Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

383話です!どうぞ!


Mission383 器~追ってくる狂笑~

白雪と合流できた吹雪達は、共に廃墟となった屋敷の中を進み出口を目指す。

その道中、潜った扉が勝手に閉まり、扉を隔てて白雪と分断されてしまう。

白雪は“行かないで”と、“置いてかないで”と懇願するが、一緒に屋敷から出るには鍵を探さなければならなかった。

いつもと様子が違う白雪に不安を感じながらも、深雪を彼女と共に残し、吹雪と初雪、叢雲、磯波は鍵を探しに行くのだった。

鍵を探索する過程で、地下へと行く階段を見付けた。

屋敷で見付からない鍵が そこにあるかもしれないと考え、地下に行くと そこはトンネルとなっていた。

地下トンネルを進み、不自然に置かれた棺を見付け中を確認するが、その中は空っぽだった。

しかし、そこでも幽霊が現れる。

だが その幽霊は目が見えない事に気付き、吹雪達は息を押し殺し通り過ぎるのを待つ。

通り過ぎる時に、幽霊が鍵を落とした。

無事に通り過ぎてくれた事に安堵して油断した途端、物音を立ててしまい幽霊が戻ってくる。

吹雪達は鍵を拾い、急いで屋敷へと引き返す。

白雪と深雪が待つ場所に戻るが、白雪は深雪に何も言わず再び姿を消してしまっていた。

また白雪を探す事になり屋敷を探し回るが、通路の前後を2体の幽霊に挟まれ襲われてしまう。

そこにバージルが駆け付け2体を退けると、白雪を探して屋敷の出口を目指す。

そして もう少しで出口という所で、また幽霊に襲われるのだった。

 

 

*屋敷 ?月?日 ??:??*

 

首の折れた女がブリッジの体勢で、カサカサと昆虫のような動きでバージル達に襲い掛かる。

吹雪達は左右に分かれて走り、バージルは女の上を飛び越え突っ込んでくるのを避ける。

女はカサカサと手足を動かし反転すると、吹雪と磯波に狙いを定めて また向かっていく。

 

吹雪「こっち来たー!」

 

磯波「助けてー!」

 

吹雪と磯波は助けてほしいあまり、反対側に逃げた初雪と深雪、叢雲の方に向かって女を引き連れて走る。それを見て、初雪達は焦る。

 

初雪「何で・・・!?」

 

深雪「こっち来んなよ!」

 

初雪達からすれば いい迷惑で、襲われたくないので逃げて距離を取ろうとするが、結局 一緒になって逃げ回る事になった。

しかも女は異常に速く、吹雪達が少しでも足を緩めれば簡単に追い付かれてしまう。

 

叢雲「バージル助けてよ!」

 

女は吹雪達の方が弱い獲物だと判断したのか、バージルには目もくれず吹雪達ばかり狙う。

バージルは女の動きを目で追いながら、タイミングを見計らって幻影剣を飛ばす。

3本の幻影剣が床に刺さり、女は ぶつからないように急停止すると、反転してバージルの方を向く。

両者の目が合うが、バージルは静かに見詰めるだけで動かない。

だが女の方は邪魔された事に怒ったのか、バージルに向かって突進していく。

バージルの手足に光が集まりベオウルフが装備されると、しゃがんで近付いてきた女にアッパーを打ち込み宙へと殴り飛ばす。

更にバージルも跳躍して女よりも高く飛び上がると、身を翻しながら女を飛び越え着地する。

バージルの手には、いつの間にか抜かれた閻魔刀が握られていた。

遅れて女が落ちてくると、手足を失っていた。

バージルは動けない女に近付くと・・・

 

?『ア゛ア゛ッ・・・!アギャッ・・・!ギィヤァ・・・!ギヒィッ・・・!

