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382話です!どうぞ!
謎の結界の中に足を踏み入れてしまったバージルと吹雪型は、真っ暗な山の中を進む事になり、その道中、闇夜に浮かぶオレンジ色の光が幾つもある事に気付く。
その光の正体を確かめに行くと、松明を持った白装束の集団が石造りの階段を上り、列を作っている光景を目にする。
木の影に隠れて その様子を見ていたが、突然 白装束達がバージル達に気付き、隠れてる方に振り向いた。
白装束達は狂気を孕んだ怒声を上げて迫り、バージルは吹雪型だけを逃がして1人 残る。
逃げた吹雪型は、知らず知らずの内に廃村に辿り着いていた。その村は、嘗ては『
廃村を探索する中で、人影を見た吹雪型は ある民家に入る。
そこに探していた行方不明者の1人の女幽霊が現れ、襲われる事となる。
偶然にも霊を撃退する事に成功するが、その時、霊の記憶が頭に流れ込んでくる。
女性は生前、肝試しに来て この村に迷い込み、恋人や友達と はぐれてしまった。
民家の中で恋人を見付けたが、何故か その彼に首を絞められ殺されていたのだった。
そんな記憶を見た直後、白雪が単独行動に出て吹雪達から離れる。
吹雪達は白雪を止めようと追い掛けたが、彼女は1人で大きな屋敷へと入り見失ってしまう。
裏口から屋敷へと入った吹雪型だったが、居間と思われる広い場所で、大量の死体に囲まれてしまう。
そこに山で見た白い着物の少女と、生者とは思えぬ見た目の老人が現れ、吹雪達は意識を失ってしまう。
意識を取り戻した吹雪達は屋敷を探索し、遂に白雪を見付けるのだった。
*屋敷 ?月?日 ??:??*
暗い屋敷の中を歩いてると、大量の死体が転がっていた部屋へと戻り、吹雪達は思わず足を止めてしまう。
そんな彼女達の横を通り、白雪は足を止めず先に行ってしまう。まるで、これから行くべき場所が判ってるかのように。
白雪を追って通路の角を曲がると、そこは行き止まりだったのだが、そこには首吊り用のロープが天井から ぶら下がっており、その真下で白雪が俯きながら、吹雪達の方を向いて立っていた。
言い知れぬ不安に吹雪達は黙って白雪を見てると、一瞬だが狂気に満ちた笑みを浮かべる、白い着物を着た少女の姿と重なる。
不安を押し殺し白雪に近付くと、彼女は顔を上げて微かに笑みを浮かべる表情を見せる。
吹雪「白雪ちゃん、どうしたの・・・?」
そう訊くと、白雪の顔が不安そうな表情に変わり、“何でもない”とだけ言った。
きっと白雪も不安なのだろうと思い、吹雪は彼女の手を握るが、白雪は突然 背を向け、壁に手を突きながら俯き動かなくなってしまった。
いつまでも動かない事から心配になった吹雪は白雪の肩に手を置き、横から彼女の顔を覗き見る。それでも白雪は俯いたまま動かない。
吹雪「白雪ちゃん、どうしたの?」
再び そう問うと、白雪は ゆっくりと吹雪に顔を向ける。
白雪「私達・・・やっぱり逃げられないよ・・・」
そう言って、白雪は また俯いてしまった。
弱気な発言に このままでは駄目だと思った吹雪は、白雪の両肩に手を置き身体ごと自分の方に向かせる。
吹雪「なに言ってるの?一緒に行こ。ね?」
顔を上げた白雪は微かに笑みを浮かべ、吹雪と手を繋いで引っ張りながら どこかへ向かっていく。
初雪と深雪、叢雲、磯波は何とも言えない表情で、2人の後を追う。
?『ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・』
背後から誰かの声が聞こえたが、白雪が止まらず どんどん先に行ってしまうため、その声の主を確認する事はできなかった。
・・・・・・
出口へと向かって通路を進み、開いたままの扉を順番に通っていく。
最後尾の白雪も通ろうとした その時、扉がギシッと軋み僅かに動いた。独りでに動いた事に、吹雪達と白雪は無意識に互いの顔を見る。
