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369話です!どうぞ!
Devil May Cry鎮守府及びオリーブ財団の内通者として、これまで敵に情報を流していたのは艦娘の鹿島だった。
ハミルトン・ジト博士に化けたジェイソン・テナントの侵入と、脱走したダニエル・ホーンの混乱に乗じ、鹿島はオリーブ財団から立ち去ろうとした。
そこにダンテが立ち塞がるが、鹿島が大量の中級悪魔を呼び出し、ダンテは悪魔の排除を余儀なくされ、鹿島に逃げられる。
だがテナントに襲われてしまうが、そこにネロが現れ2人を先に行かす。
格闘戦の末にネロが圧勝していたが、銃声が鳴り響き意識が そちらに向いた事で、一瞬の隙を突いてテナントには逃げられてしまった。
サーバールームでシステムの復旧作業をしていた
万事休すというところで、駆け付けたバージルに処刑されてホーンは絶命した。
呉提督と合流した夕張と明石だったが、敵部隊に侵入され銃撃戦になっていた。
敵の目的は、地下の保冷庫にある生物兵器だった。
明石と特殊部隊に その場を任せ、夕張と呉提督は地下へと急ぐのだった。
*オリーブ財団 1月31日 18:12*
地下へと向かう夕張と呉提督だが、2人は まだ保冷庫に着いていない。
通路を走り急ぐが、そこでも敵部隊が現れ足止めを喰らい、銃撃戦となる。
呉「畜生!これじゃ いつまで経っても先に進めないわよ!」
すると そこに、ステフがオリーブ財団の特殊部隊を率いて現れた。
ステフ「ここは食い止める!2人は先に行きなさい!」
呉「うおっ!?まさかの援軍!」
夕張「行こう!」
その場をステフと特殊部隊に任せ、夕張と呉提督は先を急ぐ。
だったのだが、途中で夕張が立ち止まり、床を見ながら何かを考え始める。
呉「ちょっと、何してるのよ?急いで行かないと」
夕張「待って。保冷庫って確か、この下の階だよね?」
呉「そうだけど・・・まさか穴でも掘って下に行くつもり?ドリルも無いし、あっても時間が掛かる」
夕張「・・・・・・その案で行こう!普通に行ってたら足止めされるし、これなら相手の意表を突いて保冷庫に行ける。ちょっと待ってて!」
呉「夕張ちゃん!?」
夕張は必要な物を取りに どこかへ行ってしまい、呉提督は訳も分からないまま その場で待たされるのだった。
・・・・・・
消防斧を持って戻ってきた夕張は、それで呉提督に ひたすら床に穴を掘らせていた。
ある程度の深さの穴を掘り、夕張がニトロメタンとエチレンジアミンを混ぜたPLXという液体爆薬を穴に流し込むと、切った消火ホースを導火線にして準備が完了する。
そして2人は、別の消火ホースを身体に巻いて命綱にする。
呉「床を吹っ飛ばして穴から下に下りるの?」
夕張「そう。でも爆発してからじゃ遅い。爆発に向かって走るの」
呉「はぁ!?自分から爆発に突っ込むとか自殺行為じゃない!普通は隠れるでしょ!」
夕張「うん、でも これ普通じゃないから。いい?爆発の瞬間、穴の真上にジャンプするの」
呉「真上に?」
夕張「そう。PLXは真横に爆風が拡がる。唯一の安全地帯は真上だけ。だから爆発する時にはジャンプして穴の真上に居ないと、巻き込まれて吹き飛ぶよ」
呉「いいわよ、私だって軍人だもの!やってやろうじゃない!」
夕張「準備はいい?」
呉「いつでも!」
夕張「走って!」
導火線に火を点け、消火ホースを走る火と競争で2人は全力で走る。
夕張「ジャンプ!!」
夕張の言うタイミングに合わせ、呉提督も穴の真上にジャンプすると穴で爆発が起き、2人は瓦礫と共に穴に落ちていった。
*保冷庫*
