362話です!どうぞ!
CIAは数々の暗殺を成功させてきた謎の殺し屋、容疑者218の調査をしていたのだが、今度は国内で仕事をするという事まで突き止め調査が行き詰まった。そこでCIAは、この調査をオリーブ財団に依頼してきた。
オリーブ財団は、インド外交官ラジャン・パテルが外交公囊で持ち込んだ資料に、容疑者218の次のターゲットの情報が入っているという手懸かりまで突き止める。
そして資料の受け渡し場所となる画廊パーティーに、ダンテとバージル、加賀、天龍、夕張、ステフが潜入する。
パテルが逃げようとしたところを捕まえるが、既に受け渡しは終わった後だった。
容疑者218と思われる男を追ったが、逃げ足が速く取り逃がしてしまう。
逃げる時に落としたであろう資料を確認すると、そこには次の暗殺のターゲットである夕張の写真が写っていた。
*オリーブ財団 取調室 1月1日 22:37*
オリーブ財団が所有する飛行機でロサンゼルスまで戻ったダンテ達は、オリーブ財団へと帰ってきていた。
パテル「私は本当に何も知らないんだ!」
連れて帰ったパテルをステフが尋問したが、彼は本当に何も知らなかった。雇い主は不明で封をされた外交公囊が届き、それを上着に隠し指定場所に運んだだけで、彼は ただ利用されたに過ぎない。
ステフは これ以上は無駄だと判断し、取調室から退室した。
*ブリーフィングルーム*
その頃ブリーフィングルームには、画廊に潜入していたダンテ達に加え、青葉が一緒に居た。
ただ、青葉も軽い尋問を受けていた。
容疑者218が落とした写真に、夕張は見覚えがあった。あの写真は、青葉が個人的に撮った夕張の写真だったのだ。
夕張「青葉さん、どういう事か説明して」
青葉「説明って言われましても・・・」
バージル「お前しか持ってない写真が殺しの依頼で殺し屋に渡った。もう言わなくても明白だとは思うが?」
青葉「それって・・・青葉が夕張さんの暗殺を依頼したと思ってるんですか!?」
バージル「他に誰が あの写真を持ってる?」
青葉「ちょっと待ってください、違います!青葉は そんなこと・・・。司令官なら分かってくれますよね・・・?青葉を信じてください!」
ダンテ「・・・・・・・・・」
青葉「司令官・・・?」
ダンテ「どっちにしても厄介な事にはなった」
ダンテとしても、青葉を信じてない訳ではない。
しかし今、オリーブ財団には内通者が居るという疑いがあり、ピリピリしてる部分もある。そのタイミングで青葉しか持ち得ない写真が流出したのは、非常にマズい状況であると言えるだろう。
ステフの あの性格だ。組織の内部崩壊を未然に防ぐため、疑わしき青葉を拘束して徹底的に取り調べるだろう。
青葉「青葉が内通者・・・?ち、違います!これは何かの間違いです!青葉じゃ・・・青葉じゃないのに・・・!」
青葉は これから来る未来を想像し、仲間であり家族と思ってる者達から疑われ、遂に泣き出してしまう。
ダンテ「お前の事は信じちゃいるが、ステフを止めるのはムリだ」
天龍「俺だって疑いたくはねぇけど、何か無実を証明する物とか無いのかよ?」
青葉「そ、それなら・・・」
青葉の話では、写真は全部アルバムにして保管してあり、同じ写真が出てきたら疑いを晴らせるかもしれないと答えた。
天龍が早速 青葉型の部屋に確認してこようとしたが、加賀に待ったを掛けられる。
加賀「それだけじゃ弱いわ。ネガがあれば焼き回しはできる。同じ写真は何枚でも用意できると言われて潔白の証明にはならないわ」
青葉「それじゃあ、青葉は どうなっちゃうんですか・・・?」
『・・・・・・・・・』
青葉「教えてください!青葉は どうなっちゃうんですか?!どうしたらいいか教えてくださいよ!!」
青葉はヒステリックに声を荒げるが、それに答えられる者は1人も居らず、ただ青葉から目を逸らし沈黙するしかなかった。
そこに、取調室から戻ったステフが、オリーブ財団の特殊部隊を連れて現れた。
ステフ「青葉、悪いけど拘束させてもらうわ」
青葉「え、嫌・・・青葉じゃありません!本当に違うんです!」
隊員達が青葉を拘束しようとし、青葉は必死に抵抗して暴れる。
隊員達が青葉の動きを封じるのに手こずってると、ステフが近付き両手で青葉の顔を挟んで自分の方に向かせる。
ステフ「青葉、落ち着いて聞きなさい。あなたじゃないと私も信じたい。でも あなたや皆を護るためには、今は こうするしかないの。今は大人しくして、言う通りにして」
