Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!

今回はラストに どうしても入れたい描写があったので、普段より ちょっと文字数が多くなっております。

407話です!どうぞ!


Mission407 プランB~魔剣士の宣戦布告~

エクストリームを誤飲してイカれてしまった川内の面倒を見ながら、ダンテは葬儀社で押さえた証拠の数々をステフに見せる。

ステフがタピアの捕縛を決め、ダンテとネロ、摩耶、天龍、呉提督、(たける)刹那(せつな)は、タピアが滞在する別荘に特殊部隊と共に踏み込む。

しかし、タピアが鈴谷を人質に取り、メキシコに逃げられてしまう。

ダンテ達は鈴谷を救出するため、メキシコへ向かう準備を進めるのだった。

 

 

*メキシコ 屋敷 メキシコ時間5月19日 9:13*

 

新たな移住先となるメキシコにあるタピアの屋敷は新築で、建築の方は ほぼ終わってるのだが、内装の方が まだ終わっていなかった。

リビングとも言える広い空間では、タピアが画家を呼んで壁に自分の自画像を描かせていた。その絵は、祈るようなポーズをしたタピアに、天使の羽がある物だった。

そこに、タピアの娘が鈴谷と手を繋いで現れた。

娘は鈴谷から手を離してタピアに駆け寄り、タピアも優しく娘を抱き締める。

 

タピア「もうすぐ完成だ。この絵を どう思う?」

 

娘「パパ、キリスト様みたい」

 

タピア「お~、そうか。神様みたいって事か?」

 

娘「ううん、死んでるみたい」

 

そう言われた瞬間、タピアの顔から笑みが消える。怒ったのではない。ショックを受けたのだ。

 

タピア「・・・どうして そう思った?」

 

娘「だって天使様の羽があるから。死んだら皆 天使様になるんでしょ?」

 

娘が“死んでるみたい”だと感想を述べた理由を理解し、タピアの中で怒りが込み上げてくる。

タピアは娘を溺愛しており、娘のためなら何でもするし何でも与える。そんな娘に不吉な感想を言わせる絵など、タピアには我慢ならなかった。

そして その怒りを、絵を描いていた画家に ぶつける。

 

タピア「おい!お前はクビだ!糞みたいな絵を描きやがって!俺の屋敷から出ていけ!」

 

画家を追い払うと、部下に新しい画家を雇うよう命じる。序でに、天使の絵はNGである事も伝え。

タピアは娘に、鈴谷と遊んでるように言い、娘は鈴谷と手を繋いで その場を離れようとする。

しかし鈴谷がタピアに呼び止められ、足を止める事になる。

 

タピア「分かってると思うが、妙な事は考えるな。あいつらは助けには来れない。ここには軍も居るからな」

 

鈴谷「・・・分かってます」

 

鈴谷は振り返る事なく言葉を返すと、タピアの娘の手を引いて今度こそ立ち去った。

 

 

*アパート*

 

その頃タピアの屋敷の向かいにあるアパートの2階では、メキシコに入国したダンテとネロ、摩耶、天龍、川内、ニコ、呉提督、健、刹那、そしてメキシコ出身の特殊部隊員の従兄弟で、反政府組織に所属してる『マッシュ』が、バルコニーからタピアの屋敷を見ていた。

 

ネロ「何で向かいなんだよ?バレないのか?」

 

マッシュ「敵も まさか こんな近くに居るとは思わない。灯台下暗しってやつだよ」

 

いま居るアパートは、反政府組織の拠点として利用されていた。

アパートの持ち主も反政府組織に所属しているため、利用し放題で監視も容易い。

ダンテ達はタピアの屋敷を見るのも程々に、部屋へと戻る。

 

呉「協力してくれて感謝するわ」

 

マッシュ「いや、あいつらの敵は俺達にとっては味方だ。いくらでも協力させてもらうよ」

 

ダンテ「それで、準備は どうなってる?」

 

マッシュ「ここを起点に、俺達は地下にトンネルを掘ってる」

 

反政府組織は地下にトンネルを掘る事で、敵への奇襲・移動・退路として、政府を打ち倒すための足掛かりにしている。

しかし、本来はタピアの屋敷に向かってトンネルは掘っていなかった。

 

