Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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416話です!どうぞ!


Mission416 復讐~狙われる元シールズ~

*ラオス 屋敷 ラオス時間6月16日 22:32*

 

日本でダンテとネロ、バージルが老人姿から元に戻った数時間後の事だった。鹿島は密かに動き、東南アジアにあるラオスへ訪れ、権力者の1人と会っていた。

鹿島は その権力者に、ある情報を売り渡していた。

 

鹿島「これが、あなたの お父上を殺した者達の居場所です」

 

 

・・・・・・

 

*呉提督の自宅 日本時間6月19日 8:35*

 

呉「~~~♪」

 

朝、呉提督は久し振りの休暇だったため、自宅で ご機嫌な様子で鼻歌を歌い、朝食を作っていた。

するとキッチンに置いてあったスマホに着信が入り、呉提督は手に取って画面を見る。そこには、『ジョー・ホワイト』と表示されていた。

ジョーは、呉提督がアメリカ海軍に所属していた頃の上官であり、ネイビーシールズの訓練教官でもあった。つまり、呉提督を鍛えたのがジョーなのである。

ジョーは とっくに退役しており、呉提督が売春組織を皆殺しにする場所として借りた農場も、彼の所有地だった。

呉提督とジョーは元上官と元部下だが、今では友人でもあり、関係は良好だった。だから呉提督は、ご機嫌なまま電話に出た。

 

呉「ハァ~イ、ジョー、どうかしました?」

 

ジョー『すぐ そこから離れるんだ!』

 

呉「え、何?いま朝食 作ってて━━」

 

ジョー『すぐに そこから逃げるんだ!君は狙われてる!』

 

呉「・・・どういう事です?」

 

ジョー『過去の任務の情報が洩れた!チームが狙われ殺されてる!君も標的になってる、すぐ そこから逃げろ!』

 

そこまで聞いた瞬間、黒い服を着た男が家の中に現れ、呉提督に襲い掛かりスマホを落とす。

呉提督は咄嗟に応戦して乱闘になるが、肩を撃たれて一瞬 怯む。

だが命を狙われてる状況で怯んでる暇はなく、呉提督は男にタックルして押し倒すと、男の手から銃が離れる。

起き上がり殴り合ってると、男はキッチンに置いてあった包丁を手にする。

男が包丁で斬り掛かってくるが、呉提督は包丁を持つ腕を押さえ、包丁を奪い逆に斬り掛かるが、今度は男に腕を押さえられ包丁を奪われる。

互いに1本の包丁を奪い合いながら攻撃し、訓練された動きの戦いを繰り広げていたが、呉提督が足払いを掛けられ倒れてしまう。

そこを狙って男が包丁を突き刺そうとしてきたが、呉提督が男の腕を掴むと、包丁の刃が首に刺さるギリギリで止まる。

両者の力が拮抗する中、呉提督は抵抗しながら床に落ちてる鍋を掴み、それで男の顔を全力で殴る。

男が離れた隙に、呉提督は床を這って銃を取り構えるが、男は逃走して姿を消した。

 

ジョー『大丈夫か?おい、大丈夫なのか!?』

 

通話中のままだったスマホからジョーの心配する声がし、呉提督は床に転がるスマホを手にする。

 

呉「ジョー、男が家に侵入して襲われました」

 

ジョー『遅かったか・・・。無事か?』

 

呉「えぇ、なんとか。他のチームのメンバーは無事なんですか?!ワージー達は?!」

 

ジョー『ソープ、ワージー、ディーコン、ムニョス、フィッツィ、ダニアンは無事だ。彼らには先に、私が用意した隠れ家に避難してもらった。そこは誰にも知られてないから彼らは安全だ』

 

彼ら6人はジョーが先に手を回し無事だったが、それ以外の元ネイビーシールズのチームメンバーは既に殺されてしまっている。

 

ジョー『残ってるのは私達だけだ。戦う準備をして、私の農場に来てくれ』

 

