Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

416 / 551


感想ありがとうございます!

406話です!どうぞ!


Mission406 誤飲~イカれる艦娘~

ダンテとネロが死体を運ぶバンを追ってカーチェイスをした末、バンを運転していたのは悪魔の力を移植された強化人間である事が発覚する。

モノレールで揉み合いになったダンテは、強化人間に一撃を入れてレールに落としてしまい、唯一 証言できる者を死なせてしまう。

ジョニー・タピアが経営する葬儀社に必ず何かあると確信したダンテは、葬儀社へ踏み込む事を決める。

ホームレスに扮した呉提督が葬儀社と その周囲を見張り、救急隊員に扮した摩耶と天龍が葬儀社の職員の注意を引いてる間に、ダンテと川内が窓から侵入する。

解剖室で死体を調べると、中から大量の錠剤、麻薬エクストリームが入った透明の袋が出てきた。

更に調べていく途中、川内が誤ってエクストリームを飲んでしまう。

そこに職員の声が近付いてきて、ダンテはロッカーの中に隠れ、川内は死体と一緒にシーツの中に隠れる。

入ってきた職員は有ろう事か、川内が一緒に隠れる死体を運び出そうとするのだった。

 

 

*葬儀社 5月14日 22:45*

 

男「次は女の遺体だ。運び出すぞ」

 

ダンテ「(女の遺体・・・?待て待て、それはダメだ!それだけはやめろ!)」

 

手術着を着た2人の男は、死体を乗せた台を押して解剖室から出てしまう。

このままでは川内が見付かって大変な事になってしまうため、どうにか川内を助け出さなければならない。

考えた末に、ロッカーに入ったままのダンテは摩耶と天龍に無線を繋げた。

 

ダンテ「摩耶、天龍!川内が連れてかれた!注意を逸らせ!」

 

天龍『逸らすって どうやって?』

 

ダンテ「救急車で突っ込め!」

 

そう指示するが、無線からは摩耶と天龍の返事が返ってこない。

時間がないからダンテはイライラしてしまう。

 

ダンテ「早く救急車で葬儀社に突っ込め!川内がマズいんだ!」

 

摩耶『あー、それは ちょっと無理かな・・・』

 

ダンテ「ムリって何でだ?!」

 

摩耶『あたしスピード違反とかで点数ヤバくて、次 事故とか起こしたら免停 喰らっちゃうからさ・・・』

 

ダンテ「お前 免許と川内どっちが大事なんだ?!」

 

摩耶『そんなこと言われても・・・天龍やってくれよ』

 

天龍『俺!?俺だって無理だって!3日前に免停 明けたばっかなのに!』

 

摩耶『ごめん提督、あたしら無理』

 

天龍『他の方法 探してくれ』

 

グダグダと口答えして言う事を聞かない摩耶と天龍に、遂にダンテの怒りが爆発する。

 

ダンテ「いいから つべこべ言わずに突っ込め!早く突っ込め!突っ込め!」

 

無線から壊れたように、ダンテの“突っ込め”という言葉が延々と流れてくる。

やるまで永遠に言い続けるつもりかとウンザリした摩耶は、渋々 救急車のエンジンを掛ける。

 

摩耶『免停になりそうになったら提督が どうにかしてくれるんだろうな?!』

 

ダンテ「早く突っ込め!」

 

そして葬儀社の外では、摩耶と天龍の悲鳴を響かせながら壁に救急車が激突した。

呉提督も無線は聞いていたが、いざ本当に突っ込んだのを見てしまうと、眉間に皺を寄せて唖然としていた。

一方 葬儀社の中では・・・。

 

男「何の音だ!?」

 

救急車が突っ込んだ轟音に驚き、死体を運んでいた職員が通路に台を放置して、そちらに向かっていく。

その隙にロッカーから出てきたダンテが川内を引き摺り出し、2人は窓から脱出する。

 

ダンテ『隠れ家に退け。全員 撤退しろ』

 

無線でダンテの指示を聞いた呉提督は すぐ その場から立ち去るが、事故を起こした摩耶と天龍は そういう訳にはいかなかった。次々と外に出てくる職員が見てる前で逃げづらかった。

 

天龍「いや悪いね!何で こんな事になっちまうんだか!」

 

摩耶「救急車 壊れちまったみたいで!ブレーキが効かなくてハンドルも動かなくて どうしようもなかった!」

 

免停になりたくなくて、葬儀社の職員に自分達は悪くないアピールを必死にやってる。

最終的に どうなるかは、2人の力で どうにか切り抜けてもらうしかなかった。

 

