今回のストーリーは、ちょっと他の話へ寄り道する形になります。
417話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 食堂 7月1日 10:11*
鳳翔「出ていってください!3人共 鎮守府から出ていってください!!」
この日、ダンテとネロ、バージルは3人で鳳翔を怒らせた。
口を開けば すぐ喧嘩。目が合えば剣を交え、銃弾が飛び、幻影剣が乱舞し、物は壊すわ借金は増やすわで、遂に鳳翔の堪忍袋の緒が切れた。
鳳翔「出ていきなさーい!!」
その結果、ダンテとネロ、バージルは鎮守府から追い出される結果となった。
・・・・・・
*正面ゲート 10:42*
1号「すみません、ダンテ提督。そういう訳なんで・・・」
ダンテとネロ、バージル、これから行く場所に付き合うために一緒に居る青葉型が、正面ゲートで佇み見てる前で、申し訳なさそうにする憲兵隊の手によって、正面ゲートの門が閉められた。
鳳翔は今回かなり怒っていて、正面ゲートの門を閉める指示を出し、ダンテ達を閉め出す程だった。
ネロ「・・・・・・どうするんだよ?」
バージル「あそこまで怒る事もなかろう」
ダンテ「はぁ・・・今日からホームレスか・・・」
青葉「ホームレスにはなりませんって」
衣笠「何のために私達が付き添うと思ってるのよ?」
今回は何度 謝っても許してもらえず、鳳翔の怒りは今までの比ではなかった。
鎮守府から追い出され、このままでは本当にホームレスになってしまう。
そこで、なぜ青葉型が一緒に居るのかという話になるのだが、理由はダンテ達が住む家を探す付き添いだった。
衣笠「こうしてても仕方ないし、行こっか」
青葉「3人で住むなら、広い方がいいよね?」
ダンテ「頼むから別々の家にしてくれ」
衣笠「そんな余裕ないでしょ。広くて安いとなると・・・事故物件で決まりね」
青葉「ネットで探すね」
衣笠「提督達は床に血のシミがあったり、ポルターガイストが起きても気にしないでね。事故物件だから」
ネロ「普通の家にしてくれ・・・」
こうして、スパーダの血族だけでの同棲が始まるのだった。
・・・・・・
*
アーロンから連絡が入り、『明陽学苑』という名の高校で、魔の気配が動いてるという連絡が入った。
鎮守府から追い出されたネロだったが、それまで通り仕事はしなければならなかったので、ネロは明陽学苑に入ってる植木屋で働きながら、魔の気配を密かに調べていた。
しかし植木職人の仕事もしなければならないため、ネロは枝切りバサミを手に梯子を上がり切ろうとしたのだが、校舎の屋上に人が居るのが見えた。
屋上には落下防止のためのフェンスで囲まれているのだが、わざわざフェンスを乗り越え外側に下り、男子生徒の1人が飛び下り自殺しようとしていた。
ネロ「おーい、自殺かー?」
ネロの声がし、男子生徒は明らかに自分に言ってると判り そちらに顔を向ける。すると視線の先には、青々とした葉っぱの間からネロの顔が見え、こちらを見ていた。
ネロ「その高さから落ちて死ねたらいいけど、死ねなかったら かなり痛いぞ~。死ぬよりも地獄かもなぁ。それでも飛ぶかー?」
ネロから妙な脅しを掛けられ、男子生徒は地面を見る。
そして恐怖心が勝ったのか、男子生徒はフェンスを上り内側に戻ると、走って校舎に姿を消した。
それを見送ったネロは、呆れた笑みを浮かべていた。
ネロ「ガキが自殺なんて生意気なんだよ。俺なんか借金地獄で追い出されても必死に生きてるのに」
