Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

406 / 551


感想ありがとうございます!

396話です!どうぞ!


Mission396 アルバイト~バージル初めての お仕事~

*Devil May Cry鎮守府 食堂 4月18日 8:06*

 

朝食も終わり、艦娘達が演習や遠征、便利屋の仕事に行って静かになるはずの食堂での朝の事だった。

ダンテとバージルが また喧嘩した。原因は借金が増え続け、更に便利屋としての仕事も赤字であるためだ。

ネロと加賀、鳳翔、大淀、間宮、何故か元の世界に帰らせてもらえないトリッシュとルシア、モリソンが仲裁に入っているが、状況は芳しくなかった。

 

ダンテ「少しは仕事したら どうなんだ お前は!借金 増えてるのは お前にも原因があるんだぞ!」

 

バージルは、ダンテが文句を言ってる事の意味が ちょっと よく分からなかった。

出撃ならダンテとネロとローテーションで手伝っているし、今日は何もない日だから自分の好きなようにしている。つまりバージルからすれば休みだと思っている。

出撃や悪魔が出た時に手伝ってくれるのは助かってる。艦娘達も それは感謝している。問題は ここからだ。

鎮守府の所属である艦娘、提督であるダンテ、提督代理であるネロは、鎮守府で働いた対価は海軍から支給される給金で賄われている事になっている。

バージルは協力者という立場で、海軍ではなく鎮守府が勝手に取引してるという事になっているため、バージルに給金は発生していなかった。

そしてバージルは誰よりも、働いている時間が極めて少ない。出撃や悪魔が出ない日は、大抵 休みである。

その状態で鎮守府に寝泊まりし、タダ飯を食らってる状況であるため、鎮守府の財政面では完全に お荷物だった。

 

バージル「そんな事は分かっている。だが俺に合った仕事がない以上、仕方ないだろ」

 

ダンテ「“俺に合った仕事”だとぉ?」

 

間宮「まぁまぁ、提督、落ち着いて話しましょう」

 

ダンテ「お前はバージルを甘やかし過ぎだ!」

 

間宮「あぅ・・・」

 

バージル「フンッ」

 

これ以上バージルを甘やかす気がなく意地でも働かせたいダンテと、プライドが高く意地でもダンテに従いたくないバージルの喧嘩は埒が空かず、仲裁に入ってる者達は頭を悩ませた。

そこに、眠そうな顔をした川内が食堂に入ってきた。

 

川内「ただいま~・・・」

 

鳳翔「あら川内さん、おかえりなさい」

 

川内「夜勤 長引いた~・・・。ちょっと寝たら次の仕事 行くね~・・・。加賀さん、次この仕事 行く~・・・」

 

加賀「確認したわ」

 

川内はコルクボードに張られていた依頼書を持って、次の仕事に行くための仮眠で食堂から出ていった。

 

ダンテ「ったく、お前とは大違いだぜ。ヴァンパイアみたいな生活してた川内すら、今じゃ寝る間も惜しんで働いてるってのに。お前も少しは見習ったら どうだ?」

 

バージル「フンッ、俺を誰だと思ってる?あんな小娘と一緒にするな」

 

ダンテ「そういう態度だから仕事がねぇんだろ!いつまでも“俺は俺は”って偉そうに。人間界で生きてくつもりなら稼ぐしかねぇんだよ!ピザ代も稼げねぇ穀潰しがよぉ!」

 

バージル「むっ・・・!」

 

ネロ「おい、ダンテ。ちょっと言い過ぎだぞ」

 

ダンテ「悔しかったら稼いでみろ!俺達が居なきゃ、飯だってマトモに食えねぇくせによ!」

 

バージル「いいだろう!そこまで言うなら待っているがいい!貴様の前に大金を叩き付けてくれる!」

 

間宮「あっ、バージルさん!」

 

バージルは怒りのままに、お金を稼ぐため食堂から出ていってしまった。

 

間宮「バージルさん・・・」

 

 

・・・・・・

 

*弁当屋 12:24*

 

