Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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432話です!どうぞ!


Mission432 アイドルオーディション~夢の第1歩~

ネロは生徒の晶人(あきと)に、自分が林間学校の参加費を使い込んでしまったと謝罪した。

だが晶人は、自分がクラスメイトから泥棒扱いされた事で、もう どうにもならないと諦めネロを責める事はしなかった。

ネロは お金は どうにかすると言い、晶人の他に、(のぼる)杏子(あんず)美香(みか)輝男(てるお)遥香(はるか)を放課後の屋上に呼び出し、明子(あきこ)をアイドルオーディションに出場させて優勝し、賞金100万円を手に入れる作戦を発表する。その賞金を林間学校の参加費に提出すれば、全て解決だと。

昂達は林間学校に行くため、そして明子の夢を叶えるため、オーディションに出るためのレッスンを手伝う事にする。

Devil May Cry鎮守府の艦娘達にも協力してもらう中、晶人は やはり、どうにかなるとは信じられず離脱する。

だがネロの言葉を受け、考えを改め明子のレッスンを手伝う事にした。

それからレッスンは順調に進み、明子自身の表情も明るくなっていくのだった。

 

 

*明陽学苑高校 7月25日 18:03*

 

杏子「じゃあ先に行ってるね」

 

明子「うん」

 

今日の特訓も終わり、明子は着替えがあるため、昂達は先に正門に行き待ってる事にして別れる。

明子が教室に入ろうとした その時、(かえで)が現れ明子の表情が強張る。

 

明子「楓ちゃん・・・」

 

楓「オーディションに出るんだってね」

 

明子「うん。皆に手伝ってもらって、上手く踊れるようにもなったの」

 

楓「辞退しなさい。オーディションなんて受かるはずない」

 

明子「え・・・?どうして そんなこと言うの・・・?」

 

楓「あなたのために言ってるの。忘れてない?あなたはダメトロ子なんだよ。」

 

明子「・・・・・・どうして応援してくれないの?私達 親友でしょ?」

 

 

“2度と話し掛けないで”

 

 

以前、楓からは そう言われたが、明子は今でも友達だと信じていた。

 

楓「親友?そんな訳ないでしょ。トロい あんたと居ると、私が引き立つからよ」

 

楓の心ない言葉に、明子の目から涙が零れる。

それでも、明子は まだ信じようとしていた。

 

明子「あれも嘘なの?小学4年生の時、“歌が上手いね”って褒めてくれたじゃない」

 

楓「信じてたの?ただ からかっただけじゃない」

 

その言葉がトドメとなり、明子は立ち直れない程のショックを受けた。

 

 

・・・・・・

 

*正門 18:18*

 

正門で昂達が待っていると、校舎から明子が出てきて走ってきた。

 

杏子「おっ、来た来た」

 

しかし明子は、泣きながら通り過ぎて そのまま走り去ってしまった。

昂達は どうしたのかと状況が分からず、すぐに追う事ができなかった。

輝男が校舎の方を見ると、楓が こちらを見ていた。

 

輝男「あいつ・・・!」

 

美香「放っておけばいい!兎に角 追うよ!」

 

楓が何かしたと すぐに理解し、輝男は彼女を睨むが、今は明子が心配なため、皆で急いで彼女を追うのだった。

 

 

・・・・・・

 

*オーディション会場 7月26日 12:30*

 

翌日、オーディション当日となり、ネロと羽黒は課外授業という名目で、2年4組の生徒全員を引率して会場まで来ていた。

ただ、明子の特訓に付き合っていた昂達以外は、何故ここに連れてこられたのか聞いてないので理解できていなかった。一応、のぼりに『アイドルオーディション』と書かれているのが見えるため、ここでオーディションがあるのだろうくらいには分かるのだが、何故ここに連れてこられたのかは やっぱり理解できなかった。

 

生徒「何でアイドルオーディション?」

 

生徒「ここで俺ら何すんの?」

 

ネロ「お前らに、夢が叶う瞬間を見せてやる。明子が出るんだ」

 

『・・・・・・え?』

 

