*右通路 第三層*
那珂「ここ臭い!」
龍田達は第三層の通路の中腹まで来ていた。そこは赤城達がダムドチェスメンと戦った場所。
叢雲「カレー使ったわね」
横須賀の食堂や演習場で比叡カレーの悪臭が残ってたように、ここでも臭いは残っていた。
鈴谷「逃げろー!」
比叡カレーの悪臭から逃げるように その場から去り、奥へと進んだ。
・・・・・・
空母と戦艦の艦娘の戦いも激しくなっていた。
翔鶴?「そうやって、また私達を殺すんですか?」
加賀「確かに私達は何もできなかった。見殺しにしたのと一緒ね」
翔鶴?「認めるんですね?なら さっさと死んでください!」
加賀「それは無理な相談ね」
翔鶴?「どうして・・・!」
加賀「私達には やらなきゃいけない事があるの。提督を護るという目的がある。だからこそ、一航戦として五航戦には負けられないわ」
翔鶴?「五航戦五航戦って・・・・・・きゃあ!」
突然の砲撃が翔鶴(?)を襲う。砲撃したのは金剛でも比叡でもない。龍田達が こちらに向かいながら砲撃していた。
蒼龍「来てくれたんだ!」
隼鷹「皆ボロボロじゃん」
鈴谷「うわ・・・戦艦と空母ばっかりじゃん」
北上「おまたせー」
夕張「て言っても、弾薬も余裕ないけど」
鳳翔「こちらも似たような状況です」
神通「残ってるのはカレーぐらいです」
『・・・・・・・・・』
鳳翔「通用するか分かりませんが、使える物は使いましょう」
龍田「天龍ちゃんは どこ?」
鳳翔「先に向かわせました」
龍田「そう、なら すぐに沈めましょうね~」
・・・・・・
*祭壇の間*
こちらでも戦いは続いている。
赤城「避けて!」
天龍「うわっ!?」
電「はにゃー!?」
ジェスターが出したゲートから魔力の玉が飛び出し、ボールのように跳ね回っている。ジェスターと まともに戦うのが初めての赤城、天龍、電は苦労していた。
ダンテ「相変わらず鬱陶しいな!」
ダンテは、テメンニグルでジェスターを3回 撃退している事もあり苦ではなかったが、それでもイライラはしていた。
ジェスター「
ダンテはベオウルフでジェスターを殴り飛ばす。
ダンテ「ちょっとスッキリした」
ジェスター「
ジェスターは立ち上がると、顔の付いた玉に乗り出した。すると地面から手が出現する。
天龍「何だ これ!?」
玉に付いた顔の口から爆弾を飛ばしてくる。
赤城「ば、爆弾!?」
顔の付いた玉と一緒に突進してくる。
電「こんなの どうしたらいいのです!?」
魔力の玉は変わらず跳ね回っている。
ダンテ「大人しく殺られろよ!」
ジェスター「
ダンテはジャンプしてエボニー&アイボリーを連射、そして空中でネヴァンを弾き蝙蝠を飛ばす『エアプレイ』。それを交互に繰り返し、ダンテは空中で滞空しながら攻撃した。
・・・・・・
*第三層*
飛龍?「ギャアァァァァァァ!!」
カレー砲弾を浴びた深海棲艦と艦娘が溶けていく。
隼鷹「うへ~、気持ち悪い」
蒼龍「ごめんね、飛龍・・・」
暁「響!」
響?「酷いよ、暁、雷・・・」
雷「・・・・・・・・・」
榛名?「お姉さま・・・」
霧島?「どうして・・・」
金剛「私は あなた達の姉じゃないヨ」
加賀「翔鶴・・・」
翔鶴?「どうして・・・加賀さん・・・」
加賀「もう眠りなさい」
翔鶴?「ドウ、シテ・・・」
深海棲艦と艦娘は消え去った。
皐月「カレーって悪魔だけに効果あるんじゃないの?」
鳳翔「偽物ですから、悪魔に関係があったんでしょう」
那珂「それより臭いに堪えられないから早く行こ」
艦娘達は赤城達を追って、その場を後にした。
*祭壇の間*
ダンテはクイックシルバーの能力、タイムラグを発動した。ダンテ以外の全ての動きが遅くなる。その隙にダンテは、リベリオンでジェスターを斬り飛ばした。ジェスターは祭壇まで吹き飛び、床を転がり動かなくなった。
赤城「・・・勝ったんですか?」
電「やったのです!」
天龍「あんなのに勝ってもなぁ・・・」
ジェスターは戦闘中、バリアを張って自己紹介を始めたり終始ふざけていた。真剣勝負とは言えない戦いに勝っても、天龍は素直に喜べなかった。
ダンテ「魔界の入り口 閉じないとな」
電「どうするのです?」
ダンテ「とりあえず、あれ壊してみるか」
ダンテは祭壇にある鏡を見ながら答える。祭壇に近付こうとすると、ジェスターの身体が宙に浮いた。ジェスターは そのまま黒い靄に包まれ、靄は球体状になり膨らんでいく。ダンテ達は何が起きてるのか分からず、事の成り行きを見守るしかなかった。
