385話です!どうぞ!
怨霊に襲われながらも屋敷を探索するバージルと吹雪、初雪、深雪、叢雲、磯波は、兄を返せと怒鳴る青白い肌の少女と遭遇する。
彼女の事が気になった吹雪達は、少女が入っていった部屋へと入る。しかし、そこに少女の姿は見当たらなかった。
襖を開けると、誰かの日記が置かれていた。
その日記を取ろうと叢雲が襖に上体を突っ込むと、真横で無表情の少女が見詰めていた。
少女の顔が近付き動けない叢雲だったが、少女は日記を手に取り何故か叢雲に差し出した。
その日記は、襖の中に隠れていた少女の物だった。
日記を読み、少女の視点で地図から消える前の
バージル達は白雪を連れて、少女の日記にあった蔵へと行ってみる。
蔵に閉じ込められ、そこでも怨霊に襲われるが これを撃破し、バージル達は『宗家の紋章』のオブジェを手に入れるのだった。
*廃村 ?月?日 ??:??*
蔵を出ると、白い着物を着た少年が離れた位置でバージル達を見ていた。今度は吹雪だけでなく、初雪達にも見えている。
少年は何かをする訳でもなく、また どこかへと立ち去っていく。
吹雪「私が見たの、あの子だよ!」
深雪「・・・やっぱり、あれも幽霊だよな?」
叢雲「でしょうね」
バージル「奴を追うぞ」
初雪「マジで言ってる・・・!?」
バージル「また道案内をしてくれてるのかもな」
白雪「道案内?」
吹雪「白雪ちゃんを探してる時に、彼を追ったら白雪ちゃんが居る場所まで行けたの」
白雪「そうだったんだ」
白雪を探していた時のように、また何かを教えようとしてくれてる可能性がある。バージルの提案もあり、吹雪達は迷う事なく少年を追う事を決めた。
・・・・・・
*屋敷*
少年を追うと、白雪と合流した屋敷に また戻ってきた。
屋敷の中に入り、まだ姿が見えてる少年を追い続けていると、外に出る渡り通路に出てきた。こっちの方には まだ行った事がない。
どうやら この屋敷は増築に伴い、隣に建てた屋敷と渡り通路で繋げてあるようだ。
他に道がないためバージル達は このまま進んでいくが、ふと吹雪は後ろに振り返った。視線の先には いつの間にか足を止めていた白雪が、渡り通路の遥か下の地上を見下ろしていた。
吹雪「白雪ちゃ・・・!」
だが白雪の身体が どんどん前のめりになっていき、このままだと落ちると判断した吹雪が駆け出す。
吹雪の声にバージル達も振り返り、駆け寄った吹雪は白雪の身体を掴まえ落下を阻止する。
白雪「私だけが落ちて・・・私だけが・・・私だけが・・・」
“私だけが・・・一緒に落ちても良かったんだよ・・・”
白雪「っ・・・!?」
そこで、白雪は我に返った。
気付いたら泣いてる吹雪が自分の身体に抱き付いており、状況が よく分からず戸惑う。
白雪「ふ、吹雪ちゃん・・・?」
叢雲「ちょっと、何してるのよ!?」
白雪「ご、ごめん、大丈夫!」
バージル「・・・・・・・・・」
白雪「ほら、吹雪ちゃん。私は大丈夫だから。早く行こ」
吹雪「・・・ほ、ほんとに、大丈夫・・・?」
白雪「うん。吹雪ちゃんこそ大丈夫?涙を拭いて」
吹雪「う、うん・・・」
吹雪は身体を離し手で涙を拭うが、合流するまでの白雪の様子は ずっと おかしかったため、本当に大丈夫なのか その不安までは拭いきれなかった。
・・・・・・
無事に渡り通路を抜けて隣の屋敷に入ったが、白い着物の少年の姿は消えていた。
仕方なく ここでも探索を続けながら ある部屋に入ると、真ん中に古い映写機が置かれていた。
不思議な事に その映写機は動いており、壁に祭の様子を撮った映像を投影している。
吹雪「これ お祭り・・・?私達も、よく お祭り行ったよね」
叢雲「そういえば そうね」
磯波「しばらく行けてないから、また行きたいね」
白雪「・・・あの お祭りの人混みの中で・・・吹雪ちゃんと離れてしまった・・・」
吹雪「ぇ・・・?」
白雪「吹雪ちゃんが遠くに行ってしまう・・・追い掛けても、追い掛けても・・・あの時から私は・・・」
