと“天使様”と呟き始める。

 

ネロ「ニコ、ニコ!おい、しっかりしろ!」

 

どれだけ大声で呼び掛けても、ニコには聞こえていないのかネロの声に反応しない。

ニコまで おかしくなり困惑していたが、事態は待ってくれない。いきなり市民が振り向いたと思えば、怒りの形相でネロ達に襲い掛かってきたのだ。

 

摩耶「な、何だぁ!?」

 

ニコ「邪悪なデビルハンターを殺せぇ!」

 

それはニコも同様で、市民と一緒になって発狂しながら襲ってくる。

ネロが後ろから羽交い締めにして止めるが、問答無用で頭突きを喰らわされた。

 

長門「いったい どうなってるんだ!?」

 

白露「追い掛けてこないでよ!」

 

如月「いやーっ!!この人達 怖いー!!」

 

愛宕「いやーん、こっち来ないでー!」

 

豹変した人々に理解が追い付かないまま、艦娘達は市民から逃げ惑い、ネロはニコを止めるのも そこそこに、襲ってくる市民の手を何度も躱していた。

別の場所では、鹿島が単独で避難が完了した地区を、逃げ遅れた人が居ないかの確認で回っていた。すると、遠くに見える宙に浮かぶ門を、1人で見上げる神父を見付けた。

 

鹿島「ここは危険です!すぐに避難してください!」

 

鹿島が呼び掛けると、神父は ゆっくりと振り返ったが、鹿島は その神父の顔を見て悪寒が走った。見た目は どう見ても人間なのだが、何の感情も宿さない無表情の その顔は、どこか人間ではないような気がした。

 

神父「避難などする必要はない」

 

鹿島「・・・どういう意味ですか?」

 

神父「これは“人類救済計画”の始まりに過ぎない。天使が人間達を救ってくれる」

 

鹿島「言ってる事の全てが理解に苦しみますね。あなたはアレが何なのか ご存じの様子。是非お聞かせ願いますか?」

 

鹿島は艤装を展開して主砲を神父に向けるが、神父は それを見ても顔色1つ変えない。

 

神父「寧ろ危険なのはデビルハンターの方だ」

 

鹿島「デビルハンターは人間を悪魔から護るために戦っています。そんな戯れ言が通用するとでも?」

 

神父「我々の崇める天使だけが人類を救える。人々は それを理解し、門の下に集まり我らの天使を崇めている。そして君なら、我々の思想を理解できると私は思っている。だから我々の邪魔はするな」

 

一方的に そう言った神父は、その場から立ち去っていく。鹿島は神父を追ったが、それほど距離も空いてなかったのに道の角で見失ってしまった。

 

鹿島「(やっぱり、人間じゃない・・・)」

 

そして別の場所では、鹿島と同じく避難が終わった地区で逃げ遅れた人が居ないか、天龍型が確認して回っていた。

天龍型は一旦 足を止め、遠くに見える宙に浮かぶ門を見る。

 

天龍「ありゃ いったい何だってんだ?」

 

龍田「天龍ちゃん、あの禍々しい雰囲気、きっと悪魔と関係がある物じゃないかしら~」

 

天龍「あぁ、だろうな」

 

女「その通り、アレは魔界に通じる門」

 

女の声がして振り返ると、そこには長い髪を赤く染めた女が立っていた。

手には鞘に納まる日本刀を手にしている。

 

天龍「・・・お前、誰だ?」

 

女「さぁ、誰だろ?」

 

天龍「あの門の正体を知ってるって事は、これは お前の仕業だな?」

 

天龍が そう問い掛けるが、女は挑発的な笑みを浮かべるだけで その問いに答えない。

そして どちらからでもなく、天龍と女が刀を抜き構える。

 

天龍「龍田、こいつは俺が殺る」

 

龍田「頑張ってね~」

 

先に天龍が動き、女に向かって駆け出す。

互いに間合いに入った瞬間に天龍が斬り掛かり、女は それを受け止め、互いに素早い剣戟を繰り広げる。どちらも最小限の動きで紙一重に刃を避け、僅かな隙を見付けては刃を繰り出す。

激しい打ち合いが続き、鍔迫り合った状態になると両者 動きを止め、睨み合う。

 

天龍「刀を使う悪魔ってんなら、相手にとって不足はねぇ!」

 

女「そっちは そこそこね」

 

天龍「んだとぉ!」

 