呉「相手は誰なんです?!誰が私達を?!」

 

ジョー『それは会ってから話す。今は君の力が必要だ、すぐに来てくれ』

 

呉「・・・分かりました」

 

呉提督は電話を切ると、今度は呉鎮守府に電話を掛け、秘書艦である雲龍に しばらく休む事を伝え、一方的に電話を切った。

そして出発の準備を終えた呉提督は、ジョーが待つアメリカの農場に行く前に、Devil May Cry鎮守府へと向かうのだった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室 15:42*

 

呉提督はDevil May Cry鎮守府に着くと、迷う事なく執務室に向かった。

執務室には丁度ダンテとネロの2人が居て、呉提督は2人の力を借りるために、今の自分の置かれてる状況を説明した。

 

ダンテ「命を狙われる心当たりはあるのか?」

 

呉「恨みなら それなりに買ってると思う」

 

ネイビーシールズの任務では、戦闘になるのは珍しい事ではない。国家の安全と利益を護る大義名分があっても、人の命を奪うというのは、その殺した相手の家族や繋がりのある誰かに、恨まれるものだ。

そういう報復からメンバーを護るため、ネイビーシールズでは強制的に引退させ、別人として新しい人生を与える事もある。

だから任務が終わった後も詳細は極秘とされ、携わったメンバーの名前も伏せられるのだが、今回どういう訳か情報が洩れ、元ネイビーシールズのメンバーが殺されている。

 

ネロ「相手は判らないのか?」

 

呉「私の元教官が何か知ってるみたいだけど、会わない事には詳しい事は何も・・・。2人に こんなこと頼むのは良くないって分かってるけど、どうか力を貸してくれない?」

 

ネロ「・・・ダンテ、引き受けてもいいんじゃないか?」

 

ダンテ「・・・・・・まぁ、死なれても後味 悪いしな。アンタならギャラは半分でもいい」

 

呉「感謝するわ」

 

ネロ「いつ出発する?」

 

呉「できれば すぐがいい。ホワイトが待ってる」

 

ダンテ「なら、すぐ行くか」

 

ダンテとネロは必要な武器を持ち、呉提督と執務室から出ようとしたのだが、ダンテは思い出したかのように立ち止まると、執務机に戻り館内放送を掛ける。

 

ダンテ「あー、ダンテだ。俺とネロは しばらく留守にする。だから・・・何かあったら適当にやっといてくれ。じゃあな」

 

館内放送を終わると、鎮守府の あちこちから艦娘達の驚愕した叫びが聞こえてきた。

ダンテとネロ、呉提督は艦娘達に捕まる前に、そそくさとアマ・デトワール号に乗って出発するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*農場 アメリカ時間6月20日 6:24*

 

ダンテ達は昨晩の内にアメリカへと入り、そこから車で、ジョーが待つ農場へと着いた。

ダンテ達が車から降りると、高齢のジョーが現れ出迎えてくれた。

 

呉「ジョー」

 

ジョー「よく来てくれた」

 

呉提督とジョーは再会を喜ぶようにハグし、すぐに身体を離すとジョーはダンテとネロに顔を向ける。

 

ジョー「・・・仲間を連れてきたのか」

 

呉「2人は頼りになる。力になってくれるわ」

 

ジョー「ジョー・ホワイトだ。“ジョー”と呼んでくれ」

 

ダンテ「ダンテだ」

 

ネロ「俺はネロ」

 

ジョーの案内で、ダンテ達は農場の母屋へと向かう。

その途中、柵に囲まれた場所を駆ける馬が1頭、ダンテ達の方に寄ってきた。

 

ジョー「紹介しよう。私の友達の『マテウス』だ」

 

ダンテ「いい毛並みしてるな」

 

ジョー「君は見る目があるな」

 

手短に馬の話も終わらせ歩を進めると、母屋がある場所に着いた。

するとジョーは、思い出したように笑い始めた。

 