青葉は やっと大人しくなり、隊員達に連れられブリーフィングルームから出る。
すると、部屋の外で心配そうに立っていた衣笠と目が合った。
衣笠「青葉・・・」
青葉「ガッサ・・・青葉じゃ・・・青葉じゃないのに・・・!」
衣笠「うん、分かってる。分かってるから・・・」
隊員「さぁ、行きましょう」
衣笠と顔を合わせ また泣いた青葉は、隊員達に連れられ衣笠から離れていく。
その背中を見ていた衣笠は、姉妹に何もしてあげられない悔しさから、拳を強く握り締めるのだった。
だが おかしな事に、数名の隊員は まだブリーフィングルームに残っていた。
夕張「どうやら私が狙われてるみたいだし、私を囮に誘き出す?」
ステフ「あなたは しばらく待機よ」
夕張「・・・え、何で?」
ステフ「あなたは命を狙われて危険なのよ。自由に外を出歩かせる訳にはいかないの」
夕張「ちょっと待ってよ。皆が危険な目に遭うかもしれないのに、私だけ安全な場所に隠れてろって言うの?」
ステフ「そうよ」
容疑者218は、夕張が艦娘である事も既に知ってるはずだ。
闇市で艦娘と艤装の繋がりを断つ特殊弾が出回ってる事から、奴も その特殊弾の用意をしてる可能性がある。艦娘と言えども、安全の保証はないのだ。
そして夕張も隊員達に拘束され、ブリーフィングルームから連れ出されてステフと、どこかに行ってしまった。
・・・・・・
*取調室 23:16*
そして夕張が連れてこられたのは、パテルが入ってるのとは別の取調室だった。
普段ならテーブルなどが置かれているが、椅子以外は全部 片付けられ、コンクリートに囲まれてるだけの部屋になっていた。
夕張「・・・全部 片付けたの?」
ステフ「そうよ。あなたの事だから、予想もしない物で脱出しようとするでしょうから。どんな物も あなたの傍に置いとけない」
すると隊員が夕張の持ち物であるスマホとマルチツールナイフを没収する。
夕張「携帯まで取るの?」
ステフ「分解して脱出するための道具を造るでしょ?」
ならば他に脱出する手はないかと、夕張は壁や天井など部屋の中を見渡してみる。
すると換気口に目が止まったが、よく見てみると換気口を塞ぐカバーが いつもとは違い、細工が施されていた。
夕張「ネジ止めじゃなくなってる」
ステフ「そうよ。ネジ穴を塞いで溶接で止めてあるから、道具でカバーを外す事はできない」
夕張の考えと行動を先読みしていたステフは、夕張を ここに閉じ込めるために部屋を改造していた。いくら夕張のためでも、これでは牢屋と同じだ。
次に夕張は、唯一 残されていた椅子を見た。
ステフ「流石に その椅子で脱出するのはムリでしょ?」
夕張「うん、椅子じゃ ちょっとね・・・」
ステフ「床に座らせるのは可哀想だから、そこに座って ゆっくりしてなさい」
夕張「この短時間に よく ここまで準備できたね。流石に私も お手上げ。ここで大人しく待ってるよ」
ステフ「・・・それは本心?」
夕張「うん、私の負け。やっぱりステフには敵わないね」
ステフ「財団の一員なら分かってると思うけど、扉は電磁石錠で、ここも内側からは開けられないようにしてあるから諦めなさい」
夕張「分かってるよ、もう諦めてる」
夕張は弱々しい微笑を浮かべるが、ステフからすれば その笑みが、逆に嫌な予感をさせていた。
だが ここまで徹底すれば、流石の夕張でも脱出できないだろうと信じ、隊員達を連れて取調室から出た。
そして鋼鉄の扉が固く閉められ、コンクリートの壁の中に埋まる電磁石錠が作動してロックが掛かる。
ステフが居なくなった瞬間、夕張は すぐに行動に出た。
夕張「(監視カメラがあれば分解して道具は造れたけど、流石に外してるか。まぁ でも、それなら それで好都合かな。何やっても見られないし)」
夕張は椅子の上に立ち、天井を何度も殴る。天井はコンクリートではないため、何度か殴ると穴が空いた。
夕張には何か目的の物があるのか、穴に腕を突っ込み何かを取ろうとする。
指先に何かが触れ、必死に それを外して手繰り寄せると腕を引き抜いた。手に握られてたのは針金だった。
吊り天井には針金が使われている。分解するためのツールは全て取り上げられたが、分解するための道具なら この針金1本で十分だ。
夕張「(換気口に目を付けたのは流石だけど、次からは天井裏も注意しないとね)」
幼い頃、“コンセントに金属を差し込んじゃ駄目だ”と言われた人も居るだろう。全く その通りだ。
だが、それ以上の事は言われてないのでは?