 

・・・・・・

 

*ホテル 23:42*

 

葬儀社から脱出したダンテと川内は、その足でステフが泊まるホテルに向かっていた。

ホテルに入り、彼女が泊まる部屋を目指して通路を歩く中、フラフラしながら歩く川内は ご機嫌だった。

 

ダンテ「これで証拠は揃った。ステフも令状 出す気になってくれるだろうよ」

 

川内「ふぅ~♪私と提督、最強ペアの お陰~」

 

ダンテ「おい、ちゃんと歩け。危ないぞ」

 

ステフが泊まる部屋に着いて扉をノックするが、川内は ご機嫌なまま喋り続ける。

 

川内「ねぇ、私と提督って どんな事も相性いいと思わな~い?」

 

そう言いながら妙にボディータッチしてくる川内に、ある疑いの目を持ってダンテは彼女を睨むと、彼女が持ってる探照灯を奪い眼に光を当てる。

 

川内「ん・・・何?」

 

ダンテ「・・・まさか麻薬 飲んだのか?」

 

川内「え~?そんなの飲まな~い。間違って飲んだかも~」

 

ダンテ「エクストリーム飲んだのか?!」

 

川内「提督だーい好き♪」

 

川内が抱き付こうとするが、川内の不甲斐なさに不機嫌になったダンテは彼女を押し返しやめさせる。

 

ダンテ「おい、やめろ!なんてバカな事したんだ!ステフとは俺が話す。お前は何があっても喋るな、一言もだ!」

 

川内の顔に指差し言うと、彼女は話を聞いてるのか聞いてないのか、少しの間 黙ったまま指を見詰めると、いきなり噛み付こうとした。ダンテは手を引っ込め回避する。

呆れながらダンテは扉に向き直り、川内も扉に向くが・・・

 

川内「あ~ん・・・」

 

川内が自分の手の平を舐め始めたので即刻やめさせる。こんな奇行に走る川内を、ステフに見せて何があったか知られたら色々とマズい。

直後、部屋の扉が開いてステフが出てきた。

 

ダンテ「ステフ、話がある」

 

川内「ハァ~イ、ステフ~♪」

 

ステフ「・・・こんな時間に何の用?」

 

ダンテが本題に入ろうとしたが、川内がダンテの背中に触り撫で回してくる。

不快感を感じるダンテは平静を保ち、口を開く。

 

ダンテ「タピアと・・・エクストリームが関係する証拠を見付けたから・・・見てくれ」

 

ステフ「分かった、中で確認するわ」

 

ダンテ「ン゛ン゛ッ!」

 

川内「アァウチッ・・・!」

 

ステフが後ろを向いて部屋に戻っていくタイミングで、ダンテは怒りのままに川内の腕を自分の腕で叩き落とす。その痛みに、川内は苦悶の声を上げた。

部屋に入り、ダンテとステフはソファーに座り向き合うが、川内はパチパチと指をスナップさせて、ノリノリで部屋を見渡していく。

 

川内「お~、凄い部屋~!スイートルームってやつ~?本部長が泊まるに相応しい部屋だね~。格好良くて厳格で美しく、人の上に立つステフのためにあるようなものだよ~」

 

ダンテ「分かってる、分かってる」

 

ステフ「あら、ありがと」

 

明らかにイカれてる川内が喋る事で、ダンテは内心 焦りまくるが、ステフは まだ気付いておらず、川内の誉め言葉に気を良くしていた。

 

ダンテ「あ~ステフ?実は葬儀社に忍び込んで証拠の数々を押さえたんだ」

 

ステフ「あ~やめてよ。また勝手な事して・・・」

 

国内でのスパイ活動は重罪であるため、許可も捜査令状もナシに潜入したと知り、ステフは嘆いて顔を覆ってしまった。

ダンテは確かな証拠を掴んだから兎に角 見てくれと、ステフにカメラを渡す。

 

川内「ねぇ、見て・・・」ヒソヒソ・・・

 

ステフの後ろでは、女性の彫像を見付けた川内が彫像の胸を撫で回していた。

ダンテは川内を睨み、やめろと小さく首を横に振る。

ダンテとステフが話を続ける中、川内は自分の服の胸元を はだけさせ、小声でダンテを呼ぶ。

ダンテは怒りが爆発しそうなのをグッと抑え、下を向きながらステフに気付かれないよう溜め息を吐く。

 

川内「どっちがセクシー?♪」ヒソヒソ・・・

 

後ろでボソボソと川内が何か喋るため、気になったステフは振り返ろうとするが・・・

 

