Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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411話です!どうぞ!


Mission411 舞鶴の漣~欲望の暴走~

朧と曙、潮が舞鶴鎮守府に泊まる最終日、迎えに来たダンテと漣と共に帰ろうとしたのだが、香取が心配していた通り、舞鶴の漣は朧達を引き留めようとする。

それを舞鶴提督が止めようとするが、彼は突然、舞鶴の漣に突き飛ばされてしまった。

そして舞鶴の漣は、異形の姿へと変貌してしまう。

そこに、白いネロが楽しそうに笑いながら現れた。

舞鶴の漣はダンテに襲い掛かり、ダンテは応戦して彼女と戦う。

朧と曙、漣、潮は白いネロと戦おうとするが、為す術もなく斬り倒されてしまう。

舞鶴の漣を斬り伏せたダンテは、白いネロと刃を交える。

戦いながら白いネロは、舞鶴の漣の欲望を大きくするため、魔界に棲息する虫の毒を使い、彼女の身体を毒で冒したと明かす。ただ、容姿まで変わってしまったのは白いネロも予想外の事だった。

白いネロは舞鶴の漣と共に、姿を消してしまう。

舞鶴提督はダンテに、どうして舞鶴の漣に攻撃したのかと詰め寄るが、ダンテは無情にも、彼女は艦娘ではなく もう悪魔であると告げる。

舞鶴提督はショックで膝から崩れ落ち、どうすればいいか分からず涙を流すだけだった。

翌日、ダンテは朧達に舞鶴鎮守府を頼み、真魔人となり どこかへ行ってしまうのだった。

 

 

*舞鶴鎮守府 提督の私室 6月4日 7:48*

 

舞鶴提督は、あれから自分の部屋に籠り、出てこなくなってしまった。

その部屋の前に、曙が1人で来た。

扉をノックするが、中から返事はない。

 

曙「・・・勝手に入るわよ?」

 

鍵はしておらず、曙は中に入る事ができた。

部屋の中は電気は点いておらず、カーテンも閉めきって暗く、そんな中で、舞鶴提督はベッドに腰掛けボーッとしていた。

 

曙「・・・クソ中佐?」

 

舞鶴「・・・・・・ダンテ提督に言われたんだ・・・漣は悪魔だって・・・」

 

曙「うん・・・」

 

舞鶴「合同演習で あいつは姉妹艦を喪って・・・生きる気力もないような あいつを俺が助けてやらなきゃいけなかったのに・・・何もできなくて・・・漣が あんな姿になって・・・俺・・・俺は・・・どうしたらいいんだよ・・・」

 

曙は進み出て、舞鶴提督の前で止まる。

 

曙「今、うちのクソ提督が どうにかしようとしてくれてる。だから諦めないで」

 

そう言われ、舞鶴提督はバカバカしいと言うように、力なく乾いた笑みを浮かべる。

 

舞鶴「どうにかって、何が どうにかだよ・・・。ダンテ提督は、艦娘を大事にしてる提督で尊敬できる人だと思ってた。なのに、姿が変わったからって、漣を殺そうとしたんだぞ・・・あれは漣なのに!」

 

舞鶴提督の言いたい事は理解でき、曙は彼に同情した。

だがダンテの意思には反するが、このままにできない曙は口を開く。

 

曙「うちのクソ提督は・・・悪役を演じてでも誰かを救おうとする人なの」

 

舞鶴「でも漣を斬った!」

 

曙「斬ったかもしれない。でも漣は まだ生きてる。でしょ?」

 

舞鶴「・・・・・・・・・」

 

曙「クソ提督が本気で その気だったら、漣は昨日の夜に死んでた」

 

舞鶴の漣だからと何もしなければ、もしかしたら舞鶴提督や舞鶴の艦娘に、取り返しの付かない危害を加えていたかもしれない。

無傷で止められない場合は、相手に傷を負わせる事になったとしても、ダンテは被害を拡げないために動く。例え誰かに恨まれても、憎まれても。

舞鶴鎮守府に居る者を手に掛けるのは、本来の舞鶴の漣も望んではいないはずだ。そんな悲しい結果を生まないためにも、彼女を傷付けてでも止める必要があった。

 

曙「うちのクソ提督は、そういう人なの。だから、信じて待ってて」

 

舞鶴「・・・じゃあ、ダンテ提督は・・・あの場に居た全員を護るために・・・漣も含めて・・・?っ、俺にも何か手伝わせてくれ!」

 

だが曙は首を横に振り、舞鶴提督は それに納得できなかった。だから曙は、話を続ける。

 

