遅くなり申し訳ないです。
373話です!どうぞ!
道場破りで次々と武術家の命を狙う紅牙流・邪心拳の使い手、
鎮守府へと運ばれ入渠もするが、『邪心風拳』のダメージは身体に残り続け、体内をボロボロにして意識の戻らない川内を苦しめ続けるのだった。
*街 3月11日 14:39*
川内は まだ目を覚まさないが、Devil May Cry鎮守府に休む暇などはなかった。街に悪魔が現れ、暴れているのだ。
悪魔を討伐するために、鎮守府から伊勢型、天龍型、摩耶が駆け付ける。
駆け付けた伊勢達の視界に入ってきたのは、有象無象の悪魔を率いる悪魔の姿だった。その姿は、大きな壺に手足があるような見た目で、壺の中心には1つ眼があった。
伊勢「天龍型は周りの悪魔を お願い!私と日向と摩耶は、あの変な悪魔の相手よ!」
「「「「了解!」」」」
天龍型は伊勢達から離れ、市民を襲う有象無象の悪魔の対処に向かった。
伊勢達は先手必勝と壺の悪魔に砲撃すると、壺の悪魔の表皮で爆発が起きた。
だが その攻撃で、悪魔も伊勢達の存在に気付いた。
悪魔『貴様ら艦娘だな?ノヴァ様の命により、ここで叩き潰してくれるわ!』
摩耶「ノヴァの手先か。だったら序でに、居場所も教えてもらうぜ!」
摩耶が続けて砲撃し、伊勢型は刀を手に悪魔に駆け出し、間合いに入った瞬間に刀を振る。しかし刃は入らず、悪魔の身体がポヨンとして弾かれ、2人は摩耶の所まで吹き飛ばされてしまった。
日向「な、何だ!?」
悪魔『俺には如何なる攻撃も通用しない。どんな攻撃も、俺の腹で弾き返してくれるわ』
摩耶「だったら こいつは どうだ!」
余程 自信があるのか悪魔は高笑いし、それに ちょっとイラッとした摩耶は再び砲撃する。
摩耶「んなっ!?」
撃ち出された砲弾は悪魔の腹に弾き返され、砲弾が伊勢達の方に戻って飛んでいく。3人が咄嗟に避けると、後方で着弾して爆発が起きた。
日向「(こいつの身体、どうなっている!?)」
伊勢型も再び刀で攻撃を仕掛けていくが、全て腹で受け流されダメージが通らない。
めげずに攻撃を続けていくが、それでも悪魔の不思議な感触の腹には効いていなかった。
悪魔『そんな攻撃、俺には通じないぞ!俺はデビルハンターを殺すために特化した身体を持っているのだからな!』
伊勢「何ですって!?」
悪魔の眼が一瞬 光ったと思えば、至近距離で眼から光弾を発射して伊勢型を吹き飛ばし、2人は中破の損傷を受ける。
天龍「皆!」
率いていたのが低級悪魔だったからか、思ったより早く有象無象の悪魔の駆逐を終わらせた天龍型が戻ってきた。
天龍型は伊勢達の援護のために主砲から一斉射するが、撃ち出された砲弾も悪魔の腹に弾き返され、伊勢達の方に戻っていく。
摩耶「うわあああああ!!!」
自分達の砲弾が命中して爆発が起き、伊勢達は更に被弾してダメージを負いながら吹き飛ばされてしまう。
悪魔『目障りだ。デビルハンターの前に、先ずは艦娘から片付けてやる』
悪魔は壺の入り口にもなってる頭を向けると、そこからウネウネと動く虹色の光が飛び出し伊勢達に襲い掛かる。
天龍「くっ・・・!」
龍田「天龍ちゃん!?」
倒れてる状態では伊勢達も すぐに避けられないと判断した天龍は、伊勢達を護るために その身を盾にする。そのせいで天龍は虹色の光に包まれ、悪魔の中へと吸収されてしまった。
すると、悪魔の身体でもある壺の表面に、嘗ての艦艇だった頃の姿である天龍の絵が浮かび上がった。
悪魔『ハハハッ、これで先ずは1人だ!このまま他の連中も俺の身体に封印して、コレクションを増やしてやる!』
