381話です!どうぞ!
心霊スポットに肝試しに向かった男女6人の若者が、行方不明となった。
彼らを探す依頼が入り、加賀の采配でバージルと吹雪型が向かう事になる。
心霊スポットとなる場所では50年前に、ダム開発に伴い ある村がダムの底に沈み、地図から消えた。
それ以降 周辺では、心霊現象や不自然な事故、目撃情報などが噂となり、あまりの危険さに近付く者も居なくなっていた。
そんな場所で新たな行方不明となった者達を探し、バージル達はダムの調査に向かったが、大した手懸かりとなる物は見付からなかった。
翌日、ダムの周辺を調査するため山に入った一行だったが、吹雪型は心霊現象の噂があるトンネルで それらしい現象を目撃してしまう。
トンネルを抜けて山の中を進むと、行方不明となった者が所持していたカメラを見付ける。
直後、童歌を歌う声が聞こえ、白い着物を着たボブカットの少女が現れる。
謎の少女に誘われるように彼女を追うが、バージル達は何らかの結界の中に入ってしまうのであった。
*山 ?月?日 ??:??*
まだ昼前だったはずなのに、一瞬にして夜になってしまった山の中をバージル達は進む。
深雪「うわ~、夜の山って不気味・・・」
白雪「・・・・・・あれは・・・何かしら?」
吹雪「ん、何?」
白雪「ほら、あそこ」
白雪の言う方角では、かなり遠くにオレンジ色の光が幾つも並んで見える。恐らく火の灯りと思われる。
叢雲「何なのかしらね?」
磯波「とりあえず、行ってみる?」
吹雪「いいですか、バージルさん?」
頷くバージルからも了承を得て、一行は灯りが見える場所に向かう事にした。
・・・・・・
かなり歩き、そろそろ灯りがある場所に近付いてきたと思うタイミングで、バージルに止められた。
磯波「どうしたんですか?」
バージル「隠れろ」
バージルの指示に従い、木の陰に隠れて灯りがある方角を見る。
オレンジ色に見えた灯りは松明の光で、山の中に作られた石造りの階段を、見た事もない白装束を着た集団が1列に並んで上がっていた。
その奇妙な光景に、吹雪型は これが何なのか皆目 見当も付かなかった。
磯波「この人達、何・・・?」
バージル「(全員が同じ装束・・・何かの儀式か?)」
しばらく階段を上がる白装束達の様子を見ていたのだが、連中が一斉に足を止めバージル達が隠れる方角に同時に顔を向ける。
深雪「(え・・・?)」
吹雪「(何で こっちに・・・!?)」
白装束『侵入者だ・・・』
白装束『侵入者だ・・・!』
白装束『侵入者だぁ!』
『いぃっ!?』
明らかに こちらに気付いてる様子と、どこか狂気染みた声に吹雪型は肝を冷やす。
白装束達は松明を持ったまま こちらに駆けてくる。
バージル「俺が時間を稼ぐ。貴様らは逃げろ」
深雪「逃げるって どこにだよ!?」
バージル「どこでもいい。早く行け!」
そんな問答をしてる間にも、白装束達は狂気を孕んだ怒号を上げながら向かってきている。仕方なく、バージルに その場を任せて吹雪型は背を向け走る。
バージルは木の陰から姿を出して白装束達の前に立ち塞がると、松明の灯りに照らされながら囲まれてしまう。
バージル「・・・貴様らに手心を加えてやる必要は・・・」
『・・・・・・・・・』
バージル「・・・ないようだな」
白装束達が殺意を持って にじり寄ってくる中、バージルは ゆっくりと鞘に納まる閻魔刀の柄に手を掛ける。
直後、斬撃の嵐が吹き荒れた。
・・・・・・
あの場をバージルに任せ走り続けていた吹雪型は、後ろを確認して誰も追い掛けてきていない事を確認してから、足を止め一息 吐く事にした。
すると、少し離れた場所に人工物である木で出来た柵が立ってる事に気付く。
