Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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386話です!どうぞ!


Mission386 封印~贄となる魂~

バージルと吹雪型は、御子の少年を追って村の外れまで生き、そのまま山へと向かう事になる。

そこで吹雪型は時が止まったように動かなくなり、バージルは謎の光の人物との邂逅を果たす。

そして村から出るには贄の巫女と御子に取り憑かれた吹雪と白雪を犠牲にしなければならないと教えられ、まだ救えるかもしれないとゴールドオーブを渡されると、光の人物はバージルの前から消えてしまう。

時が戻った吹雪型と道なりに進むと、また洞窟が現れた。

中に入るが そこでも怨霊が現れ、突如 壁が下りてバージルと吹雪型は分断されてしまう。

先に洞窟の奥へと行った吹雪型は そのまま外に出る事になり、当てもなく歩いてると最初に来た石造りの階段がある場所へと辿り着いた。

しかし そこでも怨霊が現れ、白雪が捕まってしまうのだった。

 

 

*山 ?月?日 ??:??*

 

白雪が捕まり、吹雪達は助けようと動きかけるが、村人が立ち塞がり下手に動けなくなる。

吹雪達に怨霊に対抗する手段はなく、だからと言って白雪を見捨てる訳にもいかず、どうする事もできず動けないまま睨み合いが続く。

 

バージル「おい」

 

バージルの声がし、階段の下を見ると彼が居た。

怨霊達はバージルに標的を変え、階段を駆け降りながら襲い掛かる。バージルは閻魔刀で応戦し、階段から少し離れ戦いの場所を移す。

村人達が持つ鎌や竹槍を往なし、ガラ空きとなった身体に閻魔刀で斬り付けていく。

 

バージル「お前達では話にならん」

 

『疾走居合』で村人達の間を駆け抜け、カチンと閻魔刀を鞘に戻した瞬間、村人達は呻き声を上げながら消滅した。

戦いを見守っていた吹雪達は、バージルが間に合ってくれた事を喜んでいた。

 

深雪「やったぜバージル!」

 

叢雲「ほんと、いいタイミングで来るんだから」

 

吹雪「白雪ちゃんが捕まった時は どうなるかと思ったけど、これで一安・・・心・・・・・・嘘っ!?」

 

白雪が居た場所を見ると、またしても白雪の姿が消えていた。この事態に、吹雪達は また焦る。

 

深雪「何で また居なくなってんだよ!?」

 

叢雲「知らないわよ!誰か見てなかったの?!」

 

初雪「皆で・・・バージルの戦い・・・見学・・・」

 

叢雲「最悪・・・!」

 

磯波「今度は どこに行ったんだろ!?」

 

階段の下には行ってないだろう。そこではバージルが怨霊と戦い、吹雪達が ずっと見ていた。もし下に行ったのなら、吹雪達が それを見逃すはずがない。

だとすれば・・・。

 

『上に行こう!』

 

叢雲「バージル、一緒に来て!」

 

白雪が階段の上へと行ったんだと思い、吹雪達は階段を駆け上がっていき、バージルも その後を追う。

階段の頂上に着くと赤い鳥居があり、それは幾つも縦に並び道を作っていた。

そして鳥居の道の先には、社が建っていた。

ただ、バージルは それを見て眉間に皺を寄せた。最初に この場所を確認しに来た時、ここには何も無い更地だった。それが今や、立派な鳥居と社が出現している。

 

バージル「(これが祭壇へと続く道か)」

 

鳥居が作る道の先を見ると、2列に並ぶ白装束達に挟まれる形で、白雪が歩いていた。

その白雪の姿は、何度も何度も白い着物を着た巫女の少女と姿が入れ替わる。

 

巫女『選ばれし巫女と御子は、天に通され神となる。神となりて村を助くる

 

白雪「これで、いいんだよ・・・」

 

