*右通路 第三層*
ダンテが瑞鶴と話している同じ頃、赤城達は螺旋通路の先の扉に入った。
加賀「またなの?」
隼鷹「もう分かった。これ深海棲艦が出るパターンだね」
そこは またしても海だった。そして予想通り、深海棲艦が現れた。戦艦と空母の深海棲艦が現れたのと同時に、ここに居るはずのない者達も現れた。
?「ご無沙汰しています。鳳翔さん、一航戦の先輩方」
加賀「どうして・・・どうして あなた達が此処に居るの!?」
それは横須賀鎮守府で死んだはずの艦娘達だった。
?「どうして驚くんですか?せっかく会えたのに、喜んでくれないんですか?」
蒼龍「これ、どういうこと?何で飛龍が深海棲艦と一緒に居るの?」
電「響ちゃん?」
隼鷹「飛鷹・・・」
比叡「榛名、霧島!?」
赤城「あなた達は あの時、死んだはずじゃ・・・?」
?「はい、死にましたよ。先輩方に見捨てられて」
鳳翔「それは違います!2人は皆を見捨てた訳ではありません!」
飛龍?「じゃあ私達が化け物に殺される時、何をしてたんですか?見てただけじゃないですか」
赤城「それは・・・」
加賀「あの時は どうしようもなかったのよ・・・」
?「では どうして先輩方は殺されなかったんですか?」
飛龍?「そんなの決まってるでしょ、赤城さんと加賀さんは提督の お気に入りだったんだから」
?「そうでしたね」
「「・・・・・・」」
鳳翔「あの時は夜間で建物の中、艦載機を使って戦うのは無理だという事ぐらい分かるはずです」
?「そうですね、でも関係ないんですよ」
加賀「翔鶴・・・」
赤城「瑞鶴さんは どこですか?」
加賀「そういえば・・・」
横須賀の死んだ艦娘には瑞鶴や電、今 一緒に居る仲間である艦娘と、第一層、第二層で戦ってる艦娘と同じ艦娘も所属していた。だが今の仲間である艦娘達と同じ艦娘は、目の前には居ない。
飛龍?「私の大事な蒼龍が居ないのは、そこの蒼龍のせいですよ」
蒼龍「わ、私?」
飛龍?「そう、だから私の蒼龍を返してよ」
翔鶴?「瑞鶴が居ないのは何故でしょうね?先輩方のせいですか?」
加賀「何を、言ってるの?」
翔鶴?「今は瑞鶴の話は置いておきましょう。私達が化け物に殺され、食べられた時、どんな痛みだったと思います?どんな気持ちだったと思います?」
赤城「助けられなくて ごめんなさい・・・」
翔鶴?「心にも思ってないくせに」
加賀「それは違うわ!」
翔鶴?「先輩方にも教えてあげます。私達の痛みと苦しみを」
そして翔鶴(?)達は艤装を構え、赤城達も構える。
*左通路 外回廊*
瑞鶴との話を終え、ダンテは外回廊を進む。反対側にも外回廊があり、2本の回廊が交わる場所に、神殿の内部に戻る通路があった。反対側の回廊は、恐らく艦娘達が通ってくる回廊だろう。艦娘達は まだ来ていない。
ダンテ「パーティーに遅刻するしな」
ダンテは待たずに先に進んだ。通路を抜けると、豪勢な装飾がなされた部屋に出た。部屋の奥には玉座らしき場所に、ミイラが座っていた。ミイラの頭には王冠のような物があり、ローブを纏っている。ジェスターの姿はなく、他に通路もない。
ダンテ「招待しといて主賓が居ないとは、とんだパーティーだな」
玉座まで進み、1人で話し相手も居ないのでミイラに話し掛ける。
ダンテ「なぁ、招待状を貰ったんだが、パーティー会場が どこか知らないか?迷っちまったんだ」
ミイラは何も答えない。
ダンテ「あっそ」
