Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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351話です!どうぞ!


Mission351 仮の姿~美を追求せし者~

南極から戻ってから、足柄の男漁りが酷くなっていた。

そんな中で足柄は、結婚詐欺に遭い貯金を全て騙し盗られ、自棄酒に溺れていた。

そんな事になったのはダンテのせいだと憤怒する妙高だったが、仲裁に入った鳳翔の提案で、ダンテは詐欺師を見付けなければならなくなった。

そしてダンテは妙高型、青葉、千歳型、瑞穂、北上、大井、天龍型、川内、神通、白露、時雨、夕立、朝潮、不知火、(たける)、シャドウ、フレキ&ゲリを連れて日本に戻り、手分けして詐欺師を探すのだった。

 

 

*街 12月15日 12:15*

 

噴水のある広場で妙高型と青葉、健、フレキ&ゲリは昼食を食べながら、データベースにある犯罪者の顔写真を足柄に確認してもらっていた。

犯罪者のデータは気が遠くなる程あるため、全てを確認するには時間も掛かるし、目当ての人物も まだヒットしていない。

 

足柄「・・・・・・待って!戻して!」

 

順番に映していた顔写真の中で気になる者が居たらしく、健は言われた通り顔写真を順番に戻していく。

 

足柄「この人!私の口座から盗んだの この人!」

 

青葉「やっぱり犯罪歴が残ってましたね。どれも詐欺ばっかりです」

 

健「でも ちょっと待って。この記録だと・・・犯人は とっくに死んでる事になってるけど・・・」

 

那智「足柄、まさか幽霊に騙し盗られたのか?これは見付けるのも取り返すのも無理だぞ」

 

足柄「そんなはずないわよ!だって私の手に触れた時、体温はあったもん!絶対 幽霊じゃないもん!」

 

那智「しかしだなぁ・・・」

 

健「実際に触れて そこに存在してたなら、幽霊なんて現実的じゃないよ。データ上では死んでる事になってても、実際は生きてるのかも」

 

そこまで話してると、青葉の携帯に警察署に向かった川内から連絡が入った。

川内の話では、警察署で確認すると同様の事件が何件も発生してるらしい。

被害者は どれも、金持ちの女性がターゲットにされてるらしく、この数週間の間で件数が増えてるとの事だ。

だが警察署で話を聞いてきた川内は、この話に1つの疑問を感じていた。

 

川内『普通に おかしくない?金持ちの ご令嬢とかばかり狙ってるなら、貧乏鎮守府の艦娘なんかターゲットにするかな?』

 

青葉「警察が警戒してるのとは別人って事ですか?」

 

川内『そう考えるのが妥当かな。こっちで聞いた印象だと、足柄さんを狙うなんて違和感だよ』

 

そこで神通が、足柄が犯人だと言っていた男の顔写真を送ってもらうよう提案した。川内は呉鎮守府に所属してた時に犯罪にも手を出していたので、その線で知ってる人物かもしれない可能性があったからだ。

 

健「ちょっと待ってねー・・・」

 

神通の携帯に画像を送って少しすると、スピーカーから川内の悲鳴が聞こえてきた。

 

川内『あ゛ーーっ!!こいつ知ってる!!私の仕事 何度か邪魔してきた奴だよ!』

 

神通『姉さん、仕事って何してたんですか?』

 

川内『え・・・・・・?盗み・・・的な?』

 

神通『姉さんの過去を掘り起こすのはやめておきましょう』

 

川内『だって しょうがないじゃん!前の提督が絵画 欲しいって言って盗みに行かされたんだから!』

 

神通『姉さん、もう聞きたくない』

 

川内『いや聞いてよ!弁明させてってば!』

 

那智「今 川内の話とか どうでもいい!この男について知ってる事は?」

 

川内『・・・よく知ってるよ・・・』

 

この男と最後に会ったのは雨の日だった。

川内が絵画を盗みに行かされた その日、偶然にも同じ場所に居合わせた。

しかも目的の品も同じだったため、この男と絵画の奪い合いになったらしい。

 

川内『でも私は艦娘だから、力で人間には負けない。だから絵画だけ確保して脱出しようとしたんだけど・・・』

 

雨が降る中、川内は屋根に上がり そのまま逃げようとした。すると男は、滑り落ちる危険もあるのに屋根に上がり、川内を追ってきた。

川内は危ないからと戻るように言ったが、男は諦めなかった。その結果、男は雨に濡れた屋根から足を踏み外し、敷地を囲む柵の上に落ちた。

 

川内『私が見てる前で死んだの。心臓を貫かれてたから確実に死んでる。生きてるはずないよ・・・』

 

