402話です!どうぞ!
マイアミで錠剤タイプの麻薬エクストリームが流通し、若者が何人も命を落とす事件が発生していた。
本部を復旧して任務に戻っていたフェニックス財団はエクストリームの流通を止め、それを売るキューバ系の麻薬カルテルを壊滅させるために動いていた。
宗教団体に扮する運び屋の会合を襲撃し、大量のエクストリームを押さえようとしたが、情報にあったエクストリームの数と合わず、少ない量しか摘発できなかった。
鎮守府の鈴谷が命を落とす原因となった売春組織が使っていた麻薬から、メキシコの麻薬カルテルが関わってる事は以前から判明していたが、そこからエクストリームを製造するキューバ系の麻薬カルテルも関わっていた事が判明する。
ステフは鈴谷の仇を取らせるために、ダンテとネロを召集して任務に向かわせる。
ダンテとネロ、呉提督、刹那は、ストリートギャングが誰かを襲うという情報から連中を追跡していたが、艦娘売買の被害者と思われる鈴谷が襲われダンテ達はストリートギャングと銃撃戦になる。
鈴谷は逃走し、ストリートギャングは彼女を追い、それを更にダンテとネロが追う事で、一般人に被害を出すカーチェイスへと発展するのだった。
*街 5月11日 15:45*
フリーウェイで死人が出ても おかしくないカーチェイスが繰り広げられる中、大型トラックの荷台に乗るストリートギャングは、荷台から次々と車を落としていく。
ダンテ「っ・・・!」
追跡するダンテは右へ左へとハンドルを切り、転がってくる車をギリギリで避ける。
ストリートギャングが また1台の車を落とすと、マイアミ市警のパトカーが転がってきた車に当たりカーチェイスからリタイアする。
それを見て、あれは死んでしまったかもしれないと思いネロは顔を引き攣らせる。
また1台の車が落とされ、転がりながらダンテとネロが乗る車に迫る。転がる車が大きく跳ねると、ダンテとネロが乗る車は その下を通り抜けた。
そのまま追跡を続けてると、今度はボートが転がってきてダンテは急ブレーキを掛けて止まる。
後ろからパトカーがダンテとネロを追い越し、次々とボートに当たり爆発炎上する。
その炎を見ながら、ネロは後々の事を考え悲観していた。
ネロ「これ どうするんだよ・・・?ステフに何て言い訳すればいいんだ?」
ステフが与えた任務は、ストリートギャングからエクストリームに関する手懸かりを入手する事で、一般人を巻き込みながらド派手なカーチェイスをしろではない。ここまでの騒ぎと被害を もたらしてしまっては、きっとステフがカンカンに怒るだろう。
・・・・・・
黒いバンに乗る鈴谷は、ストリートギャングから逃げ切り川沿いの場所でバンを止めた。
バンを降りて どこかに歩き去っていくが、そこに どうにか追ってきたダンテとネロが乗る車が現れた。
ネロ「おい、止まれ!」
車から降りたダンテとネロは鈴谷を呼び止め、彼女に歩み寄る。
すると後ろから車の走行音が聴こえ、振り返ると別の黒いバンから降りてきた男達が、鈴谷の乗っていたバンから何かを回収して戻っていく。
鈴谷「大丈夫。あのまま行かせればいいから」
ネロ「おい、あいつらは何を持っていった?」
鈴谷「麻薬取引の現金。受け渡しが完了しただけ」
ダンテ「随分と簡単に教えるんだな」
すると また車の走行音が聴こえ、今度は鈴谷の背後の離れた位置に、白いバンが止まった。
それを見た鈴谷はダンテとネロに向き直ると・・・
鈴谷「提督、ネロ・・・ごめん・・・」
そう言って白いバンの方に向かい、乗り込むと そのまま走り去り姿を消してしまった。
ダンテとネロは鈴谷の言葉に驚き、彼女を呼び止める事もできず ただ見送るだけしかできなかった。
ネロ「何で あの鈴谷・・・俺の名前 知ってたんだ?アンタの事まで“提督”って・・・」
ダンテ「・・・・・・・・・」
驚いたまま疑問を口にするネロだったが、何も言わないダンテの表情も困惑したまま、ただ鈴谷が姿を消した方角を見詰めるだけだった。
・・・・・・
*隠れ家 17:11*
隠れ家へと戻ってきたダンテとネロは、帰るなりステフに呼び出され、ガミガミと文句を言われていた。
