Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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399話です!どうぞ!


Mission399 アイドル勝負~執着心の悪魔~

バージルに発破を掛けられた事により那珂は、桐谷 麗歌(きりたに れいか)に対してアイドルとは こうあるべきだと自分のアイドル道を説く。

しかし それが麗歌の逆鱗に触れたのか、自分もアイドルだと言うなら自分のライブに出て勝負しろと、那珂は麗歌のライブに強制的に出演させられる事になる。

どちらもレッスンに励み1日が終わろうとしたが、麗歌が悪魔に拐われた。

マネージャーにも麗歌が拐われた事を伝えたが その途中、彼は悪魔と入れ替わるように姿を消してしまい、再び戦闘となったが悪魔に逃げられた。

バージルと川内、那珂は麗歌の部屋を調べ、ストーカーが本当に居たという物的証拠を見付ける。

3人は見付けた小型カメラを調べるため、1度 鎮守府に戻るのだった。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 工廠 4月30日 13:32*

 

小型カメラを調べるよう夕張に預けたバージルと川内、那珂は、夕張に呼ばれて工廠に来ていた。

 

夕張「ダメ、何も分からない」

 

川内「分からないって、何か手懸かりとかないの?」

 

夕張「そもそも何でカメラ外して持ってきたの?!犯人がカメラの存在がバレたと気付くじゃない!」

 

小型カメラは信号を送り、受信した機器で映像として見る事ができる。

カメラの存在を知られた事に犯人が気付いたからか、カメラを起動しても受信機器が動いておらず、どこに信号を送っていたのかまでは突き止められなかった。

 

夕張「そのまま私を呼んでくれれば、その場で調べて突き止めてあげられたのに・・・」

 

那珂「そんな・・・じゃあストーカーを見付けられないってこと?」

 

夕張「別の方法はあるけど、かなり時間が掛かるし足で探す事になる」

 

方法としては、この小型カメラを取り扱ってる全ての店舗に赴き、販売データから購入者を割り出し、該当する人物の中から犯人を特定するしかない。それには時間が掛かり、人員も必要となってくる。

 

那珂「・・・皆に お願いする」

 

川内「皆って、皆は他の仕事や任務で手が空いてない状態なんだよ」

 

那珂「それでも お願いする!頭を下げて お願いする!必要なら土下座だってするよ!麗歌ちゃんを このままにできないもん!」

 

川内「・・・・・・なら、提督と加賀さんの所に行こう。2人に言えば、どうにかしてくれるかも」

 

1人1人に頭を下げて お願いしてる暇はない。ダンテと加賀に頼み了承してもらえれば、あの2人なら鎮守府の艦娘全てを動かす事も可能だ。

バージルと川内、那珂は、ダンテと加賀に話をするため執務室に向かう。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 13:51*

 

執務室にはダンテと加賀の他に、大淀も一緒だった。

話を聞いてダンテは不機嫌になり、加賀と大淀も困った顔をしていた。

 

ダンテ「バージル!お前はガキ1人の子守りもできねぇのか?!ボディーガードしてて まんまと拐われるって どんなボディーガードだ!」

 

バージル「すまなかったなぁ!邪魔が入って俺1人では手が足りん状況だったものでなぁ!」

 

川内「ちょっと喧嘩しに来たんじゃないんだってばぁ」

 

那珂「提督、加賀さん、お願いします!皆の手が必要なんです!こっちに人員を回してください!」

 

加賀「それは無理よ。全員が休む暇もない程スケジュールが入ってる状態で、どれも後回しにできない物ばかりなの」

 

大淀「2、3人なら融通は利かせられますが━━」

 

那珂「それじゃ間に合わない!!」

 

那珂は突然、土下座した。それを見て、ダンテと加賀、大淀は更に困ったように眉間に皺を寄せる。

 

那珂「麗歌ちゃんを助けるために、皆の手が必要なんです・・・!代わりに言われた事は何でもします・・・何でもするからぁ!!助けてください!!」

 

川内「那珂・・・」

 

ダンテ「・・・・・・はぁ・・・チッ、任務に出てる艦隊 全部 呼び戻せ。仕事に出てる奴もだ。非番の奴も、鎮守府に所属してる奴は全員だ」

 

加賀「いいの?後々 大変な事になるわよ?」

 

ダンテ「はぁ・・・それも いつもの事だし、もう どうにでもなれだ・・・」

 

加賀「全員を呼び戻すわ。大淀」

 

大淀「はい」

 

