すみません、短い間隔ですが日付が変わったので投稿します。
363話です!どうぞ!
容疑者218に命を狙われてる事から、夕張はオリーブ財団の取調室に軟禁された。しかし、機転を利かし取調室から脱出する。
脱出する事を見越していた天龍と共に車に乗り、夕張は当てもなく街へと向かう。
途中、夕張がスマホの電源を入れてない事を思い出し電源を入れると、差出人不明の奇妙なメールが来ていた。
それが何を意味するのか、Devil May Cry鎮守府で該当しそうな人物を考えた結果、既に仕事を終わらせ家に帰った
その頃 健の家では、殺し屋である容疑者218が、夕張の同僚を名乗り訪ねに来ていた。
健は容疑者218に殺されそうになるが、家が停電して天龍と夕張が駆け付ける。
夕張が作ったワインボトルロケットで容疑者218の撃退に成功するが、窓から外に吹き飛んだ後 姿を消してしまっていた。
*健と刹那の自宅 1月2日 0:50*
容疑者218が姿を消した後、警察に通報した。
今は鑑識が現場を保存しており、そんな中で天龍と夕張、健は話していた。
健「何で僕が殺されそうになるんだよ!?」
天龍「おい落ち着けって」
健「落ち着いてられないよ!この距離で銃 向けられて、あとは撃たれるだけだったんだよ?!」
天龍「だから助けてやっただろ?」
健「何で僕が狙われたのか説明してよ。説明してくれるまで僕は納得しない。ずっと喚いてやる」
夕張「奴の狙いはDevil May Cry鎮守府のメンバー全員の命。健はDevil May Cry鎮守府直属の分析官でもあるから、殺しのリストに入ってるって考えるのは自然な事よ」
健「自然じゃないよ、おかしいだろ!僕なにも悪い事してないのに殺される謂れはないし!」
天龍「ファイアーセール」
天龍が口にした“ファイアーセール”は、健が意図せず協力していたサイバーテロ攻撃の名だ。
その名前を出された瞬間、健の顔が強張り沈黙した。悪い事してないと言っていたが、悪い事してた事に気付いた。
天龍「ファイアーセール」
健「もう分かったって!あの時の事は、反省してるし・・・」
健の居心地が悪くなったところで、夕張はオリーブ財団に戻る事を提案する。
天龍「戻ったらステフが黙ってねぇぞ」
夕張「覚悟はしてる。でも殺し屋の顔を見たのは健だけだし、モンタージュ作って探さないと」
健「もちろん協力するよ。また狙われても困るし、早く捕まえて安心したい」
天龍「んじゃ行くぞ」
鑑識の作業は まだまだ掛かりそうなため、家の事は適当に警察に任せ、3人はオリーブ財団に戻るため外に出た。
・・・・・・
*オリーブ財団 1:39*
オリーブ財団に着き、ブリーフィングルームがある階の廊下を歩いてると、ステフが待ち構えていた。
天龍は健を連れて離れ、夕張はステフと1対1で話す事にした。
夕張「勝手に外に出て ごめん。でも私の話を聞いて」
ステフ「いいわ、話して」
夕張「私を守ろうとしてくれてるのは分かる。でも皆だけが危険に晒されて、私だけ安全な場所に隠れてるなんて そんなの嫌なの。それに私の“ぶっつけ”なら、皆の力になれる。だから お願い。私を任務から外さないで」
ステフ「・・・・・・いいわ。じゃあ仕事の話をしましょう」
夕張「え・・・怒らないの?命令を無視して勝手に出たのに」
ステフ「私は あなたの上司よ。部下の性格や癖、特性を把握しとかなきゃならないの。だから あなたが取調室から逃げるのは予想してた」
夕張「や、やっぱり お見通しだった?」