曙「クソ提督は、舞鶴の皆を危険に巻き込まないために1人で動いてる。それに悪魔との戦いに慣れてない皆が居たら、クソ提督や私も、上手く動けない。そうなると漣も助けられない」

 

舞鶴「・・・足手纏いって事か・・・」

 

舞鶴提督が更に落ち込むと、曙は彼の手を握り、そして自分を見ろと、俯く顔を上げさせる。

 

曙「違う、そうじゃないの。誰にでも、役目がある。適材適所ってやつよ」

 

舞鶴「・・・・・・俺の役目・・・」

 

曙「クソ中佐と舞鶴の皆の役目は、漣が戻ってくると信じて待つこと。私やクソ提督の役目は、漣を止めること。役割分担」

 

舞鶴「・・・・・・すまない。ちゃんと考えがあってと理解できずに、ダンテ提督に酷い事を・・・」

 

曙「それは謝らなくていいんじゃない?実際うちのクソ提督、酷い時は酷いし」

 

舞鶴「えぇ?それでいいのかな?」

 

曙「いいのよ。だってクソなんだから」

 

舞鶴「・・・・・・曙」

 

曙「何?」

 

舞鶴提督は、曙に慰められ少しは元気が出たようだった。

しかし次の瞬間、彼の口から とんでもない言葉が発せられる。

 

舞鶴「母ちゃんって呼んでいいか?」

 

曙「・・・・・・は?」

 

舞鶴「いや~、曙に慰められてたら、実家の母ちゃん思い出しちゃって」

 

曙「誰が母ちゃんよ!」

 

いきなり母親にされるのが心外だった曙は、怒りで鉄拳制裁を喰らわせ殴り倒す。曙からしたら、こんなデカい息子なんて要らない。

もっと言うなら、曙は舞鶴提督のことを ちょっとキモいと思っていたので、そんなキモい奴の母親になんかなりたくない。

そして舞鶴提督は、鼻血を出して倒れたまま・・・。

 

舞鶴「違った。元嫁さんに似てるんだ・・・」

 

曙「ふんっ!提督になる奴って、ほんっと どいつも こいつもクソだわ。慰めて損した!」

 

機嫌が悪いままの曙は、舞鶴提督を放置して部屋から出ていくのだった。

 

 

・・・・・・

 

*山 9:37*

 

真魔人ダンテは、山の中の拓けた場所に下り立ち、真魔人化を解除する。

正面を見ると、いつだったか艦娘達と 花見をした時に声がした桜の木があった。

時期は過ぎてるため、桜の花は既に散り、生命力が溢れる葉が生い茂ってるだけだ。

ダンテは歩を進め、桜の木に近付いていく。

 

ダンテ「おい!まだ話せるか?!ちょっと相談があるんだが、聞こえてるか?!」

 

しかし声はせず、ただ広い場所でダンテが1人で喋ってる恥ずかしい状況になるだけだった。

 

ダンテ「チッ、比叡のカレーでも持ってくれば良かったか」

 

ダンテが不吉な事を呟いた途端、突風が吹きコートの裾が風に持ち上げられる。その勢いのまま、後ろからダンテの頭に被さり視界が遮られる。

 

?『何しに来た?穢れた血を持つ者よ

 

声がした瞬間、ダンテは自分の頭に乗るコートの裾を払い落とし、桜の木だった大木を見上げる。

 

ダンテ「久し振りだな」

 

?『我にとって時間は悠久。お前達とは時間の流れの感じ方は違う

 

ダンテ「あっそ・・・アンタ世間話 苦手だろ?」

 

?『何しに来た?穢れた血を持つ者よ

 

声の主に、世間話という概念はないようだ。

ダンテも呑気に お喋りしに来た訳でもないため、声の主の機嫌を損ねないためにも、早速 本題に入る事にした。

 

ダンテ「実は悪魔を探してる。どんな奴でもいいし どこでもいい。どこに居るか判るか?」

 

?『我は大地を通し、この地で起きる事は全て見通せる

 

ダンテ「なら、その特技でサクッと悪魔を探してくれ」

 

?『断る

 

まさか断られるとは思わず、ダンテは不機嫌そうに眉間に皺を寄せる。

 

ダンテ「何?どうしてだ?」

 

?『お前は約束した。悪魔の世界と この世界の境界線が、曖昧になっているのを止めると。だが それは未だに果たされていない

 

ダンテ「何で そうなる?!やる事はやった!」

 

その約束なら、当時 裏で暗躍していたジェスターを倒した事で果たされたはずだった。だがダンテ達が無理矢理こちらの世界に戻って境界線が崩れた事で、約束を果たしたのがなかった事にされてるのかもしれない。

もしかすると声の主からすれば、2度と境界線が崩れないようにしろという意味だったのかもしれない。

 

?『では、なぜ今も境界線が曖昧になっている?

