Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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343話です!どうぞ!


Mission343 ピラミッド~悪魔のゴミ箱~

損傷したアマ・デトワール号を修復するため、南極で見付かったピラミッドにある魔界の瘴気の結晶を取りに向かったダンテ、金剛型、長門型、大和型、足柄、青葉型、夕張、睦月型、明石、アイオワ、ニコ、アーロン、フレキ&ゲリ。

夕張と明石、ニコはアマ・デトワール号に残り、ダンテ達は南極調査隊の基地へと向かったが、そこに調査隊の姿は無く、現れた悪魔に金剛型、長門型、大和型、青葉型、アイオワが拐われてしまった。

ダンテと足柄、睦月型、アーロン、フレキ&ゲリは、悪魔が去っていった方角へと向かった。

 

 

*南極 11月28日 11:51*

 

ダンテ「ここが そうか?」

 

アーロン「だろうね」

 

ダンテ達は調査隊の重機などが残された場所に着き、氷の下へと続く人工的に空けられたトンネルを発見した。かなり深いようで、トンネルの先は真っ暗で見えない。

 

皐月「どうやって下に行くの?」

 

アーロン「貨物用の台がある。それに乗ろう」

 

トンネルにはレールが敷かれ、そのレール上を移動する金属の台がある。調査隊は これで、人や荷物を行き来させていたようだ。

台は小さいので、1度に乗れるのは1人か2人までだ。

 

ダンテ「先に行く」

 

アーロン「下にも装置があるから、着いたら動かしてくれ」

 

ダンテが台に乗ると、アーロンが装置を動かしダンテが滑り下りていく。ダンテは あっという間に真っ暗なトンネルに消え、その あまりのスピードに睦月型は顔を引き攣らせた。

 

睦月「これ、安全なんですか・・・?」

 

アーロン「本来は人を乗せる物ではないから、しっかり掴まってないと吹き飛ばされるから気をつけたまえ」

 

『(乗りたくないなぁ・・・)』

 

悪魔が居る事も相まって、睦月型は下に行かず早く帰りたかった。

だが それを許さないように、下からレールを走って台が戻ってきた。どうやらダンテは無事に着いたらしい。

その後これを繰り返し、最後にアーロンが乗って下に向かった。

 

 

・・・・・・

 

如月「ほんとに氷の下にピラミッドがあるなんて・・・」

 

望月「世紀の大発見じゃん・・・」

 

トンネルを抜けて、氷の下に着いた足柄と睦月型は驚いた。巨大なピラミッドが目の前に佇んでいた。その巨大さと威圧感から、開いた口が塞がらない。

しかし艦娘達が唖然としてる横では、ダンテとアーロンの眉間には皺が寄り、あまり いい表情はしていなかった。

 

ダンテ「悪魔を封じた場所だと言っていたが、そう簡単に封印が解ける代物だったのか?」

 

アーロン「いや・・・たかが人間に ここの封印を解けるはずがない。ましてや悪魔が居ると知らない調査隊なら尚更ね」

 

ダンテ「内側から破る事は?」

 

アーロン「それも有り得ない」

 

ダンテ「やっぱり そうか」

 

ダンテとアーロンの会話を聞いていたが、艦娘達は よく分からず首を傾げるばかりだった。

 

卯月「2人だけで納得してないで、うーちゃん達にも説明してほしいぴょん!」

 

アーロン「ならクイズをしよう。現状、今回の事で関わってる人物は誰かな?」

 

睦月型は それぞれ、自分達 艦娘とダンテ、アーロン、フレキ&ゲリ、そして調査隊の名を挙げていった。

 

アーロン「では次の質問だ。ここの封印は強固だ。なのに封印が解けていた。誰なら封印を解けると思う?」

 

文月「でもアーロンなら、封印 解けるんだよね~?」

 

確かに文月の指摘通り、アーロンなら ここの封印は解ける。しかし、その答えにアーロンは笑った。

 

アーロン「私が来る前に解けていただろ?」

 

艦娘達は調査隊が解いたと考えたが、先程のダンテとアーロンの会話から、それは有り得ないとの事だったので、調査隊は除外してもいいはずだ。

それは つまり・・・。

 

睦月「それって・・・」

 

ダンテ「俺達以外の誰かが居るって事だ」

 