大淀は執務室から出ていき、全ての艦隊を呼び戻すため司令室に行き、加賀は その場に残り、仕事に出てる者や非番の者に片っ端から電話を掛ける。

 

川内「ヒュ~、提督 男前~♪」

 

ダンテ「茶化すなよ。泣かれたんじゃなぁ・・・」

 

バージル「お前にしては いい判断だな」

 

ダンテ「テメェは黙ってろ。元はと言えばテメェのせいだろ」

 

バージル「・・・何の事か分からんな」

 

ダンテ「殺すぞぉ・・・!」

 

那珂「提督、ありがとうございます・・・」

 

ダンテ「貸し1つにしといてやる」

 

ダンテの許可も出て その後は、ダンテと加賀、大淀、警備の任務がある憲兵以外の全員で、麗歌の部屋にあった小型カメラと同じ物を取り扱う街中の店舗を探し、手分けして向かう事になった。

オリーブ財団での権限は日本でも有効だったので、それを使い裁判所で捜査令状を出してもらい、向かった店舗で販売データのコピーを取るのも可能だった。

艦娘達は交代しながら徹夜で販売記録と監視カメラの映像、フェニックス財団が持つ犯罪者のデータを照らし合わせ、麗歌のストーカーの可能性がある人物の特定を急いだ。

 

 

・・・・・・

 

*会議室 5月3日 11:42*

 

4日が過ぎても犯人の特定には至っておらず、艦娘達は眠たい目を擦りながら交代で作業していた。

 

那珂「どうしよう・・・今日ライブの日なのに・・・」

 

麗歌が拐われた事は関係者の間にも伝わっていたはずだったのだが、何故かライブの中止発表は行われず、本日 決行となっていた。

ライブが中止とならないなら、それまでに麗歌を連れ戻す必要もあり、時間との勝負にもなっていた。

その時、青葉が悲鳴を上げた。

 

青葉「犯人 判っちゃったかも!」

 

人物の特定には、麗歌の仕事の関係者も対象としていた。すると ある店舗の監視カメラの映像に、麗歌のマネージャーが映っていた。

しかも小型カメラの販売記録の時間とも合致している。

 

衣笠「まさかマネージャーがストーカー?」

 

天龍「お~い、灯台下暗しってやつかぁ?」

 

那珂「何でマネージャーさんが・・・?」

 

川内「私と神通、天龍型で こいつの自宅に行ってくる」

 

神通「何か判れば すぐに連絡します」

 

那珂「お願い!」

 

4人は早速、マネージャーの自宅へと向かうため鎮守府から出発する。

 

 

・・・・・・

 

*マンション 13:20*

 

マネージャーの自宅マンションに着いた4人は、川内のピッキングで中に侵入していた。

一通り中を見たが、誰も居なかった。

何か麗歌の居場所に繋がる手懸かりが無いかと探してると、寝室を見ていた龍田がパソコンの前に丸められた紙を見付けた。

紙を広げると、それはドームの設計図だった。

 

龍田「皆、何か見付けた!」

 

天龍「おっ、何だ?」

 

川内「・・・何これ?」

 

龍田「これ、今日ライブがあるドームの設計図よ」

 

ライブを行う上で、マネージャーがステージも含めた見取り図を持っているのは まだ納得できる。だがドームその物の設計図を持ってるのは少し おかしい気がする。

 

神通「姉さん、もし誰かを拐って監禁するなら、どういう場所にしますか?」

 

川内「そりゃ・・・誰も寄り付かないような見付からない場所にするけど?」

 

神通「もしマネージャーさんと悪魔が繋がってて、ドームの あまり人が来ない場所に麗歌さんが監禁されてるとしたら?」

 

川内「えぇ?それ話が飛躍してない?」

 

神通「バージルさんと那珂ちゃんは、マネージャーさんが悪魔に殺されるところも拐われるところも見てません。全て彼の自作自演だとしたら?」

 

龍田「マネージャーならライブを中止せず決行するよう指示もできるし、監禁場所を決めるために設計図を持ってても おかしくないわね~」

 

川内「そう言われると、どんどん それっぽく思えてきた」

 

天龍は那珂に電話を掛け、麗歌がライブ会場となるドームに監禁されてる可能性を伝える。

Devil May Cry鎮守府はドームへと向かい、天龍型と川内、神通もドームへ向かうのだった。

 

 

*ドーム ボイラー室*

 

ドームの地下にあるボイラー室は、整備・点検がない時は あまり人が寄り付かない。それを狙ってか、そこで麗歌がパイプ椅子に縛られ監禁されていた。

ボイラー室の扉が開き、マネージャーが入ってきた。

 

