Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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387話です!どうぞ!




Mission387 深海運河 最終防衛線~変異する深海棲艦~

*深海運河海域 最終防衛線 3月26日 10:13*

 

第1次運河攻撃により、敵は大幅に防衛態勢を強化した。

制海権を確保するには その防衛線を突破し、深海運河を攻撃、同運河の閘門を完全に破壊しなければならない。

Devil May Cry鎮守府は、第2次深海運河作戦を開始した。

ダンテが操るアマ・デトワール号には、第4艦隊 旗艦の潜水空母 伊401、随伴艦に伊8、伊19、伊58、潜水艦 伊168、U―511。

第5艦隊 旗艦に空母 飛龍、随伴艦 蒼龍、戦艦ビスマルク、イタリア、重巡 摩耶、鳥海。

第6艦隊 旗艦に重巡プリンツ・オイゲン、随伴艦ザラ、軽巡ホノルル、アトランタ、雷巡 北上、大井の計3艦隊が乗っていた。

 

ビスマルク「この船、やっぱりいいわね。赤色海域でも遠慮なく進めるんだから」

 

ダンテ「使える物は使わないとな」

 

ビスマルク「そうね、それが役に立つなら。・・・ところで、提督に1つ疑問があるのだけど」

 

ダンテ「何だ?」

 

ビスマルク「どうして秘書艦を不在のままにするの?」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

ビスマルクを含めた海外艦は、赤城が戻らない事で秘書艦の席を不在のままにするなら、代わりの者を立てた方が組織として回るのではないかと考えていた。

だが日本艦の考えは そうではなかった。ずっと そうしてきた事もあり、秘書艦の席は赤城以外は考えられなかった。

それが我儘なのも、赤城が戻らないなら他の者を立てた方が組織としていいのも分かってる。

だが どれだけ時間が掛かろうとも、それを変えるつもりにはならなかった。それはダンテも同じだった。

 

ビスマルク「何なら、私が あなたの秘書艦になってあげましょうか?」

 

ビスマルクが そう言った瞬間、一緒に居た日本艦の表情が冷たくなり、射抜くようにビスマルクを睨む。

急に日本艦の雰囲気が変わった事にビスマルクも気付き、その良くない雰囲気に彼女は動揺する。

 

ビスマルク「な、何よ?」

 

ダンテ「お前は知らないだろうが、赤城が秘書艦だったからこそ上手く回ってた部分もあるんだ。あいつが秘書艦じゃなかったら、間違った方向に進んでた事もあったかもしれない」

 

ビスマルク「・・・でも、もう戻ってこないかもしれないじゃない」

 

オイゲン「ビスマルク姉様、もう余計なこと言わない方が・・・」

 

ビスマルクの言葉に反応した日本艦が、更に射殺すような視線でビスマルクを見る。その様子に、プリンツ・オイゲンは恐々としていた。

 

ダンテ「あいつは必ず戻る。連れ戻すための当てもあるしな。あいつが戻れば、お前も赤城が秘書艦じゃないといけない理由を理解できるさ」

 

ビスマルク「・・・・・・フンッ。つまらない話をしちゃったみたいね」

 

ビスマルクはプリンツ・オイゲンと共に、船首の方へと行ってしまった。

それと入れ替わるように、今度は微笑みを携えたイタリアが近付いてきた。

 

イタリア「信じているのですね」

 

ダンテ「いつだって信じてるさ」

 

イタリア「提督と日本艦は、いい関係を築いてますね。ちょっと羨ましいぐらいです」

 

ダンテ「なに言ってやがる。お前らも もう うちの艦娘なんだ、そこに違いはねぇ」

 

イタリア「そんな事を言われると、頑張らないとですね」

 

ダンテ「あぁ、頼りにしてるぜ」

 

イタリアのフォローもあって穏やかな雰囲気に戻り、艦隊は敵艦隊にも遭遇せず海域を進む。

そんな中、飛龍が そろそろ羅針盤を回した方がいいと意見具申し、羅針盤の妖精さんが示す方角へと進路を取る。

 

 

・・・・・・

 

妖精さんに従い航路を進んでると、偵察に出していた水上偵察機から入電が入った。

軽巡棲鬼、重巡リ級flagship2隻、軽巡ヘ級flagship、駆逐二級 後期型2隻からなる、運河最終防衛線Bライン艦隊を発見した。

 

イク「敵は複縦陣なの」

 

ダンテ「空母が居ないのはラッキーか?しおい、行けるか?」

 

しおい「潜水空母艦隊、いつでも行けます!」

 

ダンテ「おい、プリン!」

 