それは封印を解けるだけの力を持った何者かという事になる。

その正体は不明だが、進むしかない。ここで話してても、その正体を暴く事も金剛達を助ける事もできないのだから。

 

ダンテ「中に居るのは あのゴリラだけか?」

 

アーロン「言ったはずだ、ここは“ゴミ箱”だと。他にも色々 放り込んである」

 

ダンテ「ふっ、そうかい。楽しくなりそうだな」

 

ダンテは本格的な悪魔狩りができると分かり笑みを浮かべ、睦月型はガッカリしながら肩を落とし、足柄はババアと言われた事の仕返しに燃えていた。

 

 

*ピラミッド*

 

ピラミッドの中に入るが、中に灯りは1つもなく、艦娘達が探照灯で奥を照らす。だが かなり奥行きがあるようで、その先までは照らせず よく見えなかった。

するとアーロンが、警戒心もなく先に歩き出した。

 

足柄「ちょっと、不用意に動くと危ないわよ」

 

アーロン「ここは私が造ったゴミ箱だ。中の構造は私が1番よく分かってる」

 

足柄の言葉に意を介さず、アーロンは少しだけ歩を進めて壁際に立つと、その壁を押した。すると、壁の一部が窪み、ピラミッドその物が振動で揺れる。

艦娘達は揺れにフラフラしながら、良くない事が起きると焦っていたが、少しすると内部の通路を照らすように、壁際にあったランプが順番に炎が灯る。

 

アーロン「これなら よく見えるだろ?」

 

遥か先にも炎の光が見えている。確かに これなら、探照灯で照らしてた時よりも奥が見える。

 

アーロン「ダンテ君、君は拐われた艦娘を探すといい。私は瘴気の結晶を取りに行く。艦娘の諸君は私と一緒に来るといい」

 

皐月「ちょっと待ってよ!何で司令官1人にするのさ!?」

 

アーロン「君達が ここの悪魔と戦うには、色々と不都合が多い」

 

それにアーロンは、この場所を造った張本人だ。封印した悪魔を迂回するルートも頭に入っているため、艦娘達を安全にピラミッドの中で移動させる事もできる。

だが、足柄は そうはいかなかった。

 

足柄「私とフレキとゲリは提督と行きます」

 

ダンテ「足柄、お前はアーロンと行け。見張りが必要だ」

 

ダンテとしては、完全にアーロンを信用してる訳ではない。

艦娘は艦娘である限り、老いる事はない。それ故に睦月型は、今でも まだ幼い部分があり、アーロンが不審な行動を取った時に気付けないかもしれない。だから足柄のような、大人の目が必要だ。

 

足柄「いいえ、睦月型も腐っても艦娘。この娘達なら大丈夫です。そうよね?」

 

睦月「睦月に任せてください!」

 

如月「ふふ、司令官、アーロンの見張りは私達で大丈夫だから」

 

弥生「目は・・・離さない・・・」

 

卯月「変な事したら、問答無用で砲撃してやるぴょん!」

 

皐月「司令官、もっとボク達を信じてよ」

 

文月「文月も頑張るよ~」

 

長月「何かあれば、この長月が対処しよう」

 

菊月「右に同じだ」

 

如月「菊月ちゃん、逆よ」

 

菊月「・・・・・・・・・」

 

長月に便乗した菊月は“右に同じ”と言ったが、長月の右側に居るので この場合は正しくない。

立ってる位置的に間違っていたため、黙って長月の左側に移動した。これで正しく“右に同じ”だ。

ただ、目の前で こんなミスを披露されれば、ダンテとしては やはり不安でしかない。

 

三日月「司令官、この三日月も居ます。どうか お任せください」

 

望月「適当に上手くやっときま~す」

 

艦娘達が言う事を聞かないパターンに入ったと分かったダンテは、深く溜め息を吐いて諦めた。もしアーロンが妙な事をしたと分かれば、その時は容赦なく必ず仕留めると決意し。

 

ダンテ「睦月、弥生、三日月、しっかり頼むぞ」

 

ダンテの口から睦月型3人の名前しか出ず、他の睦月型が心外だとクレームを言ってきた。どれだけ文句を言われようが、ダンテからすれば他は不安しかない。

睦月、弥生、三日月以外の睦月型は怒っていたが、その様子を見ながらアーロンは ちょっと泣いていた。

 