そう言って白雪は吹雪の手を取り握ると、微笑を浮かべて彼女を見る。
白雪「この村から出たら、また お祭りに行こ」
近い将来の約束をする微笑ましい会話のように聞こえるが、吹雪は浮かない顔で白雪に何も言葉を返せなかった。何故なら、白雪の言うような事は吹雪の記憶にないからだ。
何度か鎮守府の近くの港町で催された お祭りに足を運んだ事があるが、行く時は常に白雪と行動を共にするか、最初から別行動を取っているかの どちらかだ。途中で はぐれるなんて事は1度もなかった。
・・・・・・
*廃村*
屋敷から出て しばらく道なりに進むと、村の外れまで来て大きな川が出てきた。
そこでも白雪は足を止め、川を見詰めて動かなくなる。
白雪「よく・・・ここで遊んだよね・・・」
吹雪「白雪ちゃん・・・?」
また知らない話を始め、心配になった吹雪が近付き白雪の肩に手を乗せる。白雪は その手に自分の手を重ね、吹雪を見る。
白雪「ここも・・・もうすぐ無くなっちゃうんだよね・・・?」
吹雪には何の話か分からなかったが、白雪が おかしいと思いたくなく、話題を変える事にした。
吹雪「もう少しで、この村から出られるよ」
白雪「そう・・・
吹雪「・・・・・・・・・うん」
“2人”というのが引っ掛かったが、吹雪は今の白雪に細かい事を訂正して言っていいものか気が引け、短く返事するしかなかった。
叢雲「ちょっとー!一々 止まってたら いつまでも帰れないわよー!」
叢雲に呼ばれ、吹雪は皆の方に向かおうと川から踵を返すが、後ろから白雪に抱き付かれ足を止める。
白雪「もう少し、ここに居よう・・・」
吹雪「・・・・・・・・・」
彼女は大丈夫だと、自分の不安を抑え込む意味でも、吹雪は白雪の方に向き直り抱き締め返す。
離れた位置で、初雪達は困ったように吹雪と白雪を見ていた。
叢雲「・・・・・・来ないわね」
深雪「同じ吹雪型なのに2人だけの世界に入っちゃってるな」
磯波「白雪ちゃんも大変だったし、少しくらいいいんじゃないかな?」
初雪「でも早くしてほしい・・・こっちが・・・精神的に限界・・・」
・・・・・・
白雪が満足するまで待ち、それから山の方へと進んだ一行だったが、歩いてる途中で突然、バージルの見てる前で吹雪型の動きが止まった。
バージル「・・・おい、どうした?」
吹雪型の前に回り込んで見ると、彼女達の表情は喋ってる時のまま固まっていた。吹雪と磯波は苦笑いを浮かべており、白雪は何を考えてるか分からない無表情、初雪と深雪は引き攣った表情をし、叢雲は不機嫌顔のまま動く気配がない。
吹雪型は ただ止まったのではなく、まるで彼女達の時間だけが停止してしまったかのようだった。
バージルは何が起きてるのか静かに思案してると、背後から誰かが近付く気配を感じ取る。振り返ると、人の形をした光が こちらに歩いてきていた。
バージルは閻魔刀を抜き、切っ先を光の人物に向ける。
バージル「貴様・・・何者だ?」
?『ベルセルク、この先に進めば、
バージル「ベルセルクだと・・・?貴様、この先で何が起きるか、何が待ち構えているか知ってる口振りだな」
?『あなたは この先で何をするつもりですか?』
バージル「儀式を行おうとしてる元凶を滅ぼし、この村から出る」
?『生きたまま彼女達と共に?』
バージル「その通りだ」
?『それはムリでしょう』
バージル「何ぃ・・・?!」
光の人物の言葉を挑発と受け取ったバージルは、閻魔刀から風の斬撃を飛ばす。しかし それが届く前に、光の人物は粒子となり四散して消える。
?『私の話を聞いてください、ベルセルク』
バージル「(何だと・・・!?)」
背後から女の声がして振り返ったバージルは驚いた。何の気配もなく、光の人物が立っていた。
バージル「貴様の話を聞いて俺に何の得がある?」
?『この村から出るための方法、と言えば どうです?』
バージル「・・・・・・いいだろう。話だけは聞いてやる」