ステフ「当たり前でしょ。じゃなきゃ天龍にスマホやナイフ預ける訳ないでしょうが」
やはり夕張が脱出する事も、天龍が彼女に協力するのも お見通しだった。だから天龍に夕張のスマホと、マルチツールアーミーナイフを渡していたのだろう。
ステフ「それより どうやって あの部屋から出たわけ?電磁石の扉よ?」
夕張「言ったら対処されるから秘密~♪」
ステフ「まさか あの椅子で脱出したんじゃないでしょうね?」
夕張「椅子じゃないけど、まぁ役には立ったかな」
ステフ「そういえば、天井に穴 空けたわね?給料から引いとくから」
夕張「うわ・・・」
・・・・・・
*研究フロア 1:48*
その後 研究フロアがある階に向かった2人は、数ある部屋の中の一室に入った。そこでは秋雲が、健の話を聞きながらモンタージュ作りを進めていた。
天龍は黙って見守っていたが、どうもモンタージュ作りは難航しているようだ。
健「違うよ、鼻は もっと細くて尖ってる感じ。顎の形も違う!もっと細く!目は垂れ目!あーもうっ!だから違うって!」
夕張「ちょっと落ち着いてよ、どうしたの?」
健「さっきから説明してるのに、全然 似せようとしないから!」
秋雲「言われた通り描いてるじゃん!」
ステフ「健、イライラせず協力してあげて」
健「してるけど これ見てよ!何度 言っても顔が全然 違う!これなら自分で描いた方が まだマシだよ」
天龍「お前 似顔絵なんて描けんのかよ?」
健「僕これでも、小・中・高で美術の成績 良かったんだよね。鉛筆と紙 貸して」
女性職員から鉛筆と紙を受けとると、健は容疑者218の似顔絵をサラサラと描いていく。天龍と夕張とステフは、健の意外な才能を目にしながら、黙って描かれていく似顔絵を見詰める。
そして あっという間に、容疑者218の似顔絵が完成した。
健「はい、僕を襲ったの こいつ」
ステフは健から似顔絵を渡され、横から天龍と夕張が覗き込む。
ステフは その似顔絵を見ながら、大層 驚いていた。
ステフ「凄い・・・ここまで完成度が高ければ、顔認識に掛けられるわ」
夕張「意外な才能・・・」
天龍「だな・・・」
秋雲「プライドが傷付いた・・・」
天龍「おい拗ねるなよぉ。後で自販機でジュース買ってやるから」
秋雲「だって健が怒鳴るから・・・」
健「それは・・・僕が悪かったよ。命 狙われて気が気じゃなかったから・・・」
秋雲「長門さんに言い付けてやるんだー!」
秋雲は泣きながら部屋を飛び出してしまい、突然の事に天龍達は唖然としたまま動けず、呼び止める事もできなかった。
天龍「・・・・・・お前 終わったな」
健「何で!?」
秋雲が言い付けに行った相手である長門は、この世で可愛いものを愛し、愛でるのを至上の喜びとしている。
全ての駆逐艦も対象であるため、その駆逐艦である秋雲を泣かしたと長門が知れば、今度は彼女に命を狙われる事になるだろう。
夕張「まぁ そういう訳だから、頑張ってね」
健「いや助けてよ!」
天龍「無理だろ。向こう戦艦で こっち軽巡だぞ」
夕張「昔 提督が暁 泣かして、その時も長門さんに詰め寄られた挙げ句、アッパーカット喰らって ぶっ飛ばされてたっけ」
健「人間の僕じゃ確実に死ぬよね!?」
「「頑張れ」」
助けてはくれない模様。
健闘を祈る。
ステフ「とりあえず これを顔認識に掛けるわ」
オリーブ財団は様々な人物のデータを保有している。顔認識で、誰かしらヒットする事を願うばかりだ。
・・・・・・
*ブリーフィングルーム 2:24*
ダンテと天龍、夕張、健、
顔認識に掛けた結果、名前の違う8つのIDがヒットした。
