379話です!どうぞ!
保育士の間で拡がっていた体調不良が、卒園式の後から子供達の間でも拡がり始めてしまった。
そして遂には、依頼者でもある
心配したネロ達は凜の お見舞いに向かうが、その途中で菌糸で構成された身体を持つ異形に襲われ、それを退ける。
ネロはレッドクイーンを取りにホテルに向かい、睦月型が凜の住むマンションに先に向かったが、そこでも異形に襲われた。
睦月型はマンションの外に出て倒そうとしたが、遅れて駆け付けたネロに止められてしまった。異形の正体は、人間だったのだ。
*街 3月18日 20:52*
凜の部屋から現れた異形が凜かもしれないと考えが行き着き、その事に睦月型が動揺してると異形が襲い掛かってきた。ネロが異形の腕を掴むと、動きを封じて止める。
卯月「それ、凜かもしれないぴょん!攻撃しちゃダメぴょん!」
ネロ「チッ、やりにくいなぁ、もうっ!」
それでも何もしない訳にはいかないため、ネロは異形の腹部に膝蹴りを入れ、更にハイキックを入れて吹き飛ばす。
三日月「どうにか捕まえて、凜さんの部屋に押し込みましょう!」
ネロ「はいよ!」
起き上がった異形の身体を掴み、ネロは そのままマンションの方に押し込んでいき、睦月型も それを追う。
*マンション*
暴れる異形を殴りながら逃がさないようにしてると、エレベーターのドアの前まで来た。
ネロ「誰かボタン押してくれ!」
菊月「押した!押したぞ!」
ネロ「さっさと中に入れよ・・・!」
エレベーターの中に押し込むが、ネロが顔を殴られ吹き飛ぶ。
異形が中から出てこようとするが、睦月型が慌ててタックルして中に押し戻そうとする。
ネロ「もう何なんだよ・・・!」
起き上がったネロも手伝い、異形と共にエレベーターの中に入るとドアが閉まる。
凜の部屋がある階数に向かって上がっていくが、着くまでが大変だった。狭いエレベーターの中で異形が暴れて踏んだり蹴ったりなのだ。
皐月「もう狭いってぇ~!」
ネロ「暴れんなよ・・・!」
如月「ちょっとネロ!狭いんだから こっち来ないで!」
ネロ「ムチャ言うな!」
目的階に着き、今度は異形を押し出す。
三日月が凜の部屋の扉を開け、ネロと睦月型が力を合わせて異形を中に入れる。
奥まで押し込み滅茶苦茶になった部屋まで戻ってきたが・・・。
文月「こ、ここから どうするの!?」
ネロ「何か縛る物 持ってこい!」
部屋まで押し込めたが、暴れる異形の動きを完全に止めなければ何も状況が改善されない。
睦月型は手分けして、散らかってる部屋を更に散らかしながら、何か縛れる物が無いか探す。
クローゼットなども開けて探すが・・・
如月「ひぃ~!」
暴れるネロと異形が突っ込んでくるせいでスムーズに探せない。
散らかってる物に躓きネロが仰向けに倒れると、異形が馬乗りになってきて何度も顔面を殴られる。
卯月「ネロこっち来ないでほしいぴょん!」
ネロ「いいからっ・・・!早くっ・・・!探せっ・・・!」
殴られながら喋るせいで言葉が途切れ途切れになるが、それを聞き睦月型は、また突っ込んでこないかとビクビクしながら捜索を続ける。
ネロ「おらぁっ!」
倒れたまま異形の背中を蹴り飛ばすと、今度はネロが異形に馬乗りになり殴りまくる。
その間に、荷造り用の紐が見付かる。
皐月「あった!あったよ!」
ネロ「持ってこい!」
『おりゃーーー!!』
睦月型は荷造り用の紐と布団を持って、ネロと異形に向かって突撃した。
・・・・・・
少しして、疲れ果てたネロと睦月型が床に寝転がっていた。
異形は布団で簀巻きにされながら縛られ、モゾモゾと小さく暴れている。
ネロ「相手が厄介過ぎる・・・」
睦月「倒さずに止めるって、難しい・・・」
卯月「うーちゃん喉 渇いたぴょん・・・」
菊月「私もだ・・・」