“中身を引っ張り出して、その奥に金属を差し込んで中から電気配線を取り出すな”って事は。
夕張は針金を曲げて形を整えると それを使って、壁に埋め込まれた扉の操作盤を外して中から配線を引き摺り出す。
フラットケーブルは、機器を構成する部品を繋ぐのに便利な物だ。用途としては、ロックを解除する操作盤とか。
暗証コードが5桁あった場合、組み合わせがあり過ぎて延々と格闘するとこだが、既にコードを知っていれば、あとは入力するだけだ。
フラットケーブルで直接 暗証番号を入力すると、電磁石錠が動きロックが解除され、扉が自動で開いた。
夕張は ざまぁ見ろと笑みを浮かべ部屋から出るが、出た瞬間に笑みが消えた。刀を肩に担ぐようにして持つ天龍が立っていた。
天龍「やっぱり逃げ出しやがったな、この野郎」
夕張「・・・ステフに見張るように言われたの?」
天龍「そんな面倒なこと誰がするかよ。行きたきゃ勝手に行け、止めやしねぇよ。それにステフには“ここに近付くな”って言われたから、俺は ここに来てないし お前が逃げるのも見てない」
見逃すつもりだと分かり、夕張は すぐにでも容疑者218を捕まえるために、天龍を通り過ぎて行こうとする。
天龍「おい、これ取り返しといてやったぞ」
呼び止められ、渡されたのはステフに没収されたスマホとマルチツールナイフだった。
天龍「俺に お前の持ち物 預けるなんて、ステフは全部お見通しだぞ」
夕張「だろうね」
ステフは結局 夕張が脱出するであろう事も予測していた。
そして情に熱い天龍なら、夕張の脱出を手伝うだろうと考え、わざわざ天龍に夕張の持ち物を預けていた。
立場的に直接 口には出せないが、ステフは夕張の力になれという意味で渡していたのだろう。
夕張「ステフや皆は?」
天龍「本土に深海棲艦が接近中で、一部の艦娘は迎撃に向かった。残りはステフと
夕張「どんどん おかしな事になってる」
天龍「あぁ、タイミング悪過ぎ。おい、駐車場 行くぞ」
夕張「え、何で駐車場?」
天龍「移動するのに車が要るだろ。財団の車で行く」
そう言いながら、天龍は車のキーをヒラヒラさせながら見せびらかす。
夕張「車まで よく借りれたわね」
天龍「大淀 誤魔化すの大変だったぞ」
・・・・・・
*ロサンゼルス 街23:45*
車に乗って街に出た天龍と夕張は、夜の街を ひたすら走り回っていた。
運転する天龍は そういえばと、結局どこに向かえばいいか疑問に思い夕張に訊くが・・・。
夕張「・・・・・・あ、携帯の電源 入れてなかった」
天龍「今そんなの どうでもいいだろ!」
夕張「でも何か連絡 入ってるかもしれないし」
天龍「結局どこに行けばいいんだよ?」
夕張「考え中。とりあえずグルグル走っといて」
天龍「んな呑気な・・・」
夕張がスマホの電源を入れると、1通のメールが来ていた。開いて確認すると、文章には『峠の我が家』の歌詞の一部だけが送られていた。
差出人不明のメールに、意味深な文章。その不可解な特徴から、容疑者218が送ってきたものだと推測できる。
天龍「全く意味が分からねぇな。どういう意味だ?」
夕張「ずっと考えてたんだけど、歌詞自体には意味はないのかも」
これまで容疑者218のターゲットになった者にも不可解な文章のメールが入っていたが、殺された彼らとメールの内容で一致するような事は何も見付けられなかった。
夕張「文章の元になってるのがヒントかも」
天龍「『峠の我が家』って事は・・・家か?」
夕張「ニコが入院してから、健がニコのスマホ調べたらしいんだけど、差出人不明の意味の分からないメールが来てたって」
天龍「って事はニコを狙ったのと同じ奴か。お前にも電話してきたんだろ?」
夕張「うん、奴の狙いはDevil May Cry鎮守府。容疑者218の次のターゲットは私。同じ奴かも」
天龍「だとしても、どうやって そいつ見付ければいい?家って言われても難しいぞ」