ステフ「私は言ったわよね?誰かを襲う予定のストリートギャングから、エクストリームに繋がる手懸かりを手に入れろって」
「「・・・・・・・・・」」
ステフ「それが何で銃撃戦になって、フリーウェイで爆発まで起きるカーチェイスをする事になるのよ?!」
ダンテ「いや俺だって━━」
ステフ「言い訳しないで!すぐ言い訳する!何で私の周りに居るのは、皆すぐ言い訳するの?!」
ステフの怒ってる様子が可笑しかったのか、ダンテは笑いそうなのを堪えながら横のネロを見る。ネロはダンテを見て、何で笑いそうになってるんだと怪訝な顔をし、やめろと言わんばかりに首を横に振る。
ステフ「警察と民間人、両方に死傷者多数!」
ダンテ「だからステフ、俺の話を━━」
ステフ「しかもテレビ局のカメラにバッチリ撮られてる!これ見た上で まだ何を言い訳するつもり?!」
ダンテとネロが説教を受けてる部屋にはテレビがあり、画面にはヘリから撮られた今日のカーチェイスの様子がニュースで報道されていた。
ダンテ「なら好都合だ、テレビを見てくれ」
ステフ「見ても一緒よ。あなた達がカーチェイスして銃を撃って爆発してる」
ダンテ「いや よく見てくれ。これが俺の乗る車。ギャングにバンバン撃たれてる。けど俺達は撃ってない」
ステフ「・・・本当に?」
ダンテ「1発も」
ネロ「(俺めっちゃ撃たされたけど・・・)」
ダンテ「ほら見てくれ、そこ」
ステフ「どこ?」
ダンテ「ギャングが撃ちまくってる」
流れてるのは上空から撮られた引きの映像であるため、車に乗る人物の動きまでハッキリとは見えない。それを いい事に、ダンテは適当な嘘でステフを丸め込もうとした。
するとテレビに映るカーチェイスの映像で、パトカーが爆発する。
ダンテ「ほら見たか!?
ステフは目を凝らし、頑張って画面を見てダンテが言ってる事が事実か確かめようとするが、地上が遠過ぎて結局 判らず、もう諦めた。
ステフ「いいわ、今回は信じてあげる」
ダンテ「(よし!)」
ネロ「(嘘だろ・・・)」
ダンテは上手くいった事に心の中でガッツポーズするが、ずっとハラハラしていたネロは開いた口が塞がらない。
ステフ「話は終わりよ。今日は休んで」
ネロ「ステフ、鈴谷の事は・・・」
ステフの説教を喰らう前、ネロは先に、カーチェイスの後に会った鈴谷の事を話していた。
だが彼女の事を話さないまま話が終わりそうになり、改めてネロの方から話を切り出した。
ステフ「ネロ、彼女は死んだ。あなたも それは見たでしょ」
ネロ「でも俺の名前を知ってた。ダンテが提督だって事もだ」
ステフ「以前 地球がテラフォーミングで滅びかけた後、日本政府は それを食い止めた英雄として、あなた達デビルハンターの存在を公表した」
アーロンのクローンが引き起こしたテラフォーミング、そして水上要塞での戦いの事は、あれから数年が経っているため、世界では忘れてる者も居るかもしれない。
だが日本政府が事件の詳細を発表した時に、ダンテとネロの存在も公表されていたため、2人の事を誰が知ってても おかしくはなかった。
艦娘売買で売られた艦娘だからと言って、何も知らないと決め付けるのは暴論だ。売られた後に、何かしらの形でダンテとネロの事を知ったのかもしれない。
ダンテとネロが見た鈴谷が1人で自由に動き回っていたのなら、何かしらの媒体で過去の事件を知り、ダンテとネロの存在を知るのは可能だ。時間も方法も幾らでもあっただろう。
ステフ「いい?彼女は死んだの、惑わされないで。あなた達が見た鈴谷は、私達の知ってる彼女とは別人よ」
ネロ「けど・・・」
ステフ「いいから もう休みなさい」
ダンテとネロが退室すると、ステフは浮かない顔で虚空を見詰め、死んでしまったDevil May Cry鎮守府の鈴谷の事を考えていた。
ネロには ああ言ったが、ステフ自身も本当に割り切れていた訳ではなかった。鈴谷が死んだのは、本部長である自分の責任でもあると思っていた。
だが自分は組織のトップであり、任務に私的な感情を持ち込む訳にもいかない。だからこそ、もう割り切ったと自分に言い聞かせるように、ネロにも ああ言うしかなかった。任務に集中するために。