昼、大和の紹介で、バージルはアルバイトとして弁当屋で働く事になった。

お昼時の忙しい時間にバージルが“俺に任せろ”と言うものだから、弁当屋の店長は注文の入った弁当を作らせたのだが・・・

 

バージル「見ろ!これが俺の作った、特製『魔界弁当』だ!」

 

厨房が滅茶苦茶になって完成したのは、店にある食材 全種類を使って適当に詰め込んだ醜悪な弁当だった。まさに、魔界の混沌とした世界をイメージした仕上がりだ。

 

店長「とっとと出ていけー!!」

 

お昼時で忙しいというのに注文された物を作らず、原価を無視した詰め込み方をしながら更に食材まで無駄にし、店側に雇ってるメリットがなくバージルは初日でクビになった。

しかもバージルの代わりに、大和が何度も謝る事にもなってしまった。

 

 

・・・・・・

 

*本屋 4月19日 14:56*

 

翌日、今度は伊8の紹介で、バージルは本屋で働く事になった。

店内掃除を任され、バージルがハタキを持って棚を叩きまくっていると、雑誌の納品が来た。

 

ドライバー「こんにちはー」

 

バージル「こんな雑誌は要らん!もっと役に立つ本を持ってこい!」

 

店長「ちょ、ちょっとぉー!クビだー!!」

 

危うく今後の取引がなくなりそうになり、店側に雇ってるメリットがなくバージルは初日でクビになった。

しかもバージルの代わりに、伊8が何度も謝る事にもなってしまった。

 

 

・・・・・・

 

*クリーニング屋 4月20日 15:31*

 

また翌日、今度は阿武隈の紹介で、バージルはクリーニング屋で働く事になった。

接客を任され、預けていた服を取りに来た客の相手をしていたのだが、客が服を確認すると、袖が千切れていた。

 

客「何だよ これは?!」

 

バージル「恥じる事はない。これで貴様も仲間だ」

 

バージルはノースリーブ姿でエプロンを着けて仕事しており、同じノースリーブになっただけだと露になってる自身の腕を見せる。

だからって それで許される訳もなく・・・

 

店長「クビだー!!」

 

袖を千切るような雑な扱いをし、何度も預かった服の弁償をする事になったため、店側に雇ってるメリットがなくバージルは初日でクビになった。

しかもバージルの代わりに、阿武隈が何度も謝る事にもなってしまった。

 

 

*街*

 

バージル「分からん奴らだ」

 

自分をクビにするなど愚かな連中だと不機嫌に歩くバージルを、物陰から間宮が心配そうに見守っていた。

 

間宮「(あぁ、助けてあげたい。でも ここで助けたらバージルさんが・・・)」

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室 4月26日 14:26*

 

その後の数日も、艦娘の紹介で様々な仕事をしてみたが、最早 一種の才能なのではないかと思うほど、見事に全部の仕事を初日でクビになった。

そしてバージルは今どうしてるかと言うと・・・稼ぐのを諦めて執務室で読書していた。

 

ダンテ「お前あれだけ啖呵 切って これか?あぁん?!」

 

バージル「フンッ!俺に合う仕事がないだけだ」

 

ダンテ「あっそうかよ・・・」

 

ダンテは呆れながらテレビのある方に顔を向けると、那珂が ここでテレビを見ていた。

同じく執務室に居た加賀も、なぜ自分の部屋で見ないんだと疑問に思っていたらしく、それを那珂に問い質した。

 

那珂「う~んテレビ壊れちゃって・・・」

 

加賀「だからって どうして執務室で見るの?他の場所で見なさい」

 

那珂「これだけ見せてください!」

 

何が そんなに気になるのかと、加賀は不思議に思い画面を見てみた。テレビには、いま最も有名で人気のある、『歌姫』とも称されてるトップアイドルが出ていた。

放送されてる番組は歌番組ではなく、情報番組で特集が組まれ彼女を紹介していた。

那珂は自称『艦隊のアイドル』であるため、同じアイドルとして・・・・・・“同じ”と言っていいのか分からないが、色々と気になるのだろう。

加賀も それは理解していたため、仕方ないと思い那珂を そのままにした。

 

 

*正面ゲート*

 