 

女の身体に何度も閻魔刀を突き立て、その度に人とは思えぬ声で奇妙な悲鳴が上がる。。

死者であるはずなのに血まで噴き出すのを見て、吹雪達は思わず口元を押さえながらガタガタと震える。

そんな光景が少しの間 続き、女は噴き出した血と共に消滅した。

 

バージル「・・・何をしてる?行くぞ」

 

叢雲「・・・・・・バージル」

 

バージル「・・・何だ?」

 

叢雲「もうちょっと苦しめずに倒せないの?」

 

相手が幽霊でも、元は人間だ。襲ってくると言っても、何か成仏できない理由で苦しみ留まってるのかもしれない。だから倒すにしても、必用以上に苦しめず対処してほしかった。

 

バージル「こいつらは既に、人間としての正気を失っている。余計な情けなど掛ければ、お前が こいつらの仲間入りする事になるぞ」

 

バージルは それだけ言い、吹雪達に背を向け歩いていく。

 

叢雲「・・・・・・・・・」

 

吹雪「っ・・・バージルさんにも、きっと考えがあってだと思うよ?」

 

叢雲「・・・・・・うん・・・」

 

そして外に繋がる扉まで行ったのだが、扉は固く閉ざされ開ける事ができなかった。

バージルが破壊しようとしたが、攻撃の衝撃が跳ね返って逆に自分が吹き飛ばされる結果となった。

 

深雪「どうやって出たらいいんだよ~!」

 

白雪も探さないといけない焦りから焦燥感も募る中、バージルは屋敷の中に振り返り上を見上げる。

 

バージル「さっきの女、かなり上から落ちてきたな」

 

屋敷には3階もあり、バージル達が行ったのは1階と2階だけだった。もしかすると、3階に外に出るための方法があるかもしれない。

吹雪達は また屋敷の中に戻らないといけないのかと思い、残念な溜め息を吐きながら3階に行く事にした。

 

 

・・・・・・

 

3階を目指す道中でも、度々 幽霊に襲われバージルが対処していく。

安全を確保しながら3階の部屋を見て回ると、最後の小さな部屋の窓が開いてるのを通路からでも見えた。そこから どうにかして下りれば、外に出られるだろう。

やっと外に出られると思い部屋の中に入ると、女の呻き声が聞こえてきた。

恐る恐る奥に進むと、死角となっていた場所で異様な光景が繰り広げられているのが視界に入った。恋人に殺された行方不明者の女の幻が床に倒れており、その上に血塗れの男が馬乗りになり首を絞めていた。

男が ゆっくりと振り返ると、その顔の肌は青白く、瞳も真っ白に染まっていた。

吹雪達は すぐに理解した。行方不明者の2人目も既に死んでいると。

 

?『ウオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛・・・

 

男は恋人を殺したように、両手を伸ばして吹雪達に襲い掛かろうとする。だが吹雪達に届く前に、ベオウルフを装備したバージルの拳が迫り殴り飛ばされる。

男はフラフラと起き上がろうとしたが、閻魔刀で首を斬り飛ばされ消滅した。

 

吹雪「バージルさん・・・今の・・・行方不明者の1人です・・・」

 

バージル「この調子だと探してる連中は手遅れだろうな」

 

吹雪「そんな・・・」

 

叢雲「じゃあ私達は?私達も こうなるって言うの!?」

 

バージル「なるかもしれんな。それに白雪は既に取り憑かれている」

 

磯波「な、何で白雪ちゃんに・・・」

 

叢雲「ちょっと待って!何で白雪が取り憑かれてるって判るの?それが判らない私達からしか話は聞いてないはずなのに、何で最初から知ってたかのような口振りなの?」

 

叢雲の指摘に、吹雪達は疑いと不安が入り交じった視線をバージルに向ける。しかし、バージルは沈黙していた。

 

叢雲「答えてよ!」

 

バージル「・・・・・・この村は ある儀式を行い失敗し、ここは今のような状態になった」

 

吹雪「儀式・・・白雪ちゃんも そんなこと言ってました!」

 

バージル「連中は再び儀式を行うつもりだ。儀式には巫女と御子の2人を贄とし、殺す必用がある」

 

バージルは この村に残されていた書物や日誌に書かれていた事と、御子の少年と会った時に聞いた話を含め吹雪達に続けて聞かせた。

 

 

・・・・・・

 

*数刻前*

 

時間は、バージルが御子の少年と会った時にまで遡る。

 

バージル「貴様には この村の事を話してもらうぞ」

 

御子「・・・・・・・・・」

 

バージル「この村は儀式を行い それに失敗した。だが村の者達の魂は貴様を含め、この辺りに張られた結界の中に留まった、というところか」

 

御子「・・・その通りです。村に災いが拡がった後、この村は幽世となり外界と隔てられました」

 

バージル「ここの連中が襲ってくるのは それに起因したものか?」

 

御子「・・・はい」

 

