Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

また ちょっと雰囲気 悪くなるシーンがありますが、次の楽しい回の お話のためだと思ってください。

329話です!どうぞ!


Mission329 激怒~離反する者達~

赤城を探していたダンテは、MI海域で ほっぽと再会する。

ほっぽの案内で海底洞窟へと赴くと、そこには深海棲艦アカギが待っていた。

深海棲艦アカギの話では、その身に赤城の魂はなく、分離してしまったとの事だ。

赤城を取り戻す方法を聞いたダンテは一旦、鎮守府へと戻るために2人と別れる。

Devil May Cry鎮守府が、横須賀鎮守府の仮鎮守府になってると知らないダンテは、鎮守府に戻って横須賀提督が居る事に驚いた。

ダンテに、Devil May Cry鎮守府の面々がオリーブ財団に転属した事を教えた横須賀提督は、元帥と連絡を取ってダンテが戻った事を伝える。それにより、次にダンテは大本営へと向かう事になる。

大本営に着いたダンテは、そこで元帥から、ネロと艦娘達が居るオリーブ財団の正確な場所を聞く。

火炎魔人ゾルグを倒したネロ、バージル、艦娘達、ニコ、刹那(せつな)がオリーブ財団に戻ると、そこにダンテが現れネロ達は驚く。

思わぬ再会に喜ぶ中、ダンテ達はオリーブ財団の特殊部隊に囲まれる。抵抗しない事を選び、ダンテ、ネロ、バージル、刹那の4人は拘束され連行される。

納得できない艦娘達は抗議するが、監査から説明があると言われ、ステフを追ってブリーフィングルームへ向かう。

そこに現れた監査は、魔界に消えたはずのアーロンだった。

ダンテ達を拘束した理由は、世界の境界線が再び崩壊を始めており、その原因が魔剣士3人にあるとアーロンは考えていた。

 

 

*オリーブ財団 取調室 アメリカ時間10月23日 3:30*

 

取調室に連行されたダンテ達は、椅子に座らされ何が始まるのかと待っていた。

手錠は掛けられたままで、鎖は机の輪に通され逃げられないようにされている。まぁ、意味があるとは思えないが。

少しするとステフが1人で入ってきて、向かい側の椅子に座ると持っていたファイルを開き、ダンテ達に見やすいように机の上に置く。そのファイルには真魔人ダンテ、魔人ネロ、真魔人バージルの姿を捉えた写真があった。

 

ステフ「あなた達の正体は判ってる。一言で言えば“悪魔”よ」

 

そう言われネロは焦ったが、ダンテは それが どうしたと言わんばかりにポカンとし、バージルは無関心なのか無表情。

そんな中、刹那は興味津々で食い入るように写真を見ていた。

 

刹那「凄い、これがバージル?・・・変な頭の形してるね」

 

刹那が笑いながら喋った事で、ステフは刹那を睨む。

 

ステフ「あなた誰?」

 

ステフが そう問うと、魔剣士3人は同時に刹那を見た。

刹那まで拘束されたのは完全に手違いで、ステフも なぜ彼女が取調室に居るのか理解していなかった。

 

刹那「バージルのボディーガード」

 

刹那が楽しそうに答えると、今度はダンテとネロ、ステフが同時にバージルを見る。

 

バージル「違う、ただの腰巾着だ」

 

不機嫌そうにバージルが答えると、ダンテとネロ、ステフは再び刹那を見る。その刹那は、不機嫌そうにバージルを睨んでいた。

刹那の事は予定外であるため後回しにし、ステフは咳払いをしてから本題に入った。

 

ステフ「悪魔である以上、我々 人類は あなた達を敵として見るのが普通よ」

 

ダンテ「・・・それで、どうしたい?」

 

ステフ「そうね・・・即座に処刑かしら」

 

ダンテ「せめて裁判くらいはしてくれ。その方が まだ楽しめそうだ」

 

ネロ「ダンテ、やめろって・・・」

 

話を ややこしくしそうなダンテの冗談をネロが咎めるが、ステフには そんな冗談は通じないであろう。

だが魔剣士3人は気付いていた。“即座に処刑”と出たが、今現在 拘束されてる事から、ステフに その気がない事を。

 

