358話です!どうぞ!
前回までのDevil May Cry鎮守府は・・・。
メキシコの麻薬カルテルが夕張の口封じのため、警察署を襲撃した。
夕張はロサンゼルス市警の警部と刑事と協力して窮地を脱し、自身の無実を証明した。
しかし翌日、買い物に出てたニコが狙われ凶弾に倒れる。
ニコは救急搬送され一命を取り止めたが、夕張のスマホに非通知で着信が入り、電話に出るとニコを狙った犯人だった。
夕張「私達が捕まえてきた誰かに雇われた殺し屋ってことね?」
男『次を楽しみにしててくれ。次は君かもしれないし、お仲間かもしれない』
*北朝鮮 12月31日 14:25*
北朝鮮領の森林地帯を、1台のオンボロ車が走っていた。
その後方からは北朝鮮の軍が追ってきており、オンボロ車を狙って銃撃していた。
銃撃を受けながら車を走らせてるのは呉提督で、助手席には夕張が居た。
呉「アメリカじゃ もう新年なのに、何で私らは北朝鮮軍に撃たれてんのよ!こうなるって分かってたから銃 持っていきたかったのに、ステフの奴“銃は持っていくな”とか ふざけやがって!」
夕張「銃を所持したまま北朝鮮には入国できない!いいから早く国境に向かって!」
呉「韓国軍にも挟まれて私ら終わるぞ!」
夕張「韓国軍に積み荷を渡せば撃たれない!それより北朝鮮軍に撃たれないようにしないと!」
呉「無茶 言うんじゃないわよ!もう撃たれてんのよ!」
2人の今回の任務は、アメリカと韓国でテロを引き起こした犯人が北朝鮮に亡命したため、北朝鮮で拉致して韓国政府に引き渡す事だった。
北朝鮮軍から逃げながら口論してると、トランクから拉致した犯人の悲鳴が聞こえてきた。
呉「うるさい黙ってろ!!こんなボロ車じゃ逃げ切れない!だから北朝鮮 嫌いなのよ!」
夕張「必要な物は現地調達って言われてたから仕方ない」
呉「だからって何で肥料なんか買ったのよ?!北朝鮮でガーデニング商売でも始めるつもり?!」
2人の乗る車の後部座席には、奇妙にも肥料の入った袋が積まれていた。
それを手に取り助手席に座り直すと、夕張は何かを作る作業を始める。
夕張「ガーデニングはしないけど、これが役に立つ」
呉「銃で撃たれてるのよ正気?!肥料で どうにかできる訳ない!」
呉提督は車を走らせたまま文句を言うが、無視して夕張は肥料を容器に詰める作業を続ける。
そして完成した物に付けた導火線にマッチで火を点けると、窓から身を乗り出し北朝鮮軍の車に投げる。爆発するが、北朝鮮軍を止めるには至らない。
夕張は車の中に戻り次を手に取る。
呉「肥料でダイナマイト作ったの!?やっぱり あんた頭イカれてる!その調子で もっと投げて!」
夕張は次のダイナマイトに点火して投げるが、上手く北朝鮮軍の車に命中しない。
夕張「ちょっと揺らさないでよ!」
呉「上手く投げなさいよ下手くそ!」
その後もダイナマイトを投げまくるが、夕張は北朝鮮軍の車を1台も壊せないまま助手席に戻り、溜め息を吐いていた。
その妙な様子に、呉提督は怪訝な顔をする。
呉「何してんのよ?もっと投げなさいよ」
夕張「・・・・・・肥料が無くなった」
呉「はぁー!?あんなデカい袋に入ってたのに もう全部 使ったの!?何で1袋しか買わなかったのよ?!」
夕張「北朝鮮だよ?肥料なんて そんな簡単に手に入らないし、1袋じゃ軍を止めるには足りない」
呉「あんたが下手に投げるから足りないのよ!私だったら1発で1台は破壊してるわよ!」
夕張「大佐が揺らすから上手く投げれなかったの!」
呉「言い訳すんじゃないわよ!」
夕張「じゃあ真っ直ぐ走ってよ!」
呉「山道で銃に撃たれながら真っ直ぐ走れるか!」
後ろからは銃撃され、車内では口論していると、韓国との国境が近付いてきていた。
国境に駐屯してる韓国軍は、不審な車両と北朝鮮軍が接近してる事で慌ただしく動き、銃を構えて警戒する。
呉「どうすんの?」
夕張「このまま突っ込んで」
呉「韓国軍にも撃たれる!」
夕張「いいからアクセル踏んで!」
呉「ちょっと!?」