ジョー「以前ここを貸した時は、ボロボロにされたもんだ」

 

呉「それは・・・!修繕するの手伝ったじゃないですか」

 

ジョー「仕事が忙しいと言って、結局 私1人で8割やったがな」

 

呉「一生ネチネチ言われそう・・・」

 

売春組織を皆殺しにする決戦の場所として、呉提督は ここで迎え撃ち1人で戦争し、農場を滅茶苦茶にした。

修繕は手伝いはしたが、呉鎮守府やオリーブ財団での仕事もあり、あまり ここに来れないままジョーが全て終わらせたのだ。

 

呉「それでジョー、どうするつもりなんです?」

 

ジョー「連中の狙いは私達だ。だから私達が ここに居ると情報を流した」

 

逃げ隠れしていても、いつ連中に見付かり狙われるか分からない。そこでジョーは、今の状況を逆手に取り、自ら居場所の情報を流し、来た連中を ここで一掃しようと考えていた。

そのため農場には、ジョーが知り合いのツテを使い武器を集め、ここに運び込んでいた。

そして彼は、軍の上層部にも顔が利く程の人物でCIAとも繋がりを持ち、独自の情報網を構築しており ある事を調査していた。

 

ジョー「君達が来るまで、誰が我々の情報を流したか調べていた。そして ある艦娘の名前が浮上した」

 

呉「艦娘って?」

 

ジョー「“鹿島”という日本艦だ」

 

呉「鹿島?それって・・・」

 

呉提督は まさかと思い、ダンテとネロを見る。ダンテとネロも、同じ答えに行き着いた顔をしていた。

 

ダンテ「うちから出ていった鹿島だろうな。Mr.Jの喧嘩 買ったからな。本格的に動き始めたって事か」

 

ネロ「買うのと同時に売ったけどな」

 

呉「誰に情報を?」

 

ジョー「『モロッコ作戦』は憶えてるか?」

 

呉「・・・えぇ」

 

 

・・・・・・

 

*十数年前 モロッコ 屋敷 0:15*

 

ジョーの話すモロッコ作戦とは、十数年前にネイビーシールズが密かに行った作戦だった。任務は、モロッコの権力者『カルマ・ハッサン』と その護衛の排除だった。

カルマは犯罪組織と手を組み、街を牛耳り無法地帯にし、善良な市民に圧政を強いていた。

それだけならモロッコの問題であり、ネイビーシールズが出張る話ではないのだが、カルマはアメリカに敵対するテロ組織に資金援助していた。

テロ組織の資金を断つためアメリカはネイビーシールズを送り込み、モロッコ作戦を決行する事となった。

部隊は闇夜に紛れながら警備を倒していき、屋敷へと侵入してカルマを探す。

ピアノが置いてあるリビングに行くと、そこで部隊はカルマを発見し、カルマも部隊に気付く。

部隊は銃口を向けるが、カルマは それを見ても驚く訳でもなく、ただ冷静に部隊を見詰めていた。

 

カルマ「アメリカが送り込んだ連中か?」

 

呉「答える義務はない」

 

カルマ「それで どうする?俺を殺すのか?」

 

呉「テロ組織を援助した報いだ」

 

だが そこで、予定外な事が起きた。パジャマを着た幼い子供が現れたのだ。

呉提督は子供を見て動揺する。子供が見てる前で、人を殺せない。

部隊もカルマも動かない膠着状態が続いてると、無線から作戦指揮官の声が流れ、作戦遂行を急ぐよう急かされる。

 

呉「民間人の子供が居ます。撃てません」

 

そう意見具申するが、作戦指揮官からの返事は変わらず、カルマを殺すよう命じられる。

呉提督はカルマに銃口を向けたまま、カルマと子供を交互に見て迷う。

そして愚かにも、カルマは銃を手に取り部隊に銃口を向けてきた。

 