扉が閉まりそうになり白雪が慌てて通ろうとしたが、間に合わず扉が勝手に閉まってしまう。
吹雪「白雪ちゃん!」
扉のノブを掴み引っ張るが、どういう訳か鍵が掛かっており開けられなかった。反対側からも白雪が扉を叩いてるが、結果は同じだ。
両扉の片方には、四角く くり抜かれたような窓があり、吹雪達と白雪は その窓から互いの顔を見る。
吹雪「ダメ、開かない」
白雪「どうしよう・・・」
初雪「どこかに鍵があるはず・・・」
吹雪「探してくるから、ここで待ってて!」
白雪「行かないで!ここに・・・居て・・・」
吹雪「大丈夫、すぐに戻って━━」
白雪「さっき約束したじゃない!」
『・・・・・・・・・』
白雪「置いてかないで・・・もう、置いてかないで・・・」
鎮守府に居る時でも、確かに別行動を取る事はあったが、意図して置いていくような真似をした事は1度もない。
ここに来てからは寧ろ、自分達が白雪に置いていかれたようなものであるため、白雪が1度は置いていかれた事があるような言い方をして狼狽えてる事に、吹雪達は状況を よく呑み込めなかった。
白雪は窓から手を伸ばし、吹雪の手を掴む。
白雪「手を、離さないで・・・。行かないで!行かないで・・・!」
吹雪「でも・・・このままだと白雪ちゃんが・・・」
白雪「このままでもいい!ここに居て・・・ずっと・・・ずっと・・・!」
吹雪「っ・・・・・・白雪ちゃん!」
吹雪は白雪の様子から、どこか白雪じゃないような、自分の知ってる白雪じゃないような恐怖を感じ、痛いほど手を握られた事もあり思わず彼女の手を振り解く。
白雪「置いて・・・行かないで・・・置いて・・・行かないでよ・・・!」
手を振り解かれた事にショックを受けたように、白雪は その場で俯きブツブツと呟き続ける。
深雪「えっと・・・深雪様が残るから、皆は鍵 探してきてよ。それなら白雪も安心だろ?」
吹雪「すぐに戻るから・・・本当に、すぐに戻るから。待ってて、少しだけ。ごめん深雪ちゃん、お願いね」
白雪「・・・・・・・・・」
白雪を これ以上 不安にさせないために深雪が残り、吹雪と初雪、叢雲、磯波は鍵を探すため先に向かおうとしたが・・・
?『マタ ワタシヲ オイテクノ・・・?』
背後の扉から くぐもった声がして足を止める。
振り返ると深雪と目が合ったが、深雪も驚いた表情で自分じゃないと首を横に振る。
全員が窓から見える白雪を見るが、白雪は相変わらず扉の前で俯いていた。
・・・・・・
*トンネル*
鍵を探して通路を進んでると、地下へと下りる階段が見付かった。他に行ける場所がなかったため、進むには そこしかなかった。
地下はトンネルになっており、一方通行にしか通路が伸びていなかった。
初雪「ヤバいの確定・・・」
叢雲「言わなくても分かってるから。吹雪、こんな所に鍵なんてあるの?」
吹雪「でも、他に行ける場所は全部 見たし・・・」
叢雲「そうだけど・・・」
屋敷の扉の鍵を保管しておくなら、いつでも使えるように屋敷の中で保管するのが普通だ。わざわざ こんな地下のトンネルに隠すとは思えなかった。
磯波「でも、可能性はゼロじゃないと思うから、すぐに確認して すぐ戻ろ?」
吹雪「それに、鍵を見付けて早く戻った方がいい気がする・・・」
叢雲「・・・白雪?」
吹雪「うん・・・何だか嫌な予感がする」
叢雲「仕方ない。行くか・・・」
初雪「地獄の入り口へ ようこそ・・・」
叢雲「あんた、ビビってる割りに よく そういうこと言えるわね」
初雪「何かアホなこと言ってないとやってらんない・・・!」
叢雲「あっそう・・・」
白雪と深雪と合流するには、何としても鍵が必要だ。そのためには、まだ探してない このトンネルを進むしかない。
背に腹は変えられないため、吹雪達は意を決して、何が起きても不思議ではなさそうな雰囲気のトンネルの奥へと進む。
*屋敷*