アーロン「全然 信用されてないな・・・。私は結構 頼りになると思うから、もっと信用してほしいものだ・・・」

 

無理だろ。アーロンには不明瞭な事が多い。

それに嘗てクローンが災厄を引き起こしたという事は、オリジナルである このアーロンにも、元々その気質があると言えなくもない。完全に信用するには時期尚早である。

 

ダンテ「何かあったら容赦なく殺せ、遠慮はするな。提督命令だ」

 

皐月「“提督命令”なら、仕方ないね」

 

卯月「アーロン、覚悟するぴょん」

 

睦月型は悪い笑みを浮かべながらアーロンを見ると、今度はアーロンが心外だと言わんばかりに不機嫌になった。

 

アーロン「何で私が何かする前提で話してるんだ?!私は君達を心から信頼してるのだから、君達も私を信用するべきだろ!チームとして互いに信頼し合うのは大切だ!」

 

ダンテ「チームだぁ?」

 

足柄「私達と あなた、いつからチームになったの?」

 

如月「生理的にムリ~」

 

卯月「舞鶴の提督みたいなニヤけ顔が気に入らないぴょん」

 

望月「ハゲればいいのに」

 

三日月「信頼されてるのは光栄ですが、こちらが信頼する理由にはなりません」

 

弥生「自分勝手な・・・言い分を・・・押し付けないで・・・」

 

皐月「はい論破~」

 

睦月「(皆 言い過ぎにゃし・・・)」

 

アーロン「私 雇い主なんだが・・・」

 

ボロカスに言われ放題にされてアーロンは泣いていたが、どれほど信用がないかは これで よく分かったはずだ。ここから信用を得るには、かなりの努力が必要だ。

一先ずダンテと足柄、フレキ&ゲリのチームと、睦月型とアーロンのチームに分かれ、ピラミッド内部を進む事にした。

アーロンは また別の壁を触ると、すぐ傍の壁が動き隠し通路が現れた。

 

アーロン「私達は こちらに進む。ダンテ君は このまま、炎の灯りに沿って進むといい」

 

アーロンは それだけ言い残し、睦月型を連れて隠し通路へと消えていった。

 

足柄「さぁ提督、私達も行きましょう」

 

ダンテ「随分 張り切ってるな。今からでも睦月達の方に行ったら どうだ?」

 

足柄「提督と一緒じゃないと意味ないんですよ。だって これ、遺跡デートなんですよね?」

 

確かに そう言って、嘘の理由で足柄を ここまで連れてきたので、ダンテはバツが悪そうに視線を外した。

それを許さないように、足柄はダンテの視界に入るように回り込み、グイッと顔を近付ける。

 

足柄「私を巻き込んだ責任、取ってくださいね」

 

ダンテ「・・・・・・嘘 吐いたのは悪かったと思ってる」

 

足柄「謝罪だけじゃ足りません。しっかり行動で示していただかないと」

 

足柄はダンテに腕を組み、グイグイとピラミッドの奥へと引っ張っていく。

 

足柄「ほら、ちゃんとエスコートしてください!」

 

ダンテ「歩きづらい・・・」

 

フレキ&ゲリは互いの顔を見合わせ、首を傾げた。2体は人間の文化に疎いため、ダンテと足柄が何をしてるのか よく分からなかった。

ただ、自分達のすべき事は分かっている。今は嘗て助けてくれた足柄のために一緒に居る。彼女を護るために、フレキ&ゲリは2人を追った。

その頃 悪魔に連れ去られた金剛型、長門型、大和型、青葉型、アイオワは、ピラミッド内の氷に閉ざされた場所で、白いゴリラの見た目をした悪魔に求婚を迫られ全力で拒絶していた。

 

武蔵「えーい、近寄るな!」

 

悪魔『オレ、オ前 大切ニスル。ダカラ オ前、オレノ子供 産ム

 

陸奥「誰が産むか!お断りだって言ってんでしょうが!」

 

金剛達は床に座った状態で囲まれているのだが、迫る悪魔の顔面をゲシゲシと何度も蹴り、全力で拒否を続けていた。

 

衣笠「もうっ!しつっこいのよ!」

 

艤装を展開し砲撃するが、悪魔は俊敏な動きで それを避けると、馬鹿にしたように頭の上で手を打ち鳴らし煽ってくる。

 