三日月「こらこら、人の家の冷蔵庫 勝手に開けない」
卯月「何も入ってないぴょん・・・」
菊月「貧乏保育士め!」
望月「人のこと言えねー・・・」
貧乏はネロ達も同じ。
何はともあれ、保育園で拡がる体調不良と この異形は何か関係があるはずだ。でないと、凜の代わりに異形が部屋に居るなど おかしな話である。
如月「まさかとは思うけど、あの保育園に何かあるんじゃない?」
ネロ「それは俺も思ってた」
定かではないが、保育園関係者の間で ここまで拡がってるなら、あの保育園に原因となる何かがある可能性はある。
ネロ達は明日、手の空いてる時間に保育園を調べる事にした。
如月「凜は どうする?」
ネロ「このまま鍵 閉めて置いとけば大丈夫だろ」
見た限り、異形が布団を引き千切って自由になる様子は見られない。
それでも心配は残るので、毎日 交代で様子は見に来る事にした。
三日月「凜さん、鍵お借りします」
望月「また明日ー」
ネロ達が凜の部屋から出ていった後も、異形は ずっとモゾモゾしていた。
・・・・・・
*保育園 3月19日 15:24*
翌日、ネロ達が保育園に来ると、また休んでる子供が増えた。
ネロ達は保育園での仕事と来てる子供達の相手をしながら、手の空いた時に怪しい物が無いか探したが、それらしい物は見当たらなかった。
もしかしたら食べ物に何かしら混入してるかもしれないと思い、その辺りの事も調べたが結果は変わらずであった。
卯月「何も出てこないぴょん・・・」
如月「どうする?明日から春休みで保育園は休みでしょ?」
望月「もう ちょっと調べたいっちゃ調べたいんだけどね」
睦月「兎に角、時間の許す限り見て回ろう!」
園児「睦月せんせー!こっち来てー!」
睦月「あ、あはは・・・睦月は無理っぽい」
望月「いいよ、行っといで。こっちでやっとくから」
それぞれバラバラに散っていき、卯月は辺りを見渡しながら裏手の方に回った。その日当たりの悪い場所で、古びた倉庫があるのを見付けた。
卯月「・・・うーちゃんの名探偵のレーダーが反応してるぴょん。あ・や・し・い」
ソッと近付いていくが、倉庫の扉は南京錠で施錠されていた。
卯月は周囲を見渡し誰も居ない事を確認すると、南京錠を壊そうとする。引っ張ったり捻ったりするが、そんな事で壊れるはずもなく・・・。
卯月「(生意気な鍵だぴょん。・・・・・・艤装を使うのは・・・流石にマズいかぴょん)」
?「何をしてるんです?」
卯月「っ!?」
後ろから声を掛けられ、驚いて一瞬 心臓が止まった卯月が咄嗟に振り返ると、園長が立っていた。
園長「どうしました?」
卯月「あ、いや~・・・こ、ここは何に使ってるのかな~と思いまして・・・ぴょん・・・」
園長「ここは ちょっとした運動会などで使う物を仕舞ってるんですよ。今は必要な物もありませんし、開ける機会は少ないんです」
卯月「へ、へー、そうなんですね・・・ぴょん・・・」
園長「興味ありますか?」
卯月「え?」
園長「中に何があるか、興味ありますか?」
卯月「え、え~っと・・・」
卯月は何故か この時、これ以上 倉庫に関して関わってはいけないような気がして冷や汗が流れる。
卯月を そんな気にさせるのは、これまで培ってきた艦娘としての勘なのか、それとも園長の目が そうさせているのか・・・。
卯月「う、うーちゃん、乳児クラスでの仕事があるので そろそろ行きますぴょん・・・」
園長「はい、よろしく お願いします」
卯月は逃げるように走っていき、園長は無表情で その背中を見送ると、ポケットから南京錠の鍵を取り出し倉庫を開けた。中には大量の菌糸が拡がり、奥には菌糸の塊が黄色い光を明滅させながら鎮座していた。
園長は菌糸の塊に近付き両膝を突くと、ソッと塊を抱き締めた。