摩耶「この野郎・・・!」
日向「天龍を返せ!」
伊勢型と龍田は砲撃が駄目ならと、接近戦で挑むため刀と矛を手に駆け出すが、悪魔の眼から放たれた光弾の爆発で足を止めてしまう。
日向「あいつ どこに行った!?」
改めて悪魔の方を見ると、悪魔は一瞬の間に姿を消していた。天龍を その身に封印したまま・・・。
摩耶「ヤバい事になっちまった・・・」
自分達のせいとはいえ、まさか天龍が悪魔の中に吸収されたまま逃げられてしまうとは思わず、この事を鎮守府に居る皆に伝えるため、伊勢達は慌てて戻るのだった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室 16:08*
加賀「天龍が悪魔に吸収された!?」
鎮守府へと戻った伊勢型と摩耶、龍田から話を聞いた加賀だったが、とんでもない事態になってしまったと知り、驚きで大きな声を出してしまう。
加賀「そいつは そこまで強いの?」
摩耶「いや、見た目は あんまり強そうじゃないんだけど・・・」
伊勢「そいつ私達の砲撃 弾き返して、攻撃が全く通じないの」
日向「今度の悪魔は いつもと何かが違った。提督達を呼び戻した方がいいかもしれない」
加賀「そこまでの相手なの!?でも困ったわね。今は3人も別件で動いてて、すぐに呼び戻せないわ・・・」
そこでアーロンが執務室に入ってきた。
やはり また盗み聞きしていたようだ。
アーロン「面倒な奴が出てきたものだね。天龍君を吸収したのは『壺魔神』と呼ばれていた悪魔だ」
伊勢「アーロン、あの悪魔を知ってるの?」
アーロン「知ってるも何も、私の時代でも暴れ回っていた悪魔だからね」
その悪魔は悪魔狩人から生き残るために進化を繰り返し、今の姿と能力を得た。
壺魔神の腹は分厚い脂肪に覆われており、どんな攻撃の威力も その脂肪で遮り弱めてしまい、何倍にもして相手に弾き返してしまう。
3千万年前も まだ正気だった七騎士が討伐に向かったが、彼らも かなりの苦戦を強いられたそうだ。
龍田「その時は どうやって倒したの?」
アーロン「いや、倒せた訳じゃない。当時の黒の魔石の守護者が異空間への扉を開き、そこに奴を閉じ込めたんだ。復活したという事は、恐らく我が母上が封印を解いたのだろう」
摩耶「異空間って、そんなの どうすればいいんだよ!?」
アーロン「あの異空間は特別なものだった。何せ魔石の力で生み出したのだからね。同じのは用意できない」
いま魔石はノヴァの手に渡っている。過去の黒の魔石の守護者が魔石の力で悪魔を異空間に封じ込めたのなら、同じように魔石の力を利用して封印を解いたのだろう。
摩耶「最悪だ・・・」
伊勢「なら他の方法しかない。というか、普通に倒せばいい。いつも通りね」
摩耶「限りなく不安だ・・・」
壺魔神が どこに居るかは不明だが、奴はデビルハンターを狙ってるようだった。なら こちらから探さなくても、向こうから来る可能性がある。
艦娘達は、次に壺魔神が現れるのを待つのだった。
・・・・・・
*街 3月12日 13:13*
だが その時は すぐに来た。
街に壺魔神が現れ、艦娘達が迎撃に向かい戦闘となったが・・・
瑞鶴「ぐあっ!」
高雄「くっ・・・!」
艦娘全員の攻撃も壺魔神の脂肪に弾き返され、ただ一方的にダメージだけが蓄積されていった。
壺魔神の頭から光が飛び出し、瑞鶴と高雄も光に包まれ吸収されてしまった。
壺魔神の身体には、艦艇だった頃の瑞鶴と高雄の絵も浮かび上がった。
翔鶴「瑞鶴!?」
愛宕「高雄!」
悪魔『お前達は こうしてやる!』
『うわあああああ!!!』