一方、憲兵が警備に立つ正面ゲートでは、不審な車両が1台 接近してきていた。

車が正面ゲートで止まり、憲兵1号が話をするため運転席側へと回る。

すると運転席の窓ではなく、その後部座席の窓が開いた。

そこに乗っていた者を見て、憲兵1号は絶句した。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 14:40*

 

ダンテは提督としての仕事を加賀に無理矢理やらされ、その加賀も補佐艦としての仕事を熟し、那珂は相変わらずテレビを見ており、バージルは読書をしてるという、ほんとに仕事場なのかと思う執務室に、憲兵1号が血相を変えて飛び込んできた。

 

1号「お、お客様です!」

 

ダンテ「いい、帰らせろ、忙しい」

 

1号「ちょちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」

 

加賀「お客様って どういうこと?」

 

1号「それがぁ・・・」

 

1号は言いづらそうに出入り口の方に顔を向けると、スーツを着た男性と、派手な服にジャラジャラとアクセサリーを着け、サングラスをして鍔の大きいレディースハットを被った女性が入ってきた。

 

男「こちらで どんな依頼も引き受けてくださると聞いて、依頼をしに参りました」

 

加賀「あぁ、依頼者の方でしたか」

 

ダンテ「いい、帰れ、うちは忙しい」

 

加賀「提督!」

 

Devil May Cry鎮守府はバージルを除いて本当に色々と忙しいため、ダンテとしては これ以上 仕事を増やしたくないのだが、失礼があると評判に傷が付くので加賀に叱られた。

依頼者の前でダンテと加賀が口論してると、男性の方が名刺を差し出してきた。

 

男性「わたくし、こういう者でして・・・」

 

渡された名刺を見ると、『芸能プロダクション』と書かれていて、ダンテと加賀は目を丸くさせた。

 

ダンテ「話を聞こう」

 

加賀「お茶を ご用意します。ソファーに掛けて お待ちください」

 

ダンテ「バージル!お前は どけ!」

 

お金の匂いをプンプン感じ取ったダンテと加賀は、今やってる仕事を放り出して話を聞く事にした。

ソファーに座って読書をしてるバージルは邪魔なので、ダンテが蹴りを入れて転がり落とした。

 

 

・・・・・・

 

ソファーを占領され、バージルは執務椅子に移り読書を続行していた。

那珂も相変わらずテレビに釘付けである。

そんな中、お茶の用意をした加賀が戻ってきた。

 

加賀「お茶です、どうぞ」

 

男「ありがとうございます」

 

男性の方は控え目という感じで、スーツを着てるだけあって社会人としての礼節は弁えている。

だが横に座るチャラチャラした女性は、サングラスも帽子も取らず、足を組ながらクチャクチャとガムを噛み、お礼を言う処か ここまで一言も喋らない。

だが加賀は気にしない。だって お金の匂いがプンプンするから気にならな~い。

 

ダンテ「言っとくが、うちは高いぞ?」

 

男「勿論、依頼料は会社の方から振り込ませていただきます」

 

加賀「それで、ご依頼は どういった事でしょう?」

 

依頼者の男性は、名刺にあった通り芸能プロダクションで働いており、あるタレントのマネージャーをしてるそうだ。

依頼内容は、ストーカー被害。以前からストーカー被害があり、最初は ちょっとした悪戯レベルで無視できるものだったが、それが最近になって日に日に酷くなっているそうだ。

ライブを中止しろと脅迫文が届いたり、番組での収録を終わらせ控室に戻ると小包があり、それが爆発して爆弾騒ぎになった事もあった。

爆発物は殺傷能力がない物であったため、担当するタレントに怪我はなかったそうだ。

他にもタレント本人しか知り得ない事をネットにアップされたり、週刊誌に売られて暴露されたりする事もあった。

更に最悪なのは、自宅にファンを装ったプレゼントが直接 届く事だ。ストーカーには自宅の場所まで知られてる訳だ。

 

マネージャー「警察にも相談しましたが、依然として状況が変わらないものでして・・・」

 

ダンテ「ほう、そいつは大変そうだな」

 