さぁ、今から植木職人の仕事をしようとした その時、校舎の窓でカーテンが はためく場所があり、ネロは無意識に そちらに視線が向く。
そこには、これから体育の授業を受ける女子生徒達が着替えていた。
ネロ「えっ、ちょっ・・・!?///////」
焦ったネロは梯子から足を滑らせ、地上に落下した。
親方「おい、新入り!何やってんだ?!遊んでないで ちゃんと仕事しろ!」
ネロ「へーい」
植木屋の親方に怒られ、ネロは自殺しようとする奴が居たり梯子から落ちたり、踏んだり蹴ったりで溜め息を吐きながら返事し、仕事に戻るのだった。
・・・・・・
*食堂 12:21*
植木職人としての仕事の休憩に、ネロは食堂に足を運んだ。昼食を摂ったら また仕事に戻らないといけない。
ネロ「おばちゃん、このパンと・・・あとコーヒー牛乳ちょうだい」
おばちゃん「はいよー」
売店で お金を支払い、パンとコーヒー牛乳を買ったネロは、その場で飲み食いを始めながら食堂に居る生徒達を見る。
ネロ「この学校はいいな。みんな楽しそうだ」
おばちゃん「あら、あなたは学校が楽しくなかった?」
ネロ「・・・さぁ?どうだったかな・・・?」
おばちゃん「大人になると青春って眩しく見えるからね~。もっと ああしてれば良かったって、私でも思うもの」
ネロ「おばちゃんは学校 楽しかった?」
おばちゃん「そりゃあ もう!」
売店の おばちゃんと呑気に世間話をしてると、ガラスが割れる音がして食堂が騒然となる。見ると、私服を着た高校生くらいの男3人が、鉄パイプを振り回して暴れていた。
ネロ「あれ何?」
おばちゃん「あ~、あの子達、最近 他校の生徒と喧嘩して退学になったの。自分達は悪くないって言ってたんだけど、教頭が聞く耳を持たず問答無用で退学にしちゃって」
ネロ「って事は、お礼参りってやつか。日本人は皆 大人しいと思ってたけど、気合いの入ってる奴も居るんだな」
ネロは ちょっとしたミニイベントが始まった感覚で、パンを噛りながら楽しそうに見ていた。
その近くでは、教頭と教師2人も騒動に気付いて見ていたのだが、誰が止めるのかと揉めていた。
そして教師2人に言いくるめられ、教頭が止める事になった。
教師「君達、やめなさい!」
教頭が果敢に前に出て声を荒げると、退学になった元生徒3人が教頭を睨み、標的を変える。
売店の おばちゃんは これはマズいと思い、口元を手で隠してソワソワしながら見ていた。
元生徒「教頭、俺達を退学にしやがって!」
教頭「君達が馬鹿な事をしなければ、そんな事にはならなかったんだ!自業自得だ!」
元生徒「俺達は手を出してないのに、何で退学にならなきゃいけないんだよ?!」
教頭「これは決定事項だ!喧嘩をするような奴は この学苑に相応しくない!ここは もう君達が来る場所ではない!帰れ!」
怒りで元生徒3人は教頭に詰め寄ろうとし、教頭がビビり後退る。
そこを、ネロが間に入って止める。
ネロ「ちょっと厳し過ぎるんじゃないか?こいつらの話だって少しは聞いてやってもいいだろ」
ネロが止めに入ると、売店の おばちゃんは何かを期待する眼差しでネロを見詰める。
だが教頭はネロの話を聞いてないのか、自分可愛さにネロを元生徒3人に ぶつけようとする。
教頭「君は、うちに来てる植木職人かね?頼みがあるんだが、この馬鹿共を追い出してくれないか?その分の お礼もしよう」
見るからに この場の誰よりも強そうなネロを味方に引き込み、自分の代わりに相手をさせようとする卑怯な教頭に、元生徒3人から文句が出る。
だが頑固頭の教頭は、最初から聞く耳など持っていなかった。