刹那「殺し屋だから、偽名を使って あちこちで仕事してるんだろうね」
ステフ「これは偽名の一部の可能性があるわ。もっと他にも偽名を持ってるかもしれないし、本名は未だ不明」
大淀「8つのIDの内、その1つでレンタカーを借りてる記録を見付けました」
レンタカーには盗難被害に備え、追跡装置が付けられている。
その追跡装置で居場所を特定した結果、アイダホ州にあるサン・バレーの廃車置き場で信号を捉えた。
夕張「じゃあ捕まえに行こう」
ステフ「夕張は待機よ」
夕張「何で?!もう待機は言わないって言ったじゃない!」
ステフ「確かに言った。でも奴の狙いは あなたなの。直接対決はさせられないわ」
夕張「そんなの最初の話と違う!」
ダンテ「いや、今回はステフに賛成だ」
天龍「俺も。今回はマジでヤバい」
夕張「どうしてよ?!」
ダンテ「お前の役目は殺し屋を相手にする事じゃない」
夕張「私の技術が必要になるかもしれない」
ダンテ「殺し屋を捕まえるだけなら俺達だけで充分だ」
夕張「でも━━」
夕張は尚も抗議を続けようとしたが、天龍に胸ぐらを掴まれできなかった。
天龍「皆お前を心配して、危険な目に遭わせたくないから言ってるんだ!少しは俺達を信じて任せろよ!それとも、お前から見たら俺達は頼りないって言いたいのか?」
夕張「そうじゃないけど・・・」
天龍「だったら ここで大人しく待ってろ。直接対決は この天龍様と提督が居れば何も心配なんて要らねぇ」
夕張「・・・・・・分かった・・・」
天龍「ほんとに分かってんのか?」
夕張「分かったってば!」
廃車置き場には、ダンテと天龍、ステフ、健、刹那の5人で向かう事にし、すぐに出発した。
・・・・・・
*サン・バレー 廃車置き場 17:14*
容疑者218が潜伏してると思われる廃車置き場に到着し、ダンテ達5人は離れず廃車置き場を見て回る。
追跡装置の信号を頼りに進むと、目当てのレンタカーを見付けた。
レンタカーの中を確認すると、運転席に携帯と外交公囊が残されていた。
外交公囊の中には、ダンテ達Devil May Cry鎮守府の面々だけでなく、ステフや呉提督、刹那の写真もあった。つまり容疑者218の狙いは、オリーブ財団の主要人物全員だったのだ。
そこで携帯に着信が入り、電話に出てスピーカーモードにする。
男『よく来てくれた。君達を待っていたよ』
男の声がし、振り返ったダンテとステフは辺りを警戒しながら咄嗟に銃を抜こうとした。
男『おっと動かない方がいいぞ』
銃に手を伸ばしたまま動きを止め、ダンテ達は自分の胸元を確認する。そこには赤いレーザーポインターの光が当てられていた。
正面を見渡すと、遠くに配置された遠隔操作の狙撃銃が設置されていた。
声は聞こえるが、容疑者218の姿は見えない。
男『少しでも妙な動きをすれば撃つ。対艦娘用の弾を装填してるから、艦娘でも撃たれれば死ぬ事になる』
天龍「マジかよ・・・」
ダンテ「姿を見せたら どうだ?それとも恥ずかしがり屋なのか?」
刹那「ダンテ、挑発しないで・・・」
男『ご挨拶がてら顔を見せるのも悪くないが、俺は用心深くてね。このまま離れた場所で失礼するよ』
ダンテ「随分と高価な銃を用意したみたいだな」
男『あぁ、金は掛かったが、君達を殺すには これぐらいでなければ失礼だろう。俺を ここまで追ってきたのは君達が始めてだからな』
ダンテ「そんな物で俺を殺せると思ってるなら、大間違いだと思うが?」
男『バカを言うな。その銃に撃たれて助かる奴は居ない。仮に君が助かったとしても、他の2人は そうはいかないだろう』
