398話です!どうぞ!
アイドル
その途中、カメレオンの特徴を持つ悪魔が現れ、麗歌を狙う。
バージルと那珂が戦いを挑むが、悪魔は一瞬にして姿を消し、逃げられてしまう。
そして那珂は、麗歌と行動を共にする事で彼女の裏の顔を知ってしまい、アイドルとしての違いに悩み始めるのだった。
*ドーム 4月28日 14:35*
翌日、ライブが近いという事もあり、麗歌は会場となる場所で朝から諸々の確認をしていた。
周りにはスタッフ達が、麗歌と話し合いながら照明や音の確認などをしており、バージルと那珂は ただ黙って その様子を見ていた。
バージル「ボディーガードも退屈で楽ではないな」
那珂「そうですか?那珂ちゃんは楽しいですよ。こんな おっきな場所でライブした事ないから、圧倒されちゃいます」
バージル「したいならすれば良かろう」
那珂「あ、あはは・・・やるのも色々 大変ですから」
会話も あまり続かず妙な沈黙が続き、またライブの準備の様子を見てるだけとなってしまう。
だが その沈黙を、バージルが破った。
バージル「言ったのか?」
那珂「はい?」
バージル「気に食わんと思ってる事を、あの小娘に言ったのか?」
そう言われて、那珂は昨晩バージルに言われた事を思い出す。
“あの麗歌という女の やり方が気に食わんのなら、そう言ってやればいい”
那珂「ま、まだです・・・だって、昨日の今日ですし、自分の考えも纏まってないし・・・」
バージル「情けない奴め」
那珂「そんなこと言われても、那珂ちゃんだって色々 悩んでるんですぅ~!」
バージルに退けない状況へ徐々に追い込まれ、那珂は悲しい悲鳴を上げる。
そんな会話をしてると、麗歌がステージから降りて どこかに行ってしまう。恐らく休憩だろう。
那珂「あっ!ボディーガード!」
那珂は慌てて麗歌を追い、バージルは その背中を見送った。
・・・・・・
パイプ椅子に座って雑誌を見ながらスポーツドリンクを飲んで休憩する麗歌の傍に、那珂が控えていた。
那珂は麗歌とのアイドルとしての価値観などの違いを ずっと考えていたら、視線は無意識に麗歌の方に向いて ずっと見ていた。
その視線には麗歌も気付いており・・・。
麗歌「何?」
那珂「えっ!?」
麗歌「私の事ずっと見てるけど、何か言いたい事でもあるの?」
那珂「あ、えっと・・・」
那珂自身も無意識に麗歌を ずっと見てしまっていた事に気付き、しまったと思い しどろもどろになる。
いつまでも何も言わない那珂にイライラした麗歌は雑誌を起き、立ち上がると那珂に詰め寄った。
麗歌「鬱陶しいんだけど。何か文句とかあるなら言いなさいよ」
那珂「いや、だから、その・・・」
麗歌「何?!」
その時、那珂にとっては嬉しくないタイミングでバージルに言われた事を思い出す。
“自分の魂が言った通りに従えばいい”
那珂「(何で こんなタイミングで・・・。あ~もうっ!)あ、あの・・・」
麗歌「だから何?」
那珂「やっぱり、那珂には麗歌ちゃんの考え方が分からない・・・どうしてアイドルをやってるのかも・・・」
麗歌「・・・は?」
那珂「ア、アイドルは・・・皆を笑顔にする お仕事なの!」
麗歌「・・・急に何?」
那珂「那珂ちゃんはアイドルとして、いつもファンの事を考えて歌ってきた。アイドルは ただ歌ってればいい訳じゃない。ファンが居てくれて、初めてアイドルとして輝ける。アイドルとファンが一体になったライブは、凄く盛り上がる!ファンに応援してもらって、その お返しに歌を歌うべき・・・」
麗歌「・・・・・・・・・」
那珂「だと思う・・・」
麗歌に睨まれ、那珂が萎縮して急激に勢いが失速してしまった。
冷たい視線を向ける麗歌は、那珂の話を聞いてウンザリしてる様子だった。
麗歌「何を言い出すかと思えば・・・バカバカしい」
那珂「ぇ・・・」
麗歌「ファンのために?私は歌を歌う。その見返りにファンはライブのチケットやCDを買えばいいの。アイドルとファンが一体に?ヲタ芸とかする奴も居るけど、あれ絶対 歌なんか聴いてないでしょ。ファンは静かに、ジッとしながら私の歌を聴いてればいいのよ」