夕張はアクセルレバーに乗せた呉提督の足を上から踏み、車が加速する。
車は韓国と北朝鮮の国境の中間で、道を塞ぐように置かれたコンクリートブロックに ぶつかり止まった。
後ろで北朝鮮軍の車も止まり、降りてきた北朝鮮軍にも銃口を向けられる。
静寂の中、夕張と呉提督は韓国軍と北朝鮮軍に挟まれてしまった。
呉「どうしてくれんのよ?私ら終わりよ」
夕張「事情を説明すれば韓国軍が助けてくれる」
呉「そんな保証ないじゃない」
夕張「実は保証されてるんだよね。話は私がするから、大佐は黙っててね」
実は今回の任務、アメリカ政府と韓国政府との間で話が決まっていた。
アメリカが北朝鮮でテロ犯を捕まえ韓国に引き渡し、韓国で裁きを掛ける。そうすれば犯人を捕まえた手柄は韓国のものとなる。
その代わり、引き渡しで国境に入った諜報員の安全を保証する事を約束させていた。
ステフは手柄を持っていかれる事に呉提督が納得せず、ゴチャゴチャ文句を言うだろうと分かっていたため、夕張にだけ真実を伝えていた。
夕張と呉提督は車のドアを開け、手を挙げながら降りる。
夕張「私達はアメリカ政府の者。アメリカと韓国でテロを引き起こした男を引き渡すために来た。今 車のトランクに入ってる。韓国政府に確認を取ってもらえれば分かる」
そう伝えると、国境警備の責任者が部下に確認を取らせた。
少しすると、戻ってきた部下が責任者に何かを耳打ちする。すると責任者の指示で、部下2人が車に近付き、トランクに入っていた男を責任者の元に連れていく。
責任者は男の顔を確認すると、こっちに来いと夕張と呉提督に手招きする。どうやら信じてくれたようだ。
夕張と呉提督が韓国領に入ると、北朝鮮軍は車に乗り引き返していった。
その後、韓国政府が万全の状態で移動手段を用意し、夕張と呉提督はアメリカへと帰国した。
・・・・・・
*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 1月2日 11:38*
ダンテと香取は、かなり深刻な理由でステフに呼び出され、ブリーフィングルームに来ていた。
夕張の暗殺に失敗して警察に捕まり、香取をソーシャルワーカーとして送り込み寝返らせたヘクター・ルイースが殺された事だった。
死因は毒殺であったのだが、メキシコの麻薬カルテルの情報を全て聞き出せた訳ではないので、これは かなりの痛手だ。
ステフ「香取、あなたが面会に行った直後に殺されたわ。悪いけど、取り調べを受けてもらう」
香取「そ、そんな、どうして・・・!?」
ダンテ「ちょっと待て。取り調べは いくら何でもやり過ぎだろ」
ステフ「私も香取がやったとは思ってない。でも最後に会ったのは香取だから、規則として詳しく話を聞く必要があるの。分かってちょうだい」
香取「・・・・・・分かりました。話をするだけですよね?」
ステフ「そうよ。緊張しなくていい。面会の時に違和感や不自然なこと、怪しい点がなかったか どうか、それを聞きたいだけだから」
そこまで話すと、ブリーフィングルームの扉を開けて、オリーブ財団の特殊部隊員が2人 現れた。香取は その2人に連れられ、ブリーフィングルームから退室した。
ブリーフィングルームに残されたダンテは、呆れたようにステフを見た。
ステフ「あなたの言いたい事は分かってる。でも これは仕方ないの」
ダンテ「鹿島を疑うだけじゃ足りないってか?」
ステフ「正直に言うと、私は艦娘の中に裏切り者が居ると見てる」
ダンテ「そいつは また大胆な告白だな。俺に それを言うって事は、根拠があっての事だろうな?」
オリーブ財団はDevil May Cry鎮守府が転属してくる以前に設立され、活動してきた。表向きは研究機関を装い、CIAやFBIなんかと比べて法外な任務を数多く熟してきた。
設備は どこよりも充実しており、色んな所から人材を引き抜き優秀な者も揃ってる。
しかしDevil May Cry鎮守府が来てから、オリーブ財団は任務で後手に回るようになった。