教頭「馬鹿が何と言おうと、退学には変わらん!」
元生徒「俺達は馬鹿じゃねぇ!」
教頭「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い?!君、早く この馬鹿共を排除してくれたまえ」
教頭が言うが、ネロは少しも動こうとしない。それ処か、教頭が“馬鹿”と言う度にネロの目が冷たいものへと変わっていた。
教頭以外はネロの纏う雰囲気が変わった事に気付いており、売店の おばちゃんはネロが次に どう動くのか楽しみな様子で見守っていた。
するとネロが動き、ゆっくりと教頭の後ろに回り込むと、腰に手を回し抱き締める。
教頭「おい君、何をしてる?私に そんな趣味は━━」
ネロ「オラァーッ!」
喋ってる途中で、ネロは教頭を持ち上げジャーマンスープレックスで床に叩き付けた。
予想外な展開に、食堂に居た者は全員 唖然とし、静かになる。
起き上がったネロは、怒り顔で床に倒れる教頭を見下ろし睨む。
ネロ「バカバカって うるせぇんだよ!テメェら教師が話も聞かずに勝手に決め付けるから、こいつらみたいに道を踏み外しちまう奴が出てくるんだろうが!教師なら それぐらい覚えとけ!!」
ネロは自分の生い立ちや境遇から、周りから揶揄される事も多かった。何も知らないで勝手な決め付けで悪く言われるのを、ネロは自分と重ねて怒りが爆発していた。
あまりの事態に誰もが動けない中、売店の おばちゃんだけは期待通りだったのか笑みを浮かべていた。
そしてネロは、不機嫌なまま元生徒3人に顔を向ける。
ネロ「お前ら、一緒に来い」
元生徒「え、でも・・・」
ネロ「いいから来い!」
ネロはスタスタと その場から離れ、ネロの気迫に逆らえなかった元生徒3人は、黙ってネロに付いていくのだった。
それを、自殺しようとしていた男子生徒が、物陰に隠れて見ていた。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂 14:12*
ネロは元生徒を連れて、鎮守府に戻っていた。
今は元生徒3人に肩などマッサージさせながら、青葉型に ある頼み事をしていた。
ネロ「おい、足も」
元生徒「はい!」
ネロ「肩もっと強く」
元生徒「はい!」
ただ、話を聞いた青葉型は呆れていた。
青葉「それで教頭にジャーマン決めたんですか・・・?」
衣笠「折角 近くで調べれるように、学苑に入ってる植木職人の仕事 紹介してあげたのに、それでクビになって どうするのよ?!」
ネロ「仕方ないだろ。何でもいいから、こいつらに仕事 紹介してやってくれよ。学校にも行けないなら それしかないしな」
青葉「先ず自分の仕事 探した方がいいですけどね」
ネロ「それは どうにかするから」
こうなっては仕方ないと思い、衣笠は厳しい目で元生徒3人に視線を向ける。
衣笠「あなた達」
「「「はい」」」
いきなりジャーマンをカマすネロの知り合いという事もあり、元生徒は衣笠にもビビっていた。
衣笠に呼ばれ、元生徒はマッサージを中断して姿勢を正し、気を付けの姿勢で彼女に向き直る。
ネロ「おい、やめんなって」
衣笠「本気で仕事する気あるの?そこのネロみたいに すぐ投げ出すようなら、こっちは面倒なんか見てられない。どうなの?」
元生徒「あります!」
元生徒「死ぬ気で働きます!」
元生徒「お願いします!」
元生徒3人は、深く頭を下げて お願いする。
それを見た衣笠は、それならと仕事を紹介するのを承諾する。
衣笠「ネロよりは やる気あるわね」
ネロ「俺のは仕方ないんだって」
