Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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そろそろ内通者をハッキリさせたいので、今回から そのための話を進めていきたいと思います。

361話です!どうぞ!


Mission361 外交公囊~暗殺のターゲット~

*病院 1月1日 10:25*

 

何者かに命を狙われ昏睡状態だったニコは、まだ目覚める事はなかった。

そんなニコの元に、ネロと明石が見舞いに来ていた。

 

明石「私は先生と話してきますから、ネロさんはニコさんの傍に居てあげてください」

 

ネロ「うん・・・」

 

ネロは今のように時々 見舞いに来てはいたが、ニコが救急搬送されてから ずっと元気がなかった。

喧嘩する事もあったが、今では大切な仲間で相棒でもあり、フォルトゥナでは家族とも呼べるほど近しい間柄にもなっていた。そんな彼女が狙われた事に少なからずネロはショックを受け、また責任を感じていた。

ニコは ちょっとした買い物だと言ってネロの同行を断り1人で行ってしまったが、無理矢理でも一緒に行けば良かったと、自分が居ればニコが狙われるのも未然に防げたのにと、自分の判断の甘さを悔やんでいた。

 

ネロ「ニコ、今日は新年だってさ。早く起きろよ・・・」

 

少しでも声が届くようにと話し掛けるが、意識の戻らないニコは静かに寝てるだけだった。

 

 

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム*

 

その頃オリーブ財団では、ブリーフィングルームにステフの召集を受けたダンテ、バージル、加賀、天龍、夕張、(たける)が集まっていた。

呼ばれた理由は次の任務の話で、正体不明の殺し屋を捕まえる事だった。

その殺し屋は正体不明である事から、バージルの時のように『容疑者218』と呼ばれている。

 

天龍「容疑者218?師匠の友達かよ」

 

バージル「そんな奴 知らん」

 

天龍「でも“容疑者215”だっただろ?」

 

バージル「そんな風に名乗った覚えはないから黙れ。ステファニー、さっさと用件を全て伝えろ。バカの お喋りが止まらなくなるぞ」

 

バージルの言い分に納得できず、天龍は文句を言おうと口を開きかけるが、夕張に口を塞がれ未遂に終わった。

 

ステフ「分かった。話を戻すわ」

 

ある年に、モサド諜報員がマドリードで殺害された。その2年後、ドバイで人権派弁護士か殺害される。更に2年後、東京でCIAの情報提供者が殺害された。これらの殺害は容疑者218の仕業であると考えられ、殺害前に標的に連絡を入れてから仕留めるのが共通の手口だった。

CIAは この殺し屋が国内で仕事をする情報を掴むも行き詰まり、オリーブ財団に依頼してきたのだ。ただし、雇い主も標的も判っていない。

 

ステフ「過去には、標的に“なぜカラスと机は似ているか?”というメールも送っていたわ」

 

天龍「はぁ?それ どういう意味だよ?なぞなぞか?」

 

夕張「私それ知ってる。『不思議の国のアリス』で出てくるセリフ」

 

天龍「もっと意味 分かんねぇ事になった。標的 殺してワンダーランドに ご招待ってか?ふざけやがって」

 

ダンテ「何にせよ迷惑な奴だな。おいステフ、そいつ捕まえたらギャラは出るんだろうな?」

 

ステフ「給料は渡してるはずだけど?」

 

ダンテ「ボーナスに期待したいもんだ」

 

ステフ「言っておくけど、Devil May Cry鎮守府の借金を肩代わりしたのは財団だって事を忘れないで」

 

そんな話は初耳だったため、ダンテは思わず加賀を見た。提督と秘書艦が不在だった鎮守府で、責任者として その辺りに詳しいのは彼女だった。

 

加賀「私達が財団に来る前に、提督が作った借金は全部 返済されてたの。だから私達は その・・・ステフには逆らえない」

 

ダンテ「そいつは また悪い提督だな」

 

加賀「あなたが作った借金なんだけど?」

 

ダンテ「何だ俺か」

 

借金を作った張本人であるダンテは笑っているが、それに巻き込まれていた日本艦の艦娘である加賀、天龍、夕張は誰1人として笑えなかった。

 

ステフ「ほら、任務の話に戻るわよ」

 

オリーブ財団の分析官は既に、インド外交官『ラジャン・パテル』が外交公囊で持ち込んだ資料に、容疑者218の次のターゲットの情報が入っているという手懸かりまで突き止めていた。