もしニコを狙った者と容疑者218が同一人物で、Devil May Cry鎮守府の面々が狙いであるならば、家をヒントに密接な繋がりがある者が居る場所に、容疑者218も居る可能性がある。
ステフと呉提督、刹那とオリーブ財団の職員は、厳密にはDevil May Cry鎮守府ではないので恐らく関係ない。
ダンテとネロ、バージル、Devil May Cry鎮守府の艦娘が この世界で“家”と呼べるとしたら、それは鎮守府だ。
だが今の彼らは鎮守府から離れ、アメリカへと来ている。容疑者218がアメリカで仕事をするつもりなら、日本には行かないはずなので彼らも違う。
その線から考え、今 日本に帰国中の呉提督も違う。
夕張「こっちで ちゃんとした家に住んでるのは?」
天龍「・・・・・・
健は こっちに来てからオリーブ財団の手配で、CIAが使わなくなった隠れ家に特別に住まわせてもらっていた。
バージルと共にオリーブ財団に来た刹那も、こっちで住む場所がないからと健と同じ家で同居している。
だが刹那は、ステフと一緒に容疑者218の手懸かりを追って行動してる。
健は画廊パーティーでの任務を終え、既に帰宅した後だった。つまり今 家には、健1人だ。
「「健が危ない!」」
天龍はドリフトUターンし、車の屋根に回転灯を付けて健の家に急ぐ。
容疑者218の最終的な狙いがDevil May Cry鎮守府の全員だとするなら、夕張ではなく別の者を先に狙う可能性だってある。奴からすれば、順番が前後する程度の誤差だろう。
そしてヒントから考え、今の状況から狙われやすいのが健だった。
*健と刹那の自宅*
仕事から帰った健は、キッチンで夜食の準備をしていた。この後オンラインゲームを朝までするつもりなので、そのための用意だ。
するとインターホンが鳴り、健は一時中断して手を拭く。
健「分かったって、今 開けるよ」
何度も何度もインターホンを鳴らされ、健は呆れながら玄関へと向かう。
健「鍵でも忘れた?持ち物の確認ぐらい━━」
刹那が帰ってきたと思っていた健が玄関を開けると、そこには刹那ではなく見知らぬ男が立っていた。
健「・・・どうも」
男「やぁ、私は夕張の同僚でね。君の同僚でもある」
健「・・・へぇ。何で僕の家に?」
男「大事な話があって来た。入っても、いいかね?」
健「え、あ・・・どうぞ」
オリーブ財団の職員だと思った健は男を中に入れ、キッチンの方に向かう。
大事な話があると言っておきながら、男はリビングを見て回りながら何も言わない。
健「見た事ない顔だけど、研究フロアの人?」
男「人事部の仕事だよ」
健「じゃあ採用する人?僕の時も あなたが?」
男「いや、どちらかと言うと
健の顔は強張った。クビを切る人事部の人間が来たという事は、自分がオリーブ財団をクビになる話かと思った。
給料的にも失業するのは惜しいので、健は どうにか この男の機嫌を取る作戦に出る。キッチンから離れ、男に近付く。
直後、キッチンに置いたままのスマホに夕張からの着信が入るが、健は気付かなかった。
健「あの、良かったら・・・今 夜食 作ってて食べます?」
男「悪くないね。いただこう」
健「今オーブンで焼いてるから少し待ってもらえたら・・・。それで、ここに来たのは、僕をクビにするため?」
男「いや、そうじゃない」
健「・・・じゃあ何?」
男「死んでもらう」
男は銃を抜き、健の顔に銃口を向ける。それを見た健は、慌てて両手を挙げて降参のポーズをする。
健「おい何だよ!?銃なんて仕舞えよ!」
男「殺す前に、君には訊きたい事がある」
健「言うから早く出てってよ、何が聞きたいの?無料でエロサイト見る方法とか?」
男「夕張の居場所だ」
健「同僚なら自分で把握すれば?」
男「実は同僚ではないんだよ」
健「騙して家の中に入りやがって・・・最悪」
男「夕張の居場所は?」
健「言ったら殺さずに出てってくれる?」