衣笠「提督とバージルも そうだけど、紹介する仕事 次から次へとクビになるようじゃ、紹介する私の信用に響くのよ!」
ネロ「ごめんって・・・」
そこへ、鳳翔が食堂に入ってきた。
鳳翔はネロが居る事に気付き、一睨みしてから黙って厨房の奥へ消えた。
ネロ「・・・・・・鳳翔、まだ怒ってる?」
青葉「怒ってますよ。暗黙の了解で、司令官達の名前 出すのも禁句になってますから」
ネロ「そんなに・・・?」
衣笠「この前 雪風が提督の話題 出したんだけど、夕飯 作ってる鳳翔さんが いきなり まな板に包丁ぶっ刺して、そのまま食堂から出ていって危うく夕飯抜きになるところだったんだから」
ネロ「えぇー・・・」
衣笠「だから しばらく帰ってこないで」
ネロは早く鳳翔の機嫌を直さなければと焦りながら、元生徒の事は青葉型に任せ、新居の方へと帰る事にするのだった。
・・・・・・
*正面ゲート 14:50*
ネロが正面ゲートから出ると、横から自殺しようとしていた男子生徒がヒョコッと出てきた。
ネロ「お前、あの時の自殺野郎」
生徒「自殺野郎って言わないでよ。僕は『
ネロ「お前 学校は どうした?何で ここに居る?」
昂「サボって付いてきちゃった」
ネロ「付いてきちゃったって・・・俺は忙しいんだ、じゃあな」
ネロは立ち去ろうとして歩き出すが、昂が呼び止めながら追い掛けてくる。
無視して歩き続けるが、昂は訊いてもないのにベラベラと話し掛けてくる。
昂「デビルハンターのネロでしょ?テレビで見た」
ネロ「あっそ」
昂「僕と友達になってよ」
ネロ「はぁ?何で俺が お前なんかとダチなんかに・・・」
昂「ネロ強いんでしょ?実は お願いがあって・・・」
ネロ「お願い?」
昂は内気で大人しい性格で、それが災いして ある女子生徒3人に苛められてるらしい。
そこで昂は、教頭にも物怖じしないネロに、自分の代わりに女子生徒3人に仕返ししてほしいらしい。
ネロ「苛めだぁ?そんなの自分で仕返しすればいいだろ」
昂「無理だよ・・・」
昂は その性格から仕返しができないだけでなく、ひ弱であり腕力でも女子に負ける。
以前 苛めの1つとして、パンツ一丁で縛られ その写真を撮られ、逆らえば写真をバラ撒かれてしまうので、それを脅迫材料に逆らう事ができなかった。
ネロ「情けない奴め・・・」
ネロは以前の
ネロの一言に昂は立ち止まり俯き、ネロは それに気付きながらも無視して歩き続けるが、結局は立ち止まった。振り向かなくても、背中越しに情けないオーラをヒシヒシと感じる。
このまま放っといてもいいのだが、これでは自分が悪いみたいになり後味が悪く、自殺されても面倒なので、仕方なく昂の頼みを聞いてやる事にした。
ネロ「その話、引き受けてやるよ」
昂「ほんとに!?」
ネロの言葉に、昂は嬉しそうに顔を上げる。
ネロ「お前 幾ら持ってる?」
昂「お金 取るの!?」
ネロ「当たり前だろ!便利屋に頼むってのは そういう事だ」
昂は財布の中身を確認するが、苛めてくる女子生徒3人にカツアゲもされているため、千円すら入っていなかった。
昂「バイトの給料 出たら払うよ・・・」
ネロ「ツケって事か?ほんとに仕方ねぇ奴だな・・・。その苛めてくる奴、どこに居る?」
昂「いつも放課後にカラオケに行ってる」
気は進まないが、便利屋として引き受けたので、ネロは昂の仕返しを手伝う事にした。
・・・・・・
*カラオケ店 18:30*
街にあるカラオケ店で、昂を苛める女子生徒3人が楽しそうに歌を歌っていた。
その様子を、カラオケルームの外からコソコソと窺うネロと昂の姿もあった。