 

ダンテ「それは!・・・・・・それは~・・・」

 

自分がやりましたと言えば、頼みを聞いてくれないかもしれない。ダンテは返答に困った。

 

?『この地から去れ!

 

ダンテ「待て待て待て待て待て!お前にとって時間が悠久なら、もっと待てるはずだろ?!」

 

ダンテの“久し振り”に対して あんな返答をしたという事は、声の主にとって二十数年は、久し振りと感じる程の時間の長さではないのかもしれない。

 

ダンテ「そっちは必ず どうにかしてやるから、頼みを聞いてくれ!」

 

?『ならば対価を払え

 

ダンテ「対価、そう来たか・・・。その対価とやらは何だ?」

 

ダンテは条件を受け入れ、いま現れてる悪魔の居場所を聞き出す事に成功する。

そしてダンテは、悪魔を狩るため真魔人となり、その場所へと飛ぶのだった。

 

 

・・・・・・

 

*舞鶴鎮守府 執務室 20:24*

 

曙に慰められ多少は元気の出た舞鶴提督は、部屋から出て執務室に行き、ぼちぼちと仕事をしていた。

すると轟音が何度も鳴り響き、振動で執務室の窓が震える。

舞鶴提督は何事かと執務椅子から立ち上がると、舞鶴の時雨が駆け込んできた。

 

舞鶴時雨「提督!」

 

舞鶴「どうした!?何が起きてる!?」

 

舞鶴時雨「漣が戻ってきて、鎮守府に攻撃してるんだ!」

 

舞鶴「何だと!?」

 

 

*正面ゲート*

 

正面ゲートには、朧と曙、漣、潮、舞鶴の艦娘達が集まり、上空を見ていた。その視線の先には、宙を飛ぶ舞鶴の漣が、鎮守府に向かって攻撃を仕掛けていた。

 

曙「漣、やめて!」

 

舞鶴白雪「どうして こんな事するの!?」

 

舞鶴漣『綾波を!敷波を!朧を!曙を!潮を!返せぇー!

 

異形となった舞鶴の漣は、姉妹艦を喪った時の悲しみや怒り、憎しみに支配されており、艦娘達の声が届かないまま鎮守府への攻撃を続ける。

 

漣「漣は ああはなりたくないかも・・・」

 

漣が独り言を呟いた瞬間、不思議な事に舞鶴の漣の攻撃が止まる。

次の瞬間、舞鶴の漣の眼が動き、漣の姿を捉える。

 

舞鶴漣『お前が・・・

 

漣「え・・・?」

 

舞鶴漣『お前が居るからかぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛?!

 

舞鶴の漣は攻撃の標的を漣1人に絞り、襲い掛かっていく。仰天した漣は、慌てて走って逃げる。

 

漣「いや とんでもねぇ とばっちりなんだけど!?」

 

漣が逃げ回るせいで、舞鶴鎮守府への被害が あちこちへと拡がっていく。

舞鶴の艦娘達は仕方ないという表情で、艤装を展開して兵装を舞鶴の漣に向ける。しかし、それを曙が止めた。

 

曙「お願い!皆は戦わないで!」

 

舞鶴秋雲「そんなこと言われたって、このままにもできないって!」

 

曙「いいから、ここの漣の事は私達に任せて!」

 

そこに、舞鶴提督と舞鶴の時雨が遅れて駆け付けた。

 

舞鶴「漣ー!やめるんだー!」

 

舞鶴提督が声を張り上げ舞鶴の漣を止めようとするが、それでも彼女は地上を走り回る漣への攻撃をやめない。

 

曙「クソ中佐、皆と一緒に建物の中に!漣は私達が止める!」

 

舞鶴「4人だけじゃ無理だろ!俺達にも手伝わせてくれ!漣は、俺の鎮守府の艦娘なんだ!」

 

曙「だからこそよ!」

 

舞鶴「え・・・?」

 

潮「皆さんには、漣ちゃんと戦ってほしくないんです」

 

朧「これ以上、舞鶴鎮守府の皆には悲しい思いをしてほしくない」

 

曙「言ったでしょ!役割分担!」

 

朧達の強い意思を感じ、舞鶴提督は それ以上 食い下がる事も、部下である艦娘達に指示を出す事もできず、ただ朧達を見詰める事しかできなかった。

それを見て、曙は優しい笑みを浮かべる。

 

曙「信じて待っててあげて。うちの漣ー!鎮守府の外に向かって走りなさーい!」

 

