394話です!どうぞ!
深海運河閘門へと突撃し、ダンテ達は そこで待ち受ける運河棲姫と交戦する。
手分けして敵随伴艦を撃破し、運河棲姫も思ったより弱く、呆気なく破壊する事ができた。
だが突如としてブラックスミスが現れ、運河棲姫が爆発炎上した炎の中に自ら飛び込んだ。
そして炎の中から、ブラックスミスと融合した運河棲姫が復活する。
運河棲姫の攻撃で艦娘達は全員 大破してしまい、ダンテとバージル、ルシアが援護してる隙にネロとトリッシュが、倒れる艦娘達を連れてアマ・デトワール号に向かう。
そして艦娘達を避難させて戻ったネロとトリッシュが目にしたのは、倒れるダンテとバージル、ルシア3人の姿だった。
ネロとトリッシュは運河棲姫に戦いを仕掛け、目を覚ましたダンテとバージル、ルシアも再び戦いを挑む。
しかし一部の攻撃と武器が使えず、ダンテ達は苦戦を強いられてしまう。
そこに、様子を見に来たアーロンが現れるのだった。
*深海運河海域 深海運河閘門 4月4日 6:51*
アーロンはブラックスミスと融合した運河棲姫を見て、少し驚いていた。
アーロン「おぉ、これは何というか・・・・・・気持ち悪い」
運河棲姫は目の前に いきなり現れたアーロンに すぐには攻撃せず、何かを警戒するように睨んでいた。
アーロン「久し振りだね。そんな姿になってしまって・・・私は普通の深海棲艦だった時の君の方が可愛くて好きだったよ」
運河棲姫は雄叫びを上げ、アーロンに向かって威嚇する。
アーロン「いや すまない、今のは失礼だったね。それよりも・・・ダンテ君達が揃いも揃って苦戦してるとは驚きだ。ちょっとカメラを撮らせてもらうよ?はい笑って」
アーロンは取り出したカメラらしき物を取り出し、レンズを運河棲姫に向ける。その行動の意味が分からず、運河棲姫は怪訝な顔で首を傾げていた。
アーロンが見てる液晶に映る運河棲姫は、何かを放出してるように靄がグネグネと蠢いていた。それを見て、アーロンはダンテ達がボロボロになった理由を すぐに理解した。
アーロン「魔力結合を遮断する物質を放出してるのか。そりゃダンテ君達がボロボロにもなる訳だ。これじゃあ力の半分も出せない」
ブラックスミスと融合した運河棲姫は、身体から魔力結合を遮断する物質を放出する事で、周囲に魔力を無効化するフィールドを作り出していた。
運河棲姫に近付きフィールドに入ってしまうと、魔力を媒体にした武器や攻撃は全て使えなくなる。つまりダンテ達は、限られた攻撃手段の中で戦わされていたのだ。
アーロン「という訳だが、その上で勝てるかね?」
ネロ「デビルブリンガーが消えたのは そういう事かよ」
ルシア「そうなると、デビルトリガーも使えないのね」
トリッシュ「私の稲妻も使えないわね」
ダンテ「まっ、それが分かってりゃ、そういう立ち回りするしかねぇな」
バージル「魔力に頼らずとも、勝てるという事を教えてやる・・・!」
今の状態で運河棲姫と戦うには銃弾を撃ち込むか、剣で斬るか、単純に腕力で殴るシンプルな立ち回りで戦うしかない。
ダンテとネロ、トリッシュは銃を構え、バージルとルシアは閻魔刀とカトラシアを構え、運河棲姫に向かっていく。
それを見て、運河棲姫も動き出した。
アーロンは巻き込まれないよう、転移陣で その場を離れ、アマ・デトワール号へと戻る。
ブラックスミスから何本もの触手が伸び迫ってくるが、バージルとルシアが斬り飛ばし防いでいく。
ダンテとネロ、トリッシュは別の触手に飛び乗り、その上を走りながら銃を連射する。