命綱にした消火ホースで無事に着地すると、保冷庫前に居た敵部隊が瓦礫に押し潰され下敷きになっていた。
保冷庫の中は、奥が危険物を保管する部屋と、手前が安全スペースとでガラスの仕切りで部屋が分けられている。
2人が保冷庫に入ると、敵部隊が奥で生物兵器を取り出す者と、出前で退路を確保する者とで二手に分かれていた。
夕張と呉提督が来た事に気付き、退路を確保する敵が銃口を向けるが・・・
夕張「撃っていいの?ここには強力な可燃物やウイルスがある。もし どれかにでも当たったら、全員あの世行きよ」
夕張の脅しに、敵部隊は互いに顔を見合わせ引き金を撃つのを躊躇う。
だが それは、呉提督も銃が使えないという事だ。どちらも銃が使えないとなると、残るは肉弾戦のみ。
夕張と呉提督は、敵部隊との殴り合いとなり乱闘になる。
*ブリーフィングルーム*
殆んどの敵を一掃し、ブリーフィングルームへと戻ったステフは、各々からの報告を聞いていた。
その横で、オフィスチェアで安静にしてる健は、ガラス越しにブリーフィングルームの外の廊下を歩く1人の男に目が止まった。
健「ぁ・・・・・・ぁ・・・ス・・・ステフ・・・」
弱ってきてる健は満足に声も出せなくなっていたが、それでもステフに何かを伝えようと、男を指差しながら掠れた声で呼ぶ。しかし、ステフは無線や携帯で話しており、健の声は聞こえていなかった。
健が廊下を歩く男の顔を見た時、その顔に見覚えがあった。
“こいつは貰っていくぞ”
テナントが健を刺して立ち去った時、ラボにあったマスクを盗んでいった。
男の顔とマスクが同じ顔をしており、マスクが盗まれた事を思い出した健は、それを必死に伝えようとしていた。
マスクを被るテナントが向かう方向から、恐らく出口に向かおうとしている。このままでは逃げられてしまう。
ステフが気付いてくれないため、健は痛む身体を動かし、オフィスチェアから立ち上がる。
無理に動いたせいで傷口から また出血するが、健は血を垂れ流しながらも重い足取りで歩き、扉付近の壁に向かっていく。
ステフ「残りは7人よ。誰か夕張と
誰かと話してる途中で、ビル内に火災報知器が鳴り、天井のスプリンクラーから水が噴き出す。
何事かと驚いたステフが振り返ると、血を流す健が壁に凭れながら、ゆっくり座り込むのが見えた。
ステフ「健、何してるの!?」
すぐに駆け寄ると健が何か言おうとするが、火災警報で よく聞き取れない。ステフは耳を近付け・・・。
火災警報で何だ何だと大勢の職員が足を止めてる中、マスクを被って別人に成り済ましたテナントは1人だけ歩いていた。
だが異変が起こり奴は焦る。マスクがボロボロと崩れ、溶け始めたのだ。
夕張と明石、ニコの3人で作ったマスクは、防水加工が施されていなかった。健は それを知っていたため、スプリンクラーを作動させるために無理をしてでも火災報知器を鳴らしたのだ。
ステフ「止まりなさい!」
廊下に出たステフは、他の職員とは違う行動を取るテナントに銃口を向ける。
足を止めて振り返ったテナントの顔が、ボロボロに溶けたマスクの下から覗いていた。もう他の職員に紛れる事などできない。
ステフにも銃口を向けられ、今度こそ追い詰められたテナントは、苦肉の策で近くに居た女性職員を人質に取り、頭に銃口を突き付ける。
テナント「俺に近付くな!」
ステフ「もう逃げられない!諦めて彼女を放しなさい!」
互いに怒鳴り合い、どちらも引かない事から膠着状態になる。
引き下がるつもりはないが、このまま長引かせるつもりもステフには毛頭ない。
ステフは銃口を僅かに下に下ろし、引き金を引く。放たれた銃弾は、女性職員の足の間から見えていたテナントの足に命中した。
