Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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今回からですね、14話と15話を ちょっと意識したストーリーが始まります。楽しんでもらえたら幸いです。

332話です!どうぞ!


Mission332 スライム~見えない話し相手~

*Devil May Cry鎮守府 中庭 11月 9日 0:32*

 

皆が寝静まった深夜、熊野は中庭にあるベンチに座り、1人で喋っていた。

 

熊野「うふふ、あなたは本当に可笑しな事ばかり言うのだから」

 

熊野は虚空を見詰めながら、1人で ずっと喋り続ける。いや、その喋ってる内容から、誰かと楽しく話してるようにも見える。

しかし、その場には熊野以外は誰も居ない。熊野は、自分にしか見えない何者かと話している。

 

?『熊野、ずっと一緒だよ

 

熊野「えぇ、ずっと一緒ですわ・・・鈴谷」

 

1人で喋る熊野の身体に、黒い影が纏わり付いていた。

 

 

・・・・・・

 

*正面ゲート 11月8日 10:30*

 

前日の昼前、ダンテと横須賀提督は大本営に行くために出発しようとしていた。理由は、元帥からの呼び出しを受けたからだ。

ダンテはオリーブ財団での事と、横須賀提督はダンテ達を匿ってる事かと思い嫌な予感がしたが、横須賀提督は軍人であるため無視する訳にもいかず、ダンテは横須賀鎮守府に迷惑を掛けてる分、仕方なく付き合う事にした。

葛城、最上型、大井、川内、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風、島風はダンテの見送りに来ている。

 

ダンテ「相手は悪魔かもしれないって話だが、本当に お前らだけで大丈夫か?」

 

横須賀の青葉から、最近ホームレスの変死体が発見されるという話を聞いた。

それが悪魔の仕業かもしれないとの事だったが、ダンテは呼び出しを受けたので、Devil May Cry鎮守府の艦娘達だけで対処に動こうとしていた。ダンテは それが心配だった。

 

川内「平気だって。悪魔の相手は飽きる程してきたし、私らも素人じゃないんだから」

 

ダンテ「・・・そういうの“慢心”って言うんじゃなかったのか?」

 

最上「心配なのは分かるけど、僕達 最上型や大井、川内は慣れてるし、葛城さん達のフォローは任せてよ」

 

葛城「私達が足手纏いみたいに言わないでくれる?」

 

浜風「まぁ、悪魔との戦闘経験は最上達に比べれば、圧倒的に少ないですからね」

 

大井「少しは私達を信じてください」

 

ダンテ「・・・とりあえずムリだけはするな。危なくなったら逃げていいし、俺を呼べ」

 

長月「期待以上の働きを見せてやるから楽しみにしてろ」

 

島風「いってらっしゃーい!」

 

艦娘達の様子を見て本当に分かってるのかと、ダンテは思わず溜め息が出てしまう。

いざという時は逃げる事と、自分を呼ぶ事を何度も言い聞かせてあるため、ダンテも流石に下手な事にはならないかと思い、横須賀提督と一緒に大本営に向かった。

 

川内「よーし!じゃあ私達も、お仕事 頑張っちゃいますか!」

 

笑顔で手を振りながら見送った艦娘達は、早速ホームレス惨殺事件の捜査を独自に始めた。

 

 

・・・・・・

 

*街 15:34*

 

艦娘達は先ず、ホームレスが惨殺された事件現場を一通り回った。だが、悪魔がやったという証拠は中々 見付からなかった。

これが悪魔でなく人間の仕業だった場合は、何かしらの証拠を警察に引き渡して後は任せるだけだ。悪魔は関係ないという証拠が出るまでは、引き続き調査を進める。

 

長月「しっかし、こう何もないと やる気が出ないな」

 

事件現場は既に警察の手が入り、証拠品となる物は全て押収された後だった。だから艦娘達が見付けなければならないのは、警察が見落とした何かだ。

 

浦風「それより、何でホームレスばっかり狙っとるんじゃろう?」

 

葛城「それは・・・幾つか理由は考えられそうだけど・・・」

 

最上「例えば?」

 

葛城「う~ん・・・お風呂に入ってない匂いが好きとか?」

 

熊野「だとしたら、変わった犯人ですわね・・・」

 

葛城の推理に皆は微妙な顔をするが、川内は真剣な顔で別の理由を考えていた。

 

川内「それか・・・都合がいいからとか?」

 