呉「よせ、撃つな!」

 

それに反応し、部隊は自分達の身を守るため、子供が見てる前でカルマを撃ち殺した。

モロッコ作戦は成功に終わったが、上層部は民間人の子供が居る状況での作戦続行を行き過ぎた命令と判断し、当時の作戦指揮官は不名誉除隊として処罰された。それを告発して軍法会議に掛けたのはジョーである。

作戦を実行に移した部隊はカルマに銃口を向けられた事もあり、作戦指揮官に従っただけとして不問とされた。

 

 

・・・・・・

 

*現在 農場*

 

ジョー「敵を送り込んでるのは『オマール・ハッサン』。カルマ・ハッサンの息子だ。君が あの夜 見た子供だよ」

 

呉「じゃあ これは・・・父親を奪われた報復って事ですか?」

 

ジョー「そういう事だ・・・。オマールは父親の後を継ぐように権力者となり、金で犯罪組織を雇い我々に攻撃を仕掛けている」

 

呉「そんな・・・こんなの馬鹿げてます!除隊してると言っても、アメリカに貢献した兵士です!殺せばアメリカが黙っていません!また その報復を受ける事になる!」

 

ジョー「そうだな、だが そんなのは関係ないんだ。復讐とは そういうものだ。連中は今日には ここに来る。そろそろ準備を始めよう」

 

当時のチームメンバーが殺されていたのは、父親を殺された息子の復讐だった。その事実は、呉提督に精神的なダメージを与えるには充分だった。何故なら、自分達のしてきた事の報いでもあるのだ。

だが、それでも ただ殺される訳にはいかない。まだ やるべき事があり、死ぬ訳にはいかないのだから。

ダンテ達はジョーと共に、敵を迎え撃つための準備を始めるのだった。

 

 

・・・・・・

 

15時を過ぎ、ダンテ達の準備も終わり、敵が来るのを待っていた。

ジョーの予想では、今日中に敵が来ると考えている。

配置はダンテとネロが外で前衛を務め、呉提督とジョーが母屋で後衛を務める事になっている。

農場の左右と後ろは森に囲まれているため、恐らく敵は正面から来るだろう。

静かな農場で敵が来るのを待ち構えていると、正面から何台ものクルマが現れ こちらに向かって来る。

ダンテ達は戦闘態勢に入り、向かって来る車に銃撃を始める。ダンテとネロは外に積み上げたバリケードの陰から撃ち、呉提督とジョーは母屋の窓から撃つ。

数台の車を破壊して動きは止めていくが、如何せん数が多く、ある程度の距離まで近付いた車は止まり、武装した連中が降りてきて反撃してくる。

銃撃戦は激しさを増し、ダンテはカリーナ=アンⅡからミサイルを発射し、ネロはダイナマイトの起爆スイッチを押して吹き飛ばしていく。

 

ネロ「おい、どんどん湧いてくるぞ!あいつら どんだけ引き連れてきたんだ!?」

 

ダンテ「犯罪組織 雇ってるって話だったが、その全員が来てるのかもな!」

 

車を破壊し敵を倒しても、その後ろから次々と後続の敵が来て終わりが見えない。

それなりに大きい犯罪組織が総出で来てるとしたら、数百人レベルの話ではなく、それ以上の単位の数で押し寄せてきてるのかもしれない。

 

ダンテ「そろそろ こいつの出番だな!」

 

ダンテは近くにあったケースを開け、中に入っていたミニガンを出し構えると、掃射して敵の接近を阻止する。

呉提督とジョーも負けじと銃を撃っていたが、敵が撃った弾丸にジョーが倒れてしまう。

 

呉「ジョー!!」

 

