すみません、今回ちょっと茶番がありますが、お付き合いいただけたらと思います。
400話です!どうぞ!
悪魔に拐われた
何故かライブが中止にされないため、それまでに麗歌を探し出さなければならならず、時間との勝負だった。
ライブ当日、麗歌を捜索する中で、麗歌のストーカーの正体が彼女のマネージャーである事が判明する。
天龍型と川内、神通がマネージャーの自宅に行くと、彼の部屋にライブ会場となるドームの設計図があった。
麗歌を狙うのが決まって悪魔だった事から、悪魔とストーカーに関わりがある可能性があり、Devil May Cry鎮守府の面々は急ぎドームへと向かった。
ストーカーの正体がマネージャーであると知らない麗歌は、監禁されていたボイラー室でマネージャーに解放され、ライブに向けてのリハーサルに向かう。
ライブ会場に着いたDevil May Cry鎮守府の面々は、麗歌とマネージャー2人を探して回るが、ライブの時間になり、ステージ上に麗歌が現れ驚く。
彼女の無事は確認できたため、ネロ達はストーカーの犯人であるマネージャーを探す事に集中する。
一方 那珂は、麗歌に強制されステージに上がる事になり、そこでアイドルとして どちらが評価されるか勝負させられる。
その様子を真上にある照明器具の取り付け・整備の足場から、悪魔が麗歌を狙っていた。
そこにバージルが現れ、悪魔の正体がマネージャーであると指摘すると、悪魔の姿がマネージャーへと変わる。
そしてマネージャーが取り出したスイッチを押すと、会場全体に録音音声が流れ、麗歌の声で耳を塞ぎたくなるような罵詈雑言や、ファンを貶める言葉の数々が流れるのだった。
*ドーム 5月3日 17:30*
麗歌「ちょっと・・・何よ これ・・・?何なのよ!?」
那珂「れ、麗歌ちゃん・・・」
ネロ「いったい何が起きてるんだ!?」
いきなり流れた口汚く罵る音声に麗歌は狼狽え、那珂は心配そうに彼女に視線を向け、Devil May Cry鎮守府の面々も何事かと驚く。
会場に来ていた麗歌のファンも突然の事にザワザワとし始める。
確かなのは、その音声が紛れもなく麗歌の声だという事だ。
これにはファンも驚いただろう。何故なら、今まで麗歌は偽りの人物を演じてきたのだから。
そして そんな様子を見ながら、マネージャーが勝ち誇ったように高笑いをしていた。
マネージャー「これでアイドル桐谷 麗歌は地に堕ちた!そして2度と、再起できないようにすれば この茶番も終わりだ!」
マネージャーの姿が再びカメレオンの悪魔の姿に変わり、麗歌の真上にある照明を破壊して落下させようとする。
それをベオウルフを装備したバージルが素早く接近して阻止すると、悪魔を連れて戦いの場を移す。
音声が止まり、会場は静まり返っていた。
麗歌のファンは彼女に、本当なのかと疑いの目を向ける者や、失望した目を向けていた。
麗歌「ち、違う・・・違うの・・・」
那珂「麗歌ちゃん・・・っ」
那珂は、会場中に散らばってる艦娘達に無線を繋げた。麗歌に向けられるヘイトを、即興で更に迅速に打ち消すために。
那珂の頼みを聞いた艦娘達は すぐに話し合い、どうするか決めたのだが、すぐに行動に移す者やパニックになる者と様々だった。
北上『照明は球磨型でやるわぁ』
夕張『音響は私が!』
瑞鶴『マジで言ってる!?マジで言ってる!?』
武蔵『またアレをやるのか・・・』
長門『今度は そっち側か・・・むぅ、私は ちょっと不満だ』
大和『何で私まで・・・』
陸奥『やりたくない、やりたくない、やりたくない・・・!』
ネロ『いいから大和達も行ってくれ!』
那珂「(ごめんね皆・・・)」
照明と音響機材を球磨型と夕張がスタッフを押し退け乗っ取り、ステージの照明が いきなり落とされる。
そしてステージ上にスポットライトが照らされると、紙で作った目元だけを隠す仮面をした4人の少女が、マイクを持って立っていた。
注)少しの間、茶番に お付き合いください。
