Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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368話です!どうぞ!


Mission368 内通者の正体~裏切りの艦娘~

オリーブ財団に、新しくハミルトン・ジト博士が加わった。

(たける)と明石が彼をラボに案内し、夕張とステフ、呉提督、刹那(せつな)は、1週間前に捕まえたダニエル・ホーンが言っていた意味を考える。

そこにニューヨークのモリーナ刑事から連絡が入り、ジト博士が殺害された報せを聞く。

夕張達がラボに駆け付けると、ジト博士に化けていたジェイソン・テナントに刺された健が倒れていた。

ステフと呉提督、刹那はテナントを探すためにラボを後にし、夕張は戻ってきた明石と共に、健の応急処置を急ぐ。

この騒動に殺し屋ウォードッグも関わってる事も判明するが、テナントは解放したホーンと共に、オリーブ財団のサーバールームでシステムを掌握し、殆んどのシステムがダウンしてしまった。

その頃オリーブ財団のビルの外では、出入り口がロックされる前に抜け出した鹿島が立ち去ろうとし、そこにダンテが立ち塞がるのだった。

 

 

*オリーブ財団前 1月31日 16:07*

 

ダンテ「こんな時に、どこに行くつもりだ?」

 

鹿島「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「はぁ・・・やっぱり お前だったのか・・・」

 

鹿島「何がですか?」

 

ダンテ「お前が裏切り者だって事だ」

 

鹿島「・・・意味が分かりませんね」

 

ダンテ「いいや、お前が誰よりも1番 分かってるはずだ」

 

鹿島「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「切っ掛けは、ステフが“艦娘の中に内通者が居る”と言ってからだ。それでも殆んど勘だったが、俺なりに考えてみた。始まりはテイラーだ」

 

日本海軍 大将から、アレックス・テイラーをアメリカへと移送するよう頼まれた事があった。

その少し前に、鹿島はDevil May Cry鎮守府へと着任しており、合同演習に向けて艦娘達を鍛えるのが役目だった。

しかし その役目があるにも拘わらず、鹿島は わざわざテイラーの移送任務に一緒に来た。

 

ダンテ「おかしいよな?お前には優先すべき任務があったのに、首を突っ込まなくてもいい移送に一緒に来た。元帥の保身を守るのが目的なら、一緒に来るべきじゃなかった」

 

鹿島「それは言ったじゃないですか。“鎮守府での事は逐一 元帥に報告しなければならない”と。それは所属する者の行動も例外ではありません。一緒に来るのは当然の事です」

 

ダンテ「なら襲撃されたのも偶然か?」

 

しかもテイラーの移送は極秘とされていた。それなのに、アメリカに着いた時には既に情報が洩れており、移送中に襲撃された。

振り切って逃げた先でも、居場所が知られてたかのように追跡者が現れた。

 

ダンテ「お前がテイラーの居場所と、移送ルートを教えたんだろ?」

 

ダンテは そう指摘するが、鹿島は馬鹿げてると言いたげに呆れた笑いを漏らす。

 

鹿島「私だって一緒に撃たれてるんです。自分を危険に陥れるような馬鹿な真似、すると思いますか?」

 

ダンテ「それは自分が絶対に死なないと分かっていたからだ」

 

艦娘は人間の兵器では死なないが、テイラーを殺すためだけなら通常の武器で充分だ。

艦娘の力を抑制する弾丸が使われないと知っていれば、危険な場所に身を置いても平気だろう。

 

鹿島「ですが私は、撃たれた彼を助けました。それは どう説明するつもりですか?」

 

ダンテ「襲撃は お前が仕掛けたミスリードだ。お前は あの状況を利用して、俺達の信用を得ようとした。あいつが死んでも死ななくても、どっちでも良かったんだろ?」

 

香取型が着任してから、Devil May Cry鎮守府の多くは彼女達を煙たがっていた。

ダンテも会ったばかりで完全に信用はしていなかったため、それに気付いていた鹿島はテイラーを襲撃させ、ダンテに信用されるように一芝居 打ったと予想される。

その時にテイラーが死ねば万々歳。死ななくても大した情報も持っていなかったため、尋問されて何か話しても問題なかったのだろう。

だが話を聞いていた鹿島は、どこかイライラした様子に変わっていた。

 

鹿島「本当に・・・荒唐無稽な話で笑いも出ませんね」

 

ダンテ「メキシコでの話も そうだ。行動力バケモンの鈴谷は兎も角、賢い お前にしては頭の悪い行動が目立つ」

 