壺魔神の眼から光弾が幾つも発射され、着弾した爆発で共に出撃していた艦娘達が吹き飛ばされてしまう。
・・・・・・
*医務室 3月15日 14:23*
川内「ぅ・・・」
「「姉さん!/川内ちゃん!」」
川内が倒れてから1週間後、彼女は神通と那珂が見守る中で目を覚ました。
神通は安心したように川内の手を握り、那珂も目尻の涙を拭いていた。
川内「神通に那珂・・・」
その時、大淀の館内放送が流れ、街に壺魔神が現れ暴れてる事を知る。
神通「私達は行ってきます」
那珂「川内ちゃんは ゆっくり休んでてね!」
川内「待って、私も・・・」
神通と那珂は弾かれたように飛び出し、川内は それを追おうとしたが、ずっと寝ていた事もあり足に力が入らず、ベッドから落ちて床に倒れてしまった。
その時、右手に違和感を感じた。何か濡れてるような、ベタベタする感じだ。見ると、右手が赤く染まっていた。
そこで川内は気付いた。神通が自分の手を握った時に付着した血だと。
天龍に続き瑞鶴と高雄も吸収されてから、艦娘達は連日 現れる壺魔神の迎撃に向かった。
だが攻撃は通じず反撃を受け、入渠もままならないほど被害が拡大していった。
川内「行かなきゃ・・・!」
川内は どうにか立ち上がり、医務室を後にする。
・・・・・・
*街 15:01*
川内が壺魔神の暴れてる街に着くと、先に出撃していた艦娘達が倒れていた。
川内「皆!」
陸奥「川内、どうして来たのよ・・・!?」
川内は艤装を展開して砲撃するが、壺魔神の腹で弾かれ砲弾が戻ってくる。
川内は それを避けて接近すると、連続の蹴りを入れる。だが壺魔神の腹で受け流されてしまい、手応えがない。
壺魔神『邪魔だ!』
川内「ぐわっ!」
『川内!!』
壺魔神に殴られ、たった1発で川内は遠くまで吹き飛ばされてしまう。
壺魔神の頭から光が飛び出すと、神通と那珂が吸収されてしまった。
壺魔神の身体には、2人が艦艇だった頃の姿の絵が浮かび上がっていた。
ビスマルク「ここは一旦 退かないと・・・!」
足柄「行くわよ!」
艦娘達はボロボロになりながらも、川内を回収して撤退するのだった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂 20:34*
先に入渠を終わらせた艦娘は、食堂に集まり椅子に座りながら項垂れていた。こっちは人数が居るのに、まさか魔剣士3人が居ないだけで こうも手も足も出ないとは思わなかった。
摩耶「クソォ、勝つ方法が見付からねぇ・・・」
*医務室*
その頃 医務室では、川内が明石とアーロンの診察を受けていた。
アーロン「・・・・・・うん、邪心風拳の後遺症は もう大丈夫そうだ」
明石「それより、病み上がりで いきなり出撃するなんて無茶にも程があるでしょ!」
川内「ごめん・・・」
明石に怒られる川内が見てられなかったのか、アーロンは苦笑いを浮かべながら程々にするように言って止めた。
だが今 考えなければならないのは、壺魔神の事だ。
川内「皆が手も足も出なかった相手なんて、どうしたらいいの?」
アーロン「それを聞いて どうする?」
川内「倒す」
アーロン「・・・紅牙流の人間にも勝てなかった君が、あの悪魔に勝つなんて無理だ」
ぐうの音も出ない川内は黙り込んでしまい、アーロンは椅子から立ち上がると出口に向かい、医務室を出る前に1度 足を止めた。
アーロン「まぁ、修行でもすれば勝てるんじゃないのかい?」
それだけ言い残し、アーロンは医務室を後にした。
川内はアーロンの言った意味を、どう考えてるのだろうか?