この後どうするかは、一先ず話を聞いてから決める事にし、バージルは閻魔刀を鞘に戻す。
?『この村は儀式により現実世界から消滅しましたが、儀式をしなくても災厄が拡がり、滅びる運命でした』
元々この村がある場所は、古来より怨念や負の情念が集まり溜まりやすい場所であった。それらが長年 蓄積され融合し、大きくなった事で霊的な力が働くようになり、常人では止められない災厄となった。
この村の先祖達は嘗て災厄を封じ、再び解き放たれないようにするため ここに村を作り、それから幾百年にも渡って先祖代々 見張ってきた。
儀式を行わなくても災厄は解き放たれてしまう。だから儀式を阻止しても、バージル達は生きたまま この村から出る事はできず、村人達と同じ運命を辿る事になる。
災厄を封じ込め村から出る方法は、年に1度の鎮魂の儀式のみだ。そのためには、贄の巫女と御子に生きた器を与え、儀式を成功させるしかない。
既に白雪には巫女の少女が取り憑いているが、ここから先はバージルも予想外の話だった。光の人物が言うには、吹雪にも既に御子が取り憑いてるらしい。
バージル「儀式を行えば、器となってる者も死ぬはずだ。2人を犠牲にしろと?」
?『それが あなたの運命です。ここは同じ時間を繰り返す場所。ここから出るには、儀式の結果を変えるしかない・・・彼女達の命を犠牲にして』
バージル「他に方法は?」
?『ありません』
バージル「他に方法は━━」
?『何度 問うてもありません』
バージル「・・・・・・・・・」
?『・・・ですが、運命とは変えられるもの。あなたなら、きっと死すらも乗り越えられるでしょう』
そう言って光の人物は両手を出すと、その手に2つのゴールドオーブが現れる。
ゴールドオーブ━━それは秘法により生み出された金色の魔石。肉体に魂を呼び戻し、蘇生させる力を持つ。
光の人物は2つのゴールドオーブを差し出し、バージルは それを受け取る。
?『忘れないで。闇に呑み込まれる前に これを使わなければ、器となった肉体は2度と救えなくなると』
バージル「もし儀式を成功させても、その災厄とやらは どうなる?」
?『・・・・・・・・・』
バージル「答えろ。儀式の目的は“災厄を封じる”こと。だが それも年に1度だ。1年が過ぎれば どうなる?」
?『・・・災厄は再び解き放たれ、この地に災いを もたらすでしょう』
今は幽世の結界がある事から災厄は その中に留まっているが、儀式を成功させれば結界と共に幽世も消滅し、儀式を行う者も消えて、1年後には再び解き放たれた災厄が、この地を中心に人間界に拡がる事になるだろう。つまり、吹雪と白雪を犠牲にしても、今だけの時間稼ぎにしかならないという事だ。
?『覚えていてください。あなたの運命は、闇を斬り裂き道を切り開くこと。死という闇すらも・・・。祭壇へと向かうのです』
光の人物から祭壇がある場所を教えられるが、バージルは眉間に皺を寄せて疑問が増える。教えてくれた場所は、山に来て最初に着いた石造りの階段がある場所だった。
バージル「あそこには行ったが、何も無かったぞ」
?『祭壇へと急ぐのです。もう時間はありません・・・』
そう言い残し、光の人物は粒子となって消える。
直後、吹雪型の止まった時間が動き出した。
叢雲「ほんと あんたらは━━痛っ!?」
止まってる間にバージルが前に来て突っ立ってるとは思わず、叢雲が盛大にバージルに ぶつかり尻餅を突く。
叢雲「ちょっとバージル、いつの間に前に来たのよ!?というか止まらないでくれる?!危ないでしょ!」
バージル「・・・・・・・・・」
吹雪「バージルさん、どうかしたんですか?」
バージル「いや・・・何でもない」
バージルは、光の人物から聞かされた話を吹雪型にできなかった。ゴールドオーブで吹雪と白雪を蘇生できると言っても、1度は2人を殺す方法に姉妹艦が納得するとは思えなかった。
“1年が過ぎれば どうなる?”