マネージャー「ですが、ここでなら どんな事でも解決してくださると聞いて、藁にも縋る気持ちで・・・!」

 

加賀「では、依頼内容はストーカーの犯人を捕まえる事ですか?」

 

マネージャー「いえ、依頼したいのは彼女のボディーガードです!」

 

そう言って、マネージャーは横に座る態度の悪い女性の肩を掴んだ。

女性は鬱陶しそうに、マネージャーの手を払い落とす。

 

ダンテ「(もしかしてとは思ってたが、この高飛車そうな女か・・・)」

 

ボディーガードとなると、危険を回避するため ある程度は こちらの指示に従ってもらい、行動を制限してもらう必要も出てくる場合もある。しかし、目の前の女性が言う事を聞くような人間には思えず、これは苦労しそうだとダンテは思った。

するとテレビを見ながら聞き耳を立てていた那珂が、何かを確認するようにタレントの女性とテレビを交互に見比べる。

 

那珂「・・・・・・もしかして・・・『桐谷 麗歌(きりたに れいか)』!?」

 

女「あら、バレちゃった」

 

那珂に問われた女性がサングラスと帽子を取ると、この世界で今 話題のアイドルであり、歌姫・桐谷 麗歌本人の顔が露になった。

 

ダンテ「・・・誰だって?」

 

ダンテが首を傾げてると、加賀がダンテの肩を指でトントンとしてから、テレビに指差した。

ダンテはテレビの方を見てみると、桐谷 麗歌の紹介が行われている。

 

ダンテ「・・・・・・アンタ歌手か」

 

麗歌「そうよ。文句ある?」

 

那珂「あの!那珂ちゃんって言います!私も艦隊のアイドルやってて、麗歌ちゃんのファンなんです!」

 

麗歌「困ったな。まさか こんな所にもファンが居るとは・・・」ボソッ・・・

 

那珂「はい?」

 

麗歌「ううん、何でもないよ!あなたもアイドルやってるんだ、凄いね!私のファンだなんて嬉しい☆(チッ、“艦隊のアイドル”って何だよ・・・)」

 

那珂「あの、良かったらサインくれますか?」

 

麗歌「いいよ」

 

那珂「やったぁー!色紙 取ってきまーす!」

 

那珂は嬉しそうに、色紙を取りに執務室から飛び出していった。

だが麗歌は、さっきまでの那珂に対する態度から一変して不機嫌になり、マネージャーを睨んだ。

 

麗歌「マネージャー、どういうこと?ファンが居る所にボディーガード頼むとか有り得ないんだけど!ファンが居ない所に頼んでよね!」

 

マネージャー「そんなこと言ったって、麗歌ちゃんは今や有名人なんだから、どこにファンが居ても おかしくないって」

 

麗歌「ニコニコしてるの疲れるのよ!役に立たないわね!」

 

マネージャー「ご、ごめんよぉ・・・」

 

どうやら この桐谷 麗歌とやらは、アイドルとしての偶像を作り出し、それを演じて素の時と使い分けているようだ。

ただ素の時のクセが強烈で、これを見せられると ちょっと・・・。

 

麗歌「もしかして、あんた達も私のファンとか言わないわよね?」

 

ダンテ「その前に よく知らないしな」

 

加賀「私もファンという訳ではないわ」

 

麗歌「そう、良かった。もし素の時の私の事を誰かに喋ったりしたら、名誉毀損で訴えるからね」

 

そう言って、麗歌はドカッとソファーに座った。

マネージャーが何度もダンテと加賀に謝ってくるが、2人の顔は不機嫌顔に変わり始めていた。

 

ダンテ「(近頃のガキってのは どうして こうも・・・)」

 

加賀「(依頼 引き受けるの面倒になってきた)」

 

2人の不機嫌ゲージが徐々に溜まっていく中、執務室の扉が勢い良く開いて那珂が戻ってきた。

 

那珂「色紙 持ってきました!」

 

麗歌「はーい♪」

 

ダンテ「(ある意味これも才能なのかねぇ・・・)」

 

加賀「(依頼 引き受けなくても お金だけ振り込んでくれないかしら?)」

 