部屋から退室してネロとも別れたダンテは、隠れ家の外へ出て、鳳翔に電話を掛けていた。話は今日 会った鈴谷の事だ。
だが、鳳翔の反応も あまり良いものではなかった。
鳳翔『提督、彼女は死んだんです』
ダンテ「だが俺の事を“提督”と・・・」
鳳翔『鈴谷さんが亡くなったのは、鎮守府の皆で確認しました』
ダンテ「もし間違いだったとしたら?」
鳳翔『やめてください・・・』
ダンテ「もし何かの手違いで、俺達の知る鈴谷が生きていたら?」
鳳翔『お願いだから・・・』
ダンテ「お前らが確認したのが別人だとしたら━━」
鳳翔『お願いだからやめてください!』
ダンテ「・・・・・・・・・」
鳳翔『鈴谷さんは死んだんです!鈴谷さんが生きていたかもしれないと言って、もし違っていたら どうするんですか?期待させるだけさせて、もし違っていたら、最上型の皆さんが また傷付くんです・・・。彼女達だけじゃない・・・私達みんなが そうなんです・・・』
ダンテ「あいつは、最後に“ごめん”と。俺達と何かあるのは間違いないんだ。だから あいつの正体を突き止めるまで、諦めたくない」
鳳翔『・・・・・・あなたの勘が、あなたの魂が そう言ってるなら・・・鈴谷さんが生きてるという確証を掴んでください。必ず・・・』
ダンテ「あぁ・・・約束する」
電話が切れると、ダンテは本気で この任務に挑むという強い意思を宿した眼で、遠くの空を見詰めるのだった。
*別荘*
その頃、麻薬カルテルのボスであるジョニー・タピアは、自分の部下の1人を連れて、別荘の物置部屋へと向かっていた。
辺りからは、チューチューとネズミの鳴き声がし、それにイライラしていたタピアは銃を抜き、ネズミを狙って乱射する。
タピア「俺の別荘でデカい顔しやがって!死ねー!!毎日 毎日チューチュー鳴きやがって!うるさいんだよぉ!!」
癇癪を起こすタピアに部下は呆れていたが、銃弾が1匹のネズミに当たると、タピアは ご機嫌になった。
タピア「ハハッ、どうだ?」
部下「さすがボス、お見事です」
タピア「だが この数は面倒だ。あとは お前がやれ」
部下「俺が!?そういうのは いつも鈴谷に任せてるのでは?」
タピア「あいつは今 忙しいから お前がやれ」
部下は不満なのを顔に出してしまい、それをタピアに気付かれ詰め寄られてしまう。
タピア「何だ その態度は?お前が高いシャツとジャケットを着てられるのは誰の お陰だ?仕事のない お前を俺が面倒 見てやったからだろ!」
部下「その通りです、ボスの お陰です。俺がやっときます・・・」
頭に銃を突き付けられ、部下は そう言うしかなかった。
タピアは その返答に満足したのか、部下を その場に残して1人で戻っていった。
・・・・・・
*街 5月12日 6:17*
朝、バス停のベンチで男が横になって寝ていた。酒瓶などが転がってる事から、泥酔して寝落ちしたのだろう。
そこに、呉提督と
呉「ちょっと?起きなさい」
呼び掛けるが男は起きる様子がなく、呉提督と健はウンザリした様子で互いの顔を見る。
呉提督が思いっきり男の足を蹴ると、男は驚き飛び起きた。
呉提督と健が この男を訪ねたのは、エバーグレーズ国立公園に運ばれるエクストリームの事を教えてくれた情報屋だったからだ。
情報屋「何だアンタらか。いま何時だ?」
健「朝6時。マトモな人なら酒を抜いて起きる時間だよ」
情報屋「なら俺にとっては まだ夜だ。悪いが後で来い」
情報屋が また横になり寝ようとするので、呉提督は無理矢理 引っ張り起こして立たせると、胸ぐらを掴んだまま睨む。
呉「“後で来い”ですって?あんたが言ってたエクストリーム、情報より圧倒的に少なかったわよ。私達に嘘を教えたわね?」
情報屋「違う、確かな情報だった。だが嗅ぎ回ってる連中が居ると気付いて、奴ら途中で計画を変更したんだ」
呉「どうせ金のために、お前が私達の情報 売ったんでしょうが!」
情報屋「違う!俺は本当に何も言ってない!」
呉「なら昨日、ストリートギャングが警察とカーチェイスしたのは知ってるでしょ?あんた程の情報屋なら知らないはずないもんね。あいつら いつも どこに居るの?」