天龍は女の刀を押し退け、透かさず横凪ぎに刀を振るうが、女は後ろに飛び退き刃を躱した。

 

女「この異変を止めたかったら、あの門を壊すしかない。じゃあね♪」

 

天龍「あっ!?待ちやがれ この野郎ー!!」

 

女は まさかの撤退をし、天龍型が それを追うが、女の姿は すぐに見失ってしまった。

戦いの途中で女を取り逃がして不完全燃焼な天龍は、“そこそこ”という微妙な評価をされた事も相まって怒り心頭だった。

 

天龍「あんの野郎ー!いきなり出てきたと思ったら逃げやがって!そこそこ?“そこそこ”って何だよ?!」

 

龍田「微妙って意味」

 

天龍「腹立つー!次に会ったら絶対 首チョンパしてやる!」

 

龍田「天龍ちゃん、言い方 可愛い」

 

なんて気の抜けた話をしてるが、龍田は1つ引っ掛かっていた。あの女が悪魔で この異変の原因であれば、わざわざ止める方法を教えたりするだろうか?

龍田が その疑問を口にして天龍に言うが、怒ってる天龍に そこまで細かい事を考える余裕はなかった。

 

天龍「んなもん どっちでもいいわ!あいつ次は絶対 叩っ斬る!」

 

怒りの収まらない天龍を龍田が宥めつつ、2人は本来の目的である地区の確認に戻った。

そして様子の おかしい市民に襲われていたネロと艦娘達は、まだ その状況が続いていた。

 

深雪「だぁー!しつっこいっての!」

 

満潮「これ1発ぶん殴っても許されるわよね?!」

 

ネロ「バカッ!絶対に手ぇ出すな!」

 

長門「市民を殴ったとあれば、問題にされるぞ!」

 

吹雪「これ どうしたらいいんですか!?」

 

ネロと艦娘達は、襲い掛かる市民の攻撃を避け続けるが、反撃が許されない状況ではジリ貧もいいとこだ。

そこに、街に居るネロと艦娘全員にステフから無線連絡が入る。

 

ステフ『全員 街から撤退しなさい。一旦 作戦を練る事にするわ』

 

漣「撤退って・・・この状況じゃ無理ッス!」

 

撤退したくても、暴徒と化した市民に囲まれ手出しができない状況では、ここを突破して脱出するのは難しい。

だが そこに、他の地区を確認して回っていた川内と神通が駆け付け、煙幕を ばら蒔く。

 

神通「今の内に撤退を!」

 

川内「煙玉の出血大サービスだよ!」

 

煙幕により視界を奪われた市民は動きを止め、その隙にネロと艦娘達は、煙に紛れて撤退していく。

その途中、吹雪が転んでしまった。

すぐに立ち上がろうとしたが、足首を捻ったのか痛みが走り、立つ事ができない。

 

市民「デビルハンターを殺せぇ・・・!」

 

不穏な声がして振り返ると、眼が血走った市民が今にも、手に持つ鈍器で吹雪を殴ろうとしていた。吹雪は逃げたくても、思うように動けず逃げられない。

 

川内「ごめん、足が滑ったぁー!!」

 

なんて言い訳をしながら、川内が市民の側頭部に膝蹴りを喰らわせ吹き飛ばしてしまった。

川内は吹雪を背負い、その場から脱出すると神通と並走する。

ただ、川内の背中に負ぶさる吹雪は気が気ではなかった。

 

吹雪「川内さん、膝蹴りはマズいですよ!」

 

川内「足が滑って転んで吹き飛んで膝蹴りの形になっただけだから。事故だから しょうがない、不可抗力ってやつよ」

 

吹雪「そんな言い訳 通じませんって!」

 

川内「うるさい!助けてあげたんだから文句 言わない!」

 

神通「姉さん、吹雪さんに逆ギレするのは お門違いです」

 

危ない場面もあったが、ネロと艦娘達は全員、ロサンゼルスの街から脱出できた。

ネロと艦娘達を取り逃がしたニコと市民は、また宙に浮かぶ門の下に戻り、見えない天使を崇めてウットリしていた。

 

 

・・・・・・

 

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 10月22日 1:12*

 

撤退しオリーブ財団に戻ったネロと艦娘達は、残っていた者達とニコの奪還、市民の沈静化、そして突如として現れた門を どうするか話し合っていた。

 