麗歌がサインをし、那珂は満足そうに色紙を抱き締めながら執務室から退室した。

依頼の話も戻し、先ず最初に考えなければならないのは、誰が麗歌のボディーガードをするかだった。

 

加賀「それなら、提督がやるのが1番いいんじゃないかしら?危険が迫っても、すぐに対処できるでしょ?」

 

ダンテ「俺か・・・」

 

ダンテには、最早この依頼が お金の匂いではなく面倒臭い匂いがプンプンしていた。だから気乗りもしない。

だが、ダンテがボディーガードをする流れを、麗歌の方から ぶっ壊しにきた。

 

麗歌「この人が私のボディーガード?嫌、お断り」

 

マネージャー「でも麗歌ちゃん、この人達はプロだよ」

 

麗歌「だって この おじさん、臭そうだし小汚ない」

 

ダンテは勢い良くソファーから立ち上がり、加賀の腕を引っ張る。

 

加賀「ちょっと お待ちくださいね!」

 

部屋の隅まで移動し、今から2人で内緒話。

 

ダンテ「断ろう。借金返済とか どうでもいい。断ろう」

 

加賀「提督、彼女は まだ若いし、その・・・きっと世間知らずな所もあるのよ。大目に見てあげたら?」

 

ダンテ「俺 臭うか?」

 

加賀「昨日お風呂 入った?」

 

ダンテ「今日の朝に入った」

 

加賀「シャンプーは?」

 

ダンテ「金剛がくれたの使った。イチゴの香りがするやつ」

 

加賀「リンスかコンディショナーはした?」

 

ダンテ「同じシリーズの使った」

 

加賀「身体は?」

 

ダンテ「雪風がくれた もちもち肌になるボディソープ使った。“肌に優しい”って書いてたぞ」

 

加賀「じゃあ大丈夫」

 

ダンテ「よし」

 

何かの確認が終わり、2人は依頼人が待つソファーに戻る。

戻った2人にマネージャーが また謝るが、2人は それを聞き流す。誰でもいいからボディーガードの仕事を押し付けて、さっさと お帰り願いたい。

 

ダンテ「はぁ・・・他にボディーガードできそうな奴となると・・・」

 

 

・・・・・・

 

そして呼ばれたネロが執務室に入ってきた。

入ってきたネロを見て、麗歌は驚いたような顔をする。ほんのり顔が赤いのは何故だろう?

 

ネロ「ボディーガードの仕事だって?」

 

ダンテ「おう、お前に頼もう━━」

 

麗歌「駄目よ!」

 

ダンテ「あ?」

 

麗歌「彼はイケメン過ぎるわ。私をガードするために一緒に居る所を見られて、付き合ってるだの何だの勘違いされたら どうするつもり?私はアイドルなんだから、そういうのは困るわ!」

 

ネロ「・・・・・・えっと・・・?」

 

加賀「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「ネロ、戻っていいぞ」

 

ネロ「えっ、ボディーガードの仕事は!?」

 

ダンテ「いい、他の奴に頼む」

 

ネロ「何で呼んだんだよ!?」

 

ネロは訳も分からないまま、執務室から退室した。

ただ、ネロを拒否した麗歌は、何故か残念そうにしていた。

 

麗歌「でも あのイケメンは勿体なかったなぁ~・・・」

 

「「(じゃあネロにしとけよ!/じゃあネロにしときなさいよ!)」」

 

ネロがいいのか そうじゃないのか、ハッキリしない麗歌にダンテと加賀のイライラが更に蓄積されていく。

 

麗歌「後で連絡先 聞いちゃおっかなぁ♪」

 

マネージャー「麗歌ちゃん、そういうの良くない」

 

麗歌「チッ・・・」

 

 

・・・・・・

 

次に呼ばれたのは、鎮守府でも武闘派の武蔵と長門だった。

 

長門「何っ!?アイドルだとぉ!?ア、アイドル・・・可愛い・・・アイドル・・・可愛い・・・」

 

武蔵「ふっ、この大和型 戦艦の武蔵が居れば、ストーカーなど1歩たりとも近付けさせはしないさ!」

 

