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427話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮・川内型の部屋 7月20日 8:31*
ネロの生徒、
傍には神通と那珂、五十鈴が心配そうに川内を見ている。
川内は日頃、昼夜逆転の生活で日中に寝てる事が多いのだが、今は不眠症で悩まされ、日中も ずっと起きてる状態だった。
那珂「川内ちゃん、寝れそう?」
川内「・・・・・・ダメだ、寝れない・・・」
神通「姉さんが3日も寝れないなんて流石に変ですよ」
那珂「子守唄 歌おうか?」
五十鈴「それも意味なかったでしょ。あんた ほんとに どうしちゃったのよ?」
川内「それが判れば寝てんだよぉ~・・・」
五十鈴「困ったわね・・・」
艦娘であれば、艤装を装着すれば寝ずに長期の任務にも携わる事ができる。
問題は艤装を装着してない状態では普通の人間と変わらないのに、それで3日も寝れてないのは明らかに異状なのだ。
明石に診てもらい薬も処方してもらったのだが、それでも現状 変わらず、睡眠への渇望、寝不足から来る頭痛、身体の怠さに苦しめられ続けていた。
川内「誰か・・・私を殺して・・・」
五十鈴「おいおいおいおい、永眠する気!?」
神通「いま加賀さんが提督の所に行ってますから、しっかりしてください」
那珂「とりあえず目だけでも瞑ってたら?もしかしたら寝れるかもだし」
川内「・・・・・・うん・・・」
川内は目を瞑るが、何度も寝返りを打つので寝れてる訳ではなさそうだった。
*新居*
その頃ダンテとネロ、バージルの新居に加賀が訪ねてきていた。
ダンテは最初、加賀が来た事で また小言でも言われるのかと嫌な顔をしたのだが、神妙な面持ちの彼女に違和感を感じ、真面目に話を聞く事にした。
一先ず加賀を中に入れ、リビングへと行き2人でソファーに座る。
ダンテ「どうした?」
加賀「実は・・・川内に ちょっと問題があって・・・」
加賀はダンテに、川内の不眠症について話したのだが、話は川内1人の問題に留まっていなかった。不眠症に悩まされる川内は寝れないストレスから、夜中に発狂したりして被害が鎮守府全体に及んでいた。
ダンテは改めて加賀の顔を よく見てみると、確かに ちょっと隈があるように見える。
ダンテ「睡眠薬でも飲ませれば済む話じゃないのか?」
加賀「明石に診てもらって処方もしてもらったんだけど効果はなくて・・・」
ダンテ「何しに来たのか知らないがムリだ。俺は医者じゃない、助けられない」
加賀「それはいいの。その代わり━━」
青葉の情報で、不眠症を改善してくれる寺があると巷で噂されてるらしい。そこに連れていけば、元に戻るのではと加賀は考えていた。
眉唾物の話ではあるが、川内1人のせいで艦娘全員が疲弊してる状態であるため、任務にも支障があり藁にも縋る思いだった。
そこでダンテに、川内を その寺まで送ってもらいたいらしい。
ダンテ「・・・・・・本気か?」
加賀「冗談を言ってる顔に見える?」
ダンテ「そんなとこに行かなくても、寝かす方法なんてあるだろ」
加賀「お願い・・・このままじゃ鎮守府が・・・崩壊・・・」
ダンテ「お、おい、加賀!?」
喋ってる途中で、加賀が倒れ込みダンテは焦ったのだが・・・。
加賀「・・・・・・・・・」Zzz・・・
ダンテ「寝てる・・・」
結局 段取りなど聞けないまま加賀が寝てしまったので、ダンテは神通に連絡する事にした。
付き添いで神通と那珂、五十鈴も噂の寺に行くとの事で、ダンテは寝てる加賀を彼女が乗ってきた車に押し込み、川内型と五十鈴を拾いに出発するのだった。
・・・・・・
*山 11:48*
ダンテが運転する加賀の車が、目的地である山の麓に着いたのだが・・・
川内「・・・・・・・・・」Zzz・・・
ダンテ「こいつ寝てんじゃねぇか!!」
着く前に問題が解決してしまった。どうやら車の揺れが、眠りへと誘い寝れたようだ。
その代わり、加賀の方は目を覚ましている。
加賀「私は一緒に行くつもりはなかったんだけど・・・」
ダンテ「もう帰るか?」
この先は車では行けないため、目的の寺には徒歩で行くしかない。