男「言っても言わなくても殺す」
健「何だよ それ!?」
男「早く言うんだ」
健「分かった、分かったから言うよ!彼女は・・・暗黒卿に言われて宇宙で『デ◯スター』の開発 急いでる。暗黒卿って知ってる?吐息音ハンパないヤバい奴」
素直に夕張の居場所を言うつもりのない健は、ジョークで時間を稼ごうとした。
それに男は怒る訳でもなく、銃の撃鉄を下ろした。
男「では君には死んでもらおう」
健「ちょっと待って!」
その瞬間、停電が起き家の中が真っ暗になる。
健は咄嗟に男を殴り、キッチンへと急ぐ。銃撃されるが、健は どうにか物陰に隠れた。
直後、裏口から突入してきた天龍と夕張が現れ、健が隠れる物陰に一緒に隠れる。
天龍「健、無事か!?」
健「無事じゃないよ、銃で撃たれてんのに!」
夕張「どこか怪我したの!?」
健「いや、怪我はしてないけど!」
天龍「紛らわしいこと言うんじゃねぇ!」
健「知ってる?!財団ってクビにする時 殺すらしいよ!人事部の奴が僕を殺そうとしてる!」
天龍「んなアホな事あるか!」
夕張「あいつは私達が追ってた容疑者218!」
健「嘘だろ!?プロの殺し屋 家に上げちゃってたのかよ!何で僕の家に来るんだよ、おかしいだろ!」
夕張「あーヤッバい。時間切れ」
銃撃されながら話してると、家の明かりが元に戻った。
銃撃も止まっていたため、天龍と夕張が物陰から顔を出して様子を見ると、容疑者218が姿を現すが、奴はマスクを被りながら今度はマシンガンを撃ってきた。2人は慌てて物陰に頭を引っ込める。
天龍「何で あいつジョージ・ワシントンのマスク被ってんだ!?大統領に殺されるなんて冗談じゃねぇぞ!」
夕張「何で あいつが あのマスク持ってんのよ!?」
容疑者218が被っていたマスクは、夕張と明石、ニコで他人に変装できるマスクを作ろうという話になった時、その試作として作られた大統領シリーズのマスクの1つだった。
あのマスクはオリーブ財団の研究フロアで管理されているため、殺し屋が持ち出して使うなど普通なら不可能なのだ。
天龍「お前ら変なの作るなよ!」
夕張「あれは試作段階だから出来は良くないの!完成品は天龍にも化けれるぐらいクオリティ高くなる予定!」
天龍「俺のマスクは作るな!」
健「そんなの どっちでもいいから!あいつ どうにかしてくれよ!」
天龍「砲撃で吹き飛ばしていいか?!」
健「僕の家が壊れるだろ!」
天龍「もう穴だらけで壊れてるだろうがよ!」
夕張「あいつは生かしたまま捕まえる!圧倒的に情報が足りないから あいつから聞き出さないと!」
天龍「じゃあ どうする?!」
そう言われ、夕張は未開封のワインボトルの栓を抜き、天龍に差し出した。
夕張「半分だけ残して呑んで」
天龍「何で呑ませる!?」
夕張「だって、捨てるの勿体ないから」
天龍「酔っ払ったら あいつ倒せねぇぞ・・・」
仕方なく天龍は、ワインが半分まで減るように次々と呑んでいく。
天龍が顔を真っ赤にしながらも5本のワインボトルを半分まで減らすと、夕張が仕上げの作業に取り掛かる。
ペットボトルロケットは、ペットボトルの空気圧を高めると空に舞い上がる。今回は それを、ワインボトルで代用する。
そしてワインボトルロケットの準備が終わると、容疑者218に向けてキッチンのカウンターに置く。
銃撃されながらも向きを調節して栓を外すと、ワインボトルロケットが発射される。しかし外れた。
次々と狙いを定めて発射するが、4発を外し残り1本となる。
夕張「当たれ当たれ当たれ当たれ・・・!」
最後のワインボトルロケットを飛ばすとクリーンヒットし、容疑者218は窓を突き破って外まで吹き飛んだ。
夕張は急いで窓に駆け寄るが、マスクだけが残され奴の姿は消えていた。
内通者が発覚するまではできるだけ毎日投稿したいんですが、時間の都合など合間を見てできるだけ早く投稿できるようにします。
次回も宜しくお願い致します!