オイゲン「私そんな名前じゃありません!プリンツ・オイゲンです!」

 

ダンテ「いつでもフォローできるように準備しとけよ!」

 

オイゲン「分かってますよ!」

 

北上「こっちの事は心配しないで」

 

アマ・デトワール号から飛び出した第4艦隊は すぐに潜水し、赤い海の中へと姿を消す。

 

ダンテ「さて、今回は何が出るやら・・・」

 

先ずは先行した第4艦隊に任せ、ダンテはアマ・デトワール号のスピードを落とし後方で待機する。

そして最大船速で敵艦隊が居るであろう場所に向かっていた第4艦隊は、すぐに敵艦隊の正確な位置を把握する。

敵が こちらに気付く前に、先制攻撃を仕掛けたいものだ。

 

しおい「敵艦隊 発見!」

 

ハチ「敵は まだ気付いてない・・・」

 

イク「なら、開幕雷撃お見舞いしてやるの!」

 

敵艦隊の動きを見定め、確実に攻撃が通るのを見極めた瞬間、第4艦隊から何本もの酸素魚雷が発射される。

酸素魚雷が目前まで迫ってから敵艦隊は気付き回避行動を取るが、数発が外れ他は命中した。回避行動が遅れた事で、重巡リ級flagship1隻が小破、軽巡ヘ級flagshipと駆逐ニ級 後期型1隻が中破となった。

だが、この結果に第4艦隊は あまり満足してなかった。

 

ゴーヤ「う~ん・・・不意打ちなら もう少し損傷させたかったでち」

 

ユー「次の攻撃も、頑張ろ?」

 

しおい「敵も動き出した!対潜攻撃に気を付けて!」

 

後方で待機していたダンテ達の方にも、第4艦隊から初撃の結果の報告が入っていた。

 

ダンテ「まぁまぁって感じだな」

 

鳥海「彼女達だけで どこまでやれるか、ですね」

 

摩耶「赤色海域の影響さえなければなぁ・・・」

 

北上「まだ初戦だし、私達の出番は まだかもね」

 

大井「・・・だといいんですけどね」

 

敵艦種に軽巡と駆逐艦が居る事から、第4艦隊に対する対潜攻撃は油断ならないものだった。

だが香取型が課す訓練もあってか、第4艦隊は冷静に余裕を持って爆雷を避けていく。

そして隙あらば、反撃の酸素魚雷である。

 

ハチ「・・・そろそろかな?」

 

ゴーヤ「イムヤ、ユー、援護は任せるでち!」

 

イムヤ「いいわよ!」

 

しおい「浮上!」

 

伊168とU―511が酸素魚雷を発射して敵艦隊の注意を逸らしてる間に、潜水空母だけで水面に出ると即座に水上機を発艦する。それを完了すると、彼女達は すぐに潜水した。

海中の第4艦隊や迫る酸素魚雷に深海棲艦が気を取られてる隙に、発艦した水上機が敵艦隊に爆撃していく。それまでの雷撃によるダメージもあり、軽巡棲姫が小破、重巡リ級flagshipの1隻が中破、もう1隻が小破、軽巡ヘ級flagshipが大破、駆逐ニ級 後期型の1隻が轟沈、もう1隻が中破となる。

 

イムヤ「いい感じ!」

 

潜水艦は戦艦や空母よりも、火力面で不安な面も多少はある。だが今回は、どう戦うかも しっかりと作戦を練っていた事もあり、確実にダメージを与えれていた。

 

 

・・・・・・

 

それでも時間は掛かり、戦闘は夕方になっても続いていた。

時間を掛け確実に敵艦隊を沈め、残るは大破の軽巡棲姫だけとなっていたが、そこで異常事態が発生した。軽巡棲姫の皮膚を内側から破り、触手が生えたのだ。

更に変異は続き、軽巡棲姫の面影を若干 残しつつも、全く別の何かへと変わった。

変異した軽巡棲姫は眼の焦点が合っておらず、この世のものとは思えぬ奇声を上げる。

それを目撃した第4艦隊は、顔を引き攣らせ驚いた。

 

イムヤ「何あれ!?」

 

ゴーヤ「何か知らない深海棲艦に変わったでちー!」

 

ハチ「おぉ、まさか・・・」

 

よく見ると、損傷でボロボロだった軽巡棲姫の傷が1つ残らず消えていた。どうやら変異した時に傷も癒えていたようだ。それは つまり、軽巡棲姫を倒すのが振り出しに戻ってしまった事を意味する。

 

鳥海「提督!」

 

第4艦隊は この事態を、後方で待機するダンテ達にも打電して報告していた。

だが鳥海の口から報告内容を聞いた他の艦娘達は、全員 首を傾げていた。

 