マッシュ「いま急ピッチで屋敷の真下に繋がるトンネルを掘ってるところだ。開通するまで もう少し時間が掛かる」

 

川内「敵の戦力は?」

 

マッシュ「まさに要塞」

 

屋敷には常に軍が駐屯しており、警備は5時間毎に交代する。

見張り台もあり、地上や空から侵入するのは すぐバレるので不可能だ。

休憩中の軍人も、庭でサッカーをして暇な時間を潰すので、屋敷から離れる事はない。つまり、常に戦力が減る時間はないという事だ。

 

呉「武器は?」

 

マッシュ「銃は一通り。ロケットランチャーから手投げ弾まで、掻き集められるだけ集めてはおいた。行けそうか?」

 

健「さすが政府と喧嘩してる事はあるね」

 

刹那「ヤバ過ぎ」

 

ダンテ「トンネルが開通したら すぐに行動に出る。ネロ、摩耶、天龍、川内、トンネル掘るの手伝ってやれ。俺と残りは、作戦会議だ」

 

『了解』

 

ネロと艦娘達が離れていくと、ダンテは呉提督に視線を向けて口を開く。

 

ダンテ「鈴谷の救出はアンタに任せる」

 

そう言われ、呉提督は戸惑った。自分は1度、鈴谷の救出に失敗して別の鈴谷を連れ帰った。本当ならダンテ自身が助け出したいはずなのにと。

 

呉「え・・・どうして?私なんかより、ダンテちゃんが行くべきよ」

 

ダンテ「俺とネロは人間相手に銃も剣も使えない。だから後方支援で敵を撹乱する。それにアンタは鈴谷を助けられなかった事を悔やんでた。リベンジさせてやる」

 

呉「そんな・・・絶対に助け出してみせるわ」

 

呉提督は、最重要目的を自分に任せてくれるというダンテの言葉に、感極まって声を震わせる。

 

ダンテ「俺をガッカリさせるなよ?」

 

呉「任せて!ダンテちゃんに そんな風に期待されたら、もう滾っちゃう!マッシュ、ロケットランチャーどこ?すぐにでも あいつらに ぶっ放すわ」

 

健「待って待って待って。まだ作戦会議も始まってないのに行かないでよ」

 

刹那「今ロケットランチャーぶっ放したら全部 台無しになるし」

 

呉「ごめんなさい、私とした事が。もう、興奮しちゃって」

 

滅茶苦茶に興奮して危ない感じだが、こんな呉提督に任せて大丈夫なのかと健と刹那は心配になってくる。

ただ、ダンテだけは呉提督なら成功させてくれると信じているのか、何の心配もしていなかった。

 

ニコ「ぶっ放すのはダンテの役目だな。カリーナ=アンⅡの修理は終わってる」

 

ダンテ「悪かったな」

 

ニコ「報酬はツケにしとく」

 

ダンテ「流石だな」

 

その後、こちらの武器と戦力を考慮しながら、要塞のような屋敷を どう攻略して鈴谷を救出するか、綿密に作戦を練るのだった。

そして今は無くて必要な物は、ニコが造って用意してくれる。

 

 

・・・・・・

 

*屋敷 14:37*

 

昼過ぎ、軍人がサッカーをしてる庭では、四角く切り取られた芝生が浮いて、僅かな隙間から摩耶と天龍が庭の様子を確認する。

 

天龍「よし、玩具を与えてやれ」

 

天龍が無線で指示すると、屋敷を囲む壁の外で待機していた反政府組織のメンバーの1人が、周囲の目を確認しながらニコが造ったラジコンを屋敷の敷地内に投げ込んだ。

 

 

*アパート*

 

ニコ「ほーうら、新しい遊び道具だぞ。食い付け、食い付け」

 

アパートでは、ニコが自作したラジコンに取り付けたカメラの映像を見ながら、ラジコンを走らせる。

 

 

*屋敷*

 

サッカーをしてるところにラジコンを割り込ませると、軍人達は すぐに食い付き、何だ何だと群がってくる。

ニコがラジコンを前後に動かし、奇妙な挙動に軍人達は可笑しそうに笑いながら無邪気な子供のように、ラジコンに構って離れない。

 

摩耶「あのバカ共、餌に食い付いたぞ」

 

