405話です!どうぞ!
タピアの母親の別荘で見付けたシュレッダーに掛けられた書類を復元すると、それはストリートギャングのメンバーが所有する船、デキシー7の写真だった。
デキシー7の所有者であるフロイド・ギャラッドは刑務所に収監されており、ダンテとネロが会いに行く。
キューバから運ばれてくる積み荷の取引を追跡するため、フロイドを釈放させ運び屋の仕事を再開させる。
深夜、ボート小屋で取引が行われる海を見張る中、ダンテは遠くにある桟橋に人の影を見る。
そちらに行くと、ストリートギャングに追われていた鈴谷が居た。
鈴谷はダンテを見るなり彼に抱き付き、ダンテは彼女が死んだと思われていたDevil May Cry鎮守府の鈴谷であると知る。
鈴谷の首には、艦娘売買で売られた艦娘である事を示す爆弾の首輪がされていて、ジョニー・タピアの下で働かされていた。
その時、ネロ達が居るボート小屋にロケット弾が飛来し爆発が起きる。
ダンテはボート小屋に向かおうとしたが、鈴谷は首の爆弾があるせいで一緒には行けなかった。
ダンテは必ず迎えに行くと約束し、鈴谷と また別れる事になるのだった。
*ボート小屋 5月14日 3:34*
鈴谷と別れたダンテは、燃えるボート小屋に向かって走りながら、待機させてるオリーブ財団の特殊部隊に無線を繋げる。
ダンテ「敵襲だ!応戦しろ!」
無線で指示を飛ばすと、特殊部隊が一斉に動き、ボート小屋の周囲にオリーブ財団のヘリやボートが現れる。
そしてロケット弾を撃った武装集団も姿を現し、特殊部隊と武装集団の銃撃戦が あっという間に繰り広げられる。
ダンテが燃えるボート小屋に着きネロを呼ぶと、瓦礫を押し退けネロ達が出てきた。
ダンテ「無事か?」
呉「えぇ、ネロちゃんの お陰で」
海の方を見ると、海上で取引していたデキシー7とキューバから来た船はエンジンを始動し、その場から離れようとする。
2隻は それぞれの方向に航行し、護衛に居た6人の艦娘は半分に分かれ、2隻の護衛を続ける。
ダンテ「ネロ、追うぞ!」
ダンテとネロは、デキシー7が どこに積み荷を持っていくのか追跡するため、停めてある車に向かう。
呉提督と健、
・・・・・・
*町 16:02*
車に乗り込んだダンテとネロは、海沿いの道を走りながらデキシー7を追跡していた。
ネロが横を向くと、猛スピードで走るデキシー7と艦娘3人の姿が見える。
ネロ「ダンテ、見失うなよ!」
ダンテ「大丈夫だ、まだ追える!護衛に付いてる艦娘が誰か判るか?」
ネロ「えっとー・・・夕立、秋雲・・・あれ時雨か?見た事ない格好した時雨だ!」
その時雨は、改三となってる時雨だった。
Devil May Cry鎮守府の時雨は、まだ第3次改装ができていないため、ダンテとネロが その姿の時雨を見るのは初めてだった。
すると、駆逐艦3人から砲撃が行われ、砲弾がダンテとネロの乗る車に着弾しそうになる。ダンテは横道に外れ、砲弾を回避する。
また元の道に戻ると、ダンテは銃を抜いてネロの顔の前で発砲する。撃ち出された銃弾は、夕立の主砲の1つに当たり破壊する。
ネロ「危ねぇな!排出された薬莢 顔に当たってんだよ!」
ダンテ「当たっても お前なら平気だろ!」
ネロ「普通の人間なら大怪我だ!」
ダンテ「お前だからやってる!」
ネロ「喧嘩 売ってんのか?!」
ダンテ「じゃあ お前が撃てよ!」
ネロはブルーローズを撃ち、ダンテの代わりに反撃に出る。
走っていると、深夜でも出歩いてる人間が居た。
しかもダンテ達が走る道は車が通っていい場所ではなく、このままでは轢いてしまうかもしれないし、艦娘が撃つ砲撃に巻き込まれてしまうかもしれない。
ダンテ「どけ!邪魔だ!」
ダンテはスピードを落とさずクラクションを鳴らし、市民に警告しながら走り抜ける。
市民は悲鳴を上げながら、ダンテが運転する車と砲撃から逃げ惑う。
ネロ「悪く思うなよ!」
ブルーローズから撃たれた弾丸が、秋雲、時雨の主砲にも当たり破壊していく。