ホノルル「そんな見た目になる深海棲艦なんて、聞いた事も見た事もないよ!?」

 

イタリア「突然変異・・・と言っていいんでしょうか?」

 

ダンテ「・・・お前らみたいに改装したとかじゃないのか?」

 

北上「ううん、改装じゃないと思う。その場で いきなり見た目が変わるなんて無理があるよ」

 

改装には それに適した場所、手順などがある。整った環境で必要な物を揃える事で、艦娘は ちゃんとした改装を行う事ができる。

それは深海棲艦とて同じだろう。艦娘と同じく艦艇の特性を持ち、根本的な部分では似てるのだから。

海のド真ん中で、しかも戦闘中に軽巡棲姫が自らの身体を改装したとは考えられない。

何の前触れもなく、いきなり見た目が変わること自体が おかしな話でもあるのだが・・・。

 

摩耶「まさか新種か?おいおい、赤色海域の事もあるのに、これ以上 厄介なのが増えるなんて ごめんだぞ!」

 

ダンテ「妙だな・・・」

 

突然変異なのか新種なのか、全く答えが纏まらない中、ダンテも これには違和感があった。ダンテも こちらの世界に来る度に提督をやらされてきたが、これまで1度も そんな話を聞いた事がないし見た事もない。

他の鎮守府や他国からも そんな報告が上がってないのは間違いない。つまり今になって初めて現れた事になる。

だが何故このタイミングなのだ?

他の鎮守府や他国の艦隊だって何度も出撃してるはずなのに、それなら既に そういう深海棲艦が発見されてても おかしくない。

もっと言えば、それを思わせるだけの予兆もなく いきなり現れた事になる。

こうなれば、不測の事態に待機させてた第6艦隊を向かわせるしかない。

 

ダンテ「プリン、ザラ、ホノルル、アト・・・アト・・・アトミック」

 

アトランタ「アトランタね」

 

オイゲン「だからプリンじゃないです!」

 

ダンテ「アトランタ、北上、大井、先に行った連中の手助けしてやれ。慎重に行けよ」

 

ザラ「お任せを」

 

ダンテの指示を受けて、第6艦隊も海に飛び出し戦闘海域へと急ぐ。

ただ、残った第5艦隊は それでいいのかと不安そうにダンテを見た。

 

摩耶「おい提督、あたし達は兎も角、提督も行った方がいいんじゃないのか?」

 

ダンテ「それは そうなんだが、まだ向こうに俺が来てる事を知られたくない」

 

ダンテとしても、未確認の敵性個体が現れて艦娘だけで行かせるのは不安がある。

だがダンテの脳裏には、前回 出撃した時に現海域で見た超巨大カタパルトと、それを隠滅するかのように破壊しに現れた巨大魔方陣の事があった。

あれが誰の仕業にせよ、敵にダンテが来てると知られ初っ端から あの魔方陣が現れたら、海域攻略などしてられなくなる。

歯痒くはあるが、敵の出方を見るためにも いきなりダンテが出張る訳にはいかないのだ。ダンテは いざという時の切り札だ。

 

鳥海「確かに、また その攻撃が来る可能性は否めないですね」

 

ダンテ「もし あんなのが直撃したら、俺も どうなるか分かったもんじゃねぇ。お前らじゃ蒸発するのは確実だろうな」

 

ホノルル「とんでもないよぉ・・・」

 

予測できない攻撃の不安を抱きながら、ダンテ達は第4、第6艦隊が変異した軽巡棲姫を倒せると祈り、待つしかなかった。

その頃 第4艦隊と合流した第6艦隊も戦闘に加わり、変異した軽巡棲姫と戦いを繰り広げていた。

 

大井「どんだけの兵装 載せてるのよ・・・!?」

 

軽巡棲姫の艤装は変異前よりも砲塔が増え、その全てから撃ち出された無数の砲弾が弾幕を張っていた。

第4艦隊を狙った爆雷も爆発影響範囲が大きくなっており、第4艦隊が避けたと思っても爆発に巻き込まれ損傷が増えていた。

 

しおい「パワーアップしてる!?」

 

ゴーヤ「あんなのが居るなんて聞いてないでち!」

 

ハチ「無意味な偵察・・・」

 

出撃前には予め偵察任務で遠征し、可能な限り敵戦力の把握に努めてはいたが、こうも桁違いな奴が出てくると それも意味を成さない。

 

北上「あれ1隻で1艦隊以上の戦力あるとか、有り得ないから・・・!」

 