バージル「それで何が目的だ?さっさと本題に入った方が、互いに時間をムダにしなくて済む」

 

ステフ「・・・いいわ。あなた達に、人類に敵対する意思はあるの?」

 

その問いに、魔剣士3人は目を細めてステフを見詰める。正直、その質問の真意が読めない。

 

ネロ「ステフ、アンタなら判ってるはずだ。俺達は━━」

 

ダンテ「アンタは どっちだ?」

 

ネロ「ダンテ・・・?」

 

ステフ「どういう意味?」

 

ダンテ「アンタは人類の味方か?それとも敵で、俺達を引き入れたいのか?」

 

ダンテからの問いに、ステフは挑発的な笑みを浮かべる。

 

ステフ「その答えは人類の味方よ。私は ずっと国に尽くしてきた。世界の平和を護るためなら、何だってするわ」

 

ステフからの返答に、ダンテも挑発的な笑みを浮かべる。

 

ダンテ「なら俺達も味方だ。いったい何が不満なんだ?」

 

ステフ「あなた達は悪魔。信用するのは そう簡単な話じゃない」

 

ダンテ「だが完全に信用できない訳でもない。だから こうして面と向かって お喋りしてる。正直に言うと“迷ってる”んだろ?」

 

ステフ「・・・さすが提督をやってるだけの事はあるわね」

 

ダンテの指摘通り、ステフには信用できるか否かを決める事ができずにいた。

これまで魔剣士3人が成してきた功績は認めているし、ネロの人柄を見ても信用してもいいと思える。

だが取調室に入る前にアーロンに渡されたファイルの内容、魔剣士3人が悪魔である事がステフに不信感を抱かせていた。

 

ステフ「なら あなた達が人類の味方として、艦娘達のようにオリーブ財団の諜報員として働く気はある?」

 

ネロ「・・・・・・俺は もう そのつもりだったけど?」

 

ネロは何を今更と思ったが、ダンテとバージルは嫌そうな顔をして立ち上がった。

 

ダンテ「嫌なこった」

 

バージル「意味が分からん」

 

ステフ「ここからは出られないわよ」

 

ステフがダンテとバージルを座らせるため止めようとするが、ダンテとバージルは両腕を打ち合わせ、手錠を破壊して自由になる。それを見てステフは驚き目を見開く。

だがステフは諜報員であるため、すぐに冷静に対処しようと落ち着いて口を開く。

 

ステフ「断れば あなた達に居場所はないわよ」

 

提督代理であるネロや艦娘達が、軍の上層部の命令でオリーブ財団に転属になったのと同様、提督であるダンテにも その命令が適用される。従わなかった場合、提督ではいられない。

バージルは容疑者215として国際指名手配されてる身であるため、断れば また追われる身となる。

 

ダンテ「提督やってるのも仕方なくだからな、別にいいぞ」

 

バージル「俺も困らん」

 

刹那「あっ、バージル、私のも外してよ!」

 

ダンテとバージルにはステフの脅し文句も通じず、2人は出ていくために取調室の扉に向かっていく。

だが その前に、扉が開いた。そこに現れたのは、老人姿のアーロンだった。

アーロンが現れた瞬間、ダンテはエボニー&アイボリーの銃口を向け、ネロも手錠の鎖を引き千切って立ち上がるとブルーローズを構え、アーロンの喉仏に閻魔刀の切っ先が突き付けられる。

 

アーロン「・・・拘束させた時に、武器を取り上げさせておくべきだったかな?」

 

「「「何で/何故お前が ここに居る?」」」

 

魔剣士3人が口を揃えて疑問を口にすると、アーロンは不敵な笑みを浮かべて懐から、光を反射する小さな何かを取り出した。

 

アーロン「君達には これで答えが判るのではないかね?」

 

ダンテ「・・・閻魔刀の欠片か」

 