ダンテ「ステフ、よく見てくれ!ここに証拠が全部ある!」

 

ダンテがステフの気をカメラに向けさせ、イカれてる川内を見させないようにする。

ステフの視線がカメラに集中してる間に、ダンテは手を大きく振って川内にやめろと伝える。

すると川内がステフに近付き、彼女の頭皮を嗅ぐ。

 

ダンテ「んっう~ん・・・」

 

もうダンテは気まずく、川内とステフを直視できず、イライラしながら床を見詰める。

すると、川内がステフの両肩に手を置いてマッサージを始める。

 

川内「リラックス、リラックスだよ~」

 

ステフ「えぇ、大丈夫よ、リラックスはしてる」

 

ダンテ「川内、皆に電話を頼む」

 

川内「・・・何の?」

 

ダンテ「あれだ、あの・・・隠れ家に待機しといてくれってのを伝え忘れた!頼むぞ!」

 

川内は了解したと、ご機嫌な様子でダンテとステフから離れていく。

 

ダンテ「奴らはキューバから持ち込んだ死体を、葬儀社で━━」

 

すると川内は、辺りをキョロキョロと見渡してから別の部屋に入っていき、ダンテは それを見てしまった。

 

ダンテ「━━ああクソッ!」

 

今の川内が余計な場所に行けば余計な事をするのは分かりきっているので、思わず心の声が漏れてしまった。

 

ステフ「クソって何が?」

 

ダンテ「あいつらは糞を詰まらせるみたいに、死体にエクストリームを詰め込んで運んでるんだ」

 

ダンテは誤魔化し そのまま真面目な話を続けてると、スカートだけ脱いでバスローブを着た川内が、どこかに電話しながら部屋から出てきた。

 

ダンテ「ああクソッ!」

 

それを見たダンテは また心の声が漏れてしまう。

 

川内「もうグルングルンしてるよー」

 

そして川内は、クルクルと回りながら また別の部屋に入っていった。

 

ステフ「誰と話してるの?」

 

どうしたのかとダンテと川内の様子を訝しむステフが振り返るが、既に川内の姿が見えないので気付けない。

そして部屋に入った川内は、そこにあった水槽を見ながら何故か日本に居る神通に電話していた。

 

川内「もうね、凄いんだよ!美味しそうな魚 泳いでる!ナイスフィッシュって感じ!うへへへへへへへへっ!」

 

川内が大声で喋り、気持ち悪い笑い方をするため、ステフも川内の異常さに気が付き、どういう事かとダンテを見る。

 

ダンテ「川内は・・・悩んでて・・・心が病んでる状態で・・・」

 

もう誤魔化すのも無理と思い始めていたダンテは、ステフを直視できず、力ない声で無理と分かっていながら まだ誤魔化してみる。

すると、部屋から出てきた川内が花瓶の水をガブガブ飲み始めた。それを見てステフは唖然とし、ダンテは終わったと絶望しながら口元を手で押さえる。

 

ステフ「・・・ダンテ提督?」

 

ダンテ「正直に言う。川内が誤ってエクストリーム飲んじまったんだ・・・だから こんなアホに・・・」

 

 

・・・・・・

 

少しして、川内はバスルームで冷水を浴びていた。

バスルームの外では、事情を全て聞いたステフが誰かと電話で話しており、ダンテも電話が終わるのを待って一緒に居た。

そして簡単に お礼だけ伝え、ステフは電話を切った。

 

ステフ「エクストリームは高熱を引き起こす副作用があって、脳にダメージを与えるの。このまま冷水を浴びて冷やせば大丈夫だそうよ」

 

ダンテ「悪い、ステフ・・・」

 

ステフ「わざとじゃないならいい。財団の医療チームが対処法を調べてくれてて助かったわ」

 

川内「提督~、シャワー冷た~い」

 

ダンテ「そのまま頭 冷やしてろ」

 

川内「分かった~」

 

イカれてた川内も、冷水を浴びた事で少しは正気に戻りつつあった。

 

ダンテ「ステフ、証拠は掴んだ。タピアを捕まえる許可をくれ」

 

ステフ「・・・分かった。タピアを捕まえて」

 

ダンテ「川内を頼む」

 

ダンテは川内を残し、部屋から出ていく。隠れ家に戻って すぐ準備しなければならない。

 

川内「提督~、私も一緒に~」

 

ステフ「川内、あなたは私と留守番よ」

 

川内「一緒に行きた~い」

 

ステフ「いい子にしてたら、ルームサービス頼めるわよ?」

 