テナントは痛みから女性職員を放し、自分の身体を支えられず膝を突く。
その隙に、女性職員は泣きながら悲鳴を上げ、逃げるようにテナントから離れる。
ステフ「よくも滅茶苦茶にしてくれたわね!」
テナントに近付いたステフは、眼を しっかりと見ながら鬱憤を晴らすように、全力でテナントを殴り倒した。
*保冷庫*
敵部隊と乱闘を続ける夕張と呉提督。
そんな中、乱闘に参加してない敵部隊は生物兵器の取り出しを続けていた。
それを阻止しようと夕張は保冷庫の奥に入ろうとするが、何度も立ち上がる敵部隊に身体を掴まれ襲い掛かってくるので、いつまでも止める事ができなかった。
そこに呉提督が横からタックルし、夕張にも襲い掛かる敵を全員 引き受ける。
呉「オラ来やがれ!!」
その隙に夕張は奥の部屋に入るが、生物兵器の取り出しを続ける敵部隊は それを気にする事なく、作業を続ける。
夕張は液体窒素が入ったボンベを手に取り、それを噴射して妨害する。
夕張を煩わしく思った敵部隊が襲い掛かり、彼女を殴り倒すと また作業に戻る。
そして敵部隊は生物兵器を確保すると、保冷庫から出ようと動き出す。
立ち塞がる夕張が冷却剤のホースとナイフを手に、敵部隊を脅しに掛かる。
夕張「動かないで!動いたら これを切るわよ?」
それを切って どうなるのか よく分からない敵部隊は、淡々と夕張を見詰める。
夕張「これを切って冷却剤を酸素に晒せば炎上する。生物兵器も あんた達も一緒に燃やす。それは外には出させない!さぁ、どうする?」
更に脅しを掛けるが、夕張が自滅するような事をしないと判断してか、敵部隊は彼女を無視して出ていこうとする。
夕張「くっ・・・!」
脅しが通用せず夕張は戸惑ったが、遂に冷却剤のホースを切り、保冷庫内を炎上させる。
燃え盛る炎に敵部隊がパニックになり火達磨になってる間に、夕張は生物兵器が入った容器を奪い取りガラスを割って外に脱出。
その時には呉提督も丁度どうにか敵を倒し終わったのだが、燃え盛る炎を見て唖然としていた。
夕張「早く外に出て!」
呉「あんた今度は何したの!?」
夕張「爆発する!」
呉「またかよ!」
2人は保冷庫から急いで出ると、保冷庫の中では可燃物に引火して連続の爆発が起き、最後には大爆発が発生して保冷庫内の全てが燃えた。
*オリーブ財団前*
鹿島が呼び出した大型悪魔を相手にしていたダンテも、丁度5体全てを倒し終わっていた。
ダンテ「鹿島・・・」
ダンテは もう、姿のない鹿島が立ち去った方角を見詰めながら、彼女の名を呟くのだった。
・・・・・・
*ブリーフィングルーム 21:25*
一段落し、あれから健は、待機していた救急車に運ばれ病院へと向かった。
無理に動いて再び出血するような無茶があったが、もう安心であると病院の方から連絡があった。
ブリーフィングルームには今、夕張とステフ、呉提督、刹那が集まっている。
夕張「ごめん、もっと上手くできれば良かったんだけど、ボロボロにしちゃって・・・」
オリーブ財団のビルの壁は、夥しい程の銃弾の跡があり、床も保冷庫も壁も爆破し、何もかもがボロボロで滅茶苦茶になっていた。
建物の基本システムだけは復旧できたが、全体の機能は90パーセントが機能しておらず、ほぼ壊滅状態と言える。
だがステフは、そんな状態になっても怒っていなかった。寧ろ よく この状態で留められたと思っている。
ステフ「いいえ、あなた達は よくやったわ。敵を防ぎ、最善を尽くしてくれた」
呉「あら、褒めてくれるの?じゃあ態度で示してよ。ハグして」
ステフ「しない」
ステフにハグを要求するが断られたため、今度は夕張と刹那に無言でハグを要求する。
しかし・・・
刹那「そんな気分じゃない」