悪魔『オ前ラ、オレ達ニ勝テナイ。ダカラ、子供 産ム

 

悪魔『負ケタラ子供 産メ

 

霧島「勝手な事を・・・!」

 

砲撃を続けるが、やはり悪魔の動きが素早く砲弾が当たらない。

金剛達は こんな事になるなら付いてこなきゃ良かったと泣きそうになるが、泣いてる暇はないためグッと我慢する。

 

『提督/司令/司令官/アドミラル、早く来て~!!』

 

 

・・・・・・

 

幾ばくかの時間が過ぎ、金剛達が呼び求めるダンテと、足柄とフレキ&ゲリは、広い空間に出ると封印されていた悪魔に襲われ、その対応に追われていた。

低級悪魔は1度も現れず、最低でも出てくるのは中級悪魔からだった。

時々 上級悪魔が連続で出てくる場合もあり、進み具合はスローペースだった。

一先ず今 現れてる悪魔を全て駆逐し、一息 吐けるかと思ったが そうはいかなかった。どこからか、テメンニグルに現れたリバイアサンが現れたのだ。

足柄はリバイアサンを見て顔を引き攣らせた。

 

足柄「このピラミッド、外から見た以上に広くないですか?」

 

外から見たピラミッドの大きさから、中の空間面積の大体の予想はできる。しかし、中に入ってから歩いてみて気付いたが、外から見た以上に中の空間は広かった。

外から見たピラミッドの大きさから考えれば、今 現れたリバイアサンを含め、これまで倒した悪魔の中にも巨体を誇る悪魔は沢山 出てきた。巨体でなくても悪魔の数から考えれば、本来ならピラミッドの中は悪魔でギュウギュウになっていなければならない。

それでもダンテ達が歩き回れる余裕がある事から、ピラミッド内部は異空間になってるようで、ピラミッドの大きさより出鱈目な広さが広がっていた。

 

ダンテ「みたいだな。こりゃ思ったより時間が掛かりそうだ」

 

話してると、リバイアサンがダンテ達に気付き、大口を開けて迫ってきた。

 

ダンテ「足柄、悪魔に食われた事あるか?」

 

足柄「はいぃ?え、何を・・・?きゃあああああ!?」

 

戸惑う足柄を掴むと頭上 高く投げ飛ばし、続けてフレキ&ゲリも投げ飛ばすと、ダンテ自身も高く跳躍する。そのまま2人と2体は、大口を開けたリバイアサンの口に入り飲み込まれた。

 

 

*リバイアサンの体内*

 

リバイアサンの胃峡で合流したダンテ達だったが、足柄は泣きながらダンテの胸を叩いていた。

 

足柄「何で私を投げたんですか!?何で私 食べられたんですか!?ここ臭いです!こんなのデートじゃないです!」

 

ダンテは優しく足柄の両肩に手を置くと、爽やかな笑みで こう答えた。

 

ダンテ「悪魔の体内デートだ」

 

もう“デート”って言っとけば大丈夫だと思ってるのだろうか?

そんな悪ふざけの返答を聞き、足柄は更に泣き喚いてダンテの胸を殴りまくる。

 

足柄「“デート”って言えば私が何でも許すと思ったら大間違いです!」

 

足柄は隅っこの方に行くと、拗ねたようにダンテに背を向け座り込んでしまった。

ダンテが声を掛けるが無視。

 

ダンテ「ちょっと度が過ぎたか・・・」

 

今更ながら反省しても遅い。

足柄は世間一般的なデートを考えていたが、ダンテは艦娘達も もう立派なデビルハンターだと考え、デビルハンターなら“悪魔狩りは楽しい”というトンデモ理論を打ち立てたが、見事に大失敗だった。

 

ダンテ「俺 行ってくるから、お前ら足柄のこと頼むぞ」

 

梃子でも動きそうにない足柄をフレキ&ゲリに任せ、リバイアサンの心臓を潰すためにダンテは1人で行ってしまった。

フレキ&ゲリが、足柄に近付き心配そうに見守るが、足柄は2体に顔を見られないように、膝に顔を埋めて俯いてしまった。

 

足柄「(提督なんか嫌い・・・)」

 

 

*ピラミッド*

 