ダンテ『作戦開始だ』

 

ダンテの合図に、ニコがラジコンのコントローラーのスイッチを押す。するとラジコンが爆発し、群がってた軍人が吹き飛び宙を舞う。

直後、あちこちで四角く切り取られた芝生が動き、その下の穴からダンテ達と反政府組織のメンバーが顔を出し、攻撃を開始する。

ここを襲う者など居ないと油断していた軍人達は、突然の奇襲に狼狽え慌ただしくなる。

ネロが手投げ弾を投げ、摩耶と天龍が砲撃して更に撹乱し、反政府組織のメンバーが銃を撃って軍人を射殺していく。

 

ダンテ「ほら、逃げないと死ぬぞ!」

 

ダンテがカリーナ=アンⅡを撃ち、見張り台を破壊する。

見張り台に居た軍人は、爆発する前に逃げて直撃はしなかったが、爆発の余波で吹き飛びはした。

攻撃の手は止まる事はなく、爆発は続き軍人も次々と倒れていく。

その隙に、穴から出た川内と呉提督、健、刹那、何故か一緒にクビにされたオリーブ財団の特殊部隊の半数の隊員が、屋敷へと侵入する。

屋敷の中では、この騒動にタピアが機嫌を悪くさせていた。

 

タピア「何の騒ぎだ?!」

 

部下「敵襲です!」

 

タピア「敵襲・・・?何でもいいから早く片付けろ!俺の屋敷は建築が終わったばかりなんだぞ!」

 

タピアは部下に事態の収拾を急がせ、娘を部屋に連れていくよう指示する。

屋敷に潜入した呉提督と健、刹那は、川内と特殊部隊とは別行動を取り、銃撃戦を繰り広げていた。

屋敷には軍人ではなくタピアの部下が居るため、奴らを倒しながら屋敷を進むしかない。

その頃 川内と特殊部隊は、鈴谷を探して ある部屋に入ると、ショットガンを持つタピアの母親が居た。

すると出会い頭に、いきなり発砲してきた。隊員はベッドなどの物陰に隠れるが、艦娘である川内に人間の武器は通じない。

川内は弾丸を浴びながら、ズンズンと前に進みタピアの母親の前で止まる。

 

川内「お母さん、ショットガンなんて危ないから下に置いて。怪我するよ」

 

母親「息子の家から出ていけ!このビッチ!」

 

川内「オラァッ!」

 

ビッチと言われキレた川内は、タピアの母親を殴って気絶させた。

移動しようとするが人が近付く気配がして、川内達は待ち伏せる。

扉が開き、タピアの娘が部下の男と一緒に入ってきた。

川内は即座にタピアの娘を部下から引き離し、隊員が部下の男を射殺する。

 

川内「大佐、娘を確保した」

 

呉『その子に罪はない。護ってあげて』

 

特殊部隊は川内と部屋を出てエントランスに向かうと、そこでタピアと奴の部下との銃撃戦になる。

そこに、呉提督達が合流して加勢する。

 

川内「1階には居ない!」

 

呉「2階を探す!援護して!」

 

隊員「行け行け行け行け行け!!」

 

特殊部隊が一斉射し、タピア達が物陰に隠れ銃撃の隙ができる。

その間に、呉提督達は階段を上がり2階へと向かう。

 

ネロ『そっちに敵が向かってる。北東の通路から来てるぞ』

 

外から敵の動きを見ていたネロの無線で、呉提督達は角に隠れる。

刹那が手榴弾を投げ、爆発した直後に銃を撃ちながら3人で通路を進む。

そして ある部屋の扉を蹴破り中に入ると、鈴谷が居た。

 

呉「伏せろ伏せろ伏せろ伏せろ!」

 

鈴谷が咄嗟に床に伏せると、呉提督達はバルコニーから現れたタピアの部下に銃弾を浴びせていく。

刹那がニコの造った装置を鈴谷の首に当てると、爆弾の首輪が外れた。

夕張が艦娘売買で売られた艦娘が着ける首輪を既に解析しており、ニコと技術情報を共有していたため、ニコにも首輪を外す装置を造る事ができた。

 

呉「行くわよ!」

 

呉提督達は鈴谷を確保し、脱出するため部屋から出る。

すると、反政府組織のメンバーから無線で、軍の増援が到着したと報告が入る。

 