Devil May Cry鎮守府の面々の能力が劣っているとは思わない。寧ろステフの思う合格ラインをクリアしている。
ステフ「それでも財団が接触しようとする人間が殺されたりしてるのは、情報が内部から洩れてるとしか思えない」
ダンテ「何で艦娘なんだ?俺やバージルかもしれないとは考えないのか?別にネロでもいいぞ」
ステフ「あなた達3人は、クズの手駒になるようなタマじゃないでしょ?寧ろ見栄とプライドで敵対していくタイプね。ニコやモリソンも同じだと思ってる」
ダンテ「なら・・・」
ダンテは元々オリーブ財団の中に居る誰かではないのかと指摘したが、既に財団に所属する職員や諜報員、特殊部隊員の身元は洗い直し、白である事が確定していた。
だから消去法で、艦娘の中の誰かだと疑っている。
ステフ「あなが艦娘を護ろうとしてるのは分かってる。でも便利屋として裏社会に身を置いていた あなたなら分かるはずよ。一般人が知る表社会の裏では、信用できない者が多いと。私達は そういう世界に居る」
ダンテ「・・・・・・確かにな」
ステフ「あなたも提督なら、艦娘に目を光らせておいて。どんな事も見逃さないで」
ダンテ「・・・・・・・・・」
・・・・・・
*街 ?月?日 10:12*
艦娘が居る世界と時間が分岐し、違う未来を辿った もう1つの世界。
艦娘達から見て“未来”とも呼べる その世界で、廃墟となった街を未来の川内と五十鈴が歩いていた。
川内は立ち止まり、今はボロボロで一部が崩れ、嘗ては高速道路だった物を見上げる。
五十鈴「川内、何してるの?早く行かないと日が暮れる」
川内「・・・ねぇ、この任務やらなきゃダメなの?」
五十鈴「仕方ないでしょ。私だって嫌だけど、指導者とオーファンとの間で話が決まっちゃったんだから」
川内と五十鈴は時間移動のため、オーファンが組織したグールズのアジトに潜入してエネルギーを盗み、その結果2度も彼らが大切にしていた原子力発電機を壊した。
それに怒ったオーファンが損害の補填を要求し、レジスタンスの指導者であるアーロンとの話し合いで、彼らの要求を飲む事になった。
要求を飲んだ理由は、拒めばレジスタンスとグールズの全面戦争となるからだ。今のレジスタンスに そんな余裕はない。
川内「あいつら自分で取りに行けばいいのに・・・!」
五十鈴「感染者にビビって行きたくないんでしょ」
グールズは、嘗て研究施設だった跡地でプルトニウムが残されている事を突き止めていた。
グールズの生活の基盤は放射性物資であるため、原子力発電機が壊された今、新たなプルトニウムの確保に躍起になっていた。
だが、施設跡地には感染者の存在も確認されていたため、自分達の命を惜しみレジスタンスに頼んだのだ。
川内「私だって行きたくないんだけど・・・」
五十鈴「私達が着てるスーツは放射能を遮断するから、被爆する心配はないわ。限度はあるけど」
川内「そういう問題じゃなくて、
五十鈴「分かってる。私だって嫌だけど仕方ないでしょ。それより・・・
川内「どうって言われても・・・仲間が見付かるのはいい事じゃん」
五十鈴「そうだけど、今まで探しても見付からなかったのに、何で今になって見付かるのか理由を知りたいの」
世界が崩壊する切っ掛けとなった戦いで、行方不明や戦死したと思われていた艦娘が、最近になって各地で発見されるようになった。
偶然 今になって見付かるようになったのか、それとも過去を変えたのが原因で この世界に影響が出てるのか、理由は不明のままだった。
川内「理由なんて何でもいいよ。仲間が生きてたんなら」
五十鈴「そうだけどね。まぁ、話してても仕方ないし、さっさと行くわよ」
・・・・・・
夕方、2人は爆弾か何かで出来た巨大なクレーターに、雨水が溜まり湖となっている場所に着いた。
この先に、目的地である研究施設跡地がある。もう少しだ。
だが五十鈴は、今日は これ以上 進むつもりはなかった。
五十鈴「もう日が暮れるわね。今日は ここで野宿ね」
川内「あと少しなんだし進もうよ。それに野宿したくない」
