Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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367話です!どうぞ!


Mission367 侵入者~カイロの呪い~

テロリスト集団オムナスの殺戮部隊を率いていた男、ダニエル・ホーンを捕まえた。

ステフが尋問を始めようとしたが・・・。

 

ホーン「・・・知らない事もある、ステファニー・ブラウン。私は ここに捕まりに来た」

 

 

*オリーブ財団 艦娘寮・夕張の部屋 1月31日 12:52*

 

ホーンを捕まえてから1週間が経った。

夕張は自分の部屋で、クリスマスに届いたプレゼントの包装紙を見詰めて考え事をしていた。

その時、不意に扉がノックされた。扉を開けると、呉提督が立っていた。

 

夕張「どうしたの?・・・何か いい匂いがする」

 

呉「エジプト料理 買ってきた。今日は“カイロの日”だから一緒に祝って」

 

夕張「・・・そんな祝日あったっけ?」

 

呉「いいから中に入れなさいよ、話してあげるから」

 

夕張は よく分からないまま部屋の中に入れ、呉提督は買ってきたエジプト料理を食べるために大量の料理を広げていく。

エジプト料理を食べながら、カイロの日が何なのか話を聞いてると、それは呉提督がネイビー・シールズ時代、エジプト・カイロでの任務を生き延びた日だそうだ。

汚染爆弾を巡る任務だったそうで、呉提督も その時は死を覚悟したらしい。

運良く生き延び、それからは毎年この日を、“カイロの日”と称して祝ってるそうだ。

そんな思い出話をしてると、呉提督は置かれていた包装紙が視界に入る。

 

呉「それ、まだ考えてるの?」

 

夕張「うん・・・」

 

呉「爆弾処理を叩き込んでくれた教官だっけ?亡くなる前に送って、回り回って今になって届いたとかじゃないの?」

 

夕張「それはない。だって消印が1ヶ月前だよ。教官が亡くなったのは ずっと前だし・・・」

 

呉「もし教官が生きてると思って、探しに旅に出るつもりなら、付き合うわよ?」

 

夕張「ありがとう。でもいいよ。生きてるはずはないから・・・」

 

妙な沈黙が広がり気まずくなると、タイミングがいいのか悪いのか、夕張の携帯にメッセージが届いた。それはステフからの呼び出しだった。

それを告げると、呉提督が半ギレ状態で喚き出した。

 

呉「364日は仕事するけど、カイロの日は仕事しない!」

 

夕張「何で?今日は休暇じゃないから、呼び出しがあったら行かないと」

 

呉「ダメ!何が何でも今日は仕事しない!カイロの呪いに掛かってるのよ!」

 

夕張「・・・・・・は?」

 

どうやら昔の任務で、汚染爆弾が保管されてる場所に行くと、そこには古代エジプトの骨董品も沢山 保管されていたらしい。勿論ミイラが入った棺もだ。

骨董品は、汚染爆弾を使おうとするテロリストの資金源だったようなのだが、その時 人形遊びするかのように、ふざけてミイラで遊んでしまったらしい。そのせいでミイラの呪いに掛かり、死にそうになったのだと思い込んでいた。

呉提督が言うカイロの日は、本当は生き延びた事を祝うためのものではなく、ミイラの怒りを鎮めるための儀式だった。そうする事で、今日という日を平穏無事に過ごせると信じていた。

それを聞いて色んな意味で馬鹿なのかなと思い、夕張は呆れて物も言えなかった。

 

呉「カイロの日だけは休む!絶対に!このルールだけは曲げちゃいけないのよ!このルールを守ってきたから、私は今日まで生きてこられた!」

 

夕張「でも“任務”とは書いてない」

 

ステフから送られてきたメッセージには、確かに“任務”とは書かれていなかった。もしかしたら、仕事とは関係ない呼び出しかもしれない。

 

呉「もし仕事の話だったら、ステフの命令でも絶対 休むわよ?」

 

夕張「それはステフに言ってよ~」

 

夕張に論破され、呉提督は渋々ながら、ステフが待つブリーフィングルームへと向かうのだった。

 

 

・・・・・・

 

*ブリーフィングルーム 13:23*

 

ブリーフィングルームに行くと、ステフの他に、先に来ていた明石と(たける)刹那(せつな)、そして初めて見る中年の男性が待っていた。

 

ステフ「揃ったわね。新しく財団の一員になった人を紹介するわ。こちらはメタマテリアルの専門家、『ハミルトン・ジト』博士よ」

 