ジョーが撃てなくなった穴を埋めるように、呉提督は更に敵に向かって発砲するが、敵が撃ったロケット弾が飛来する。

ダンテとネロは撃ち落としていくが、数が多過ぎて1発が母屋に向かう。

呉提督は窓から離れ、ジョーを守るように覆い被さると、母屋の前に着弾して爆発が起きる。

呉提督はジョーの傷を確認すると、かなり酷く出血もマズい状態だった。

その事を無線で、ダンテとネロに伝える。

 

ダンテ『ここは俺達に任せろ!ジョーと ここから離れろ!』

 

呉「ジョー、救急ヘリを呼びます!しっかり!」

 

ジョー「ここには呼べない・・・攻撃に巻き込まれる・・・私が言うポイントを伝えろ・・・」

 

呉提督は救急ヘリを要請し、ジョーが言うポイントで待機するように伝える。

 

 

・・・・・・

 

呉「ハイー!ハイヤー!」

 

母屋の裏から脱出した呉提督は、ジョーを連れて馬のマテウスに乗り、救急ヘリが来るポイントへと駆ける。

 

呉「ジョー、しっかり!必ず助けます!」

 

呉提督の後ろでマテウスに揺られるジョーの手には、スマホが握られていた。

 

 

・・・・・・

 

*丘 18:56*

 

呉「どーどーどー」

 

救急ヘリが来るポイント、1本の木がある丘に来た呉提督は そこで止まり、マテウスから降りるとジョーも降ろし、木に凭れさせる。

 

呉「ジョー、しっかりしてください。・・・救急ヘリは何してるの?もう来ててもいい時間なのに」

 

ジョー「ヘリなら来ない・・・」

 

呉「・・・どういう事です?何を言ってるんです?!」

 

ジョー「私が要請をキャンセルした・・・」

 

呉「何で そんな事を・・・!?この傷じゃ助からないのに、何を考えてるんです?!」

 

ジョー「私は充分 生きた。これ以上 長生きするつもりはない・・・」

 

呉「諦めちゃ駄目です!」

 

ジョー「私が死んでも、復讐は考えるな・・・オマールと同じになるだけで、何の解決にもならん・・・」

 

呉「・・・・・・・・・」

 

ジョー「君がMr.Jという男を追ってるのは知ってる・・・あの男には気を付けろ・・・」

 

呉「Mr.Jを知ってるんですか!?」

 

ジョー「奴は どこにでも手が回せる・・・警察にも・・・軍にも・・・CIAにも・・・どこからでも君達を見ている・・・誰も信じるな・・・敵は・・・常に傍に居る・・・」

 

呉「もう喋らないで!今からでも救急ヘリを━━」

 

呉提督はスマホを出すが、ジョーが その手を掴み遮る。

 

ジョー「君に ここからの風景を見せたかった・・・綺麗だろ・・・?」

 

そう言われ、呉提督は丘から見える遠くの町の方を見る。そこには広大な土地が広がり、全てが夕陽の色に染まる美しい風景が一望できた。

 

呉「・・・・・・はい・・・とても美しいです・・・」

 

呉提督は そう呟きながら、涙を流した。自分の手を掴むジョーの手が離れたから。

 

呉「ジョー・・・ジョー!!」

 

呉提督はジョーに向き直り、ただ彼の死を悲しんだ。

 

 

・・・・・・

 

*農場 6月23日 17:31*

 

呉提督は あれからジョーの農場に留まり、彼を放っておけないダンテとネロも一緒に居た。

そこに、Devil May Cry鎮守府から来た川内と五十鈴、オリーブ財団から来た(たける)刹那(せつな)が現れた。

 

健「・・・大丈夫?」

 

呉「えぇ・・・」

 

刹那「全部ダンテ提督とネロから聞いた。大変だったね・・・」

 

呉「ありがとう・・・」

 

川内「呉提督を襲った犯人は、私と五十鈴で見付けて確保した」

 

犯人の名は『カスパー・バウア』、ドイツ人で元軍人だった。だったからこそ、訓練された動きで呉提督とも互角で戦えたのだろう。

 