那珂「っ・・・!そんなの間違ってるよ!ファンは お金儲けの道具じゃない!」
麗歌「はぁ?儲けなきゃアイドルなんてやってられないじゃない!」
那珂「違う、違うよ!そうじゃない!歌には人を笑顔にする力がある!ファンやファンじゃなくても、歌を聞いてくれる人達を笑顔にするために歌わなきゃいけないの!ファンのためにアイドルをしてない麗歌ちゃんは、アイドルなんかじゃないよ!」
麗歌「・・・・・・・・・」
那珂「(・・・・・・・・・・・・ここから どうしよー!?)」
麗歌が黙ってしまい、この沈黙が気まずく那珂は焦る。バージルに発破を掛けられ勢いで言ってしまった事に、この後の結果は良くないものだと容易に想像ができた。
それに麗歌には、近々ライブがある。そんな大事な時期に余計な事を言ってしまって、彼女の気持ちを掻き乱して台無しにしてしまったらと、今更ながらに後悔する。
麗歌「ふ~ん」
那珂「あ、あの・・・?」
麗歌「確か、あなた前に“艦隊のアイドル”って言ってたわよね?」
那珂「は、はい・・・」
麗歌「なら私のライブに出て歌いなさいよ」
那珂「えぇっ!?」
麗歌「そこで勝負しましょ。私の歌と あなたの歌、どっちが評価されるかファンに決めてもらおうじゃない」
那珂「ちょ、ちょっと待ってよ!麗歌ちゃんのライブなのに、那珂が出ても━━」
麗歌「勝負は互いに3曲での3本勝負。高い評価をされた曲数の多い方が勝ち」
那珂「ま、待ってよ!まだやるなんて━━」
麗歌「あなたの言ってる事が正しいか、この勝負で証明するチャンスを与えてあげるって言ってんのよ!私に喧嘩を売ったんだから、拒否権なんてあると思わないで!」
那珂「そ、そんな・・・」
麗歌「はぁ・・・あなたのせいで気分悪い。精々“人を笑顔にする力”ってやつで頑張んなさい」
そう言って、那珂を その場に残し麗歌はステージの方へ戻っていった。
残された那珂は放心状態で、足の力が抜けて床に座り込んでしまう。
那珂「・・・・・・とんでもない事になっちゃった・・・」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮・川内型の部屋 20:24*
その夜、夕飯も終わって川内と神通は、風呂の順番が回ってくるまで、自分達の部屋で食後休憩も兼ねて待機していた。
すると扉が開いて、那珂が戻ってきた。
川内「おかえりー」
神通「那珂ちゃん、おかえりなさい」
いつもなら元気良く“ただいま”と言って返事が返ってくるのだが、那珂は何も言わず扉の前で立ち尽くしたままだった。
それを不思議に思った川内と神通は、那珂の方に顔を向ける。
神通「那珂ちゃん・・・?」
川内「どうしたの?早く こっち来なよ」
顔を上げた那珂だったが、その顔は泣いており、突然の事に川内と神通はギョッとした。
川内「那珂ぁ!?」
神通「どうしたの!?」
那珂「うぅ・・・川内ちゃん・・・神通ちゃん・・・!」
泣きながら部屋の奥へと駆ける那珂は、川内と神通に抱き付きながらも ずっと泣いた。
川内と神通は訳が分からなかったが、2人は そのまま、那珂が落ち着くまで頭と背中を擦り続けた。
・・・・・・
那珂が落ち着き事情を聞いた川内と神通だったが、神通は何かを思案するように目を瞑り、川内は怒り心頭だった。
川内「あのクソ女!那珂を泣かしたなぁ!」
川内は部屋を飛び出そうとしたが、神通に止められた。
神通「姉さん、どこへ?」
川内「ごめん神通・・・今だけ私は、“呉の川内”に戻る・・・!」
その意味は、昔の呉鎮守府の所属だった時のように、表に出せない事をするという事だ。それには殺人も含まれる。
神通「姉さん、座ってください」
川内「はい・・・」
なんて息巻いてた川内だったが、神通に言われて大人しく正座で座った。
川内型の中では川内が1番艦のネームシップだが、姉妹の間柄でのパワーバランスは神通が上である。怒った時の神通は恐いので、川内も逆らえない。
神通「それで那珂ちゃん、彼女のライブに出演して そこで勝負するという話ですが、どうして断らなかったんですか?」