2年4組の生徒の間では、明子はトロくて何をやってもダメだと印象付いていた。そんな明子がアイドルオーディションに出ると聞き、生徒達は唖然としながら互いの顔を見合わせた。

そんな中で楓が、クラスメイトであり自分の取り巻きでもある女子生徒2人も出る事を明かす。

すると生徒達は、明子の時と違い凄いと言ってテンションが上がっていた。

恐らく楓の取り巻き2人が出るのは、ネロとネロ派に付いた明子を潰すために、楓が仕組んだ事なのだろう。

明子の特訓に付き合っていた昂達は、明子の時と態度が違うクラスメイト達にムスッと不機嫌そうな顔をしていた。

 

輝男「楓の奴、こっちの邪魔するつもりかよ・・・!」

 

遥香「最悪・・・」

 

美香「まさかオーディションに出して ぶつけてくるとは思わなかったね」

 

だが、そんな状況でも晶人だけは冷静だった。

 

晶人「あいつなら大丈夫だ。ずっと練習してきたんだから」

 

輝男「・・・そうだな」

 

杏子「うん、信じよう」

 

ネロ「よし行くぞ!お前ら ちゃんと来いよ!」

 

羽黒「わぁ、楽しみですね」

 

羽黒も あんまり よく分かってない1人だった。

 

 

・・・・・・

 

来場者は既に観客席に着く事が可能だったのだが、オーディションが始まるまでには まだ少し時間があった。

ステージの脇では、アイドルのような衣装を着た明子を含めた出場者が待機している。

だが、観客席で明子を見ていたネロは違和感を感じた。明子の表情が暗いのだ。明子は、楓に言われた事を気にしてネガティブな状態に陥っていた。

明子は、誰かに小声で呼ばれた気がして そちらに視線を向けると、ネロが手招きしていた。明子は大人しく従い、ネロの方に向かう。

 

ネロ「お前なんて顔してんだ。オーディションなんだから笑顔で行け」

 

明子「先生・・・」

 

ネロ「何だ?」

 

明子「やっぱりオーディションやめちゃダメですか・・・?」

 

ネロ「は!?ダメに決まってるだろ、なに言ってんだ」

 

明子「だって、やっぱり私なんかじゃ優勝なんて・・・」

 

明子が最初の頃の状態に戻ってる事から、ネロは何かあったのだと すぐに理解できたが、今は詳しく話を聞いてられない。もうすぐオーディションが始まってしまうのだから。

 

ネロ「何があったか知らないが、ここで諦めたら、またトロ子に逆戻りだぞ。お前は それでいいのか?ダチの皆が、お前の夢を叶えるために応援して、レッスンも手伝って、一緒に頑張ってくれたんだ。いま諦めたら、お前の夢だけじゃない、皆の気持ちも死んじまうんだ」

 

明子「でも、やっぱり私は何をやってもダメなトロ子だから・・・」

 

ネロ「お前はトロ子じゃないだろ!」

 

明子「っ・・・!?」

 

ネロ「お前には、“明子”って立派な名前があるんだ。もう前までの お前じゃないって、皆に見せてやれ」

 

その時、司会がマイクを通して、オーディションを始めるアナウンスをする。

 

ネロ「ほら行ってこい、笑顔で行けよ」

 

ネロに背中を押され、明子はワタワタしながらステージの方へ急いだ。

ネロも観客席に戻り、羽黒の横に座る。

 

羽黒「どうでした?」

 

ネロ「ん?まぁ、どうにかなるだろ。頼むぞ100万円・・・!」

 

羽黒「100万円?」

 

ネロ「何でもない」

 

そしてオーディションを始める前に、司会から今回の審査員の紹介がされた。

審査員3人が席に座り、オーディションが始まる。

オーディションの内容としては、先ずは自己紹介と、アピールポイントとして自分の事を話し、最後に選曲は自由曲で歌を歌う事になる。

今回の出場者が、順番に自己紹介とアピールポイントを話していき、明子の出番となった。

明子がスタンドマイクの前に立つのを見た生徒達は、彼女が普段からしてる眼鏡を外し、化粧もして見違えた姿に驚いていた。

ネロ達は大声で声援を送ると、司会から静かにするよう注意されてしまった。

皆が見てる前で、明子は自己紹介のためにオドオドしながらも口を開く。

 

明子「えっと・・・あの・・・私は・・・西村(にしむら) 明子・・・ですか?」

 

何故か疑問系になり、ネロや昂達はガクッと座りながらも転びそうになった。

 

司会『こちらが訊いてるんですよ?

