また長らく お待たせしてしまって申し訳ありません。
順調に執筆が進もうとした矢先に、身内が2人もコロナに感染しまして、その看病などで走り回って手が回らない状況が続いておりました。
一先ず落ち着きましたので、続きを投稿させていただきます。
346話です!どうぞ!
悪魔に拐われた金剛型、長門型、大和型、青葉型、アイオワを見付けたダンテ、足柄、フレキ&ゲリ。
悪魔を倒し、ダンテはピラミッド内部の深奥に向かい、艦娘達はフレキ&ゲリの先導で、脱出するために出口に向かう。
別行動を取っていた睦月型とアーロンは、ベルゼの猛攻に倒れ、膝を突き、窮地に陥っていた。
*ピラミッド内部 11月28日 20:14*
睦月「きゃあっ!」
アーロン「これ程とは・・・!」
片膝を突くアーロンは、余裕の笑みを浮かべるベルゼを睨みながら内心 焦っていた。
今となっては不死身ではなくなり、確実に勝てる算段があった訳でもなかったが、いくらベルゼがダンテのクローンと言っても、ギリギリでも退かせられる可能性があると見ていた。しかしベルゼは、アーロンの予想を上回る力を身に付けていた。
アーロンは後ろをチラリと見やる。そこにはベルゼの攻撃を受け、痛みに顔を歪めて倒れる睦月型が居る。
アーロンは もう1つ、焦りがあった。もし取り返しの付かない結果になり睦月型が その犠牲になれば、確実にダンテの怒りを買う事になってしまう。今ダンテと事を荒立てる訳にもいかないため、アーロンは それだけでも防ぎたかった。
ベルゼ「さ~て、これ以上ウロチョロして俺達の邪魔されるのも目障りだ。ここで退場しときな」
嫌な笑みを浮かべながらアーロンに歩み寄ったベルゼは、自身が持つ魔剣を振り上げ、更に邪悪な笑みで顔を歪める。
セリーナは実の兄が殺されそうになっているのを見ておきながら、何もしようとせず成り行きを見守っている。
そしてベルゼが、アーロンの頭を叩き割ろうと魔剣を振り下ろす。
アーロン「私を殺せば、瘴気の結晶は手に入らないぞ」
その言葉に、ベルゼが振り下ろした魔剣が止められた。
ベルゼはハッタリか どうかを見極めようとするように、アーロンを見ながら目を細める。
ベルゼ「・・・・・・得意のペテンで騙そうって魂胆か?」
アーロン「まさか。この状況で嘘を言っても私にメリットはない。それなら真実を言って困らせた方が楽しい」
ベルゼ「お前が どういう奴なのか本質は知ってる。何せ俺を造った張本人だからな」
アーロン「少し違う。君を造ったのは私のクローン技術を盗んだ私のクローンだ」
ベルゼ「そんなのは どっちでもいいんだよ。お前の言葉を信用する方がバカげてる。その手には乗らねぇ!」
ベルゼが再び魔剣を振り上げてから振り下ろすが、今度はセリーナに止められてしまった。
ベルゼは首だけで振り返り、邪魔するセリーナを睨む。
ベルゼ「今更お涙ちょうだいの、兄妹の情で躊躇ってるのか?」
セリーナ「違う。兄上の言ってる事は事実だ。結晶には特別な術式が掛けられてる。解除コードは兄上にしか分からない」
アーロン「セリーナ・・・」
ベルゼ「お前なら解除できるはずだっただろ」
セリーナ「できる。だが それには鍵となるコードが必要だ。そして その鍵は、兄上の頭の中にある」
ベルゼ「解除コードだ、言え」
ベルゼの要求に、アーロンは心底 可笑しく、そして挑発するように笑った。
アーロン「私が そんな脅しで言うと思ってるのか?」
ベルゼが魔剣を持つ手とは逆の手で銃を取り、皐月の足に銃弾を撃ち込んだ。
皐月「あぐっ・・・!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