村に災厄が拡がり、村人達は正気を失い殺し合った。正気を失って死んだためか、怨霊化した後も死して尚 殺し合い、死んでるから故に死なず、同じ事を繰り返し続けている。

だが正気を失ってても、儀式をしなければならないという事は根底にあるようで、儀式の準備も ずっと繰り返し行われ続けている。

だが儀式には贄を殺す必用があり、死んだ者では意味がない。この村の怨霊達が儀式を成功させるには、贄の魂を入れる生きた器が必用なのだ。

儀式には死を伴う。儀式を行えば、器となった者は確実に死ぬ。

 

バージル「ここには以前から生きた人間が迷い込んでいたはずだ。何故そいつらを使わず今も儀式の準備を進める?」

 

御子「器になるに相応しい肉体が必用なんです。もし そんな人が ここに迷い込めば、また儀式のための犠牲が出ます。だから早く逃げてください」

 

バージル「お前は この村の者だろう。なぜ同じようにせず助けようとする?」

 

御子「僕は ずっと疑問に思ってました。儀式のために誰かの命を奪う事を・・・。だから僕は あの子を助けようと・・・。お願いです、早く逃げてください!」

 

バージル「待て!まだ話は━━」

 

御子の少年は走り去り、バージルは それを追って部屋から出たが、既に彼の姿は消えてしまっていた。

 

 

・・・・・・

 

*現在*

 

バージル「状況から察するに、白雪は既に器に選ばれた状態なのだろう」

 

深雪「でも その贄って2人 必用なんだろ?白雪1人じゃ儀式できないなら、普通やらないんじゃないか?」

 

バージル「奴らは間違った方法で儀式を強行し、そのせいで村人全員が命を落とした。もし同じ事を繰り返せば、白雪も ここに居る お前達も命を落とす事になるぞ」

 

この村の怨霊達が同じ事を繰り返しているのなら、贄が1人 足らなくても また儀式を強行するだろう。

それに儀式が失敗しても成功しても、儀式を行った時点で白雪の死は確定である。

 

叢雲「どっちにしたって最悪じゃない・・・!」

 

それを回避するには、白雪が村人達の手中に落ちる前に彼女を見付け、どうにか結界の外に脱出しなければならない。となると、今は窓から屋敷を出て外に行くしかない。

 

深雪「どうやって ここから下りる?」

 

叢雲「ロープとか無いのかしら?」

 

深雪「こんな所で探し回るの嫌だぜぇ?」

 

初雪と深雪、叢雲、磯波が、窓から外を見ながら どうやって下りるか話し合ってる後ろで、吹雪は無意識に部屋の出口の方に振り返った。

 

吹雪「(え・・・?)」

 

そこには、白い着物を着た青白い肌の少年が居て、目が合った瞬間に頭の中に誰かの記憶が流れ込んできた。

風景は夜の山。

山で誰かを探す人影が過ぎ、木の陰から少年が顔を出して それを確認すると後ろに振り返る。振り返った視線の先には1人の男性と、白い着物を着たボブカットの少女が居た。

 

 

“ここからは2人だけで逃げるんだ”

 

“振り返らないで・・・”

 

 

少女は嫌がったが、男性に手を引かれ少年から離れていく。

そして場面が変わり、少年は蔵の中で大人達に囲まれた状態で、床に正座していた。

 

 

“まだ捕まらないのか?”

 

“祭まで時間がない・・・”

 

“早く捕まえないと・・・”

 

 

そんな大人達の会話を聞きながら、少年は静かに目を伏せるのだった。

 

叢雲「━━き?━雪?」

 

吹雪「・・・・・・・・・」

 

叢雲「吹雪!」

 

吹雪「えっ、何!?」

 

叢雲「何ボーッとしてんのよ?」

 

深雪「どうかしたのか?」

 

吹雪「えっと・・・」

 

部屋の出口の方を見ると、さっき見た少年は消えていた。

 

吹雪「ごめん、何でもない・・・」

 

深雪「とりあえず下りる方法 決まったぞ」

 

叢雲「本当に大丈夫なんでしょうね?!」

 

バージル「つべこべ言うな、行くぞ」

 

バージルは いきなり吹雪達を掴み、外に向かって次々と窓から放り投げた。

そして自身も窓から飛び出し、『エアトリック』で瞬間移動して空中で吹雪を掴むと、また瞬間移動して地面に下ろす。

その後も『エアトリック』を繰り返し、初雪達も順番に下ろされた。

 

 

・・・・・・

 

*廃村*

 