園長「大丈夫よ・・・あなたは私が大事に育てるから」
その後ネロ達は可能な限り探索をしたが、今回の事件に繋がるような物は何も見付けられなかった。
・・・・・・
*街 3月22日 10:22*
保育園も春休みに入り数日が経った日、街は何の前触れもなく混沌へと陥った。菌糸で構成された身体の異形が街の至る所に現れ、人々を襲い、街を壊していった。
ネロ「早く逃げろ!」
ネロ達は襲われてる人を助け異形を引き付けるが、相手が人間かもしれないという理由から完全に滅ぼす事ができず、焼け石に水だった。
異形を倒す事はできなくても、それでも民間人を助ける事はできると信じ、ネロ達はできる限りの範囲で人々を助け回った。
・・・・・・
時間も過ぎ夜になり、ネロ達に襲い掛かっていた異形達が突然 動きを止めた。
ネロ「・・・何だ?」
不審に思いながら警戒して様子を見ていると、異形が再び動き出したのだが、ネロ達を襲わず全ての個体が同じ方向へ歩いていく。
如月「これ、どういうこと・・・?」
菊月「どこに向かってるんだ?」
ネロ「・・・追うぞ」
・・・・・・
*保育園 22:02*
人も襲わず歩き続けた異形が辿り着いた場所は、ネロ達が働く事になった保育園だった。
皐月「ちょっと待って!門が開いてる!」
長月「いま春休みで誰も来てないはずだろ。しかも この時間なら尚更」
異形にとって保育園の門が開いていたのは都合が良かったのか、全ての個体が迷う事なく保育園の中に続々と入っていく。
ネロ「やっぱり ここの保育園に何かあったのか。俺達も行くぞ!」
異形を追って保育園の中に入ると、異形が両手を挙げ、天を仰ぎ見ながらユラユラと揺れていた。まるで神を崇める信奉者のように。
だがネロ達は招かれざる客だったらしく、振り返った異形が一斉に襲い掛かってきた。
望月「襲ってきたり襲わなかったり、どっちなのさ・・・!」
如月「こっちに来ないでってばー!」
異形が人間かもしれず、倒す事も躊躇われる中で囲まれ襲われる状況に、完全に戦況は不利な状況だった。
それでもネロ達は攻撃は一切せず、どうにか異形の腕を避け逃げ続ける。
三日月「でも おかしいです!保育園で散々 怪しい物が無いか探したのに、ここに何があるんですか!?」
長月「分からんが、この状況は何かあるだろ!」
その時、卯月が春休みに入る前に裏手の倉庫と園長の事を思い出した。
裏手の倉庫を調べようとした時、不自然にもタイミング良く園長が現れた。
しかも中に何が入ってるのか口答で説明してくれたのに、わざわざ中を見せようともしてきた。その時 嫌な予感がした事も。
卯月「っていう事があったぴょん!」
ネロ「何で それを もっと早く言わなかったんだよ?!」
卯月「乳児クラスの世話で すっかり頭から抜け落ちてたぴょん!それに あんな薄気味悪い倉庫、絶対 中に死体が入ってるか幽霊 出てくるぴょん!」
三日月「保育園に死体なんかあるはずないでしょ!」
如月「私の横で幽霊の話しないで!」
望月「死体も幽霊も どっちでもいいけど、実際 調べてないのって その倉庫だけじゃない?」
ネロ「あぁ、元凶があるとしたら そこだろうな。そうと決まれば・・・!」
ネロだけ立ち止まり振り返ると、後ろから追ってきていた異形をデビルブレイカー・オーバーチュアで、電撃の掌底打ち『バッテリー』を喰らわせ纏めて吹き飛ばす。
異形が起きると、ネロ達の姿は既に消えていた。
ネロ達を見失ったからか、異形は その場に留まり また両手を挙げて、天を仰ぎ見ながらユラユラ揺れるのだった。
・・・・・・
倉庫がある場所まで辿り着くと、倉庫の扉が開いていた。
睦月型は中を確認しようと動くが、ネロの腕に止められた。
ネロ「待て。何か来る」