麗歌「マネージャー!?」

 

マネージャー「麗歌ちゃん、何で こんな所に!?」

 

麗歌「知らないわよ!変な爬虫類に ここに連れてこられて縛られたの!それより これ外してよ!」

 

マネージャー「待ってて!」

 

マネージャーは麗歌を縛る縄を解き、麗歌は縛られていた腕が痛かったのか手首を擦っていた。

 

麗歌「それより ここ どこなの?」

 

マネージャー「君が今日ライブする予定のドームの地下だよ。見付かって良かった・・・」

 

麗歌「今日!?中止にしなかったの?」

 

マネージャー「したら君 怒るでしょ?」

 

麗歌「まぁね」

 

マネージャー「開演まで もう2時間を切ってる。準備できる?」

 

麗歌「分かった」

 

ライブを始めるための準備をするため、麗歌とマネージャーは共にボイラー室から出ていった。

 

 

・・・・・・

 

*会場 14:57*

 

ドームへと着いたDevil May Cry鎮守府の面々は麗歌とマネージャーを探して、客席と その他の場所に散って2人を探していた。

客席を歩きながら、ネロは全員に無線を繋げる。

 

ネロ「おい、見付かったか?」

 

摩耶『ダメだ、どこにも居ないぞ!』

 

足柄『こっちは地下を探してますが まだです』

 

次々と まだ見付かってない報告が入るのだが、漣と大潮、雪風、ホノルル4人からの報告が入らない。

 

ネロ「漣、大潮、雪風、ホノルル、そっちは ちゃんと探してるのか?」

 

大潮『売店のホットドッグは問題ありません!』

 

雪風『凄く美味しいです!』

 

漣『うまうまー!』

 

ネロ「・・・食ったら探せよ?」

 

ホノルル『はーい♪』

 

その頃ステージ裏では、麗歌とマネージャーがステージを見ながら話していた。

 

マネージャー「さぁ、もう時間だよ」

 

麗歌「えぇ」

 

ネロは1度 立ち止まり、客席を見渡す。

するとステージがライトアップされ、眩しく照らされる。

 

麗歌『皆、準備はいい?

 

麗歌がステージに現れ、客席の熱気も上がり、1曲目の歌に入り一気に騒がしくなる。

 

天龍『おい、何で あの女、ステージに居るんだ!?』

 

ネロ「分からない!だが彼女の無事は確認できた!俺達はマネージャーの方を探すぞ!」

 

那珂「どうして麗歌ちゃんが・・・?」

 

バージル「那珂、ステージ裏に行くぞ」

 

那珂「は、はい!」

 

マネージャーと悪魔が繋がり、拐われた麗歌がステージに居るなら、マネージャーは どこかで見てるはずだ。必ず麗歌の近くに居るはず。

バージルと那珂は、マネージャーを押さえるためにステージ裏へと急ぐ。

 

 

・・・・・・

 

那珂はステージ裏から麗歌を見ていた。

ステージ裏にマネージャーの姿は見当たらず、しかも一緒に来たはずのバージルも いつの間にか姿を消しており、那珂1人だった。

そしてライブ前半が終わり、小休止を挟んで麗歌がステージ裏へと戻ってくる。

 

那珂「麗歌ちゃん、何でライブに!?悪魔は!?」

 

麗歌「あら、逃げずに来たんだ」

 

那珂「え・・・?」

 

麗歌「私との勝負、忘れてないわよね?休憩の後、すぐ私と あなたの勝負だから準備しなさい」

 

那珂「そんな事より、どうやって悪魔から逃げたの!?」

 

麗歌「マネージャーが助けてくれたの。あんたらボディーガードって ほんと役に立たないわね」

 

那珂「そのマネージャーさんが、麗歌ちゃんのストーカーだったんだよ!」

 

麗歌「は?勝負に勝つために、そんな嘘で私を動揺させようって魂胆?」

 

那珂「違うよ、信じて!」

 

麗歌「あなたと話してるとイライラする。話し掛けないで」

 

那珂「麗歌ちゃん!」

 

那珂の話を一切 信じようとせず、彼女を押し退け麗歌は行ってしまった。

 

 

・・・・・・

 

ライブの後半が始まり、次の曲に入る前に麗歌のトークが始まる。

 

麗歌『実は今日、少し変わった事をしようと思ってるの。皆は ここに来た時に、2つのスイッチを渡されたでしょ?