ホームレスを わざわざ殺す理由までは不明だが、川内の考えでは一般人に比べ、消えても誰も探そうとはしない。

それに分かってる者なら分かっているが、ホームレスの中には誰かから逃げて自らホームレスになる者も居る。見付かりたくないのでホームレスの中には、関わろうとする者に敵意を向けて危害を加えてくる者も居るので、危険と判っていながら関わろうとする人も稀だろう。

それらの理由から、ホームレスが消えても誰も気付かず、騒ぎにしてまで探そうとする者が居ないと考え、犯人はホームレスばかり狙ってる可能性があると川内は口にする。

 

三隈「もし悪魔だとして、そこまで考えるもの?」

 

大井「悪魔も頭 使う時代になったとか、かもしれませんね」

 

だが川内の推理には1つ矛盾がある。

まだ見付かってないのもあるかもしれないが、惨殺されたホームレスの死体は幾つも見付かっている。つまり犯人に隠す気がないのだ。

騒ぎにしたくなくてホームレスばかり狙ってると考えると、見付かるように死体を放置してるのは不可解な話だ。

 

酒匂「こりゃ謎が深まるばかりだね~」

 

川内「でも私達に目を付けられた時点で、そいつは もう終わり。悪魔なら その場で滅ぼす。人間なら警察に突き出すだけ」

 

相手が何者であろうと、どんな理由があろうと、やる事は変わらないため、艦娘達は調査を続けるつもりだ。

しかし こうも手懸かりが何も無いと、探し出すのは簡単な話ではない。惨殺現場は もう一通り見て回ったので、現場から何かが見付かる事はなさそうだ。

すると、熊野が何かを閃きコンビニに入る。そして出てくると、買った地図とペンを手に戻ってきた。

 

葛城「何で地図とペン?何で買った?」

 

熊野「事件現場となった場所には、何かしらの法則があるのではないかと思いましてよ。最初の事件現場は・・・」

 

熊野は地図上の事件現場となった場所に赤い点を付けていくと、それらを一纏めに円で囲んだ。

 

熊野「事件現場は この範囲に集中してますわ」

 

浜風「確かに、これまで死体が見付かった場所は全て、一定の距離で留まってますね」

 

熊野「そして この範囲で動きやすく、それぞれが交わる場所となるのが・・・」

 

熊野は事件現場の点と点を、線を引いて結んでいく。そして円の中心に幾つも引かれた線が、全て交わる場所が1ヶ所だけ出てきた。

この結果に、艦娘達は顔を見合せ笑みを浮かべる。

 

『犯人を見付けた』

 

 

・・・・・・

 

*廃路線 16:45*

 

線と線が交わる場所に来たが、特段 何も無さそうな場所だった。

だが あまり人の出入りがない何かの整備区画に入る扉を見付け、艦娘達は怪しいと思い中に入った。そこで見たのは、今は使われてない地下鉄の路線だった。

今は探照灯で真っ暗なトンネルを照らしながら、線路の上を歩いていた。

そんな中、酒匂は顔を歪めて鼻を押さえる。

 

酒匂「何ここ臭い・・・」

 

その臭いは何かが腐ったような、排泄物のような、ドブのような、酢のような、科学薬品のような、一言では言い表せない独特な臭いだった。

しかもトンネルの奥に進めば進むほど、異臭の濃さが増していく。艦娘達は臭いに当てられ、これ以上 進むのも嫌なほど、涙と鼻水が止まらない。

 

川内「催涙ガスでも出てんの ここ・・・?」

 

菊月「人間には この場所に留まるのは無理じゃないか?」

 

葛城「1回 退却しない?こんな場所じゃ艦載機 使えないし」

 

川内「・・・・・・それも有りだけど、何も居ないかの確認だけはしときたいかな」

 

酒匂「進むのかー・・・やっぱり進んじゃうのかー・・・」

 

念のため確認だけは怠れないので、艦娘達は臭いだけで死ねそうな場所を、極力 呼吸は最小限に口だけでやりながら進む。

 

 

・・・・・・

 

*下水道 19:54*

 

色々と限界が近い艦娘達が奥へと進み続けると、途中で線路が消え、道が下水道へと変わった。

臭いの原因は下水道かと思ったが、下水道は先に続いていたため、艦娘達は嫌々ながらも奥へと進んだ。

そうして進むと、終点となる行き止まりの広い空間に出た。

だが咄嗟に、艦娘達は引き返し角に隠れる。何かが蠢くのが見えたからだ。

川内は目を凝らして角から様子を窺うと、そこには1つ眼を持つ、緑色の巨大なスライムのような身体をした何かが居た。

頭頂部には2本の触手が揺れてる。

 