その頃 屋敷で吹雪達を待つ深雪は、床に座り扉に凭れ掛かりながら、扉越しに白雪に話し掛けていた。
深雪「あ゛~・・・吹雪達まだかなぁ?こうやって待ってると退屈で仕方ないぜ。・・・・・・白雪?聞いてるか?」
どれだけ話し掛けても白雪は何も言葉を返さないため、痺れを切らした深雪は立ち上がり、扉の窓から白雪を確認する。すると、通路を引き返し遠ざかっていく白雪の背中が見えた。
深雪「白雪!?おい、どこに行くんだよ!?ここで吹雪達 待ってなきゃダメだろ!おい!!白雪ー!!!」
どれだけ大声で叫んでも、白雪は止まる事なく遠ざかっていき、遂には姿が見えなくなってしまった。
・・・・・・
*トンネル*
暗く長く、何も無いトンネルを進む途中で、壁際に木箱などが点々と置かれてるのが目に付くようになってきた。そういうのがあるという事は、ここにも確かに人の出入りがあったという事だ。
木箱を横目にトンネルを進み続けると、他に比べて一際 大きな箱が置かれているのを発見した。いや それは、ただの箱ではない。棺だ。
吹雪達の足は自然と棺の前に止まり、それを見詰める。
叢雲「何で こんな所に棺桶 置いてるかなぁ・・・」
初雪「こういう不自然な物は・・・ゲームだと大体 決まってトラップ・・・」
叢雲「ゲームと現実 一緒にしないでくれる?」
吹雪「もしかして、ここに鍵があったりして・・・」
「「「・・・・・・・・・」」」
吹雪「な、なーんて!」
叢雲「もし仮に そうだったとして、誰が開けるの?」
吹雪「い、いや、さっきのは、ちょっとした冗談っていうか・・・」
だが可能性としては、なくもないだろう。もし棺の中に死者が眠っているのなら、何かの理由で鍵と共に棺に入れられてる可能性もある。
吹雪「え~・・・」
叢雲「ジャンケンで決めましょ」
ジャンケンの結果、吹雪が負けて棺を開ける係に決まる。
吹雪「そんな~・・・!」
ここまで散々 恐怖体験をして、今度は あからさまに脅かしますよと判る状況で置かれてる棺など開けたくもない。しかし、背中に刺さる初雪達のプレッシャーも感じ、開けないという選択肢は残っていなかった。
覚悟を決めた吹雪は勢い良く棺を開けるが・・・
吹雪「・・・・・・空?」
中は空っぽだった。
あまりに拍子抜けな状況に吹雪は呆けた顔をし、初雪達は何もなくて安心したような、鍵が無くて残念なような、どちらとも取れる溜め息を吐いた。
吹雪は来た道の方が妙に気になり、そちらに振り向くと青白い肌で坊主頭、何かの呪文が書かれた細い布を身体に巻く男が居た。
男は吹雪に向かって手を伸ばし、吹雪は恐怖から咄嗟に目を瞑ってしまう。だが男の手は吹雪に届かず、顔の前で空振る。
吹雪達は咄嗟に、自分の鼻と口を手で塞いだ。細い布は男の目元を隠すようにも巻かれており、恐らく目が見えず音に反応するのだと気付いたからだ。もしかしたら呼吸の音ですら気付かれてしまうかもしれない。
後ろを見ると、同じ見た目をした男達が何人も、ゆっくりとトンネルの奥へ行く姿が見えた。
吹雪に手を伸ばしていた男も手を下ろし、吹雪達を通り過ぎて他の男達と同じように歩いていく。その時に、男の腰から鍵が落ちるのが見えた。
完全に通り過ぎてから口から手を離したのだが、もう大丈夫だと気を抜いた瞬間、吹雪の足が棺に当たり音を鳴らしてしまう。すると、トンネルの奥に向かっていた男達の足が止まり、一目散に吹雪達に向かってきた。
叢雲「走れー!」
初雪が地面に落ちてる鍵を取り、吹雪達は来た道を引き返し逃げる。
だが その途中、叢雲が艤装を展開して立ち止まり、男達の方に向き直る。
吹雪「叢雲ちゃん!?」
叢雲「幽霊相手に意味あるか分からないけど、やるだけやってやるわよ!」
磯波「ダメだよ!」
初雪「貫通、無意味・・・!」
姉妹からもやめるよう止められるが、叢雲は照準を追ってくる男達にではなく、トンネルの天井に向けて砲撃した。それが影響し、トンネルが崩れ始める。