*玉座の間*
大井「ここ、他とは違いますね」
艦娘達は玉座の間まで辿り着いていた。
時雨「ねぇ、あれって工廠にもあったよね?」
初雪「・・・時空神像」
玉座の間には時空神像があった。
夕張「話には聞いてたけど、あれで弾薬とか作れないかな?」
明石も以前、同じ考えに至ったが試してはいない。
神通「それは どうでしょう・・・話では その昔の錬金術で生み出された物を出してくれるようですが」
比叡「悪魔を倒した時にレッドオーブは回収してましたから、やってみます?」
夕張「やっちゃおうよ!何から作る?」
初雪「手堅く『バイタルスター』で」
蒼龍「初雪 慣れてるね・・・」
皆の知らない間に、初雪は時空神像で何が出せるのか予めダンテから聞いていた。そして その効果も。バイタルスターを作って初雪が使う。
初雪「・・・ん?」
深雪「どうした?」
バイタルスターで初雪の怪我は消えたが、何か気になったらしい。初雪は徐に艤装を展開した。
皐月「艤装が直ってる!」
夕張「何これ超便利じゃない!」
夕張はレッドオーブを差し出し、人数分のバイタルスターを作った。
夕張「次は弾薬と燃料ね」
北上「できるかな?」
初雪「ムリならホーリーウォーターで」
試してみると、弾薬と燃料が出てきた。
白露「できちゃった・・・」
文月「これなら遠征 行かなくて済むね」
叢雲「レッドオーブも限られてるから遠征は行かないと無理でしょ」
初雪「じゃあ次はホーリーウォーターで」
夕張「今ので全部 無くなっちゃった」
初雪「・・・・・・・・・」orz
大井「諦めなさい」
鳳翔「補給も済みましたし、行きましょう」
鳳翔達は玉座の奥の通路へと入った。
*祭壇の間*
ジェスターを包み込んだ球体は胎動を始めた。
天龍「提督、これってヤバくないか?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
そして球体から何かが産み落とされた。それが立ち上がると、所々ジェスターの特徴を残したドラゴンのような姿の悪魔の全貌が露になった。その巨体にダンテ達は後ろに下がる。球体は悪魔を産み落とすと消えた。
ジェスター『ダンテェ・・・』
天龍「この声、ジェスターか!?」
赤城「これは・・・!」
赤城は この悪魔を知っていた。ダンテが死ぬ夢で、ダンテが戦っていた悪魔だからだ。
ダンテ「どんな姿になろうが、倒せば同じだよな!」
ダンテはジェスターに斬り掛かるが、ジェスターは抵抗する素振りも見せない。リベリオンで斬られたジェスターは、どこからか現れた黒い靄を取り込むと、斬られた傷が消えた。
ジェスター『ムダだぁ!』
肩から伸びた触手がダンテに襲い掛かる。ダンテは触手の上に飛び乗り、触手の上を走りながらエボニー&アイボリーを撃つ。ジェスターが翼を羽ばたかせると、暴風が発生してダンテは吹き飛ばされた。赤城、天龍、電も一緒に部屋の端まで吹き飛んだ。赤城の艦載機も暴風に煽られ墜落する。
ジェスター『もう疲れてるだろダンテ?そんな お前なんて相手にもならないぜ』
ダンテ「姿が変わっただけで思い上がるなよ!」
ダンテは再び特攻、赤城は次の艦載機を発艦して天龍、電が砲撃でダンテを援護する。だが どれだけ攻撃しても すぐに傷が回復して、手応えがない。攻撃を受けていながらジェスターは気にした様子もなく話し出す。
ジェスター『俺は この神殿と繋がってる。お前が この地で闘気を満たしてくれた お陰で、俺は神殿から闘気を取り込んで永久に不死身なのさ!』
神殿は闘気を吸いとり、神殿と繋がっているジェスターに力を送っている。
ダンテ「その闘気とやらも無限じゃないだろ!」
ジェスター『オツムは弱いままだなぁダンテ、歴史は繰り返すって言っただろ?この世界じゃ永遠に戦いは続くのさ!』
いつの時代も悪魔に抗う者が現れる。スパーダや それに協力した人間達、ダンテや艦娘達のように。悪魔との戦いの歴史が繰り返されれば、闘気は満たされ続ける。そして魔界は淘汰の世界、悪魔同士の戦いでも闘気は満たされる。闘気は有限だが、それを繰り返すことで無限に等しいループができてしまう。神殿はジェスターに力を送り続ける永久機関でもあった。
ジェスターは尻尾をダンテに叩き付けるが、ダンテはリベリオンの腹で尻尾を受け止める。
天龍「がぁっ・・・!」
肩の触手が赤城、天龍、電を拘束して振り回し、地面や壁に叩き付けてから投げ捨てた。赤城達は意識がないのか動かない。