那珂「断ろうとしたけど話を聞いてくれなくて・・・」
神通「ボディーガードの話が随分と面倒な話になりましたね・・・」
川内「互いに3曲 持ち寄って勝負だっけ?那珂どうすんの?」
那珂「え・・・?」
川内「その勝負 受けるのか受けないのかハッキリしないと」
那珂「って言われても、那珂も何で こんな事になったのか・・・」
神通「だから面倒なんです。勝負云々以前に、那珂ちゃんの意思とは関係なく話が進んでますし」
那珂「どうしよぉ・・・?」
川内「まぁ選曲は追々 考えよう」
神通「どうするつもりですか?」
川内「勝負が避けられないなら受けるしかない。なら特訓だよ!」
そして川内に引っ張られる那珂は、ライブ勝負に向けて今晩から特訓する事になるのだった。
・・・・・・
*ダンススタジオ 4月29日 11:27*
今日の麗歌は、ダンススタジオでダンスレッスンをしていた。ライブも近いので、それに向けてのスケジュールで殆んどが埋まっている。
ダンススタジオの隅では、護衛としてバージルが居るのだが、パイプ椅子に座って腕と足を組み、目を瞑って静かに寝ていた。
麗歌は一通り踊りライブでの振り付けを確認すると、休憩に入りつつバージルの方に向かっていく。
麗歌「今日は あの娘 来ないんだね」
バージル「・・・気になるのか?」
麗歌「・・・別に」
バージル「奴は奴でやる事があるのでな。どこぞのバカを叩きのめすというな」
麗歌「・・・それ、私のこと?」
バージル「さぁな」
*Devil May Cry鎮守府 会議室*
そして特訓を始めた那珂も、椅子や机を片付けた会議室でダンスレッスンしていた。振り付けは川内が考え、那珂が それを猛練習中だった。
川内「1、2、3、4、5、6、7、8!那珂、しっかり動きを頭に叩き込んで!」
那珂「う、うん!」
・・・・・・
*音楽室 13:05*
昼からもレッスンは続き、次は本館にある1度も使われてこなかった音楽室でボイスレッスンとなる。
ピアノの前に香取が座り、その横に那珂が立っている。
香取「私が鍵盤を鳴らしますから、那珂ちゃんは音程を合わせてください」
那珂「はい!」
香取「じゃあ“マ”で行きましょう。さん、はい」
那珂「マーーーー♪」
香取「よく聴いて!」
那珂「マーーーー♪」
香取「音程は合いましたが響きが足りません」
那珂「響き、ですか?」
香取「今の那珂ちゃんは、音程を ただ口で言ってるだけです。自分の身体全体を響かせるつもりで声を発してください」
那珂「はい!」
香取「さん、はい」
那珂「マーーーー♪」
香取「もっと腹から声を出しなさい!」
那珂「マーーーー!」
香取「イメージができてません」
那珂「イメージ・・・」
香取「那珂ちゃんの声は下に落ちていくように聞こえます。頭から、脳天から音を遠くに飛ばすイメージでやるんです」
那珂「はい!」
香取「さん、はい」
那珂「マーーーー!♪」
香取「そうよ!完璧よ!さっきよりも声も出てるし音程も合ってるわ!那珂ちゃんには、声量だけでワイングラスを砕けるようになってもらいます」
那珂「すぐには無理です・・・」
・・・・・・
*グラウンド 21:36*
夜は体力作りで、那珂は神通と一緒にランニングしていた。
神通「那珂ちゃん、あと3週です」
那珂「体力には自信あるから余裕だよ!」
神通「では このまま最後まで行きましょう」
那珂「うん!」
*マンション*
その頃 麗歌の自宅があるマンションの近くで、バージルとカメレオンの特徴がある悪魔が戦っていた。
麗歌は物陰に隠れ、その戦いを見ながら終わるのを待っている。
悪魔の口から伸びた舌をミラージュエッジで弾き、透かさず蒼い衝撃波『ドライブ』を放つ。
悪魔は跳躍して『ドライブ』を躱すと、そのまま空中で姿を消した。気配すら感じなくなったので、逃げたと思われる。
麗歌「・・・終わった?」
バージル「逃げたのを終わったと言うならな」
麗歌「ありがとう。じゃあ今日は これで終わりでいいから」
バージル「待て」
麗歌「・・・何?」
バージル「お前には訊きたい事がある」