その人工物を辿りながら進んでみると、かなり古い造りの村に着いた。
村の入り口にある看板には『
吹雪「・・・・・・“逢魔村”って聞いた事ある?」
白雪「ううん、ない・・・」
深雪「ここヤバくね?」
叢雲「村に“逢魔”なんて名前 付けるなんて、少し普通じゃない気もするわね」
村の名前になってる“逢魔”とは、恐らく『逢魔が時』から来ているのだろう。
逢魔が時━━昔から他界と現実を繋ぐ時間の境目と伝えられている。この時刻に魔物や妖怪が蠢き始めて災いが起きると伝えられていた。
探照灯で照らして見える限りでは、村の民家は どこも灯りがなく真っ暗で、何十年も人の手が加えられず、雨風に晒されてボロボロであるのが よく分かる。人が今でも住んでるとは到底 思えない。
それなのに、村の中で何か物が動く音がした。探照灯で そちらに光を当てると、一瞬だが人の姿が見えた。
深雪「・・・誰か居たね」
吹雪「うん、居た・・・」
叢雲「一瞬だったけど、明らかに服装は都会の人間だったわね」
磯波「じゃあ、行方不明になった人!?」
白雪「怖いけど・・・行ってみる?」
初雪「お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛・・・」
いきなり、初雪の口から おっさんみたいな野太い声が出てきた。
叢雲「何?」
初雪「行゛ぎたくな゛~い゛・・・」
深雪「どうやって その声 出してんだよ?」
叢雲「はぁ・・・さっさと行って さっさと帰りましょ・・・」
行きたくないのは全員 同じだ。それでも行って行方不明者を連れて帰らない事には、ここまで来た意味もなくなってしまう。
嫌な気持ちを抑え、吹雪型は1歩を踏み出し村の中へと足を踏み入れた。
*廃村*
どう見ても この村は廃村で、やはり今でも人が住んでるとは思えない。しかし村を見て回ってる途中で、ある民家の中に人影らしきものが見えた。
白雪「・・・誰か居る?」
叢雲「行方不明者かもしれないわね。行ってみましょ」
初雪「うん・・・」
叢雲の言葉の後、初雪の肩に手が乗る。初雪は その手に自分の手を重ねて返事をする。
吹雪、白雪、深雪、磯波が初雪の横を通り先に前に出ると、続いて叢雲も前に進む。
初雪「っ・・・!?」
初雪の肩に乗る手は叢雲のだと思っていたが、叢雲は初雪の前に居る。
そして手は まだ初雪の肩に乗っている。なら この手は誰のだ?
肩から手が離れた瞬間に、初雪は咄嗟に後ろへ振り返るが、誰も居ない・・・。
深雪「どうしたー?」
初雪「な・・・何でもない・・・」
何でもない事はないが、説明しても信じてくれるか分からないため、そう言うしかなかった。
*民家*
横開きの戸を開けて中に入り、探照灯で照らしながら見渡してみるが、やはり廃村なのか人が今でも住んでるようには感じられない。
深雪「誰も居ない感じじゃん」
白雪「・・・さっきのは気のせいだったのかな?」
などと話してると、別の部屋へと通じる戸の向こうから、ガタッと物音がした。吹雪型は素早く そちらに探照灯を向ける。
磯波「・・・・・・やっぱり、誰か居るの・・・?」
吹雪が恐る恐る戸に近付き、僅かに横にスライドさせると、開いた隙間から覗く死人のような肌をした女と目が合った。
吹雪「
別に挨拶がしたくて、吹雪は“Nice to meet you”と言った訳ではない。無意識に咄嗟に口から出ただけだ。
礼儀正しいと思ったかもしれないが、“Nice to meet you”を言うのと同時に問答無用で砲撃してる事を補足しておく。
いきなり砲撃した事で、姉妹艦は唖然としていた。
深雪「お、お前 大丈夫か?」
吹雪「い、今!め、めめめ・・・目がー!」