見落としがあったのかと思い引き返そうとするダンテ。だが異変に気付き、後ろを振り返る。ミイラから白い靄がユラユラと流れ出ている。靄は一ヶ所に集まると、玉座のミイラと同じ姿をした悪魔が現れた。成人男性の3倍の高さはある。そして半透明で浮いていて、まるで幽霊のようだ。ミイラの魂が魔界の瘴気で悪魔に変貌していた。
悪魔『甘美なる記憶に沈み、魔の深淵、永遠の安息で眠れ・・・』
ダンテ「悪いが まだ昼寝する気分じゃないんだ」
悪魔は手に持つ杖をダンテに向けると、杖の先に魔方陣が現れた。魔方陣から火球が撃ち出される。ダンテはリベリオンで火球を打ち返した。悪魔は戻ってきた火球を魔方陣から出した雷で相殺した。
ダンテ「古代文明だか何だか知らないが、アンタの時代は終ったんだ。パーティー会場の場所を教えてくれないなら、大人しく寝てろ」
悪魔は何も言わずに魔方陣から氷柱を飛ばしてきた。エボニー&アイボリーで氷柱を撃ち落としながら悪魔に向かっていく。接近すると、杖でダンテを薙ぎ払おうとしてきたが、ダンテは高跳びの要領で回避。リベリオンで斬り掛かり悪魔は怯んだ。
ダンテ「実体があるなら倒せるな」
*第一層*
叢雲「当たれぇー!」
最後の深海棲艦を沈めて、第一層での戦闘が終わった。
深雪「疲れたー!」
深雪は水上で大の字で寝転んだ。
初雪「・・・もう動けない」
那珂「もうボロボロだよ~」
神通「まだです。先に行った皆と合流しなければ」
皐月「でもボク達、こんな状態で戦えるの?」
如月「この先は悪魔も出るだろうし・・・」
皐月と如月の心配は最もだ。数えるのも億劫になるような数の深海棲艦と戦い、被弾もしている。お世辞にも無事とは言い難い。
夕張「最悪、カレー砲弾もあるから」
文月「文月あれ嫌ーい・・・」
白露「ちょっと休憩しない?」
時雨「ダメだよ、ここは敵地の ど真ん中だし、いつ襲われるか分からないよ」
龍田「天龍ちゃんが心配だから先に行くね~」
龍田は さっさと行ってしまった。
それを見て暁、雷も付いていく。
叢雲「私達も行くわよ」
叢雲は深雪を引っ張り起こし、皆も龍田を追った。
・・・・・・
*玉座 最上層*
悪魔は杖で殴り掛かってきたが、ダンテはベオウルフで拳を地面に殴り付けた。するとダンテを中心に光のエネルギーが爆発、『ヴォルケイノ』が全方位に放出される。怯んだ瞬間、高速で悪魔に接近しながらリベリオンによるスティンガーで強烈な突きで貫いた。悪魔は雄叫びを上げながら、その身を青い炎に包まれ消滅した。
ダンテ「悪魔を崇めてたら自分が悪魔になったってか?皮肉な話だな」
玉座の後ろの壁が動いて隠し通路が現れた。ダンテは隠し通路へ入った。
*第三層*
加賀「五航戦、いい加減にしなさい!」
翔鶴?「・・・・・・・・・」
蒼龍「飛龍、私達が戦う必要なんてないって!」
飛龍?「うるさい!」
艦娘同士では あまり戦いたくない。その思いから戦況は芳しくなかった。説得するにも敵艦載機や砲撃が襲い掛かる。
金剛「私の妹達が こんな事する訳ないネ!反撃しマース!」
比叡「お姉さま!?」
赤城「待ってください!彼女達は━━」
天龍「やらなきゃ こっちが殺られる!」
赤城「でも・・・」
加賀「・・・・・・・・・」
鳳翔「赤城さんは行きなさい」
赤城「え・・・?」
鳳翔「私達の目的は何ですか?早く行きなさい」
赤城「そんな・・・!?」
鳳翔「天龍さん、電ちゃん、赤城さんを お願いします!」
天龍「分かった!」
電「赤城さん、行くのです!」