容疑者218が そう言った瞬間、狙撃銃の1つが動いて1発の銃弾を発射し、ステフの左肩に命中した。
撃たれた拍子に、ステフは手に持っていた携帯を落とす。
天龍「ステフ!」
男『これで分かってくれたかな?こいつは高性能でねぇ、狙った的は外さない。次は君達の頭を吹き飛ばす。分かったら銃を捨てるんだ』
ダンテなら狙撃される前に、エボニー&アイボリーで狙撃銃を破壊する事も可能だろう。
だが容疑者218の位置が判らないのが問題だった。
例え狙撃銃を破壊できても、容疑者218は別の銃を用意してる可能性がある。狙撃銃を破壊してる隙に、死角から天龍とステフ、健、刹那が撃たれる可能性もある。ダンテとしても、4人を人質に取られてる状況では下手に動けない。
ダンテは どうしたものかと思案するが・・・
ステフ「ダンテ提督、言う通りにしましょう・・・」
ステフが所持していた銃を捨て、仕方なくダンテもエボニー&アイボリーを地面に投げ捨てた。
男『それでいい。夕張は どこかな?先ずは あの艦娘から殺したくてね。彼女には感電させられた借りがある』
天龍「生憎だが夕張は ここには来てねぇ!」
男『・・・それは残念だ。なら君達を先に殺してから、夕張を じっくりと殺す事にしよう』
全ての狙撃銃から駆動音が鳴り、銃弾の発射態勢に入る。それに気付き、天龍と刹那はギュッと目を瞑り、撃たれた時の痛みに備える。
その時、有り得ない人物の声がした。
夕張「私なら居るわよ!」
オリーブ財団で待機してるはずの夕張の声が聞こえ、横を見ると廃車の陰に隠れた夕張が居た。
ダンテ達5人は、何で来たんだと顔を しかめる。
刹那「嘘でしょ・・・」
天龍「あの馬鹿、何してんだよ・・・!」
ダンテ「そういえば、“提督命令”って言うの忘れてたな」
そう、ダンテが気付いた通り、夕張も“提督命令”と言われてない事に気付き、勝手に ここまで来てしまっていたのだ。
ステフ「何してるの?!早く逃げなさい!」
健「そうだよ!」
夕張「私なら大丈夫だから!」
男『夕張、君が来てくれて嬉しいよ。姿を見せて俺に撃たれれば、そこの5人の命は助けてやろう』
天龍「耳を貸すな!あいつの狙いはオリーブ財団の全員だ!お前が出てきても全員 殺される!」
天龍が叫ぶが、彼女が立ってる近くの地面に銃弾が撃ち込まれ、小さな砂埃が舞い上がる。
男『口を挟まないでくれ!今は俺と夕張が喋ってるんだ!』
夕張「どうせ近くに居るんでしょ?!狙撃銃を遠隔操作できる通信範囲は広くない!だから近くに居る必要があるもんね?!」
夕張の指摘が当たっていたからか、遂に容疑者218が姿を現した。
男「その通りだ!銃の性能はいいが、通信の距離が伸びなくてね!」
夕張「だったら私を見付けて、直接 殺してみなさいよ!」
夕張は廃車の陰から飛び出し、容疑者218は持っていた銃で銃撃する。だが弾が当たる前に、夕張は別の廃車の陰に隠れ弾を避ける。
狙撃銃はダンテ達に照準を合わせたままにし、容疑者218は直接 夕張を追い詰め殺す事にした。
カメラの映像でダンテ達の様子を確認しながら追ってくる容疑者218の声を聞きながら、夕張は迷路の壁のように積み重ねて置かれた廃車と廃車の間を逃げ回る。
男「夕張!いい加減 出てきたら どうだ?!俺はプロだ!いつまでも逃げ回れないぞ!」
夕張「1つ聞かせてくれないかな?!」
夕張の声がすると、容疑者218は笑みを浮かべた。いくら隠れていても、声を頼りに凡その居場所は見当が付く。
男「何かな?!」