社の前に着き立ち止まった白雪は、完全に巫女の少女の姿に変わり、白装束達と社の中へ入っていってしまった。

社の扉が閉まった瞬間、吹雪達は弾かれたように駆け出す。吹雪達は、言葉で言い表せない危険を本能的に感じていた。

 

深雪「あれは絶対マズい!」

 

叢雲「白雪 行っちゃダメ・・・行っちゃダメェ!!」

 

吹雪「白雪ちゃん!」

 

磯波「どうして・・・どうして・・・!」

 

 

ここから出るには、儀式の結果を変えるしかない・・・彼女達の命を犠牲にして

 

 

吹雪達の背中を見ていたバージルは、光の人物が言っていた事を思い出しながら2つのゴールドオーブを取り出し、それを見る。

 

バージル「(勝負は1度きりか・・・)」

 

ゴールドオーブを懐に仕舞い、バージルも駆け出し吹雪達を追う。

 

 

*社*

 

扉を開けて社に入ると、白装束達が円を描くように並び経を唱えていた。

上を見上げると、彼らの中心の上の方で1人の男が荒縄で縛られ、吊るされていた。

すると いきなり、白装束達がバージル達の方に振り向く。

 

『っ・・・!?』

 

更に白装束達の中に混じっていた住職も振り返ってくると、その顔が骸骨化し、目の穴の奥で光る青い瞳でバージル達の姿を捉える。

 

バージル「来るぞ、備えろ」

 

深雪「マジかよ!」

 

バージルが言った通り、白装束達と住職が一斉に襲い掛かってきた。

吹雪達は狭い場所を逃げ回り、柱などを利用して小回りを利かせながら どうにか追い付かれないようにする。

バージルは幻影剣を飛ばし吹雪達が逃げる援護をしながら、閻魔刀で白装束達を斬り伏せていく。

 

叢雲「もうっ!しつっこいっての!」

 

吹雪「こんな所で足止めされてる場合じゃないのに・・・!」

 

深雪「この深雪様とやる気かぁー?!やるならバージルにしてくれー!!」

 

初雪「おぉ・・・!おぉ・・・!」

 

磯波「初雪ちゃん早く走って!」

 

吹雪達の騒がしい声を聞きながら、バージルは全ての白装束達を倒す。残るは住職だけだ。

吹雪達は壁際に離れ、バージルと住職は睨み合ったまま動かない。

 

初雪「(あっ・・・!?)」

 

初雪の手が長い蝋燭立てに当たり、蝋燭立てが倒れた音を合図にバージルと住職が同時に動く。

通り過ぎ様に両者 刀を一閃し、また どちらも動かなくなり静寂に包まれる。

吹雪達は どちらが勝ったのかと固唾を飲んで見守っていると、住職が小さな呻き声を上げて倒れ、消滅した。

吹雪達はバージルが勝ったと安心して笑みを見せるが、バージルは鋭い眼光を上の方に向ける。そこには、荒縄で縛られ吊るされた男が居る。

 

深雪「バージル、なに見てるんだ・・・?」

 

叢雲「まさか・・・」

 

まさか まだ終わってないのかと、吹雪達も上を見る。

すると荒縄で縛られた男の姿が変わっていき、沢山の死体が転がっていたのを見た屋敷に現れた、老人姿の怨霊へと変貌した。

さっきまでは黒髪の撫で付けるような髪型をした中年だったのに、今は白髪を逆立てた老人の化け物のようになってしまっている。

老人が宙に浮きながら ゆっくりと床に下りると、バージルは閻魔刀に手を掛けるが、老人は何故かバージルを無視して吹雪に顔を向ける。

 

?『祭が始まる・・・2人の贄が神となりて、鎮魂の儀式が成し遂げられる・・・命を捧げ・・・災いを封じる・・・

 

バージル「そうか・・・貴様が儀式を扇動した、この村の村長という訳か」

 

深雪「あのヤバそうだった奴が村長・・・!?」

 