鹿島ほど賢い艦娘なら、メキシコの売春組織との話が どれだけ危険かは理解していたはずだ。

それなのに碌な準備もせず、鈴谷を巻き込んで無謀にも2人だけでメキシコに行った。マトモな考えを持つ者なら、そんな行動には出ないだろう。

鹿島が そんな行動を取ったのが、不自然な違和感を感じさせる。

 

ダンテ「鈴谷を死に追いやったな・・・!」

 

鹿島「そんなこと言うんですか?私がステフに責められた時、庇ってくれたくせに」

 

ダンテ「あの時は まだ、確証がなかったからな。だが思い返せば、お前の行動には説明できない部分が多い」

 

鹿島「はぁ・・・本っ当に、あなたって人は面倒ですね」

 

鹿島は もう諦めたのか、どこまでも冷たく鋭い目付きに変わり、ダンテを睨む。もう、ダンテの知る鹿島の雰囲気は そこにはなかった。

 

鹿島「あなたの勘の通りですよ。テイラーは ただの小道具。鈴谷さんは艦娘のオーダーが1人 入ったので、売り飛ばしちゃいました♪」

 

鈴谷を売り飛ばした事に冷酷な笑みを浮かべる鹿島に、ダンテはホルスターからエボニーを抜いて銃口を向ける。

 

ダンテ「殺し屋が持ってた写真も お前の仕業か?」

 

オリーブ財団の主要メンバーが殺し屋ウォードッグの標的になった時、ウォードッグはダンテ達の写真を持っていた。

その写真は青葉が撮った物であったため、彼女は内通者の疑惑が晴れるまで隔離され、今も軟禁状態だった。

 

鹿島「それなら、青葉さんの荷物からネガを失敬して、勝手に現像させてもらいました。皆さんには あの時に死んでもらいたかったのに、失敗して残念です」

 

ダンテ「それが お前の本心か?どうしてMr.Jなんかに従う?」

 

そう問われた鹿島は、どこか寂しそうな様子で遠い目をした。

 

鹿島「私も、艦娘売買で売られた艦娘だったんです」

 

鹿島は建造されて すぐ、鈴谷や島風のように艦娘売買の商品として、犯罪組織や金持ちの娯楽のために売り飛ばされるはずだった。

だが鹿島には、異常な賢さがあった。それに気付いたMr.Jは、彼女を利用するために自分の手元に置いた。

それから鹿島は、Mr.Jのために働いた。建造されて すぐ、Mr.Jの手足となって働いていたので、その生き方しか知らなかった。

 

ダンテ「お前は大本営で建造され、ずっと そこで働いていただろ」

 

鹿島「その鹿島には死んでもらいました。私が大本営の鹿島となるために」

 

Mr.Jはスパイとして鹿島を大本営に送り込んだという事になるが、鹿島の資料には、建造されてから ずっと大本営の所属となっていた。

だが この話は単純だ。本来 着任していた大本営の鹿島を殺し、鹿島が入れ替わった。

鹿島の頭脳を持ってすれば、大本営での仕事は すぐ慣れた。誰も入れ替わってると気付けない程に、溶け込むのは容易だった。

だが ここで疑問が浮かぶのは、Devil May Cry鎮守府への着任の流れだ。

香取型をDevil May Cry鎮守府に着任させる事を決めたのは元帥だ。Devil May Cry鎮守府を潰すために異動しようと思っても、元帥が その判断を下すとは限らないため、そう上手くいくとは思えない。

 

鹿島「そうでもないんですよ。私は物事を、盤面の上での出来事にしか見えません。人や艦娘はチェスの駒、状況の流れはゲームの経過、何十手も先を読み、元帥が私と香取姉を鎮守府に着任させる事は分かっていました」

 

人を駒に見立て、人格から行動を予測し、その行動から どんな流れとなるかも予測し、そして また その流れから、駒が どんな行動を取るかを予測し、その繰り返しで どこまでも先を読む。それは最早、演算的未来予知と言える。

 

ダンテ「なら中将と、鹿屋基地の若僧は何だ?仲間じゃなかったのか?」

 

日本海軍 中将と、鹿屋基地の提督はMr.Jと繋がっていた。

Devil May Cry鎮守府を潰すという共通の目的があったなら、この3人が目的のために協力しそうなものだ。それなのに鹿島は、合同演習でDevil May Cry鎮守府を勝利に導き、結果的に中将と鹿屋提督を陥れ排除した。

 

鹿島「彼らはMr.Jの思惑から外れ、独断行動が目立ってたんです。邪魔なので このゲームから退場してもらったまでです」

 

ダンテ「今回の事も、そのゲームの一環なのか?」

 

鹿島「そうです。あなた達はMr.Jの邪魔をし過ぎました。だから そろそろ、痛い目に遭ってもらう頃合いかと思いまして」

 