・・・・・・
*軍港 3月16日1:27*
川内「ごめん、皆・・・」
深夜、川内は大きなリュックを背負って暗い海へと飛び出した。
朝に川内が居ない事に艦娘達が気付き大騒ぎとなったが、川内を探す余裕もなく現れる壺魔神の対処に追われ、艦娘達は川内抜きで戦う事になるのだった。
・・・・・・
*中国 山 中国時間3月16日 12:02*
鎮守府を飛び出した川内は、
山の頂上にある1軒の小さな小屋みたいな家の戸を開けると、この山の主である老師が のんびりと茶を飲んでいた。
老師「勝手に入ってくるな、バカタレ」
久しぶりの再会だというのに小言を言う老師だが、川内は それを無視して突き進むと老師の傍で立ち止まる。
顔を上げて川内の顔を見た老師は何かを察したのか、真剣な顔付きになった。
老師「・・・何があった?」
川内「紅牙流・邪心拳って知ってる?」
その名を聞き、老師は驚き目を見開いた。
老師「どこで その名を聞いた?」
川内「その使い手に会って敗けた」
老師「よく生きてたものじゃ。断る」
川内「まだ何も言ってない」
老師「お前さんの考えなど お見通しじゃ。大方そいつを倒す方法でも聞きたいのだろう。悪い事は言わん。邪心拳には関わるな」
それでも川内には、ここまで来て帰る訳にはいかなかった。
いま日本で、どんな攻撃も通用しない悪魔が暴れていること、仲間の艦娘が そいつに吸収されたこと、紅牙流・邪心拳の使い手に勝てない自分では、その悪魔を倒せないと言われた事を話した。
川内「教えてくれるまで私は ここから離れない。こうしてる間にも、家族が傷付いてる。だから私は、強くなるまで お願いし続ける。私を強くして」
老師「ふむ・・・・・・家族か・・・。あの時、お前さん達が来た事で儂の家族も助けられた。借りは返すべきか・・・」
川内「じゃあ・・・!」
川内の顔が華が咲いたように明るい笑みになるが、老師から待ったを掛けられた。
老師「覚悟はできてるのか?邪心拳の恐ろしさは その素早さにある。勝つには その速さを上回れる程の肉体を得なければならない。修行は過酷なものになるぞ?」
川内「・・・覚悟の上で来た」
老師「・・・まぁ、どの道お前は命を落とすだろうな。邪心拳の使い手と戦わなくても、自分から殺してくれと泣き喚くじゃろう」
川内「え、それって どういう・・・?」
それが どういう意味なのか、川内は修行が始まってから理解する事になった。
・・・・・・
川内「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!!」
修行が始まり数時間後、夜の老師の家の中で川内の悲痛な絶叫が響いた。倒れて もがき苦しむ川内の全身に、バネの拘束具が取り付けられていた。
バネは強力で川内の動きを阻害し、満足に立ち上がる事もできない。
修行で動きやすいようにと上だけキャミソール姿になっていたのだが、腕など剥き出しの肌にはバネが食い込み、彼女の身体を傷付け血を流していた。
川内「こんなの無理ぃ!!これを外してっ!!外してよっ!!老師ぃ!!老師ぃ゛い゛い゛い゛い゛っ!!!」
外に居た老師は扉の隙間から泣き叫ぶ川内を見ていたが、ソッと扉を閉めるのだった。
・・・・・・
3日が経った。
気力で どうにかバネの拘束に耐えて立っている川内の周りには、彼女を囲むように5本の蝋燭が立てられていた。老師が課した修行は、バネに動きを阻害されながらも、拳圧で蝋燭の火を消せというものだった。
川内は全ての蝋燭に拳を突き出すが・・・。
川内「消えない・・・!うぐっ、ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