そのまま接近したダンテとネロは触手から跳躍すると、魔剣ダンテとレッドクイーンで運河棲姫本体に斬り掛かる。
バージルとルシアも駆け出し、バージルもブラックスミスの上に飛び乗り、ダンテと共に赤いフジツボに斬り掛かり破壊を試みる。
ネロは運河棲姫本体への攻撃を続け、運河棲姫の胸に刺したレッドクイーンのグリップを捻り、グリグリと抉っていく。
ルシアはトリッシュと協力し、蠢く触手の対処に奔走する。
触手を斬り飛ばしてると、1本の触手がルシアに迫る。
それをトリッシュが銃弾で粉砕するが、切断面から新たな触手が生えて再生し、そのままルシアを殴り飛ばした。
トリッシュ「ルシア!」
吹き飛ばされたルシアに気を取られ、トリッシュも吹き飛ばされてしまう。
そして触手は、トリッシュとルシアを拘束して持ち上げる。
トリッシュ「ダ、ダンテ・・・!」
ダンテ「バージル、こっちは任せるぞ!」
バージル「さっさと行け!」
2つのフジツボの破壊をバージルに任せ、ダンテはブラックスミスの頭から飛び上がり、跳躍したままトリッシュとルシアを拘束する触手を斬り落とす。
拘束から逃れたトリッシュとルシアは、無事に着地した。
ダンテ「大丈夫か?」
トリッシュ「えぇ」
ルシア「ありがとう」
ダンテとトリッシュ、ルシアは3方向に分かれ、再びブラックスミスに攻撃を仕掛ける。
ネロが運河棲姫本体に攻撃を続けていると首を掴まれ、持ち上げながら絞め上げられてしまう。
それに気付いたバージルはベオウルフを装備し、ネロを掴む腕を叩き落とし打撃技を打ち込んでいく。
ネロもレッドクイーンで斬り掛かるが、今度は2人で首を掴まれ攻撃が止まってしまう。
2人は互いに ぶつけられ、ブラックスミスの頭の上から投げ落とされた。
そこに背後からトリッシュが現れ、後ろから運河棲姫の首に腕を回し絞める。
運河棲姫はトリッシュの腕を振り解こうとするが、ブラックスミスに飛び乗ってきたダンテとルシアが正面から何度も斬り掛かる。
トリッシュ「は、早く・・・早くトドメを・・・!」
暴れる運河棲姫に振り回されるトリッシュは、運河棲姫の肘鉄を顔面に喰らい手を離してしまう。
運河棲姫が自由になった事で、ダンテとルシアも殴られ吹き飛ばされる。
入れ替わるようにネロとバージルが戻り、同時にレッドクイーンと閻魔刀で運河棲姫の身体を貫く。
そこにダンテとルシアも加わり、魔剣ダンテとカトラシアで刺し貫き、真後ろからトリッシュが至近距離で弾丸を浴びせる。
運河棲姫が雄叫びを上げながら暴れるが、ダンテ達は刃が抜けないよう必死に耐える。
ネロ「ここから どうやってトドメ刺すんだよ?!」
トリッシュ「銃じゃムリ!」
バージル「動きを止めるだけで手一杯だ!俺は手が空かん!」
ダンテ「ルシア、やれ!」
運河棲姫から片方のカトラシアを抜き、運河棲姫の首を斬り飛ばす。すると運河棲姫の身体はダランと動きを止め、ブラックスミスも落ちるように地面に沈んだ。
だが、破壊していなかった2つの赤いフジツボから、ピッピッと変な電子音が聴こえてきた。
ネロ「・・・何の音だ?」
次の瞬間、大爆発が起き、ダンテ達は火達磨になりながら吹き飛ばされ、海へと落ちた。
少しして、水面にダンテ達が顔を出した。
ネロ「クッソ、あいつ自爆しやがった!」
ダンテ「爆発したの あのフシツボかぁ?おいバージル、そっちは お前に任せたろ!」
バージル「ネロが不甲斐ないせいで そっちにまで手が回らなかった」
ネロ「はぁ!?アンタだって俺と一緒に投げ飛ばされてたじゃねぇか!」
トリッシュ「ちょっと喧嘩しないで」
バージル「そもそも、トリッシュとルシアが捕まらなければ、ダンテが そっちに回る必要もなかったんだ」