川内「はい、ビンゴ。この臭いの原因は あの悪魔だね」

 

浦風「ホームレス殺しとる悪魔?」

 

最上「それって どうなんだろうね?」

 

スライムの悪魔が犯人だとしたら、ホームレスを殺すために あの巨体で外に出れば、大騒ぎになりそうなものだが・・・。

どちらにせよ、悪魔を見付けてしまった以上は、ここで対処しておかなければならない。

艦娘達は艤装を展開すると、涙を流しながら口で大きく息を吸って飛び出した。

呼吸を止めてる以上、酸素の消費はできるだけ抑えたいので無言の砲撃。

 

酒匂「・・・・・・!?」

 

いきなり砲撃を受けたスライムの悪魔は怒ったのか、身体をプルンと震わせると、頭上から小さいスライムの悪魔が何体も現れた。

まさか悪臭を放つ悪魔が増えるとは思わず、艦娘達は内心 焦る。

 

「「~~~~~っ!!」」

 

空母であるのに艦載機が使えない葛城と熊野は、声なき悲鳴を上げながら、飛び掛かってくる小さいスライムの悪魔から逃げ惑う。

他の者が砲撃で対処してると・・・

 

川内「っ・・・!?」

 

巨大なスライムの悪魔からブシューッと、黄土色の液体が噴き出した。艦娘達は飛び退き、ギリギリで躱す。

 

長月「(きったないな、おい!)」

 

川内「(こいつゲロ吐きやがんの!?最悪じゃん!)」

 

汚いとかのレベルの話ではない。液体が掛かった床から蒸気が上がってるのを見る限り、悪魔が吐き出したのは溶解液だ。浴びたら艦娘だって溶ける。

しかも溶解液を吐き出してから、息を止めてるのも無駄なほど悪臭も濃くなった。

それに身体を動かすだけで、著しく酸素を消費する。長くは息を止めてられない。

 

川内「(ヤバいヤバいヤバい!何か手を打たないと・・・!)」

 

川内は逃げ惑う熊野にハンドサインを送り、それを見た熊野は頷くと、懐からホーリーウォーターを取り出した。

実は移動式事務所『Devil May Cry』のバンにあった時空神像で生成した錬金術のアイテムを、オリーブ財団から離反する前に失敬していた。

熊野がホーリーウォーターを床に叩き付けるとビンが割れ、眩い光が放たれる。

それにより小さいスライムの悪魔は纏めて消え去ったのだが、巨大なスライムの悪魔は まだ健在だった。1発では足りないらしい。

ただ、それに怒ったのかスライムの悪魔は、頭らしき部分を振って2本の触手を ぶつけようと暴れる。

 

熊野「っ・・・!?」

 

すると床の一部が抜け、熊野が穴に落ちてしまった。

 

最上「熊野!(っ、ヤバッ・・・!?)」

 

最上は咄嗟に熊野の名を叫んだが、慌てて口と鼻を手で押さえた。

熊野を すぐ助けに行きたかったが、彼女が どこへ落ちたのか判らない。悪魔の対処もあるため、すぐに探して見付けるのは そう簡単な話ではなかった。

熊野を探す余裕を残してられるか分からないが、艦娘達は悪魔を倒すのを優先する。

 

熊野「ぅ・・・・・・ここは・・・?」

 

穴へと落ちた熊野が痛む身体を起こすと、真っ暗な場所で どこに居るのか不明だった。

悪臭がしない事から、スライムの悪魔の臭いは ここまで届かないようだ。となると、かなり深く落ちたのだろうか?

