Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

349 / 551


評価ありがとうございます!

今回は、ホラー映画あるあるが幾つか出てきます。

339話です!どうぞ!


Mission339 ヘイズの罠~手分けしよう~

バミューダトライアングルの中心にある島まで、消えたCIAの戦術部隊と囚人の捜索に来た伊勢型、青葉、天龍、木曾、神通、夕張、伊8、アイオワ、スキャンプ、U-511、呉提督、(たける)刹那(せつな)

島内に居る者同士では無線が通じるのだが、島の外のオリーブ財団とは連絡が付かず、野営地を設置し、青葉と健は その場に残り、連絡手段の確保をする事になる。

そして他の伊勢達は、元アメリカ海軍の訓練基地だった廃墟へと向かった。

訓練基地は無人であったのだが、司令塔にあった無線機から人の息遣いが聴こえてきた。

夕張が その通信に応答すると、その相手は副大統領の息子で、戦術部隊の隊長クリス・ウィーラーだった。

伊勢達は夕張が造った八木アンテナで、無線が送る通信を辿りウィーラーを探しに行く。

CIAは囚人の情報開示を拒んだが、ウィーラーから囚人の話を聞く事ができた。囚人の正体はハーパー・ヘイズという名の元CIAの特殊工作員で、闇手術により身体に金属を入れた強化人間だったのだ。

 

 

*島 11月18日 3:10*

 

青葉と健は、2人で焚き火を囲みながら連絡手段の確保で衛星と接続し、そのまま衛星画像で島の熱源から、部隊と囚人を探そうとしていた。

そんな中 任務中ではあるが、青葉は健と2人っきりである この状況を利用して、グッと距離を縮めようとしていた。

 

青葉「た、健君、何か、冷え込みますね」

 

健「11月だし、海に面してるからね」

 

健はノートパソコンの画面から顔を上げず、操作する手を止めず淡々と答える。

青葉としては、“隣に来る?”ぐらい言ってくれるかなと思っていたのだが、見事に目論見が外れ、気遣いもしてくれない健を頬を膨らませながら睨む。健は作業に集中してるため、睨まれてる事に気付かない。

 

青葉「あ、青葉、寒くて困っちゃうな~」

 

そう言ってチラッと健を見るが、健からの返事はなく完全に無視である。

それに更に機嫌を悪くさせた青葉が、遂に爆発した。

 

青葉「青葉が寒いって言ってるんですよ!何か言う事ないんですか?!」

 

健「・・・・・・焚き火あるじゃん」

 

健は青葉の言いたい事が不明で、ポカンとしている。

青葉は健の朴念仁っぷりに、この男を どう分からせ怒りを ぶつけようかと頭を悩ませ、行き場の失った怒りでワナワナしていた。

そんな2人の様子を、茂みの隙間から誰かが見ていた。

 

 

*基地*

 

その頃ウィーラーの捜索をしていた伊勢達は、彼との会話を続けながら無線の通信が強く出てる場所を発見した。

サーモカメラを映すテレビ画面には、1人の人間が床に倒れてる様子が映っている。恐らくウィーラーだろう。

他の人間の姿は映っていないため、ヘイズが中で待ち構えてるような事はないだろう。

 

夕張「見付けた。ウィーラー隊長は この中に居る」

 

神通「罠があるかもしれません。私と木曾さんが先に突入します」

 

扉を開けて木曾と神通が突入したが、その部屋には窓があり、ウィーラーから聞いていた部屋の特徴とは一致せず、彼の姿も見当たらなかった。

ウィーラーだと思っていた人影はマネキンだった。ここは嘗ての訓練基地であるため、恐らく打撃訓練などで使われていた物だろう。

伊勢達もゾロゾロと中に入り、皆 首を傾げる。

 

呉「・・・これは どういうこと?彼は どこ?」

 

部屋の中には誰も居ないのに、無線と部屋の中から同時にウィーラーの声が聞こえる。

 

木曾「おい、あれは何だ?」

 

木曾が言う部屋の中央に敷かれたカーペットの上には、2つの無線機がテープに巻かれ、1つにされた状態で置かれていた。

その無線機からはウィーラーの声が ずっとしてる。

 