 

そう言われ、客席は手元のスイッチを見ながらザワザワとし出す。来場客は皆 気になっていたようだが、未だに それが何なのかの説明は受けていなかった。

 

麗歌『普通に歌ってたんじゃ いつもと同じで つまらないし、今日は あるアイドルとライブ勝負をしようと思ってるの。皆にはスイッチを押して、私と その娘の歌、どっちがいいか投票してほしいんだ。じゃあ紹介するね。艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー!

 

麗歌を照らすのとは別のスポットライトが点き、ステージ上に那珂が無理矢理 立たされる事になる。

 

那珂「(ど、どうしよぉ・・・こんな事してる場合じゃないのに・・・)」

 

那珂がステージに現れたのは、客席を見て回っていた者達にも見えていた。

 

長門「おぉっ、うちの那珂がステージに居るぞ!遂にアイドルとして ここまで来たか」

 

陸奥「感慨深そうにしてる場合じゃないでしょ!悪魔もマネージャーも見付かってないし、あの勝負だって完全に那珂がアウェイじゃない!」

 

陸奥の言う通り、麗歌の歌を聴きに来ていたファンは那珂が現れ、誰だ誰だとザワザワしていた。アイドルとしての那珂の活動の殆んどは鎮守府内での話で、世間で認知されてないのは仕方のない事だった。

麗歌のファンの冷たい視線は、那珂に このステージに立つのが苦痛と思わせるには充分なものだった。

 

麗歌『じゃあ最初の勝負は、この曲ね☆皆も投票よろしくー!

 

麗歌が先行を取り、最初の曲はポップで、聴けば誰もが元気になれそうな曲だった。

 

 

・・・・・・

 

麗歌の番が終わり、後攻の那珂の出番が回ってくる。

だが那珂の顔は、今にも死にそうなほど冷や汗が流れていた。

すると『恋の2―4―11』のイントロが掛かり、那珂が歌い始める。だが那珂の声は上擦り、声も出ておらず客席からブーイングが飛び交う。

 

香取「那珂ちゃん、何してるの!?私とのボイストレーニングを思い出しなさい!」

 

香取は客席を移動しながら那珂の歌を聴き焦っていたが、那珂の調子が戻る事はなかった。

 

 

・・・・・・

 

麗歌『じゃあ皆、最初の投票よろしくー☆

 

互いに1曲目が終わり、客席に居る者達が手元のスイッチを押していく。

ステージ上にある演出用の巨大モニターには、那珂と麗歌の投票数が表示され、那珂がボロ負けしていた。

麗歌のターンが回り、次は曲の合間にラップの歌詞が挟む激しい曲だった。

プロのラッパーでも難しいと評される高速ラップを、麗歌は詰まる事なく弾丸のように口から紡ぐ。それもあり会場は一気に盛り上がり、熱気は最高潮となる。

 

北上「こんなの公開処刑じゃん・・・」

 

熊野「なんて酷い事を・・・」

 

ここに来てる客は、全て麗歌のファンだ。どう考えても那珂が不利と分かっていながら彼女を この勝負に引き摺り出した麗歌に、艦娘達は怒りが湧いていた。

 

 

・・・・・・

 

那珂のターンが回ってきたが、那珂は もう、少しも歌えなくなっていた。足も震えている。

いつまでも2曲目に入ろうとしない那珂に、麗歌は勝ち誇ったように笑っていた。

 

麗歌「どうしたの?歌わないの?」

 

那珂「・・・・・・・・・」

 

麗歌「じゃあ私の勝ちかしらね」

 

麗歌の不戦勝で終わりそうな流れだったが、その流れを ぶち壊そうとする声が客席から響いてきた。

 

『N・A・K・A・那・珂・ちゃん!!L・O・V・E・那・珂・ちゃん!!』

 

そこには、那珂から浮気して麗歌のライブに遊びに来ていた憲兵隊50人が叫んでいた。

Devil May Cry鎮守府の面々は、何で お前らが居るんだと怪訝な顔をしていたのだが、唯一 知ってた摩耶だけは顔色を変えていなかった。

 

摩耶「おぉ、やっぱり あいつら来てたのか」

 

利根「何で あ奴らが居るんじゃ・・・?」

 

摩耶「あいつら『那珂ファンクラブ』しながら、今じゃ『麗歌たん親衛隊』もやってるからな」

 

川内『は?』

 

問題なのは、摩耶が言った事が無線を通じて川内に聞かれていた事だ。

 

川内『あいつら那珂のこと裏切ったの?・・・これ終わったら全員 殺る。絶対 殺す』

 

摩耶「落ち着け。また『那珂ファンクラブ』に戻って那珂 応援してる」

 