トリッシュ「何?私達が悪いって言いたいの?」
ルシア「そっちは運河棲姫とフジツボの相手だけしてればいいだけだったけど、こっちは無限に生えてる触手の相手してたんだよ。私達の方が頑張ってた!」
ダンテ「おい、俺だって頑張ってたぞ!」
ネロ「なぁ、喧嘩すんのやめよ!」
ダンテ「大体お前らが━━」
ルシア「そっちこそ━━」
トリッシュ「何で あなた達は━━」
バージル「ふざけ━━」
ネロ「なぁ、今日だけは仲良くしよ!仲良くしよって!」
仲良しデビルハンター達は互いを罵り合い、顔面に海水を掛け合い、海に浮かんだまま しばらく喧嘩を続けるのだった。
ダンテ「もう お前らなんて嫌いだ」
ルシア「私も嫌い」
トリッシュ「私だって」
バージル「フンッ!」
ネロ「うっせぇよバァーカ!」
・・・・・・
アマ・デトワール号に乗る艦娘達と合流したダンテ達は、船の上から深海運河閘門を見ていた。
閘門の後ろに見える陸地には、何かの大きな施設もある。今回の作戦は何が起きてるかの調査も含まれているため、調べるとなると そこに行くべきだろう。
大和「提督、どうされますか?」
ダンテ「全員で行くのは賢くないな」
トリッシュとルシア、艦娘達はアマ・デトワール号に残り、閘門の外で待機となる。
敵性個体が現れた場合は、彼女達だけで迎撃・撃破する事になる。
そして陸にある施設には、ダンテとネロ、バージル、アーロンだけで向かう事となった。
3人の魔剣士は足の艤装で海を滑りながら閘門を潜り、アーロンは転移陣で陸へと移動した。
大和「提督、気を付けてください・・・」
・・・・・・
*施設*
施設の中に入った4人は周囲を警戒しながら奥へと進んでいく。
中は思ったよりも綺麗で、清潔さが保たれている。
ただ、施設の中でも気配というものが感じられない。この施設が何なのかで話も変わってくるが、生きた存在の気配は全く感じられないのだ。
ネロ「深海棲艦の施設って、もっとジメジメしてるイメージだった」
ダンテ「深海棲艦とは関係ないのかもな」
ネロ「そんなこと有り得るのか?ここは元々 深海棲艦が支配してた海域なのに」
ダンテ「それを調べるために中に入ったんだろ?」
アーロン「まぁ、楽しみにしながら進もうじゃないか。私は少年のような気持ちでワクワクしてるよ」
ネロ「お前は楽しそうでいいよな・・・」
ダンテ達が進む通路の左右にはドアがあるのだが、どれも施錠されてて開かない。
1つ1つ確認しながら進んでると、悪魔リザードが現れた。
ネロ「悪魔が関わってるのは これで確定したな!」
魔剣士3人が魔剣ダンテ、レッドクイーン、閻魔刀を手に排除に動く。
アーロンは後ろ手に その場に立ち尽くして、終わるのを待つのだった。
・・・・・・
時折 現れる悪魔を倒しながら かなり奥まで進むと、ガラス張りのオートドアが出てきた。
近付くとダンテ達に反応し、ドアが左右に動いて開く。
中へ入るとコンソールルームとなっており、そこにある窓から見える広い空間を見て、ネロは絶句した。
ネロ「なっ・・・!?何だよ これ・・・?」
窓から見えるダンテ達の視線の先には、端から端まで大量のブラックスミスが綺麗に並べられていた。
アーロンはコンソールルームの端末に近付き、操作して保存されている情報を調べ始める。
アーロン「・・・・・・どうやら ここは、ブラックスミスの製造工場のようだ。ここに並んでるのは、まだ起動してない個体だね」
更にアーロンは、ブラックスミスのスペック情報が記されたファイルを見付け、それを開く。