アーロン「・・・!?」
ベルゼ「言え。艦娘が死ぬぞ?」
アーロン「・・・・・・艦娘が どうなろうと私の知った事ではない。殺したければ殺せ。時間のムダだろうがな・・・!」
アーロンとしても睦月型は死なせたくないが、瘴気の結晶を渡す訳にもいかないため解除コードは絶対に言えない。
睦月型が どれだけ傷付く事になろうとも、ダンテが間に合ってくれるのを待つしかないのだ。
ベルゼ「・・・なら、お嬢ちゃん達には いい声で鳴いてもらおうか。いつまで耐えられるかな?」
ベルゼはアーロンを蹴り飛ばすと、2丁銃で次々と睦月型に銃弾を撃ち込んでいく。
・・・・・・
1時間程が経ち、睦月型に対するベルゼの拷問が止まった。
睦月型は血を流しながら、悲鳴を上げる事もなくなり動かなくなっていた。
ベルゼ「まだ言う気にならないか?」
するとアーロンが また笑い出し、ベルゼは呆れた表情をする。
ベルゼ「艦娘の悲鳴を聞いて気でも狂ったか?」
アーロン「くっくっくっ・・・はっはっはっ!お前が どれだけ艦娘を痛め付けようとも、私は解除コードを言わないし時間のムダだ。そして お前はダンテ君の怒りを買い、後悔しながら死ぬ事になる!」
ベルゼ「そうか、そんなに艦娘の死が お望みか。首を切り落とすぐらいしなきゃ分からんらしいな」
ベルゼは更に残酷な形で睦月型を利用しようと彼女達の方へ向かっていくが、殺気を感じて飛び退くと、ベルゼが立っていた場所に何かが落下し地面が砕ける。
砂埃が晴れていくと、そこには赤黒い人型の悪魔が立っていた。
その悪魔を見て、ベルゼは邪魔された事に怒りで顔を歪め、アーロンとセリーナは顔を強張らせる。
アーロン「(ダンテ君じゃなく こっちが来てしまったか・・・!)」
ベルゼ「テメェ、何者だ?」
セリーナ「ベルゼ、退くぞ!」
ベルゼ「退くだと?!ここまで来て何 言ってやがる?!」
セリーナ「そいつが来た時点で お手上げだ!退くぞ!」
ベルゼ「ふざけるな!」
セリーナの警告を無視し、ベルゼは悪魔に突撃していく。
跳躍して、急降下しながら刃を叩き付ける『兜割り』を繰り出すが、悪魔は素手で刃を受け止め、ベルゼが宙に浮いたまま動きが止まる。
ベルゼ「こいつ・・・!?」
悪魔は魔剣諸共ベルゼを投げ捨て、ベルゼは部屋の壁に叩き付けられる。
ベルゼ「この力・・・こいつは何なんだ・・・!?」
セリーナ「そいつは・・・
ベルゼ「魔拳士・・・?」
魔拳士━━ダンテ達の世界で魔帝ムンドゥスの腹心に魔剣士スパーダが居たように、この世界の魔帝ムンドゥスの腹心が この魔拳士であった。
魔剣士スパーダが剣を極めし悪魔であれば、この魔拳士は拳を鍛え上げ、己自身を武器とする。
ベルゼ「おもしれぇ。祭の始まりだー!」
ベルゼは果敢に魔拳士に立ち向かっていくが、何発もの銃弾が飛んできて、ベルゼと魔拳士は銃弾を防いで撃った者を見る。そこにはエボニー&アイボリーを構えたダンテが立っていた。
ベルゼ「ダンテ、お前の相手は後だ。先に
セリーナ「(半魔まで来てしまっては分が悪い)」
ベルゼは再び魔拳士に向かっていくが、セリーナが転移陣を出してベルゼを強制転移させ、自身も姿を消す。
戦わずして残された魔拳士はダンテを見るが、ダンテは魔拳士を無視して倒れる睦月型に駆け寄る。
ダンテ「如月、しっかりしろ。おい!」
他の睦月型にも呼び掛けるが、彼女達はピクリとも動かず意識が戻る事はなかった。
ダンテは怒りに顔を歪ませながらアーロンに振り返る。
ダンテ「アーロン!!」
アーロン「力及ばず、君のソックリさんにやられた。本当に すまない・・・」
