Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

401話です!どうぞ!


Mission401 エクストリーム~麻薬の流通を止めよ~

*アメリカ・マイアミ ナイトクラブ 5月10日 23:38*

 

マイアミにあるロシアマフィアが経営するナイトクラブで、大音量で掛かる音楽に合わせながら大勢の若者が踊り狂っていた。

そんな中で1人の青年が痙攣を起こし、低いテーブルの上に倒れた。痙攣は更に激しくなり、口からは泡を吹いている。

周りで踊っていた若者達は、急に どうしたんだと驚き、様子を見てるだけで助けようともしない。

すると2階にある事務所で、マフィアのボスでナイトクラブのオーナーでもある『アレクセイ・アニシン』の部下の1人が、騒ぎに気付く。

 

男「おい、また誰か死にかけてるぞ」

 

部下の言葉に、アレクセイはガラス張りの事務所の床から下の様子を見ると、部下達に店の外に放り出せと指示する。

 

アレクセイ「薬中のガキが・・・俺の店で勝手に死にやがって」

 

アレクセイは、キューバ系の麻薬カルテルから買い取った『エクストリーム』と呼ばれる錠剤タイプの麻薬を、自分の店で客に売り捌いていた。

エクストリームは現在マイアミの若者の間で拡がっており、それを摂取したのが原因で多くの死者が出ている事から、マイアミ市警のTNT(戦略麻薬捜査班)もエクストリームの摘発に躍起になっていた。

泡を吹いて痙攣していた青年は どこかの裏路地へと捨てられ、助けてもらう事もできず命を落とした。

 

 

*エバーグレーズ国立公園*

 

同じ頃エバーグレーズ国立公園では、白い頭巾をした謎の宗教団体が、桟橋で人目を盗んで会合をしていた。

そこから離れた場所で、フェニックス財団の特殊部隊が川をボートで移動しながら、静かに会合の場所へと向かっていた。

フェニックス財団は破壊された設備を復旧させ、任務に戻っていた。フェニックス財団も、エクストリームをアメリカに持ち込む麻薬組織の手懸かりを追っていた。

特殊部隊を率いる刹那(せつな)は、宗教団体が灯す篝火を目視で確認して動きを止める。

 

刹那「合図があるまで待機する」

 

会合場所の桟橋に、1隻のボートが来た。

信者達が積み荷を順番に受け取っていくと、ボートは引き返し どこかに行ってしまった。

信者達は積み荷を開け、中で小分けにされた袋を手に取る。

その瞬間、2人の信者が頭巾を脱ぎ捨て、呉提督と(たける)が現れた。

 

呉「動くなクソ野郎共ぉ!!」

 

呉提督が2丁銃、健が1丁の銃を向けて威嚇するが、信者の1人が銃を向けてきた。

 

信者「そっちこそ銃を捨てろ!」

 

呉「何よ、やる気?」

 

健「やめといた方がいい。近くに部隊が待機してる。勝ち目はない」

 

信者「どこに居るって?」

 

健「大佐、早く呼んでよ」

 

呉「ブツを確認した、突入せよ・・・・・・突入せよ!」

 

健「ちょっと何してんのさ?」

 

無線で何度も呼び掛けるが、いつまで経っても刹那の方から応答がない。

その様子を見ていた信者の1人は、敵は2人だけで こちらに有利だと判断した。

 

信者「どっちが勝ち目がないかな?数は こっちが上だ、銃を捨てろ!」

 

健「わ、分かったよ」

 

呉「健よしなさい!」

 

健は不利と思い、呉提督が止めるのも聞かず大人しく銃を床に置く。

だが呉提督は銃を下ろさない。

信者の1人が健の身体を引っ張り、後ろから羽交い締めするようにしながら彼の頭に銃を突き付ける。

その瞬間、呉提督は その信者に銃口を向ける。

 

信者「銃を下ろせ。相棒が死ぬぞ」

 

呉「そっちこそ銃を下ろせ」

 

一触即発の状況となり、両者の睨み合いとなる。

ただ この状況に我慢できないのが健だった。

 