それに川内が寝れたのなら、わざわざ行く意味もない。
那珂「でも、不眠症を改善する程の睡眠を提供してくれる寺は興味あります!那珂ちゃん非常に興味あります!」
五十鈴「私も興味あるかも。どうせ休暇扱いで行くつもりだったし、折角だから行ってみない?」
「「お願~い」」
那珂と五十鈴が お願いポーズで上目遣いと猫なで声で お願いしてくるので、ダンテと加賀は どうしたものかと互いの顔を見合うのだった。
・・・・・・
結局2人の お願いに押し負け噂の寺に行く事になり、ダンテ達は今、霧の出てる山の中を徒歩で歩いていた。
川内は少しでも寝れた お陰か、顔がスッキリしていた。
川内「すんごい霧だね」
神通「えぇ・・・ふふっ・・・!」
五十鈴「ふっ・・・!」
那珂「ぶふっ・・・!」
神通と那珂、五十鈴は後ろを歩く川内に振り返る度、笑いを堪えていた。
川内「何なに?なに笑ってんのさ?」
実は川内が笑われてる原因は、彼女の顔面にあった。川内を起こす前に、五十鈴が彼女の瞼に落書きしていた。
川内が欠伸などで目を瞑ると、少女漫画ばりのキラキラした目が描かれている。だけど、川内には内緒♪
五十鈴「おかしいなぁ~。確か ここら辺って青葉さんが・・・」
川内「何が何がー?」
ダンテ達は足を止めて、後ろの川内に振り返る。
皆が黙って自分を見てくる異様な雰囲気に、川内は動揺してパチクリと高速瞬きする。すると、また笑われた。
ダンテ達は再び歩き出すが、川内からしたら不満しかない。
川内「何だよ何だよ?!何みんなして私に内緒で
加賀「“コソコソ”でしょ」
五十鈴「コチョコチョコチョー!」
川内「うわーやめろー!!」
言い間違いでコチョコチョと言うので、五十鈴が望み通り川内の脇腹を擽る。それにより、川内は笑いながら地面に倒れ込んだ。
神通「姉さん、行きますよ」
ダンテ達が歩く方には、嘗て村でもあったのか その名残の扉の無い門があるのだが、ダンテ達が そこを潜ると姿が一瞬にして消えてしまった。じゃれ合う川内と五十鈴は気付かなかった。
川内「やーめーろ!やーめーろ!ふざけんな!!」
川内の抵抗から、五十鈴は来た道を引き返しながら走って逃げるのだが、川内が落ちていた石を投げると五十鈴の お尻に命中した。
五十鈴「うわイッタ!」
川内「よしっ!」
五十鈴「何よ、本気で投げる事ないじゃん」
五十鈴に命中してガッツポーズする川内は、五十鈴に背を向け門の方に歩いていく。
川内「ほら行くよー!」
門を潜って五十鈴を呼ぶが、五十鈴の声が聞こえなくなり後ろを振り返る。しかし、すぐ そこに居たはずの五十鈴の姿が消えていた。
川内「・・・・・・おい!どこ行きやがったボケカス!」
だが五十鈴は消えたのではなく、実際には その場に ちゃんと居た。
五十鈴「痛いなぁ・・・」
仕返しに五十鈴も投げ返そうと石を拾い、門の方を見ると川内の姿が無く、辺りをキョロキョロ見渡す。
五十鈴「あれ・・・?川内?」
川内と五十鈴は、門を挟んで その場に居るのだが、不思議な事に姿も見えず声も聞こえなかった。
川内「・・・んだよ、どこ行きやがったのさ・・・」
ダンテ「川内!!」
川内「はーい!・・・・・・はい?」
先に進んだダンテの呼ぶ声がして振り返るのだが、姿が見えず ちょっと焦る。
奥へと進むとダンテ達が立ち止まっており、何度も返事をしながら駆け足で合流する。
川内「はいー、どうしたの?・・・どわーっ!?」
ダンテ達が見てる方向に視線を向けると、その先に黄金の建造物があり川内は驚いた。
加賀「寺?いつの間に・・・」
那珂「この霧で見えなかったんですね」
すると寺の門が開き、中から誰かが出てきた。それは、坊主の格好をした1人の男性だった。
坊主「Devil May Cry鎮守府御一行様ですね?お待ちしておりました、どうぞ中へ」
この黄金の寺が目的の寺だったとしても、1つ おかしな点がある。今日 訪ねる事は寺に連絡していない。だから自分達がDevil May Cry鎮守府の者であると坊主が知ってるのは変なのだ。
神通「ちょっと待ってください。あの・・・この お寺は・・・」
坊主「『
加賀「夢が叶う寺・・・?」
ここは青葉から聞いていた寺とは違うようだ。飽くまで噂であったため、間違った情報が流れていたとしても仕方がない。