麗歌「チェンジで。片方は堅っ苦しいのと熱っ苦しいのダブルパンチで しんどい。もう片方は何かキモいから嫌」

 

「「ん?ん?」」

 

自覚がない武蔵と長門は、麗歌の言ってる事が分からず不思議そうに首を傾げていた。

 

加賀「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「はぁ・・・次・・・」

 

 

・・・・・・

 

次に呼ばれたのは、川内と神通だった。

 

川内「ストーカー?そんなの1発ぶっ飛ばせば楽勝じゃん」

 

神通「安全は私達で お護りしますので、護衛は任せてください」

 

川内と神通を見て、麗歌は小バカにするような笑みを浮かべていた。

 

麗歌「ちょっ、本気?何その格好?忍者のコスプレ?こんなの連れて一緒に歩くとか、恥ずかしくて無理なんだけど」

 

川内「・・・・・・おい、もう1回 言ってみなよ」

 

ダンテ「神通、川内 連れて すぐに出ろ」

 

神通「そうします」

 

川内「忍者 舐めんなよぉ!お前 忍法 使えんのかよぉ?!私は分身の術 使えるけどね!全鎮守府の川内 集めたら成立するんだよハッハーッ!」

 

売り言葉に買い言葉で喧嘩腰で詰め寄ろうとした川内だったが、神通に止められながら執務室の外に押し出された。

扉が閉まって姿が見えなくなっても、川内は ずっと何かを喚いていた。

 

加賀「(あの理屈だと、私も全鎮守府の加賀 集めたら分身の術 使えちゃう)」

 

ダンテ「はぁ・・・もう次でラストだ・・・」

 

 

・・・・・・

 

キリがないので、最後として次に呼ばれたのは天龍型だった。

 

天龍「おう、呼んだかー?」

 

龍田「ストーカーをバラバラにする お仕事って言ったかしら~?」

 

天龍「ストーカーなんざ拳でシメてやりゃあいいんだよ」

 

麗歌「ちょっと!さっきから変なのばっかりじゃない!」

 

ダンテ「・・・変か?」

 

麗歌「変だよ!眼帯してる方はガラ悪いし、隣に居るのは何か怖いこと言ってるし・・・この2人、ヤクザとかじゃないの?!」

 

天龍「あ?誰がヤクザだテメこの野郎」

 

龍田「言葉には気を付けた方がいいわよ」

 

天龍型は刀と矛を取り出し、川内の時のように麗歌に詰め寄ろうとする。

それをダンテが止めて2人と肩を組むと、何かを耳打ちする。それを聞いた天龍型の顔が真っ赤になり、焦ったように執務室から退室した。

ダンテは何事もなかったかのように、ソファーに戻る。

 

加賀「・・・提督、2人に何を言ったの?」

 

ダンテ「別に。“依頼人 怪我させたら、お前らが今日 履いてるパンツの色を鎮守府中に放送する”って言っただけだ」

 

加賀「何で あなたは天龍型のパンツの色を把握してるわけ?」

 

ダンテ「してない。適当な嘘で退かせただけだ」

 

加賀「その嘘を、あの2人が信じたと?」

 

ダンテ「チョロいと扱いやすくて助かるぜ」

 

加賀「はぁ・・・もう、あなたって人は・・・」

 

ダンテ「それで、そっちは どうする?ボディーガードに適任なのは これで全部だ」

 

麗歌「あの中から選べって?」

 

ダンテ「嫌なら帰りな。ご期待には添えそうにないしな」

 

麗歌「・・・・・・なら・・・彼にする」

 

そう言って麗歌が指差したのは、ずっと読書をしていたバージルだった。

バージルも意外だったのか、思わず本から顔を上げて麗歌を見る。

 

バージル「俺は引き受けるつもりはないぞ」

 

麗歌「ううん、あなたに決めた。うるさくなさそうだし、それなりには強そうだし、私のボディーガードには合格かな」

 

バージル「勝手に決めるな」

 

ダンテ「(選りにも選ってバージルを選ぶとは・・・)」

 

加賀「(初日でクビになって依頼料も振り込まれない・・・今月も赤字だわ・・・!)」

 