バージルが魔帝ムンドゥスに敗北した時、魔界には折れた閻魔刀の欠片が残された。

ダンテ達の世界では その欠片の1つを使って、バルログが魔界から人間界にあるデュマーリ島に現れた。

ダンテはテメンニグルで手に入れたケルベロスを犠牲にする事で欠片を破壊し、代わりに魔具となったバルログを手に入れた。

どのタイミングかは不明だが、ダンテ達の世界と艦娘の世界の境界線が崩れた時に、ダンテ達の世界の魔界から艦娘の世界の魔界へ流れ着いた物があったのだろう。

アーロンも閻魔刀の欠片を使って、魔界から人間界へと戻っていたのだ。

 

ネロ「それで、ここに居るのは どういう事だ?」

 

アーロン「私が このオリーブ財団の監査だ」

 

ネロ「何だと!?」

 

アーロン「監査として今1度 訊く。オリーブ財団で働くつもりはないか?」

 

ダンテ「鉛弾 喰らいたいのかテメェは」

 

アーロン「答えはNoらしいが、今や君達が世界の敵になってるという自覚は持ってもらいたいね」

 

ネロ「俺達が敵?何で そうなる?」

 

アーロン「君達・・・どうやって この世界に戻ってきた?」

 

アーロンからの問いに、魔剣士3人は顔を見合わせた。

それから3人は、どの世界にも1つはあると伝承が残る“真実の泉”がある洞窟に行き、泉の精霊から異世界に渡る方法を聞き、自分達で儀式を行って戻ってきた事を説明した。

儀式の手順も説明させ、最後まで聞いたアーロンは激怒した。儀式を行う手順に誤りが発覚したからだ。

 

アーロン「君達 何て事してくれたんだ!」

 

バージル「・・・何を怒ってる?」

 

ダンテ「戻ってこれたなら成功だろ」

 

アーロン「これで全て繋がった!君達が間違った方法で世界を越えた事で、世界の境界線が再び崩壊を始めてる!何で私が迎えに行くまで待てなかったんだ?!」

 

ネロ「知るか!そんな約束してねぇんだから待てる訳ねぇだろ!」

 

ダンテ「そもそも お前が最初に魔界を開かなきゃ、俺達が こっちに来る事もなかったんだろうが!」

 

アーロン「今は君達が問題を起こしてるんだ!私の話と掏り替えるな!」

 

その後 魔剣士3人とアーロンの口論は続いたが、3人を どうするかは艦娘達を交えて話す事にし、取調室の外で待機していた特殊部隊の1人に、ブリーフィングルームまで3人と刹那を案内するよう頼んだ。

取調室の外で4人を見送ったアーロンとステフだったが、ステフはアーロンに詰め寄っていた。

 

ステフ「異世界や あなたが魔界を開いたって話は何?私は そんな事1度も聞いた事ないわよ」

 

アーロン「君は気にしなくていい、本部長。君は君の職務を全うしろ」

 

ステフに全てを説明するつもりはなく、アーロンは自分もブリーフィングルームに行くため その場を去る。

ステフは納得できないままアーロンの背中を睨んでいたが、ブリーフィングルームに行く必要があるため すぐに追った。

 

 

・・・・・・

 

*ブリーフィングルーム 4:28*

 

魔剣士3人とアーロン、ステフがブリーフィングルームに合流してから、艦娘達とニコ、いつの間にか居た(たける)は、取調室での会話を全て聞かされた。

そして世界の境界線が崩壊し始めてる原因が、魔剣士3人にあるのが確実である事に、ブリーフィングルームで待機していた皆は顔を引き攣らせ、魔剣士3人を見る。

 

陽炎「・・・・・・え、それってマズいよね?」

 

ダンテ「何もマズくねぇ。戻ってこれたなら成功だ」

 

雪風「すっっっごいポジティブです!」

 

武蔵「提督、流石に それは私もフォローできないぞ」

 

ダンテ「・・・何で お前と大和も居るんだ?」

 

ダンテは世界の境界線が崩壊し始めてる事よりも、大和型が ここに居る方が気になった。

 

武蔵「我々も大本営からDevil May Cry鎮守府に転属した!喜んでくれ!」

 

大和「宜しく お願いします」

 

ダンテ「おいおい、よく元帥の婆さんが許したな」

 

武蔵「うん、問題にゃい!」

 

武蔵は とびっきりの いい笑顔でサムズアップを向けるが、何やら言葉遣いが変だ。

 