川内「早く脱出しないとヤバいよ。ヤバいよ!」

 

脱出したいが、タピアと その部下が頑張って応戦してくるため、呉提督達は すぐに動けない。

反政府組織が増援に攻撃を仕掛け、脱出の時間を稼ぐ。だが完全に抑える事はできず、増援が屋敷に入ってきた。

敵の銃撃に、隊員の1人が足を負傷する。

 

隊員「援護してくれ!」

 

味方が援護してる隙に、別の隊員が負傷した隊員に駆け寄る。

負傷した隊員は爆弾の導火線に火を点け、肩を貸してもらいながら移動する。

 

隊員「早く来い!」

 

川内と特殊部隊は屋敷から出てトンネルに逃げ込んだが、鈴谷と呉提督、健、刹那は あまりにも増援が多く、庭で身動きが取れなくなる。

 

川内『大佐、どこに居るの!?』

 

呉「そっちには戻れない!私達はいいから全員 退却して!プランBで行く!退却よ!プランB!プランB!」

 

健「プランBって何だよ?!」

 

作戦は1つしか考えてないため、プランBとか存在しない。呉提督以外、何を言ってるのか意味不明だった。

 

呉「プランAがダメだった時の作戦よ!」

 

健「そんなの聞いてないぞ!ちゃんと話せよ!」

 

呉「こんな時まで文句 言わないでよ!」

 

健「勝手に作戦 変えんなよ!アドリブばっかしやがって!」

 

刹那「喧嘩してる場合じゃないでしょ!何でもいいから脱出しないと!」

 

刹那は鈴谷を連れて先に動くが・・・

 

呉「いいから付いてきなさい!」

 

健「ふざけんな!」

 

呉「付いてきなさい!」

 

健「ふざけんな!」

 

呉提督と健は口喧嘩を続けながら、2人で刹那と鈴谷を追うのだった。

 

ネロ「・・・プランBって何だ?」

 

ダンテ「俺も知らねぇよ。何か考えがあるんだろ。とりあえず戻るぞ」

 

ダンテ達 撹乱組は、呉提督の言葉に従い穴に戻り、トンネルを通ってアパートに戻る。

鈴谷達は屋敷へと引き返し、ガレージに来ていた。そこには、黄色のポンティアックがあった。

 

呉「そこのキー取って!」

 

刹那が車のキーを呉提督に投げ渡し、全員で乗り込む。

屋敷では、特殊部隊の隊員が設置した爆弾が爆発し、巨大な炎を噴き上げた。それを庭で見ていたタピアは、折角の新築が吹き飛び嘆いて発狂していた。

直後、ガレージの扉を突き破って呉提督達が乗るポンティアックが飛び出し、庭を走る。

軍がポンティアックに向かって発砲するが、呉提督は気にせず庭を走り回る。

 

呉「どうよ、これがプランBよ」

 

健「これがプランB?!銃に撃たれながらポンティアックで庭ドライブするのがプランBかよ!ここから どうするんだよ?!」

 

呉「屋敷に戻る!」

 

健「あんたのイカれ具合には付いていけないよ!」

 

助手席で健は文句を言って喚くが、呉提督は そのまま半壊した屋敷へと突っ込んだ。

瓦礫を踏み倒し、家具を押し退けながらポンティアックは屋敷の中を走る。

 

呉「フゥ~!イエーイ!私は止められないわよ!」

 

健「まさか車でキッチン通るとは思わなかったよ」

 

呉「ちゃんと玄関から出るわよ」

 

そして屋敷を横断したポンティアックは、玄関の扉を突き破って外に脱出した。

その後ろを、タピアが乗る車と軍用車が何台も追ってくる。

ポンティアックは銃に撃たれながらも町を駆け抜け、町の外に出ると広い草原を走る。

 

呉「どこに向かえば私達の勝ち?!」

 

刹那「このまま北に向かえば、アメリカとの国境がある!そこに入れば追ってこれないはず!」

 

健「普通に通してくれんの?」

 

すると進行方向の斜面になった場所で、スラム街がありトタン小屋が建ち並んでいた。

 

健「あんまりスピード出すと ぶつかる!」

 

呉「大丈夫、大丈夫よ!」

 