ネロ「ダンテ!このままじゃ巻き添えが出るぞ!」
ダンテ「チッ、一旦 離れるしかねぇな!」
ダンテはハンドルを切って海沿いの道から離れると、艦娘からの砲撃も止まった。
・・・・・・
*港 4:47*
デキシー7が港に着くと、船からバンに死体が積み込まれていく。
艦娘3人の護衛は ここまでのようで、港から離れ沖の方へと姿を消していく。
そこに、離れた場所でダンテとネロが乗る車が現れ、隠れるように物陰に停まるとエンジンも止める。
ネロ「車に乗せてる・・・」
ダンテ「予想が正しければ、タピアの葬儀社に運ぶはずだ」
積み込みが終わるのを待ってると、バンが動き出した。
ダンテもエンジンを始動し、今度はバンの追跡を始める。
・・・・・・
*葬儀社 6:38*
追跡の結果、バンは葬儀社の前で停まった。
ダンテも少し離れた場所に車を停めるが、バンの運転手と目が合った瞬間、バンが逃げるように走り出してしまう。
ダンテ「バレた!」
ネロ「逃げるって事は何かある!」
ダンテは車を急発進させ、逃げるバンを追う。
わざわざキューバから来た死体が、エクストリームを流通させてるタピアの葬儀社に運ばれるという事は無関係ではないはずだ。死体にエクストリームに関連する何かがあるのは間違いない。
証拠を押さえるには、死体を遺棄される前にバンを止める必要がある。
・・・・・・
*街 7:12*
バンを追い続けてると外も明るくなり、鉄道路線を走っていた。列車と並走しながら、カーチェイスが続く。
バンは列車を追い抜き、列車の前を横切り路線から外れて逃亡する。
ダンテはバンを追ってハンドルを切り、真横から線路に乗り上げ車がダイブする。列車の後ろギリギリで線路を飛び越え、横転する事もなく どうにか着地する。
バンはフリーウェイを逆走しながら走るが、無茶な運転のせいで後部のドアが開き、中に積んでる死体が丸見えになる。
それを追ってダンテも逆走し、前から来る車をギリギリで避けていくため、ネロは いつ事故になるかとヒヤヒヤしながら開いた口が塞がらない。
ダンテ「車高の高いバンで よく あんな走りできるな」
バンがフリーウェイを下り、左折して走り去っていく。ダンテが運転する車も、ドリフトしながら左折して追い、更に歩道に乗り上げ走る。
ネロ「ダンテ、歩道はマズいって!」
ダンテは歩道から車道に戻り、スピードを上げてバンの後ろにピッタリと付く。
すると、バンの開いた後部ドアから死体が落ちてきた。ダンテ達が乗る車は死体を乗り上げ、その振動が車内にも伝わってくる。
ネロ「人 轢いたって!」
ダンテ「もう死んでるから大丈夫だ!」
更に追い続けてると また死体が落ちてきて、今度はダンテ達が乗る車のボンネットに乗る。
ダンテ「おい、前が見えねぇだろ!」
ネロ「街に死体 撒き散らしてるのヤバいって!こんなの異常だろ!」
すると風に煽られ、車の上で死体が転がり天板に移動する。フロントガラスからは、死体の足だけが見えていた。
ダンテ「太った死体の足 見ながら走りたくねぇな・・・」
ネロ「あーあ・・・」
ダンテがスピードを上げると、死体が更に転がり車道に落ちた。
バンは角を曲がり止まると、何人かの男を降ろし また走り出す。
降りた男達はオフィスビルに入り、上の階に行き占拠してしまう。
ダンテ達が乗る車も曲がってくるが、男達が降りた事に気付かずバンを追い続ける。
バンから更に死体が落ち、ダンテが それを轢くと死体の首が取れて転がっていった。ネロは それを見てしまい、顔を しかめていた。
運転手「誘い込む!落とせ!」
バンは同じ場所に戻り無線で降ろした仲間に指示すると、オフィスビルを占拠した男達がガラスを突き破ってデスクなどを落としていき、ダンテ達が乗る車に落下してくる。
ダンテは避けようとしたが、更にオフィスビルから銃撃を受け、ハンドルを切ると建物の中に突っ込んで止まった。
ダンテとネロは車から出ると、車を盾に隠れて ちょっと休憩する。