倉庫を睨むネロの視線を追って倉庫に向き直ると、中から園長が出てきた。
睦月「園長・・・」
ネロ「アンタが この騒ぎの元凶だったとはな。お前は何者なんだ?!」
園長「・・・・・・・・・」
弥生「・・・様子が変」
倉庫から出てきた園長の目は虚ろで、ネロ達の姿を認識してるのか してないのか、目が合わない。
すると真っ暗な倉庫の中から、菌糸の触手が飛び出し園長の身体に絡み付いた。
園長『邪魔しないでよ』
園長の口から、園長の声に重なるように子供のような声も発せられ、眼も妖しく光る。
三日月「園長、何を言ってるんですか?」
ネロ「違う、いま喋ってるのは園長じゃない」
園長?『よく分かったね。ボクは自分では喋れないから、彼女の口を借りて喋ってるんだ』
ネロ「お前が元凶の悪魔だな?何が目的だ?」
園長?『目的?・・・・・・ボクは ただ生きたいだけだよ』
この悪魔は菌であり、自由に動き回れる肉体は持ち得ていない。そのため成熟するまでは外敵から身を守れないため、人間の身体に自身の胞子を取り込ませ、その人間を操り自身を育て守らせていた。それに選ばれたのが偶然にも園長だった。
ネロ「生きたいだけなら魔界で大人しくしてろ。人間界から出ていけ。序でにバケモノに姿を変えた人間達も元に戻せ」
園長?『それはムリかな』
如月「無理って どうしてよ?!何で こんな事するの?!」
園長?『人間も他の悪魔も愚かだと思わない?個という存在であるがために、どちらの存在も殺し合い進化の余地がない。でもボクは違う、ボクに個という概念は存在しない。拡がり続けるボクの進化は永遠に続く。ボクは皆で皆はボクだ。ボクと1つになる事で、平和で幸せになれる。争いのない世界で生きられるようになるんだ』
この菌糸の悪魔は全ての生命体を自身の菌糸で侵食し、個でバラバラであるはずの意識を1つに繋げて巨大インターフェースを確立し、全てを支配し管理するのが目的だった。
しかし それは・・・。
ネロ「お前・・・神にでもなるつもりなのか?」
園長?『違うよ。ボクは世界その物になるんだ。君達もボクと1つになろうよ。皆で1つになれば、一緒に進化できるんだから』
如月「絶対に嫌!それって あんな化物の姿になるって事でしょ!絶対に お断りだから!」
園長?『・・・分からないなぁ。進化の余地もない個という存在に拘るなんて。そんなに互いを殺し合いたいの?』
ネロ「勝手なこと言ってくれるぜ」
悪魔の勝手な言い分など、これ以上 聞く気のないネロは背中からレッドクイーンを抜き構えるが、卯月が数歩 前に出た。
ネロ「卯月・・・?」
卯月「お前は間違ってるぴょん!確かに、うーちゃん達や人間は時に、自分1人のために戦うぴょん。この手で・・・でも この手で、相手の手を握る事もできるぴょん!その時うーちゃん達は、弱くても、愚かでも、1人じゃないぴょん」
そう卯月が啖呵を切ると、他の睦月型も前に出て卯月と並び立つ。
睦月「それに睦月達が戦うのは、ただ殺し合うためなんかじゃない」
園長?『なら何だ?』
如月「進化よ」
菊月「お前、働いた事ないだろ?」
皐月「失敗しても成功しても、共に働く仲間を励まし、助け合い、一緒に進化していく」
文月「そのために文月達は━━」
長月「働いて戦ってるんだ!」
文月「ふえ~ん、文月のセリフ取られたよ~・・・」
園長?『・・・やっぱり、個という概念を持つ存在は不条理だね。でも、それも ここまでだよ。こいつは もう用済みだ』
菌糸の触手が突然 園長を放り投げ、睦月型が慌てて受け止める。
園長は意識を失っているが、目立った外傷はなく無事だった。
触手が倉庫の中に引っ込み、ネロが それを追おうと走るが、大きく地面が揺れて足が止まる。
直後、倉庫の屋根を突き破って大木のような菌糸の塊が伸びていく。それは尚も成長するかのように倉庫を破壊しながら伸び、大きくなっていく。