五十鈴「絶対ダメ。夜は感染者が活発になるから、夜明けに突入する。だから今日は ここで体力温存。それに、今日は特別な物を持ってきたし」
“特別な物”に引っ掛かりを覚えた川内は、何を持ってきたのかと首を傾げた。
五十鈴は持ってきていた荷物をゴソゴソと漁り、中から肉の塊を取り出した。それを見て、川内が驚く。
川内「肉ー!?ちょっと それ どうしたの!?」
この世界では肉は手に入りにくくなっており、かなり貴重な高級食材として扱われている。
レジスタンスでも特別な時にしか食べられないため、肉と言っても保存性を高めるため燻製にされている。五十鈴は それを持ってきていた。
五十鈴「大変な任務に行くのに何もナシなんてやってられないでしょ?だから貯蔵庫から勝手に持ってきた」
川内「後で怒られない?」
五十鈴「リーダー権限で文句は言わせない。どう、野宿する気になった?しないなら私1人で全部 食べるから」
川内「する!野宿する!肉が食べられるなら どこでだって野宿する!五十鈴1人で食べさせないからね!」
五十鈴「まぁ全部は食べないけどね。明日の朝食用にも置いとくし。今日は私が夕飯の準備するから」
川内「五十鈴が作ってくれるの?」
五十鈴「あんたに作らせたら焦がすでしょ?折角の高級食材が楽しめない」
川内「(何も言えねー・・・)じゃあ、私は周辺を偵察してくる。感染者が居たら序でに排除しとくね」
五十鈴「うん、お願いね」
五十鈴が早速 夕飯の準備に取り掛かり、川内は夕飯を楽しみにしながら、湖を回るように周囲の偵察に向かった。
・・・・・・
歩きにくい地面を歩いて湖の半分を回ると、立ち止まって下を見た。そこには人骨が埋め尽くし、地面を形成していた。どうやら川内は、ずっと人骨の上を歩いていたようだ。
川内は しゃがんで、ずっと雨風や土埃に晒されていたであろう頭蓋骨を手に取ると、それを見詰めた。
どこの誰かも名前も知らない人達が残した唯一の
この人達にも未来はあったはずだ。あの戦いさえなければ、今も嘗ての日常があったはずだ。あの戦いで敗北したからこそ、この人達の未来は潰えた。
このまま冷たい風に晒されていては、この人達も浮かばれないだろう。だが、今すぐ どうにかしてあげる事はできない。
川内「ごめんね。今日は皆の上でキャンプさせてほしいんだ。全部 終わったら、皆を ちゃんと弔ってあげるから。それまで待ってて」
残された遺骨を全て弔うには、今の この戦いを終わらせ、世界を人類の手に取り戻すしかない。それが あの戦いで敗北し、生き残った者の責任だと思っている。
それが いつになるのか、それまで生きてられるか分からないが、悔しさや悲しさで浮かばれない彼らの魂を思うと、川内は そう言わずにはいられなかった。
その後 偵察を終わらせ野営地に戻ると、人骨の上で五十鈴の用意した夕飯を食べながら2人で談笑し、明日に備え就寝した。
・・・・・・
*川内の夢*
就寝した後、川内は過去の夢を見ていた。それは世界が崩壊する切っ掛けとなった激動の戦い。
ネロがルキフェルスに身体を乗っ取られ、復活した古代の魔界兵器と悪魔の大群が人間界全土に侵攻を開始した。
Devil May Cry鎮守府は昼夜を問わず戦いを続けていたが、戦況は最悪だった。原因不明の性能低下で、艦娘達の兵装の威力が弱まり、これまで倒せてた低級悪魔すら倒せず劣勢を強いられた。何かの病気か、敵が仕掛けた罠か、突然の事に戦いの中では原因不明だった。
それでも艦娘達は諦めず戦い続け、川内も戦い続けた。
川内「提督とバージルは どうなったの?!」
鬼怒「分からない!通信が途絶えた!」
満潮「砲撃も効かなくなってきてる・・・!」
葛城「艦載機も次々 墜とされてる!」
どんどん追い詰められていく中、敵陣から鈍い光を反射させる金属のボディーを持った人型悪魔が現れた。その悪魔が、川内達が戦う悪魔の一団を率いていた。
その時、吹雪から無線が入った。
吹雪『アメリカ艦隊の爆撃が来ます!衝撃に備えてください!』