叢雲は最初からマトモに戦うつもりはなく、トンネルを塞ぎ時間が稼げないかと考えていた。
叢雲「押し潰される前に戻るわよ!」
吹雪「次からは何するか言ってからやってよ!」
叢雲「咄嗟の思い付きだから説明してらんないわよ!」
崩れるトンネルに巻き込まれないためにも、吹雪達は急いで屋敷に戻るのだった。
*屋敷*
その頃バージルも、吹雪達が戻ろうとしてる屋敷の中に居た。
そこで見付けた書物や日誌などを読み漁り、この村は何なのか、何が起きているのかを調べていた。
バージル「(・・・・・・何と愚かな)」
バージルが書物や日誌から得られた情報を纏めると、この村は かなり閉鎖的な村で、物流などは村の外から来た商人から買って生活水準を保っていたらしい。そんな村であるため、独自の風習や掟などが残っていた。
村には年に1度 行われる鎮魂の儀式があり、儀式には贄が必要で、14歳の少女を巫女として、14歳の少年を御子として立て、祭壇で2人の命を奪う事で村に降り掛かる災厄を祓うという事を昔から続けていた。
そして贄となった巫女と御子を、その後 神として祀るらしい。
だが50年前、ダム開発が決まり立ち退きを命じられ、村人達は それを拒否して抗議した。儀式のために村を離れる事はできないとし。
だがダム開発は それで止まる事はなく、村人達は村に残り何としてでも儀式を行おうとした。
しかし巫女に選ばれた少女を、御子の少年が当時 村に来ていた商人と画策し、逃がそうと連れ去った。
村は総出で2人を探し追い掛け、先に御子を見付けて捕らえると村へ連れ戻した。
その後 巫女と商人も見付かり、商人は その場で殺され巫女も村へと連れ戻される。
だが巫女が村に戻った時には既に、御子は自害してしまっていた。それを知った巫女はショックから気が狂い、会話すらままならなくなった。
だが村には時間がなかった。巫女は正気を失っていたが、贄として命を奪うだけなら まだ使えると、そのまま儀式を強行した。巫女の命だけで儀式を完成させようとして。
祭壇で巫女の命を奪ったが、御子の欠落があったため案の定 儀式は失敗に終わる。その影響で災厄が解き放たれ、村人達は次々と正気を失い互いに殺し合った。
そして災厄は村の周囲へと拡がり、永遠の夜の闇に呑み込まれる事となった。
バージル「(・・・・・・まさか奴らは、死して尚、儀式を行おうとしてるのか?)」
山で結界に入った瞬間に夜になったのは、呪いが及ぼす影響範囲で儀式を行った時間のまま止まってしまっているか、同じ時間を繰り返しているからと考えられる。
何かの儀式をするような白装束に身を包んでいた連中が、何か目的を持って列を作り動いていたのは、失敗した儀式の続きを行い完成させるため。
バージルに襲い掛かってきたのも、嘗て商人が巫女を逃がそうとした事から外部の者を敵視してると思われる。遭遇した状況と ここで得られた情報から、以上の事は推測できた。
問題は ここから どうするかだ。
バージル「さて、どうしたものか・・・」
バージルは書物などを置くと、突然 閻魔刀を抜き、腕を水平にして広げる。閻魔刀の切っ先には、白い着物を着た青白い肌の少年の顔があった。
バージル「その身なり・・・貴様は御子だな?」
御子「どうして この村に来たんですか?早く逃げてください。村人に見付かれば殺されます」
バージル「ほう・・・どうやら他の連中とは少し違うようだ」
バージルは閻魔刀を下ろし、鞘に戻すと御子に向き直る。
バージル「貴様には この村の事を話してもらうぞ」
御子「・・・・・・・・・」
バージルが御子の少年と話してる頃、吹雪達は白雪と深雪が待ってる場所へと戻ってきた。しかし、居たのは項垂れてる深雪だけだった。
吹雪「深雪ちゃん、白雪ちゃんは!?」
深雪「それが、あいつ何も言わずに どっか行っちまったんだよ!」
叢雲「何で止めなかったのよ?!」