夕張「どうして殺しのターゲットにメールを送るの?!」
男「ちょっとしたゲームさ!」
常人からすれば狂った話だが、容疑者218は殺し屋として幾人もの人間を殺してきたが、ただ殺すだけでは つまらないと感じていた。
だからターゲットにヒントとなるメールを送り、意味を理解して逃げるターゲットを仕留めようと自ら殺しの難易度を上げるためにメールを送っていた。気分は さながら、鹿を狩る猟師だ。
男「だが どいつも こいつも つまらなくてね!最初に狙ったニコも期待外れだったよ!」
夕張「(やっぱり同じ奴だったんだ!)」
男「1発で仕留められなかったのは君が初めてだ!あのワインボトルを使って反撃してきた時は驚いたよ!君は俺の人生で最高の獲物だ!」
夕張「全然 嬉しくないっての・・・」
夕張はダンテ達が動けるようにするために、既に考えがあり行動に出た。そのためには容疑者218の気を逸らし、時間を稼ぐ必要がある。
夕張は持っていたマルチツールアーミーナイフを使い、フォークリフトを作動させて砂埃を起こす。それに気付いた容疑者218は、急いで そちらに向かった。
その隙に移動した夕張は、廃車の大型トラックのドアを開けて取り付けられてる無線機を外し、狙撃銃を無効化する装置を造り始める。
夕張「(遠隔操作で狙撃できるって事は、あいつは きっとカメラで提督達を見てる。なら、無線の信号さえ止められれば・・・!)」
それを無効化するには実に簡単な話だ。無線を止めたければ無線で止めればいい。
無線通信とは空間に信号を放射し、別の地点で信号を取り出す事で、ケーブルを用いる事なく離れた地点間で伝送し合える。
ただし これには1つ欠点がある。同じ仕組みで無線信号を放射する物が近くにあれば混信するのだ。
なら同じように無線を使って強力な信号を放射すれば、容疑者218が使う無線を混信させて狙撃銃を無効化できる。
夕張「(でも1つ問題があるんだよなぁ・・・)」
夕張が改造した無線機は確かに強力な信号を放射できるようにしてあるが、範囲が狭いので容疑者218を近くまで誘き寄せる必要がある。それも撃たれても おかしくない距離まで。
夕張「私は ここよー!!早く殺してみなさいよ!!」
夕張が わざと見付かるように大声を出してるのは、ダンテ達にも聞こえていた。
刹那「あんな大声で・・・」
天龍「あいつ自分から居場所 教えて どうすんだよ!?」
ステフ「ダンテ提督・・・」
ダンテ「兎に角 待て。何かを狙ってやがる」
容疑者218は声がした場所に着くと、夕張を見付けた。
銃を撃とうとしたが、夕張が起動した無線機から大音量の異音が鳴り響き、思わず耳を押さえる。
容疑者218が怯んでる隙に、夕張は走って逃げる。それを見た容疑者218は銃を撃つが、正確に照準を合わせる余裕もない程の鼓膜を破りそうな異音のせいで、狙いを外した。
容疑者218も銃で無線機を破壊してカメラを確認すると、映像が乱れてダンテ達の姿が確認できなかった。
男「クソがっ!」
仕方なく、夕張を仕留める事を優先して そのまま彼女を追う。
夕張は逃げ続けていたが、遂に行き止まりに来てしまった。正面は高い壁、左右は高く積み上げられた廃車の壁で逃げ場がない。
引き返して別の逃げ道に行こうとするが、容疑者218に追い付かれ道を塞がれてしまった。
男「さっきの音を使った罠は実に見事だった。君には驚かされてばかりだ」
夕張「ちょっと違う。あれは音を使った罠でもあるけど、最大の目的は狙撃銃の無線信号を無効化すること。提督達は もう同じ場所に居ないはずよ」