 

ステフ「その資料を受け渡すために、パテルと容疑者218が接触するはずよ。私達は その時を捕まえる」

 

天龍「それ俺達じゃないとダメなのか?」

 

ステフ「・・・不満?」

 

天龍「いや364日は働くよ。でも新年くらいは休みたいだろ?しかも今日は新年の1日目。これは休みだろ」

 

ステフ「今あなたの役目を決めた」

 

天龍「え・・・?」

 

パテルは今日、ワシントンで開かれる画廊のパーティーに出席し、そこで資料を受け渡す事までも突き止めてある。

つまりパテルに接触する殺し屋を捕まえるには、ダンテ達が着飾ってパーティーに潜入するしかない。

 

ステフ「天龍、ドレスを着て お上品な淑女に変身してもらうわ」

 

天龍「はぁー!?何で俺!?」

 

ステフ「女性らしく見えるように眼帯も外してもらうから」

 

天龍「それだけは嫌だー!!ドレス着るのも眼帯 外すのも全部 嫌だー!!」

 

天龍が逃げ出そうとしたので、ダンテは足を出して引っ掛けて転ばせた。

天龍は倒れたまま顔をガバッと上げ、ダンテを睨む。

 

天龍「何すんだよ?!」

 

ダンテ「お前のドレス姿、ちょっと見てみたい」

 

天龍はダンテの顔を見て一瞬で理解した。ダンテは悪い顔をしてる。ただ興味があって言ってるとかではなく、自分を辱しめようとするために言ってるのだと。

 

天龍「俺は見せたくねーんだよ!」

 

ステフ「何で そんなに嫌がるの?眼帯しなくても眼は問題ないでしょ?」

 

天龍「ないけどぉ・・・」

 

ステフ「なら眼帯 外すくらい簡単でしょ?」

 

天龍「その、傷があるからぁ・・・恥ずかしくて・・・」

 

天龍は人差し指と人差し指の指先をツンツンしながら気まずそうに言うが、ステフには考えを改める理由にはならなかった。

 

ステフ「なら問題ないわね」

 

天龍「何で そういう結論になんだよ!?恥ずかしいって言ってるだろ!」

 

ステフ「傷が見えなければいいのよね?ならメイクで隠すから平気でしょ?」

 

天龍「で、でも!」

 

天龍は抗議を続けるが、それを無視してステフは誰かに電話を掛け、ブリーフィングルームに来るように言った。すると既に部屋の前で待機してたのか・・・

 

愛宕「はい、ぱんぱかぱーん!」

 

ご機嫌で元気一杯の愛宕が現れた。

この後の流れが想像できた天龍は、愛宕を見ながら顔を引き攣らせている。

 

ステフ「じゃあ頼んでた通り、あとは宜しくね」

 

愛宕「はーい、私に任せてー♪じゃあ天龍ちゃん、行きましょうか♪」

 

天龍「行かねぇー!!俺で人形遊びするつもりだろ!!絶対 行かねぇからな!!」

 

ステフ「はい しゅっぱーつ!」

 

天龍「嫌だーー~~!!!」

 

天龍は抵抗も空しく、襟首を掴まれ そのまま引き摺られていった。

実は天龍を着せ替え人形にする準備は既に整っていて、今回 愛宕だけでなく他の艦娘も数人が艦娘寮でスタンバイしている。

艦娘寮へと連行された天龍は、これから彼女達に囲まれ玩具に・・・任務のために淑女らしく大変身させてもらう事になる。

その後は、香取から淑女らしい振る舞い、歩き方や喋り方のレッスンの予定も入っている。

 

ダンテ「ステフ、俺は このままでいいか?」

 

バージル「俺もだ」

 

ステフ「何で?!」

 

「「面倒だ」」

 

ステフ「・・・・・・・・・」

 

夕張「(そこ声 揃えなくても・・・)」

 

加賀「(こんな時だけ意気投合する双子ね・・・)」

 

天龍だけでなく、ダンテとバージルもタキシードを着るのを拒否し始めたので、ステフは冷たい眼差しで2人を見詰め、加賀と夕張は困った表情をし、健は興味がないのか黙々と情報収集に勤しんでいた。

 

 

・・・・・・

 

*食堂 13:03*

 

愛宕「皆ちゅうもーく!」

 

昼、昼食でオリーブ財団の職員の多くが集まってきてる時間、愛宕が現れ皆の視線を集める。

そして遅れて現れたのは、ドレスを着た見慣れない女性だった。

 