それによると、ブラックスミスは艦娘や深海棲艦を資材として運ぶ輸送艦としての側面を持ち、しかもウイルスを散布して変異を起こさせ、操る能力も持っているらしい。
しかも学習プログラムと、敵に合わせて進化する能力まで搭載されている。
恐らく最後に現れたブラックスミスは、ダンテ達が海域を進む中で倒したブラックスミスの戦闘データを元に学習して進化し、運河棲姫と融合して魔力結合を遮断する物質を放出する能力を得たと思われる。
ダンテ「誰が造ったか分かるか?」
アーロン「製造責任者の名前は記されていない。だが、こいつの設計は実に腹立たしい。誰だか知らんが、どうやら私のアイデアを盗んで造ったらしい!」
いきなりアーロンが不機嫌になり、ダンテとネロは怪訝な顔で互いの顔を見合わせる。
ダンテとバージル、ルシアが最初に破壊した魔界兵器があったが、ブラックスミスは その技術を転用して設計されて造られていた。つまりダンテが感じてた魔界兵器に似た気配というのは、間違いではなかったという事だ。
ただ おかしいのは、この世界に残る魔界兵器はダンテ達が破壊した あの1体だけで、それまでは遺跡に眠っていたため、誰かが元にして新たな魔界兵器を造るというのは考えにくかった。
アーロンが過去に造った魔界兵器は そのプロトタイプと呼べる物だけで、他のタイプは造っていないため、この世界に別タイプの魔界兵器があるのはアーロンも予想外だった。
これにはアーロンも怒りを隠せず、ワナワナとしていた。
アーロン「まさか私のアイデアが盗まれていたとは・・・!」
バージル「・・・他に情報はあるのか?」
バージルに問われ、アーロンは端末を操作して更に調べる。すると新たに発見したファイルをダンテ達にも見えるよう巨大モニターに映し、アーロンも顔を上げて興味深そうな笑みを浮かべる。
アーロン「う~ん、面白いねぇ。これは何だろうか?」
画面に映ってるのは この世界で起きた事の年表で、ダンテ達の記憶にある事も記されていた。
ただ違うのは、横須賀鎮守府での合同演習で起きた魔界化以降の事だった。
ネロ「ダンテとバージルが死んだ事になってる・・・」
アーロン「悪魔と深海棲艦が世界を支配・・・私がレジスタンスを作ったと書いてある。これ間違ってるぞ、そんなの作った覚えはない。私が作ったのはフェニックス財団だけだ。レジスタンスって何の事だい?」
ダンテ「・・・いや・・・間違ってねぇ」
そこに記されてる事から、ダンテは この年表が、この世界と時間が分岐した未来世界の物であると すぐに分かった。
ネロ「間違ってないって・・・どう見ても間違ってるだろ。アンタと親父 生きてるし」
ダンテ「バージル、俺達が壊した魔界兵器、憶えてるか?」
バージル「・・・あぁ」
ダンテ「未来から来た川内は言ってた。魔界兵器を壊す事で、時間を分岐させて切り離す事ができるってな。こいつは魔界兵器を壊さなかった場合の、この世界が辿るはずだった未来の歴史だ」
ネロ「未来から川内が来たって何の事だよ?」
ネロは その時、フォルトゥナへと帰っていたので、それに関しては何も知らなかった。
ダンテ「長くなるから また今度 話してやる」
バージル「だとしても、何故お前に それが分かる?」
ダンテ「川内が また来て向こうの世界に連れてかれた。その時に別タイプの魔界兵器も見た。あっちじゃ もっと色々な魔界兵器があるらしいぞ」
ネロ「SF映画か何かかよ・・・」
アーロン「だが信憑性はあるね。これには魔界兵器が破壊されてない事になってる。もし そうなら、それを解析して新たな魔界兵器を誰かが造る事は可能だろう。ダンテ君の言ってる事が確かなら、この年表とも辻褄が合う」