そう言われ容疑者218が画面を見ると、クリアに戻った映像からダンテ達の姿が消えていた。
男「君のような面白い奴を殺すのは惜しいが、これもビジネスでね。悪いが彼らが来る前に死んでもらうとしよう」
容疑者218は銃を構え、夕張は死を覚悟して目をギュッと瞑る。
すると、3発の銃声が鳴り響いた。1発目の弾丸が容疑者218の銃を吹き飛ばし、2発目が狙撃銃の遠隔装置を破壊、3発目が容疑者218の肩に当たり奴が倒れる。
起き上がった容疑者218が立ち上がると、ダンテ達が居た。
健「抵抗しない方がいいよ。じゃないと自分の銃で撃たれる事になる」
夕張が狙撃銃を無効化した隙に、健は思い付きで狙撃銃を乗っ取っていた。
健がノートパソコンで狙撃銃を操作すると、全ての銃口が容疑者218に向く。
男「・・・ここは潔く降参するとしよう」
容疑者218は両手を挙げ、天龍と刹那の手で拘束される事となった。
これで一段落かと思い、ダンテはエボニー&アイボリーを指でスピンさせながらホルスターに仕舞う。
左肩を撃たれたステフが容疑者218に近付くと、いきなり殴り倒した。
ステフ「立ちなさい!」
容疑者218を引っ張り起こすが、奴は笑っていた。
ステフ「よくも私を撃ったわね」
男「ハハッ、凄いパンチだ」
夕張「ねぇ、もう会いたくないけど、最後に名前を教えて」
男「聞いて何の意味がある?」
夕張「ニコを殺そうとしたクソ野郎の名前ぐらいは知っておきたい。いつでも私の発明品で あんたを拷問できるようにね!」
天龍「お、おい、夕張・・・」
口汚く罵った事を言われても、容疑者218は気味の悪い笑みを浮かべていた。それが楽しみだと言わんばかりに。
男「正直に言うと、長く偽名を使ってると自分の本名を忘れた。頭文字すら思い出せなくてね」
夕張「ふざけてるの?!」
刹那「夕張、落ち着いて」
男「残念ながら大真面目だ。色んな名前を名乗ってきたが、その中でも君には特別に、今の お気に入りを教えよう」
夕張「・・・何?」
ウォードッグ「『ウォードッグ』と呼んでくれ」
夕張「ウォードッグ・・・」
ウォードッグ「近い内に また会おう」
こうして容疑者218改めウォードッグは、連行され刑務所へ収監される事となるのだった。
*病院*
ウォードッグを捕まえたのと同じ頃、ニコが入院する病院に、ネロと鳳翔、明石が来ていた。
ネロは俯きニコが目覚める時を待っていたが、ベッドに横になるニコの指が微かに動いた気がした。
ネロ「ニコ・・・?ニコ!」
ネロが呼び掛けると、ニコの瞼がピクピクと動き、ゆっくりと目を開いた。ネロ達3人は驚きつつも、ニコが やっと目を覚ました事を喜ぶ。
明石「先生を呼んできます!」
鳳翔「お願いします!」
ネロ「ニコ、俺が分かるか!?」
ニコ「・・・・・・私の作品を ぶっ壊すクソ野郎・・・」
ネロ「ムカつくけど今日は許す」
ニコ「ここは・・・?」
鳳翔「ここは病院です。銃で撃たれて緊急搬送されたんですよ」
ニコ「あぁ、そっか・・・私 撃たれたんだっけ・・・」
長い眠りから覚めて、まだニコの記憶は混乱していた。
だが まるで、ウォードッグが捕まったのが引き金だったかのように、ニコは昏睡状態から復活したのだった。
・・・・・・
*オリーブ財団 1月3日 10:03*
翌日、オリーブ財団の廊下を健が歩いてると、後ろから肩を掴まれた。振り返ると、目を見開いて睨む長門が居た。
長門「秋雲を泣かしたな?」
健「あ・・・」
こっちは新たに命の危機に瀕していた。
次回も宜しく お願い致します!