時雨「あの人 誰だろ?」

 

暁「うわ~、綺麗・・・」

 

愛宕「実は~、この娘は天龍ちゃんでーす!」

 

『・・・・・・・・・えぇーーーー!!??』

 

目で認識してる人物と、教えられた名前の人物と合致しなかったのか、脳が認識を処理するのに時間が掛かり、その場に居た者達は間を空けてから驚く事になった。

しかも全員、驚き過ぎて昼食が載ったトレイを落とし、床に昼食が撒き散らされる。

今の天龍は、薄い紫色のタイトドレスを着てメイクも施され、エクステで髪も長くなっていた。

あまりに見違えた姿に、ダンテとバージルも唖然としてる。

 

鬼怒「絶対 嘘だ!天龍が そんな可愛くなるはずがない!」

 

阿武隈「とんでもない偏見なんだけど・・・」

 

天龍「うぅ~・・・///////」

 

愛宕「ほら天龍ちゃん、皆に ご挨拶して」

 

顔を真っ赤にして恥ずかしがってる天龍は、既に香取のレッスンを受けた後だった。レッスンの成果を今こそ見せる時だ。

 

天龍「ぅ・・・天龍でございますですわよぴょん・・・///////」

 

龍驤「語尾 渋滞しとるやんけ」

 

飛龍「何で“ぴょん”入れた?」

 

熊野「それは卯月のせいですわ」

 

長月「余計な事するなよ」

 

卯月「可愛くなるなら うーちゃんの真似するのが手っ取り早いぴょん」

 

摩耶「お前のは特殊過ぎるんだよ・・・」

 

ステフ「まぁ、喋り方は最悪 黙ってたら どうにかなるわ。歩き方は どうなの?」

 

ステフに問われ、愛宕は無言で天龍を見る。その目は実演しろと言ってる目だった。

天龍も それが分かっていたからか歩き出すが・・・

 

瑞鶴「ちょいちょいちょいちょいちょい!何か おかしいって!」

 

電「凄くフラフラしてるのです」

 

陸奥「ガニ股で歩くのやめなさい!」

 

鳥海「な、中が見えちゃうから!///////」

 

金剛「提督は見ちゃダメデース!」

 

間宮「めっ!」

 

慣れないハイヒールを履いての歩行で天龍は、指摘された通りガニ股になりフラフラしながら、転けないようバランスを取って へっぴり腰になっていた。例えるなら、歩くのに介助が必要な老人である。若しくは・・・新種の化け物。

そしてダンテとバージルは、金剛と間宮の手で目を塞がれ、何も見えなくなった。

 

天龍「こ、これ・・・歩くの大変なんだぞ・・・!」

 

香取「口調が元に戻ってる!」

 

天龍「こ、こちらの お履き物で歩くのは・・・と、とても大変でごぜーますでやんす・・・」

 

龍驤「だから語尾どうにかならんのか?」

 

由良「途中まで いい感じなのに」

 

天龍「な、ならんのやですわ」

 

龍驤「関西弁 混ぜてくるなや!普通に喋れや!」

 

天龍「む、無理~・・・」

 

日向「一言だけ喋って乗り切る作戦に出たな」

 

レッスンは受けたが、短い時間では どうにもならないらしい。

ただし本番は今日の夜であるため、残りのレッスンの時間も それ程ない。

 

ステフ「昼食なんて食べてる場合じゃないわ。ぶっ通しで皆で鍛えるわよ!」

 

天龍「お、俺だって飯くらいは食いてぇよ!」

 

香取「口調!」

 

天龍「私も お食事パクパクしたいですわ!」

 

皐月「パクパク!?」

 

吹雪「今度は語尾じゃない部分が変に・・・」

 

長門「お前は もっと自然に喋れんのか?!」

 

天龍としても、できるなら自然と上品に喋りたいが、もう恥ずかしさで冷静な思考もできないため、落ち着いて喋るのも難しい状態だった。

 

天龍「無理~・・・」

 

伊勢「一言作戦に逃げるのも良くないよ」

 

龍田「きゃー!天龍ちゃん可愛い~!♪」

 

青葉「目線こっちくださーい!」

 

青葉と龍田は、天龍が来てから ずっと自前のカメラやスマホで写真を取り続けていた。

 

天龍「と、撮るんじゃねぇよ!///////」

 

香取「口調!」

 

天龍「と、撮るんじゃねぇざます!///////」

 

叢雲「龍田さんと青葉さん、撮るの後にしてもらっていいですか?」

 

龍驤「これ、あと数時間で どうにかなるんか?」

 

『・・・・・・無理かも・・・』

 

そして昼食も忘れて、艦娘達とステフによる天龍を淑女にする特訓が進められ、いざ本番!