ネロ「ここに居たら危険だ!一旦 離れるぞ!」
ネロが園長を抱え、睦月型と共に その場から離れる。
・・・・・・
*街 23:24*
菌糸の塊の全容が見える所まで離れると、頂点にはキノコの傘のような物もあった。
望月「うわ・・・今回 出てきたのってキノコの悪魔だったんだ・・・」
皐月「しばらくキノコ食べれないね・・・」
睦月型の数名が微妙な顔でキノコ型悪魔を見てる後ろで、ネロも園長を地面に下ろしてから遠くに見える悪魔を見据える。
ネロ「食べはしないが、これからキノコ狩りと洒落込むか」
三日月「ですね」
卯月「ここまでテンションの上がらないキノコ狩りも珍しいぴょん・・・」
如月「まぁね・・・」
ネロ「ほら、気合い入れて行くぞ!」
『了解!』
ネロはデビルブリンガーの翼を広げ先に向かい、睦月型は自分の足で走り悪魔へと戦いを挑んでいく。
・・・・・・
戦闘が始まってから数時間が経過したが、戦況は芳しくなかった。
キノコ型悪魔から触手が伸び、宙を飛ぶネロはレッドクイーンで斬り伏せていく。
立て続けに迫る触手を避けながら悪魔に接近すると、幹にレッドクイーンを突き刺し『イクシード』発動して炎で炙る。
レッドクイーンを引き抜き離れるが、レッドクイーンで攻撃を与えた部分が すぐに再生し、そのせいで倒すまでに至っていなかった。
ネロ「こいつ、火が弱点じゃなかったのか・・・!」
不死身だった異形が弥生の砲撃で苦しんでいた事から、それを操る悪魔も同じだと思っていたが違っていたようだ。
地上からも睦月型が砲撃していたが、どこからか集まってきた異形が現れ、そちらの対処に追われていた。
卯月「うわーっ!?」
ネロ「卯月!?」
菊月「こっちは気にしなくていい!自分達で どうにかする!」
長月「ネロはキノコの方を頼む!」
睦月型を助けようとしたが逆に止められたため、ネロは頷いてから悪魔に向き直る。
ネロ「って言っても、どうやって こいつを斬り倒すかだよな・・・」
悪魔に有効な攻撃手段が見付からず、ネロは どう倒したものかと思案するが何も閃かない。
すると宙に浮くネロの近くで、光の粒子が集まり人の形となる。
ネロ「また お前かよ。今はアンタの相手はしてられない」
?『ベルセルク、いくら攻撃してもムダです』
ネロ「ムダ?ムダだと?なら倒し方 知ってるなら教えてもらいたいんだけどな」
そう指摘すると、光の人物は悪魔の生え際である地面に腕を伸ばす。すると地面で光が輝いた。
正確には その光は悪魔が根を張る地下で光っているのだが、光の人物が地面を透過させて、光が見えるようにしている。
?『菌糸は無限に増殖し、再生を続けます。しかし それをコントロールするためのコアを破壊すれば増殖は止まり、あの巨体を維持できず自己崩壊するでしょう』
ネロ「そのコアがある場所が、あの光が見える所か」
?『そうです』
ネロ「アンタは誰なんだ?」
?『私は・・・』
ネロ「教えてくれ。俺を“ベルセルク”と呼ぶなら、アンタはアーロンやセリーナと関係があるんじゃないのか?」
光の人物は自分の正体を明かす事を躊躇ってる様子だったが、アーロンとセリーナの名を出すと、微かに笑ったような声を漏らした。
?『懐かしい名前ですね・・・。私は、あなたの“旧き友人”であり、“これから友人となる者”です』
ネロ「それ、どういう意味なんだ?おい!?」
光の人物は問いに答える事なく、光の粒子となって弾けると消えてしまった。
気にはなるが、ネロは悪魔を倒す事を優先する事にする。
悪魔のコアを示す光は まだ見えている。狙うは地下深くにある そこだ。
デビルトリガーを発動したネロは飛翔し、悪魔の真上から真っ直ぐ急降下していく。