撃たれながらスラム街を駆け抜け、トタン小屋を避けて走ってると、後ろから追ってきていた軍用車は避けれず そのまま突っ込み、大爆発が起きる。ここはスラム街であるため恐らく住人は危険物も扱っており、軍用車が突っ込んだ事で可燃性の何かに引火したものと思われる。

 

呉「道が無い!突っ込むわよ!」

 

健「勘弁してよ・・・!」

 

鈴谷と健、刹那が悲鳴を上げる中、ポンティアックがトタン小屋に突っ込み、突き抜けると その後ろにあったトタン小屋にも軒並み突っ込んで走っていく。

遅れて、ポンティアックが通り抜けた全てのトタン小屋で爆発が起きていく。

斜面になっている事から段差もあり、ポンティアックが跳ねるように走りながら斜面を下っていく横で、タピアの乗る車が並走して銃を撃ってくる。

2台はトタン小屋を破壊しながら駆け抜け、鈴谷と健、刹那は悲鳴を上げてるのに、呉提督だけテンションが上がり奇声を上げてる。

そして下まで下ると、再び草原を走る。

 

呉「あんたら銃 持ってるんでしょ?!何で使わないのよ?!反撃しなさい!」

 

健と刹那は窓から身を乗り出し、追ってくる車両に銃撃する。

しかし、すぐに不運に見舞われる。

 

健「あークソッ、弾切れになった」

 

刹那「こっちも弾切れ!」

 

呉「2人も居て何で2人共 弾切れなのよ?!あんたら しっかり狙って撃ってるんでしょうね?!」

 

鈴谷「見て!国境が見えてきた!」

 

鈴谷が言った通り、国境となる場所でフェンスが横に広がっており、その後ろには国境を見張る白く大きな施設が建っていた。

 

呉「USAって書いてある、USAって書いてある!」

 

国境警備隊に助けてもらおうと、こちらに気付くよう呉提督はクラクションを鳴らしながらポンティアックを走らせる。

だが国境警備隊は、入らせないため銃を撃ってきた。

フェンスとフェンスの間の道を塞ぐ有刺鉄線を突き破ると、ポンティアックは白い砂の上で止まり、その後ろからタピアが乗る車が追突して止まる。

 

健「待って!撃たないで!」

 

刹那「私達はアメリカ政府の関係者!」

 

車から降りた鈴谷達は国境警備隊に自分達は味方だと言うが、国境警備隊は聞く耳を持たず引き返せと拡声器で言ってくるだけだった。

もう1つ問題は、鈴谷達が居る白い砂場は地雷原となっており、その証拠に黒い地雷の頭が白い砂から顔を出していた。

 

健「ここヤバッ・・・!?」

 

すると車から降りてきたタピアが、鈴谷達に向かって銃を撃ってきた。鈴谷達は咄嗟に車の陰に隠れる。

 

呉「いいから行きなさい!先に行きなさい!」

 

呉提督が1人で応戦し、鈴谷達3人は地雷を避けながらアメリカ領土に向かって走る。しかし、国境警備隊から威嚇射撃を受け、それ以上 進めなくなる。

 

警備隊『君達が居る場所は地雷原だ。速やかに引き返せ。これ以上の警告を無視する場合は、射殺も辞さない

 

健「こっちは税金 払ってるんだぞ!助けろよ!」

 

何と言おうと、国境警備隊の答えは変わらない。

タピアと撃ち合っていた呉提督だったが、車の陰に隠れて接近していたタピアに横に回り込まれ、頭に銃を突き付けられる。それにより、呉提督は自ら銃を捨て後ろを向く。

するとタピアの部下も車から現れ、健と刹那に銃を捨てるように言いながら銃口を向けてくる。

 

タピア「俺の事業の邪魔をして、オマケに俺の家まで滅茶苦茶にしやがって。このまま生きて帰れるはずないだろ」

 

すると少し離れた場所で、砂場を歩いていたイグアナが地雷を踏み、爆発する。

ここは地雷原、国境警備隊とタピアに前後から銃を向けられ、八方塞がりとなる。

 

呉「私達は家に帰りたいだけ。鈴谷ちゃんと一緒に。お互い このまま家に帰れば、どっちもハッピーな結果になる」

 