伊勢「これって・・・もしかして嵌められた?」

 

伊勢達は手元にある無線機と、ウィーラーの持つ無線機が直接 通信してるものだと思っていたが、本当はウィーラーが持つ無線機と部屋に置かれた無線機が通信で繋がっており、もう1つの無線機が彼の声を拾い、司令塔にあった無線機に声を送っていただけだった。こんな事をするのは間違いなくヘイズだ。

ヘイズに騙された事と、まだ見付けるのに時間が掛かる事をウィーラーに伝えるが、無線機から彼の声が返ってくる事はなかった。

 

木曾「まさか、ウィーラーが話してたのも俺達を騙す嘘か?」

 

神通「彼に そうするメリットがあるとは思えません。部隊の隊長ですし人柄から考えても、脅されてたとしても私達に不利になるような事に従わないと思います」

 

アイオワ「・・・ウィーラー隊長もヘイズに騙されてたのかもね」

 

呉「さすが元CIAの特殊工作員ってとこ?」

 

天龍「野郎、舐めやがって・・・」

 

天龍と呉提督は2つの無線機を拾おうとしたのだが、部屋の中央まで行くとカーペットが沈み、2人は悲鳴を上げながら一緒に穴の中に落ちた。これはヘイズの罠だ。

伊勢達は慌てて穴の縁まで行き、探照灯で照らしながら天龍と呉提督を探す。

 

伊勢「大佐、天龍!大丈夫!?」

 

穴の下には別の部屋があるのが見えるのだが、落ちたはずの2人の姿は どこにも見当たらず、返事もない。

 

木曾「おい、まさか・・・本当に死んだとか、悪霊に拐われたとか言わないよな・・・?」

 

嫌な想像をしてしまい、伊勢達の顔が強張ると、突然 下の部屋にあるケースやダンボールが吹き飛び、天龍と呉提督が出てきた。

 

天龍「畜生、何なんだよ!ふざけんなよマジで!」

 

呉「やっぱり呪われてるわ!」

 

どうやら落ちた時の痛みで、すぐに返事ができなかっただけのようだ。

2人が無事だった事で、伊勢達は やっぱりホラー映画と同じな訳がないと安堵の溜め息を吐く。

 

伊勢「そっちへの行き方 分からないから、2人の方で出口 探して!」

 

「「絶対に無理!!」」

 

ウィーラーを探すのを優先すべきであるので、天龍と呉提督の世話までしてる暇はない。なので2人には自力で部屋から出てもらいたかったのだが、まさかの拒否。

 

刹那「出口 探さなきゃ出られないよ!」

 

呉「ここ気味が悪いから奥まで行きたくないの!!行ったら潜んでる悪霊に捕まって死者の仲間入りする事になる!!絶対になる!!」

 

天龍「俺は絶対に ここから動かないぞ!皆が見えてる所までしか動かないからな!!」

 

上から聞いてた伊勢達は、助かる気があるのかと呆れて微妙な顔をしていた。

だが下の部屋へ どうやって行けばいいか分からないし、時間も掛けてられないので2人に頑張ってもらうしかない。

 

天龍「ロープか何か無いのかよ?!早く助けてくれ!」

 

上に居る伊勢達は辺りを確認するが、部屋には机や椅子があるだけで殆んど何も無く、ロープなんて尚更 無かった。

 

夕張「無い!いいから そっちで出口 探してよ!」

 

天龍「だから無理って言ってるだろ!ここ どんだけ怖いか分かってねぇだろ!」

 

呉「動いたら確実に死ぬ!!」

 

天龍と呉提督の言葉からは、2人が居る部屋が とんでもなく危険な場所のように聞こえるが、ただ真っ暗で よく見えないだけだ。つまり2人がビビってるだけの話である。

 

 

*島*

 

その頃 青葉と健は、衛星画像で島の上から熱源を探していたのだが、1ヶ所だけ妙に大きく赤い場所があるのを見付けていた。

 

健「何だろ これ?」

 

青葉「何か・・・よく分からない形してますね」

 

しばらく画面を見ていると、熱源が僅かに動いて人のシルエットのような物が見えた。

 