叢雲「ちょっと落ち着きなさいよ!目が何?」
吹雪「あ、開けたら女の人が居て!こっち見てて!目が合って!」
気が動転する吹雪の説明を聞き、磯波が恐る恐る隣の部屋を覗く。
磯波「・・・・・・誰も居ないよ?」
吹雪「嘘!?だって女の人が私のこと見てたぁ!」
深雪「見てても撃つなよ。行方不明者なら死んじゃうぞ」
吹雪「うぅ・・・ビックリして思わず・・・ごめん・・・」
初雪「も、もう、この家から出よ・・・?」
叢雲「うん・・・」
深雪が入ってきた時の戸を開けようとするが、入った時とは違い戸が全く動かない。
すると、磯波の悲鳴がした。
白雪「どうしたの!?」
磯波「あ、あれ・・・」
磯波が指差す方向には、青白い肌をした女が床の ある一点を見詰めて立っていた。
少しすると、スゥーっと透けるようにして消えた。
深雪「何てこった・・・幽霊 見ちゃったよ・・・」
吹雪「あ、あわわ・・・あわわわわわわわわ━━」
白雪「吹雪ちゃん、しっかりして」
叢雲「・・・あの幽霊、何を見てたの?」
叢雲が女の見てた場所まで行き床を見ると、1冊の本らしき物が落ちていた。
それを拾い中を見てみると、吹雪達が探す行方不明者の女性の手記だった。もしかすると、さっきの女は この手記の持ち主だったのかもしれない。
彼女は恋人と、友達である他の4人と一緒に肝試しに来たが、この村に迷い込んでから はぐれてしまったらしい。
手記は恋人を探して この家に入った所までが綴られており、その先は白紙となっていた。
叢雲「恋人を探して、この家に入って・・・それから どこに行ったんだろ?」
白雪「やっぱり、ここは・・・」
?『どうして・・・』
吹雪型ではない掠れて くぐもった声がして、吹雪と白雪、初雪、深雪、磯波は叢雲の方に視線を戻す。視界に入ったのは、叢雲の後ろで肩越しから覗き込むように、青白い肌の女が一緒に手記を見ていた。
白雪「きゃあ!?叢雲ちゃん!」
叢雲「ん・・・何?」
叢雲は姉妹艦の方に顔だけ振り向くが、吹雪達は顔を引き攣らせながら自分の方を見てる。
深雪「む、叢雲・・・」
?『どうして・・・』
また掠れて くぐもった声がして、今度は叢雲にも その声がハッキリと聞こえた。
嫌な予感がして吹雪達とは逆の方に顔だけ振り向くと、至近距離で生気のない無表情の女と目が合った。
叢雲「ひぃっ!?」
叢雲は驚きのあまり、尻餅を突きながら後退る。
中腰だった女は上体を上げると、確実に吹雪型の姿を捉え迫ってきた。
深雪「逃げるぞ!・・・・・・って開かねぇー!」
逃げるために戸を開けようとしたが、外に通じる戸は相変わらず固く開きそうにない。
仕方なく、2階に通じる階段を駆け上がる。
しかし2階に逃げたところで、その先に逃げ場がある訳ではない。吹雪型は逃げ道のない部屋に入ってしまい、袋のネズミだった。
しかも その部屋は、気味悪くも部屋中に お札が貼られていた。
来た道を引き返そうとしたが、唯一の出入り口に女が立ち塞がり、万事休すである。
吹雪型が どうしようと狼狽えてる間にも、女は ゆっくりと どんどん近付いてくる。
磯波「え、えーいっ!」
磯波は咄嗟に、壁に貼られた お札を剥がし、迫る女の顔面に叩き付けるように貼り直す。
女は断末魔を上げながら消滅するが、同時に誰かの記憶が頭の中に流れ込んでくる。
“折角 逢えたのに・・・どうして・・・どうして・・・”
それは、女が生前 恋人を探して この家に入り彼を見付けたが、何故か恋人に首を絞められ殺された記憶だった。
磯波「い、今のって・・・」
叢雲「もしかして・・・皆も見たの?」
叢雲の問いに、吹雪と初雪、深雪、磯波も頷く。
・・・・・・ん?