情報屋「知らないなぁ、カーチェイスも初耳だ」
呉提督は取り押さえるように、今度は情報屋をベンチに押さえ込み、脇腹に銃口を押し当てる。
呉「テメェまた適当なこと言いやがって!さっさと連中の居場所 吐きやがれ!」
健「言った方がいいよ。最悪な寝起きになる」
情報屋「ど、どうなるってんだ?」
呉「なら教えてあげる。ここで あんたを撃ち殺して死体を道端に野晒しにしておいてあげる。この街の人間は面倒な事に誰も関わりたくないから、誰も助けようとしないし救急車も呼ばない。それに湿気が凄いから すぐ腐るでしょうね。朝から腐った自分の死体を皆に見てほしい?」
情報屋「分かった、分かった言うよ。あいつらは いつも━━」
情報屋から昨日のカーチェイスを繰り広げたストリートギャングの居場所を聞き出し、呉提督と健は すぐに その場所へ向かった。
・・・・・・
車でストリートギャングの縄張りまで来た2人は、連中の溜まり場となってる家の近くで車を停めて降りた。
その家の壁を見て、呉提督は微妙な顔をする。
呉「壁全部がピンク1色・・・どんなセンスよ?」
健「別にいいじゃん。ただピンクなだけだろ?」
呉「あんた気にならないわけ?銃と麻薬が大好きなワルが、ピンクハウスに集まって仲良し小好しって どんなストリートギャングなのよ?」
健「それより ここから どうするの?まさか正面から堂々と行くつもりじゃないよね?」
呉「えぇ、正面から行くわよ」
健「馬鹿なの!?あんたが正面から行ったら絶対 撃ち合いになるって!」
呉「大丈夫、心配し過ぎよ。常識ある人間は、家の戸を叩いて こんにちはするものよ」
健「大丈夫の保証されてないのに信用できないよ・・・」
呉提督は戸を叩くが、いつまで待っても中から人が出てくる様子がない。
インターホンも鳴らすが、中から大音量で音楽が聴こえるため、ノックもインターホンも聴こえてないのだろう。
呉提督が試しにドアノブを捻ると、扉が開いた。
2人は互いの顔を見合ってから ゆっくりと扉を開け、中に入りリビングまで行くと、複数人の男達が大麻をキメてボーッとしていた。
呉提督が音楽を止め、何だ何だと思ったストリートギャング達は、呉提督と健の姿を見て驚き、慌てて床やソファーから立ち上がり銃を構えた。
ギャング「お前ら誰だ?!何で勝手に入ってきてんだ?!」
健「ちょっ、落ち着いて。僕ら怪しい人じゃないから」
ギャング「人の家に勝手に入ってきて怪しくない訳ないだろ!」
呉「言えてる」
するとストリートギャング達が銃を手に取り、銃口を向けてきた。
呉提督も反射的に銃を抜き構え、健も念のために銃を手に取る。
ギャング「さっさと出ていけ!」
呉「私らが訊きたい事に答えたら出ていってあげる」
ギャング「黙れ!いいから出ていけ!」
呉「大麻キメてる頭で よく考えろ。そんな状態で撃ち合って本気で勝てるとでも?」
健「ねぇ、知りたいこと聞いたら出ていくから銃はナシにしない?」
ギャング「お前らなんかに教える事なんてない!撃つぞ?!」
呉「撃てよ!」
健「やめなって!」
その瞬間、呉提督とストリートギャングが同時に引き金を引き、互いに撃ち合いながら物陰に飛び込み隠れる。
健も姿勢を低くしながら銃弾が飛んでくる中を移動し、バスルームへと逃げ込む。
銃撃が止まると、リビングと寝室を隔てる壁を挟み、呉提督とストリートギャング達が怒鳴り合う。
ギャング「テメェら ぶっ殺してやる!」
呉「そんなに死にたいなら ぶっ殺してやる!」
健「家に勝手に入ったのは悪かったから!話し合いで解決しようよ!」
ギャング「黙れぇ!」
ストリートギャング達が銃を発砲し、健はバスルームの狭い壁に どうにか身体を隠し身を守る。
銃弾がトイレに何発も当たり、水が飛び散り壁の粉塵が舞い、それを頭から被る健の全身が白く汚れる。
呉「あんた何してんのよ?!」
健「何が?!」
呉「銃 撃ちなさいよ!」
健「勝手に家 入って悪いの こっちだろ?!彼らにも権利がある!」
呉「銃で撃たれてるのに権利も糞もあるか!」