村長と思われる怨霊は道を開けるように横にズレると、そこには別の場所へ通ずる扉があった。

そして村長は、行けと言うように手で指し示す。

 

吹雪「・・・バージルさん、どうしますか?」

 

バージル「どの道 行くつもりだ。邪魔をしてこないなら手間も省ける」

 

バージルは村長に見向きもせず歩き出し、吹雪達は警戒して、村長から目を離さないようにしながら扉の前に行く。

その扉には、何かを嵌め込めるような窪みがあった。

 

吹雪「これ、蔵で見付けたのと同じ形してる」

 

バージル「ここに入れてみろ」

 

叢雲が、蔵で手に入れた『宗家の紋章』のオブジェを扉に使うと、重厚な音を立てながら扉が開いた。

村長に見送られながら奥へ進むと、そこには少し広い空間が広がっており、地面に沢山の蝋燭が立てられていた。

そんな中で、白雪が1人で待っていた。

 

『白雪ちゃん!/白雪!』

 

白雪「来ないで!」

 

吹雪達は白雪に駆け寄ろうとしたが、白雪に拒絶され思わず足を止める。

 

白雪「来たら、きっと、吹雪ちゃん達を・・・!」

 

拒絶されても、それでも白雪と一緒に帰るという目的や気持ちは変わらない。

だからこそ白雪に近付こうとすると、突然 白雪が狂ったように笑い始めて再び足を止める事になる。

そして白雪の姿が巫女の少女の姿に変わり、透けるようにして消えていく。

いま居る空間の奥には、また鳥居が立っている。

そこまで行くと地下へと行く階段があり、通路を支えるように幾つもの鳥居が続いていた。

 

叢雲「・・・覚悟、決めるわよ」

 

「「「「うん」」」」

 

階段を下り地下へと続く道を進んでると、また誰かの記憶が流れ込み立ち止まる。

場所はバージル達が居る階段で、巫女の少女が白装束達に囲まれながら階段を下りている。

そして場面が変わり、吹雪が意識の飛んだ時に見た四角い大穴のある広い空間で、白装束達が経を唱える中で巫女が立っている。

そして一瞬だが、巫女が首にロープを掛けられ鳥居に吊るされているのが見えた。

 

 

ずっと・・・

 

 

そして巫女の遺体が、大穴へと放り込まれた。

 

 

ずっと、待ってる・・・

 

 

そこで記憶は途切れた。

吹雪達は すぐに動けず、冷や汗が顔を伝っていた。

 

叢雲「今の・・・」

 

磯波「このままだと、白雪ちゃんも ああなるの・・・?」

 

深雪「そ、そんな事させるかよ!」

 

バージル「もうすぐだ。行くぞ」

 

あの記憶が、これから白雪に待ち受けている事だと思ってしまった吹雪達は焦燥感に駆られ、階段を駆け下りる足も速くなる。

階段を駆け下りていると、誰かの声が聞こえてきた。通路内に響くような、頭に直接 語り掛けてくるような、どちらとも取れるような聞こえ方だった。

 

 

どうして あの時 置いていったの・・・?ずっと一緒だって約束したのに・・・

 

 

幾つもの鳥居を抜けて階段の先に到達すると、あの四角い大穴がある広い場所だった。

左右には道を作るように、錫杖を持った白装束の集団が並び、地面を突いて何度も錫杖を鳴らしている。

そして彼らが作る道の先、大穴の前で背を向けて白雪が立っていた。

 

 

最後の時まで・・・待ってる・・・

 

 

吹雪「白雪ちゃーん!」

 

吹雪達は駆け出すが、バージルが立ち塞がり進めなくなる。

 

叢雲「バージル、どいてよ!」

 

バージル「この先に進んでいいのは吹雪だけだ」

 