『・・・・・・にゃい・・・?』

 

武蔵「噛んだ・・・///////」

 

噛んじゃったのなら仕方がない。

それは兎も角、アーロンはダンテとバージルに再度、艦娘達と共にオリーブ財団で働く意思があるか訊いたが、やはり2人は乗り気ではなく、それを察した艦娘達が説得を始める。

 

蒼龍「私達も さっき新事実 聞かされましたけど、オリーブ財団は悪魔の力を利用しようとする悪い奴を止めるためにあるらしいですよ」

 

球磨「球磨達が普段やってる事と変わらないクマ。それなら ここで活動しても同じだと思うクマ」

 

天龍「それにMr.Jの事も追ってるし、鎮守府に居る時よりも権限が上がったから動きやすいぞ」

 

長門「提督、やる事は変わらないなら ここに居たっていいんじゃないか?」

 

ダンテ「テメェら毒されてんじゃねぇよ」

 

ウォースパイト「バージルさんは私達に協力してくれるって言ってましたよね?残ってくれませんか?」

 

バージル「ふむ・・・・・・仕方ない」

 

「「やったぁ♪」」

 

間宮「なっ・・・!?」

 

バージルは自分が言った事の手前、断る事ができずオリーブ財団に残る事になり、ウォースパイトとポーラは嬉しかったのか、バージルの腕に抱き付いた。それを見て、間宮が衝撃を受けたように驚く。

間宮の傍に居た暁、大潮、雪風は何かを察したのか、間宮からスッと離れた。

 

 

・・・・・・

 

それから しばらくして、ブリーフィングルームの外にダンテとアーロン、ステフ以外の全員が通路に出ていた。

ダンテが納得しないまま、ネロと艦娘達は ある事を話さなければならなかった。鈴谷に関してである。

それを聞いたダンテが激怒し、ブリーフィングルームではダンテとアーロン、ステフが3人だけで話をしているのだ。

 

摩耶「危ねっ!?」

 

突然ブリーフィングルームの仕切りのガラスが砕け、テーブルが通路の方に飛んできた。危うく高雄型に当たりそうになる。

ガラスを突き破ってテーブルが飛んできたのは、更に激昂したダンテが八つ当たり紛いにテーブルを蹴り飛ばしたからだ。

 

ステフ「待ちなさい、ダンテ提督!」

 

ダンテは もう話す気がないのか、通路の方に出て立ち去ろうとする。

 

ダンテ「こいつらをテメェらの都合で巻き込みやがって!鎮守府に居れば こうはならなかった!」

 

立ち止まり振り返ったダンテが怒鳴ると、艦娘達の多くが恐れてビクッとする。

次にダンテは、ネロの方を見た。

 

ダンテ「お前は何してた?何してたんだ?!」

 

ネロ「俺は・・・」

 

ダンテ「お前に、こいつらを“頼む”と言った。お前を信じて頼んだんだ。一方的だったかもしれないが、最後に引き受けたのは お前の意思だろ!何してたんだ?!」

 

ステフ「彼は悪くない、命令に従っただけよ!」

 

ネロのフォローにステフが口を挟むが、ダンテはネロから視線を外さず話を続ける。

 

ダンテ「お前 本当にネロか?悪ガキだった お前が、大人しく こいつらの言うこと聞いてたのか?」

 

ネロ「じゃあ どうしたら良かったんだよ?!」

 

ネロは提督代理という初めての責任ある立場になり、どうすればいいか分からないなりに手探りで頑張っていた。

今までのように好き勝手にすれば、艦娘達に迷惑が掛かるため、ネロ自身も思うようにできなかった部分はある。

 

ダンテ「もうガキじゃないんだ、自分が どうするかは自分で決めろ!」

 

鹿島「違うんです・・・悪いのは全部 私で・・・」

 

ダンテ「お前はいい、何も言うな」

 

この場を収めるため、鹿島は全責任は自分にあるとダンテの怒りの矛先を変えようとするが、何も言わせてもらえず何も変わらなかった。

そしてダンテは、アーロンとステフを睨む。

 