ステフからジト博士を紹介され、夕張達は順番に彼と握手しながら挨拶を交わしていく。

するとジト博士は、夕張に是非とも会いたかったと話す。

 

ジト「君の話は聞いてるよ。専門家が溢れる中、万能型は珍しい。時間がある時に色んな話をしてみたいものだ」

 

夕張「いえ、広く浅くって感じに色んな事に興味があるだけで、専門家には負けちゃうけど」

 

ジト「いや、それでも珍しいタイプだ。今の時代、色んな事に無関心な人間が多いからね」

 

これでもかと褒め千切られ夕張が照れていると、夕張だけが褒められてる事が面白くなかった呉提督が、ジト博士の前にズイッと出た。

 

呉「私も凄いわよ。『ケッ◯ル・ラン』を12パーセクの速さで走れる」

 

ジト「・・・・・・そ、そうか、それは凄いね。けど“パーセク”は時間ではなく、“距離”の単位だけどね」

 

ジト博士は困った様子ながらも呉提督の間違いを指摘し、とりあえず大笑いしてジョークのようにしてみる。それに合わせてステフも大笑いしてみせる。

映画の台詞を引用して調子に乗ったが、ものの見事に玉砕した。

初っ端から初対面の印象を気まずいものにする呉提督に、夕張と明石、健、刹那も引き攣った顔で一緒に笑う。

皆に笑われる呉提督は、当然ながら不機嫌になった。

 

呉「笑いたきゃ笑えばいいわ。ホロチェスだって きっと もう開発されてるんだから」

 

健「それ『ス◯ー・◯ォーズ』の中だけの話だし」

 

呉「マジ?」

 

健「マジ。っていうか映画の話から離れなよ、どんだけ好きなんだよ」

 

ステフ「ごめんなさい。彼は昔、爆風を受けて・・・その影響で ちょっと変な事を言うの」

 

ジト「いや、気にしてないよ」

 

ステフからも遠回しに変人扱いされ、呉提督の印象が どんどん悪くなっていく。これ以上は喋らない方が良さそうだ。

 

ステフ「明石と健は、ジト博士をラボに案内してあげて」

 

健「分かった」

 

明石「こちらへ どうぞ」

 

明石と健、ジト博士を見送ると、ステフは残った夕張達3人には別の仕事をやってもらう事を伝える。

 

呉「ステフ、何と言われようとも今日は仕事しないわよ」

 

すると やっぱり、呉提督が噛み付いた。そうなると、やはりステフも不機嫌になる訳で・・・。

 

ステフ「何で?どうせ くだらないだろうけど、理由くらいは聞いてあげる」

 

呉「カイロの呪いがある。だから今日は仕事しちゃダメなのよ!」

 

ステフ「ふざけてるの?呪いより怖いものはあるのよ」

 

呉「何よ?」

 

ステフ「この私よ!」

 

呉「キレられても仕事しないわよ!」

 

意地でも仕事させたいステフと、何が何でも仕事したくない呉提督で口論が始まり、夕張と刹那が仲裁に入るが、2人のバトルはヒートアップする一方だった。

 

 

*研究フロア*

 

ジト博士を研究フロアへと案内した健と明石だったが、地下のフロアに居る摩耶に明石が呼ばれてしまった。どうやら艤装の調子が悪くて点検してほしいそうだ。

 

明石「ちょっと呼ばれちゃったので、適当にラボの中 見ててください、すぐに戻るので」

 

ジト「あぁ、そうさせてもらうよ」

 

明石「健君、ちょっとだけ お願いね」

 

健「うん、大丈夫・・・見てるだけなら」

 

研究機関として活動してる時のオリーブ財団では、主に研究・開発は夕張と明石、ニコの担当だ。

健はIT部門の担当であるため、もしジト博士から何かしらの質問が飛んできたら、答えられないので困る。

明石は すぐ戻るつもりでいるため、気にせず行ってしまった。

 

 

・・・・・・

 

*ブリーフィングルーム 14:04*

 

ホーン『・・・知らない事もある、ステファニー・ブラウン。私は ここに捕まりに来た』

 

口論の末、呉提督の敗北に終わった後、ステフは巨大モニターでホーンを尋問した初日の、監視カメラの映像を繰り返し見ていた。

夕張と呉提督、刹那は詳しい仕事の話もされなかったため、黙って一緒に映像を見ていた。

 