夕張「私も遠慮しとく」
2人にも断られ、夕張とステフ、刹那がブリーフィングルームから出ていき、呉提督はハグの受け入れ体勢のままポツンと取り残された。
*艦娘寮*
同じ頃 艦娘寮では、ダンテがネロとバージル、艦娘達、ニコを集め話をしていた。話の内容は、鹿島についてだ。
ダンテは これまでの、鹿島の辻褄の合わない行動や、本人が語ったこと、そして自分達の元から去った事を全て話した。
艦娘達の反応は、ダンテの言う事だからと信じ、鹿島に怒る者、どうして鹿島がと戸惑う者、特に何か言う事なく、何の反応も見せない者と様々だった。
そんな中、誰よりも動揺してるのは香取だった。大切な妹が敵で、本当の妹は既に死んでいたなど、精神的ショックを受けるには充分だった。
香取「そんな・・・・・・どうして、鹿島が・・・え、そんな・・・だって鹿島は・・・」
ダンテの話には辻褄が合っており、香取も強くは反論できなかった。
それに思い返せば大本営の所属だった頃、急に鹿島の物忘れが酷かった時があったと心当たりもあった。それは物忘れではなく、実際には別人で知らなかったからだとダンテの話を聞いていれば分かる。
それもあり、香取にとって益々ダンテの話に信憑性を持たせていた。
香取「わ、私は、どうすれば・・・」
大淀「香取さん・・・」
ダンテ「・・・・・・香取も そうだが、お前らに1つ訊きたい。鹿島を どうしたい?」
加賀「どうって・・・どういうこと?」
ダンテ「あいつは もう、“邪魔するな”と言った。だが今後も同じ事を続けるなら、敵に回った あいつと ぶつかる事になる。その上で、お前らが鹿島を どうしたいか聞きたい」
バージル「決まってる。敵になったなら斬るまでだ」
ダンテ「お前には訊いてねぇ」
ネロ「・・・俺は もう1度、鹿島と話したい。何で俺達じゃなく敵に付いたのか、どうして鈴谷を敵に売ったのか、もう1度━━」
ダンテ「お前にも訊いてねぇ」
ネロ「・・・分かったよ」
漣「え、何でネロさんとバージルさんの意見は聞かないんですか?」
ネロ「多分ダンテは、鹿島が艦娘だから、同じ艦娘の皆が どうしたいか聞きたいんだろ。そうだよな?」
ネロが そう問い掛けるが、ダンテは黙ったまま艦娘達を見詰める。その場に居た者達は、それがダンテの肯定であると理解した。
艦娘達は視線を床に落とし、考え込んでしまう。
ネロのように どうしてなのかと疑問もあれば、ずっと騙されていた事や、鈴谷を死に追いやった事に対して怒りもある。
話したところで それを許せるかも分からない。
許さなかったとしても、それで他に鹿島に対して何ができるのかも分からない。
敵として戦うべきなのか、話し合うべきなのか、もう何が正しいのか分からなくなってしまっていた。
艦娘達が そうなるのを分かっていたのか、ダンテは次の選択肢を用意していた。
ダンテ「もし お前らが望むなら・・・もし鹿島を取り戻したいと思うなら、俺は全力で手を貸してやる」
天龍「取り戻すって何だよ・・・?」
ダンテは、鹿島に他の艦娘との共通点を見出だしていた。それは眼だ。
ダンテ「あいつ自身も、艦娘売買で売られた艦娘だと言っていた」
それを話してる時の鹿島の眼は、艦娘売買を経てDevil May Cry鎮守府に着任した艦娘と、同じ眼をしてるように感じた。その眼には悲しみ、怒り、憎しみ、諦め、そして どこか、助けを求めてるようなものもあった。
それに1番 引っ掛かるのは・・・
“・・・・・・もし私が・・・遠くに行ってしまったら、提督さんは どうしますか?”
“・・・行く、かもしれませんし・・・私が手の届かない所に行ってしまったら、提督さんは どう思いますか?”