その後はバージルにするのは考え直すように言ったが、麗歌が頑なにバージルを指名するものだから、ダンテと加賀の方が折れて話が纏まった。

ただバージルの方も頑なであるため、そちらの説得の時間も必要だった。

 

 

・・・・・・

 

*正面ゲート 16:28*

 

麗歌とマネージャーは用が済み、帰るため正面ゲートに停めてある車まで来ていた。

その様子を見ながら、摩耶と憲兵3号、48号が彼女の事について話していた。

 

48号「桐谷 麗歌の歌いいですよ」

 

摩耶「あたしも聴いてる」

 

3号「なに聴いてるんですか?」

 

摩耶「ラップのやつとか」

 

「「あ~」」

 

摩耶「メロディラインの音の並びとか好きなんだよ」

 

48号「あっ、分かるぅ~」

 

3号「あの子なんでも歌えますもんね。ポップな曲からラップでもバラードでも」

 

48号「また近々ライブとかあるらしいですよ」

 

3号「じゃあ応援せな」

 

48号「地元の関西弁ちょっと出てるって」

 

3号「頑張れ麗歌たん・・・麗歌たん」

 

遠巻きに正面ゲートに居る麗歌を見ながら、いきなり3号が控え目に応援を始めたので、摩耶と48号は思わず笑ってしまう。

 

摩耶「“麗歌たん”って呼んでんのかよ」

 

48号「親衛隊 出てるって」

 

3号「頑張れ・・・頑張れ()()麗歌たん」

 

48号「“僕の”ではないな」

 

摩耶「皆のだぞ」

 

3号「僕の麗歌たんだ」

 

48号「“僕の”では━━」

 

3号「僕の麗歌たんだぁあ!!」

 

急に3号が発狂したため、摩耶と48号は爆笑してしまう。

 

48号「キメェ・・・」

 

3号「渡さない!」

 

48号「元からオメェのじゃねぇよ」

 

3号「僕の麗歌たんだ」

 

48号「お前のじゃねぇって」

 

3号「お前らには渡さない」

 

48号「目ぇ覚ませって」

 

3号「僕だけの麗歌たんだ」

 

48号「お前のじゃねぇよ」

 

摩耶「麗歌 間近で見た事あるけど、バーリ顔ちっちゃい」

 

48号「へぇー」

 

3号「小さそう」

 

摩耶「うん。だから あたしの麗歌たんって事で」

 

3号「僕の麗歌たんだぁあ!!」

 

予想通り発狂したので、摩耶と48号は単純な3号に また笑ってしまう。

 

48号「いや お前のじゃねぇって」

 

3号「貴様には渡さない!」

 

48号「歯向かってるって」

 

3号「僕の麗歌たんだぁ」

 

48号「摩耶()さんに逆らい始めたって」

 

3号「麗歌たんは僕のだ。麗歌たんの おはようツ◯ートは僕に向けてやってるんだぁあ!」

 

48号「キモいぃ・・・」

 

3号「おやすみツ◯ートも そうだぁあ!!」

 

48号「お前に向けてじゃないぃ・・・」

 

3号「僕の麗歌たんだ・・・」

 

48号「キモいぃ・・・勘違い過ぎるぅ」

 

3号「こんなん本人の目の前でできんよ」

 

摩耶「だろうね」

 

3号「こんなん また言ってるのバレたら俺、また晒し上げられる・・・」

 

48号「ふっ・・・」

 

3号「那珂ちゃんのライブでローアングル撮影してたの青葉さんに晒されて、川内さんにシバかれたしなぁ・・・」

 

摩耶「あっ、麗歌たんが・・・ペコペコしてる」

 

48号「うわっ・・・いいの3号?」

 

3号「え?」

 

摩耶「1号に手 握られてるぞ麗歌たんが」

 

3号「えぇー・・・1号、殺っとくか・・・」

 

それだけで殺人宣言してしまう3号のアホさ加減に、摩耶と48号は笑うしかない。

 

摩耶「ていうか、お前ら那珂のファンなのに こんな話してていいのか?」

 

「「あ・・・」」




次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。