羽黒「だから死んだ事になってたんですね・・・」

 

青葉「ちょっと待ってくださいよ。じゃあ足柄さんを騙したのは、やっぱり幽霊・・・?」

 

情報を集めれば集めるほど謎が増え、脳が どうにか理解しようとして妙高達は沈黙する。

街の別の場所では、ダンテ、千歳型、瑞穂、北上、大井、天龍型、白露、時雨、夕立、朝潮、不知火が昼食で、ハンバーガーチェーン店に来ていた。

 

ダンテ「なぁ、ピザ無いのか?」

 

天龍「ある訳ないだろ、ここハンバーガーショップだぞ」

 

ダンテ「テンション上がらねぇな・・・」

 

白露「要らないなら白露が食べてあげる!」

 

白露がダンテの分のハンバーガーに手を出そうと腕を伸ばすが、ダンテに手を叩かれた。白露は叩かれた手を擦りながら、不満そうにダンテを睨む。

 

時雨「シャドウ、ナゲットだよ」ヒソヒソ・・・

 

時雨が他の客にバレないよう小声で話し掛けると、時雨の身体からシャドウの頭だけが出てきた。

口にナゲットを入れられると、すぐに時雨の中に引っ込んだ。

そんな風に こちらは犯人探しもせずに昼食を摂っていると、ダンテの携帯に青葉からの着信が入った。

 

ダンテ「見付かったか?」

 

青葉『それがですね、非常に言いにくいのですが・・・』

 

青葉は足柄が証言した犯人と、その犯人についての川内の話を全て伝えた。ダンテは黙って聞いていたが、艦娘達のように驚いたり難しく考える事はなかった。

 

ダンテ「とりあえず そいつ探すぞ。まだ被害を出すつもりなら この街に居るはずだ」

 

青葉『分かりました、皆にも伝えておきます』

 

ダンテ「それと こっちにも写真 送ってくれ」

 

青葉『あ、それなら千歳さんの方に もう送りましたよ』

 

ダンテが千歳の方を見ると、スマホの画面を見せながら微笑んでいた。

 

ダンテ「飯の時間は終わりだ、行くぞ」

 

夕立「ま、まだポテトが残ってるっぽい!」

 

時雨「シャドウ?」

 

「「あーっ!?」」

 

時雨がシャドウを呼ぶと、白露と夕立が悲鳴を上げた。時雨の身体から出たシャドウの頭が、テーブルの上に残っていたハンバーガーやポテト、ナゲットを一瞬の内に全て食べ尽くしてしまったのだ。

ダンテ達は早々に食事を切り上げ、犯人探しを開始する。

千歳型と瑞穂が水上偵察機を発艦し、空からも探すのだった。

 

 

・・・・・・

 

*豪邸 14:45*

 

男「どうぞ」

 

アンティークの家具などが置かれた豪邸に、男が女性を招く形で入ってきた。

飾られてる写真立てには、男と その家族らしき人物が写っている。

女性はリビングを見て笑顔を見せ、どこか感激してる様子だ。

 

女性「ほんとに御曹司なんですね!あの、お仕事は何を?」

 

男「ちょっとした貿易業をやってるだけですよ」

 

女性「貿易業、ですか?深海棲艦のせいで、貿易関係も大変だと聞きます」

 

男「いえ、大した事ないですよ。さぁ、座って」

 

男はソファーに座るよう勧め、ワイングラスに2人分のワインを注ぐと、1つを女性に渡して自分も座った。

 

男「乾杯しましょう。こうして あなたと巡り会えたのも運命だ」

 

2人は小さく乾杯し、ワイングラスに口を付けて一口 呑む。

2人の雰囲気から、今日 会ったばかりという訳ではなさそうだ。

男は神妙な顔をしてワイングラスをテーブルに置くと、ソファーから立ち上がった。

 

女性「どうしたんですか?」

 

男「そろそろ結婚しませんか?」

 

女性「えっ!?でも・・・私達、お付き合いして まだ2週間ですし・・・」

 

男「お互いに愛し合っていれば早い事なんてありませんよ。早く あなたと一緒になりたいと思ってる。あなたは、私が会ってきた女性の中で特別な人だ。それとも・・・私と結婚するのは嫌ですか?」

 

女性「いえ!そんな事ありません!」

 

男「では迷う必要なんてない。しかし、1つ問題が・・・」

 

男はソファーに座り直すと、また神妙な顔をして女性の気を引く。

 

女性「何ですか?私にできる事なら何でも言ってください」

 

男「何でも・・・」

 

すると男は、その言葉を待っていたかのようにペラペラと話し始め、5千万円を要求してきた。その額に、女性は少し驚く。

 