少し気を抜いた瞬間に、バネがギチギチと鳴り川内の身体に食い込み、痛みに悲鳴を上げながら倒れる。
1度そうなってしまうとバネの強度もあり、立て直すのも かなり難しく苦痛を伴う。
川内「ぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅっ・・・!無理だよ・・・!私には・・・こんなの無理・・・!」
川内は泣きながら、拘束具の腕のベルトを外し始める。
だが その時に見えた手に付着する自身の血を見て、外そうとする手が止まる。
脳裏に浮かぶのは、艦娘を凌駕する程の力を持ち自分を圧倒した村雨 亮、そして壺魔神に吸収された姉妹艦の顔だった。
川内「神通・・・那珂・・・!やめ・・・られないっ・・・!皆を・・・助けなきゃ・・・!あいつに・・・勝つんだ・・・!」
川内は外そうとした腕のベルトを戻した。
その瞬間、またバネが食い込み川内の悲鳴が響く。
・・・・・・
*日本 街 日本時間3月23日 12:15*
街で美姫が歩いてると、車を運転する亮を見掛けた。
・・・・・・
*浜辺 12:36*
浜辺の近くの駐車場に停まった亮が車から降りると、誰かの気配に気付き浜辺の方を見た。そこには修行を終えて日本に戻ってきた、川内が立っていた。
亮「また あなたですか。怒りますよ?あまり しつこいと」
川内「諦める訳には━━ぐっ・・・いかないんだ・・・!私は・・・勝つ・・・!」
そう言うが、川内の顔には余裕がなかった。苦しそうな表情をする顔には、脂汗が出ている。
2人の視線が交差し睨み合っていると、亮はジャケットを脱いで車の中に置いた。
亮「仕方ない。では死んでもらいましょう」
*工業地帯*
壺魔神が また現れ暴れていたのだが、殆んどの艦娘が吸収され、残るは伊勢型の2人だけだった。
壺魔神の身体は既に、艦艇だった頃の艦娘達の絵で埋め尽くされていた。
壺魔神『お前達にも俺の壺を飾ってもらおう』
それでも伊勢型は諦めず、刀を手に壺魔神に立ち向かっていく。
*浜辺*
浜辺で戦う川内と亮は駆け、飛び上がると互いに突き出した拳が ぶつかり合い、間髪入れずに繰り出した拳が互いの胴に入り、2人は距離を空けた位置で着地する。
すると徐に、川内は上の服を脱ぎ捨てた。
服を脱いだ川内の姿を見て、亮は驚いた。川内は、バネの拘束具を着けたまま戦っていたのだ。
亮「貴様、そんな物を着けて俺と・・・!紅牙流を舐めるか?!」
唸る川内が身体に力を入れると、拘束具がバラバラと外れ砂の上に落ちた。
川内「勝負!」
亮「紅牙流奥義、『邪心風拳』!」
亮は川内を苦しめた邪心風拳の構えを取り、そこに川内が雄叫びを上げながら駆け、正面から向かっていく。
川内が間合いに入った瞬間に亮が拳を突き出すが、川内の手に止められる。
そこから亮は連続で拳を繰り出すが、川内は そのスピードに付いていき次々と拳を止めていく。
川内が動きを阻害する拘束具を着けて修行や生活してた間は、言ってみれば何十キロもある重石を着けたような状態だった。拘束具を外し身体が軽くなった今の川内なら、亮のスピードに追い付くのも可能だった。
そして押さえた亮の拳を弾き、顔面に裏拳を入れると亮が後退る。
亮「俺のスピードに付いてくるとは・・・!?」
川内「見切ったぞ貴様の拳法!」
そこに、亮を追ってきた美姫が現れた。
美姫「やめて!亮!お願いやめて!」
亮「美姫・・・!?」
川内「隙ありー!てやぁー!」
美姫に気を取られた隙を狙い、川内は顔面に飛び蹴りを喰らわせる。
亮は砂浜を転がりながらも立ち上がるが、川内の渾身のパンチを顔面に喰らい、口から血を吹き出しながら亮は吹き飛び、海へと落ちた。
そのタイミングで無線連絡が入ってる事に気付き、川内は艤装を展開する。