健「大佐、こいつ僕を撃とうとしてる」

 

呉「いや私が先に ぶっ放せば撃つ気も失せるでしょうよ!」

 

信者「相棒はイカれてんな」

 

健「えー、だったら僕じゃなくてさぁ、呉提督(あっち)に銃を向けるべきなんじゃないかと思うんだけど!」

 

呉「私は こいつを弾くわよ」

 

健「大佐 落ち着いてって」

 

呉「落ち着けだ?!あぁん?!私は━━ちょっ、おーい!!おーい!!おーい!!」

 

別の信者が僅かに動いたため、それに反応した呉提督は発狂しながら そちらに銃を向け、向けられた非武装の信者が狼狽える。

 

呉「私は今 超ギリギリだっつの、落ち着いてられっか!テメェらゴチャゴチャ動いてっとなぁ!端から撃つぞゴラァ!!」

 

銃を撃ちたくてウズウズしてる呉提督は その場で回りながら、360度 全方位に順番に2丁銃を向けていく。

どう考えても銃撃戦になる未来しか思い浮かばないため、健は どうにか穏便に済ませたかった。

 

健「みんな無罪は無理だけど、悪いようにはしないからさぁ」

 

信者「権利の侵害だ!」

 

呉「テメェは黙秘権でも行使してろ!」

 

信者「はぁ?」

 

健「皆さん ごめん、もう気を付けてとしか言えないわ。それが僕にできる唯一の事ぉ。呉提督(この人)、イカれてっから!」

 

呉「3秒 数える間に銃を下ろせ」

 

健「怒りのコントロールに問題がある子なの!」

 

呉「1つ」

 

健「軍人になんかなっちゃいけなかったんだ!なんたって人を撃つのが大好きなんだからぁ~!」

 

呉「2つ!」

 

その時、健の視界で呉提督の背後に居る信者がショットガンを手に取ったのが見えた。

 

健「大佐 後ろぉー!」

 

呉提督は後ろを振り返りながら、ショットガンを持つ信者を撃ち殺し、健を人質にする信者の頭にも弾丸を撃ち込む。

その銃声は、刹那と特殊部隊にも聴こえた。

 

刹那「突入よ!行って!」

 

健も銃を手に取り撃ち、桟橋では瞬く間に銃撃戦となっていた。

そこに特殊部隊が乗った数隻のボートと2機のヘリが来て、更に銃撃戦が激しくなる。

呉提督が信者と撃ち合ってると、ヘリからの攻撃で爆発が起き、信者が吹き飛ぶ。

健の方に視線を向けると、近くに居た信者がショットガンを手に取るのが見えた。

 

呉「健!」

 

健を助けようと呉提督が銃を撃つと、撃ち出された弾丸は健の尻を掠め、健を撃とうとしていた信者の首に命中する。

健は痛みから、声にならない悲鳴を上げていた。

呉提督の背後から信者が近付き彼を撃とうとしていたが、刹那がスナイパーライフルで狙撃して阻止した。

そして部隊が駆け付けたのも大きく、宗教団体は一気に制圧された。非武装だった信者も大人しく投降している。

呉提督と健、刹那は集まって話していたが、健は膝に手を突いて尻を突き出した姿勢のまま、微動だにしていなかった。

 

刹那「無線が入らなかった。2人共 無事?」

 

呉「えぇ、大丈夫」

 

健「何が大丈夫だよ。人のケツ撃っといて」

 

呉「はぁ!?誰が あんたのケツを!?」

 

健「誰って?お宅ですけど!」

 

呉「えっ、私が撃ったぁ!?」

 

健「はぁいぃ」

 

呉「いや、だって、私は撃ってたわよ。そりゃ もうガンガン撃ってた。いや でも まさか私がねぇ、そんな、絶対 撃ってないとは言わないけど・・・」

 

呉提督は惚けながら健の後ろに回り、本当に撃たれてるか尻を見る。

 

呉「いやマァージで!?あんた ほんとに撃たれてるぅー!」

 

健「そう言いました・・・」

 