しゃがんでいたダンテは立ち上がり、魔拳士と対峙する。
ダンテ「・・・あいつは?」
アーロン「彼は“魔拳士”・・・この世界で君の父上に最も近い存在と言える悪魔だ」
ダンテ「・・・・・・睦月達を頼めるか?」
アーロン「あぁ、彼女達は まだ間に合うはずだ。必ず助けてみせる」
アーロンも残していた魔力を使って転移陣を出し、自分と睦月型を転移させてピラミッドから脱出した。
ダンテと睨み合っていた魔拳士はダンテを敵と認識したらしく、戦闘の構えを取る。
“彼は魔拳士・・・この世界で君の父上に最も近い存在と言える悪魔だ”
ダンテ「“魔拳士”ね・・・」
その名が何を意味するのか考えながら、ダンテは魔剣ダンテを出し その手に掴む。
ダンテ「大当たりを期待しても・・・いいんだよなぁっ?!」
ダンテが一気に駆け出し魔拳士が迎え撃つと、高速の剣技と打撃技の応酬を繰り広げていく。
魔剣ダンテの方がリーチは長いが、魔拳士は刃を躱して的確に攻撃を当てにいく。
だがダンテも ただやられるつもりはない。伸びてきた腕を紙一重で躱し、一進一退の攻防が続く。
*南極調査隊基地*
外では吹雪が発生していた。
先にピラミッドから脱出していた金剛達は、基地の壁に出来た穴から内部に入り、雪と寒さを凌いでダンテ達が戻るのを待っていた。
フレキ&ゲリは悪魔だが、完全に回復するまで放っておく訳にもいかないと判断され、青葉型が見付けたメディカルルームで簡単な手当てを受け、身体には包帯が巻かれていた。
金剛達が何もできず ただ待ってるだけの状況に落ち着かない中、アーロンが現れ倒れ込む。
比叡「アーロン!?」
大和「いったい何が・・・!?その傷は どうしたんですか!?提督は どうなったんですか!?」
アーロン「私とダンテ君の事はいい・・・。それよりも、睦月君達を頼む・・・」
金剛達がアーロンの後ろを見ると、傷だらけの睦月型が倒れていた。
急いでメディカルルームに運び込み、基地にあった医療キットと、自分達が運んできた物資を使い可能な限りの手当てを施していく。
比叡「血が止まらない・・・!」
陸奥「そっちを圧迫して!すぐに止血するの!」
榛名「止血剤を投入!クリア!」
衣笠「鎮静剤を投入!クリア!」
大和「心拍をチェック!・・・安定しました!」
長門「出血が酷かったから すぐに入渠させてやりたいが・・・」
アイオワ「この吹雪の中で外に出るのは自殺行為だわ。睦月型の身体も持たない」
武蔵「兎に角 現状の維持が最優先だ。交代制で看病するしかない」
陸奥「こんな時に明石が一緒じゃないなんて・・・」
霧島「バイタルスターもあれば良かったんですけどね」
*ピラミッド*
ピラミッドの最奥では、ダンテと魔拳士の激しい戦いが続いていた。
互いの一撃が入り、両者は吹き飛び背中から壁に打ち付けられる。
ダンテ「(思ったよりやりやがる。出し惜しみしてる場合じゃなさそうだ)」
ダンテが動こうとするよりも早く、魔拳士が先に動いて跳躍し、宙へと躍り出る。
魔拳士は空中から腕を突き出し、拳の先からエネルギー弾を何発も発射する。
ダンテは最初の数発を魔剣ダンテで防ぎ、残りは走って躱していく。
魔拳士が部屋の中央で着地すると、瘴気の結晶に張られた術式の結界を殴った。するとアーロンしか解けないはずの結界が、音を立てて砕け散った。
青紫色の光を放つ瘴気の結晶を掴み、魔拳士は自らの身体に埋め込み魔力が跳ね上がる。
エネルギー弾を全て躱したダンテは立ち止まり、魔拳士を見て眉間に皺を寄せる。
ダンテ「こいつは・・・いよいよ出し惜しみしてる場合じゃねぇな」
ダンテは真魔人化し、魔拳士に突撃する。