ただ、“夢が叶う”という言葉に、川内と那珂の顔が だらしなく破顔する。
「「夢が叶う寺ぁ」」
坊主が自分達の事を知ってる怪しさなど どこ吹く風で、そんな疑問など忘れて欲望に忠実な2人であった。
・・・・・・
*夢沅寺 13:13*
坊主に寺の中に案内されたダンテ達は、寺なのに豪華な料理が並ぶテーブルがある部屋へと通され、艦娘達は唖然としていた。
神通「ちょっと風変わりな寺ですね・・・」
神通の指摘に加賀も同じ事を思っていたようで、頷き神通の言葉に同意する。
坊主「住職の、『
坊主の紹介で、黒い出で立ちの住職がダンテ達の前に姿を現した。
獏念「おぉ、よくぞ いらした」
加賀「我々は、日本海軍Devil May Cry鎮守府の者です。こちらは提督のダンテ、私達は艦娘の加賀、川内、神通、那珂、いす・・・五十鈴は どこ行ったの?」
川内「知りません。どっか行っちゃいました」
加賀「え?」
獏念「まっ、堅苦しい話は後にして、どうぞ、ごゆっくりなさってください」
那珂「食べてもいいんですか!?」
川内「おぉー!」
お言葉に甘えようと川内はテーブルの方に向かうが、加賀は断ろうとしていた。
加賀「いえ、いきなり押し掛けて このような料理をいただくのは・・・」
獏念「あなた方は、辛く厳しい戦いをなさる身。きっと、菩薩様も お許しになるでしょう」
川内「流石、太っ腹だね!」
那珂「その、夢が叶うってのは、私達の夢も?」
獏念「勿論。ここは全ての夢が叶う寺。
そう言う獏念が視線を向けた方を見ると、部屋の外の通路を一般人の列が歩いていく姿があった。
獏念「恋人を病にて亡くした者、若き日の美貌を失った者、歩く事さえ叶わぬ者。彼らの苦しみ悲しみは、全て この寺において取り払われるのです」
川内「あー凄い寺だね~」
那珂「もう食べてるし!?」
いつの間にか席に座って料理を貪る川内を見て、自分も自分もと那珂も慌ててテーブルに座る。
獏念「どうぞ、ごゆるりと。旅の疲れを お休めください」
獏念と坊主が その場を後にし、加賀も席に向かおうとしたが、神通が呼び止め足を止める。
神通「大丈夫でしょうか?」
加賀「用心するに越した事はないでしょう。まぁ、お酒さえ呑まなければ」
ダンテ「そうだ、酒さえ呑まなきゃいいんだ」
神通「呑んでます!」
ダンテも いつの間にか席に着いており、呑まなきゃいいと言いながらグビグビ呑んでいるため、珍しく神通がツッコミに回る事になった。
川内「こんな いい寺があるなら、もう鎮守府なんかに帰らなくていいんじゃないの~?」
那珂「そうだよねー!」
先に食事を始めた川内と那珂の様子から、毒が盛られてる可能性はないと判断し、神通は警戒しつつ自身も席に着くのだった。
*山*
その頃みんなに置いてかれた五十鈴は、まだ山にある奇妙な門の前に居た。
忽然と川内が姿を消した事から、この門に何かあると警戒して先に進めなかった。
試しに手を伸ばし どうなるか様子を見てみると、門を潜った指先が消えた。
五十鈴「ひゃあっ!?・・・えっ?」
指が消えてしまい驚いた五十鈴は手を引っ込めると、ちゃんと指があった。
五十鈴「え?え~?」
もう1度 手を伸ばし、今度は少し奥まで突っ込んでみる。すると、五十鈴の肘までが消えてしまった。
門の手前まで腕を引き抜くと、ちゃんと腕はある。
五十鈴「何これ・・・?」
*夢沅寺*
寺では、お腹一杯になった川内と那珂が満足そうな笑みを浮かべていた。
那珂「あ~!」
川内「食った食った~!」
加賀「呑んだ呑んだ」
神通「呑んだんですか!?」
加賀「あーいえ、一口、二口・・・三口までは憶えてるわ」
神通「呑んだんですか?!」
那珂「まぁまぁ、堅いこと言わないで」
あれだけ用心した方がいいと考えていたのに、神通以外は警戒心を かなぐり捨てていた。
そこに、先程の坊主が戻ってきた。
坊主「皆様、お1人ずつ部屋を ご用意しましたので」
神通「こ、個室ですか!?」
「「やったぁ~」」
神通と那珂は個室だと知った瞬間、互いの手を握って喜び合った。
神通「これで やっと解放される」
那珂「うん、解放されるね!」
川内「何が?」
神通「姉さんの寝言です!」