深雪「止めたに決まってるだろ!けど無視して行きやがった!オマケに扉は開かないから追えないし!」
叢雲「すぐに探さないと。初雪、鍵!」
初雪が拾った鍵で扉を開けると、これまで来た道を引き返す。
・・・・・・
屋敷の中を走っていると、正面に黒い着物を着て長い黒髪を持つ少女が道を塞いでいた。こちらも青白い肌をしてるため間違いなく死者である。
マズいと思い ゆっくり後退るが、後ろから鈴の音がして振り返ると、後ろにも同じ見た目の少女が道を塞いでいた。通路の前後を挟まれ、逃げ場もない。
2人の少女が ゆっくりと迫り、吹雪型は一か八かで艤装を展開する。
2人の少女は一気に駆け出し襲い掛かってくるが、正面から来る少女に蒼い衝撃波が ぶち当たり、後方から来る少女の頭上から幻影剣が降り注ぐ。
そして吹雪達の前に、バージルが現れた。
吹雪「バージルさん!」
バージル「伏せろ」
吹雪達は すぐに床に しゃがみ頭を低くすると、閻魔刀の次元をも斬り裂く斬撃が幾つもの光の線を描き、吹雪達に襲い掛かろうとしていた少女2人が消え去る。
バージル「(魔を退ける力・・・やはり閻魔刀しか通用せんか)」
白装束の集団を相手にした時も、ベオウルフやミラージュエッジ、幻影剣を使って吹き飛ばすまではできた。しかし それらではトドメが刺せず、現状では閻魔刀でしか対抗策がなかった。
初雪「ず、ずっと どこ行ってたの・・・!?」
バージル「少し調べものをな。そちらは何か進展はあったか?」
そう問われ、吹雪達は探していた行方不明者の1人が既に死んでいた事と、白雪の様子が おかしくなり1人で どこかに行ってしまった事を話した。
バージル「白雪と はぐれただと?進展ではなく状況を悪化させてたのか」
深雪「嫌味 言われても困るってんだ!こっちも何が何だか分かんないんだって!」
吹雪「折角 合流できましたし、白雪ちゃんを探すの手伝ってください!」
バージル「・・・・・・まぁ、目的を果たす序でなら構わんか。どの道お前達にも来てもらわねばならんからな」
深雪「目的?目的って?」
バージル「ここから出るための当てが少々あってな」
深雪「マジ!?それなら早いとこ白雪 探して皆で出ようぜ!」
ここから出られる方法があると知り、吹雪達は希望を見出だし顔にも笑みが浮かぶ。
だが それは、“当てが少々ある”と言っただけだ。バージル自身も確実なものとは考えておらず、飽くまで可能性としての話だ。
それに その方法とやらも、安全であるか どうかすら、今はバージルしか知らない謎である。
吹雪達は その事に気付かず、早く白雪を探そうと勇み足だった。
・・・・・・
出口に向かうには1度2階に行き、別の場所から1階へと下りる必用があった。
屋敷の中を回り込み階段を下りようとすると、更に上の階から女の悲鳴が聞こえてきた。
顔を上げようとした瞬間、落ちてきた女と目が合った。一瞬だが、確実に目が合った。
女は そのまま落ちていき、ドスンと鈍い音が響いた。
吹雪達が階段の上から下を確認すると、女は仰向けに倒れた状態で動いていなかった。
深雪「今の・・・生きてる人間だったのか?それとも・・・」
叢雲「分からない・・・行って確認しましょ」
階段を下りて下まで行き、女が落ちた場所を確認するが、そこには誰も倒れていなかった。
さっきのは何だったのかと思考が上手く働かない中、背後でギシッと床を踏み鳴らす音がして振り返る。すると至近距離に、青白い肌の女の逆さまになった顔があった。
逆さまになってるのは頭だけで、首の骨が折れてるのか背中側に頭が垂れ下がっていた。
『うわぁあっ!?』
吹雪達が悲鳴を上げ後退り、バージルが鞘に納まったままの閻魔刀を横凪ぎに振るい女を殴り飛ばす。
女は倒れたまま手足を動かしブリッジの体勢になると、カサカサと昆虫のような動きでバージル達に襲い掛かる。
次回も宜しく お願い致します!