昂「ねぇ、ほんとにやるの?やっぱりやめない?」
ネロ「は?お前が言い出したんだろうが。覚悟 決めて仕返ししてやれ」
カラオケルームの方では、歌が終わり昂の話をしていた。
取り巻きの2人が、そろそろ親や教師にチクるかもしれないから苛めを控えないか提案するが、リーダー格の女子生徒は、昂に そんな度胸はないと断言する。
更に、昂だけは絶対に許さないと その声に怒気を滲ませていた。どうやら このリーダー格の女子生徒、昂に何かしらの恨みを持っているようだ。
すると扉がノックされ、お盆を持ってキャップ帽を被った男が入ってきた。
そして顔を上げて露になったのは、不敵な笑みを浮かべるネロの顔だった。
ネロ「お客様、ご注文の品です」
お盆にはロープや手錠など、不穏な物が用意されていた。
・・・・・・
少しして、カラオケルームの扉が僅かに開き、ネロが顔だけ出して昂を呼ぶ。
昂が中に入ると、女子生徒3人が背中を向けた状態で手錠され、その手錠をロープで引っ張るように天井から吊るし上げ、強制的に腕を上げさせられていた。
背中にはペンキで、それぞれ『のぼるくん』・『苛めて』・『ごめんね』と書かれており、ハートなんかも描かれていた。
昂「ちょっと、やり過ぎだよ!」
ネロ「これぐらいしなきゃ仕返しにならないだろ」
女子生徒3人は顔だけ振り返り、昂を睨む。
女子生徒「昂、ふざけんな!何のつもりだよ?!私らに仕返しするために こんな男まで使いやがって!」
ネロ「はいはい、苛めてるのは お前らの方だろぉ。よく そんなデカい口 叩けるな・・・。あとは仕上げだな」
そしてネロは、昂にカメラを渡した。
ネロ「ほら撮れ」
昂「・・・ほんとに?」
ネロ「同じ事しないと仕返しにならないだろ。いいから早く撮れ」
昂はネロに言われ、渋々 女子生徒3人の今の姿を写真に収める。
そしてネロは、女子生徒の携帯を弄り、昂の弱味となってる写真を削除した。
ネロ「これに懲りたら、もう苛めなんてするんじゃないぞ~」
そして女子生徒3人を放置し、ネロと昂は そそくさと退散した。
・・・・・・
*街 19:31*
街をブラブラと歩きながら、昂はネロに、苛めを受ける原因となった日の事を話していた。
苛めていたリーダー格の女子生徒の名前は『
中学の時、下校途中で杏子が複数の男子高校生の不良に絡まれ、カツアゲされてるのを見た。
“昂、助けて!”
助けを求められたが、内気な性格である昂は杏子を助ける勇気がなく、見て見ぬ振りをして その場から逃げるように立ち去った。
それ以降は気まずく言葉を交わす事もなかったのだが、偶然にも同じ高校へと進学してから、杏子からの苛めが始まったのだ。
昂「僕が悪いんだ・・・僕に杏子を助ける勇気がなくて、見捨てたから・・・」
黙って話を聞いていたネロだったが、突然 昂に杏子達を撮ったカメラを渡した。
ネロ「これは お前の好きにしろ。仕返しも手伝ったし、お前らに何があったかなんて俺には関係ない。もう苛められんなよ、じゃあな」
昂「ま、待ってよ!」
ネロは走って どこかに行ってしまい、置いてかれた昂は どうしようかと、カメラを見詰めていた。
・・・・・・
*街 20:31*
昂を置いて立ち去ったネロは、これから どうやって明陽学苑を調べようか考えながら、夜の繁華街を歩いていた。
すると、ネロの前に昂の幼馴染みであり、彼を苛めていた杏子が現れた。
ネロ「まだ懲りてないのか?」
仕返しの仕返しにでも来たのかと思い、ネロは杏子の出方を見る。