白雪を探して村の中を進むバージル達。

村の中は高低差がある場所があり、石垣の壁がある道を進んでると、進行方向の上方に見える橋の上を白雪が歩いていた。

 

叢雲「白雪!」

 

大声で名前を呼ぶが、まるで聞こえてないかのように反応せず、白雪は そのまま歩いていく。

 

『っ・・・!?』

 

だが その直後、吹雪達は息を飲む事になる。白雪の数歩 後ろから追うように、首が折れて頭が垂れ下がる和装の男が歩いていた。

 

深雪「やっぱり白雪を狙ってんのか!?」

 

磯波「早く あそこまで行かないと・・・!」

 

バージル達は橋の下を通り真っ直ぐ進み、上に行くための道を探す。

 

 

・・・・・・

 

どうにか橋が架かる場所まで来れたのだが、少し時間が掛かったため、既に白雪と首の折れた男の姿は見当たらない。

橋を渡り反対側も探すが、やはり白雪は見付からない。

すると遠くの方で、白い着物を着た少年が こちらを見ている事に、吹雪1人だけが気付く。

少年は ゆっくりと背を向けると、どこかへと歩いていく。

 

吹雪「こっち・・・白雪ちゃんは きっと こっちに居る!」

 

吹雪は少年を追って駆け出し、初雪達は いきなりの事に驚きつつも吹雪を追い、その後ろをバージルも追い掛ける。

 

叢雲「どうして分かるのよ!?」

 

吹雪「分からない!でも、そんな気がするの!」

 

バージル「・・・・・・・・・」

 

 

・・・・・・

 

どこに向かってるかも分からないまま吹雪を追って辿り着いた場所は、村の端の方にある洞窟だった。

 

深雪「うわ、また このパターンかよ・・・」

 

叢雲「あんた、とんでもない物 見付けたわね」

 

吹雪「私だって こんな所に来ると思わなかった・・・」

 

磯波「どこに繋がってるんだろ・・・?」

 

叢雲「楽しい場所じゃないのは間違いないわね」

 

バージル「吹雪、なぜ迷わず ここに来れた?」

 

吹雪は橋を渡った場所で、白い着物を着た少年が自分達を見ていた事を話した。

何かする訳でもなく、ただ こっちの方に歩いていったのを、まるで こっちに白雪が居ると教えてくれてるような気がした事を説明した。

ただ、あまりに不用心な話に、初雪達は顔を しかめた。

 

深雪「おいおい、その男の子って今まで出てきた幽霊の仲間じゃないのかよ?」

 

叢雲「罠かもしれないって思わなかったの?!」

 

初雪「ダメダメ長女・・・」

 

吹雪「だ、だって、自分でも分からないけど そう感じたんだもん・・・」

 

初雪達は吹雪の行動を咎めているが、反対にバージルは、吹雪の判断は正解だと確信していた。吹雪の言う少年の特徴から、御子の少年であると すぐに判った。

 

バージル「(道案内程度の役には立ったか)」

 

磯波「引き返しますか、バージルさん?」

 

バージル「いや、行くとしよう」

 

バージルは先に洞窟に入っていき、それを見て初雪と深雪、叢雲は更に顔を しかめる事になる。

 

叢雲「罠かもしれないって言ってるのに何で行くのよ・・・」

 

深雪「これも いつものパターンだ・・・」

 

吹雪「私達も行こう」

 

初雪「マジ・・・?」

 

吹雪「バージルさんしか幽霊を倒せないし、私達だけになったら危ないよ」

 

初雪「う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛・・・白雪が勝手に どっか行くから地獄が続くぅ゛・・・!」

 

このままバージルと離れた状態で怨霊が現れたら それこそ危険だ。

吹雪達は艤装の探照灯を点け、走ってバージルを追うのだった。

 

 

・・・・・・

 

*洞窟*

 

洞窟に入ってから かなり歩いたが、どこまで行っても変わらない風景に、いつになったら終点なのかと嫌気が差してくる。

 

?『マタ、ワタシヲ オイテイクノ・・・?

 

どこかで聞いた不気味で くぐもった声、台詞に、吹雪達は恐る恐る後ろに振り返り探照灯で照らす。その先に、白い着物のボブカットの少女が こちらを見ながら立っていた。

これまで2度 姿を見てきたが、少女の姿が少し変わっていた。少女の着る白い着物が、血が飛び散ったように部分的に赤く染まっていた。

少女は屋敷で死体に囲まれていた時と同じく狂ったように笑い、こちらに向かって歩いてくる。

 

?『マタ、ワタシヲ オイテイクノ・・・?