ダンテ「俺が居ない間に勝手な事しやがって。俺なら鈴谷(あいつ)を死なせなかった!」

 

アーロン「だが君は居なかった。君こそ何をしてた?Mr.Jを止めるため艦娘達が頑張ってる時に、1番 必要な時に彼女達の傍に居なかったのは君だ!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

アーロン「ダンテ君、私には君が自分の落ち度を八つ当たりで誤魔化してるように見える」

 

ダンテ「・・・・・・お前とは話にならない。お前ら、鎮守府に帰るぞ」

 

鈴谷の話が追い打ちとなり、ダンテはオリーブ財団から全員を連れて帰るために歩き出す。

 

ステフ「鎮守府には戻れないわよ!」

 

ダンテ「知るか」

 

もう何を言われても話を聞く気のないダンテは歩き続けるが、自分以外の足音がしないため、立ち止まって艦娘達に振り返る。その艦娘達は1歩も動こうとせず、俯いて立ち尽くしていた。

 

ダンテ「お前ら何してる?帰るぞ」

 

ステフ「彼女達は提督よりも上の権限がある命令を受けて ここに居る。あなたが提督でも、それに反する命令に彼女達は従えない」

 

ダンテ、アーロン、ステフの睨み合いが続き、誰もが動かない重苦しい空気の中、その静寂を破るように、艦娘寮で待機していた最上型が現れた。

 

熊野「わたくし達は提督に付いていきます。鈴谷を死なせた財団に従う事なんてできません」

 

加賀「熊野・・・」

 

日向「私達は艦娘だ。最上、本気で命令に背くのか?」

 

最上「ごめんなさい、補佐艦に日向さん。でも僕達、話し合って決めたんで」

 

三隈「くまりんこ達は鎮守府に帰ります」

 

川内「・・・・・・じゃあ、私も帰ろうかな」

 

神通「姉さん!?」

 

那珂「何で川内ちゃんまで!?」

 

ずっと成り行きを見ていた川内は、両手を頭の後ろに回しながら歩き出し、ダンテの側に付く。これには神通と那珂だけではなく、多くの者が驚いた。

 

川内「私は呉鎮守府での事があるから、組織ってやつは信用してないし今も変わらない。Devil May Cry鎮守府に残ったのは提督を信じてるからで、最初から提督の命令以外は聞く気はないよ」

 

すると私も私もと、葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風も皆から離れ、ダンテの側に付いた。

 

ダンテ「他は?」

 

『・・・・・・・・・』

 

ダンテ「・・・勝手にしろ」

 

ダンテは葛城と最上型、川内、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風を伴って皆の前から立ち去った。

残った艦娘達は皆、俯き拳を握り締める。その拳は かなりの力で握られてるのか震えていた。

彼女達は本当は、ダンテを追い掛けたかっただろう。なら命令に背いて追い掛ければいいと思うかもしれないが、厳密には艦娘は人間とは違う。

ただ命令を下され、嫌でも戦地に赴かなければならなかった艦だった頃の性か、艦娘にとって“命令”は特別なものだ。

軍属である以上、命令に背くのは許されない。勝手気ままにするのなら、組織には必要ない。人間ならクビで済むだろうが、艦娘に待つのは解体だ。

艦娘達は悔しかっただろう。ダンテを追い掛けたい気持ちと、艦娘として命令を聞かなければならない立場との板挟みで。その悔しさは、ダンテを追う事もできない不甲斐ない自分に対してか、自分達が艦娘であるという変えようのない事実に対してか、それは彼女達にしか分からない。

何もできないまま居ると、鳳翔の袖をチョンチョンと誰かが引っ張った。横を見ると、島風が何かを訴えるように見上げていた。

島風の言いたい事を理解したのか鳳翔が頷くと、島風は鳳翔から手を離し、ダンテを追い掛けて走っていった。

 

大井「北上さん・・・」

 

北上「大井っち、提督を追って。今のままじゃ心配だし、傍でフォローしてあげて」

 

大井「・・・・・・ごめんなさい、北上さん」

 