部下「銃を捨てろ!」

 

刹那「分かった、捨てる。ほらあげる!」

 

刹那が銃を放り投げると、鈴谷と一緒に伏せる。

同時に健は、砂場の上で前転する。

刹那が投げた銃はタピアの部下の すぐ前にある地雷の上に落ち、地雷が起爆して部下が吹き飛ぶ。

タピアの部下が落とした銃を拾った健は膝を突く体勢で銃を構え、引き金を引くと発射された銃弾は呉提督の顔の横を通り過ぎ、タピアの額に命中した。

タピアは後ろに倒れ地雷の上に横になると、地雷が起爆して血肉が飛び散り呉提督が それを被る。

呉提督は1度 後ろを確認してから健の方に向くと・・・。

 

呉「そうよ!銃は そうやって撃つの!これからは そうやって撃ちなさい!」

 

さて、アメリカに入れてもらえない状態で これから どうしようかと思う中、魔人ダンテが地雷原に着地した。

魔人ダンテは鈴谷を横抱きに抱えると、翼を広げて飛び立ってしまった。

国境警備隊は いきなり悪魔が現れた事に驚き呆然とし、置いてかれた呉提督達も唖然としていた。

 

健「・・・・・・え、僕らは?」

 

呉「・・・・・・アメリカに入れてくれるまで しりとりして待ちましょ」

 

健「しりとりする余裕ないよ、ここ地雷原」

 

刹那「ココア!」

 

健「浅瀬!」

 

呉「性転換手術!」

 

健「・・・あんたが言うとマジっぽい」

 

刹那「したいの?」

 

呉「したい。オカマからニューハーフにアップグレードしたい」

 

その後しばらくして、ステフが手を回し呉提督達はアメリカに入国する事ができた。

呉提督達の正体を知るタピアも死んだため、クビも撤回である。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 軍港 日本時間5月22日 10:23*

 

軍港で、鎮守府に残っていた艦娘達が全員でダンテ達が帰ってくるのを待っていた。

そこにアマ・デトワール号が現れ停泊すると、ダンテとネロ、摩耶、天龍、川内、ニコ、そして鈴谷が順番に降りてきた。

 

三隈「嘘・・・ほんとに・・・」

 

最上「鈴谷・・・」

 

熊野「鈴谷・・・!鈴谷ー!」

 

最上型は駆け出し、降りてきた鈴谷に抱き付き涙を流す。もう会えないと思っていた姉妹に また会えたのは、これ程の幸福はないだろう。

鈴谷は謝りながら、苦笑いを浮かべて姉妹艦を慰める。

そんな様子をダンテ達は微笑ましそうに見詰め、鎮守府に残っていた他の艦娘達も涙を流す。

 

鈴谷「皆・・・ただいま」

 

 

*シカゴ ビル アメリカ時間5月21日 21:23*

 

同時刻、シカゴにあるMr.Jが経営する会社のオフィスで、Mr.Jと鹿島が話していた。

 

J「ジョニー・タピアが死んだようだ。お前を使って警告までしてやったのに、情けないものだ」

 

鹿島「Devil May Cry鎮守府の方が上手だった、という事でしょう」

 

J「ふむ・・・それか・・・お前が手を抜いたかだ」

 

鹿島「いえ、決して そのような事は・・・」

 

J「先を読める お前が居ながら、このような結果になるのは腑に落ちん。この失態、どう責任を取る?」

 

鹿島「・・・Devil May Cry鎮守府を潰します」

 

J「お前にできるのか?」

 

鹿島「彼らは所詮、烏合の衆。精神的に追い詰めれば、自然と瓦解するかと」

 

J「ふん、面白い。だが これ以上の失態は許さん。分かってるとは思うが、罰は受けてもらう。お前の役目が何なのか、誰の所有物なのか、今1度その身に しかと刻み込め!」

 

鹿島「・・・・・・はい・・・」

 

 

・・・・・・

 

*屋敷 5月24日 10:11*

 

2日後、Mr.Jの住居となる屋敷から、Mr.Jが出てきた。これから出掛ける用があり、待たせてる車で出発しようとしていた。

 

鹿島「いってらっしゃいませ」

 