今回の依頼は、ストーカーからのボディーガードだった。
だが ここまで、それらしい不審者の接触も大胆な行動もなく、麗歌を狙って現れるのは あのカメレオンのような悪魔のみ。
悪魔の行動はストーカーと勘違いするようなものでもないため、ここに違和感があった。
バージル「何故あの悪魔は お前を狙う?」
麗歌「そんなの私に訊かれても知らないわよ。いきなり悪魔とか言われても訳分かんないし」
バージル「では何故ストーカーに狙われてると勘違いした?」
麗歌「勘違いじゃない。現にストーカーは居る」
麗歌はバージルがボディーガードをしに来た最初の日、テレビ局でバラエティー番組の収録の後に楽屋へ戻った時に、便箋に入った脅迫文があったと説明した。
バージル「何故その時に言わん?」
麗歌「だって そんなの よくある事だし」
バージル「1つハッキリした。ストーカーは お前の仕事の関係者だ」
麗歌の仕事のスケジュールは当然ながら公開されていない。一般の人間が知り得ぬ情報だ。
それを幾つかあるテレビ局の中からピンポイントで麗歌が来ると知り、楽屋に脅迫文を置けるとしたら、ストーカーは麗歌の周りに居る関係者となってくる。
麗歌「他のアイドルからの嫉妬ってこと?」
バージル「そこまでは知らん。あとは あの悪魔が、何故お前を狙ってるのかを突き止める必要があるな」
麗歌「それは よく分かんないから任せる」
悪魔に関しては麗歌は これっぽっちも分からないため、色々とバージルに丸投げしたまま自宅マンションへと入っていった。
バージルは麗歌のボディーガードをする中で、ストーカーと悪魔に接点があるような物が無かったか思い返しながら、今日も護衛のためにマンションの外で待機するのだった。
・・・・・・
少し経ち、寝仕度も済んだ麗歌は そろそろ寝ようかと考えていた。明日も朝早くからスケジュールが詰まってるため、夜更かしなどしてられない。
リビングの明かりを消すと、ベランダのカーテンに何かの影が浮かんでいた。
麗歌が恐る恐るカーテンを開けると、ガラス戸を挟んでカメレオンの特徴がある悪魔が こちらを見ていた。
麗歌が悲鳴を上げながら尻餅を突くと、悪魔がガラスを破壊して部屋へと侵入する。
麗歌は床を這って逃げようとしたが、悪魔の口から伸びた舌に拘束された。
麗歌の護衛で待機していたはずのバージルは、地上で いきなり現れたリザードの相手をしていた。
麗歌「きゃあああああ!!」
麗歌の悲鳴が聞こえ空を見上げると、カメレオンの悪魔が彼女を連れ去っていくのが見えた。建物から建物へと飛び移り、かなりのスピードで移動している。
バージル「チッ・・・!」
バージルは襲い掛かるリザードをミラージュエッジで斬り飛ばし、空に向かって幻影剣を飛ばす。だが悪魔は幻影剣の射程の外に出てしまい、止める事はできなかった。
バージルは全てのリザードを倒すまで、その場で戦い続けるのだった。
・・・・・・
*駐車場 4月30日 7:30*
翌日、バージルと那珂は麗歌のマネージャーと連絡を取り、麗歌が悪魔に拐われた事を伝えてから、事務所の近くの駐車場で落ち合っていた。
直接 会って改めて麗歌が拐われた話を聞いたマネージャーは、酷く狼狽えていた。
マネージャー「そんな・・・麗歌ちゃんが拐われるなんて・・・」
バージル「奴のボディーガードをしてる間、現れるのはストーカーではなく悪魔ばかりだ。悪魔に狙われる心当たりはないのか?」
マネージャー「そんなの知る訳ないですよ!」
那珂「あの、麗歌ちゃんが悪魔に狙われる理由を知りたいんですけど、そのために麗歌ちゃんの自宅を調べたいんです。マネージャーさんなら合鍵くらい持ってますよね?」
マネージャー「いや、流石に それは渡せないよ。それより、ボディーガードを頼んだのに何で麗歌が拐われるんですか?!」
那珂「それはぁ・・・」
那珂は どう答えたものかと、困ったようにバージルを見るが、そのバージルは淡々と黙ってマネージャーを見てるだけだった。
マネージャー「どうしたらいいんだ・・・?仕事先にもキャンセルの連絡をしないと・・・!あぁ、お腹 痛い・・・!」