呉「・・・・・・何で同じ映像 見せられてるの?私達の仕事って何?」

 

ステフ「・・・これを どう思う?」

 

ホーン『・・・知らない事もある、ステファニー・ブラウン。私は ここに捕まりに来た』

 

映像の中で言ってるホーンの言葉を聞きながら夕張達は考えるが、言ってる事の真意までは分からなかった。

 

刹那「言葉の通りの意味だったとして、わざと捕まるメリットなんてある?」

 

呉「気にする事ないわよ。どうせ負け惜しみでしょ」

 

夕張「尋問の方は どうなってるの?」

 

ステフ「進展はない」

 

ホーンを捕まえてから1週間、有りと有らゆる方法で尋問は続けてきた。それこそ、拷問に近い形の方法も含めてだ。

それでも奴は、それに耐えて黙秘を続けていた。

 

ステフ「普通なら有り得ない話よ。訓練されたスパイでも簡単に口を割る手段を使っても、何も喋らなかった。こいつの精神力は並みじゃない」

 

呉「ただのテロリストじゃないのかも」

 

刹那「つまり?」

 

呉「オムナスはテロリストの枠に収まるような集団じゃなくて、もっと とんでもない組織とかよ」

 

夕張「秘密結社とか?」

 

刹那「よくあるよね、そういう都市伝説」

 

呉「ちょい、真面目に」

 

と言っても、憶測の範疇での話だ。実際のところは どうなのか不明なため、いくら考えても明確な答えに行き着く訳ではなかった。

すると職員の1人から報告が入り、ニューヨークの『モリーナ』刑事からステフ宛てに電話が掛かってきてる事を告げられる。

回線を こっちに回すと、巨大モニターにモリーナ刑事が映った。

 

ステフ「何の ご用でしょうか?」

 

モリーナ『今日そちらに行く予定だったジト博士を ご存じですね?』

 

ステフ「えぇ、彼が何か?」

 

モリーナ『彼は亡くなりました』

 

ジト博士なら先程 顔を合わせ、挨拶したばかりだ。それなのに亡くなったとは どういう事か分からず、夕張と呉提督、刹那は互いの顔を見合わせて怪訝な顔をした。

 

ステフ「それは どういう事ですか?」

 

モリーナ刑事によると、何者かに殺害されたジト博士が、空港のトイレの個室で死体となって発見された。

巨大モニターには、鑑識が撮ったジト博士の死体の写真が映し出される。

 

夕張「殺されたのはジト博士本人で間違いないの?」

 

モリーナ『間違いありません。彼が どこに行こうとしてたのかスケジュールを調べるのに時間が掛かり、連絡が遅くなってしまいました』

 

それが事実なら、ここに来たジト博士は偽者という事になる。

ステフも事前に顔を確認していたが、ここに来たジト博士の顔は どう見ても本人であった。別人であるとは考えにくい。

だがステフは諜報員だ。最悪の状況を想定して動かなければならない。

 

モリーナ『何か問題が?』

 

ステフ「いいえ、わざわざ ありがとうございます」

 

モリーナ刑事との通話を終了すると、明石と健が危ないと判断し、夕張達と一緒に研究フロアに急いだ。

 

 

*研究フロア*

 

研究フロアでは健とジト博士が話してる中、ジト博士がラボにある人の顔のマスクに興味を示した。

それは他人に変装できるようにと、夕張と明石、ニコが製作した物で、試作段階のアメリカ大統領シリーズではなく、ほぼ完成品に近い物だった。

 

ジト「あれはマスクかな?」

 

健「そうです。うちの夕張さんと明石さんと、今は ちょっと休んでるニコさんで作ってるんです」

 

ジト「ここまで精巧な物を作ってるとは、ここは凄い研究機関じゃないか」

 

健「いや~、3人が聞いたら喜びますよ、きっと」

 

ジト「あぁ、私も嬉しい限りだよ・・・」

 

ジト博士は突然、隠し持っていたナイフで健の腹部を刺した。いきなりの事で驚きもあり、健は何が起きたのか理解できないまま床に倒れる。

 

健「な・・・んで・・・」

 

健は血が流れ出る腹部を手で押さえ、力なくジト博士を見ていると、ジト博士が顔を剥ぎ取り別の顔が露になった。

 

男「こいつは貰っていくぞ」

 