健「もしかして これ・・・消えた戦術部隊?」

 

それは数人の人間が一塊になっていたため、妙に大きい熱源として映っていたのだ。

 

 

*基地*

 

訓練基地の地下では、天龍と呉提督に頑張って辺りを確認するように言ってたのだが、2人は まだ拒否を続けていた。

そこに、健から無線連絡が入る。

 

健『ねぇ、こっち戦術部隊 見付けたかもしれない。かなりの人数の熱源があって、皆1つの場所に居るみたい』

 

木曾「それはいいんだが、こっちはトラブルだ」

 

健『何、どうしたの?』

 

木曾「天龍と大佐が穴に落ちた。無事だが動こうとしないんだ」

 

健『何それ?まだ悪霊が どうとか言ってんの?』

 

木曾「言ってるなぁ」

 

健『頑張れって言っといて。こっちは青葉さんと2人で━━』

 

健が話してる途中で、突然 彼の声が途切れた。

何度も無線で呼び掛けるが、それ以降 返事が返ってくる事はなかった。

 

木曾「健・・・?青葉・・・?おい、どうしたんだ!?クソッ、まさか本当に呪いだとでも言うのか・・・?!」

 

青葉と健の方でも何かしらのトラブルがあったと思われ、伊勢達は どんどん状況が悪くなってる予感がする。

こっちも向こうも放っておけないため、伊勢達は手分けして対処に当たる事にした。

 

天龍「おい!何かあったのか!?」

 

呉「何か言ってよ!」

 

伊勢「青葉と健からの連絡が途絶えた!私達は野営地まで戻る!」

 

夕張「私は司令塔まで戻る!配線コードが沢山あったから、ロープ代わりにして そこから出してあげる!」

 

天龍「絶対に行くな!!あの2人は放っておけ!!俺達から離れないでくれ!!」

 

呉「あんたら分かってない!!ホラー映画で絶対に言っちゃいけない言葉、それは“手分けしよう”よ!!離れた奴から殺される!!だから あの2人は もう死んだ!!」

 

夕張「だから これ、ホラー映画じゃないから!じゃあ ずっと そこに居る?!」

 

天龍「それは嫌だけど行かないでくれ!!」

 

呉「ホラー映画あるあるじゃ、ハンサムで美人な私が真っ先に殺される!!」

 

夕張「そこまでハンサムで美人じゃないから心配ない!」

 

呉提督は信じられないような顔で、横に居る天龍を見る。その天龍は、真顔で呉提督を見ながら何度も頷き、夕張の言葉を肯定していた。

 

伊勢「青葉と健も放っておけないでしょ!」

 

刹那「私が残るから、それなら まだ安心でしょ?!」

 

「「・・・・・・うん・・・」」

 

神通「夕張さん、本当に1人で大丈夫ですか?」

 

夕張「大丈夫、1人の方が身軽だし」

 

夕張は司令塔まで引き返し、伊勢達は野営地に向かい、刹那は穴に落ちた2人の子守りをするため その場に残る。

だが夕張が戻ってくるのを待ってるだけでは時間の無駄だ。自分達は戦術部隊と囚人を捜索しに来たため、刹那は天龍と呉提督に、出口と手懸かりが無いか探すよう説得する。

 

天龍「絶対 無理って言ってるだろ!!」

 

呉「あんた悪魔の申し子でしょ!!」

 

刹那「何もせず、ただ夕張に助けてもらうのを待つの?!」

 

「「待つ!!」」

 

刹那「バージルの弟子である天下の天龍が、元シールズで呉鎮守府の提督が、それでいいの?!皆から笑い者にされるよ!今2人が頑張ったら、やっぱり2人は凄いね、悪霊や呪いなんかに負けないねって尊敬されるよ!きっと!」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

刹那「少しでいいから、頑張って見てみて!」

 

天龍「・・・・・・絶対どこにも行かない?!」

 

刹那「行かない!」

 

呉「絶対 黙らないでよ!」

 

刹那「喋っとくー!」

 

天龍「もう、何なんだよ・・・」

 

呉「天龍ちゃん、手を繋ぎましょ?」

 