呉「うわっ、どんな感じ?」

 

健「熱いよ、ケツが丸焼けになりそうなぐらい熱いよ・・・!」

 

刹那「医療班 呼んであげるから。医療班、こっちにも怪我人が!」

 

隊員「いま手が離せないが、そっちも重症なのか!?」

 

刹那「撃たれたの お尻ー!」

 

健「クッソ、恥ずかしい事を・・・!」

 

健と現場は特殊部隊に任せ、呉提督と刹那は麻薬の確認に向かった。

実は ここで会合を開いていた連中が宗教団体というのは仮の姿で、その正体は麻薬の運び屋だった。

ここでキューバから来た麻薬を受け取り、買い手の元まで運ぶのが彼らの仕事だった。

呉提督が袋を手に取り確認すると、それは確かにマイアミで流通してるエクストリームだったのだが、全部を確認すると数が少なく、情報にあった量と違っていた。

 

 

*別荘*

 

その頃、キューバ系 麻薬カルテルのボス『ジョニー・タピア』は、マイアミにある母親の別荘で薬物を吸っていた。

そこに、1人の部下が報告に来た。

 

部下「運び屋が押さえられました」

 

タピア「警察にか?」

 

部下「正体まではハッキリしてませんが、警察か それに近い組織かと」

 

部下「まんまと餌に食い付いた訳か・・・クソッ!」

 

タピアは銃を取り、八つ当たりで部屋の中で銃を乱射する。

エクストリームの大本は別ルートで運んでおり、今回オリーブ財団が摘発した運び屋に回していたのはカモフラージュだった。

しかし自分の商売の品がマークされてると知り、タピアは苛立っていた。

 

 

・・・・・・

 

*隠れ家 5月11日 13:23*

 

エクストリームを流通させる組織を壊滅させるべく、ステフと呉提督、健、刹那は いつもの本部ではなく、マイアミにある隠れ家を拠点に動いていた。

そこに、ダンテとネロも合流していた。

 

ダンテ「呼ばれたと思ったら、ショボいヤクの売人が相手か」

 

ステフ「ショボくはない。相手はキューバ系の麻薬カルテル、かなり大きい。それに、あなたにとっても無視できない相手よ」

 

ダンテ「それは どういう意味だ?」

 

ステフ「壊滅させたメキシコの売春組織の事は憶えてるわね?」

 

ダンテ「・・・忘れる訳がねぇ。鈴谷を殺した連中だ」

 

フェニックス財団は、メキシコの売春組織が拉致した少女達に使っていた麻薬の出所を辿り、同じくメキシコの麻薬カルテルへと行き着いた。

売春組織と横で繋がっていた麻薬カルテルを壊滅させれば、売春組織での話も全て終わると思っていたのだが、話は それで終わりではなかった。

メキシコの麻薬カルテルを調べ壊滅させた後、今度はキューバ系の麻薬カルテルの存在が浮上し、売春組織とも関係があった事が判明した。

そして今マイアミには、その麻薬カルテルが流通させてるエクストリームが街を蝕んでいる。

本当の意味で鈴谷の仇を取るには、エクストリームの流通を止め、キューバ系の麻薬カルテルも潰さなければならないのだ。

 

ステフ「仇を取るなら あなたを呼ばないといけないと思った。少しは やる気 出た?」

 

ダンテ「俺は人間には銃も剣も使う気はない・・・だが そいつらは容赦しないぞ?」

 

ステフ「構わない。じゃあ仕事の話をしましょ」

 

手に入れた情報によると、ヤクを扱うストリートギャングが誰かを襲うという話だった。

今のマイアミでヤクに関する連中が動くとすれば、エクストリームしか考えられない。今じゃ高値で売れる高級品だ。

 

ネロ「そのエクストリームって、そんなにヤバいのか?」

 

ステフ「ハッキリ言って粗悪品よ」

 

ネロ「粗悪品?なのに そんなのが売れてるのか?」

 

エクストリームは従来の麻薬と違い、快感を得られる効果が桁違いなのだ。1度エクストリームに手を出すと、今までの麻薬では満足できない。それが、若者達の間でエクストリームが爆発的に流通した大きなポイントだった。