五十鈴「これから どうするの?」

 

呉「・・・・・・ジョーの仇を取る」

 

刹那「復讐するつもり?」

 

呉「今の私には それしかない。報いを受けさせる・・・!」

 

呉提督はジョーの死で、彼が言っていた復讐するなという言葉を忘れてしまっていた。

 

ネロ「・・・ダンテ」

 

ダンテ「はぁ・・・最後まで付き合うさ。依頼は まだ終わってないからな」

 

ネロ「健、刹那、離れ屋に襲ってきた連中を閉じ込めてる。財団の方で処理してくれ」

 

健「分かった」

 

五十鈴「私は提督に付き合うわ。呉鎮守府の艦娘だったし、放っておけないから」

 

川内「じゃあ私も」

 

ダンテとネロが迎撃した敵の中で生き残っていた者は、全員 拘束して捕まえていた。

奴らの処遇はオリーブ財団に任せ、ダンテ達はオマールが居るラオスへと向かうのだった。

 

 

・・・・・・

 

*ラオス 屋敷 ラオス時間6月25日 0:38*

 

呉提督はダンテとネロ、川内、五十鈴と共にラオス入りを果たし、闇夜に紛れてオマールが居る屋敷へと奇襲を掛ける。

屋敷の外と中には警備が巡回しているが、ダンテ達は暗闇から音もなく近付き、1人、また1人と無力化していく。

大広間へと行き そこでオマールを見た瞬間、呉提督はサイレンサー付きの銃で肩を撃ち、オマールが倒れる。

 

呉「オマール・ハッサン、お前を殺す・・・!」

 

オマール「・・・あれだけ送って生き延びてるとは・・・。仲間を殺された復讐か?」

 

呉「そう、私は大義のために来たんじゃない。復讐のために来た」

 

オマール「俺の父を殺しておいて、そんな お前らが俺に復讐するだと?全部お前らが悪いんだろうが!」

 

オマールが声を荒げた事で、別の部屋に居たオマールの妻の心配する声が聞こえた。

少ししてオマールの妻が大広間に現れ、悲鳴を上げる。

その声を聞き、まだ寝ていなかったオマールの幼い息子まで来てしまった。

オマールは若くして、家族を持っていた。

オマールの妻と息子はオマールに駆け寄り、妻は夫を撃たないでくれと泣きながら懇願し、オマールを庇うように覆い被さり、息子は父親が怪我してるのを心配して離れようとしない。

 

呉「どきなさい。どきなさい!」

 

呉提督は銃の構えを解かず、いつ発砲するか分からない状態で危険なため、川内と五十鈴がオマールの妻と息子を引き離す。

皆が見守る中、呉提督は銃を構えたまま、中々 引き金を引かない。オマールの家族を見て、オマールの父親カルマの時と同じ状況から、引き金を引く事に迷いが生じていた。

するとダンテが動き、呉提督が構える銃に手を乗せた。それにより呉提督は、復讐を諦めたのか銃を下ろした。

 

 

“私が死んでも、復讐は考えるな・・・オマールと同じになるだけで、何の解決にもならん・・・”

 

 

呉「ジョーを殺した あんたを許す。復讐しても、ただ殺し合いが続くだけ。家族を想うなら、あんたも これで止めにして。それでも まだ続けるなら、私だけを狙いなさい」

 

オマール「・・・・・・・・・」

 

オマールは思う部分があったのか、何かを考えるように神妙な面持ちで沈黙する。

呉提督は その場から離れ、ダンテ達も黙って引き上げるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*墓地 アメリカ時間6月30日 14:13*

 

呉提督は、墓地を訪れジョーの墓参りに来ていた。

花を添えて立ち上がると、海軍式の敬礼をする。

 

呉「ジョー、また来ます」

 

呉提督は立ち去り、決して楽ではない仕事の日々に戻るのだった。




次回も宜しく お願い致します!
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