何か おかしい。
吹雪「・・・白雪ちゃんは!?」
一緒に居たはずの白雪が、いつの間にか消えていた。
吹雪達は慌てて通路の方へ出て1階を見下ろすと、白雪が外に通じる戸の前に立っていた。
吹雪「白雪ちゃん!」
名前を呼ばれた白雪は ゆっくりと振り返ると・・・
白雪「ごめん・・・私やっぱり行かなきゃ・・・」
それだけ言い残し、ずっと開かなかった戸を簡単に開けて外に出ていってしまった。
叢雲「白雪!」
吹雪達は慌てて1階に下り、白雪を追って外に出る。しかし、白雪の姿は もう どこにも無かった。
*山*
その頃 山では、バージルが白装束達を塵にして消し飛ばした後、連中が何を目的としていたのか確かめるべく石造りの階段を上がっていた。
頂上まで上がり そこに広がる風景を見て、バージルは訝しげに目を細めた。そこは何も無い更地だった。
バージル「(どういう事だ?奴らが何かしらの目的を持って ここに向かっていたのなら、何かはあると思っていたが・・・)」
*廃村*
吹雪達は、白雪を探して村中を駆けずり回った。幽霊が出るような村で下手に動き回るのは怖いが、それでも白雪を早く見付けなければという焦燥感が勝っていた。
村の中にある大きな屋敷の近くまで来ると、屋敷の大きな門の前に白雪が1人で立っていた。
吹雪「白雪ちゃん!」
吹雪達は白雪を止めるため駆け出す。
白雪には聞こえてないのか姉妹の声に反応する事もなく、自分で門を開けて中に入ってしまう。
吹雪達は白雪に手が届くようにと腕を伸ばし駆けるが、白雪に届く前に門が閉まり、固く閉ざされてしまった。押しても叩いても、開く気配がない。
深雪「畜生・・・!開けよ!」
吹雪「こんな所で白雪ちゃんを1人にできない!」
叢雲「分かってる!別の場所から入れないか探すわよ!」
吹雪達は屋敷を迂回して裏手に回ると、何故か白雪が山で拾っていたカメラが落ちていた。
吹雪「嘘・・・何で・・・」
深雪「クッソー、こっちも開かねぇ!」
初雪達が裏口の戸を開けようとしてる後ろで、吹雪はカメラを拾う。
カメラから顔を上げると、長い黒髪に青白い肌をした女が逆さまで宙に浮きながら吹雪の顔を見ていた。
深雪「おっ、開いた!」
吹雪「きゃあっ!?」
「「「「うわっ!?」」」」
初雪達は どうにか戸を開けたが、幽霊を見て驚き後退った吹雪に押される形で、全員が屋敷の敷地内へと入る事になった。
そして初雪達が開けた戸は、勝手に閉まった。
叢雲「イテテ・・・ちょっと吹雪、何なのよ?」
吹雪「ご、ごめん!別の幽霊が目の前に居たから・・・」
深雪「また幽霊かよ・・・」
初雪「バージル・・・どこぉ・・・?」
気味の悪い幽霊が出る廃村で、バージルと はぐれた状態は非常にマズい。
スマホでバージルに電話を掛けようとしたが、圏外となっていた。
無線通信で鎮守府に救援要請を送ろうともしたが、そちらもノイズが聴こえるだけで機能していなかった。
叢雲「頼れるのは私達だけ、ね・・・」
磯波「一先ず、白雪ちゃんを探さない?他の事は それから考えようよ」
叢雲「そうね。今は白雪が優先」
一先ず白雪が入った屋敷の敷地内には入る事ができた。このまま彼女を探せば、きっと見付けられるだろう。そう信じながら、吹雪達は屋敷に入り探索を始める。
*屋敷*
暗い通路を進み、気になった障子戸を開けて部屋の中に入る。そこは荒れ果てていたが かなり広く、居間として使われていたと思われる。
探照灯で照らしながら部屋を見渡していると・・・
『っ・・・!?』
背後からタンッと音が鳴る。驚き振り返ると、開けたままにしていた障子戸が勝手に閉まっていた。
吹雪達は何も言わず また部屋の方を見ると、急に探照灯がチカチカと明滅を始めた。
吹雪「探照灯が・・・!」
叢雲「妖精さん、どうなってるの!?」
なぜ急に探照灯が不調になったのか分からず、妖精さんも お手上げだった。
そうこうしてる内に、探照灯の灯りが完全に消えてしまう。叩いたりしてみるが、灯りは戻らず暗い部屋に取り残されてしまう。
だが こうして突っ立ってても仕方ないため、吹雪達は歩き始める。
部屋の中心まで行くと、突然 稲光と共に雷が鳴り、驚きで足が止まる。