漣「外に行って どうしたらいいのさ!?」

 

曙「いいから走れバカ!」

 

朧「って言っても、漣だけに頑張らせるのは酷かな」

 

潮「舞鶴の漣ちゃんの注意を こっちに向けよう!」

 

曙「飛んでる方の漣!私よ!曙よ!私達が欲しいんでしょ?!こっちに来なさい!」

 

曙が声を張り上げ呼ぶと、舞鶴の漣は攻撃と動きを止め、振り返って朧達を見る。

 

朧「釣れた!」

 

潮「私達も走ろう!」

 

漣が外に向かって走り、同じく朧達も正面ゲートから外に出て一緒に走る。舞鶴の漣は、空を飛びながら迷う事なく4人を追っていく。

それを見送った舞鶴の艦娘達は、自分達は どうしたらいいのかと舞鶴提督に問う。

 

舞鶴「・・・・・・くっ・・・!」

 

舞鶴時雨「提督!?」

 

舞鶴提督は それには答えず、走って どこかに行ってしまった。

 

 

*森*

 

朧達は、舞鶴鎮守府の傍にある森へと逃げ込んでいた。

その頭上では、翅を動かし飛ぶ舞鶴の漣が、執拗に彼女達を追っていた。

 

舞鶴漣『何で・・・何で何で何で何で何でぇ!!何で漣から朧達を奪う?!漣の朧達を返せぇ!!

 

漣「ずっと漣 標的にされてんじゃん!?これ自分に恨まれてるようなもんでしょ!?悲しくなってくるんだけど!」

 

曙「悲しいのは皆 同じ!」

 

朧「悪いのは1人!」

 

潮「舞鶴の漣ちゃんを意味もなく あんな風にするなんて、許せない!」

 

漣「言うけどマジで どうすんのさ!?」

 

曙「悪魔と戦うのは私達の役目!少しは反撃するわよ!」

 

朧達は艤装を展開し、空を飛ぶ舞鶴の漣に対空砲火する。しかし舞鶴の漣はヒラリヒラリと避け、弾が外れていく。

しかも朧と曙、潮が攻撃した事で、舞鶴の漣の怒りは彼女達にも向け始められていた。

 

舞鶴漣『何で攻撃するの・・・?何で漣を撃つの?・・・・・・そうか、そうだったんだ・・・朧達が漣から離れるのは、朧達の意地悪だったんだ・・・許せない・・・許せない許せない許せなぁああああい!!!

 

舞鶴の漣が臀部から針を飛ばし、朧達は慌てて避ける。だが地面に着弾した針が爆発し、顔を青ざめさせる朧達は攻撃をやめて逃げる。

 

曙「やっぱ無理ー!」

 

漣「ひぃいいいい!?」

 

針が連続発射され、朧達が追ってくる爆発から逃げ回る事で、森の木々が次々と薙ぎ倒され、吹き飛んでいく。

そこに、獣道を突き抜けベコベコになった白い車が現れ、走る朧達と並走する。

 

舞鶴「みんな乗れ!」

 

漣「中佐!?」

 

曙「何で来たのよ!?」

 

舞鶴「何もせず待ってるなんて やっぱり無理だ!走るより車の方が速いぞ!早く乗るんだ!」

 

曙「漣!」

 

漣「っ・・・!」

 

漣が舞鶴提督の運転する車の後部座席のドアを開け、中へと乗り込む。続いて朧、潮も乗り込み、最後に曙が乗り込む。

 

漣「こんな道なき道 走って逃げれるんですか!?」

 

舞鶴「それでも走るしかないだろ!掴まれ!」

 

舞鶴漣『ご主人様も邪魔するんですね・・・?みんな嫌い・・・漣を苦しめる奴は皆 嫌い!!

 

車に乗った事で逃げるスピードは上がったが、所狭しと生えてる木々を避けながらでは、車が本来 出せるスピードまでは出せない。

舞鶴提督が朧達を手伝う事で、更に舞鶴の漣の憎悪が増し、攻撃も更に激しくなる。これでは、いつまで逃げ続けられるか分かったものじゃない。

そんな様子を空から、白いネロが満足そうに観察していた。

 

白ネロ「欲望が大きくなり過ぎて、あの艦娘も目的が変わる程いい感じに壊れてきたねぇ♪」

 

舞鶴の漣の欲望は、姉妹艦を喪った悲しみでできた心の隙間を埋めるために、朧と曙、潮を自分の傍に引き留める事だった。そうする事で、喪った姉妹艦の代わりにしようとした。