ダンテが南極に出発しようとする直前の鹿島の様子だ。
甘い考えかもしれないが、鹿島は本当は あの時、裏切る自分を止めてくれと、助けてくれと、声なきSOSを出していたんじゃないかと、今になって そんな気がしてならない。
島風「じゃあ鹿島さんは、私達と一緒ってこと?」
葛城「私達と一緒・・・」
ダンテ「そうだ。他にも過去に、お前らの中には酷い目に遭ってきた奴も居る。あいつの眼は、その時の お前らの眼と同じだった」
瑞鶴「だ、だからって、皆と一緒って訳じゃないでしょ?鹿島がやった事は度が過ぎてる。艦娘売買で売られた事を差し引いても、それで軍や政府が黙ってるはずないよ!」
長門「解体は免れない、か・・・」
だがダンテには、鹿島を完全に敵と見なすには もう1つ違和感があった。
確かに鹿島は、内通者として暗躍してたのは事実だろう。結果を見ても明らかだ。
だがDevil May Cry鎮守府の敵でありながら、全体的に見ると鹿島の行動は消極的にも感じる。
鹿島が着任してから今日まで、Devil May Cry鎮守府を内部から壊滅させるチャンスは幾度もあったはずだ。
どこまで鹿島が裏で糸を引いてたか分からないが、大きな打撃を与えるような攻撃を仕掛けてきたのは、今回の騒動である今日だけ。
それに艦娘を売り飛ばすにしても、鈴谷1人に留まってるのも不思議な話だ。その気になれば、Devil May Cry鎮守府の艦娘を もっと何人も売り飛ばせたかもしれないのに。
ダンテ「あいつは今日まで悟らせないほど賢く動いてたのに、いくらでもチャンスも時間もあったのに、何で それだけだったんだろうな?」
大和「・・・・・・躊躇い、でしょうか?」
吹雪「大和さん、どういう意味ですか?」
大和「確かに提督の言う通り、彼女には もっと被害を拡大させるチャンスがあったはずです。何故なら、私達は それに気付けず防ぎようがなかったから」
本来なら、今回のような事が もっと頻発しても おかしくなかったかもしれない。
鈴谷以外に もっと多くの艦娘が陥れられ、売られていた可能性だってある。
Mr.Jの手駒である鹿島が そうしなかった事に、メリットがあるとは思えない。
それでも鹿島が そうしなかったのは・・・。
大和「鹿島さんも私達と過ごす内に、まだ ほんの僅かな情が残っていたんじゃないかと、提督の話を聞いてると そんな気がしてならないんです」
日向「だが今回は、今までのように前向きな気持ちではいられない。提督の話を聞く限り、葛城達の時とは違って、鹿島は確かな悪意を持って今回の事件を引き起こした。鹿島にも事情があると言って、それに目を瞑るのか?」
ネロ「だからこそ、あいつから話を聞くべきなんじゃないのか?あいつの本音が どこにあるのか、それを確かめる必要がある」
日向「・・・まぁ、それは そうだが・・・」
北上「ねぇ提督、今現在、鹿島さんの立ち位置って どうなってんの?」
鬼怒「どうって敵でしょ?」
北上「そうなんだけどさ、まだ鎮守府の所属から除名した訳じゃないんだよね?」
大淀「うん。まだ正式には決定は下ってないから、後回しにされてる」
北上「じゃあさ、もうやる事って決まってない?」
天龍「決まってるって何が?」
北上「だから まだ鎮守府の所属だから、まだ“家族”で“仲間”って事でしょ?そりゃ家族が悪さしたら、ねぇ?」
つまり北上が言いたいのは こうだ。まだ正式にはDevil May Cry鎮守府の所属なら、家族のやった事は家族の責任だ。
鹿島が本気で敵に回ったのか そうでないのかは一先ず置いといて、その責任を取り自分達で鹿島を捕まえてボコボコに・・・じゃなくて お仕置きしてやるのが筋ではないかと。
天龍「出たよ、とりあえず首 突っ込んでみる論」
北上「どうよ?」
北上の提案を聞いた途端、日本艦の多くが悪い笑みを浮かべる。
鹿島には これまで散々、馬鹿にされたり煮え湯を飲まされてきた。鹿島が敵に回ったのなら、遠慮なく仕返しできるというものだ。
そうなれば、艦娘達の意思も決まる。
ダンテ「それで、どうする?」
加賀「いいわ、鹿島を止めましょう。私達の手で」
摩耶「あいつ あたし達から逃げれたつもりだろうけど、どこまでも追い掛けてビビらせてやる」
曙「んで、全力で お仕置きね」
龍田「どうやって泣かそうかしら~?想像しただけで、今からゾクゾクしちゃうわ~♪」
香取「皆さん・・・」
妙高「香取さんも、一緒に彼女を捕まえましょう。捕まえて、話をするべきです」