鹿島も、見送りのため傍に控えており、深々と頭を下げる。

Mr.Jが車に乗り込もうとし、車が出られるように門が開くと、そこにダンテとネロ、バージル魔剣士3人が待ち構えていた。

 

鹿島「(提督さん!?どうして ここに・・・!?)」

 

まさか このタイミングでダンテ達が来るとは思わず、予想外の事態に鹿島は驚き目を見開く。

 

ダンテ「よう、Mr.J。アンタに話がある」

 

ダンテ達が敷地内に入ろうとし、ボディーガードが3人を止めようとするが、それをMr.Jが構わないと制止した。

 

J「私は これから人と会うのでね、手短にしてもらおう」

 

ダンテ「アンタを知ってる」

 

Mr.Jは一瞬、何の事かと首を捻ったが、すぐに笑い声を上げた。

 

J「私も それなりには有名だ。知ってても不思議ではないだろう」

 

ダンテ「アンタを知ってる」

 

J「・・・どういう意味かね?」

 

ネロ「表じゃ恵まれない子供達を支援する慈善家で、様々な企業に資金援助する投資家で資産家」

 

バージル「だが その裏では、テロリストや犯罪組織に資金援助もし、艦娘売買で私腹を肥やすゴミだ」

 

ダンテ「アンタの本名も知ってる。

桐生 十三(きりゅう じゅうぞう)”、元日本海軍 呉鎮守府 提督。アイアンボトムサウンドに無理な進軍をして、赤城を轟沈させたクズ野郎でもある」

 

J「・・・この私に、喧嘩を売ってるのか?」

 

Mr.Jが怒りで僅かに顔を歪ませると、ダンテが前に出て、それぞれ互いに反対方向を向いたまま横に並び立つ。

 

ダンテ「いいや、逆さ。こっちが買うんだよ」

 

J「何ぃ・・・?」

 

Mr.Jの顔が更に歪み、横に立つダンテを睨むと、ダンテは薄ら笑いを浮かべた顔でMr.Jを見る。

 

ダンテ「お前は大昔に赤城を轟沈させて、今じゃ艦娘を物みたいに売り飛ばしてる。お前が艦娘全員に売った その喧嘩を、俺達が代わりに買ってやるって言ってるんだよ」

 

Mr.J「・・・ふざけるな!」

 

Mr.Jは怒りから、ダンテを睨みながら持っていた杖を、地面に叩き付けるようにして投げる。

それでも、ダンテの態度は変わらない。

 

ダンテ「俺達は必ず お前を潰す。お前が これまでしてきたこと、積み上げてきた物、名声や財産、これからしようとしてる事も全部、お前の全てを潰して地に叩き落としてやる」

 

ネロ「覚悟しとけ。強化人間を使おうが悪魔を使おうが、お前だけは どこにも逃げられないぞ」

 

バージル「マトモな死に方ができると思うな」

 

ダンテ「今日は挨拶だけだから、この場では何もしないでおいてやる。だが次に会った時が、お前の最後だ。よく覚えとけ」

 

ダンテ達は今日、Mr.Jに宣戦布告するために来た。

鈴谷を取り戻した今、Devil May Cry鎮守府はMr.Jを潰す事に全力を注ぐと決めたのだ。

 

J「貴様らこそ、後悔する事になるぞ。私と戦争をすると言うのなら、世界中が敵になるという事だ!」

 

Mr.Jは そう言うが、ダンテは鼻で笑い、ネロとバージルと共に引き上げていこうとする。

だが、ダンテの足が止まり振り返る。

 

ダンテ「そうそう、忘れるところだった。お前が売り飛ばしてくれた鈴谷は返してもらった。次は、あそこに居る鹿島を返してもらう。楽しみに待ってろ」

 

それを最後に、ダンテ達は今度こそ立ち去っていく。

 

鹿島「(提督さん・・・)」

 

鹿島は不安そうな表情で彼らの背を見詰め、Mr.Jは怒り顔で睨みながら、立ち去っていくのを見送るのだった。




最後の最後で魔剣士3人が とんでもない事をしました。
こうなっては全面戦争は避けられないでしょうし、Mr.J側も本腰を入れてくるでしょう。何らかの形で、Devil May Cry鎮守府及びオリーブ財団に攻撃してくるはずです。

次回も宜しく お願い致します!
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