悪魔が出るような真っ暗な地下で1人になるのは心細く、熊野は不安そうな表情で辺りを見渡す。

すると、恐怖から脳が錯覚を起こさせているのか、本当に何かが居るのか、熊野は自分の近くで何かの気配がするような気がした。それにより、熊野は更に恐怖心を募らせていく。

熊野が忙しなく振り返り、あちこちを見渡すが何も見えない。

ある方向を向いて熊野が一点を見詰めていると、彼女の背後に黒い人型の影が現れた。

黒い影は背後から近付き、熊野の頭に両手を翳すと、彼女の頭から漏れ出た光を その手に吸収していく。

 

?『熊野ぉ゛・・・

 

熊野「ひっ・・・!?」

 

すぐ後ろで、男か女かも判別できない掠れた声が聞こえ、熊野は咄嗟に振り返る。だが そこには何も居ない。

熊野は もう、泣きそうだった。

すると背後から、今度はカツンカツンとヒールで歩く足音が聴こえてくる。

熊野は振り返り、何が出てくるのかと警戒しながら音のする方を見てると、機械の駆動音がして辺りが赤い光に照らされる。

そして目の前には、信じられない人物が居た。

 

熊野「嘘・・・どうして・・・」

 

そこには黒いタイトなドレスを着た、最上型3番艦の鈴谷が立っていた。だが、艦娘が1人で こんな場所に居るのは不自然だ。

熊野が どういう事かと頭が混乱して言葉を詰まらせていると、目の前に居る鈴谷の方から口を開いた。

 

鈴谷「熊野、久し振りだね」

 

熊野「え・・・?」

 

鈴谷「何?鈴谷のこと忘れちゃった?あんなにDevil May Cry鎮守府で一緒に居たのに」

 

熊野「え、嘘・・・だって・・・だって鈴谷は死んで・・・」

 

熊野がDevil May Cry鎮守府で ずっと一緒だった鈴谷と言えば、1人しか居ない。

だが彼女は死んだ。だから熊野は、訳が分からず動揺する。

 

鈴谷「ひっどいなー、勝手に鈴谷のこと殺さないでよ」

 

熊野「本当に・・・本当に鈴谷ですの・・・?」

 

鈴谷「そうだよ」

 

鈴谷はクスッと笑うと、戸惑う熊野に歩み寄り、ソッと彼女を抱き締めた。

 

鈴谷「ただいま、熊野」

 

熊野「鈴谷・・・鈴谷っ!鈴谷~・・・!」

 

熊野は愛しい姉妹艦の鈴谷が帰ってきてくれたと思い、泣きながら彼女に縋るように抱き締め返した。

鈴谷を抱き締める熊野からは見えていなかったが、熊野を抱き締める鈴谷は、怪しい笑みを浮かべていた。

 

 

*大本営 元帥の執務室*

 

元帥「お前は いい加減、自分の浅はかな行動を改めろ!」

 

ダンテ「俺が悪いのか?!俺が悪いってか?!俺の知らない所で勝手に話 進めといて、調子に乗るなよ!」

 

横須賀「(はぁ~~・・・)」

 

ダンテと横須賀提督が呼び出された理由は、2人の予想通りだった。

元帥はオリーブ財団の本部長であるステフから連絡を受け、全てを知っていた。

横須賀鎮守府がダンテ達を匿っていたのも、オリーブ財団の調査能力で早くもバレていたらしい。

ステフから不問にするから問題にしないようにと言われていたので、ダンテと横須賀提督にはペナルティはないのだが、それでも元帥として厳重注意だけはしなければならなかった。

するとダンテが噛み付き、そこからダンテと元帥の口論が始まり既に数時間は経つが、2人のバトルは まだ終わっていなかった。

ダンテの横に立つ横須賀提督も、早く終わらないかと疲れた表情で沈黙してる。

 

ダンテ「ちょい待ち。何か震えてる」

 

懐から小刻みな振動を感じてスマホを取り出すと、それは艦娘達からの救援要請の連絡だった。

ダンテはスマホを仕舞うと、執務室の扉に向かっていく。

 

元帥「おい、話は まだ終わっとらんぞ!」

 

ダンテ「悪いな、緊急事態だ」

 

ダンテは元帥を無視して退室してしまった。

横須賀提督は唖然としながらダンテが出ていくのを見送ったが、ある事に気付いた。

 

横須賀「(これ、逃げるチャンスじゃね?)」

 

ダンテに便乗して横須賀提督も鎮守府に帰ろうとしたが、後ろから襟首を掴まれ足が止まる。

 

元帥「お前は逃がさん」

 

横須賀「ひぃ~~~っ!勘弁してくださいよぉ~!」

 

残念ながら失敗し、横須賀提督は もう しばらく元帥の説教を聞かなければならなくなった。

 

 

・・・・・・

 

*街 22:24*

 

艦娘達は あれから どうにか悪魔を倒す事はできたのだが、悪臭や酸素不足により体調不良が続出し、熊野を探しに行く前に全員 倒れてしまっていた。

 

浦風「ん・・・ここって・・・?」

 