香取「・・・・・・そう、ですね・・・例え偽者でも、それでも あの娘は妹でした・・・はい、姉として責任を取って、あの娘を捕まえます!」
鳳翔「提督、私達の意思は決まりました。あとは提督の命令だけです」
ダンテ「フッ、なら・・・今後もMr.Jと鹿島の邪魔は続ける。向こうが こっちの邪魔するなら、それすらも叩き潰す。覚悟はしとけよ」
『はい!』
鹿島は きっと、こう思っていただろう。これでDevil May Cry鎮守府が手を引いて、大人しくなればと。
だが鹿島の裏切りで、逆にDevil May Cry鎮守府の艦娘達の心に火が点き、鹿島に仕返しして泣かせるという悪意ある目的で、更に団結してしまった。
鹿島は ある意味、敵に回してはならない者達を敵にしてしまったのかもしれない。
ビスマルク「本気?ここまでされて、まだ鹿島を“家族”や“仲間”なんて言うの?鈴谷を死なせた張本人でもあるのよ!そんな理由で━━」
天龍「だからこそだよ」
ビスマルク「え・・・?」
天龍「あいつはムカつくし、やった事も許せねぇよ。それでも鎮守府の艦娘だ」
北上「だからこそ私達の手で捕まえて止めないと気が済まない。これが私達なりの筋の通し方だよ」
摩耶「それに売られた喧嘩は、買うのが あたし達Devil May Cry鎮守府だからな」
ウォースパイト「でも その後は?捕まえても解体は免れないわよ。鹿島を家族と言う あなた達は、それでもいいの?」
ウォースパイトの問いに日本艦が静まり返るが、そんな中で川内が口を開いた。
川内「それは その時 考えよう。今ウダウダ考えたって どうにもならない」
『だよねー』
ウォースパイト「(それでいいの・・・?)」
だがDevil May Cry鎮守府が この決断をしたなら、今後はMr.Jや鹿島との攻防は更に激化するだろう。
それでも、Devil May Cry鎮守府は進み続けるだろう。誰かに命じられたからではなく、自分達の使命だからではなく、自分達のやりたい事を、正しいと思う道を・・・。
*シカゴ ???*
シカゴにある建物、その どれかにある地下研究所に、Devil May Cry鎮守府を裏切った鹿島が居た。
彼女の目の前には、ダンテ達が奪われた黄金の像、琥珀、真鍮の容器が鎮座しており、鹿島は ずっと それらを見詰めている。
すると背後から、杖を突きながら歩くMr.Jが近付いてきた。恐らく杖を突く音で誰が来たか、鹿島は気付いているだろうが、振り返る事はなかった。
そしてMr.Jは、鹿島と並び同じように3つの鎮座する物を眺める。
J「随分と時間が掛かったな」
鹿島「・・・申し訳ありません」
J「だが何故 奴らは誰1人として死んでいない?Devil May Cry鎮守府を壊滅させるのが お前の役目だったはずだ。手心を、加えたな?」
鹿島「・・・・・・・・・」
J「奴らに情が湧いたか?殺す事に疑問を抱いたか?それとも、自分も奴らと同じになれると思ったか?同じように生きれると」
鹿島は ずっとMr.Jと視線を合わせなかったのに、問い掛けが終わった瞬間に勢い良く身体ごとMr.Jの方に向き直った。
鹿島「とんでもありません!私は あなたの道具。それ以外の生き方など私には・・・」
J「・・・それを理解してるなら今は良しとしよう。だが、お前も分かってるとは思うが、罰は受けてもらう」
鹿島「・・・・・・はい・・・」
Mr.J は用が終わり立ち去ろうとしたが、思い出したように足を止め口を開く。
J「そうそう、先方から お礼の電話があったよ。お前が用意してくれた艦娘は よく働いてくれてるとな」
鹿島「・・・そう、ですか・・・」
J「引き続き頼むぞ」
今度こそ用がなくなり、Mr.Jは笑い声を上げながら鹿島の前から立ち去るのだった。
・・・・・・
*シベリア 2月5日 5:01*
数日後、夕張は1人でシベリアに来ていた。古代のウイルスが入った、生物兵器の容器を持って。
夕張「これで元通り」
氷のクレパスの下に生物兵器の容器を落とし、ウイルスが本来あるべき場所へと戻した。これで、生物兵器が誰かの手に渡る事はないだろう。
戻れば また忙しい日々が待っている。
夕張は次に何を発明しようか考えながら、オリーブ財団への帰路に着くのだった。
鹿島の裏切りという、先に出すべき所まで出した感じですので、次回は2話 続けて楽しい雰囲気の お話にしようと思います。
次回も宜しく お願い致します!