だが それを服用するにはリスクも大きく、エクストリームその物にも欠陥があった。快感を得られる効果が大きい分、中毒性も異常に高く、服用し続ければ身体が耐えられず数日で命を落とす。

本来なら使えば すぐ死んでしまうような物は改良して、得られる快感は そのままに死のリスクを抑えた方が、麻薬カルテルにとっても買い手と長く取引できてリターンも大きいはずだ。それなのに、麻薬カルテルは そんな危険な物を売り続けている。

 

ステフ「もしエクストリームが このままバラ撒かれ続けたら、マイアミは死と薬物の街になる」

 

若者は新しい物や流行り物に興味を示す。

抵抗があっても友達に勧められたら、手を出してしまう子も中には居るだろう。

ただのサプリと偽られ渡されれば、何の抵抗もなく口に入れてしまうかもしれない。つまり、若者自身の意思で この拡がりを止めるのは不可能という訳だ。

もしマイアミに居る若者全員にエクストリームが行き渡ってしまったら、この街は最悪な事態になる。

そして その拡がりはマイアミの外へと向かい、アメリカ全土の危機にもなり、次は世界中に拡がるかもしれない。世界中の若者が命を落とせば、この世界は終わりだ。

 

ネロ「それは分かったんだけど、健なにしてんだ?」

 

健は1人用のソファーに座ってるのだが、どうも座り方が ずっと変で、ネロは それが気になって仕方なかった。

ただ、その質問が来て呉提督と刹那はニヤニヤ笑い、健は不機嫌な顔になった。

 

刹那「彼ヤクの運び屋の会合に突入して、お尻 撃たれちゃったの」

 

ネロ「酷い事する奴も居たもんだ」

 

健「撃ったの そこのオカマ大佐だよ!」

 

ネロは健に同情していたが、そう聞かされ呉提督を見ながら唖然とした。

 

呉「いや、私もビックリ」

 

ダンテ「練習してないのか?」

 

呉「やってるわよ。ケツの肉を少々 抉って、ちゃんと悪党に命中させたんだから。所謂2枚抜きってやつよ。そういう意味では、私のスコアは高い」

 

健「お陰で椅子には座れないし、歩くだけでケツに響くし、シャワーだって痛くて浴びれない。一生 恨んでやる!」

 

呉「でも その お陰で あんたは今も生きてる。感謝してもいいのよ、心を込めて」

 

健「しないよ!ケツ痛いんだよ!」

 

ステフ「ケツの話ばっかりしないで!仕事よ仕事!」

 

ダンテとネロ、呉提督、刹那は、一先ず情報にあったストリートギャングを追跡する事にし、隠れ家を後にするのだった。

 

 

*街*

 

フリーウェイの高架下に、1台のバンが停まっていた。

そこにロシアマフィアのボスであるアレクセイが来ると、2人の武装した男達に出迎えられた。

そしてバンのリアドアが開くと、白いパンツスーツを着た艦娘、最上型3番艦 鈴谷が現れた。首には艦娘売買で売られた証拠である、爆弾の首輪をしている。

 

鈴谷「初めまして。私が仲介人の鈴谷。早速 仕事の話をしましょうか」

 

アレクセイ「喜んで」

 

鈴谷が美人であったからか、アレクセイは ご機嫌な笑みを浮かべていた。

アレクセイはバンの中に招き入れられると、そこには札束を数えるための機械が並べられていた。

アレクセイが仲介人の鈴谷と会ったのは、エクストリームを製造してるキューバ系 麻薬カルテルのボス、タピアと取引するためだった。

鈴谷はアレクセイから受け取った現金を機械にセットする。あとは機械が数えてくれるので任せればいい。

 

アレクセイ「どこまでの現金を交換できる?」

 

鈴谷「どこまででも。全てのドル札に対応してるので どれにでも交換可能です。あなたの お金は全部 真っ新な現金と交換して足が付かないようにするから安心してください。この分は仲介料として こちらが貰い、こっちは今回のエクストリームの購入に必要な分として責任を持って運びます。残りは あなたの物」