初雪達は なぜ吹雪だけなのかと疑問と戸惑いの顔を浮かべるが、吹雪はバージルの横を通り白雪の元へ急ぐ。

すると、吹雪と白雪の姿が、巫女の少女と御子の少年の姿に変わる。それを見て、初雪達は驚き顔が強張る。

 

叢雲「何で・・・吹雪が・・・!?」

 

バージル「吹雪は俺達が気付かぬ間に、御子に取り憑かれていた」

 

初雪「だから、吹雪だけ行かせた・・・?」

 

磯波「こ、この後は どうなるんですか!?」

 

バージルは それを知ってるが、それを口にして初雪達に聞かせる事はできない。チャンスは1度きりで、失敗は許されない。故に、初雪達に それを教えて邪魔される訳にはいかない。

御子は ゆっくりと歩を進めて巫女に近付くと、彼女が振り返り2人は50年の時を経て再会する。

 

巫女『やっぱり・・・やっぱり来てくれた・・・

 

御子『本当に ごめんね・・・。あんなに一緒だって約束したのに・・・

 

御子は、死した後に村の行く末を見て後悔した。

あの時、儀式で人の命を奪う事に疑問を持ち、巫女を助けたいという想いから彼女を連れて儀式から逃げ出し、彼女だけを逃がした。

だが結局 巫女は、村に連れ戻され死に、村は死者が さ迷う幽世となり、外の世界から迷い込んだ生者を巻き込み殺し続ける結果となってしまった。

だが、今になって希望が見えた。御子は吹雪に取り憑いていた間、ずっとバージル達の会話を聞いていた。光の人物との会話も。

バージルなら、器となった吹雪と白雪を助ける手段を持っている。50年前にできなかった儀式を行い、永久(とわ)に続くはずだった この負の連鎖を止める事ができる。

 

御子『あの時━━

 

巫女『分かってる。分かってるよ・・・

 

呪文が書かれた細い布を身体に巻く男が来ると、巫女と御子に それぞれ刃物を差し出す。

 

巫女『ずっと一緒・・・約束だよ

 

刃物を受け取った瞬間、巫女と御子の姿が吹雪と白雪の姿に戻る。それを見て、初雪達は この後なにが起きるのかの想像ができた。

2人がやろうとしてる事を止めようと初雪達が動くが、またしてもバージルに止められる。

 

叢雲「どいてよ!このままじゃ吹雪と白雪がぁ!」

 

バージル「許せ、今は こうするしかない」

 

深雪「何がだよ?!2人を止めなきゃだろ!」

 

初雪達はバージルの腕から抜け出し吹雪と白雪の方に急ぐが、『烈風幻影剣』に囲まれ身動きが取れなくなってしまう。

 

深雪「何で・・・何でなんだよぉっ?!」

 

悲痛な声で問い質すが、バージルからは沈黙しか返ってこなかった。

そして吹雪と白雪は、互いの心臓に刃物を突き立てた。

 

叢雲「嫌ぁあああああっ!!!」

 

身体に布を巻いた2人の男が、倒れる吹雪と白雪を抱き抱えると、彼女達を大穴へと放り込んだ。

直後、一瞬だけ大穴から光が放たれたと思うと、大穴から幾つもの光が浮き上がってきた。

その瞬間、バージルが駆け出す。

 

バージル「お前達は先に行け!」

 

磯波「バージルさん!」

 

バージルは吹雪と白雪を追って、大穴へと飛び込んだ。

初雪達が茫然自失となる中、周りに居た白装束達が儀式の成功に喜び歓声を上げている。

 

 

*廃村*

 

逢魔(おうま)村では、この幽世を さ迷う霊魂達が祭壇がある方角に向き、空を見ていた。その視線の先には、幾つもの光が天へと昇っていく。

それを見ていた霊魂達も光となり、空に向かって浮いていく。儀式の成功により、幽世となった この村は消滅し、さ迷える魂も本来 行くべき場所へと向かおうとしていた。

 

 

*大穴*

 