 

 

・・・・・・

 

*ロサンゼルス パーティー会場 19:35*

 

有名な画家の絵が飾られた画廊パーティーに、普段着のままのダンテとバージル、パーティードレスを着た加賀、天龍、夕張、ステフが問題なく潜入していた。

全員シャンパングラスなどを持ち、他の招待客に混じってパテルを探す。

ダンテと加賀はペアで行動し、バージルと天龍もペアを組み、夕張とステフは単独で それぞれの場所に居る。

ただ、全員イヤホン型無線機を着けているため、離れていても それで会話が可能だった。

 

ダンテ「この中で1人を探すのか。骨が折れそうだ」

 

加賀「提督、シャンパンばかり呑んでないで、絵も見て回らないと怪しまれるわ」

 

ダンテ「こういうのは よく分からねぇな。こんな意味不明な絵に億の値が付くなんて どうかしてるぜ」

 

夕張『提督は知らないだろうけど、これ全部 有名な人が描いた貴重なコレクターズアイテムよ。金持ちが喉から手が伸びるほど欲しがる逸品ばかり』

 

ステフ『天龍、パーティーは楽しんでる?』

 

天龍『頼むから話し掛けんな・・・』

 

艦娘達とステフによる ぶっ通しの厳しいレッスンの甲斐もあり、天龍は動作などの振る舞いは上品になったのだが、言葉遣いだけは改善できず、喋ると すぐボロが出る状態だった。

 

バージル『天龍、歩くのが遅い』

 

天龍『もっと ゆっくり歩いてくれ~・・・』

 

ステフ『その調子で頑張って』

 

そんな中、ダンテは1枚の絵が気になり足を止め、顎を擦りながら興味深そうに その絵を見詰める。その絵は人が描かれているのだが、肌は人とは掛け離れた紫色が使われ、目と口が黒く塗り潰され人とは思えぬ不気味な雰囲気の世界観だった。

 

ダンテ「見ろよ加賀、これ あれだろ?自分で作ったカレー食べて死にかけてる比叡だ」

 

加賀「お願いだから提督、あまり大きい声で そういうこと言わないで。恥ずかしい・・・///////」

 

トンチンカンな事を言うので、周囲に居た招待客から妙な顔をされ注目を浴び、加賀はダンテと行動を共にするだけで恥ずかしい思いをさせられる。

 

加賀「もう絵はいいから、料理の方を見ましょう///////」

 

ダンテ「何だ、腹減りか?」

 

加賀「だから もう大きい声で喋らないで・・・///////」

 

兎に角 恥を掻きたくない加賀はダンテの腕を引っ張り、彼が余計な事を言わなさそうな場所を探して移動する。

すると、皆の無線にオリーブ財団に残っていた健から連絡が入る。

 

健『パテルは今日、赤い上着を着てる。赤い上着を着た人をマークして』

 

夕張『・・・居た。11時の方向』

 

天龍『こっちも居た。3時の方向』

 

バージル『5時の方向だ』

 

ステフ『私の近くにも居る』

 

加賀「こっちの方でも1人・・・」

 

『・・・・・・え?』

 

健『おい嘘だろ!?5人も居るのかよ!普通そんな被る!?』

 

ダンテ「俺 入れたら6人だ」

 

ステフ『その どれかがパテルよ。容疑者218は どこかのタイミングで接触してくるはず。先ずはパテルの顔を確認して』

 

ステフに言われ、ダンテ達は早速 行動を開始する。

ステフはターゲットの1人に近付き、肩を ぶつけてグラスを落とす。

 

男「ああ、すみません」

 

ステフ「いえ、気になさらないで」

 

ステフは男から離れ、無線でパテルではなかった事を報告する。

ダンテと加賀の方は、ダンテが周囲に怪しい人物が居ないか警戒し、加賀が男の顔を確認するために接触を試みる。

テーブルを挟み、料理を物色する男の前に立ち、加賀も料理を取る振りをして男の顔を確認する。

男と目が合うと、加賀は微笑み誤魔化すと その場から立ち去った。

 