 

鈴谷は あっという間に現金の交換、仲介量と今回のタピアとの取引で必要な金額の計算と仕分け、余った残りの お金はアメリカドルでアレクセイに返した。

その仕事振りを見て、アレクセイは ご機嫌だった。

 

アレクセイ「随分と仕事が早いな」

 

鈴谷「これが仕事なので」

 

アレクセイ「私も君とは個人的に仕事がしたいものだ。仕事を頼みたい時は引き受けてもらえるのかな?」

 

鈴谷「個人的な仕事は引き受けません。ですが、それなりの待遇であれば、考えてもいいですよ」

 

アレクセイ「仕事のできる女性は好きだ、君に損はさせない」

 

鈴谷「現金の受け渡し時間があるので、話は ここまでです」

 

アレクセイはバンから降ろされ、その場に彼を取り残したままバンは出発した。

 

 

・・・・・・

 

車で街を走るストリートギャングを、ダンテとネロ、呉提督、刹那は2台の車で追跡していた。

そんな中、ダンテが運転する横で座るネロは、退屈そうにしていた。

 

ネロ「はぁ・・・あいつら どこまで行くつもりなんだ?」

 

ダンテ「辛抱強く待て。こういうのは忍耐が必要だ」

 

ネロ「忍耐ね・・・こういう後を追い回す仕事、よく引き受けてたのか?」

 

ダンテ「たまにな」

 

暇を潰す意味でも話してると、ストリートギャングの車が路肩に停まった。

ダンテ達も車を停め、降りてくるストリートギャングが どこに行くつもりなのかジッと見る。すると、奴らは立体駐車場へと徒歩で入っていった。

 

ネロ「あいつら駐車場に入っていきやがった」

 

ダンテ「行ってみるか」

 

ダンテ達は車を降り、ダンテとネロは立体駐車場の下で待機し、呉提督と刹那は隣のビルに行き、上から立体駐車場の様子を監視する事にした。

 

 

・・・・・・

 

呉提督がスナイパーライフルのスコープで、刹那が双眼鏡で立体駐車場の屋上を見張ってると、そこに来たストリートギャング達は駐車してる車の陰に隠れた。

 

呉「ねぇ、ダンテちゃん」

 

ダンテ『何か動きがあったか?』

 

呉「あいつら屋上で かくれんぼしてる」

 

ダンテ『ふざけてるのか?』

 

刹那「いや、マジ。銃を手に車の陰に隠れてる。待って・・・黒いバンが来た」

 

ダンテ『まだ撃つなよ。そのまま待機だ』

 

ネロ『俺達も屋上に行ってみる』

 

黒いバンのドアが開くと、鈴谷が降りてきた。

鈴谷は車を替え、現金の受け渡し場所である ここに1人で来たのだ。

鈴谷は相手が来るのを、辺りを見渡しながら待つ。

ただ、屋上を見張っていた呉提督は大きく目を見開いた。

 

呉「ダンテちゃん」

 

ダンテ『何だ?』

 

呉「黒いバンに艦娘が乗ってた」

 

ネロ『きっと艦娘売買で売られた艦娘だろうな』

 

呉「鈴谷ちゃんなの・・・」

 

ダンテ『何?』

 

呉「その艦娘・・・鈴谷ちゃんなの」

 

ダンテ『・・・・・・鈴谷は死んだ、別人だ。集中しろ』

 

呉「ごめん、分かった」

 

すると、車の陰に隠れてたストリートギャング達が飛び出し、銃を鈴谷に向けながら接近していく。

 

ギャング「動くな!死にたくなかったら大人しくブツを渡せ!」

 

呉「ダンテちゃん、ストリートギャングが動いた」

 

ダンテ『まだ待機してろ、屋上に向かってる!』

 

ストリートギャングがバンを開けて積み荷を確認するが、あったのは札束だったため困惑していた。

 

ギャング「おい、ブツは どこだ?!」

 

激怒した1人のストリートギャングが、鈴谷に銃口を向ける。

 