大穴へと飛び込んだバージルは、何もかもを塗り潰すような漆黒の闇の中を、頭から垂直に落下していた。

その視線の先には、どこまでも落ちていく吹雪と白雪の姿が見える。

 

バージル「(急がなければ・・・!)」

 

時間が経てば、ゴールドオーブを以てしても魂を呼び戻す事ができない。

吹雪と白雪を掴もうと腕を伸ばすが、バージルは落下していく2人の先にあるものを見て目を見開く。その先には、黒に近い灰色をした大勢の人の姿が蠢いていた。

だが それは、人にあらず。この地には怨念が集まり、逢魔村は ずっと この大穴に それを封じ込めていた。つまりバージルが見ているのは、怨念の集合体だった。

鎮魂の儀式は災いとなった この怨念を封じ込めるためのもので、根本的な解決策とは言えない。怨念の集合体が存在し続ける限り、災いは この地に何度でも降り掛かる。

バージルはできるだけ空気抵抗をなくす姿勢を保ち、吹雪と白雪の元へ急ぐが、怨念の集合体から触手のような物が伸び、バージルの四肢に巻き付き拘束する。

 

バージル「くっ・・・この・・・!」

 

そうしてる間にも、吹雪と白雪の身体は怨念の集合体へと向かって落下していく。

 

 

*社*

 

吹雪と白雪の身に起きた事に呆然としていた初雪達だったが、地震が起きたように激しい揺れが発生し、彼女達は このままでは危ないと判断して、外に出るため地上へと向かう階段を泣きながら駆け上がっていた。

 

叢雲「(ごめん・・・吹雪・・・白雪・・・!)」

 

2人を助けられず、自分達だけ逃げる情けなさに涙が止まらない。

その時、御子の少年の声が聞こえた。

 

御子『振り返っちゃ駄目だ!

 

声に後押しされるように階段を駆け上がり、社の外に出た初雪達は、天へと昇っていく幾つもの光を見て足を止める。

すると今度は、どこからか地鳴りが聴こえてきた。

周囲を見渡すと、遠くに黒く巨大な影が近付いてきていた。それは大量の水が押し寄せてくる津波だった。

 

深雪「おい・・・何だよ あれ・・・?」

 

叢雲「・・・・・・水・・・・・・?もしかして・・・!?」

 

逢魔村はダムの水の中に沈み地図から消えた。もし この幽世が そこまでを繰り返す時間の中にあるのならば、この村は もうすぐ水の中に沈もうとしてる事になる。

 

深雪「ど、どうすんだよ!?」

 

磯波「早く逃げないと!」

 

叢雲「・・・あのスピードと規模じゃ、今から逃げても間に合わない・・・」

 

初雪「私達・・・終わり・・・?」

 

叢雲「うん・・・」

 

吹雪と白雪が居ないまま自分達だけ助かっても意味がないと、初雪達は逃げる事を諦めた。

津波が迫る恐怖に互いの肩を抱き合い、ただ静かに村と共に呑み込まれる時を待つ。

津波に呑み込まれる瞬間、宙に浮く2つの光が現れ、津波が初雪達を避けて左右と頭上を流れていく。

そして2つの光から、巫女と御子の声が聞こえてきた。

 

御子『巻き込んで すまなかった・・・

 

巫女『ありがとう・・・

 

その声を聞いたのを最後に、初雪達の意識は途切れた。

 

 

*大穴*

 

そして大穴では、拘束されたバージルが どうにか抜け出そうとしていたが、それでも身動きが取れないままだった。

そして吹雪と白雪の身体は落ち続け、どんどん離れていく。

その時、バージルは光の人物が言っていた言葉を思い出す。

 

 

覚えていてください。あなたの運命は、闇を斬り裂き道を切り開くこと。死という闇すらも・・・

 

 

バージル「誰かに決められた運命などに、俺は従うつもりはない!俺の進むべき道は、俺が決める!見ていろ!これが俺の進むべき道であり、俺の力だ!」

 