攻撃はするが、軽巡棲姫の砲撃の方が圧倒的に砲弾や魚雷の数が多く、避けきれない艦隊は次々と被弾していく。

そこに、艦隊の顔が青ざめる事態が起きた。目視で深海棲艦の艦載機群が近付いてくるのが見えたのだ。

 

オイゲン「嘘・・・今の状態で敵艦載機まで増えたら・・・」

 

ザラ「第5艦隊に打電!」

 

最悪な状況にダンテと第5艦隊に助けを求めるが、深海棲艦の艦載機が目前にまで接近する。

 

オイゲン「・・・・・・え・・・?」

 

だが、深海棲艦の艦載機が攻撃したのは艦娘ではなく、変異した軽巡棲姫にだった。

軽巡棲姫の攻撃は止まったが、この予想外な状況に艦隊は驚き呆然とする。

すると近くの海中から、別個体の深海棲艦が現れた。

 

ほっぽ『ヒサシブリ・・・

 

『・・・・・・ほっぽぉー!?』

 

更に遠くの水上からは、深海棲艦アカギが こちらに向かってくるのが見えた。

 

アカギ『シズメ!

 

大井「あ、あれって・・・赤城秘書艦!?」

 

深海棲艦の艦載機が爆撃で軽巡棲姫の動きを止めてる隙に、アカギが接近して肥大化した手の爪で軽巡棲姫の胸を貫き、腕を引き抜くと首を斬り落とした。

そのタイミングで、アマ・デトワール号が駆け付ける。

ダンテと第5艦隊も、ほっぽとアカギを見て驚いた。

兎に角 状況を整理するため、第4と第6艦隊を回収し、ほっぽとアカギにも船に乗ってもらった。

 

ゴーヤ「う~、それにしても酷い目に遭ったでち・・・」

 

ほっぽ『コレ・・・アゲル・・・

 

ほっぽが自分の艤装をガサゴソと漁ると、どこかで集めたのか大量のバイタルスターとグリーンオーブが出てきた。

第4と第6艦隊は礼を言いながら、それを使い損傷を回復させる。

それはいいのだが、艦娘達の中でも特に日本艦が気になるのは、やはりアカギの事だった。

 

蒼龍「えっと・・・赤城秘書艦、なんですよね・・・?」

 

ダンテ「いや、こいつは お前らの知ってる赤城とは少し違う」

 

ダンテは このアカギが、赤城から分離した深海棲艦の側面であり、人格や魂は艦娘達が知ってる赤城とは別人である事を説明したが、艦娘達は本当に分かってるのかと言いたくなるような微妙な反応をしていた。

 

ダンテ「何で お前らが ここに居るんだ?南方海域の底に居たんじゃないのか?」

 

アカギ『ソウダッタノダガ・・・スコシ コマッタコトニナッテシマッタ・・・

 

ダンテの指摘通り、ほっぽとアカギは最後にダンテと別れた後も、輸送船など航行する人間や艦娘を襲わず、南方海域の底で大人しくしていたのだが、突然 同族であるはずの深海棲艦に襲われたそうだ。

ほっぽとアカギは、他の深海棲艦を束ねられる姫級や鬼級に分類される深海棲艦だが、襲ってきた同族は何故か2人の言う事を聞かず攻撃を続け、数でも不利な状況から ここまで逃げてきたのだった。

その途中でDevil May Cry鎮守府の艦娘達が危険に陥ってるのを見付けて、あのタイミングで手助けに入ったとの事だ。

 

ホノルル「ちょっと待って!何で私達がDevil May Cry鎮守府の艦娘だって分かったの!?」

 

アカギ『オマエタチノ ツウシンヲ ボウジュシテ・・・コノ カイイキニ キテルノハ シッテタ

 

イタリア「そ、それって・・・」

 

『ずっと情報 洩れてたって事ぉー!?』

 

正確には、アカギが赤城と1つになり再び分離してしまうまでの間、アカギにも赤城の記憶があった。そのため深海棲艦の中でもDevil May Cry鎮守府が使う暗号通信や無線周波数を知ってるのはアカギだけで、深海棲艦全体に情報が洩れていたという訳ではない。

すると突然、アカギがダンテに近付き彼の頬に手を添える。

 

アカギ『オマエガ ウミニ デテル トキハ、イツモ オマエノ コエヲ キイテイタ

 

ダンテとアカギ、何やら普通ではない雰囲気の2人に、艦娘達は何かを疑うような視線をダンテに向ける。

ビスマルクが大きな咳払いをすると、アカギは何かを察したのかスッとダンテから離れた。

 

ダンテ「俺達この先の深海棲艦 叩くつもりなんだが、追われてるなら一緒に来るか?」

 

ほっぽは自分で決める気がないのか、決定権を委ねるようにアカギを見る。

そのアカギは少しの間 考え、海域を攻略するまでの間だけ一緒に居る事にした。

一緒に鎮守府に戻るつもりはないらしく、艦娘達が制海権を確保するのを見届けたら、また海を放浪しながら逃避行を続けるそうだ。

 

ほっぽ『・・・ダンテ、フネデ アソンデイイ・・・?