長門『はぁーっはっはっはっはっはっはっはっ!!我々は悪の秘密結社、『魔界仮面』!私は長門仮面だ!』
武蔵「・・・・・・あっ、次 私か?武蔵仮面!』
大和『や、大和仮面・・・///////』
長門「声が小さい!」
大和『大和仮面!!///////』
長門「うるさい!」
大和「どっち!?」
マイクを通して叫んだため、滅茶苦茶うるさかった。
陸奥『む、陸奥仮面ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ・・・!///////』
長門『我々は悪の限りを尽くすため、手始めに桐谷 麗歌のライブを壊すために来た!そのために、合成した嘘の音声を流したのだ!どうだ、驚いただろー!』
麗歌「・・・・・・へ?」
突然の意味不明な連中が現れ、麗歌と彼女のファンは付いていけず唖然とし、変な空気になる。
それをフォローするように、那珂がマイクで喋り出す。
那珂『そんな!?このままじゃ、麗歌ちゃんのライブが壊されちゃう!』
?『そうはさせないわ!』
長門『むっ、誰だ?!』
新たな登場人物の声がし、スポットライトが照らされると、次は5人組の少女達が現れた。
瑞鶴『瑞鶴レッド!』(元ブラックで赤城の代理)
葛城『葛城ブルー!』(前回 不参加で加賀の代理)
蒼龍『蒼龍グリーン!』
飛龍『飛龍イエロー!』
翔鶴『翔鶴ホワイトォ~!///////』
瑞鶴『空母戦隊!』
『
ショクスンジャーが決め台詞と決めポーズをした直後、葛城以外が慌てて後ろを振り返って身構える。前回ショクスンジャーをやった時、演出にて背後で爆発が起きたので、ちょっとしたトラウマになっていた。
那珂『麗歌ちゃんのライブを守るために、ショクスンジャーが来てくれたよー!』
長門『出たなショクスンジャー!レッドとブルーが変わってる理由を、良い子と悪い子の皆に説明しなくていいのか?!』
飛龍『前のレッドは大人の事情で来れないのよ!』
蒼龍『前のブルーは書類仕事 忙しくて来れないのよ!』
葛城「それ、わざわざ言う必要あります?」
瑞鶴『魔界仮面!桐谷 麗歌のライブは壊させないわ!』
長門『何を言うか!掛かってこい!』
瑞鶴『皆、行くわよ!』
『『『おう!』』』
翔鶴『お、お~う・・・///////』
適当に暴力で解決し、負けた魔界仮面の4人は逃げるようにステージから退場し、勝ったショクスンジャーも恥ずかしそうにしながら さっさと退場した。
那珂『ありがとー、ショクスンジャー!ショクスンジャーの お陰で、麗歌ちゃんのライブが守られたね!きゃは☆』
色んな意味で麗歌のライブを守るため、こうしてDevil May Cry鎮守府は、また新たな黒歴史の1ページを刻むのだった。
ただ、麗歌は終始 困惑していた。
麗歌「えっと・・・」
那珂「ほら麗歌ちゃん、話を合わせて」
麗歌『えっと・・・実は今日のライブは、シークレットで ご当地ヒーローとコラボしてみました~。み、皆さん どうでしたか?』
麗歌のファンは、なんだ そうだったのかと安心したり、いきなり子供向けの寸劇が始まったので納得して笑ったりしていた。これで、あの音声が嘘だと信じ込んだはずだ。
ただ、麗歌には分からなかった。なぜ那珂を含めDevil May Cry鎮守府が、あんな寸劇をしてまで自分を守ろうとしたのか。
麗歌「どうして私を助けたの?あのまま何もせず、ファンのヘイトを私に向けさせれば私を潰せたのに」
那珂「そんな事できないよ。だって麗歌ちゃん、本当は優しい人だもん」
麗歌「何を・・・言ってるの・・・?」
麗歌は、那珂の言ってる事を理解できなかった。流された音声は本当に自分が言っていた事だったし、那珂にも酷い事を言った自覚はあり、ステージ上で彼女に恥を掻かせようともした。それなのに、自分を優しいと言える那珂が理解できなかった。
だが、那珂が そう言うのは確固たる理由があった。
那珂「麗歌ちゃんがアイドルをしてる本当の理由は、お母さんの眼を治すためなんでしょ?」
“じゃあ麗歌ちゃんは、何でアイドルやってるの?”