感情の昂りに呼応するように魔力が膨らみ、バージルは真魔人となる。

真魔人化で放出された魔力に、怨念の集合体の一部である触手が弾け飛ぶ。

拘束から脱した真魔人バージルは翼を広げ、吹雪と白雪を追って急降下していく。

そして2つのゴールドオーブを吹雪と白雪の身体に押し当てると、2人の身体が金色に光り目を覚ます。

 

「「バージルさん!?」」

 

真魔人バージルは2人を追い越し、単身で怨念の集合体へと向かっていく。

怨念の集合体から何本も触手が伸び迫るが、真魔人バージルは それを避けながら どんどん落下していく。

 

バージル『消え去るがいい!

 

怨念の集合体に閻魔刀を突き刺すと閻魔刀が蒼い光を纏い、その光は怨念の集合体にも移り光に包まれる。

吹雪と白雪が見守る中で光が徐々に強くなっていき、最後には眩い光の中で意識が途切れた。

 

 

・・・・・・

 

*山 3月22日 11:14*

 

叢雲は目覚めると、近くで川が流れる山の中に居た。

辺りを見渡すと、すぐ傍にバージルと吹雪、白雪、初雪、深雪、磯波も倒れていた。

 

叢雲「吹雪!白雪!」

 

叢雲は吹雪と白雪に駆け寄り、叢雲の声にバージル達も目を覚ます。

 

深雪「むにゃ・・・吹雪に白雪!?」

 

初雪達も吹雪と白雪に気付き、彼女達も駆け寄ると泣きながら2人に抱き付いた。

 

白雪「皆、もう大丈夫。心配 掛けて ごめんね」

 

深雪「ほんとだぜ、まったく!」

 

初雪「どうやって助かったの・・・?」

 

吹雪「バージルさんが助けてくれたんだ」

 

それを聞き、初雪達はバージルを見る。

そのバージルは、何を考えてるか分からない無表情で、腕を組みながら遠くを見詰めていた。

 

叢雲「あんな奴に絶対 礼とか言わない!」

 

深雪「プンプンだ!」

 

初雪「プーン・・・」

 

磯波「初雪ちゃん、それだと何か臭ってるみたいになっちゃう」

 

吹雪と白雪を助けるのを邪魔し、結果的に2人が1度は死んでしまった事に対し、初雪達はバージルに対する怒りが残ったままだった。

バージルにも理由があったが、全てが終わってからも本人に それを話す気がないため、今後も初雪達が真実を知る事はないだろう。

バージルに怒る初雪達を、吹雪と白雪が宥めていると、スマホに着信が入った。相手は憲兵3号からだ。

 

吹雪「あっ、もしもし、憲兵さん」

 

3号『ちょっと皆さん!今まで何やってたんですか!?』

 

吹雪「えっと、ちょっと話すと長くなるんですけど、どうかしましたか?」

 

3号『どうかしましたかじゃないでしょ!迎えの時間に行っても居ないし、2週間も音信不通で心配したんですよ!』

 

憲兵3号は警察や地元住民に協力を仰ぎ何日も捜索したが、見付からずバージル達は行方不明扱いで大騒ぎになっていたらしい。

それを聞き、吹雪は驚きで固まった。感覚的には丸1日しか経ってないように思える。

 

吹雪「え・・・2週間も、私達 行方不明だったんですか!?」

 

吹雪の言葉を聞き、そんな まさかと思った白雪達は それぞれ自分のスマホが表示する日付を見る。そこには22日が表示されており、既に15日も経過していた事に白雪達は愕然とした。