杏子は歩を進め、ネロに近付くと いきなり抱き付いた。予想外な行動に、ネロは戸惑う。
ネロ「お、おい・・・?」
杏子「ごめんなさい・・・」
ネロ「は?」
杏子「私の家、両親が共働きで寂しかったの。寂しくて つい昂を苛めちゃって、家じゃ親も構ってくれなくて、あなたに叱られて嬉しかったの」
ネロは妙な展開になったと思い、面倒臭さから杏子の身体を引き離す。
ネロ「反省してるなら何でもいい。昂にも謝っとけよ」
杏子「うん、そうする」
ネロ「早く家に帰れよ」
これ以上 面倒事に関わりたくないネロは、早々に立ち去ろうとするのだが、杏子に手を掴まれ引き止められてしまう。
杏子「今日は帰りたくない。家に帰っても誰も居ないから・・・」
ネロは子守りしなきゃいけないような流れに顔を しかめるが、杏子にも複雑な家庭環境があり悩んでるのかと同情し、夜の街に1人で置いておくのも危ないと判断し、少しの間 杏子と一緒に居る事にした。
・・・・・・
明陽学苑高校に勤務する女性教師が、仕事終わりの帰りに街を歩いていた。
すると、教頭にジャーマンスープレックスを決めたネロと、制服を着た杏子が一緒に歩いてるのを見付けてしまう。
おかしな組み合わせに何か良くない関係なんじゃないかと思った女性教師は2人を追うが、踏み切りに足止めされてしまう。
電車が通り過ぎると、ネロと杏子の姿は消えており見失ってしまっていた。
・・・・・・
*新居 21:17*
ネロ「ちょっと待っててくれ。部屋 片付けてくるから」
杏子「手伝おうか?」
ネロ「いい、すぐ終わる」
杏子を玄関で待たせ、レッドクイーンの整備などで散らかした工具を片付けるため、ネロは自分の部屋の扉を開ける。
ネロ「ヤッベッ・・・!」
だが その部屋は、とてもじゃないが すぐに片付く程度の散らかり方ではなく、人を招ける状態ではなかった。
自分の部屋は使えないため、代わりにダンテの部屋が使えないかと そちらの扉を開ける。
ネロ「ダンテの奴・・・!」
ダンテの部屋は、グラビア雑誌やピザの空箱が所狭しと散らかっており使えない。
ならばと、今度はバージルの部屋に駆け込む。そこは先の2人の部屋と違って散らかっておらず、綺麗に整頓されていた。
杏子「へー、意外と綺麗じゃん」
ネロ「うおっ!?」
バージルの部屋なら招けると気が弛み、玄関で待たせてたはずの杏子が勝手に奥まで来ていることに気付かず、ネロは驚いてしまう。
杏子「ここが あなたの部屋?」
ネロ「ま、まぁな・・・」
杏子は無遠慮にバージルの部屋に入ると、飾られてる写真立てが視界に入り それを手に取る。
杏子「彼女?」
ネロ「あーいや!えっと、まぁ、みたいな感じかな?」
ネロは慌てて杏子の手から写真立てを奪い取る。ここはバージルの部屋で写真もバージルが置いてあるので、勝手に触るとバージルがキレて手が付けられなくなる。
写真に写ってるのはキリエではなく間宮が写ってるのだが、今はネロの部屋として杏子を招いてるため、彼女の質問を苦し紛れに誤魔化すしかなかった。
すると杏子は突然、服をスルスルと脱ぎ始める。
ネロ「な、何やってるんだ!?」
驚くネロなど お構いなく服を脱ぎ、下着だけになった杏子はネロに抱き付いた。
杏子「抱いて・・・」
そしてネロは、杏子に押し倒され2人でベッドに倒れる。
その瞬間、カメラのシャッター音とフラッシュが瞬いた。
ネロ「え・・・?」
杏子がネロから離れると、チンピラ風のガラの悪い男達が何人も現れた。玄関の鍵をしておらず、勝手に入ってきたようだ。
ネロ「・・・誰だ お前ら?」