刹那「もうヤバい!艦娘が危ない!」

 

呉「撃つわ!」

 

銃声が響き、ダンテとネロは走るスピードを上げる。

屋上に着き、2人もストリートギャングの足や肩を狙って銃を撃ち、瞬く間に銃撃戦となる。

その混乱に乗じて、鈴谷はバンに乗り込み逃走する。

 

ギャング「おい!獲物が逃げたぞ!」

 

ストリートギャングはバンを追うように下に下りていき、地上へと飛び下りたダンテとネロと激しく撃ち合う。

通報を聞いて駆け付けた警察も加わり、流れ弾が当たりクルマが爆発したりと、まるで戦争のような銃撃戦に発展する。

するとストリートギャングは大型トラックを盗み、鈴谷が乗るバンを追い掛ける。

 

ダンテ「ここは任せたぞ!ネロ、一緒に来い!」

 

呉提督と刹那に その場を任せ、ダンテとネロは車に乗り込み大型トラックを追う。

大型トラックは路肩に停まってる車にも当たりながら暴走し、バンを追ってフリーウェイに入る。

大型トラックからストリートギャングが身を乗り出し、バンを狙ってマシンガンを撃つ。

その後ろをダンテとネロが追い、その後ろを何台ものパトカーが追ってきていた。

ダンテはスピードを上げ、右へ左へと一般の車を避けていく。

大型トラックは前を走る車に ぶつかり、ぶつかられた車がクラッシュする。ダンテは絶妙なステアリング操作で、クラッシュした車を避ける。

大型トラックの荷台に居たストリートギャングは、ダンテとネロが追ってきてる事に気付きマシンガンを撃ってくる。それにより、ダンテとネロが乗る車のヘッドライトが砕ける。

 

ダンテ「何してんだ?!俺の車が撃たれてんだから お前も撃てよ!」

 

ネロ「はいはい!」

 

ネロは身を乗り出し、反撃にブルーローズを撃つ。

ストリートギャングは追ってくるパトカーにもマシンガンを撃ち、激しい銃撃戦の中でネロは一旦 車内に戻る。

ストリートギャングは荷台の車を固定するチェーンを撃ち、次々と車を落としていく。それにパトカーや一般の車、タクシーなどが巻き込まれていく。

ストリートギャングが車を落としていく中、1台の車がチェーンに引っ掛かり、大型トラックは車を引き摺ったまま爆走する。

 

ネロ「あのトラック、車 引き摺って走ってるぞ」

 

ダンテ「見えてるよ」

 

引き摺ってた車にストリートギャングが撃った銃弾が当たり、爆発炎上してチェーンからも外れる。

ネロは身を乗り出しブルーローズを撃とうとしたが、炎上する車がスレスレで転がってきたので慌てて車内に戻る。

 

ネロ「うわっ!?クソッ!」

 

ダンテ「あいつら まだ やる気だぞ」

 

ネロ「おい よせって!」

 

ストリートギャングが荷台のレバーを引くと、荷台が上がり傾き、残っていた車が落下して転がってくる。ダンテは それを避け、ネロは後ろに転がっていった車を見送っていた。

 

ネロ「あいつら何してんだ!?」

 

ダンテ「車 落としてるんだ!見りゃ分かるだろ!」

 

ネロ「ここまで騒ぎが大きくなったらマズいって!」

 

ダンテ「俺が大きくしてるんじゃなくて あいつらだ、あいつらに言え!」

 

ネロ「ステフが また怒る!」

 

ダンテ「勝手に怒らせとけ!」

 

ダンテとネロが口論する中、カーチェイスは まだ続く。




今回 出てきた鈴谷は、Mission325の最後に出てきた鈴谷と同一人物となります。
Devil May Cry鎮守府の鈴谷の死もあり、呉提督は今回の鈴谷を見て少し心が乱されていましたね。
死んだ鈴谷と今回の鈴谷を含め、ダンテ達が この騒動に どう挑んでいくのか、楽しみにしていただけたらと思います。

次回も宜しく お願い致します!
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