天龍と電に引っ張られるが、赤城は抵抗する。
赤城「鳳翔さん!」
鳳翔「行きなさい!」
鳳翔も今回ばかりは、赤城に対して厳しい口調になる。
響?「行かせないよ」
電「響ちゃん!?」
比叡「させません!」
響(?)が立ち塞がり砲撃しようとしてくるが、比叡が響(?)に砲撃して阻止する。
比叡「早く行って!」
天龍「皆の気持ちを無駄にするな」
電「赤城さん」
赤城は天龍と電に無理やり連れていかれた。
*第二層*
鈴谷「熊野ぉぉぉ!」
熊野?「鈴谷ぁぁぁ!」
第二層でも激しい戦闘は続いていたが、たったの5人では苦しい状況だった。鈴谷は熊野(?)と一騎討ちの状態だ。
大井「北上さん、大丈夫ですか?」
北上「平気って言いたいけど、結構 厳しいかな」
そこに駆逐艦と軽巡の艦娘が駆け付けた。
深雪「うぇー!?何で艦娘と戦ってんの!?」
雷「皆 大丈夫?」
青葉「やっと来てくれた~!」
龍田「どういう状況?」
大井「偽物に邪魔されてるのよ、忌々しい!」
北上「皆もボロボロじゃん」
時雨「こっちも数が多かったからね」
神通「これより支援に入ります!」
人数が増えた事で、戦闘は更に激しくなる。
鈴谷「熊野、もう終わりにしよ」
熊野?「そうですわね」
お互いに主砲を向け合い砲撃。
熊野?「ソンナ・・・」
鈴谷の砲弾は熊野(?)に直撃、熊野(?)の砲弾は外れた。熊野(?)は黒い塵となり、消えたのと同時に深海棲艦も消え去った。
鈴谷「熊野・・・」
北上「終わった?」
羽黒「みたいですね」
北上「皆も そんな状態で よく来れたね」
夕張「それが、ここに来るまで悪魔が全然 出なかったのよ」
龍田「罠かと思って警戒はしてたんだけどね」
大井「鈴谷さん、大丈夫ですか?」
鈴谷「うん・・・ほら、早く提督 助けに行こ!」
合流した艦娘達は第三層へ向かった。
*玉座の間 最上層*
赤城、天龍、電は玉座のある部屋に辿り着いていた。
赤城「提督は どこに?」
天龍「おえ~、何だよ これ・・・?」
電「またミイラなのです・・・」
玉座に座るミイラを見て顔色が変わる天龍と電。ミイラは縦に、真っ二つに裂けていた。玉座の後ろには通路がある。
赤城「もしかして提督は この先に・・・」
天龍「なら早く行こうぜ。ここ気味悪いし」
・・・・・・
*隠し通路*
ダンテは石造りの通路を抜けると、通路の雰囲気が変わった。通路の壁は赤黒く、生き物のように脈打っている。
ダンテ「いよいよか」
そのまま進むと、これまでとは比較にならない大きな扉があった。扉は開かない。だが扉に何かを嵌め込む穴がある。
ダンテ「おい嘘だろ、鍵が要るのか?」
赤城「提督!」
そこに赤城、天龍、電が駆け付けた。
ダンテ「お前らだけか?」
赤城「はい・・・」
ダンテ「他の奴は どうした?」
電「深海棲艦と戦ってるのです。あと艦娘も出てきたのです」
天龍「横須賀に居た前の仲間らしくて、皆 戦いづらそうにしてたけどな・・・」
ダンテ「艤装に無線あったよな?」
天龍「あるけど、どうすんだよ?」
ダンテ「そいつらは偽物だ。それを伝えてやれ」
赤城「偽物?」
ダンテ「こっちでも大和とか出てきたが、魔力を感じた。本物に そんなのはない。早く伝えろ」
赤城「分かりました!皆さん、聴こえますか?」
*第三層*
赤城『皆さん、聴こえますか?』
加賀「赤城さん!?」
突然の無線に驚く艦娘達。
赤城『彼女達は偽物です!倒しても大丈夫です!』