男「今の取引が上手くいっておらず、取引を成功させるには5千万が必要なんです。成功すれば、お借りした5千万を倍にして お返しする事もできますし、2人の結婚資金にもできます」

 

女性「ですが、5千万なんて・・・」

 

女性が その額に戸惑っていると、男は溜め息を吐いて またソファーから立ち上がった。

 

男「やはり そうですよね。結婚しようとしてる相手から金を借りるなんて。ましてや額も大きい。あなたと幸せな未来を築くためでしたが、結婚は諦めるしかないようですね」

 

男は女性に振り返ると、別れを切り出した。

それに対し、女性は大変 慌てた。女性にとって、この男は魅力的に見えているのだろう。別れるなんて選択肢はなかった。

 

女性「待ってください!別れたくありません!」

 

男「ですが、このままでは事業が失敗して結婚なんて夢の また夢」

 

女性は苦渋の決断を迫られるように険しい顔で考え、遂には5千万円を出させてほしいと言ってしまった。

 

男「ほんとですか?」

 

男は嬉しそうに笑顔を見せ、またソファーに座り直し女性を見詰める。

妙な雰囲気になり2人の顔の距離が近付いていくと、それを邪魔するようにダンテ達がリビングに雪崩れ込んできた。急に大人数が許可なく入り現れた事で、男も女性も驚いた。

 

大井「見付けたわよ、この不潔野郎!」

 

川内「川内、参上!」

 

男「何だ君達は!?」

 

天龍「カチコミじゃコラァー!」

 

朝潮「あなたを詐欺の容疑で逮捕します」

 

不知火「大人しく捕まる事を推奨します。でないと、怪我だけでは済まなくなりますよ」

 

川内「何で生きてるのかも聞かせてもらうよ」

 

女性「さ、詐欺・・・?あの、これは どういう事ですか!?」

 

足柄「その男は詐欺師なのよ!私も騙されたんだから!私の お金 返してよ!」

 

女性は半信半疑になりながら男を見ると、男は庭側から外に逃亡した。

 

千歳「追い掛けるよ!」

 

ダンテ達も同じルートで追い掛けようとすると、女性が自分の胸元を見て悲鳴を上げた。

 

天龍「ど、どうした!?」

 

女性「な、無い!ネックレスが無いんです!」

 

女性の首にあったジュエリーが消えていた。恐らく男が女性に接近していた間に、気付かれずに盗んでいたようだ。

 

千代田「詐欺だけじゃなくスリまでするのか あの男!絶対に許せない!」

 

龍田「この人は私と瑞穂さんに任せて、皆は追い掛けて~」

 

瑞穂「こちらは お任せください」

 

天龍「よっしゃ行くぞ!」

 

女性は瑞穂と龍田に任せ、ダンテ達は今度こそ男を追跡する。

 

 

・・・・・・

 

*街 15:34*

 

外に出てから、男を追って街を激走していたが、これが思ったよりも逃げ足が速くて簡単には捕まらなかった。ダンテ達は すぐに捕まえられると思っていたが、これは予想外だった。

そして男を追い続け、街の ある地点で見失ってしまった。

 

天龍「クソッ、まさか この人数で逃げられるなんて・・・!」

 

千歳「偵察機でも追わせたのに何で・・・?」

 

ダンテ「(どうなってやがる・・・?何かトリックでもあるのか?)」

 

男を見失った地点でキョロキョロと辺りを見渡していると、白露が上の方を指差して叫んだ。見ると、あの男が歩道橋の上からダンテ達を見下ろし、不敵な笑みを浮かべていた。

 

天龍「テメェ、そんなとこに居やがったのか!今 行くから大人しく待ってろ!」

 

男「君達が来るのを待っていたんだ」

 

その不穏な言葉に、歩道橋に上がろうとした艦娘達の足が止まった。

ダンテ達が来るのを待っていた?

つまり最初からDevil May Cry鎮守府が狙いだったという事になるが・・・。

 

ダンテ「・・・どういう事だ?」

 

男は不敵な笑みを浮かべたまま自身の服を掴み脱ぎ捨てると、一瞬にして姿が変わった。服は西洋貴族のような格好になり、髪は腰まで長くなり、目元だけを隠す仮面まで着けている姿になった。

仮面で目元は見えないが、顔も明らかに さっきまでの日本人顔ではなくなり、外国人である事だけは判別できる。

 

ダンテ「トリッシュみたいな事しやがるな。何者だ?」

 

怪盗伯爵「自己紹介が まだだったな。私は美を追求せし者、『怪盗伯爵』だ。正体を隠すため、詐欺師に化けていた訳だ」

 