ジト博士の精巧なマスクを被っていた男は、夕張達が作ったマスクを手にラボから出ていった。

 

 

・・・・・・

 

少しして夕張と、銃を手にするステフと呉提督、刹那が駆け付ける。

 

夕張「健!」

 

呉「畜生、遅かったか!」

 

刹那「健、しっかりして!」

 

刹那は心配そうに健の手を握り、夕張が腹部の止血に取り掛かる。

 

呉「隊長、チームを戦術室に集めて」

 

呉提督は携帯で、オリーブ財団の特殊部隊長に連絡を取り、ステフは大淀に、侵入者に健が刺されたため救急車の手配と、誰も出さないよう出入り口の封鎖、ダンテ達と艦娘達に侵入者を探すように伝える。

 

ステフ「いいえ、警報は鳴らさないで。建物内で混乱が起きれば、それに乗じて逃げられるリスクがある」

 

健「・・・・・・あいつを捕まえて・・・」

 

刹那「健・・・」

 

夕張「ここは私がやるから、皆は行って!」

 

呉「だからカイロの日は休まなきゃいけないのよ!」

 

ステフ「今それ言わないでくれる?!」

 

呉「刹那、一緒に来なさい!」

 

この場を夕張に任せ、ステフと呉提督、刹那は自分達の役目を果たすためにラボから出ていく。

その場に残された健は、何故か弱々しくも笑みを浮かべていた。

 

健「ねぇ・・・刹那が僕の手を握って心配してくれた・・・・・・いつも冷たい感じなのに・・・」

 

夕張「思ったより元気そうで何より!」

 

健「お願い・・・彼女 作ってキスするまでは死なせないで・・・」

 

夕張「当然でしょ、絶対に死なせやしないから」

 

健「皆と会うまでは・・・刺されたりしなかった・・・」

 

夕張「・・・後悔してる?この仕事する事になって」

 

健「全然 後悔してない・・・皆と仕事するの・・・楽しいから・・・」

 

そこに、何の騒ぎか よく分からないまま明石が戻ってきた。

明石は血を流して倒れる健を見て驚いた。

 

明石「何があったの!?」

 

夕張「丁度いいところに!止血するの手伝って!」

 

工作艦である明石も手当てに加わるが、ラボには十分な医療キットが置いてある訳ではないので、止血するのに手間取ってしまう。タオルで押さえ、コードで縛り上げるが中々 血が止まらない。

 

明石「これじゃあ充分な処置できない・・・!」

 

夕張「えっと えっと・・・ちょっと待ってて!」

 

夕張はラボにある物の中から、ポリオールとイソシアネートを持ってきた。

ただ それを見て、健は初めて見る それに不安を覚える。

 

健「それ何・・・?」

 

夕張「ポリオールとイソシアネート。この2つを混ぜると化学反応が起きて、熱硬化性樹脂になるの」

 

明石「なるほどね、それなら傷口を塞げる」

 

夕張は2つを混ぜて、押出成形へと詰めていく。これならバズーカを撃つように、樹脂を傷口に流し込める。

ただ それを見て、健は もっと不安になる。

 

健「ねぇ、それ痛くないよね・・・?」

 

夕張「大丈夫!全然 痛くないから!・・・ごめん、嘘 吐いた。ちょっとは痛いかも」

 

健「・・・・・・いいよ、やって・・・」

 

死にたくない健にとって、手段は選んでられない。背に腹は変えられない。

ノズルを傷口に当て、一気にレバーを押し込み樹脂を流し込むと・・・

 

健「うわああああああっ!!!!死ぬぅうううううううっ!!!!」

 

夕張「死なない死なない!」

 

明石「我慢 我慢!」

 

死ぬほど痛かった。

その後 傷口を押さえる意味でもビニールで健の胴体をグルグル巻きにし、身体を固定して動かないようにする。

少しして、明石が傷口の確認をする。

 

明石「うん。ちゃんと硬化して血も止まってる」

 

健「何だかアイ◯ンマンになれた気分」

 

夕張「全然 違う」

 

しかし これは飽くまで応急処置であるため、下手に動けば傷口が開いて また出血する。

できれば病院に運んで適切な処置を受けさせたいが、そうなると安静にしたまま移動できる手段が必要だ。

 

夕張「さて、どうしたものか・・・」

 

明石「キャスター付きの机を担架代わりに使えば?」

 

夕張「・・・・・・それ いい案だね」

 