この時代でアーロン以外が魔界兵器を造る術はない。
アーロンが怒っていた様子から、彼が嘘を吐いて裏で造っていたとは考えにくい。
切り離した未来から来た何者かが、製造技術を持ち込み ここをブラックスミスの製造工場にした可能性はある。それならば、この時代に新たな魔界兵器が存在してる事にも納得できる。
そしてアーロンは また端末を操作し、今度は抹殺リストを見付けた。
抹殺リストには様々な人物の名前が記されており、1番 上が優先順位が最も高い人物である。
そして上から順に、この時代のダンテ、ネロ、バージル、未来のレジスタンスの指導者アーロン、『リゲイン』と呼ばれる組織のリーダー鳥海、レジスタンスのリーダー風神・五十鈴、雷神・川内、『空の魔神・瑞鶴』、『斬鬼の天龍』、『炎神・摩耶』、『氷神・陸奥』など、その下にも沢山の名前がある。
ダンテ「よっしゃ、俺が1番だ!」
バージル「なぜ俺が3番目なんだ?納得いかん」
ネロ「抹殺優先順位で張り合うなよ。俺2番だし・・・。それより、この雷神とか風神って何だ?」
そこでダンテは、稲妻を操り戦う未来の川内と、風を操り戦う未来の呉の五十鈴の姿を思い出す。
ダンテ「未来で戦ってる艦娘の事だ。艦娘の一部は、人工魔具を使って戦ってた」
アーロン「人工魔具・・・興味深いねぇ」
ネロ「造んなくていいからな」
アーロン「それは残念だ」
バージル「だが別の時間軸の俺とダンテは死に、この時代とも時間を切り離した。今更この時代で何かしても、分岐した未来の世界では何も変わらないという話だったぞ。なぜ俺達が抹殺リストに入ってる?」
ダンテ「はぁ・・・それだけ俺達が邪魔なんだろうな。俺は未来にも行っちまったし」
本来 魔剣士3人は この世界の存在ではなく、誰から見ても不確定要素が多い。歴史が変わろうと変わらずとも、敵対する者からすれば どの時間軸、どの世界であろうと、この3人の存在は様々な理由で無視できないという事なのだろう。
などと話してると、施設の どこかで爆発が起きたのか激しく揺れた。
ブラックスミスが保管されてる場所でも火花が散り、施設が崩壊を始めて瓦礫がブラックスミスを押し潰す。
アーロンが操作していた端末も、壊れたように火花が散っていた。
ネロ「な、何だ!?アーロン、何が起こってる!?」
アーロン「この施設の動力をオーバーフローさせた。ここは間もなく爆発して破壊される」
ネロ「はぁ!?何してんだよ!?」
アーロン「ここを このままにできない。ブラックスミスと工場を纏めて破壊するには、これが1番 手っ取り早い」
ネロ「なに勝手な事してんだ!俺達は どうすんだよ!?」
アーロン「逃げればいいじゃないか。私は・・・1人で先に転移する!」
ネロ「あっ、待てコラ!」
アーロンは魔剣士3人を置き去りに、1人で転移陣を使って さっさと施設から脱出してしまった。
ネロ「あいつ許せねぇ~!」
ダンテ「後にしろ、行くぞ」
3人はコンソールルームから出て、来た道を引き返し出口を目指す。
*深海運河 最終防衛線海域*
アマ・デトワール号に残っていた艦娘達は、退屈そうにダンテ達が戻るのを待っていたが、施設の方で黒煙が上がってるのを見て焦る。
大和「提督!?」
大井「ちょっと あの4人、中で何してるの!?」
何が起きてるのか分からず、ダンテ達が無事か不明な状況に狼狽えてると、甲板に転移陣が現れ そこからアーロンが出てきた。
天龍「アーロン、他の3人は どうしたんだよ!?」