 

ダンテ「遊ぶって何する気だ?何でもいいが壊すような事はするなよ」

 

ほっぽ『・・・・・・ワカッタ!』(分かってない)

 

アカギ『ワタシモ、スコシ ヤスマセテモラウ・・・

 

ほっぽは万歳しながら走って船倉に突入し、アカギは ゆっくりとした足取りで同じく船倉に向かった。

2人の姿が見えなくなった途端、艦娘達がダンテに詰め寄った。

 

ダンテ「・・・・・・何だ?」

 

蒼龍「あれあれ~?何か おかしくな~い?」

 

飛龍「赤城さんが姿を消してから、いつの間に深海棲艦のアカギさんと あんなに仲良しになったんですか?」

 

イタリア「その、距離感が ちょっと、近いかなーと」

 

北上「これは何かあったね。いや気になるねぇ、興味しかないねぇ」

 

ビスマルク「艦娘だけじゃなく深海棲艦までもって、提督は女なら何でもいいの?」

 

ダンテ「お前ら言いたい放題 言いやがって。何にもねぇよ」

 

ゴーヤ「いや、絶対なにかあったでち!じゃないと あんな光悦とした顔で見詰めないでち!」

 

ザラ「確かに、あれは女の顔になってましたね」

 

ハチ「提督にウットリ、メロメロ・・・」

 

摩耶「で、マジで何かあったのか?」

 

ダンテ「ない」

 

『本当に?』

 

ダンテ「フッ、俺は女運が悪いんだ・・・・・・何かあって堪るか!」

 

摩耶「それ自分で言ってて悲しくないか?」

 

ダンテ「うるせぇ!お前ら今なんの時間だと思ってんだ?!集中しろ!」

 

ダンテの一喝で出撃中であると思い出し、敵地で呑気な事を言ってる場合じゃないと慌てて艦娘達は持ち場に戻るのだった。

 

 

・・・・・・

 

夜の海を移動し航路を進んでると、正面から月明かりに照らされた深海棲艦の輸送船団が、物凄いスピードで こちらに向かってくるのが見えた。

艦娘達は迎撃態勢に入るが、敵輸送船団の様子が おかしい。互いに目視できる距離に入り、深海棲艦も こちらに気付いてるはずなのに攻撃してくる素振りがない。

ダンテは目を凝らしながら見ていると、敵輸送船団の後ろに居る正体不明の黒い影に気付く。

 

ダンテ「おい、照明弾 打ち上げろ」

 

指示を聞いたアトランタが照明弾を発射すると、夜の空で煌々と光が辺りを照らす。その光に敵輸送船と後ろの影も照らされ、その正体が露になる。

 

ビスマルク「なっ・・・!?」

 

蒼龍「何よアレ・・・!?」

 

敵輸送船団の後ろには、クラゲの頭のような見た目の、黒い巨体を持つ何かが水上を移動していた。

海中から黒い巨体の物と思われる触手が飛び出すと、敵輸送船団の身体を貫き次々と取り込んでいく。

敵輸送船団が攻撃もせず、物凄いスピードで こちらに向かっていたのはダンテ達と戦うためではなく、黒い巨体から逃げていたからだ。

だが黒い巨体の一部には、深海棲艦特有の艤装の特徴も見受けられる。もし仲間なら同じ深海棲艦を襲ってるのは おかしな話だが、もしかすると、ほっぽとアカギが同族に撃たれた事と何か関係があるのかもしれない。

 

大井「て、提督、どうするんですか!?」

 

ダンテが黙って様子を見ていると、黒い巨体はアマ・デトワール号の存在に気付いたのか、一直線に こちらに向かってくる。

面倒な事になりそうだと察したダンテは、舌打ちしながら舵を回しアマ・デトワール号の向きを変える。

直後、アマ・デトワールの右舷側の大砲から砲弾が発射される。砲弾が直撃して爆発の炎が上がるが、その炎を突っ切って黒い巨体が再び姿を現す。

 

ダンテ「迎撃しろ!」

 

艦娘達も砲撃を開始し、夜の海で正体不明の何かとの戦闘に突入するのだった。




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