 

本来なら妙な空気になっているのだろうが、司会の機転で会場からは笑いが起き、気まずい空気にだけはならずに済んだ。

 

輝男「おい大丈夫かよ・・・?」

 

遥香「ダメかもしれない・・・」

 

輝男と遥香は早くも絶望しそうになっていたが、ネロと昂、杏子は頑張れと念を送り、美香と晶人は表情を変える事なく静観していた。

 

明子「あ、えっと、すみません・・・。えっと、西村明子、17歳です・・・よろしく お願いします!」

 

よろしく お願いしますで頭を下げたのだが、頭をマイクに盛大に ぶつけてしまい、また会場からは笑いが起きる。

昂と杏子、美香、輝男、遥香、晶人は恥ずかしくなり、もう明子を直視できなくなっていた。

それでもネロは、明子から目を離さなかった。

 

ネロ「(頑張れ明子~・・・!!)」

 

呪いを掛ける時のように、怖いくらいに念を飛ばしていた。

アピールポイントも どうにか話し終え、明子は後ろに下がる。

 

司会『それでは、続いては歌による審査です

 

今回のオーディションでメインとも言える審査項目であるため、大きく点数を稼ぐなら ここで頑張らなければならない。

 

ネロ「大丈夫だ・・・!歌なら大丈夫だ・・・!」

 

オドオドしてる明子でも、歌なら失敗する事はないだろう。その実力は確認済みであり、ダンスも最終確認の時には問題なかった。

各出場者は順番に、自分がオーディション用に申請しておいた曲を歌っていく。どの出場者も、オーディションに出るだけあって歌唱力はあった。

最後に明子の出番となり、アイドルオーディションという事もあり、選曲はアイドルの曲だった。

踊りながらではあるが、歌い出しから上手く歌い上げ、ネロ達が送る念も一層 強くなる。

そのまま最後まで歌いきれば、かなりの審査ポイントになるはずだ。

だがアクシデントが発生し、曲が途中で止まってしまった。実は明子が歌う出番の直前、楓は観客席から離れ、機材に細工をしていた。

スタッフが すぐにチェックに走り回るが、曲を掛け直そうにも機材の部品の一部が行方不明となっており、今すぐにはオーディションの再開が困難な状況だった。

観客席に居た人達は どうなってるのかと騒然となり、明子は どうしたらいいのか分からず呆然としていた。

そんな様子を、楓は不敵な笑みを浮かべて見ていた。

 

楓「私の忠告を無視するから恥を掻くのよ。あなたは そのままでいい。トロ子はトロ子のままで」

 

機材が復旧するまで中断となるか、オーディション自体が中止となるかと思われたが、審査員は違った。今この瞬間、この状況を、出場者が どうするのかを試すような視線を向けていた。つまりアクシデントさえ自分の力にできるか、それも審査に入っていたのだ。

明子が困ったように右往左往してると、いきなりネロが立ち上がり、一緒に居た羽黒や昂達は驚き彼を見上げる。

 

ネロ「明子!!」

 

明子「せ、先生・・・」

 

ネロ「失敗してもいいんだぞ!歌え!皆が付いてるぞ!」

 

ネロに触発され、昂達も明子に声援を送る。

ネロは席に座り直し、あとは明子が どうするかを見守るだけだ。

すると明子は、オーディション用に申請していた曲とは別の曲を、アカペラで歌い始めた。

それを聴いた瞬間、楓の顔から笑みが消えた。それは小学校の時に、楓が歌が上手いと褒めた時の曲、『翼をください』だった。

伴奏もなく、元々 静かな曲調であるため、他の出場者に比べれば地味にも思えるが、それが気にならない程に、明子の歌声は とても綺麗な旋律を奏でていた。

明子が歌い終わると、会場は静寂に包まれていた。

しばらく間を置くと、審査員の1人が拍手し、それに釣られるように観客席からも拍手する者が出て、最後には喝采となった。

明子の歌を聴いて昔を思い出した楓は、フラッと会場を後にするのだった。

 