 

深雪「バ、バージル!斬って!斬って!!」

 

まだ距離がある事から、バージルは『次元斬』を繰り出そうと鞘に納まる閻魔刀に手を掛けるが、何の前触れもなく少女の姿が消え、洞窟内に響く少女の狂笑だけが残る。

どこに行ったのかと身構えてると、また何の前触れもなく少女が現れ、片腕を突き出してきた瞬間 触れてもないのにバージルが吹き飛ばされた。

吹雪達は驚きバージルを見てから少女の方に向き直ると、狂笑を続けたまま少女は どんどん迫ってくる。

吹雪達は言葉を交わさずとも、同じ判断を下した。逃げないと・・・。

 

吹雪「バージルさん、大丈夫ですか!?」

 

磯波「早く逃げましょう!」

 

バージル「俺は奴の相手をする。お前達は先に行け」

 

深雪「なに言ってんだ!?いきなり吹っ飛ばされてたじゃねぇか!」

 

叢雲「あんな得体の知れないの相手に、こんな狭い場所じゃ不利よ!」

 

吹雪「私達じゃ対抗する手段がないんです!お願いですから一緒に来てください!」

 

説得してバージルが大人しく言う事を聞いてくれるとは思っておらず、吹雪達はバージルを引っ張り無理矢理 連れていく。

逃げるように洞窟内を進み、カーブを曲がると行き止まりだったが、上へと続く梯子があった。

 

バージル「先に上がれ。時間を稼ぐ」

 

狂笑を上げて追ってくる少女に、バージルは幻影剣を何本も飛ばす。だが幻影剣は、少女に届く1歩 手前で砕けてしまう。

 

深雪「マジかよ・・・!?」

 

叢雲「深雪、早く行って!」

 

それを見て、吹雪達は慌てて梯子に掴まり、急いで上へと登っていく。

吹雪達が上に着くまで、バージルは何本 砕けようが幻影剣を飛ばし続けた。

更に『次元斬』も繰り出すが、少女は閻魔刀での攻撃の時のみ何の前触れもなく消え、また何の前触れもなく現れ攻撃が当たらない。

 

バージル「(こいつ、他の奴とは明らかに違う・・・!)」

 

吹雪達が梯子を登った先は、また どこかの家屋の中だった。

 

深雪「バージル!着いた!」

 

吹雪「バージルさんも早く来てください!」

 

吹雪達が叫んだ時には、既に少女がバージルの目の前まで来ていた。

少女は腕を伸ばしバージルを掴もうとするが・・・

 

バージル「くっ・・・!」

 

バージルが『トリックアップ』で真上へと瞬間移動し、少女の手は空を切り空振りに終わった。

洞窟の上では、バージルも無事に来れた事に吹雪達が安堵していた。

 

叢雲「早く ここから離れましょ。あんなのに追われてたんじゃ、白雪を探せない」

 

深雪「おう、行こ行こ」

 

初雪「行こ行こ・・・!」

 

バージル「(方法を考えねば・・・)」

 

対抗できる唯一の手段は閻魔刀だけ。だがバージルが閻魔刀を繰り出すよりも速く少女は消え、攻撃が当たらない。これでは閻魔刀を持ってないのも同然である。

もし あの少女を倒すとなると、閻魔刀の刃を届かせる方法を考えなければならない。

 

 

・・・・・・

 

*屋敷*

 

梯子を登って着いた家屋の中を、御子の少年の導きもあり白雪を探しながらバージル達は歩いていた。

ただ中を探索してる内に、構造的に かなり大きい建物だというのが分かってきたため、ここも相当 大きい屋敷だったようだ。

出鱈目に歩いた末に大きな引き戸がある場所まで来たのだが、引いても固く閉ざされ開ける事ができなかった。

バージルに戸を破壊してもらおうと深雪が提案するが、前の屋敷の時のように無理矢理 開ければ、逆に吹き飛ばされるかもしれないと叢雲が却下した。

すると・・・

 

?『巫女と御子は どこだ?!

 

?『どこに隠した?!

 

?『開けろ!

 

くぐもった声の怒声が真後ろから聞こえ振り返ると、青白い肌の男達が鎌などの凶器を持ってバージル達を睨んでいた。




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