川内「分かった~」

 

川内は まだ完全でないため判断力が鈍く、ステフの言いなりだった。

 

 

・・・・・・

 

*別荘 5月15日 8:50*

 

ダンテ、ネロ、摩耶、天龍、呉提督、(たける)刹那(せつな)、オリーブ財団の特殊部隊は、タピアを捕まえ鈴谷を保護するため、準備を終わらせ別荘に踏み込もうとしていた。

 

ダンテ「よし、行くぞ」

 

特殊部隊が前衛として先に敷地内に突入し、その後ろをダンテ達が行く。

同時刻、タピアに全てを奪われたロシアマフィアのボス、アレクセイ・アニシンも復讐のために武装して、敷地内に侵入していた。

特殊部隊は幾つかのチームに分かれて散開し、麻薬カルテルを制圧するため進んでいき、銃を撃ち敵を倒していく。

その銃声に、タピアも すぐに気付いた。

タピアは脱出するための時間稼ぎと、自分の母親と娘を逃がすよう部下に指示する。

 

タピア「お前は俺と一緒に居ろ」

 

そして鈴谷だけは、タピアと一緒に残るように命じられた。

そして庭では、アレクセイが銃を乱射しながらタピアの名を呼んでいた。

そこに特殊部隊が現れ、銃を捨てるように警告するが、アレクセイが銃を向けてきたため射殺し、アレクセイはタピアに復讐できないまま池に落ちて命を落とした。

別荘の中へと入ったダンテ達は、鈴谷とタピアを見付けた。

 

呉「ジョニー・タピア、麻薬エクストリームの密輸と殺人で逮捕する」

 

呉提督が告げると、タピアが それは無理と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべて笑う。

 

タピア「俺を逮捕?これでもか?」

 

タピアは鈴谷を人質にし、頭に銃を突き付ける。

呉提督と健、刹那が銃を抜きかけるが・・・。

 

タピア「いいのか?助けに来たんだろ?鈴谷に当たるかもしれないぞ」

 

艦娘売買で取引された艦娘は、特殊な薬を打たれ艤装が使えなくなり、人間の武器でも死んでしまうほど弱くなってしまう。鈴谷も同じはずなため、下手に撃てない。

 

タピア「俺が国境を出るまで手を出すな。さもないと鈴谷の頭を撃ち抜いて、お前らに脳ミソが飛び散る様を見せる事になるぞ」

 

ダンテ達は ゆっくりと横に移動し、タピアに道を空ける。

そんなダンテ達を見ながら笑うタピアは、出入り口の方に向かいながら口を開く。

 

タピア「Devil May Cry鎮守府、オリーブ財団・・・まぁ名前なんて どっちでもいいが、こっちに鈴谷が居る限り、俺に手出しできない。残念だったな」

 

摩耶「鈴谷・・・」

 

鈴谷「ごめんね、皆・・・」

 

ダンテ「・・・誰もタピアに手を出すな」

 

ダンテの言葉から呉提督は無線で、特殊部隊にタピアを見ても発砲するなと禁じる。

それに満足したタピアは別荘から出ると、鈴谷を連れて姿を消すのだった。

 

 

・・・・・・

 

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 5月17日 12:54*

 

オリーブ財団に戻ったダンテ達は、重苦しい空気のブリーフィングルームに集まっていた。

タピアの足取りは健が調べてくれたが、いい結果としては決して言えるものではなかった。

 

ネロ「タピアは?」

 

健「メキシコに逃げた。メキシコは管轄外だから、逮捕する権限は僕らにはない」

 

天龍「・・・鈴谷も一緒なんだよな?」

 

健「きっとね」

 

ステフ「どうして鈴谷が生きてた事を私に話さなかったの?」

 

ネロ「だって・・・ステフなら否定すると思って」

 

ネロが そう答えた瞬間、ステフに全力でビンタされた。

ビンタされたネロは怒る訳でもなく、戸惑った表情で彼女に視線を戻すしかなかった。

 

ネロ「ス、ステフ・・・?」

 

ステフ「私の事を何だと思ってるの?!あの娘が居なくなって、死んだと思って、私だって寂しかった!悲しかった!辛いのは あなた達だけじゃないの!鈴谷が生きてる確証があったなら、私に話すべきだった!」

 

ネロ「ご、ごめん、でも・・・ステフなら任務を優先すると思って」

 

そう言うと、またステフにビンタされてネロは張り倒される。

 

ネロ「ちょっ、ちょっと待ってくれって!俺だけ殴られるの おかしいって!決めたのダンテだ!」

 