ダンテ「・・・なら最後に聞かせろ」

 

鹿島「何ですか?」

 

もう1つ大きな疑問がある。直接でも間接的にも、これまでMr.Jが絡む事件の背後には時折、悪魔の存在を匂わせるような時があった。

それはルキフェルスとの戦いが始まったのと同じ時期からあったが、鹿島はルキフェルスとの戦いでもDevil May Cry鎮守府と共に戦った。もし裏で繋がってるのだとしたら、鹿島がDevil May Cry鎮守府に味方したのは よく分からない。

 

鹿島「ルキフェルスとは何の関係もありませんよ。彼は世界の破滅を望んでいましたが、Mr.Jは世界を破滅させるつもりはありませんからね」

 

ダンテ「(って事は・・・裏に居るのはノヴァか その辺りか)」

 

鹿島「聞きたいのは それだけですか?」

 

ダンテ「あぁ、それだけだ」

 

鹿島「では、この後は どうします?私と戦いますか?」

 

ダンテ「お前が敵なら、それも仕方ないだろうな」

 

鹿島「あなたに私と戦えるんですか?艦娘を大事に思う提督さんに」

 

ダンテ「お前の性根を叩き直す程度にはな」

 

鹿島「・・・なら・・・」

 

鹿島は右腕を上げ、頭上で指をスナップさせると、彼女の背後で空間が歪み、中から中級と思われる大型悪魔が5体も現れた。

悪魔は一斉にダンテに襲い掛かり、ダンテはエボニー&アイボリーと、魔剣ダンテで応戦する。

ダンテが戦ってる隙に、鹿島は歩いて横を通り過ぎていく。

 

ダンテ「っ・・・待て!」

 

鹿島を止めようと動くが、次々と攻撃してくる悪魔が邪魔で思うように近付けない。

すると鹿島が、自ら足を止めた。

そして振り返らず口を開く。

 

鹿島「提督さん、今日で お別れです。偽りでも仲間として共に過ごした仲ですから、願わくば殺したくありません。だから もう2度と、Mr.Jの邪魔はしないでくださいね」

 

そう言い残し、鹿島は歩みを再開して立ち去っていく。

ダンテは悪魔に攻撃を仕掛けながら、視界の端で それを見送るしかなかった。

 

 

*オリーブ財団*

 

同じ頃、通路を移動してた呉提督と刹那は、無線でステフからシステムがダウンした事を聞かされていた。

しかも外の監視カメラの映像から、謎の部隊がロックされた出入り口を突破し、中に入ろうとしてる事も告げられる。悠長にしてられる時間はない。

 

呉「健も居ないのに、どうやってシステム戻すのよ?」

 

刹那「私はできなくもないけど、復旧するにはサーバールームで直接システムに入らないと」

 

ステフ『なら すぐに向かって』

 

 

*エレベーター*

 

健を運んでエレベーターに乗った夕張と明石だったが、システムがダウンした事でエレベーターが止まり、こちらは閉じ込められていた。

 

健「ねぇ、これって順調?」

 

夕張「うん。大丈夫だから健は寝てて」

 

明石「でも どうする?健を病院に運ばないといけないのに、ここで救助を待ってるような時間なんてない」

 

夕張「ドアを抉じ開けて出るしかないわね」

 

夕張は そう言って、健の担架に使ってる机のパイプを外し始める。

 

 

*サーバールーム*

 

呉提督と刹那はサーバールームへと着いたが、中に入るための扉がロックされてるため入れない。

ガラス張りのドアから見える中では、ホーンの姿が確認でき、まだシステムを弄って何かしていた。

扉は強化ガラスで護られ、突破は不可能だった。

 

呉「温室に行くわよ!」

 

刹那「おっさんの趣味は後にして!」

 

呉「全国の おっさんに謝れ!いいから一緒に来なさい!」

 

呉提督は有無も言わさぬ様子で先に温室に向かい、扉を突破できない事から刹那は仕方なく、呉提督を追った。

 

 

*温室*

 

研究機関としてのオリーブ財団は様々な研究をしてるため、温室には研究用の植物が栽培されていた。

 

刹那「温室で何する気?!急いでサーバールームに入らないといけないのに!」

 

呉「温室には肥料、壁の向こうはサーバールーム。肥料爆弾でドカーンよ」

 

刹那「もしかして夕張の真似して、肥料で爆弾 造って壁を壊そうって魂胆?」

 

呉「あんたも分かってきたわね」

 

刹那「できっこない!大佐は夕張じゃないんだよ!無理!」

 