男「こういうの良くないんじゃないかなー?この子 未成年だよ」
ネロは どういう事かと杏子を見ると、彼女は落ち着いた様子で脱いだ服を着直していた。
男「この写真ばら蒔かれたくなかったら、500万 用意しろ」
ネロ「ハッ・・・そういう事かよ」
タイミング良くカメラを持った男達が現れ、杏子の様子からも、自分は嵌められたのだと理解してネロは呆れた笑いが出る。
杏子がカバンも持って出ていこうとするが、ネロに呼び止められ足を止める。
ネロ「あれ嘘だったのかよ?寂しいとか、反省してるとか」
杏子「・・・・・・当たり前でしょ。全部あんたを嵌めるための演技。こいつが2度と舐めた事できないようにやっちゃって」
杏子が男達に指示すると、男達はネロを囲んで殴り始める。
その隙に、杏子は家から立ち去るのだった。
・・・・・・
少しして、ネロは まだ男達に殴られ続けていた。相手は ただの人間で小物であるため、反撃していいものか悩み、様子見がてら殴られ続けていた。
男「500万 用意する気になったか?」
ネロ「だから そんな金 無いっての」
反抗的なネロの態度に、男の1人が また彼の顔を殴る。ネロは何だか疲れたので、とりあえず殴られた勢いのまま床に横になる。
すると、男の1人に顔を踏まれた。
そろそろイライラしてきて反撃してやろうかと考え始めてると、男の1人が部屋に飾ってあった写真立てを手に取る。
男「これ彼女か?金が無理なら、この女に責任 取ってもらうしかないな」
ネロ「あ~、それ触らない方がいいと思うよー」
男「はぁ?彼女には触るなってか?カッコ付けてんじゃ━━」
男の1人が喋ってる途中、後ろから何者かに蹴られ吹き飛んだ。
男達は驚き部屋の出入り口の方を見ると、悪魔絡みの仕事から帰ってきたバージルが立っていた。
男「何だ お前!?」
バージルは無視して写真立てを持つ男に近付くと、写真立てを奪ってからキュッキュと拭く。
バージル「汚い手で間宮に触るな!」
そして写真立てを持っていた男の顔面を殴り、そちらも吹き飛ばす。
その間宮の写真は、鎮守府を追い出される時に間宮が わざわざバージルに持たせた物だった。
ネロ「おー、バージルおかえりー」
バージル「ネロ、何をしている?こいつら お前の知り合いか?」
ネロ「いや、勝手に家に入ってきた ただのバカ。500万 寄越せだって」
男「ネロ・・・?」
名前に聞き覚えがあったらしく、ネロが悪魔すら殺せるデビルハンターだと正体に気付いた瞬間、男達が震え上がり恐々とする。
ネロの顔を踏んでいた男も、慌ててネロから離れる。
男達は急にネロとバージルの ご機嫌を取ろうとしたのだが、バージルは射殺すような視線で男達を睨む。
バージル「貴様ら、なぜ土足なのだ?日本では靴を脱ぐのがマナーではないのか?」
そう言われ、男達は慌てて靴を脱ぐ。
男「あの僕達、これで失礼します・・・」
男達は そそくさとバージルの横を通り退散ようとしたのだが、出入り口に人が立ち塞がり部屋から出られなかった。
顔を よく見てみると、それは別件の仕事から帰ってきたダンテだった。
男「ダ、ダンテ・・・!?」
ダンテ「あ?今日は賑やかだな。つーか お前ら誰だ?」
バージル「俺達に金の無心をしてきたらしい」
ダンテ「ほう・・・いい度胸してるなぁ」
男達は恐怖しながら後退り、部屋の奥へと戻っていく。
そしてダンテとネロ、バージルが横に並び立ち、ネロは不敵な笑みを浮かべていた。
ネロ「さて、どう料理してやろうか?」
直後、新居に鈍い音が何度も何度も鳴り響くのだった。
次回も宜しく お願い致します!