“・・・・・・そんなの、お金のために決まってるでしょ”
那珂「だから あんな風に言ってたんだね」
麗歌「どうして・・・どうして知ってるの・・・!?」
那珂「私の仲間には、頼れる情報通が1人 居るから」
麗歌が悪魔に狙われる理由を探るため、バージルと川内、那珂は彼女の自宅へと侵入した。
その時にバージルは、眼に関する沢山の医学書が棚に収められてるのを見ていた。
青葉に調べてもらうと、麗歌の母親は失明して眼が見えないそうで、日本では手術しても治らないとの事だった。
恐らく麗歌がアイドルをし、お金のためだと言っていたのも、自宅に眼に関する医学書があったのも全ては、母の眼を治すためだったのだろう。
那珂「それで実は・・・麗歌ちゃんの お母さんにも会ってきちゃった」
麗歌「はぁ!?」
・・・・・・
*病院 5月2日 14:27*
前日の事だった。
那珂は、自分と麗歌のアイドルというものに対しての価値観の違いや、麗歌が どうして あそこまで冷たく物事を考えながらアイドルをしてるのか、そのルーツを知るために彼女の母親が居る病院へと足を運んだ。
ナースセンターで病室の部屋番号を聞き、那珂は その病室へと向かった。
病室へ入ると、目に包帯を巻いてる女性が居て、その人が麗歌の母親であると すぐに判った。
那珂は少し緊張しながらも、彼女のベッドへと近付く。
那珂「あの・・・桐谷 麗歌ちゃんの お母さんですか?」
母親「・・・あなたは?」
那珂は自分の事を どう言おうか迷った。
艦娘だと言えば、どうして娘を知ってる海軍が自分を訪ねてきたのだろうと不安にさせてしまうかもしれない。
ボディーガードと言っても、娘に何かあったのかと心配するかもしれない。
そして那珂は、ちょっとした嘘を吐く事にした。
那珂「と、友達です!那珂ちゃんって言います!」
母親「そう、那珂さんと言うのね。でも病院では静かにね」
那珂「あ、すみません・・・」
注意され、那珂はバツが悪そうに謝罪し、麗歌の母親はイタズラっぽく小さく笑っていた。
母親「どうして お友達が、私を訪ねに?」
那珂「あの、麗歌ちゃんの事で訊きたい事があって・・・」
那珂は、麗歌がアイドルをしながら何をしていたか、自分に言った事を話した上で、なぜ麗歌はアイドルの道へ進んだのか訊いた。
那珂は麗歌の事を聞いた母親が、包帯で目元が隠れていても どこか納得したような、寂しそうな表情をしてるのは判った。
母親「そう・・・あの子が そんな事を・・・」
那珂「私もアイドルしてて、でも麗歌ちゃんが どうして あんな風に考えてるのか分からなくて・・・。お母さんなら何か知りませんか?」
母親「全て、私のせいなんです・・・」
それから麗歌の母親は、麗歌と自分達 家族の話をポツポツと話してくれた。
麗歌は小さい頃から歌が好きだった。暇があれば ずっと歌ってるような子だった。
小さい頃にアイドルになる夢も持っていたが、母親の自分としては芸能界という厳しい世界でやっていけるものか疑問で、子供の可愛い夢だと思って あまり本気にはしてなかった。
だが麗歌が高校3年生の時、麗歌がアイドルになると言い出した。それを本気で言ってるのは、本人の顔を見て母親には分かった。
だが母親は、アイドルになる事を反対した。理由は娘が そんな厳しい世界でやっていけるか不安もあり、現実的ではないと思ったから。
父親は仕事で家に居なかったため、その時 麗歌がアイドルになりたいと聞いたのは母親だけだった。
母親に反対され、なぜ駄目なのかと激怒した麗歌と口論になり、それが掴み合いにまで発展し、麗歌に突き飛ばされた母親が倒れた拍子に失明する事態が起きてしまった。
眼は手術で治るが、日本の医療技術では治療は不可能で、海外の大きい病院でないと手術はできず、当然ながら莫大な治療費も必要だった。しかし父親は町工場で働いており、特別 給料も良かった訳ではなかったため、そんな大金を いきなりポーンと出すのは無理だった。
そのまま月日が流れた ある日、麗歌は両親に何も言わずアイドルとしてデビューした。元々 歌が上手かった事もあってか、世間に周知されるのも それほど時間は掛からなかった。