一方 睦月型とアーロンは、悪魔と1度も遭遇せず順調に狭い通路を進んでいた。

通路を抜けて小さな部屋に出ると、アーロンが足を止めた。そのせいで卯月が ぶつかり、他の睦月型も順番に ぶつかっていく。

 

卯月「急に止まらないでぴょん」

 

如月「ど、どうしたの?」

 

アーロン「・・・妙だ」

 

文月「妙って何が~?」

 

望月「・・・何か鉄臭くない?」

 

弥生「・・・血の・・・匂い・・・」

 

弥生の言葉で、それが血の匂いだと判った瞬間、睦月型の身体は一気に強張った。

艤装を展開し、アーロンを避けて部屋の中を進むと、壁に凭れるように床に座る人間の若い女性を見付けた。服装からして、南極調査隊の者である。

生存者を見付けたと思い、睦月型は急いで その隊員に駆け寄った。

声を掛けると、隊員が目を開けて睦月型を見る。死んでいたらと思ったが、生きていたようで睦月型はホッとする。

しかし隊員は頭から血を流し、他の怪我も酷く かなり衰弱している。

 

如月「応急措置じゃ間に合わないわ・・・」

 

卯月「それでも ここから連れ出さないとダメだぴょん」

 

三日月「しっかりしてください!今 助けますから!」

 

睦月型が簡易的な手当てを施し、意識を失わないよう呼び掛け続けていると、隊員が弱々しく口を開いた。

 

隊員「に・・・逃げて・・・」

 

皐月「逃げる時は お姉さんも一緒だよ!」

 

ジッと隊員を見て傍観者となっていたアーロンが、何かに気付いたのか遂に動いた。アーロンの姿が魔術で若返り、手に魔剣を持つ。

 

アーロン「君達、その人から離れたまえ」

 

皐月「離れろって、助けないと!」

 

卯月「いつの間に若返ったぴょん!?」

 

睦月「・・・何で剣を持ってるんですか?」

 

睦月と弥生が、魔剣を持つアーロンに主砲を向ける。

もし今 助けようとしてる隊員をアーロンが殺そうとしてるなら、止めなければならない。アーロンが妙な動きを見せるなら、撃つしかない。

 

アーロン「いいから離れろ!」

 

睦月「できません!」

 

すると突然、隊員が何かに苦しみ悲鳴を上げた。それに驚き、手当てをしていた手も止まってしまう。

隊員は腹部を押さえながら、何かに苦しんでいる。

 

三日月「失礼します!」

 

それに気付いた三日月が、隊員の防寒着のジッパーを下ろし、インナーを捲って腹部を確認する。すると隊員の腹が、どんどん膨らんできていた。

 

三日月「な、何これ・・・!?」

 

隊員「こ・・・殺してぇ・・・!」

 

アーロン「既に悪魔の苗床にされてる!次は君達だぞ!早く下がれ!」

 

アーロンの警告は耳に入っているが、あまりの事態に睦月型は頭が働かず、すぐに動けなかった。

すると隊員の腹を突き破り、白いゴリラの見た目をした悪魔の幼体の、醜悪な顔が三日月の眼前に飛び出す。腹から悪魔の顔が飛び出した拍子に、三日月の顔に血飛沫が掛かった。

睦月型は全員 悲鳴を上げ、慌てて後退る。

 

アーロン「伏せろ!」

 

アーロンが叫ぶのと同時に、隊員の身体から出た悪魔が飛び掛かってくる。

睦月型は言われた通り伏せると、悪魔が頭上を飛び越えアーロンに向かっていく。

アーロンは既に手にしていた魔剣を振り、悪魔の首を斬り飛ばした。

鈍い音を鳴らしながら落ちた悪魔の頭と身体を見ながら、睦月型は上手く言葉を紡げなかった。

 

睦月「な、何で・・・」

 

アーロン「ここに入った南極調査隊は、既に悪魔の餌食にされていたという事だ」

 

隊員の方を見ると、頭を垂れてグッタリとして静かだった。悪魔が身体を突き破った事で、死んでしまっていた。

 

アーロン「君達も こうなりたくなかったら、私の言う事を聞いてくれ」

 

睦月型はアーロンの言葉に返事を返さず、ただ呆然と死んでしまった隊員の亡骸を見るのだった。




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