明石『川内、どこに居るの!?皆が大変なの!早く戻ってきて!』
川内「っ・・・!」
亮との決着は付いた。
川内は艤装を解除すると、急いで壺魔神が暴れてる工業地帯へと走る。
・・・・・・
*工業地帯 14:12*
川内が工業地帯に着くと、壺魔神の前で伊勢型が倒れていた。
川内「皆ー!」
伊勢「川内!」
日向「こいつの弱点は眼だ!」
「「うわっ、うわああああああ!!」」
アーロンが突き止めた弱点を伝え、伊勢型は光に包まれ壺魔神に吸収された。もうマトモに戦えるのは、川内だけとなってしまった。
川内「っ・・・!?許せない・・・私の拳、受けてみろー!!」
壺魔神『お前の へなちょこ拳法など、俺には通じん!』
壺魔神の眼から光弾が放たれ、その爆発で川内の姿が見えなくなる。だが炎が収束していくと、まだ僅かに燃えてる炎の後ろに、艤装を展開した川内が立っていた。
無事な川内を見て、壺魔神は驚いていた。
壺魔神『おぉっ!?』
川内「行くぞー!」
川内は炎を突っ切り壺魔神に向かっていくと、連続キックを浴びせていく。
壺魔神が反撃に出ようとするが、川内は その腕を払い落とし、壺魔神の目に指を突っ込み眼球を握り潰す。
壺魔神『う、うおおおおお!眼が、眼がああああああ!』
川内「秘技、『
流星閃光━━修行で川内が老師から教わった、たった1つの技。一呼吸の間に、数百発の突きを ただ一点に集中して打ち込む技である。
そして高速の連打の後、壺魔神の脂肪でも防げない渾身の一撃を入れると、壺魔神が吹き飛んだ。
倒れる壺魔神の身体の一部が欠けると、吸収された艦娘達が解放されて飛び出し、1ヶ所に重なるように地面に落ちた。
蒼龍「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」
大井「ちょっと どいてよ・・・!」
漣「誰か漣の手ぇ踏んでる!」
摩耶「お前ら早く どけ・・・!」
川内「良かった・・・」
皆が解放されて安心した川内は気が抜け、倒れ込むように気絶する。それを、出張から帰ってきたダンテが受け止めた。
ダンテの隣には、同じく戻ってきたネロとバージルの姿もある。
ダンテ「よくやった。ゆっくり休め」
川内を ゆっくりと地面に下ろしてから壺魔神を見ると、壺のように膨らみのあった身体が萎んで弱々しくなっていた。
壺魔神『お、俺の脂肪が~・・・!』
ネロ「さてと、よくも皆を可愛がってくれたな」
バージル「借りは返すぞ」
眼球を潰され壺魔神の強さの要でもあった脂肪が無くなり、壺魔神は3人の魔剣士に あっという間に倒される事となった。
・・・・・・
*浜辺 17:32*
亮が海に落ちてから、美姫は ずっと彼を探していた。
浜辺を走り回り、打ち上げられていた亮を見付ける。
抱き起こし呼び掛けると、亮が目を覚ました。
美姫は亮に、もう戦わないでくれと懇願する。だが、次に美姫の口から出たのは小さな呻きだった。
亮「言っただろ。次は死ぬ事になると」
ピンと指が伸ばされた亮の手には、美姫の血で濡れていた。
美姫は ゆっくりと目を瞑り、その場に倒れ込み息を引き取った。
亮「俺は、強くなるんだ・・・」
立ち上がった亮は川内から受けたダメージもあり、フラフラとした足取りで浜辺から立ち去っていく。
その背中を、離れた位置でベルゼが見ていた。
ベルゼ「あいつ、使えるな」
邪悪な笑みを浮かべるベルゼは、何かを企んでいた。
最近 執筆の時間が取れなくなっている状況のため、次回の投稿予定日は未定とさせていただきます。
そのため しばらく お休みさせていただく事になるかと思いますが、ある程度 執筆が仕上がったら投稿を再開させていただきます。
次回も宜しく お願い致します!