母親「あの子が そんな事を言うのは、きっと私の眼を治すためなんだと思います。でも あの子は、ファンを蔑ろにするような子じゃない。だって本当の あの子は、純粋に歌が好きで優しい子だから・・・」
母親は、失明したのは単なる事故だと思っていた。麗歌のせいじゃないと言いたかったが、あの日から麗歌は自分と話そうとせず、デビューしてからは忙しいのか殆んど会う事も少なくなり、それを伝える機会もなくズルズルと今日まで来てしまった。
那珂「教えてくれて、ありがとうございます。それを聞けて、麗歌ちゃんが何を考えてるのか少し理解できた気がします」
母親「どうして、そこまで麗歌の事を?」
那珂「麗歌ちゃんを助けたい。ただ それだけです」
那珂は改めて お礼を言い、病室を出ていこうとするが、麗歌の母親に呼び止められた。
母親「
母親は深く頭を下げたが、那珂は母親の言葉に驚いていた。
那珂「艦娘だって気付いてたんですか!?」
母親「あなたの声は、前に聞いた事があるの。実は結婚するまで海軍に居て、“那珂”さんと聞いて もしかしてと思ったの」
まさか母親が海軍に所属していた経歴を持っていたとは知らず、那珂は驚き放心していたが、母親は またイタズラっぽく小さく笑っていた。
・・・・・・
*現在 ドーム 5月3日 18:00*
那珂から話を聞いた麗歌は驚き、言葉が出ない様子だったが、その顔が すぐに怒りの表情に変わる。
麗歌「何で勝手に お母さんに会ったのよ?!」
那珂「麗歌ちゃんを少しでも理解したかったからだよ!」
麗歌「っ・・・!?」
那珂「今の麗歌ちゃん、アイドルしてて凄く辛そうだよ。そんな風にアイドルしてても、誰も笑顔になんかできないよ。それに、お母さん言ってたよ」
“私のためなんかじゃなく、麗歌には自分のために好きな事をやってほしい”
那珂「本当は麗歌ちゃん、歌が好きなんでしょ?アイドルしてるの好きなんでしょ?」
麗歌「べ、別に、私はアイドルなんて・・・!」
那珂「そんな気持ちで歌を歌ってて、麗歌ちゃんは楽しいの?」
麗歌「っ・・・!」
那珂「アイドルは、皆を笑顔にする お仕事。そんなんじゃ、麗歌ちゃんの お母さんは笑顔になれないよ・・・」
麗歌は頭の中で様々な考えがグルグルと駆け回ってるのか、俯き沈黙してしまった。
しばらくして、彼女は鋭い目を那珂に向ける。
麗歌「もう この話は終わり。あなたとの勝負は まだ終わった訳じゃない!」
那珂「負けないよ!今の麗歌ちゃんに、アイドルとして負ける気がしないから!」
麗歌はスタンバイし、3曲目へと入り歌い始める。
*ドーム前*
ライブ会場の外へと移したバージルの戦いは、まだ続いていた。
カメレオンの悪魔が姿を消し、見えない相手からの攻撃を受けてバージルは吹き飛び、地面を転がる。
バージルは閻魔刀を構え直し、悪魔が次に どこから来るのか待ち構える。
その戦いの様子を、川内と神通が物陰に隠れながら見ていた。
悪魔『何度 立ち上がろうと、私の居場所が分からない お前に私は倒せないぞ!』
バージル「調子に乗っていられるのも今の内だと知れ」
悪魔『それは お前の方だ!』
悪魔の声がしなくなり、大まかな位置さえ判らなくなる。
悪魔はバージルの背後から奇襲しようと飛び掛かるが、バージルが自分の周囲に『円陣幻影剣』を配置した事で それに斬られ、自ら刃に飛び込んでダメージを受けた事で悪魔の透明化が解除される。
更にバージルが振り返り、閻魔刀で数撃の斬撃を入れて追撃を仕掛ける。
悪魔『馬鹿な!?俺の姿は見えていないはずなのに・・・!』
バージル「言ったはずだ。“調子に乗っていられるのも今の内”だとな」
悪魔『お前のせいで全てが台無しだ!こうなったら・・・!』
悪魔は また姿を消そうとしたが、悪魔の頭上に砲弾が撃たれ、それが弾けるとピンク色の塗料が ぶち撒けられた。
悪魔は姿を消すが、空中で塗料が不自然に浮いてるように見える場所があり、それは逃げるようにバージルから離れていく。
バージル「もう逃がしはしないぞ」