“・・・災厄は再び解き放たれ、この地に災いを もたらすでしょう”
バージル「(どの道 全てがムダという訳か)」
初雪「バージル・・・怖い顔してる・・・」
バージル「何でもない、行くぞ」
叢雲「何なのよ、相変わらず自分勝手なんだから」
バージルは これ以上の追及から逃げるように先に行ってしまい、何だか よく分からない吹雪型は溜め息混じりに彼を追った。
・・・・・・
*洞窟*
更に道なりに進むと、また洞窟が目の前に現れた。
御子の少年や謎の光の人物の導きから、こちらに来て洞窟を見付けたのは何か意味があるはずだ。バージルは躊躇う事なく洞窟に入っていき、吹雪型も その後ろを付いていく。
一本道の洞窟を進み続けていると、背後からギチギチとブリキの人形が動くような音が聴こえてきた。全員が振り返ると、黒い着物に長い黒髪、青白い肌の少女が油の切れた機械のような不気味な動きで追ってきていた。
深雪「おい またかよ!?これじゃあ引き返せねぇじゃん!」
バージル「端から引き返すつもりもないがな」
少女を排除するためバージルが吹雪型から離れた瞬間、天井からバージルと吹雪型を分断するように壁が落ちてきた。
バージル「(・・・罠か)」
吹雪型とは後で合流すればいいと後回しにし、バージルは先に目の前の殺意を向けてくる少女を対処する事にした。
バージル「来るなら来い」
バージルの挑発を受け、少女は さっきまでとは比べ物にならないスピードで駆け出す。
間合いに入った瞬間、バージルが閻魔刀を一閃する。
壁の向こう側では、吹雪型が壁を叩きバージルを呼んでいた。しかしバージルからの返事も何も聞こえないため、吹雪型の声も届いてないと思われる。
深雪「こんな壁、砲撃で ぶっ壊してやろうぜ!」
磯波「駄目だよ!屋敷の地下にあったトンネルみたいに崩落するかもしれないよ!」
叢雲「でもバージルと はぐれるのはマズいわ」
何が何でもバージルと合流する方向で意見が纏まりかけるが、吹雪は反対に自分達だけ先に向かおうと提案した。
叢雲「何で?バージルが居ないと私達だけじゃ幽霊に対抗できないのよ!」
吹雪「私達がバージルさんと一緒に居ても、今は何の役にも立てない。それなら私達だけ先に向かって、できる範囲で可能な限り脱出経路を確保した方がいいと思う。それでバージルさんと合流したタイミングで、皆で一緒に村から出よう」
叢雲「・・・幽霊に遭遇したら どうするつもり?」
吹雪「その時は・・・・・・全力で逃げよう!」
深雪「・・・・・・カッコわる」
初雪「でも、今は それしかなさそう・・・」
深雪「仕方ねぇ、ここは1番艦様に従うとするか。なっ、叢雲?」
叢雲「はぁ・・・分かったわよ」
吹雪「じゃあ行こう!」
吹雪型は探照灯で道を照らしながら、走って できるだけ急いで先へと進む。
・・・・・・
怨霊にも遭遇する事なく洞窟を進み続けると、先の方に灯りが見えてきた。
絶対に何かあると そこへ向かって急ぐと、蝋燭と水子供養地蔵、そして
ただ、吹雪型は その場所を見て顔が引き攣る。風も吹いてないのに、全ての
磯波「ねぇ、先に来たの正解だったのかな・・・?」
吹雪「は、判断ミスしたかも・・・」
叢雲「もう今更だけど・・・」
いま居る場所と
深雪「影響 受けてる奴が1人 居るって!」
吹雪「白雪ちゃん!」
白雪「・・・・・・少し・・・休ませて・・・」
吹雪「白雪ちゃん大丈夫!?」
白雪「ごめん・・・ね・・・」
吹雪「っ・・・!?」
心配して白雪の肩に触れた瞬間、吹雪の意識が飛ぶ。
・・・・・・
*???*
気付くと吹雪は、真っ暗な空間に居て、地面に置かれた大量の蝋燭の間を歩いており、奥には赤い鳥居が見える。
縦1列に並ぶ幾つもある鳥居を抜けると、地面に四角い大穴がある広い空間に出た。
そして大穴の後ろに、地下トンネルでも見た呪文が書かれた細い布を身体に巻いた、1人の男が立っていた。
吹雪は大穴を挟んで男と対峙すると、無意識に口が動く。
吹雪「白雪ちゃんは どこ?」