だが今は、朧達にまで怒りと憎悪を抱き、彼女達にも殺す勢いで攻撃を仕掛けている。それは当初の目的とは変わっており、白いネロが言うように正気を失い壊れてると言ってもいいかもしれない。

 

白ネロ「・・・・・・ん?」

 

何かが近付いてくる気配を感じ、白いネロは そちらに顔を向ける。その視線の先には、夜空を飛ぶ紅い光を纏う、真魔人ダンテが こちらに向かってきていた。

 

白ネロ「ダンテェ・・・!」

 

また自分の楽しい遊びを邪魔しに来たのかと、白いネロは忌々しそうに顔を歪める。

白いネロは真魔人ダンテに立ち塞がろうと動くが、背中に とてつもない衝撃を受け、地上へと落下する。

その間に、真魔人ダンテは爆発が起きてる地点へと飛んでいく。

地上へと落下した白いネロが顔を上げると、涼しい顔をして見てくるネロが立っていた。

ダンテは、白いネロが また現れ邪魔してくる事を見越しており、足止めのためにネロを呼んでいた。

白いネロはネロにまで邪魔された事で、完全に頭に血が上り、怒りで顔を歪める。

 

白ネロ「お前ぇ・・・!」

 

白いネロが怨嗟の言葉を吐くが、ネロは何も言わずレッドクイーンを構える。

白いネロも立ち上がるとホワイトクイーンを抜き、両者は一気に間合いを詰めて刃を振り下ろす。

 

朧「わぁあああああ!」

 

「「きゃあああああ!」」

 

漣「ぎゃんっ!」

 

舞鶴「ぐっ・・・!」

 

ずっと逃げ回っていたが、遂には爆発の余波に車が吹き飛ばされ、朧達は車の外に投げ出され地面を転がり、動きを止めてしまう。

そこに舞鶴の漣が地上へと下り立ち、ゆっくりとした歩みで朧達に近付いていく。

 

舞鶴漣『朧達が悪いんだよ・・・漣を悲しくさせるから・・・怒らせるから・・・意地悪するから・・・漣と一緒に居てくれないから・・・!

 

朧「ち、違う・・・私達は・・・」

 

潮「私達は漣ちゃんのために・・・」

 

舞鶴「漣・・・やめるんだ・・・!」

 

曙「お願い、正気に戻ってよ・・・元に戻ってよ漣!」

 

舞鶴の漣は艤装を展開し、砲口を朧達に向ける。

砲弾が撃ち出され朧達に迫るが、彼女達に着弾する前に有らぬ方向に弾かれ、木々しか無い場所で爆ぜる。

舞鶴の漣の前には、ダンテが立ち塞がっていた。

 

舞鶴漣『また、漣を邪魔する奴が来た・・・漣を苦しめる奴が来た・・・

 

舞鶴の漣が、憎しみの篭った怨嗟の言葉をブツブツと呟くが、ダンテは黙って淡々と彼女を見ていた。

 

舞鶴「ダンテ提督・・・」

 

漣「うわ~ん!やっと来てくれた~!」

 

曙「クソ提督、遅かったじゃない。何してたのよ?」

 

ダンテ「探し物に手間取ってな。これでも急いだ方なんだ」

 

朧「提督、舞鶴の漣が どんどん おかしくなってて、私達じゃ どうしようもなくて・・」

 

ダンテ「お前らは少し休んでろ。あとは俺がやる」

 

ダンテは舞鶴の漣に向き直ると、彼女を見て微かに笑みを浮かべる。

それを合図に、舞鶴の漣が雄叫びを上げながらダンテに向かっていき、それを見たダンテも正面から駆けて向かっていく。

舞鶴の漣が鋭い爪で襲い掛かるが、ダンテは跳躍して彼女の頭上を飛び越え避ける。

舞鶴の漣が後ろに振り返ると、ダンテが棒立ちで見ていた。

と思ったら、ダンテが中腰になりながら手を打ち鳴らし、手招きしてくる。

 

ダンテ「ほら、来いよ。俺は朧達の提督だ。俺が居る限り、あいつらは お前の物にならないぞ。俺を殺して奪ってみろ。ほら どうした?来いよ」

 

舞鶴漣『お前を殺せば、朧達が手に入る・・・お前を殺せば、朧達が手に入るぅ!

 

ダンテの言葉に、ダンテを殺せば朧達を自分の物にできると信じ込んだ舞鶴の漣は、嬉しそうに狂気の笑みを浮かべながらダンテに突っ込んでいく。ダンテは それを避け、また後ろに回り込む。

その後も舞鶴の漣が何度も襲い掛かるが、ダンテは銃も剣も使わず、ただ避け続けるのだった。




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