夢沅寺がある山に来るまでの間、車内で寝ていた川内は大きな寝言を言っていた。
しかも意味の分からない言葉のオンパレードで、迷惑でしかなかった。
川内「えっ、私って寝言 言うの?」
神通「ガーン!ドカーン!」
那珂「ギュギューン!」
神通「何を言ってるか さっぱり分からない寝言です」
それを教えられた川内は爆笑した。
川内「いいじゃん」
「「良くない!」」
川内は笑いを堪えながら、ズズズッと お茶を飲む。
加賀「では、今晩は休ませていただき、朝1番に出発しましょう」
川内「あっ、私トイレ行っとこ!」
ダンテ「おう、行っとけ行っとけ。ギリギリになる前に行っとけ」
川内はトイレに行こうと勢い良く席から立ち、部屋から出ようとしたのだが、ある物が気になり足を止めた。
部屋には巨大な振り子が動いており、その後ろに大きな箱が祀られていた。
川内は そちらに近付くのだが・・・
川内「あ?何この箱?」
坊主「なりません!それに触れてはなりません!」
慌てた坊主が川内の前に回り込んで止めた。
川内「何で?」
坊主「厠に ご案内致します。この扉を左に出て しばらく行きますと階段がございます。一旦 下に下がりまして その先の突き当たりの2つ目の扉を開けますと渡り廊下があります。それを渡りますと別の階段がございますので、それを上ると━━」
川内「厠!」
坊主「男子の。それを更に左に行きますと女子の厠があります」
川内「んーもうっ、どんだけ遠いんだよ!」
遠い以前に、トイレへの行き方を早口に説明されたが、川内に覚えられるのだろうか?
現に川内は あまり分かってない顔をしている。
川内「もういい!寝っます!」
トイレ行くの諦めた。
坊主「ささっ、部屋に参りましょう」
ダンテ達が坊主の案内で部屋を出た後、川内が気になっていた箱から、不気味な お経を唱える声が鳴り響くのだった。
・・・・・・
夜、目を瞑っていた川内の目が開かれ、ガバッと起き上がった。
川内「ぬあー!眠れなぁい!昼寝し過ぎたぁー!」
あれから また数時間 寝ていたため、順調に元の昼夜逆転生活に戻っていた。
川内は部屋の壁に近付く。その壁の向こうには、神通が泊まる部屋がある。
川内「ねぇ神通、眠れないよ!」
神通「だから昼寝し過ぎだって言ったじゃないですか」
川内「ねぇ、そっち行ってもいい?!枕投げでもしようか!」
神通「嫌です」
神通に構ってもらえず、川内は八つ当たりで壁を殴った。
そして今度は、反対側の壁に向かう。そちらにはダンテの泊まる部屋がある。
川内「提督、枕投げ!」
ダンテ「うるさい、寝ろ」
川内「ん゛ーっ!」
ダンテにも相手されず、川内は頬を膨らませながら悲しそうな顔をしていた。
・・・・・・
少しして、箱から再び お経を唱える不気味な声が聞こえてくる。
ダンテと加賀、神通、那珂は既に眠りに落ち、夢を視ながら寝言を呟いていた。
那珂「うへへ~・・・那珂ちゃんは~・・・世界で1番の艦隊のアイドル~・・・」
箱から響く お経の声は、徐々に大きくなっていく。
加賀「う~ん・・・もう お腹一杯で食べられないわ赤城さん・・・でも、お肉は別腹・・・あはっ、美味しい・・・!」
更に お経の声が大きくなる。
ダンテ「バカ言ってんじゃねぇよ・・・俺は お前だけだよ、う~ん・・・違うって、お前が1番だよ、うん・・・うん・・・」
更に お経の声が大きくなる。
神通「・・・・・・コナーさん・・・」
*神通の夢*
夢の中で、魔女ハンター・コナーが折り鶴を折っていた。
その横で、神通が それを見ている。
神通「コナーさん、折り紙 上手ですね」
コナー「日本にも魔女狩りで、何度か行った事があるからな。その時に教わった」
神通「私は ずっとコナーさんと一緒に居ます。どこにも行きません」
コナー「・・・・・・世のため人のために生きる事は、とても尊く、素晴らしい事だ。神通、我が身を於いても、人のために尽くせるようになれ」
神通「・・・はい。でも私は、コナーさんが1番です」
コナー「フッ・・・困った奴だ」
そう笑って、コナーは1つの折り鶴を神通に手渡した。
・・・・・・
*夢沅寺 7月21日 7:30*
神通「コナーさん・・・」
朝になり、寝言を呟いた直後、神通が目を覚ました。