それに答えるように、男は黙ったまま大穴に指差す。
吹雪は大穴へと近付き覗き込むと・・・。
・・・・・・
そこで吹雪の意識が戻った。
だが さっき見たのは何だったのかと、呆けていた。
吹雪「・・・・・・・・・」
叢雲「ちょっと吹雪!大丈夫なの?!」
吹雪「えっ!?あっ・・・ごめん」
叢雲「お願いだから あなたまで おかしくならないでよ?」
吹雪「う、うん、大丈夫・・・。白雪ちゃん」
白雪「何が・・・ても・・・すから・・・」
吹雪が横になってる白雪の上体を起こすと、白雪は何かをボソボソと呟く。だが上手く聞き取れない。
白雪「何があっても、吹雪ちゃんのこと許すから・・・」
今度は聞き取れたが、どういう意味かまでは分からない。ただ これだけは分かる。今の白雪を、これ以上 長く ここに留まらせる訳にはいかない。
吹雪「立って。もうすぐ、帰れるから・・・」
洞窟は まだ先に続く道がある。
吹雪はグッタリした白雪を引っ張り起こし、身体を支えながら先へと向かう。
・・・・・・
*山*
洞窟の先へ行くと外に出る事ができた。
そのまま当てもなく歩くと、最初に来た石造りの階段がある場所へと辿り着いた。
深雪「ここ、白い格好した連中が居た場所だよな?」
叢雲「今は居ないみたいね」
磯波「そういえば、上には何があるんだろう?」
深雪「確認してみるか?」
初雪「好奇心は・・・人を殺す・・・」
深雪「ちょっと行って ちょっと見てくるだけだって。見たら すぐ帰ろう」
叢雲「いいけど、本当に ちょっとだけだからね」
そのまま階段を上り、ある程度まで行って足を止め、辺りを見てみる。周囲は夜の闇に包まれ、どうなってるのかまでは よく分からない。
白雪「吹雪ちゃん!あれ!」
白雪の声に階段の下に振り向くと、青白い肌をした村人達が、松明や鎌、竹槍を持って上がってきていた。
しかも視線は確実に吹雪型を捉えており、間違いなく用があるのは自分達だと判る。
吹雪型が狼狽えてる間にも、村人達は どんどん階段を上がってくる。
吹雪型は言葉を交わさずとも同じ判断をし、村人達に背を向け階段を上がりながら逃げる。
しかし途中で、白雪の悲鳴が上がった。振り返ると、白雪が村人達に捕まり囲まれていた。
吹雪達が助けようと動きかけるが、別の村人が立ち塞がり下手に動けなくなる。
・・・・・・
*洞窟*
数刻前、黒い着物の少女と戦うバージルは、他の怨霊を相手にする時よりも時間が掛かっていた。
少女の腕が伸びバージルに迫るが、バージルは閻魔刀を横にして刀身の腹で受け止め、勢いを殺せず地面を滑るように後退る。
バージル「(どうやら他の霊魂よりも力は上のようだな。だが・・・!)俺は更に その上を行く!」
バージルは一気に駆け出し、少女に接近した瞬間に駆け抜けながら斬る『疾走居合』を繰り出す。
バージル「
それは1度だけでなく連続で繰り出され、縦横無尽に駆け抜けるバージルのスピードも どんどん上がっていき、目で捉えられない程になっていった。
バージル「
少女が身動き取れない中で何度も斬られていると、バージルが回転しながら飛び上がって斬る『羅閃天翔』を繰り出し、宙へと打ち上げられる。
更にバージルは『閻魔刀墜撃斬』で高速落下しながら閻魔刀を叩き付け、地面に落ちた少女がバウンドして また浮き上がる。
バージル「
身体が紫色のオーラに包まれるバージルは閻魔刀を1度 鞘に戻し、抜刀して閻魔刀を高速で何度も振る。すると空間に幾つもの光の線が走り、宙に浮いたまま少女の時が止まる。
バージルが閻魔刀を鞘に戻すと再び時が動き出し、ガラスのように空間が割れ、『次元斬・絶』を喰らった少女は落下して消滅した。
バージルは深く息を吐き出すと、道を塞ぐ壁に近付き手で触れる。
バージル「(・・・妙な力を感じる。壊すのはムリそうか・・・)」
仕方なくバージルは来た道を引き返し、別ルートで吹雪型と合流する事にするのだった。
次回で この話も終わりです。
次回も宜しく お願い致します!