ステフ「私の事を甘く見ないで!私は本部長よ!任務の変更ぐらい融通は利かせられるの!」

 

ネロ「だってステフ━━」

 

天龍「もう言うな!言ったら また張り倒されるって!」

 

言い訳する度にビンタされても話が進まないため、摩耶と天龍、川内が慌ててネロの口を塞ぐ。

そんな中、ずっと沈黙を貫いていたダンテが重い口を開く。

 

ダンテ「ならステフ、俺達の望みは分かるよな?」

 

ステフ「あなたの期待する言葉なら言ってあげられる」

 

ダンテ「なら頼む」

 

ステフ「これよりオリーブ財団は、通常の捜査から諜報機関としての任務に移行する。任務は鈴谷の救出よ」

 

国内でのスパイ活動は重罪であるため、オリーブ財団がアメリカで動くためには、与えられてる総括的権限で、警察のように通常の捜査でしか活動できない。

だがタピアがアメリカから出てメキシコに行ったのなら逮捕はできないが、諜報機関として逮捕以外の事は何をしたって構わない。何故なら、全て揉み消せばいいのだから。

タピアがメキシコに逃げるという判断は、逆にオリーブ財団のメンバーが無法者集団になれる切っ掛けを作ったに過ぎない。タピアは自分で自分の首を絞めた事になる。鈴谷を人質に取ったのなら尚更・・・。

 

摩耶「なら、さっさと準備してメキシコで暴れようぜ」

 

健「あー、それなんだけど・・・」

 

ならメキシコで暴れてタピアを殺して鈴谷を連れ帰ればいいと、そんな単純な話で事は進まない。

健の調べではタピアとメキシコ軍は癒着しており、タピアが甘い汁を吸わせて上層部はタピアの言いなりなのだ。

タピアが居る屋敷には軍が駐屯して警備しており、その警備体制は軍基地に匹敵する。

鈴谷を救出するためにタピアの屋敷に攻め込むとなると、メキシコ軍を相手にする事になる。そうなればアメリカとメキシコ間で国際問題になり、揉み消す処の話ではなくなる。

 

摩耶「・・・じゃあ どっちにしても行けないって事か?」

 

健「今のままだと そうなるね。財団だって揉み消すにも限度があるし、軍を相手にすれば派手になって隠せなくなる。いま行動に出たら、僕らの首が絞まる」

 

タピアは こちらの正体を知ってる。攻め込めばアメリカの手先だとメキシコ政府に知られる。

そのまま行動に移し国際問題に発展させれば、アメリカ政府は その責任をオリーブ財団に背負わせ解体、メンバーはテロを企てた戦犯として処刑し、艦娘も解体して、この国際問題を終わらせようとするだろう。つまり、オリーブ財団を生け贄に、メキシコ政府からの追求を躱そうとする。

その問題を解決しない限り、メキシコに乗り込むのは不可能だ。

どう動けばいいかとダンテ達が頭を悩ませる中、ブリーフィングルームの扉が開いて、1人の特殊部隊員が入ってきた。

 

隊員「協力させてください。俺はメキシコ出身です。力になれるかも」

 

呉「あんた、メキシコからの移民だったの?」

 

隊員「はい、稼ぎが欲しくてアメリカに。俺の従兄弟が、メキシコで反政府組織で活動してます。従兄弟に連絡すれば、力になってくれると思います」

 

だが、それで先の問題が どうにかなるという訳ではない。オリーブ財団の所属と知られてる以上、現地で派手に動けば問題にしかならない。

そして、ダンテ達は どうにかしろとステフを見る。

皆から見られたステフは、その視線の圧に唖然としたが、すぐに冷静になり口を開く。

 

ステフ「アンタ達クビ。もう財団のメンバーじゃないから後は好きにしなさい。うちとは関係ないから」

 

ステフはダンテ達をクビにし、問題を起こしてもオリーブ財団に その責が回ってこないようにした。

これならメキシコ政府が何を言ってこようが、アメリカは そんな事実はないと否定して話が有耶無耶になるだろう。

それ以前に、クビになったダンテ達は反政府組織のメンバーとして暴れられるので、全て反政府組織の仕業という事にできる。

 

ダンテ「メキシコに行く準備だ。そこで全て終わらせる」

 

ダンテに、もうタピアを逃がすつもりはない。全ては、鈴谷が捕らわれる事になった始まりのメキシコで決着を決める。




次回で、麻薬カルテルとの話も終わります。
ドタバタ救出劇を楽しんでいただけたらと思います。

次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。