ネロ「アンタのカーチェイスに付き合うと いつも これだ!」
ダンテ「何が言いたい?!」
ネロ「俺達デビルハンターだろ!普通の人間相手に銃なんか使えないのに、何で いつも銃撃戦にして こっちが困る状況にするんだよ?!」
ダンテ「俺が悪いって言いたいのか?!」
ネロ「そうだよ!」
ダンテ「違う!俺は悪くない!」
ネロ「アンタのせい!」
ダンテ「違う!」
ネロ「アンタのせい!」
ダンテ「違う!」
ネロ「これが終わったら話し合いだ!」
ダンテとネロは車の陰から飛び出し外に出ると、オフィスビルから銃撃してくる男達に向かって反撃に銃を撃つ。
銃弾が飛び交う中、通報を受けたパトカーが何台も到着する。
ダンテとネロは走り、銃撃する男達を取り押さえるためオフィスビルに入っていく。
階段を上がり男達が銃を撃っていた階に着くが、男達はダンテとネロが着く前に逃走していた。
オフィスビルの中を通り抜け、反対側にある非常階段に出るが、男達の姿は見えない。
ダンテが下を見ると、死体を積んでいた黒いバンが停まっていた。
ダンテはバンの上に飛び下り、逆さまの状態で後部ドアから顔を出し銃を構える。しかし、バンの中も人の姿は無い。
ネロ「ダンテ、あそこだ!」
ネロは、走って逃げていく1人の男の姿を見付ける。それは、黒いバンの運転手だった。
ネロも地上に飛び下り、ダンテと一緒に運転手を追う。
運転手はフェンスを乗り越え逃げ続け、ダンテとネロは一っ飛びでフェンスを飛び越え追い続ける。
運転手は通行人を突き飛ばしながら、モノレールの駅に入ってしまう。
*駅*
運転手が駅に止まる自動運転のモノレールに乗り込んでしまい、ダンテとネロは大勢の駅の利用者に ぶつかりながらも追うが、ぶつかる事で本来のスピードで走る事ができない。
モノレールのドアが閉まりそうになり、ダンテがギリギリ滑り込むように乗り込むと運転手にタックルする。
運転手は手に持つ銃を誤射し、モノレールに乗る乗客から悲鳴が上がる。
一方ネロは間に合わず、モノレールの外に閉め出されていた。
ネロ「おい、開けろ!俺も乗る!」
しかし自動運転であるためモノレールのドアは開く事なく、駅を出発しようと動き出す。
ネロは どうしようかと考えた結果、咄嗟にモノレールの後部に掴まり一緒に出発する。
*モノレール*
ダンテなら普通の人間相手に苦戦する事はないが、今回は違っていた。運転手の力が妙に強く、取り押さえるのに時間が掛かっていた。
ダンテ「お前、本当に人間なのか・・・?!」
運転手「俺は強化人間だ!」
ダンテ「何!?」
バージルから、Mr.Jの関係者で悪魔の力を移植した強化人間、毒使いヴァイパーの事は聞いていた。
ダンテの目の前に居るのが本当に強化人間ならば、今回の事件の裏でMr.Jが直接 手を回していたという事になる。
ダンテは運転手の腕を手摺に ぶつけ銃を落とさせ、襟首を掴んで顔面も手摺に ぶつけ、更に殴る。
すると反撃に顔面を殴られ、後退るダンテは乗客の間の座席に座る事になる。
ダンテ「大丈夫、落ち着いて座っててくれ」
乗客に そう言うとダンテは すぐに立ち上がり、左右交互で拳を繰り出し運転手を殴る。
すると運転手がダンテにタックルし、そのまま持ち上げ前方に向かっていくと、モノレールのフロントガラスを突き破り外に飛び出す。
2人は連結部分の上に落ち、倒れたまま殴り合う。
ダンテは何度も運転手の顔を殴るが、運転手はダンテに馬乗りになったまま首を絞めてくる。
ネロ「下がれ!下がれ!」
ネロはブルーローズで後部ガラスを撃ち抜き砕くと、モノレールの中に入ってダンテと運転手を追って前に急ぐ。
ダンテは運転手の胸ぐらを掴み引き寄せると、顔の横に肘鉄を喰らわせ連結部分から運転手を落とす。運転手はレールの上に落ちて感電しながら、モノレールに潰された。
そして異常を検知したモノレールが、緊急停止する。