深雪「た、ただの雷だ。行こう・・・」
再び歩を進めようとした その時、深雪の足に何かが当たり また足を止める。
暗くて何なのか分からず床を見詰めてると、稲光に照らされ その正体が露になる。そこには和装の男性の死体が転がっていた。
深雪「うわっ!?」
叢雲「ちょ・・・ちょっと何なのよ・・・これ・・・!?」
磯波「うっ・・・!」
それだけじゃない。稲光に照らされる部屋には、所狭しと大量の死体が転がっていた。入ってきた時には そんなのは無かったはずだが、吹雪達は いつの間にか、大量の死体に囲まれていたのだ。
どこを向いても足の踏み場もない程の死体に狼狽えていると、山で見た白い着物の少女が いつの間にか居て、吹雪達を見ていた。
その横には、和服が着崩れた生者とは思えぬ見た目の老人らしき者も居る。
雷鳴が轟く中で少女が狂気に満ちた笑い声を上げ、吹雪達は後退る。
すると、吹雪達の正面に俯せに転がる男性の死体が顔を上げ、彼女達に助けを求めるように手を伸ばす。
雷鳴と少女の狂笑をBGMに老人が男性に近付き、手に持つ刃物で彼を滅多刺しにして再び死体に戻す。
吹雪達は少女の狂笑を聞き続けてると頭痛に襲われ、老人が次に自分達に迫ってくるのを見たのを最後に、意識を失った。
・・・・・・
“口にするのも禁じられた儀式”
“ダムが完成する前に儀式を行わなければ・・・”
吹雪達は誰かの断片的な記憶を夢で視て、目を覚ました。
辺りを見渡すが、大量に転がっていた死体も、狂気に満ちた笑い声を上げる少女も、不気味な老人も、全て消えていた。
叢雲「・・・さっきの、何だったのよ?」
深雪「素人感覚でも分かるぜ。あれはヤバい」
初雪「うぅ~、頭がクラクラする・・・」
吹雪「・・・気にはなるけど、白雪ちゃん探そ?」
磯波「うん、白雪ちゃんの方が心配だし・・・」
吹雪達は立ち上がり、白雪を探すため屋敷の探索を再開する。
あちこち見て回るが白雪は見付からず、不思議な現象も起きる事はなかった。
・・・・・・
2階へと上がり順番に部屋を見ていくが、どこも廃墟と言った感じにボロボロで、人の気配も感じられない。
通路の奥にある部屋が最後となり そこに入ると、そこだけ ぼんやりとした灯りが点いており、雛人形が飾られていた。
?『ずっと一緒だって約束したから、2人で逃げたのに・・・』
『っ・・・!?』
掠れて くぐもった声がして振り返ると、部屋の反対側には和紙が張られた仕切り衝立があるのだが、そこに灯籠の灯りに照され、仕切り衝立の後ろに居る誰かの影が浮かび上がっていた。
?『皆、死んじゃった・・・皆、死んじゃった・・・』
吹雪達は恐る恐る仕切り衝立に近付き後ろに回り込むと、そこに白雪が倒れていた。
吹雪「っ、白雪ちゃん!」
白雪を抱き起こすと、白雪は すぐに目を覚ました。
白雪「吹雪ちゃん・・・」
吹雪「何があったの!?」
白雪「・・・誰かが私を呼んでた・・・“戻ってこい”って・・・。そして もう1度 儀式を・・・」
吹雪「儀式って・・・」
白雪は身体を起こし吹雪に凭れ掛かり、胸に顔を埋める。
白雪「ずっと一緒に居よ・・・ずっと・・・ずっと・・・」
吹雪「うん、私達は いつだって一緒だよ。兎に角、ここから出よ」
吹雪が白雪を元気付けてるのを見ながら、初雪と深雪、叢雲、磯波は、白雪の様子に違和感を感じて互いの顔を見合わせた。しかし その違和感が何なのかまでは判らず、何かを言う事はできなかった。
*廃村*
その頃 逢魔村の入り口では、バージルが辿り着いていた。
村に足を踏み入れると、どこからともなく青白い肌をした和装の男達が現れ、バージルの前に立ち塞がる。
その手には、鍬や鉈などの凶器が握られている。
バージル「招かれざる客であるのは分かっていたが・・・こうも歓迎されるとはな」
静かに言葉を紡ぐと、バージルは親指で鍔を押し上げ、僅かに閻魔刀の刃を覗かせるのだった。
果たして、バージルと吹雪型は無事に合流できるのだろうか?
ダンテやネロの時より倍以上の話の長さになりますので、しばらく続く事になります。
次回も宜しくお願い致します!