艦娘達が意識を取り戻すと、いつの間にか地上に居た。

傍ではダンテが自分達を見ていた。

ダンテは救援要請の信号を辿って地下へと潜り、そこで倒れる艦娘達を見付けて地上まで運んだ。

ただ艦娘達は毒に冒されてる状態だったので、ホーリースターで毒を浄化し、起きるまで待っていた。

 

ダンテ「ったく、だからムチャするなって言ったんだ」

 

川内「でも、ちゃんと救援要請は出したよ」

 

ダンテ「遅過ぎだ。それより、熊野は どうした?」

 

三隈「・・・・・・あっ、熊野!」

 

熊野が一緒でない事に気付き、艦娘達は焦る。

艦娘達はダンテに、熊野が穴に落ちた事と、彼女を探しに行く前に自分達が力尽きた事を説明した。

 

ダンテ「となると、熊野は まだ中に居るのか」

 

ダンテが1人で地下に引き返そうとしたが・・・

 

熊野「わたくしなら ここに居ますわ」

 

『熊野!/熊野さん!』

 

どこからともなく熊野が現れ、無事な姿を見せた彼女に艦娘達は安堵の笑みを見せる。

 

ダンテ「お前、どこに行ってた?」

 

熊野「かなり深くまで落ちたようで、戻るのも一苦労でしたわ。でも出口まで案内してくれましたから大丈夫でしたの。ね、鈴谷」

 

『(・・・・・・鈴谷・・・?)』

 

熊野は自分の横を見て笑顔で誰かに話し掛けるが、ダンテ達の眼からは、そこには誰も居ない。

鈴谷が死んだショックで、熊野は幻の鈴谷でも作り出して喋ってるのかと思い、皆は気遣って深く追求する事はなかった。

 

ダンテ「つうか、お前ら臭いぞ」

 

酒匂「お風呂 入りた~い・・・」

 

長く地下に居たせいか、スライムの悪魔の悪臭が身体に移ってしまっていた。

一先ず全員 生還したので、悪臭を振り撒きながら鎮守府へと戻るのだった。

 

 

・・・・・・

 

*現在 Devil May Cry鎮守府 中庭*

 

熊野が見えない鈴谷と楽しそうに話す中庭に、偶然 川内が通り掛かった。

話し声が聞こえた川内は足を止めて視線を向けると、熊野が虚空に向かって楽しそうに喋ってる。

 

熊野「鈴谷、そんな事ばっかり言ってると怒りますわよ、ふふっ」

 

川内「・・・・・・・・・」

 

 

・・・・・・

 

*食堂 7:23*

 

朝、ダンテがノロノロと朝食を摂ってると、川内が来た。

 

川内「提督、ちょっと来て」

 

ダンテ「おー、起きてるなんて珍しいな。それより臭いから向こう行ってくれ、飯が不味くなる」

 

Devil May Cry鎮守府の艦娘達は、鎮守府に戻ってから すぐ入渠ドックに入り、湯に3時間は浸かったが まだ悪臭は取れてなかった。だから食事の時間に近寄られると迷惑なのである。

だが川内には すぐにでも話したい事があるので、ダンテの要望など聞いてられなかった。

 

川内「いいから こっち来てって!」

 

ダンテ「おい、引っ張んな!」

 

川内に腕を引っ張られ、ダンテは食堂の外に無理矢理 連れ出されてしまった。

そして川内が話したかったのは、昨晩 中庭でも見た熊野の様子だった。

 

川内「熊野さんヤバいって。ずっと鈴谷さんと喋ってるもん」

 

ダンテ「鈴谷って横須賀のか?」

 

川内「空想の友達の方!分かってるくせに!」

 

ダンテ「って言われてもなぁ・・・あいつもショックだったんだ、少しは大目に見てやれよ」

 

川内「昨日 悪魔を探しに行くまで、あんな事1度もなかったんだよ?絶対 医者に連れてった方がいい」

 

ダンテ「それは お前に任せた」

 

川内「あ、待ってよ!」

 

川内に丸投げしたダンテは、さっさと食堂に戻ってしまった。

そして全てを任された川内は・・・

 

川内「とりあえず寝よ・・・」

 

1回 寝て起きてから考える事にするのだった。




さて、熊野が おかしくなっちゃいましたね。
皆さんも後ろには気を付けてくださいね。だって ほら、あなたの後ろに・・・。

次回も宜しく お願い致します!
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