加賀「こっちも違った」

 

そしてバージル、天龍、夕張も それぞれ確認したが、どれもパテルの顔とは一致しなかった。

 

ダンテ「どうなってる?」

 

ステフ『健、間違いないんでしょうね?』

 

健『ちゃんと監視カメラで確認したよ。・・・ちょっと待って。パテル今 来たみたい』

 

出入り口の方を見ると、赤い上着を着たパテルが丁度 入ってきたところだった。

そして手には外交公囊を持っており、上着の内ポケットに入れるのを夕張が見ていた。

 

ステフ『パテルは外交公囊を持ってる?』

 

夕張「今 内ポケットに入れた封筒、きっと あの中にターゲットの資料が入ってる」

 

ステフ『容疑者218が接触するのを待つのよ。絶対 目を離さないで』

 

するとパテルは、突然パーティー会場から出ていこうと出口に向かって動き出した。

容疑者218の姿は見当たらないが、このまま帰られると作戦が台無しになる。仕方なく暗殺のターゲットの資料だけでも確保するため、ステフからGOサインが出た。

ダンテ達はパテルを捕まえるために急ぐが、他の招待客が邪魔で すぐには近付けなかった。

 

天龍「パテル、待ちやがれ!」

 

天龍が大声で呼び止め振り返ったパテルは何かを察したのか、急いでパーティー会場から逃げようとする。上手く近付けないため、このままでは逃げられてしまう。

他の招待客は何だ何だと誰もが立ち止まり、動きが止まった隙に、ダンテは休憩用に置かれてた椅子を蹴り飛ばす。椅子はパテルの前に立ち塞がるように転がり、パテルが慌てて止まった瞬間、天龍と夕張が飛び掛かって確保した。

しかし、1つ問題が発覚する。

 

天龍「え、あ、あれ?こいつ上着は?」

 

いつの間にかパテルは、赤い上着を脱いでいて その上着も行方不明だった。あれには暗殺のターゲットの資料が入っている。無くなっては困るのだ。

夕張は立ち上がって周囲を見渡す。すると、赤い上着を着た男がパーティー会場から出ていくのが見えた。

 

夕張「パテルを お願い!」

 

天龍「おい、どこに行くんだよ!?」

 

夕張は弾かれたように、赤い上着を着た男を追う。

そしてステフに頼まれたダンテとバージルも、その後を追った。

天龍とステフは、パーティー会場の混乱を鎮めるのとパテルの拘束で、このまま残る。

夕張の予測では、容疑者218は資料の入った上着をパテルから受け取り、それを着て招待客を装って姿を眩ますつもりなのだろう。つまり赤い上着を着て出ていった男が、容疑者218という事だ。

男は逃げるため全力で階段を駆け下り、ダンテ達も それを追って駆け下りていた。

バージルは閻魔刀を出し抜刀しようとするが、ダンテにタックルされ壁に押し付けられた。

 

ダンテ「殺すな!」

 

バージル「バカが、逃げられるぞ!」

 

兄弟喧嘩を始めてしまうダンテとバージルを通り過ぎ、夕張は1人で男を追う。だが、男の足は驚くほど速く、追い付けそうになかった。

夕張は手摺から身を乗り出し下を見る。下を走る男は、金属の手摺に手を置きながら階段を駆け下りている。

夕張は艤装を展開して、天井近くを通る電気ケーブル2本を腕力だけで引き千切る。

断線した部分を接触させて まだ通電してるか確認すると、電気ケーブルを手摺に接触させた。すると手摺を触っていた男が感電し、弾かれるように壁に吹き飛ばされると、階段の1番 下まで転げ落ちていった。

夕張は急いで下まで行くと、落ちた男の姿が消えていた。どうやら首の骨を折って死んだり気絶する事もなく、そのまま逃げたようだ。

だが床には、男が落とした資料らしき物が落ちていた。慌てて逃げた時に落としたのだろう。

夕張が それを拾うと、それは次の暗殺のターゲットの写真だった。

 

夕張「嘘・・・」

 

そこに写っていたのは、夕張だった。




しばらく人間を相手にした話が続いてしまうので、できるだけ早いペースで投稿して進めていきたいのですが、どれだけ早く投稿できるか分からず次の予定日を定められないため、次回の投稿予定日は未定とします。
暇を見て投稿させていただきます。

次回も宜しく お願い致します!
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