魔剣ダンテを振り下ろすが、魔拳士は指2本で刃を挟み止めてしまった。
更に魔拳士の背中から4本の腕が生える。
相手の手数が増えたのなら、こちらも増やすだけだ。真魔人ダンテは魔拳士の指から刃を引き抜き、迫る腕に魔剣ダンテと、紅い魔力の剣で応戦していく。
どちらも力と手数が増えた事で、戦いは一層 激しさを増していく。真魔人ダンテが魔剣ダンテを振るえば床が裂け、魔拳士が拳を振るえば壁が砕け、両者が ぶつかる度に発生する衝撃波で天井が崩れる。
互いに距離を取ると、真魔人ダンテは掌からエネルギー弾『ジ・オンブラ』を連続発射し、魔拳士も全ての腕からエネルギー弾を連続発射して相殺し合う。
真魔人ダンテは一気に魔拳士に接近し、『ジ・オンブラ』を発射せず掌に留めたまま、魔拳士の身体に叩き付ける。
それと同時に、魔拳士も拳に生成したエネルギー弾を発射せず、拳に留めたまま真魔人ダンテの身体に ぶつける。
『『オオオォオオオオォッ!!!!』』
それだけでは終わらず、互いの身体に ぶつかっても両者のエネルギー弾は四散せず、2体は押し込み続ける。
そしてエネルギー弾が共鳴し、ピラミッドが耐えられない程の衝撃波が発生し、ピラミッド内部から崩壊を始める。
終いには爆発が発生し、2体はピラミッドの瓦礫に埋もれていった。
*南極調査隊の基地*
長門「な、何が起こった!?」
激しい揺れは離れた基地にも届き、金剛達は突然の揺れに戸惑い焦る。
そこに、慌てて衣笠が皆の所に戻ってきた。
衣笠「そ、外が!ピラミッドの方が大変なの!」
その言葉に金剛達は、急いで基地の壁に出来た穴から外に出た。
外では吹雪の勢いが弱まっていたが、基地から見えるピラミッドの方角では、雪が舞う事で発生した雪煙が空高くまで上がり、氷の地面が崩壊して巨大なクレパスが出来上がっていた。
比叡「・・・・・・司令は・・・司令は どうなっちゃったんですか・・・?」
大和「あそこに残ったままとなると・・・」
金剛「だ、大丈夫デスヨ・・・提督は強いから・・・すぐにジョークでも言いながら戻ってきマスヨ・・・」
長門「そ、そうだな。私達の提督なら無事に決まってる」
言いながらも自信がないからか、金剛達は引き攣った笑みで笑い合う。
すると雪煙の中に、人影が写る。
それを見て、ダンテだと思った金剛達は自然な笑みを浮かべるが、次の瞬間には笑みが消えて顔が強張る。雪煙から出てきたのは異形の存在、魔拳士だった。
そこに、外の様子が気になってアーロンも出てきた。
アーロンは魔拳士の姿を視認すると、顔を険しくさせながら転移陣の準備に入る。1回分の転移に必要な魔力は回復したため、このままアマ・デトワール号まで飛べるはずだ。
アーロン「ここから離脱するぞ!」
長門「待て、あれは何だ!?提督は まだ戻ってないのだぞ!」
アーロン「奴が ここまで来たという事は、ダンテ君は敗けた!」
榛名「提督が敗けるはずありません!だって提督は・・・!」
アーロン「ダンテ君は敗けたんだ!!今の君達に何ができる?!動けない足柄君と睦月型を巻き込むつもりか?!」
青葉「それは・・・」
霧島「確かに状況から考えれば分が悪い。普通なら逃げるのが得策です」
手傷を負い、未だ足柄と睦月型の意識は戻らない。
金剛達も弾切れのため、戦闘ができる状態ではない。
ダンテを見捨てて自分達が助かる道を選ぶか、ここで全員で全滅するかだ。
迷って答えが出せないまま立ち尽くしていると、フッと武蔵が笑った。
武蔵「何を迷う必要がある?」
大和「武蔵・・・?」
武蔵「我らの提督が敗けるはずがない。必ず戻る。すぐに戻れないと言うなら、戻るまでの時間稼ぎは、この武蔵が担ってやろう」