天龍「うん、繋ご繋ご」

 

刹那の説得もあり、2人は探照灯と銃に装着したライトで照らしながら、周辺の確認に向かった。

 

 

・・・・・・

 

*島 3:45*

 

青葉と健の方は、囚人や悪霊とは別の要因で絶賛ピンチだった。茂みから戦闘服を着た男が飛び出し、襲われたのだ。

現在、健が捕まり首元にナイフが宛がわれている。

 

健「ちょっと、何か勘違いしてるみたいだけど、ナイフ下ろしてくれない?」

 

隊員「うるさい、黙ってろ!」

 

青葉「(マズい、かなり興奮してる・・・)私達は、あなたの敵じゃありません。だから落ち着いて、ナイフを下ろしてください」

 

隊員「お前ら どうやって この島に来た?!」

 

健「どうやってって、船以外で来る方法ある?飛行機なんか使ったら深海棲艦に撃ち墜とされる世の中なのに」

 

隊員「生意気な口 利くな、死にたいのか?お前らが乗ってきた船まで案内しろ!」

 

健「残念だけど、乗ってきた船 壊れたから、迎えの船が来るまで島から出られないよ」

 

青葉は戦闘服を着た男の動きを警戒しながら、男の事を冷静に分析する。

男である時点で、探してる囚人ではない事は確定だ。となると、この島で こんな格好をしてるのは、消えた戦術部隊の隊員だけだろう。

 

青葉「(興奮してるけど、訓練された兵士なら まだ理性が残ってるかも・・・)健君を放さないと、こちらも撃ちます!」

 

青葉は艤装を展開し、主砲を向けて男を脅す。ただ、その脅しが効いたのは男より健の方だった。

 

健「ちょっ!?撃ったら僕まで一緒に吹き飛ぶって!」

 

逆に男が健を盾に脅してくるかもと思っていたが、男は呆気なく健を解放し、青葉を見て驚いた表情をしていた。

 

隊員「艦娘なのか・・・!?」

 

青葉「日本海軍Devil May Cry鎮守府、及びオリーブ財団所属、青葉型 重巡1番艦 青葉です」

 

青葉が自分の所属と名前を明かすと、男は緊張が解けたのか倒れて意識を失った。

青葉と健が駆け寄り見てみると、男は酷い怪我を負っていた。

 

青葉「この人、CIAの部隊の人に間違いありません」

 

男が消えた戦術部隊の隊員だとすれば、怪我を負って極限状態の中、この島から脱出しようと どうにか意識だけは保っていたのだろう。

そして青葉が艦娘だと知り、助けが来たと思って気が緩み、意識を失ったのかもしれない。

 

健「でもウィーラーって人じゃないね。写真と顔が違う」

 

青葉「先ずは手当てが先です」

 

健「救急キット取ってくる」

 

そこに、青葉と健の安否を確認するために戻ってきた伊勢達が現れた。

 

伊勢「2人共、無事!?」

 

健「普通にヤバかったよ」

 

日向「その男は誰だ?」

 

青葉「探してた部隊の人だと思います。今から手当てするところです」

 

神通「手伝います」

 

 

*基地*

 

天龍と呉提督は情けなく腰が引けながらも、怖くても頑張って出口と手懸かりが無いか探していた。

すると、この部屋の出入り口と思われる金属の扉を見付けた。

 

呉「あはーっ!扉よ!神の救いだわ!」

 

天龍「よし、すぐ開けよう!」

 

2人は扉を開けようとするが、固くて動かない。天龍が艤装を装着した状態で馬力も上がってるというのに、それでも動かないのだ。

 

呉「クソッ!やっぱり呪われてるわ・・・」

 

刹那「開いたー?!」

 

天龍「開かない!」

 

呉「きっと私達を閉じ込めたくて、反対側から悪霊が押さえてるんだわ!」

 

刹那「それ何か意味ある?!じゃあ何か役に立ちそうな物 探して!」

 

天龍「嫌だ!俺は もう動かないぞ!」

 

刹那「2人のせいで私1人ここで待たされてる身にもなってよ!黙るよ?!いいの?!」

 