さっきまでのコナーとの楽しい時間は夢だったのかと、残念そうな顔になる。
だが ふと顔を横に向けると、夢でコナーが折っていた折り鶴が傍に置いてあった。
身体を起こし、何故ここにあるのかと手に取る。
そして窓際の方に視線を向けると、折り鶴を折るコナーが居た。
コナーは振り返ると、神通に笑顔を向ける。
コナー「おはよう神通。よく眠れたか?」
なぜコナーが ここに居るのか理解が追い付かず、神通は すぐに言葉を紡げなかった。
その頃 川内が泊まる部屋では、川内がベッドの上で大の字になりながら、見開いた目で天井を見詰めていた。
川内「・・・・・・ぬわぁー!!眠れねー!!眠いけど、あう・・・!だぁー!!」
不眠症が再発していた。
勢い良く起き上がった川内は一先ず部屋から出ると、通路で奇妙な光景を見た。坊主と一緒に、この寺を頼って来ていた一般人がゾロゾロと一緒に歩いていた。
女性「見てください!こんなに若返る事ができました!」
男性「僕も歩けるようになりました!」
美貌を失ったという中年女性は若返り、松葉杖が無ければ移動もできなかった男性は自分の足で歩き、その場でジャンプまでしてみせる。
坊主「そうですか。それは良かった」
人が20歳近く若返り、医者の治療もなく歩けるようになった奇妙な光景に、川内は怪訝な顔で彼らを見ていた。
それより眠いのに眠れない苦痛の方が勝り、嘆きながら加賀の部屋に入る。
川内「眠れないよ補佐艦!何だ これ!?」
部屋に入ったはいいが、加賀の部屋には大量の料理があり、それを加賀が、赤城と一緒に頬張っていた。
加賀「目が覚めたら部屋が こうなっちゃってたの。これが また食べても食べても減らなくて・・・!そうですよね、赤城さん」
赤城「はい、そうですね!」
加賀は嬉しい悲鳴を上げながら、赤城と共に料理を頬張り続ける。
ただ、赤城は魂を抜かれ、残された身体が深海棲艦となり今は鎮守府に居るはずだ。ここに艦娘としての赤城が居るはずがない。
理解不能な状況に、川内は戸惑いを隠せない。
川内「どうなってんの?」
ダンテ「おはようさん」
川内「ねぇ提督、これ見てみて━━お゛っ!?」
ダンテ「おはようさん」
川内が振り返ると、両手に美女2人を引き連れて歩く ご機嫌なダンテが部屋に入ってきて、川内は絶句する。
ダンテ「はい、そこ座って。はい、あーん」
ダンテは美女からピザを食べさせてもらい、知らない間にプチハーレムを作っていた。
川内「つか誰だよ?!」
ダンテ「川内、お前の願いは叶ったのか?」
川内「眠くて それ処じゃないんだって!」
ダンテ「じゃあ早く寝ろよ。なぁ?」
人の気も知らず美女とイチャイチャするダンテに、川内は信じられないと言わんばかりの顔で睨む。
仕方なく部屋から出ると、アイドルオタクに囲まれる那珂が、彼らにヨイショされながら歩いてきた。
もう意味の分からない川内は、神通の部屋に入った。
川内「神通~」
神通「おはようございます、姉さん。コナーさんも一緒です」
川内「・・・何で魔女ハンターが・・・!?」
神通「どうしたのですか?」
川内「いや・・・朝1番に出発するって言ってたから・・・」
神通「寝てないのでしょ?ゆっくり休んでください」
急な心変わりとも取れる言葉に、川内は首を傾げる。
よく分からないが、川内は自分に宛がわれた部屋に戻り、ベッドの上に座る。
川内「・・・・・・おやすみ」
そして横になるのだが、重要な事を思い出して また勢い良く起き上がった。
川内「ヤバいヤバいヤバい!トイレするの忘れてた!厠 厠 厠!」
慌てて部屋から出てトイレに行こうとするのだが・・・
川内「あれ・・・?えーっと、左 行って階段 下りて・・・・・・いや、こっちから行こ。右 行って階段 下りて・・・・・・どこ・・・?」
厠への行き方を既に忘れてしまっていた。
川内「無理ー!!漏れるー!!」
夢で視た事が現実となり、ダンテ達は鎮守府に戻る事ができるのだろうか?
川内は無事にトイレを済ます事ができるのだろうか?
そして山に置いてかれた五十鈴は、今なにをしているのだろうか?
次回に続く!
前回コメディ寄りと言ってましたが、次回は ちょっと雲行きが怪しくなるかも・・・。
次回も宜しく お願い致します!