夕張は すぐに担架造りを始める。

通路を侵入者が歩いてると、鹿島と鉢合わせた。

2人は互いに目を離さず、歩を進めて正面から向かっていく。

 

 

・・・・・・

 

*取調室 15:27*

 

ホーンが捕らえられてる取調室の扉が開くと、鹿島と鉢合わせたはずの侵入者が無傷で現れた。

侵入者はホーンの手錠を外し、奴を解放する。

 

ホーン「遅いぞ」

 

男「いいから付いてこい」

 

 

*ブリーフィングルーム*

 

侵入者はジト博士に化けていたが、流石に指紋までは変えられなかったようだ。

ステフは採取した指紋から出た情報を、巨大モニターで見ていた。

侵入者の名前は『ジェイソン・テナント』。

SAS(英国特殊空挺部隊)に所属していた経歴があった。

更に刑務所に収監されていた過去もあり、最近 出所したばかりだった。

しかも あの殺し屋ウォードッグと同じ刑務所で、奴の隣の房に入っていた事まで判明する。

ステフは刑務所に連絡を取り、急ぎでウォードッグを通話に出すように伝える。少しすると、巨大モニターにウォードッグが映った。

 

ウォードッグ『やぁ、ブラウン本部長。そっちから連絡してきてくれるなんて嬉しいじゃないか』

 

ステフ「世間話のために呼び出したと思わないで。あなたの隣の房に居たジェイソン・テナント、知ってるわね?」

 

テナントについて知ってるか訊いた途端、ウォードッグは不敵な笑みを浮かべて知ってると肯定した。

更に とんでもない事が奴の口から飛び出してくる。

 

ウォードッグ「奴は どうだ?そっちで誰かを殺したか?」

 

ステフ「こうなる事を知ってたのね・・・?!」

 

テナントがオリーブ財団に侵入し、誰かに危害を加える事を予め知っているかのような事を言う。

これすらもウォードッグが関わってると知り、ステフの奴を見る目付きが鋭くなる。

 

ステフ「奴と どんな取引をしたの?」

 

ウォードッグ「ただ君達への愚痴を話しただけさ。面会にも来ないし、差し入れのピーナッツも無いからな」

 

ステフ「真面目に答えなさい!あなたが今 受けられてる権利を全て剥奪させる事だってできるのよ?」

 

ウォードッグ「・・・・・・それは困るな」

 

ウォードッグは廃車置場での やり残しを片付けたかった。

隣の房に居た間、ウォードッグは世間話でテナントに、オリーブ財団の全員を殺したい夢を語り続けた。

その話にテナントは興味を示し、ウォードッグが3千万ドルで殺しを依頼し、テナントが引き受けた。

そしてテナントが出所するまでの間、ネロにしたように殺しの極意を教えていた。

 

ウォードッグ「ネロに教えたのは触りだけだ。だが奴には全てを教え、今では殺しの博士号まで取った」

 

ステフ「・・・なるほど、そういう事だったの」

 

ウォードッグ「訊かれた事には全部 答えた。これで満足かな?」

 

ステフは徐に携帯を出し、刑務所長にダイレクトに電話を掛けた。そしてウォードッグが刑務所で受けられる権利を全て剥奪するように指示した。

それを聞いていたウォードッグは、眉間に皺を寄せて信じられないような顔をする。

 

ウォードッグ「話が違うじゃないか」

 

ステフ「私達を殺そうとしといて、そんな自由が許されると思ってるの?今後あなたは、刑務所での僅かな権利も自由もない。息子との面会もナシよ」

 

ウォードッグが何か言おうと口を開きかけるが、声を発する前にステフが通話を切り、それを伝える事は叶わなかった。

 

 

*サーバールーム*

 

逃げ出したホーンと侵入者のテナントは、オリーブ財団のサーバールームへと来ていた。目的は、オリーブ財団のネットワークを掌握すること。

ネットワークに侵入された事で、オリーブ財団の殆んどのシステムがダウンした。それにより窓の防護シャッターが下り、ロックしていた出入り口も解除できなくなり、オリーブ財団の職員は誰1人として外に出れなくなった。

 

 

*オリーブ財団前*

 

外ではオリーブ財団のビルに背を向け、歩いて立ち去ろうとする鹿島の姿があった。

その鹿島の前に、ダンテが立ち塞がる。

 

ダンテ「こんな時に、どこに行くつもりだ?」

 

鹿島「・・・・・・・・・」




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