バージルは瞬間移動して逃げる塗料の前に先回りすると、閻魔刀で重い一撃を入れて吹き飛ばす。
悪魔は地面に倒れた格好で、透明化が解除される。
悪魔『ど、どうして、どうして私の居場所が判る!?』
川内「自分の身体 見てみなよ」
物陰から川内と神通が現れ そう指摘され、悪魔は自分の身体の一部がピンク色に染まってるのを見て驚いた。
悪魔『な、何だ これは!?』
Devil May Cry鎮守府は、麗歌を探すのと平行して姿を消す悪魔への対抗策も講じていた。
それにより、悪魔が次に現れた時は姿を消しても見えるようにするため、悪魔が隙を見せた時にペイント弾を命中させるという事が予め決まっていた。
悪魔は自分の手で塗料を拭き去ろうとするが、そんな事で落ちるはずもなかった。
神通「それは夕張さんが改良した塗料です。何をしようと、そう簡単に落ちる物ではありません」
悪魔は情けない悲鳴を上げながら立ち上がり逃げようとするが、それを許さないと言わんばかりにバージルが背後から迫る。
悪魔が後ろを振り返ると、バージルが刺突するように閻魔刀を突き出す。
人の姿をしたマネージャーが地面に倒れ、悪魔は顔面を閻魔刀に貫かれピクピクと痙攣していた。
バージルは閻魔刀の力でマネージャーと悪魔を切り離し、悪魔だけを刺し貫いていた。
そして悪魔は、塵となって消滅した。
・・・・・・
*ドーム 18:27*
バージルと川内、神通が会場に戻ると、丁度 麗歌のターンが終わり那珂の最後のターンとなっていた。
すると、『華の二水戦』が掛かり那珂が歌い始める。
『華の二水戦』は本来、川内型が3パートに分けて歌う曲なのだが、今回は川内と神通のパートも那珂1人で歌っていた。
川内「(そうだよ那珂。私達 川内型は、何があっても引き下がらない。相手の土俵だろうと、あんたなら絶対 勝てるよ)」
神通「(那珂ちゃん、あなたの想いを、麗歌さんに伝えてあげてください)」
ステージ上では那珂の歌を聞きながら、麗歌はアイドルになりたかった本当の理由と今の自分の事を、そして母親の事を考えていた。
そして彼女の頬には、一筋の涙が伝っていた。
・・・・・・
那珂の歌が終わり投票に入り、巨大モニターに票数が表示されるのだが、それを見て那珂は愕然とし、麗歌は つまらなさそうにモニターを見詰め、客席は静まり返っていた。投票数は、2ポイント差で那珂が負けていた。
那珂「そんな・・・」
麗歌「・・・これで決着ね」
だが結果は、それで終わった訳ではなかった。那珂の方の票数が いきなり、3ポイント増えたのだ。それにより、1ポイント差で那珂が勝ち星を得る。
これで総合結果は、1勝1敗1分けとなり、両者 引き分けとなった。
会場の1番 後ろでは、鎮守府に残っていたはずのダンテと加賀、大淀がスイッチを持ってステージを見ていた。
加賀「私達のせいで那珂が勝ったわね」
大淀「何だか不正してるみたいになっちゃいましたね。いいんでしょうか?」
ダンテ「いいと思った方に入れただけだ、何も悪くねぇ」
大淀「でも加賀さん、ショクスンジャーできなくて残念でしたね」
加賀「別に残念ではないわ」
実は3人は、魔界仮面がステージに現れた辺りで会場に来て見ていたため、ショクスンジャーが出てくるのも しっかり見ていた。
加賀は自分が忙しかった お陰でショクスンジャーをやらずに済み、心の中で嬉し涙を流しながら心の底から喜んでいた。顔には出さないが・・・。
ステージの上では、那珂が苦笑いを浮かべながら頭をポリポリと掻き、麗歌に顔を向けていた。
那珂「あ、あはは・・・引き分けになっちゃったね」
麗歌「いいえ、私の敗けよ・・・」
那珂「えっ、何で!?」
麗歌「現役のプロが、本当にアイドルか怪しい人と引き分けたんだもの。そんなの敗けと同じよ・・・」
那珂「麗歌ちゃん、ちゃっかり悪口 言うのやめて・・・」
麗歌「アイドルは皆を笑顔にする お仕事・・・あなたは実力で それを証明した。ほら、見て」
麗歌に促され、那珂は客席を見た。
客席からは声援や歓声が上がり、大いに盛り上がっていた。客席の どこを見ても、皆が笑顔だった。