ブルーローズから『チャージショット』を撃ち、弾丸と共に飛ぶ幻影刀が悪魔の表面を抉る。
再生が始まるが、完全に元に戻る前にX字の風の斬撃『マキシマムベット』を繰り出し、更に深く抉る。
その場所を狙って、魔人ネロはレッドクイーンを突き出し悪魔に突進すると、キノコの傘の部分から悪魔の体内へと侵入した。
そしてレッドクイーンを突き出したまま、悪魔の体内を抉りながら突き進み、コアがある場所を目指す。
皐月「囲まれた~!」
地上では異形に囲まれ、睦月型が追い詰められていた。
異形が腕を伸ばしながらノロノロと迫ってくるが、睦月型に手が届く前に全ての異形が倒れた。
望月「え、これ・・・どういうこと?」
倒れた異形の菌糸がボロボロと崩れ、姿を変えられていた人間が出てきた。
睦月「もしかして・・・!」
睦月型は巨大なキノコ型悪魔の方を見ると、そちらもボロボロと崩壊して崩れ落ちていくのが見えた。
完全に消滅すると、悪魔が生えていた場所に出来た大穴からネロが飛び出した。
*マンション*
凜が借りてるマンションでも、異形に変えられていた凜が元の姿に戻り、目を覚ました。
凜「むにゃ・・・う~ん、いま何時・・・?って、これ どうなってんの!?あーーーっ!!私の部屋ーーー!!!」
目を覚ましたのはいいが、自分が簀巻きにされてる状況に頭が混乱し、目も当てられないほど散らかった部屋を見て絶叫する事となった。
その後ネロ達はマンションに来て凜を簀巻きから解放したのだが、そのまま居座り疲れから寝落ちする事となった。
・・・・・・
*駅 3月23日 9:34*
鎮守府に戻るため、ネロ達は駅に来ていた。
凜も見送りで一緒に来ていたのだが、睦月型は不機嫌で凜が ずっと謝っていた。
保育園の園長も目が覚めたのだが、悪魔に操られる前の記憶までしかなく、ネロ達をアルバイトで雇った事など憶えていなかった。そのため今回の仕事でのギャラが発生せず、長い間タダ働きさせられた事に睦月型が怒っていたのだ。
保育園での仕事と悪魔を倒した報酬が出ず、ホテル代と交通費でマイナスであるため赤字である。そりゃ睦月型が怒るのも無理はない。
凜「ほんとに ごめんって~。毎月ちょっとずつ自腹で返すから、それで許して!ね?」
卯月「貧乏保育士の言う事なんて信用できないぴょん!」
『うんうん』
凜「だから ほんとに ごめんってば~。ちゃんと払うから。で、どれだけ払えばいいの?」
如月がスマホの電卓で経費や その他諸々を計算して画面を見せると、凜の顔が引き攣る。
凜「・・・・・・え・・・?0多くない!?そんなに払えないって!友達価格は!?」
卯月「何が友達価格ぴょん!こっちの苦労を考えたら妥当だぴょん!」
如月「ちゃんと払ってね。じゃないと、怖~いデビルハンターが3人ぐらい取り立てに来るから、覚悟してね♪」
凜「そ、そんなぁ~・・・」
個人で払えるかも分からないような金額を提示され、凜は あまりのショックに項垂れ その場にヘタリ込んでしまう。
ネロ「おい、凜を あまり苛めるな。別にタダでも━━」
『駄目っ!!』
弥生「赤字のまま帰ったら・・・」
皐月「ボク達が加賀さんに殺される・・・!」
望月「大淀さんにもボコボコにされる」
ネロ「2人には俺から上手く言っとくって・・・」
出発の時間になり、ネロと睦月型は新幹線に乗り込み鎮守府へと帰る。
結局 払わなきゃいけないのか そうでないのかハッキリしないままネロ達が行ってしまったので、凜は払う事になった時の事を考え、泣きながら手を振り新幹線が見えなくなるまで見送るのだった。
次回は残るバージルと吹雪型の お話になりますが、そちらはホラーを意識したストーリーになりますので、ホラーが苦手な方には申し訳ないです。
次回も宜しく お願い致します!