ステフ「じゃあ あの門は、悪魔が居る世界と繋がってるってこと?」

 

天龍「あぁ。俺達の方に現れた女悪魔は そう言ってやがった」

 

天龍型は刀を持つ女の事と、鹿島は神父の事を既に報告していた。

 

ステフ「だとしたら、これは非常にマズい状況よ。あの門が開けば、私には何が出てくるか見当も付かない」

 

天龍「間違いなく力の持った悪魔が出てくるだろうな」

 

だが今の状況がマズいというのは、それだけの話ではなかった。門を破壊するにしても、その下には何かを崇める市民が居て、言わば人質に取られてるのも同然だ。迂闊に攻撃もできない。

すると明石が、門から放出されてるエネルギー磁場に関する報告を始める。

 

明石「あの門が発してるエネルギー磁場は、恐らく人間の脳に何らかの作用を及ぼしてるんだと思います。それで皆 操られてる。そして その影響範囲は、まだ中心部のみに留まってます」

 

ロサンゼルスの街の中心部に居た市民が暴徒化し、中心部より外に居た市民には異変がなかった。

そして中心部まで行ったニコが突然おかしくなった事も考えれば、明石の話は筋が通っている。

だが それを前提に考えた場合、ステフには ある疑問が浮かんだ。

 

ステフ「ちょっと待って。あなた達 艦娘が何もなかったのは、何となく私にも分かる。でもネロが影響を受けてないのは どういうこと?」

 

ステフが口にした その疑問に、ネロと艦娘達はギクッとした。ネロに影響がなかったのは、恐らく普通の人間ではないからだ。

ネロに悪魔の血が流れているのは、無用な混乱や敵対する意思を起こさせないために他言するべきではない。

艦娘達は焦りながらも頭をフル回転させるが、上手い言い訳が思い付かない。

 

ネロ「あ・・・あれだ!そんなので操られるほど、俺は弱くないって事だろうな!」

 

『(いや強引じゃね!?)』

 

ネロはテンパりながらも言い訳を口にして、乾いた笑いを漏らすが、納得させるには些かパンチの弱い言い訳に、艦娘達は全員 顔を引き攣らせる。

しかし・・・

 

ステフ「・・・・・・なるほど」

 

ステフは今回だけは何故か納得した。

ネロと艦娘達は どうにか凌いだかと思い、心の中で安堵の溜め息を吐く。

一先ず それは大丈夫とし、今 優先して考えるべきは あの門をどうするかだ。

 

加賀「一応 簡単には作戦を考えてあるから、皆よく聞いて」

 

市民の暴徒化は宙に浮かぶ門が原因だ。先ずは それを破壊する事が先決であるため、ネロと徹甲弾を載せた戦艦と重巡で破壊に当たる。

だが それには、門の下に集まる市民が邪魔だ。そこで空母と航巡、軽巡、練習巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、潜水空母が市民の注意を引き、囮となり門から引き離す。

 

加賀「ざっと言えば こんな感じよ」

 

『えーーーっ!?』

 

だが それに異を唱えたのは駆逐艦と潜水艦、潜水空母だった。反撃もできないのに、眼が血走った市民に追い回されるのは怖過ぎである。

 

イムヤ「私達には無理です!」

 

卯月「また貧乏くじ引かされたぴょん!」

 

漣「作戦内容の変更を意見具申します!」

 

口々にブーイングが巻き起こるが、加賀は もう作戦を変えるつもりはない。これを基礎に、細かい作戦内容を詰めていく方向で考えている。

 

加賀「じゃあ、徹甲弾を載せられない あなた達の火力で、あの門を破壊する自信はあるの?」

 

霞「・・・・・・わ、私達だって艦娘ですから、砲撃できれば それぐらいはできます!」

 

加賀「か・く・じ・つ・に?」

 

文句を言ってた艦娘は、目をゴシゴシしてから もう1度 加賀を見た。何故か加賀の後ろから、般若が睨んでくる幻が見える。

 

加賀「失敗はできないから“絶対”に、“確実”に破壊できると言うなら任せてあげるけど?」

 

加賀の恐ろしい雰囲気に、文句を言っていた全員が黙ってしまった。

加賀は それを、できないという意思表示だと受け取り、作戦内容は そのままに進める事にした。

作戦は次の夜に決行する。それまでに細かい作戦内容を詰めていき、同時に戦闘の準備も平行して進めるのだった。




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