合同演習に参加していたアメリカ艦隊の艦載機が接近し、爆弾を投下していく。大量に投下された事により発生した巨大な爆発が、悪魔を炎の中に呑み込む。
どうにか前線の悪魔を排除できたかと思ったが、炎の中から あの人型悪魔が無傷で出てきた。
矢矧「何なのよ あいつ・・・!?」
悪魔『艦娘共よ、聞け!既にデビルハンターは死んだ!お前達に勝ち目はない!我らが軍門に下るなら、命だけは助けてやる!』
川内「提督が・・・死んだ・・・?」
夕立「そんなの信じられるはずないっぽい!」
川内「待って、行っちゃダメ!!」
川内が止めるも、白露型は砲撃しながら悪魔に向かっていく。
だが砲撃は悪魔に一切 効いておらず、逆に次々と白露型が その命を散らしていく。
シャドウもコアを破壊され消滅した。
川内「そんな・・・。あいつは私が止める!皆は逃げて!」
神通「いえ、姉さんが逃げてください。ここは私達で食い止めます」
川内「なに言ってるのさ!?」
夕張「提督が死んだなんて信じられない。でも川内なら提督とバージルを見付けられるかもしれない。2人を探して態勢を立て直して」
川内「皆で逃げて態勢を立て直そう!2人の事は それから探せばいいよ!」
由良「この状況で全員で逃げるのは無理だと思う。あいつは逃がす気はないだろうし」
悪魔『その通りだ。大人しく軍門に下れ。そうでなければ、デビルハンターのように無様に死ぬがいい』
長波「けど川内なら逃げられるだろうし、提督 見付けて さっさと助けに来てよ」
艦娘達は、ダンテとバージルが死んだと信じていなかった。きっと まだ どこかで、この災厄を止めるために2人は悪魔と戦ってると。
夕張「皆、奴の動きを止めて!」
鬼怒「行くよ!」
陽炎「浜風、川内のこと頼むからね!」
浜風「分かった!」
川内「皆 待って!」
艦娘達は白露型同様、砲撃しながら悪魔に向かっていくが、まるで大人と赤子のような差があり、川内が見てる前で次々と死んでいく。
最後に、夕張が悪魔の太い腕で腹部を貫かれた。
悪魔『愚かな鉄屑共だ』
夕張「それは あんたの方なのよ・・・」
貫かれた夕張は吐血しながら顔を上げ、笑みを見せながら手に持つ物を悪魔に見せた。それは自作した爆弾だった。
次の瞬間、巨大な爆発が起きた。
炎が消え、煙が風に流されるとクレーターがあり、その中心部に居たであろう悪魔と、艦娘達の遺体も蒸発したのか消えていた。
川内「うっ・・・うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」
仲間が自分を逃がすために自らを犠牲にして死んだ事に、悔しさや悲しみで川内は1歩も動けず、その場で絶叫した。
・・・・・・
*街 ?月?日 2:24*
川内「うわっ・・・!?」
夢で そこまでを視ると、目を覚ました川内は飛び起きた。過去の悪夢に魘され、額など顔は汗で びっしょりだった。
川内は汗を拭いながら、外の空気を吸おうとテントから出る。
五十鈴「あら、もう起きたの?」
テントから出ると、焚き火の番をして起きていた五十鈴が こちらを見ていた。
川内と五十鈴は時間制で交代しながら見張りを務める事にし、今は五十鈴が見張りをする時間だった。
川内「うん・・・嫌な夢 視て・・・」
五十鈴「また あの日の夢?」
川内は何も言わなかったが、それでも五十鈴には分かっていた。時々、あの戦いでの夢を繰り返し視て、川内が魘される事が よくあったから。
川内「交代までの時間は?」
五十鈴「あと30分 残ってる」
川内「じゃあ・・・ちょっと散歩してくる。時間までには戻るから」
五十鈴「折角 起きたんだから交代してよ。長く寝れてラッキー」
川内「ちょっと!そんなのズルいって!私の休憩時間まだ終わってない!」
そうは言うが、五十鈴は さっさとテントの中に入って就寝してしまった。
川内「もう最悪・・・」
川内は仕方なく、見張りを兼ねて焚き火の番をするしかなかった。
次回も宜しく お願い致します!