そのタイミングでネロが辿り着き、運転手の姿が見えないのと、モノレールの下から煙が上がってる事から全てを察し、ネロはゲンナリした表情を浮かべる。
ネロ「犯人は この下か?」
ネロが そう問うと、ダンテは疲れてるのか何も言わず、頷きながら親指で下を指し示す。
ネロ「捕まえず人間ローストにしちまったのかよ。爽やかな朝に肉の焼ける匂い。朝飯 食う気が失せたよ」
ダンテ「まさか強化人間まで出てくるとはな」
・・・・・・
*街 10:12*
ダンテとネロはモノレールから降りた後、銃撃戦となった現場に戻っていた。
現場は警察が封鎖し、鑑識も来て捜査が進められている。
そんな中、ダンテとネロは、現場に駆け付けたステフに怒られていた。
ステフ「あなた達は!どうして!問題ばかり起こすの?!」
ダンテ「聞いてくれステフ」
ステフ「いいえ!聞かなくても分かる!あなた達の大好きな暴走カーチェイスで、爽やかな朝に死体を撒き散らして銃撃戦!オマケにモノレールで人を丸焼けにした挙げ句、ミンチにしてハンバーグを作った!凄く お腹 減ってたんでしょうね!」
ダンテ「確かに腹 減ったな」
ネロ「死体 撒き散らしたのは俺達じゃない」
ステフ「どっちでもいいのよ そんなの!街に死体が転がってるのが問題なの!」
ネロ「ステフ、聞いてくれ」
ステフ「嫌、聞きたくない。私が本部に戻って あなた達に任せた途端、この騒ぎよ。もう言い訳なんて聞きたくない」
ネロ「頼む、聞いてくれって」
ダンテ「街に転がってる死体は、タピアとエクストリームに繋がる証拠だ」
ステフ「ただの死体でしょ?麻薬と どう繋がるって言うのよ?」
ネロ「それは・・・まだ分からないけど・・・」
ステフ「分からないのに適当なこと言わないで」
ダンテ「じゃあ こっちに来て死体を見てくれ」
ダンテ達は道に転がってる死体の所に行き、死体袋に付いてるタグを見せる。タグには、キューバから来た事を示す文章が書かれていた。
ダンテ「この死体はキューバから来た。わざわざキューバからアメリカに死体を運ぶ理由は何だ?おかしいだろ?」
ステフ「・・・鑑識からの報告では これは ただの遺体で、あなた達が轢いて損傷してる以外は何も おかしな点はないそうよ。それに正規の手続きを踏んで運ばれてきてる事も判ってる」
ダンテ「タピアはキューバの麻薬カルテルだ。死体はキューバから来て、そのタピアの葬儀社に運ばれる予定だった。無関係じゃないはずだ。裁判所で捜査令状 出してもらってくれ、葬儀社に踏み込む」
ステフ「ダメよ」
ネロ「何で?」
ステフ「今のままじゃ状況証拠にしかならない。捜査令状を出してもらうには、タピアとエクストリームが関係してる確固たる証拠が無いとムリなの。他に隠してる事は?」
ダンテ「ない」
ダンテは、鈴谷が生きていた事は話さなかった。今のまま話しても否定されたり、鈴谷を助ける行動に出る事を反対されるだけかもしれないから。
ステフ「なら少し休んで、頭を冷やしなさい」
ステフは現場から去り、その背中を見ながらネロが口を開く。
ネロ「で、ここから どうする?」
ダンテ「葬儀社を直接 調べる」
ネロ「またステフがカンカンに怒るな・・・」
ダンテにやめるつもりはなく、次の行動に出るため現場から離れ、ネロは溜め息を吐きながら付いていくのだった。
・・・・・・
*葬儀社 22:01*
夜になり、ダンテは日本から合流した摩耶、天龍、川内と共に、葬儀社に踏み込むための作戦を決行した。
葬儀社の外では、ホームレスに扮した呉提督が葬儀社と その周囲を見張っている。
呉「警備の姿も見当たらない。動くなら今よ」
ダンテ『摩耶、天龍、行け』
無線でダンテが指示を飛ばした直後、1台の救急車が現れ葬儀社の前に停まる。
救急車から救急隊員に扮した摩耶と天龍が降り、死体袋を乗せたストレーチャーを押してインターホンを鳴らす。すると、手術着を着た男が出てきた。
男「何の用だ?」
摩耶「死体を ここに運ぶよう言われてる。これにサインしてくれ」