麗歌「あなたの お陰で気付かされた。お母さんの眼を治したかったのは本当だけど、それを理由にアイドルとしての道を踏み外して、歌を楽しめてなかった・・・」
那珂「麗歌ちゃん・・・」
麗歌「私、一から やり直そうと思う。ちゃんとアイドルとしての仕事やファンに・・・家族とも ちゃんと向き合おうと思う」
那珂「うん!」
麗歌「那珂ちゃん、私の歌 歌える?」
那珂「えっ?毎日 聴いてたから歌詞は覚えてるけど・・・」
麗歌「じゃあ残りのプログラム、一緒に歌おう!」
那珂「えぇーっ!?」
麗歌『皆ー!次は那珂ちゃんと歌うから最後まで楽しんでいってねー!』
那珂「えぇーっ!?」
そしてライブは、那珂と麗歌が即興でデュエットする事にもなり、最後まで盛り上がりを見せるのだった。
マネージャーはストーカーの証拠と一緒に警察に突き出され、逮捕された。
犯行も認めており、麗歌を好きになりストーカーを始め、ストーカーをしてる内に彼女がアイドルである限り一生 一緒にはなれないと考えるようになった。
アイドルを辞めざるを得ない状況に追い込み、落ち込む彼女を慰め自分が心の拠り所になれば、結婚できると思い犯行に及んだと供述した。
どちらにしても一緒にはなれなかったのだから、皮肉な話である。
Devil May Cry鎮守府にボディーガードを依頼するのは不都合だったはずだが、会社の意向でもありマネージャーの自分が渋ると不自然なため、仕方なくマネージャーとしての仮面を被り依頼する流れになったらしい。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室 5月7日 10:31*
那珂はダンテに呼ばれて執務室に行くと、加賀と大淀も居たのだが、ダンテはアタッシュケースに入った札束を見ていた。
那珂「提督、那珂ちゃんのこと呼びました?」
そう訊かれると、ダンテはアタッシュケースを閉じて それを那珂に差し出した。
ダンテ「こいつは お前の物だ」
那珂「えっ!?こんな大金、何で那珂ちゃんに・・・!?」
ダンテ「この前のボディーガードの報酬だ。好きに使え」
那珂「で、でも・・・・・・ほ、本当に、いいんですか?」
ダンテ「好きにしろって言ったろ。昼寝の邪魔だから それ持って さっさと出てけ」
那珂「・・・・・・ありがとうございます!」
那珂はアタッシュケースを持って、嬉しそうに執務室から飛び出していった。
それを見送った加賀と大淀は、ダンテを見ながら微かに笑みを浮かべていた。
加賀「あなたにしては優しいわね」
大淀「好きにしろって言いながら、那珂ちゃんが あの お金を どう使うか分かってて渡したんですよね?」
ダンテ「・・・うるさい、昼寝の邪魔だ」
ダンテは那珂が あの お金を どう使うかは お見通しで、それには大金が掛かるのも知っていた。
だから麗歌が所属する芸能プロダクションに、ボディーガードの報酬を経費だ何だと言って高額請求しまくり、絞り取れるだけ絞り取っていた。
那珂は その大金を持って麗歌に会いに行き、それを彼女に渡した。母親の眼を治すために使ってくれと。
勿論 麗歌は断ったが、那珂の押しに負けて無理矢理 受け取らされた。
*街*
ボディーガードの報酬を那珂に全部 持っていかれたため、バージルは また艦娘の紹介でアルバイトをしていた。
今度は金剛の紹介で喫茶店で働いていたのだが・・・
店長「クビだぁー!!」
バージル「こんな店、こっちから辞めてくれるわ!」
金剛「ちょっとバージル!?」
やっぱり初日でクビになり、バージルの代わりに金剛が謝る事になってしまっていた。
バージル「やはり凡人には、俺の価値が分からんのだ」
不機嫌そうに歩いていくバージルの様子を、遠目から川内と神通、間宮が見ていた。
川内「まぁ、バージルが そう簡単に変わるはずないよね」
神通「はぁ・・・」
間宮「(うぅ~、助けてあげたい・・・!)」
そして後日、那珂に見送られながら麗歌は、両親と共に海外へ渡航した。母の眼を手術するために。
次回も宜しく お願い致します!