呉「私が どれだけ傍で、夕張ちゃんがリアルボン◯ーマンやってるの見てきたと思ってるのよ!私に任せなさい!」

 

刹那「造り方 分かってるの?」

 

呉提督は しばらく沈黙して考えた結果、専門家に訊く事にした。

 

 

*エレベーター*

 

夕張と明石がパイプでエレベーターのドアを開けてる最中に、夕張の携帯に着信が入った。

呉提督に肥料爆弾の造り方を教えてほしいと頼まれ、できるだけ専門用語は使わず説明していく。

それを聞きながら呉提督と刹那は爆弾を造り・・・。

 

呉『出来たわ!さすが呉張(くればり)!』

 

刹那『呉張って何?』

 

呉『夕張ちゃんの真似してる時の私。工作艦、呉張型1番艦 呉張よ』

 

夕張「私 工作艦じゃなくて軽巡洋艦」

 

明石「工作艦は私です」

 

呉『あんたら細かいこと一々うるさいのよ!』

 

刹那『これ壁に置いて爆破すればいいの?』

 

夕張「ううん、それだけじゃ壁の破壊は不充分。指向性を持たせないといけないの」

 

呉『どうすればいい?』

 

夕張「温室なら金属製の机あったよね?それを横にしてL字に置いて、チェーンで吹き飛ばないよう固定して。それで指向性を持たせられる」

 

呉『分かった』

 

通話を切ると、改めて夕張と明石はパイプを握る。

力を入れてパイプを押し込むと、エレベーターのドアが開いた。

そこから2人は直に、それぞれ左右にドアをスライドさせ、完全に開く。

担架にした机をエレベーターから出すのは面倒なため、夕張が健だけを持ち上げ、先に出ていた明石が外から引き上げる。

 

明石「このまま健を歩かせるの?」

 

夕張「キャスター付きのオフィスチェアで運ぼう」

 

 

*温室*

 

夕張に言われた通り、壁際にL字にした机を置き、壁と机の間に爆弾もセットした。

呉提督と刹那は巻き込まれないよう、物陰に隠れて爆弾を起爆する。すると壁の破壊に成功した。

 

 

*サーバールーム*

 

呉「私はホーンを探す」

 

サーバールームに入りシステムを操作するコンピューターの場所には、ホーンの姿が消えていた。壁を爆破した時に逃げた可能性がある。

呉提督はホーンが隠れてないかサーバールームを見て回り、刹那は すぐにシステムの復旧に取り掛かった。

少しして、ホーンが どこにも居ない事を確認した呉提督が戻った。

 

呉「私は敵の侵入を防ぎに行くから」

 

刹那「えっ、1人にするつもり!?」

 

呉「あんたなら1人でも大丈夫。敵が来たら使いなさい」

 

呉提督は1丁の銃を残し、オリーブ財団の特殊部隊と合流するため温室を経由し、出ていってしまった。

残された刹那は・・・

 

刹那「もう何なの・・・バージルも皆も、いっつも私を置いていくんだから・・・!」

 

愚痴を溢しながらも、システムの復旧を急ぐのだった。

 

 

*ブリーフィングルーム*

 

ステフがブリーフィングルームで次々と指示を飛ばしてると、背凭れを横にしたオフィスチェアで健が運ばれてきた。

 

ステフ「健!彼は大丈夫なの?」

 

明石「やったのは止血だけですから、安静にはしておかないといけません。でも病院には早く運ばないと、どんどん体力が落ちて危険です」

 

ステフ「残念ながら誰も外には出れない」

 

システムがダウンする前、大淀に指示して外へ出る出入り口はロックした。だがシステムがダウンした事で、ロックを解除する事もできなくなっていた。

 

夕張「救急車は?」

 

ステフ「こんな状況だから、離れた場所で待機してもらってる」

 

外からは、武装した謎の部隊がビルに侵入しようとしている。下手に近付けば救急隊が撃たれる危険もあるため、どちらにせよ健を搬送するのは無理な状況だった。

 

健「寒い・・・」

 

ステフ「健、もう少しだけ我慢よ」

 

健「もし死んじゃったら・・・?」

 

ステフ「死んだらクビよ」

 

健「じゃあ頑張る・・・」

 

夕張「私と明石は皆と合流するね」

 

ステフ「部隊が待機してる、2階よ」

 

夕張と明石は、他の艦娘達や特殊部隊と合流するためブリーフィングルームから出ていき、ステフは引き続き、それぞれに指示を出していく。

夕張と明石が通路を走ってると、テナントに襲われ足止めされた。

 

夕張「そんなナイフで艦娘に勝てると思ってるの?」

 