そう言って摩耶が書類とペンを差し出すが、男は怪訝な顔をしながら受け取ろうとしない。
男「そんな連絡は受けてない。何かの間違いだろ」
摩耶「そんなはずない。確かに ここに運べって言われたんだ」
男「悪いがムリだ。別の場所に運んでくれ」
摩耶と天龍が男と問答を繰り広げてる隙に、ダンテと川内が裏の窓から葬儀社に忍び込む。
ダンテ「行くぞ」
川内「喜んで」
ダンテと川内は葬儀社の職員に見付からないよう、気配を消して静かに移動する。
男「何度 言われてもムリだ。連絡を受けてない遺体は引き取れない規則になってるんだ」
天龍「ちゃんと連絡してるはずだ、よく確認してくれ。引き取ってくれないと俺達が困るんだよ。今日は約束もあるし定時に上がらなきゃいけないんだ、頼むよぉ」
男「ムリなものはムリだ」
摩耶「その態度は ご立派だよ、ご苦労様。けど こっちも上に言われてる仕事だ。引き取ってくれないと あたしらが上司に怒られるんだ」
男が再度 拒絶しようと口を開きかけるが、横からガタいのいい大男が現れた。恐らく警備の人間と思われる。
大男「ムリと言ってるだろ。それとも、このまま問題にするか?お前らの上司に直接 言ってもいいんだぞ」
摩耶「おい、上司に言うのはやめろよ」
天龍「分かった、帰るよ。優しい応対してくれてアリガト!」
摩耶と天龍はストレーチャーを押して離れると、2人でブツクサと文句を言いながら救急車に戻っていく。
救急車に乗り込むと、笑みを浮かべる天龍がダンテに無線を繋げた。
天龍「引き付けるだけ引き付けた。あとは そっちで頑張ってくれ」
葬儀社から少し離れた場所で待機するため、救急車を発進させる。
その頃ダンテと川内は、解剖室に来ていた。
川内「・・・ここ解剖室だよ。別の場所に行かない?」
ダンテ「死体はキューバから運ばれてた。奴らが何かしてるなら、ここに動かぬ証拠があるはずだ、探せ」
2人は二手に分かれ、解剖室を見て回っていく。
川内が台に乗せられた何かに被せてる白いシーツを取ると、太った男性の死体が露になり、彼女は顔を しかめる。
川内「あ~、おっさんの死体 見ても全然テンション上がんない・・・」
ダンテも別の台のシーツを取ると、そちらは女性の死体が露になった。
ダンテ「・・・・・・・・・」
川内「・・・提督?」
ダンテ「・・・ん、何だ?」
川内「何で そんなガン見してるの?」
ダンテ「・・・してない」
川内「してた!思いっきり胸 見てたじゃん!相手が死体でも そういうこと考えるわけ?!」
ダンテ「違う、胸なんか見てない。そりゃ この女のは凄い・・・じゃなくて、怪しい点がないか調べてたんだ」
川内「ふーん、調べてたんだ。黙ってジッと見てるだけで何を調べられるって言うのさ?!この変態!エロスケベ!」
ダンテ「何で そんなこと言うんだ?!俺は真面目に仕事してる!」
言いながらダンテは、突然 医療用手袋をして、それを見た川内は怪訝な顔をする。
川内「何してんの?」
ダンテ「死体を調べる」
川内「医者じゃないのに死体 調べても分かんないでしょ?」
川内は、エクストリームに繋がる書類か何かを見付ければ それでいいと思っていた。だがダンテは、死体その物に何かあると睨んでいた。
ダンテ「ステフを納得させる証拠が要る。いいから持ってきたカメラで撮れ」
川内の小言を無視し、ダンテは女性の切開された腹部に腕を突っ込む。
嫌々ながらにカメラを撮りながら それを見ていた川内は、よく平気な顔でできるなと思いながら顔を しかめる。
ダンテ「・・・・・・ちょっと待て、何かある・・・袋状の何かだ」
手探りで死体の内部を漁ってると、ダンテの手が何か形のある物に触れた。そして引き抜いたのは、女性の胃袋だった。
ダンテ「なんだ胃か」
違ったため、ダンテは胃袋を適当に投げ捨てる。
ダンテが胃袋を鷲掴みで引き抜いたのを見て、川内は吐き気を催していた。
川内「うえ・・・ヤバい、気持ち悪くなってきた・・・」
ダンテ「いや、待て・・・まだ何かあるぞ」