アーロンが黙って施設の方を指差し、艦娘達が そちらに視線を向けると、閘門を抜けて こちらに戻ってくる魔剣士3人の姿が見えた。
比叡「よ、良かった・・・」
爆発炎上する施設から離れながら、ダンテは後ろに振り返る。
ダンテ「(どうやら あの時のは、魔界兵器とは関係なかったみたいだな)」
同海域で巨大カタパルトを破壊した魔方陣は、今回は現れなかった。その事から、あの魔方陣は この時代に関わる物で、未来世界とは関係ない物と予想される。
艦娘達が戻ってくるダンテ達を見てる後ろで、アーロンは白衣のポケットから小さな記憶ストレージを取り出し それを見詰めていた。
アーロンはダンテ達に気付かれないよう、あの施設にあったデータのコピーを取っていたのだった。
ダンテ達が戻り、魔界兵器の工場を破壊したのと、この海域を支配する深海棲艦が居なくなった事で制海権を取り戻したと判断し、アマ・デトワール号は日本へと航路を取り戻るのだった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 工廠 4月5日 21:23*
翌日の夜、工廠で夕張とニコが話してると、そこにアーロンが現れた。
夕張「アーロン?まだ帰ってなかったの?」
アーロン「君達に ちょっとしたプレゼントだ」
ニコ「何だ こりゃ?」
アーロンが渡したのは、深海運河閘門の施設でコピーを取った記憶ストレージだった。
アーロン「何やら面白い物を造ってるそうじゃないか」
夕張「・・・何で知ってるの?」
アーロン「あまり上手く進んでないのだろう?必要な物は そこにある。必要な資金も私が出そう。所謂スポンサーというやつだ」
何をバカバカしい事をと思いながら、記憶ストレージをパソコンに繋げて中のデータを見る。それを見た夕張とニコは目を見開き、互いの顔を見た。
夕張「凄い・・・」
ニコ「おい、これなら上手くいくぞ!」
アーロン「3人で、ロマンを形にしてみないか?」
夕張「・・・・・・いいわ、手を結びましょ」
夕張とニコ、アーロンの3人で、何やら変な物を造る事が決まってしまった。
だが この3人の企みが、後に大きな騒動になるのは、まだ先の話であった。
・・・・・・
*村 ?月?日 14:25*
時間が分岐した未来世界では文明は崩壊したが、何もかもが壊れたままという訳ではない。各地で生き残った人々が肩を寄せ合い、誰かの助けも借りず、自分達の力だけで集落を形成してる場所もあった。
レジスタンスのように戦う力はないため、そういう集落は山奥など、人目に付かない場所で静かに生活が営まれている。
そんな場所の1つでは、悪魔に見付かって襲われていた。
村人達は逃げ惑い、全てが破壊され命を奪われるだけかと思われたが、特大の爆発と炎が噴き上がり、集落を襲っていた悪魔のみが全て焼き尽くされる。
それを引き起こした艦娘は口にキセルを咥えており、その炎を見ながら不敵な笑みを浮かべて立っていた。
その正体は、嘗てはDevil May Cry鎮守府の所属だった高雄型 重巡洋艦3番艦 摩耶である。
摩耶「あたしが世話になった村に手を出すんじゃねぇよ雑魚が」
未来世界の摩耶は過去と違い、長く伸びた髪を釵でアップに纏めており、腕には籠手イフリートに似た人工魔具を着けていた。
彼女こそが、この未来世界で3人目の神の異名を持つ艦娘、炎神・摩耶だった。
未来世界での話は まだ執筆すら始まってないので、まだまだ先になるかもしれませんが、いずれは未来世界と過去をリンクさせ、話を広げていきたいと思います。
次回も宜しく お願い致します!