向こうは ずっと夜で幽世でもあったため、現実とは時間の感覚や流れが違っていたのかもしれない。

謝りつつも、山から出るため憲兵3号と合流するはずだった場所へ歩き出すバージル達。

憲兵3号も これから迎えに来てくれるそうだ。

その後、本来の目的であった行方不明者6人の遺体が途中で見付かった。後に分かった事だが、死因は溺死と診断された。

警察に任せ旅館に戻ったバージル達は、明日には鎮守府に着くよう出発するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 食堂 3月23日 21:03*

 

翌日、鎮守府へと戻り、ダンテとネロと共に壺魔神を倒したバージルは、食堂で1人の静かな時間を謳歌していた。

そこに、白雪がバージルを訪ねて やって来た。

 

白雪「バージルさん」

 

バージル「・・・何だ?」

 

白雪「・・・・・・あの村で、儀式は成功して、全部 終わったんですよね・・・?」

 

バージル「あぁ」

 

白雪「でも、また同じ事が起きるんですよね・・・?」

 

白雪は巫女に取り憑かれていた影響で、巫女の記憶を持ったままだった。だから1年が経てば、あの場所で また鎮魂の儀式をしなければならない事も知っていた。

だが、バージルの返答は白雪が思っていたものと違った。

 

バージル「その心配はない。あの場所に封じられていた災いとやらは、もう2度と出てくる事はない」

 

バージルが大穴の底に蠢く怨念の集合体に向かっていった あの瞬間、閻魔刀の力を使って完全に封印していた。年に1回の鎮魂の儀式と違い その封印は永遠に続き、閻魔刀が無ければ封印を解く事はできない。

バージルに閻魔刀を手離すつもりもないため、誰かが閻魔刀を使って封印を解く心配もないだろう。だから あの場所で、再び鎮魂の儀式をする必要もないのだ。

それを聞き、白雪は嬉しそうに笑った。

そこに、風呂に行こうと吹雪達 姉妹艦が呼びに来た。

 

白雪「バージルさん、私と吹雪ちゃんを助けてくれて ありがとうございます」

 

白雪は お礼だけ伝え、吹雪達と共に食堂を後にするのだった。

 

 

・・・・・・

 

*3千万年前 荒野*

 

崖の縁に白い衣服を身に纏い、煌びやかなアクセサリーを着けた黒髪の少女が立ち、遠くを見ていた。

だが その少女に見えているのは目の前の荒野ではなく、未来の風景だった。その目に映るのは、魔剣士3人と魔人ルキフェルスの戦い。

すると背後に、漆黒のフルヘルメットに漆黒の衣服を纏う男性が現れ、少女に跪いた。

 

?「『キリカ』様」

 

キリカ「・・・ベルゼ」

 

“キリカ”と呼ばれた少女は振り向く事なく、フルヘルメットの男性をダンテのクローンと同じ名で呼ぶ。

そして少女は続けて言葉を紡ぐ。

 

キリカ「どうやら、未来が変わったようです」

 

ベルゼ?「・・・それは、今よりも良くない未来でありますか?」

 

キリカ「う~ん・・・まだ、よく分かりませんね」

 

ベルゼ(?)の問いに、少女は困ったような笑みを浮かべて振り返りながら答える。

だが すぐに、その顔は真剣な表情へと変わる。

 

キリカ「ですが、変わらないはずだった破滅の中に、僅かな希望も見えました。さっき視えた魔剣士・・・あの3人が希望になってくれるかも・・・」

 

ベルゼ?「魔剣士・・・」

 

キリカ「さぁ、難しい話は これくらいにして、旅を続けましょう。王国までは まだまだありますからね」

 

ベルゼ?「御意」

 

未来を視る事ができる少女キリカと、彼女に付き従うベルゼ(?)は崖から離れ、どこまでも続く荒野を歩き、ひたすら旅を続ける。

キリカが3人の魔剣士に見出だした“希望”。それが何を意味し、未来に どう繋がるのかは、まだ彼女にしか知り得ぬ事だった。




また新キャラ出そうです。
ちゃんと出すには まだまだ先になりそうですが。

次回も宜しく お願い致します!
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