鳳翔「それは確かですか?」
赤城『提督が見破っていました。だから間違いありません』
隼鷹「おっ!提督と合流できたんだね!」
鳳翔「分かりました。皆さん、これより全力で反撃に出ます!」
金剛「鼻息が鳴るネー!」
比叡「お姉さま、微妙に間違ってる!」
蒼龍「腕だから、腕!」
金剛「とにかく撃ちます!Fire!」
*隠し通路*
天龍「じゃあ行くか!」
ダンテ「ムリだ」
天龍「あ?何でだよ?」
ダンテ「扉を開ける鍵がない」
天龍「カギ~?」
扉の窪みを指を指すダンテ。
赤城「この形、杖ですかね?」
電「杖なら、さっきのミイラが持ってたのです」
ダンテ達は玉座の間へ引き返した。
・・・・・・
*玉座の間*
天龍「こいつから取って大丈夫か?祟られたりとか・・・」
ミイラに触るのが嫌で赤城、天龍、電は動かない。
ダンテ「天龍、取れ」
天龍「何で俺!?自分で取れば良いだろ!」
ダンテ「天龍、取れ」
天龍「だから何で━━」
ダンテ「早く取れ」
赤城はヒソヒソとダンテに話し掛ける。
赤城「何で天龍さんなんですか?」
ダンテ「あいつ下にあったミイラ見て顔色 変わってただろ?あいつに取らせると おもしろいと思ってな」
赤城「・・・・・・・・・」
理由は只の嫌がらせだった。
天龍「なぁ、赤城・・・」
赤城はダンテと何かを話していて聞いていない。
電「天龍さん、頑張るのです!」
天龍「ちくしょう・・・」
杖はミイラの手が しっかり握っている。
天龍「うぅ~、気持ち悪い・・・」
天龍は泣きそうだった。いや、もう半泣きだった。
一本一本ミイラの指を退けていく。
天龍「ギャーー!!!!」
赤城「っ!?」
電「っ!?」
ミイラの指が折れて天龍はビックリして叫んだ。天龍の声に赤城と電も驚く。ダンテは腹を抱えて爆笑していた。
・・・・・・
杖を手に入れて扉の窪みに嵌め込むと、地響きと共に扉が開いた。部屋は かなり広く、奥には祭壇らしき物がある。そして、祭壇の前でジェスターが待ち構えていた。
ジェスター「随分 遅かったなぁダンテ」
ダンテ「あの大和やレディの偽物は お前の仕業か?」
ジェスター「あれ?怒ってる?残念、それは俺じゃない」
ダンテ「あんな悪趣味な事するのは お前しか居ないだろ」
ジェスター「それは神殿が侵入者を排除する為のシステムなのさ!欠点もあるけどな」
ジェスターが話した神殿のシステム、それは侵入者の記憶を読み取り、具現化する力。そして具現化した存在と侵入者を戦わせる。だが欠点として、侵入者その者は造れないらしい。つまり神殿にダンテが居る限り、ダンテとダンテを戦わせたりはできないのだ。第三層で瑞鶴が居なかったのも、ダンテの方に瑞鶴の亡霊が居たからだ。
ダンテ「魔力を感じたのは そういう事か」
ジェスター「そっ!親しい友人や愛しい人に殺される、それってチョー恐くない?」
ダンテ「悪趣味を通り越して狂ってるぜ。お前を殺してサーカスも終わりだ」
ジェスター「それなら もう遅い。魔界の入り口は既に開かれた。もう止められやしないぜ~」
祭壇には鏡があり、鏡の中では禍々しい空間が映し出されている。あれが魔界の入り口のようだ。
ダンテ「勝手に決めるな」
ダンテは背のリベリオンを手に取り、赤城達も艤装を展開する。
ダンテ「ふざけてる分、かなりウザい事してくるから気を付けろ」
赤城「油断するなという事ですね」
ジェスター「それじゃあ久々に遊ぼうか」
次回も よろしく お願いいたします!