天龍「分かった、分かったから黙るな!」

 

暗がりにも少し慣れたのか、刹那の独り言を聞きながら天龍と呉提督は、手分けして部屋の中を見ていく。

天龍が積み重ねられた箱を どかすと、探照灯に照らされた真っ白な人の顔が眼前に現れた。

 

天龍「おぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!ぼわぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 

天龍が悲鳴を上げ、持っていた箱を投げ飛ばしながら後ろに ひっくり返り、向こうの人影も倒れた。

ただ、上に居る刹那は下の状況が見えていないので、呑気だった。

 

刹那「どうしたのー?!」

 

天龍「ゆ、ゆ、ゆゆゆ幽霊!!ゆ、幽霊が!!お化けが居たぁ!!」

 

刹那「どんな幽霊か確認してみてー!」

 

天龍「できる訳ねぇだろ!!相手は幽霊だぞ!!」

 

天龍がパニックになってると、マシンガンを構えた呉提督が助けようと急いで駆け付ける。

ライトで標的の姿を確認すると、それはマネキンだった。

 

呉「何よ、ただのマネキンじゃない!」

 

刹那「そんな事だろうと思ってたー!」

 

天龍「ふざけんなよ脅かしやがって!!このこのこのこのこの!」

 

マネキンだと判り強気になった天龍は、驚かされた腹いせに倒れるマネキンを何度も踏みまくる。

ただ、それを見て呉提督の顔は曇っていく。

 

呉「それ、やめた方がいいと思う・・・」

 

天龍「あ?何で?」

 

呉「人形には魂が宿るって言うし、そんな人形に蹴り入れたら絶対 呪われる・・・」

 

天龍「ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい!!」

 

呉提督の話を聞いて焦った天龍は、物凄い勢いでマネキンに土下座して謝り始めた。

上に居る刹那は、天龍と呉提督のコントを聞かされ続けて溜め息を吐いていた。何でもいいからやる事やってほしい。

刹那に催促され、天龍と呉提督は再び部屋を調べ始めたのだが、今度は呉提督にトラブルが起きた。銃に備え付けたライトが点滅し、消えようとする。

 

呉「ちょっと待って、チカチカはダメよ!これ新品なのに何で!?やめて!悪霊の皆さん、チカチカさせないで!」

 

刹那「ちゃんと点検したのー?!」

 

呉「何度もしたわよ!」

 

呉提督はライトと、居るか どうかも分からない悪霊に優しく語り掛け、消えないよう お願いしながらライトを叩きまくる。すると叩いた衝撃でか、点滅しなくなり普通に光を照射するようになった。

これで一安心と思ったが、呉提督が何かを見付けた。壁に地図が張られていたのだが、地図の後ろから僅かな風が吹いている。

 

呉「ねぇ、超不気味な裏通路 発見!」

 

呉提督が壁にあった地図を剥がすと、人がギリギリ通れそうな通路のようなものが隠されていた。

 

刹那「中に入ってみてー!」

 

呉「それは遠慮したい!入ったら2度と戻ってこれなくなる異次元への入り口かもしれないから!」

 

刹那「大丈夫、絶対 違うから!もしかしたらウィーラーも見付かるかもしれないし、出口の可能性もあるから確認してみないと!」

 

呉「・・・・・・マジで言ってる!?」

 

刹那「マジ!人生で1番マジ!早く入ってー!2人で行けば怖くないでしょー?!」

 

天龍「俺もかよ!?」

 

刹那「早くー!」

 

呉「あーもう・・・分かったわよ!死者の世界に こんにちはしてくるわよ!クソッ、思ったより狭いわね・・・!」

 

天龍「マジで ここ通るのか・・・?」

 

天龍と呉提督は、超不気味な裏通路の先が どうなってるのか確認するため、嫌々ながら通路の中に入った。

刹那は2人を待ってる間、部屋にあった割れた鏡で自分の顔を見ながら、肌の調子は どうか、身嗜みは どうか、今日の自分は可愛いかチェックする。

一瞬 鏡から視線を外し また鏡を見ると、自分の後ろに髪の長い女が立っており、鏡越しで目が合って一瞬 固まる。

刹那は振り返りながら刀を抜刀、一閃するが避けられた。

ライトに照らされた その相手は、気の強そうな顔の女だった。

 