霧島「無茶です!提督でも勝てなかった相手なら、艦娘の力では太刀打ちできません!」
武蔵「私は1度 死んだも同然の身だ!提督に救われた この命、提督のために使わずして何になる?」
陸奥「提督は犬死になんて望まないわ!」
武蔵「かもな。だが これが今の私の生き方だ。Devil May Cry鎮守府の艦娘となってから この命、提督に捧げる覚悟は疾うの昔にできている!来るなら掛かってこい!この武蔵が相手となろう!」
武蔵の挑発を受け、歩く速度だった魔拳士が駆けて向かってくる。
アイオワ「あーもうっ!仕方ないわね。最後まで付き合ってあげるわよ!」
長門型、大和、青葉型、アイオワは前に出て武蔵と並び、魔拳士を迎え撃とうとする。
動かなかった金剛型はアーロンに振り返り・・・
金剛「アーロン、足柄と睦月型をアマ・デトワール号まで運ぶデース。私達は残りマース」
アーロン「バカか君達は!君達じゃ勝てないんだぞ!意味もなく死ぬつもりなのか?!」
金剛「意味ならありマスヨ」
アーロンに足柄と睦月型の事を頼み、金剛型も前に出て一緒に並ぶ。
何かできる訳ではないのは分かってる。それでも、ダンテを この極寒の地に置いていく訳にはいかなかった。
足柄と睦月型は逃がす事はできる。自分達が死んでも、自分達の意志を引き継いでくれる者は残る。
それに・・・。
金剛「(提督が戻るって信じてるから!)」
魔拳士は走りながら腕を振りかぶり、金剛達に攻撃を仕掛ける動作に入る。
だが突然、魔拳士の足が止まった。
魔拳士が下を見下ろし自分の身体を見ると、胸から大剣の刀身が飛び出ていた。
首だけで後ろに振り返ると、頭から血を流し、苦しそうに息をするダンテが睨んでいた。
魔拳士『貴様・・・』
ダンテが魔剣ダンテを引き抜くと、魔拳士は振り返りながらダンテに攻撃を仕掛けようとする。
だが それよりも早く、ダンテはエボニー&アイボリーから2発の弾丸を撃ち、魔拳士の顔面に命中させて怯ませる。
即座に魔力をチャージし、エボニー&アイボリーに紅い魔力の光が集まる。
ダンテ「Jack pot・・・!」
至近距離で発射された『チャージショット』も魔拳士の胸に当たり、魔拳士はダンテに腕を伸ばしながら苦悶の声を上げて消滅した。
ダンテは その場に残された瘴気の結晶を拾うと、後ろに大の字で倒れた。
『提督/司令/司令官さん/アドミラル!』
倒れたダンテを見て、金剛達は慌ててダンテの元に駆け寄る。
大和「提督、大丈夫ですか!?」
ダンテ「・・・・・・久々に楽しかったなぁ」
人の心配も知らず呑気な事を言うので、艦娘達の多くがジト目になりダンテを無言で叩く。
ダンテ「おい何だ!?これでも怪我人だぞ!」
抗議の声を上げるが、それでも無言で叩かれ続けた。
*南極*
アマ・デトワール号に残っていた夕張は、船倉から甲板へと上がってきた。
夕張「う~、寒~い。提督達、早く戻ってきてくれないと こっちまで凍っちゃうっての」
寒さに震えながら、甲板の手摺に凭れ掛かり南極の空を眺めてると、甲板に転移陣が現れ中からダンテ達が出てくる。
夕張「み、皆!」
長門「夕張、明石を呼んでくれ!」
夕張「・・・・・・あ、明石ー!」
長門に そう言われた夕張は、最初は よく分からず すぐに動けなかった。
だが睦月型の姿を見て、弾かれたように明石を呼びに船倉へと向かった。
・・・・・・
*船倉 11月29日 9:13*
明石により、睦月型は手当てし直され、最初の時よりも容態は安定した。これなら、オリーブ財団に戻って入渠させるまでは大丈夫そうだ。
明石「睦月型なら心配ないですよ。最初の処置が良かったですから」