ダンテ「赤城・・・!」
そこへ長い通路を抜けて ようやく艦娘達が駆け付けた。
鳳翔「そんな・・・!」
加賀「赤城さん!」
龍田「天龍ちゃん!」
「「電!」」
加賀、龍田、暁、雷が赤城達に駆け寄る。
『提督!/司令官!/司令官さん!/司令!』
他の艦娘はダンテを援護する為に艦載機の発艦、砲撃をする。
ジェスター『数が増えたなぁ、そろそろ飽きてきたから終わりにしようか、ダンテ』
ジェスターは無数の魔方陣を出すと、そこから部屋を埋め尽くす程の魔力のエネルギー弾を放出する。ダンテは尻尾を押し退け艦娘達を守る為にケルベロスで氷の壁を生成して盾にする。
金剛「提督ぅ!」
氷の壁を生成し続けるが、いくつものエネルギー弾を受けて罅が入る。
隼鷹「これマズイよマズイよ!」
遂には耐えきれず氷の壁が砕けた。赤城、天龍、電を守る為に、加賀、龍田、暁、雷が覆い被さる。ダンテは耐えたが、艦娘達は皆 倒れてしまった。
加賀「あか・・・ぎさん」
赤城「うっ・・・加賀、さん?」
赤城は目を覚まし、ダンテを見る。
赤城「提督・・・」
ダンテは頭から血を流しながらも、ジェスターと戦い続けている。だが無限に回復する事で、状況が変わらない。肩から伸びた触手がダンテを鞭打つ。吹き飛ばされたダンテの腕を触手で絡め取り持ち上げる。
ジェスター『楽しかったぜダンテ。今 楽にしてやるからなぁ、アハハハハハハハ!』
赤城「(ダメ、そんなの・・・このままじゃ提督が・・・!)」
赤城は身体を動かそうとするが、痛みで動けない。夢と同じ状況、赤城は絶望し、祈る事しかできなかった。
赤城「(運命は変えられないの?誰か、誰か提督を助けて!)」
赤城の脳裏に1人の男が思い浮かんだ。
瑞鶴『本当はダメなんだけど、少しだけ力を貸してあげる』
同時に瑞鶴の声が頭に響いた。
赤城「(瑞鶴さん・・・?)」
艦娘達も眼を覚ます。
ジェスター『終わりだぁー!』
その時、ダンテを拘束している触手を何者かが斬り飛ばした。ダンテは重力に従い落下、地面に着地した。
ジェスター『何だぁ!?』
ジェスターは突然の事に驚き、ダンテも触手を斬り飛ばした者を見る。赤城は驚いた。頭に思い浮かんだ男が現れたのだ。驚いたのは赤城だけではない。一部の艦娘達も驚いていた。
天龍「ムリだ、この状況で あいつまで出てくるなんて・・・」
皐月「でも、今 提督を助けてくれたみたいだよ」
その男は銀髪に蒼い衣を身に纏い、手には刀が握られていた。
赤城「バージル、さん・・・」
バージル「無様だな、ダンテ」
ジェスター『有り得ない!お前は神殿が造り出した存在のはず、どうして俺に逆らう!?』
バージル「残念だったな。どうやったかは知らんが、俺は神殿の呪縛から解き放たれている。貴様では俺を飼い慣らす事はできないという事だ」
記憶から具現化した偽物は、神殿と繋がってるジェスターの意のままに操れる傀儡となる。だがバージルは何故か そのシステムから外れていた。
艦娘達は予備のバイタルスターで回復、赤城、天龍、電にも使い、赤城達は動けるようになった。艦娘達はダンテの元に集まり、ダンテにもバイタルスターを使った。ダンテの体力が回復する。
ダンテ「何だよ、手伝ってくれるのか?」
バージル「勘違いするな、貴様を倒すのは俺だ。他の奴に敗けるなど許さん。それに、奴に従う道理もないからな」
傀儡は人格も正確にコピーする。バージルの性格では、システムから外れた時点でジェスターに従うはずはなかった。
ダンテ「あとからノコノコ出てきて主役気取りなのは同じだな」
バージル「では・・・奴の思惑通りにさせると?」
ダンテ「ハッ・・・有り得ないね」
ダンテは鼻で笑った。
艦娘達は2人が殺し合いをしていたのを知っている。どうなってしまうのかと、戦々恐々としながら2人の会話を静かに見守っていた。
ジェスター『俺は不死身だ、今さらバージルが出てきた所で俺には勝てないんだよぉ!』
バージル「気付いてないのかアーカム?貴様には1つだけ弱点がある」
ジェスター『そんなのある訳ないだろ!それからオレの名前はジェスターだ!』
バージル「愚かだな」
ダンテ「その話 信用できるのか?」
バージル「貴様よりはな」
ダンテ「そうかよ」
ジェスター『全員 消し飛ばしてやるよぉ!』
ダンテ「なら、仕切り直しだな!」
ダンテはリベリオンを構え、バージルも鞘に収まった刀、『閻魔刀』に手を掛ける。ジェスターの前に、2人の魔剣士が並び立つ。
次回も よろしく お願いいたします!