マネージャーは腹を押さえながら、トイレに行くため駐車場から離れる。
だが すぐに、彼の悲鳴が聞こえた。
バージルと那珂が駐車場の外に出るとマネージャーの姿は無く、カメレオンの悪魔が居た。
那珂「何で悪魔が ここに!?」
バージル「用は麗歌だけじゃないという事か」
悪魔から舌が伸びて襲い掛かるが、バージルは閻魔刀とミラージュエッジで舌を防ぎながら接近していく。
距離を詰め斬り掛かるが、悪魔はマーシャルアーツのような動きで跳び跳ねながら刃を避けていく。
悪魔『お前達は麗歌に関わるな!』
バージル「貴様、何故あの女を狙う?」
那珂「マネージャーさんも どこにやったの?!」
悪魔『知らんな!』
那珂が砲撃すると悪魔は跳躍してバージルから離れ、バージルが再び斬り掛かろうとしたが、舌が閻魔刀とミラージュエッジを狙い打ち、バージルの体勢が崩れる。
次に見た時には、悪魔の姿が消えていた。
那珂「マネージャーさんまで・・・」
バージル「姿を消すのが厄介だ」
那珂「これから どうすれば・・・・・・そうだ!」
バージル「・・・・・・?」
何かを閃いた那珂は、自分のスマホで川内に連絡を取った。
・・・・・・
*マンション 9:58*
川内と合流したバージルと那珂は、麗歌の自宅マンションに来ていた。
その川内は、ピッキングツールで麗歌の部屋の玄関の鍵を開けようとしていた。
マンションへは横の駐輪場から非常階段へと侵入し、ボディーガードをするに当たって麗歌の部屋番号は聞いていたため、玄関の前まで来る事は可能だった。
川内「いきなり呼ばれたと思ったら、あんな女の部屋に行きたいだなんて・・・!」
那珂「悪魔に狙われる理由が判るかもしれないし、麗歌ちゃんの部屋を調べたいの」
川内「それは分かったけど・・・!」
バージル「おい、まだ開かないのか?」
川内「最近の鍵って複雑だから開けるの大変なんだよ・・・!」
その時、別の部屋の鍵が開く音がした。そして住人が出てくる。
川内は咄嗟に玄関から離れ、3人で知り合いが出てくるのを待ってる振りをしながら遣り過ごす。
住人がエレベーターに乗り姿が見えなくなると、川内はピッキングを再開した。
川内「さっきから こんなのばっかり・・・!」
バージル「いいからムダ口を叩いてないで早く開けろ」
川内「見てるだけって気が楽だよね、文句だけ言ってりゃいいんだからさぁ・・・!ぬぅ~・・・開いた!」
那珂「急いで急いで急いで急いで・・・!」
また別の部屋の鍵が開く音がして、住人が出てくる前に3人は部屋の中に侵入した。
奥のリビングへと行くと、ベランダのガラスが内側へと飛び散っていた。
川内「悪魔の仕業?」
那珂「麗歌ちゃんは ここから連れ去られたんだね・・・」
リビングを見渡してみると、それ以外 荒らされた形跡はない。
悪魔に狙われる理由が何かあるかもしれないため、他の部屋も含め3人で それらしい物を探す事にする。
バージルが ある部屋に入ると、そこには沢山の本が置かれた棚ばかりがある部屋だった。
並ぶ本を流し目で見ていくと、何故か眼に関する医学書ばかりだった。アイドルが愛用する本にしては変わってる気がする。
川内はリビングを見ていたのだが、観葉植物の鉢植えに妙な物を見付ける。それは小型カメラだった。
川内「ちょっと ちょっと・・・・・・那珂、バージル!ヤバいの見付けたかも!」
バージルと那珂に小型カメラが見付かったと それを見せ、他にもあるかもしれないと3人で探すと、あちこちから同じカメラがゴロゴロと出てきた。
川内「あんな奴ストーカーするなんて信じらんないわ・・・どこがいいの?」
バージル「そのストーカーなら何か知ってるかもな」
こうしてカメラが出てきた事から、ストーカーが居たのは間違いではなかったという証拠だ。
部屋にカメラを仕掛け、ストーカーは麗歌のプライベートを全て見ていたはずだ。なら悪魔に狙われる理由に繋がる何かも、知っているかもしれない。
小型カメラを調べるため、3人は1度 鎮守府に戻るのだった。
次回も宜しく お願い致します!