ギャング「そうだ!俺達には権利がある!さっさと出ていけ!」
呉「テメェらは全員ぶっ殺してやるから覚悟しろ!」
ギャング「テメェふざけんなよ!」
健「僕も同じこと言いたい!だから僕に免じて話し合いで━━」
喋ってる途中で また銃撃され、呉提督とストリートギャング達の撃ち合いが再開されてしまう。
だが呉提督の銃の腕前で、ストリートギャングが1人、また1人と撃ち殺され、仲間を殺された事で残るストリートギャングが半狂乱となっていく。
ストリートギャング達が喚く声を聞きながら、呉提督は床に転がる大きな鏡の破片を手に取り、それを使い壁の向こう側を覗き見て連中の位置を確認する。
そして壁に出来た銃創の穴に銃口を押し当てる。
壁の向こうでは、ストリートギャングの1人が呉提督と健が静かな事に不思議に思い、壁の穴から覗き見る。そこには隣のリビングの風景はなく、銃口の中が見えていた。
呉提督が引き金を引き、穴を覗いていたストリートギャングが脳ミソを撒き散らしながら倒れる。
それに また怒ったストリートギャングが銃を乱射してくる中、呉提督はストリートギャングが所持していた手榴弾を見付ける。
嬉しそうに それを手に取りピンを抜くと、当たり前のように寝室に投げ込み吹き飛ばす。
静かになり片付いたかと思い、呉提督と健は左右の出入り口から寝室へと入る。
ストリートギャングは全滅していたが、1人だけ息のある者が居た。
健が手当てしようと近付くが、まだ息のあったストリートギャングが最後の力を振り絞って銃口を向けてきた。
健はオリーブ財団での訓練もあり、反射的に身体が動き銃を撃ち、最後のストリートギャングも死ぬ。
意図せず殺してしまい、健はパニックを起こした。
健「あぁ~ごめん!撃つ気はなかったんだ、許して!」
呉「何で謝ってるの?撃ってきたのは こいつら。悪党も こいつら。悪いの全部こいつらじゃない」
健「全部あんたのせいだよ!僕は撃ち合いなんてしたくないのに、あんたが僕の話を聞かないで毎回 撃ち合いになる!もう撃たれるのは ごめんなんだよ!」
呉「よく私のせいにできるわね。最後の手懸かり撃ち殺したの あんたじゃない」
健「じゃあ脳ミソ撒き散らしてる こいつに訊く?!ねぇ、エクストリームと それを造ってる麻薬カルテルについて教えてくれる?ほら、何にも知らないってさ!」
健は怒り顔のまま、死んだストリートギャングの腕を掴み手を振ってるかのように揺らす。
ただ、半狂乱になってる健を見て、呉提督は唖然としてる。
呉「そりゃ喋れないでしょ。だって そいつ死んでるし・・・」
健「そうだよ!僕が撃ち殺して死体になったのさ!あんた“撃て”って言ったよな?!ほら!撃ったよ!もう何発も撃っちゃう!これで満足?!」
立ち上がった健は、キレ散らかしながらストリートギャングの死体に何発も銃弾を撃ち込み、弾切れになると床に座り込み頭を抱えながら泣き始めてしまった。
それを見て、呉提督は健の精神状態が不安定だと即座に判断し、今後の予定でカウンセリングの予約を入れる事を頭にインプットしておく。
などと考えながら視線を移すと、床にビデオカメラが落ちてるのを見付けた。
呉「健、手懸かり まだあったかも」
健「へ?」
ビデオカメラを拾って2人で状態を見てみるが、ビデオカメラは見事に銃弾が貫通して壊れていた。
健「やったね、壊れたビデオカメラ発見。これの どこが手懸かりなんだよ?!」
呉「もう耳元で怒鳴るのやめて・・・。中のデータは無事かも。映像さえ抽出できれば、何か判るかも」
健「誰がやると思ってるんだよ?」
呉「天才分析官に期待してる」
健「そうだよ、もっと僕を大切に扱え!」
呉「これ直せたらね」
呉提督と健は、ストリートギャングの所持品のビデオカメラを持って、隠れ家へと戻る事にする。
ストリートギャングが、なぜエクストリームの現金取引の時間と場所を知っていたのかは本人達にしか分からないが、既に全員が死んでしまった今となっては、その真実は聞き出せない。
残るは このビデオカメラに、関連する何かが残ってるのを期待するだけだ。
次回も宜しく お願い致します!