刹那「あんたがハーパー・ヘイズね?」

 

ヘイズ「お前らを待ってたんだよ」

 

刹那「こっちも会いたかった」

 

どちらからともなく戦いを仕掛け、刹那は刀で、ヘイズは近接格闘術を駆使して ぶつかる。どちらも洗練された戦い方で、始まったばかりの戦いは互角の戦闘を繰り広げていた。

 

 

*島*

 

伊勢達の方は手当ても終わり、少しすると男の意識が戻った。

意識を失う前より冷静になっていたため、伊勢達は男から落ち着いて話を聞く事ができた。

彼はウィーラーの部下で、囚人に怪我を負わされ捕まると、仲間と引き離され1人で監禁されたらしい。

だが自力で逃げ出し、島をフラフラと さ迷い、青葉と健を見付けた。

味方であるという証拠もなく、冷静さを失っていた事から、あんな行動に出てしまったそうだ。

 

隊員「本当に すまない。助けが来てくれていたとは知らず・・・」

 

青葉「いえ、もう気にしないでください」

 

日向「ウィーラー隊長の居場所は知ってるか?」

 

隊員「いや、1人だったから隊長も仲間も どこに居るか分からない。頼む、隊長と仲間を助けるのを手伝ってくれ」

 

木曾「元々そのつもりだから安心しろ」

 

伊勢「でも あなたは怪我してるから、私達に任せて ここで休んでて」

 

隊員を無理に動かす訳にもいかないため、彼には ここで休んでもらうしかない。

彼からもウィーラーに繋がる手懸かりが得られなかったため、一旦 夕張達と合流しようかと話が上がるが、健が熱源から見付けた戦術部隊を助けに向かいたいと申し出が出た。

 

 

*基地*

 

夕張「もう!悪霊とか呪いとか、子供じゃないんだから しっかりしてよね・・・!」

 

司令塔へと戻っていた夕張は、一緒ではない天龍と呉提督に文句を言いながら、手当たり次第に配線コードを掻き集めていた。

そこに、野営地に戻った伊勢から無線連絡が入った。

 

伊勢『夕張、こっちは健が見付けた熱源の場所に向かう。そっちは どう?』

 

夕張「配線コードの回収が もう終わる。刹那の方が心配だから、そっちにも連絡してみる」

 

伊勢の通信も早々に切り上げ、刹那の方に連絡を入れてみる。しかし、刹那からの応答がない。

 

夕張「刹那・・・?刹那?!クソッ、冗談じゃないってのよ・・・!」

 

夕張は嫌な予感がし、集めた配線コードを肩に担ぐようにして急ぎ引き返す。

 

 

・・・・・・

 

そして穴の下では、裏通路に入った天龍と呉提督が丁度 戻ってきたところだった。

裏通路の先は どこかに通じてるようで抜けられそうな場所だった。

それを大声で上に居るはずの刹那に報告するが、彼女からの返事がない。

天龍と呉提督は お互いの顔を見合わせてから、もう1度 穴の上を見た。

 

呉「ちょっと、何か言ってよ!」

 

天龍「お前 俺達が怖がってるからって そういうのやめろよ!笑えねぇから!」

 

天龍と呉提督は気付けなかった。上では刹那が、ヘイズに引き摺られながら どこかへ連れ去られていくところだった。

 

 

・・・・・・

 

夕張「刹那!刹那!!」

 

しばらくして、夕張が穴のある部屋に戻った。

だが刹那の姿は無く、床には彼女の刀と点きっぱなしのライトが落ちていた。

 

夕張「天龍!大佐!」

 

穴から下を覗いて2人を呼ぶが、2人の姿は見えず返事も返ってこない。

 

夕張「嘘でしょ・・・まさか本当に呪いだなんて言わないよね・・・?」

 

消えるはずのない3人が消え、夕張は穴の下を見たまま嫌な汗が流れるのだった。




執筆が全然 進まないので、また しばらく日が空くと思います。

次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。