大井としては北上を残していくのは憚られたが、北上の頼みもあり彼女もダンテを追った。

ダンテの側に付いた艦娘が命令に背けたのは、彼女達の境遇にあるだろう。最上型は鈴谷の事があるからだが、川内も呉鎮守府に居た時の姉妹艦の事があり、大井も舞鶴鎮守府で秘書艦をしていた頃は虐待を受けていた。

葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風、島風は艦娘売買の被害者で、離反した艦娘は助けてくれたダンテと一緒に居るために鎮守府に着任した。間違っても組織に従うためじゃない。

 

ステフ「ダンテ提督が逃亡、捕獲して」

 

ステフは自分のスマホで、オリーブ財団の特殊部隊隊長に連絡を取り、ダンテ捕獲の命令を下す。

だがステフのスマホを、夕張が取り上げた。

 

夕張「今の命令は取り消し」

 

それだけ言い、夕張は通話を切った。

 

ステフ「夕張、何するの?!」

 

夕張「私達は ここに残るから、提督達を行かせてあげて」

 

ステフ「そんな事できる訳ないでしょ!」

 

ステフ自身もダンテ捕獲に動こうとするが、全ての艦娘が通路を塞ぎ立ち塞がる。

 

ステフ「あなた達 本気なの?彼は悪魔よ。そこを どきなさい、命令よ!」

 

そう言っても、艦娘達は何も言わず道を開けようともしない。それは命令に背く事ができない彼女達の、僅かばかりの抵抗なのかもしれない。

 

アーロン「本部長、ダンテ君の事はいい」

 

ステフ「どうして?」

 

アーロン「彼は艦娘を放っておけない。いずれ戻り、我々に力を貸してくれる。ではネロ君とバージル君は、引き続き艦娘達と共に頑張ってくれたまえ」

 

ネロは提督代理として、ダンテとの約束を まだ全うするつもりであるため、艦娘達と共にオリーブ財団に残る。

バージルは“協力する”と言ってしまったので、残らざるを得ない。

 

アーロン「君は刹那君だっかな?君の事は もう調べが済んで知ってる。バージル君と行動を共にする気があるなら、ここの一員になると困らないよ」

 

ステフ「何で勝手に決めるの?」

 

アーロン「猫の手も借りたいほど、優秀な人材に飢えているからね」

 

刹那はバージルを見ると、バージルは好きにするよう伝え、刹那の判断に委ねる。

 

刹那「分かった。オリーブ財団って何する場所?」

 

ステフ「説明するから、こっちに来て。あと契約書にもサインしてもらうわよ」

 

刹那「OK♪」

 

刹那はオリーブ財団の説明を受けるため、ステフと共にブリーフィングルームへと入る。

その後 説明を聞き終えた刹那は、艦娘達も書かされた契約書の束の多さに悲鳴を上げた。

ダンテが自分達の元から離れてしまった事に、艦娘達は皆 落ち込んだ表情をしていたが、1人だけ何の感情もない顔をしてる者が居た。

 

?「(これで14人 脱落・・・だといいんですがね)」

 

その14人はダンテと、彼の側に付いた艦娘、そして死んだ鈴谷を入れた人数であろう。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室 日本時間10月24日 7:00*

 

横須賀鎮守府の仮鎮守府となってるDevil May Cry鎮守府で、横須賀提督と秘書艦の扶桑が執務室に戻ってくると、ダンテがソファーに横になっており、彼と一緒に鎮守府に戻った艦娘達が遊び回って部屋を散らかしていた。

 

横須賀「だ・か・らぁ・・・あんた達は何しに戻ってきたのよ?!」

 

横須賀提督が怒鳴っても、葛城達は遊ぶのをやめない。今 遊ぶのに忙しい。

 

ダンテ「俺達ホームレスなんだ、世話になるぜ」

 

横須賀「先ずは何が どうなってるのか説明しなさいよ!」

 

ダンテ「・・・・・・俺はソファーで寝てる、艦娘達(こいつら)は遊んでる」

 

横須賀「そんなこと訊いてないのよ!面倒臭い男ね!」

 

こっちは こっちで問題なさそう・・・か?




次回はですね、いきなりガラリと雰囲気が変わって楽しい雰囲気の お話になりますので、緩い気持ちで見ていただけたらと思います。

次回も宜しく お願い致します!
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