テナント「こいつは艦娘も殺せる特別製だ。掠るだけで艤装は使えなくなる」

 

艦娘の力を抑制する弾丸が闇市場に出回っていたが、テナントの持つナイフは その効果を応用されていた。刃の部分は艤装と同じ金属が使われ、艦娘の力を抑制する薬が塗り込まれている。

 

明石「それって・・・」

 

夕張「普通にヤバいね・・・」

 

テナントが襲い掛かり、夕張と明石は必死に抵抗する。

 

 

*会議室*

 

乱闘の末に、3人で扉を破壊しながら会議室に転がり込む。

すぐに立ち上がった3人は乱闘を続けるが、夕張が壁際に追い込まれる。

テナントがナイフを振り下ろすが、夕張は咄嗟に、ホワイトボードにあった蛍光ペンで刃を受け止める。

 

テナント「艦娘ってのは その程度なのか?」

 

夕張「くっ・・・!」

 

ナイフを受け止めながら夕張は手を伸ばすと、ホワイトボード用のスプレーをテナントの顔面に噴射して反撃。

怯んだところを、明石が電気スタンドのパイプを武器に殴り飛ばす。

再び襲い掛かろうとしたテナントだったが、何者かにタックルされ吹き飛ばされる。

そこに現れたのはネロだった。

 

ネロ「こいつは俺が相手する。2人は早く行け」

 

夕張「お願い!明石!」

 

明石「うん!」

 

テナントの事はネロに任せ、夕張と明石は会議室から脱出して皆との合流を急ぐ。

ネロは起き上がったテナントと ぶつかり、格闘戦となる。

 

 

*サーバールーム*

 

サーバールームで復旧作業をする刹那の背後で、逃げたと思っていたホーンが現れた。ホーンは逃げたのではなく、ずっと見付からないように隠れていたのだ。

背後から忍び寄るが、気配を感じた刹那が銃を取り振り返る。

互いに銃を撃ち合いながら物陰に隠れると、2人だけの銃撃戦が繰り広げられる。

互いに移動しながら銃撃し合い、ホーンの横に回り込んだ刹那が飛び掛かる。

どちらも銃を落とし接近戦に縺れ込み、刹那は技を掛けてホーンの動きを封じようとする。

ホーンは技を掛けられながらも落とした銃を見付け、刹那を引き摺りながらも銃の方へ這っていく。

そしてホーンが銃を手にし、刹那が馬乗りになられ銃の奪い合いになる。

銃口が徐々に刹那の顔に向き、万事休すかと思われた その時、ホーンの背中や脇腹に何本もの幻影剣が突き刺さり、奴は絶命した。

起き上がった刹那が見ると、バージルが居た。

 

刹那「遅いよ!」

 

バージル「・・・それは すまなかった」

 

バージルに見守られながら、刹那はシステムの復旧作業を再開した。

 

 

*会議室*

 

テナントの相手を引き受けたネロは、胸ぐらを掴みながら振り回し壁に叩き付けていた。

最後にテナントを放り投げると、どこからか けたたましい銃声が鳴り響き、ネロの意識が そちらに向く。

再びテナントの方に顔を向けると奴は姿を消し、一瞬の隙を突いて逃げられてしまっていた。

 

 

・・・・・・

 

ネロが聞いた銃声は、出入り口を突破して侵入してきた敵部隊が、手当たり次第にオリーブ財団の職員を狙って撃ったものだった。

夕張と明石が2階に着くと、呉提督と特殊部隊が、通路で敵部隊と銃撃戦になっていた。

 

明石「入られたんですか!?」

 

夕張「状況は!?」

 

呉「もう最悪よ!奴ら各階に分散して、こっちの戦力も割く事になった!分かった?!これがカイロの呪いよ!やっぱり病欠しとけば良かった・・・」

 

そこにステフから無線が入った。

どうやら侵入した部隊の狙いは、地下の保冷庫にある生物兵器が狙いのようだ。もう保冷庫に着いた敵部隊が、中への侵入を試みてる最中だ。

その生物兵器は闇オークションに出されていた物で、Devil May Cry鎮守府のメンバーとは違う諜報員がテロリストに渡る前に確保したのだが、処分する方法もなかったため、オリーブ財団で ずっと厳重に保管していた。

 

夕張「大佐、ここは部隊と明石に任せましょ」

 

呉「明石ちゃん、指示は出せる?」

 

明石「大丈夫だと思います」

 

夕張と呉提督は その場を明石に任せ、地下へと急ぐ。

するとステフから、全ての艦娘に艤装の使用を許可する指示が出た。

明石は艤装を展開し、特殊部隊を率いて反撃に出るのだった。




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