川内「もうやめて・・・」
次にダンテが引き抜いたのは、大量の錠剤が入った透明の袋だった。
ダンテ「見ろ、大当たりだ。俺の睨んだ通りだったな。これでタピアを合法的に捕まえられるぞ。川内、そっちの死体も調べろ」
川内「私が!?」
ダンテ「いいからやれって。俺は こっちの方をザッと見ていく」
ダンテは女性の遺体から離れ、棚にあるファイルなどを見ていく。
川内は仕方なく医療用手袋をして、カメラで自分の手元を撮りながら太った男性の死体に腕を突っ込む。そして同じように何かを掴み腕を引き抜くと、胃だった。
吐きそうになりながら頑張って また腕を突っ込むと、こちらでも大量の錠剤が入った透明の袋が出てきた。
しかし、川内の我慢に限界が来ていた。
川内「あ~気持ち悪い・・・あ、ダメ、吐きそう。吐く・・・吐く・・・うっ・・・!」
袋を持ったまま慌てて流しに行くと、胃の中の物を全てリバースしてしまった。
その拍子に、エクストリームが入った薄い袋が僅かに破け、そこから落ちた1錠がコップの中に落ちた。
胃酸で口の中が気持ち悪いため、川内はコップに水を入れて飲み干す。誤ってコップの中に入ったエクストリームに気付かず一緒に。
すると、川内の目がトロンとしてきて、様子が おかしくなってくる。
川内「ふぅ・・・ふぅ・・・提督、何だか変だよ・・・」
ダンテ「あぁ、ここは おかしい事ばかりだ」
ダンテは川内に見向きもせずファイルに目を通してるため、彼女の異変に気付かない。
ダンテの見てるファイルには、エクストリームを詰めた死体を運び込み、ここで取り出し各方面に売り捌いてる事になっている。
だが、ダンテとネロが追った死体には何もないとの事だった。今までの情報の空振りから今回も同じで、タピアは嗅ぎ回ってる者が居ると気付き、ダミーで何もない死体を運ばせていたのだろう。ダンテとネロは それを追わされた訳だ。
恐らくダンテ達が動いてると気付いてる鹿島から情報が渡り、タピアが警戒したのだろう。
川内「何だか暑い・・・私、身体が暑くなってきちゃった・・・」
川内の意味不明な言葉にダンテが顔を上げると、なんと川内が服を脱ごうとしていた。
ダンテ「何やってる!?」
川内「暑いから脱ぐ・・・」
ダンテ「こんな所で脱ぐな!真面目に調べろ!」
川内「あ~い」
川内は ふざけたように敬礼し、何をしようか迷って その辺を行ったり来たりしながらウロウロする。
すると、誰かの話し声が近付いてくるのが聞こえた。
ダンテ「隠れろ」
ダンテは人が入れる大きさのロッカーに隠れ、川内は どこに隠れようかとワタワタする。
考えた末、ダンテと同じ所に入ろうとした。
ダンテ「何で こっちに来るんだ?!」
川内「一緒に入れてよ!私も入りたい!」
ダンテ「こっちは もう満員だ!違う所に隠れろ!」
ダンテに押し出され、ピシャッと扉まで閉められ川内は閉め出されてしまう。
声は更に近付き、明らかに解剖室に来ようとしている。
川内は咄嗟に、女性の死体がある台に一緒に横になり、白いシーツを頭まで被る。
ダンテ「(何で そこに隠れるんだ、ふざけんな!)」
死体を扱う葬儀社の職員なら、遺体に用がある可能性があり すぐ見付かってしまうかもしれない。
ロッカーの扉にある僅かな隙間から見ていたダンテは、あまりにも隠れるのが下手な川内に頭を抱える事になる。
だが川内を どうにかしたくても、もう間に合わない。手術着を着た2人の男が、解剖室に入ってきてしまったのだ。
男「次は女の遺体だ。運び出すぞ」
ダンテ「(女の遺体・・・?待て待て、それはダメだ!それだけはやめろ!)」
不運にも、葬儀社の職員は川内が隠れる女性の遺体を運び出そうとしていた。このままでは川内が見付かってしまう。
どう切り抜けるか焦るダンテと、呑気に女性の死体と添い寝する川内の運命や如何に!
麻薬エクストリームを飲んでしまい、更に見付かりそうになる川内。完全に足手纏いになっております。
次回も宜しく お願い致します!