川内「“怪盗伯爵”って まさか・・・!?」

 

那智「知ってるのか?」

 

川内「知ってるも何も、盗みの世界じゃ超有名」

 

川内の話では、怪盗伯爵は変装の達人で、セキュリティも万全で要塞みたいな場所でも、誰にも気付かれず狙った獲物を必ず盗み、代わりにメッセージカードを残していく凄腕の盗人だ。

誰も怪盗伯爵に迫る事ができず、その正体も謎に包まれており、その存在を目にした者以外で噂を聞く者の間では、都市伝説のように語られているのだ。

自分の正体を隠しながら活動するため、どうやら死んだはずの詐欺師の姿を借りて街を移動していたようだ。

 

夕立「その泥棒が私達に何の用かしら?」

 

怪盗伯爵「言っただろ、私は美を追求せし者。君達は とても美しい。美しい程の友情と仲間意識、そして家族愛。私は それを盗むため、そこの足柄に接触したのだ」

 

ダンテ「・・・つまり俺達を誘き寄せるために足柄を利用したのか?」

 

怪盗伯爵「ご名答。そういう訳で、私は君達に挑戦する!」

 

千代田「挑戦?」

 

千歳「私達と戦おうっての?」

 

怪盗伯爵「まさか。そんなのは美しくない。これから始めるのは、互いを理解し合うための ちょっとしたゲームだ」

 

天龍「馬鹿かオメェは!そんなの付き合う訳ねぇだろ!」

 

怪盗伯爵「ルールは簡単だ」

 

天龍「聞けよテメェ、コラァ!!」

 

どうやら足柄から盗んだ お金を、街の どこかに隠したようだ。

ダンテ達は怪盗伯爵の出す謎かけを解き、お金の在処を見付けなければならない。それが、怪盗伯爵が出してきたルールだ。

 

怪盗伯爵「もし君達が負ければ、足柄から盗んだ金は戻らない。序でに、デビルハンターの魔具も貰おうか」

 

北上「あいつ、ちゃっかり魔具の存在まで知ってるじゃん」

 

朝潮「司令官がデビルハンターという事まで知られてますね」

 

大井「こっちの情報は掴まれてるみたいね」

 

不知火「愚かですね。司令から魔具を奪うなど不可能です」

 

怪盗伯爵「そう思うか?」

 

不知火「えぇ、あなたのような人に奪われる司令ではありません」

 

怪盗伯爵「なら益々 奪いたくなるというものだ。では・・・ゲームスタートだ。美しき者達よ、これを受け取りたまえ!」

 

怪盗伯爵が投げてきた物を、逸早く反応したダンテが顔の横で掴む。それはカードだった。

カードには何やら文字が書かれている。

 

怪盗伯爵「それが最初のヒントだ。精々 足掻いて、君達の美しさを見せてくれ」

 

怪盗伯爵が指をスナップさせた瞬間、奴の周りでバラの花びらが舞い、一瞬にして姿を消した。

すると、消えたはずの怪盗伯爵の声が響いた。

 

怪盗伯爵『タイムリミットは日付が変わる午前0時だ。それまでに見付ける事だ。アーッハッハッハッハッハッ!

 

健「・・・・・・とんでもなくキザな奴だね・・・」

 

天龍「捕まえたら あの仮面 剥いでやる!」

 

夕立「それより、何が書いてあるっぽい?」

 

皆でカードに書かれてる物を見ると、そこには『泉の中心、聖女が見詰める夕陽』と書かれていた。

それを読んだ艦娘達は、一気に冷めた顔になる。

 

天龍「意味が分からないの俺だけ?どこの泉だよ?!」

 

時雨「“聖女が見詰める夕陽”ってのもカギになりそうだね」

 

白露「これだけじゃ何のヒントにもなってないよ・・・」

 

足柄が引っ掛かった詐欺師を捕まえるだけのはずが、妙な事になり艦娘達はウンザリした様子で溜め息を吐く。

 

ダンテ「だが、金を返す気はあるらしい。この勝負、受けて立ってやろうじゃねぇか」

 

千代田「そうだね。足柄さんのためにも取り返して あいつを捕まえないと」

 

ダンテ「つー訳で、お前ら頑張れよ」

 

北上「いや一緒に考えてよ」

 

大井「こっちに丸投げするのやめてもらえます?」

 

ダンテ達はカードに書かれたメッセージヒントを見ながら、ああでもない こうでもないと頭を捻りながら、書かれている事に該当する場所を必死に考えるのだった。




また新たな変人が出てきましたね。
怪盗伯爵のせいで、次回は艦娘達が大騒ぎです。お楽しみに!

次回も宜しく お願い致します!
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