ダンテ「そうか・・・」
明石「一緒に居てあげてください。私はニコと夕張の方を手伝ってきます」
ダンテ「分かった」
その頃 夕張とニコ、アーロンの3人は、船倉のスペースを使って瘴気の結晶をアマ・デトワール号に組み込む作業をしていた。
アマ・デトワール号は既にボロボロであるため、無事に航行できるかも怪しい状態だった。そのため、急ピッチで瘴気の結晶を組み込み復活させる必要があった。
3人はアマ・デトワール号に魔界の瘴気を持続的に供給するための機械を組み立てているのだが、こっちは一筋縄ではいかなかった。
夕張「何で こっちの配線が ここに繋がってるのよ?!」
ニコ「そっちだとエネルギーの逆流が起きて爆発しちまうんだよ!」
夕張「これじゃあ出力 出ないじゃない!」
ニコ「魔界の瘴気 使うんだぞ!下手な事したら皆で あの世行きだ!」
夕張「こっち!」
ニコ「こっちだ!」
アーロン「君達、私の設計図通りにやってくれないかな?」
夕張「ニコのアンポンタン!」
ニコ「夕張のスカポンタン!」
アーロン「はぁ・・・」
その後 手伝いに来た明石に怒られ、3人は明石にビビりながら機械の組み立てを終わらせた。
魔界の瘴気を供給されたアマ・デトワール号は、それをエネルギーに変換して損傷を修復し、ダンテ達は無事 航行する事ができ、オリーブ財団へと戻るのだった。
*???*
どこにあるかも分からない、ノヴァが拠点としてる場所の広い通路を、セリーナは1人で歩いていた。目指しているのは母親であるノヴァが居る部屋、玉座の間だ。
セリーナは拠点に戻ってから、ノヴァに呼び出されて向かっていた。
玉座の間に繋がる扉を開けると、玉座にはノヴァが座っており、ベルゼも居た。
セリーナはノヴァの前まで行くと、片膝を突き頭を垂れた。
セリーナ「お呼びですか、母上?」
ノヴァ「瘴気の結晶は どうしたのです?」
セリーナ「魔拳士とデビルハンターが現れ、結晶の奪取は不可能であったため断念致しました」
ノヴァ「あら、それは困った話ですね」
ベルゼ「俺1人で行かせてれば こうはならなかったんだ」
ノヴァ「ベルゼ、およしなさい」
ベルゼ「チッ・・・」
ベルゼを咎めると、ノヴァは慈愛に満ちた笑みでセリーナに顔を向け直した。
ノヴァ「それは大変だったでしょう。結晶の事は もう気にしなくて構いません。下がりなさい」
セリーナ「寛大な御心に感謝します」
セリーナは深く一礼してから玉座の間を後にするが、彼女の姿が見えなくなってから、ノヴァの慈愛に満ちたような笑みが一瞬で消えた。
ノヴァ「ベルゼ、セリーナの動向を監視してください」
ベルゼ「何で俺が・・・!?計画の方は どうするつもりだ?!」
ノヴァ「そちらは私の新しい息子に任せます」
ベルゼ「ふざけるな!あんなガキに任せられる訳ないだろ!」
白ネロ「心外だなぁ~、おじさん」
ベルゼ「テメェ・・・!」
ノヴァに抗議してると、問題の白いネロが現れた。彼の登場にベルゼは機嫌を悪くし、敵意を剥き出しに睨む。
白いネロは その視線を気にする事なく、ご機嫌な様子でノヴァの近くに寄る。
そしてノヴァは白いネロに計画を引き継ぐよう指示し、ベルゼは居心地の悪さに玉座の間から出ていく。
白ネロ「母さん、ボクに任せてくれて嬉しいよ。絶対に母さんを喜ばせてあげるからね」
ノヴァ「ありがとう。でも、慌てる必要はありません。この計画には時間が掛かるのだから」
まだバタバタする可能性があり、また投稿するのに日が空く場合がございますが、数日は執筆に時間が取れそうなので、そちらだけでも進めておこうと思っております。
次回も宜しく お願い致します!