川内『・・・・・・許す』

 

利根「(許すの早くはないか・・・?)」

 

憲兵隊の応援は、遠くても那珂に届いていた。那珂の顔にも、少し笑顔が戻る。

 

那珂「(そうだよ・・・那珂ちゃんは艦隊のアイドル。皆を笑顔にするのが お仕事。那珂ちゃんが それを忘れてたらダメだよ!)那珂ちゃんセンター、1番の見せ場です!」

 

麗歌「は?」

 

那珂『皆ー!行っくよー!☆

 

那珂の掛け声に、憲兵隊は彼女をイメージした橙色の法被を着て、頭に鉢巻、両手にサイリウムを装備する。

『初恋!水雷戦隊』が掛かると那珂が快調に歌い出し、憲兵隊はヲタ芸を披露しながら激しく動き、那珂を応援する。

 

注)隣の人に当たらないよう、ご注意ください。

 

憲兵隊を見て、麗歌のファンは小バカにするように笑ったりドン引きし、麗歌自身も怒りで彼らを睨んでいた。

 

麗歌「(あいつら、私のライブでヲタ芸なんかしてんじゃないわよ・・・!それに あの娘・・・!)」

 

さっきまでとは別人のように、軽快に元気良く歌う那珂に麗歌は驚いていた。

しかも変化は それだけではない。

 

ファン「あれ?この曲・・・ちょっとノリがいいかも」

 

ファン「だよなぁ?俺、この曲 好きかも」

 

麗歌のファンの中から、リズムに乗るように身体を揺らし、手に持つサイリウムを控え目に振り出す者が出てきたのだ。

 

麗歌「(ちょっと、これ どういう事よ!?)」

 

自分のファンが那珂に傾き始め、これには麗歌も 動揺する。

そのステージ上での様子を、真上にある照明の取り付け・整備をする足場から悪魔が見下ろしていた。

 

悪魔『お前のアイドル人生は今日で終わりだ・・・麗歌ぁ・・・!

 

?「そうはさせん」

 

悪魔が顔を上げると、同じように足場の上にバージルが立っていた。

 

悪魔『また お前か

 

バージル「貴様こそ何のつもりだ?マネージャー」

 

バージルが悪魔の正体がマネージャーであると指摘すると、悪魔の姿がマネージャーへと変わった。

 

マネージャー「なぜ判った?」

 

バージル「最初は確証はなかった。だが貴様こそが麗歌のストーカーであると判ったのが決定打となった」

 

最初はバージルも、ただの偶然である可能性を捨てきれなかった。

麗歌を狙ってるのはストーカーという話だったが、ボディーガードを始めてから麗歌に何かしらのアクションを起こすのは、決まって悪魔だった。

共に行動していた那珂が気付いていたか不明だが、悪魔が麗歌を狙って現れる時、その前に必ずマネージャーが姿を消していた。

悪魔とストーカーとの間に何かしらの繋がりがある可能性と、ストーカーの正体がマネージャーであると判明した事で、マネージャーこそが麗歌を狙う悪魔だと結論に至った。

悪魔とストーカーが別々の存在である可能性も勿論 考えられたが、それなら悪魔が現れる前にマネージャーが姿を消す必要はない。そこで結託してるなら、自分には危害は加えられないと分かってて逃げる必要もないのだから。

 

バージル「マネージャーでありながら、なぜ麗歌の邪魔をする?」

 

マネージャー「決まってるだろ。麗歌を私の物にするためだ!」

 

バージル「何?」

 

マネージャー「麗歌は皆のアイドルだ。アイドルである限り、私の物にはならない!」

 

バージル「・・・麗歌への執着心に、悪魔が取り憑いたか」

 

マネージャー「だから・・・」

 

そのタイミングで、那珂の出番が終わり投票に入る。投票数は両者 同数となり、引き分けとなる。

麗歌が3曲目に入ろうとスタンバイするのと同時に、マネージャーはスーツの内ポケットから何かのスイッチを取り出した。

 

マネージャー「最高の形でアイドル人生を終わらせてやるんだよぉ!」

 

マネージャーがスイッチを押した瞬間、会場全体に録音音声が流れる。それは麗歌の声で、耳を塞ぎたくなるような罵詈雑言や、ファンを貶めるような発言の数々だった。

 

麗歌「ちょっと・・・何よ これ・・・?何なのよ!?」

 

那珂「れ、麗歌ちゃん・・・」

 

ネロ「いったい何が起きてるんだ!?」




次回も宜しく お願い致します!
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