 

・・・・・・

 

オーディションが終わり、ネロ達は会場のロビーで明子を労っていた。

明子は皆からの言葉に嬉しそうに笑っていたが、思い出したように顔が曇り、ネロを見る。

 

明子「先生、ごめんなさい・・・」

 

明子は、グランプリに選ばれなかった。だから賞金も手に入らなかったのだ。

 

ネロ「いや、気にしなくていい。お前が頑張った事に意味があるんだ。どうだ?オーディションを やり遂げて、今でも自分はダメな奴だと思うか?」

 

そう問うと、明子は首を横に振った。

優勝とまではならなかったが、自分でも頑張れば、何かを やり遂げられるのだと、オーディションを通して学べていた。

そこに楓が、同じく出場者の取り巻き2人を連れて やって来た。グランプリに選ばれたのは、その取り巻きの片方だった。

 

輝男「お前、まだ明子に何かしようってか?」

 

楓「だから言ったでしょ。夢なんか見ない方がいいのよ」

 

輝男「テメェ・・・!」

 

輝男が怒りで詰め寄ろうとしたが、それをネロが肩を掴んで止めた。

 

ネロ「俺の中では1番だったぜ。会場の拍手もな」

 

楓「所詮は負け犬の遠吠えでしょ」

 

すると皆は、審査員の1人である作曲家が遠くから、こちらに向かって歩いてくるのに気付いた。

楓の取り巻きは、グランプリに優勝した事もあり、スカウトされるんじゃないかと受かれていた。

作曲家はネロ達の前で足を止めるが、彼が視線を向けるのは優勝者にではなく、明子にだった。

 

作曲家「西村 明子さん。君の歌、凄く良かったよ」

 

明子「あ、えっと・・・ありがとうございます・・・」

 

明子は なぜ自分に声を掛けてくれたのかと不思議に思ったが、それよりも自分なんかにと自信のなさから、顔を見れず俯いてしまった。

 

作曲家「もし良かったら、うちでレッスン受けに来ないか?」

 

その申し出に、明子は驚き顔を上げる。

昂達も驚きから、目を見開き口が開いてしまう。

プロの下でレッスンを受けるという事は、歌手になるための下積みを積むということ。それは つまり、歌手の卵になるという事だ。

グランプリには選ばれなかったが、明子は自分の夢の第1歩を叶えた事になる。それを、昂達は明子を囲んで盛大に祝い、明子は嬉しさから涙を流した。

そして楓と取り巻きは、思っていた結果とは違う展開に、面白くなさそうに その場を後にした。

 

晶人「良かったな。特訓に付き合った甲斐もあったってもんだよ」

 

羽黒「次は、君の番だよ」

 

晶人「えっ・・・?」

 

羽黒は、一冊の入学案内のパンフレットを晶人に手渡した。それは、調理師専門学校の物だった。

 

羽黒「奨学金が使える専門学校だから、お金が無くても大丈夫。アルバイトしながらでも通えると思うから、考えてみて」

 

晶人「もしかして・・・俺のために?」

 

羽黒「うん。ネロ先生にも頼まれてたし、私も やりたい事を応援したいと思ってたから」

 

晶人は家の事情で就職すると言っていたが、ネロは料理人になりたいという彼の夢を聞き、何か方法がないか羽黒に相談していた。そして羽黒は、晶人の家の事情でも通える、条件の合った専門学校を見付けてきていたのであった。

 

晶人「ありがと羽黒ちゃん!」

 

羽黒「羽黒ちゃん!?ちゃんと“羽黒先生”って呼ぶように!」

 

輝男「・・・・・・あれ?その肝心のネロは?」

 

昂「さっきまで居たよね?」

 

輝男「ネロの奴、こんな時に どこ行ったんだ?」

 

いつの間にか、ネロが姿を消していた。

輝男は昂と晶人と共にネロを探して会場を出ると、出て すぐの場所で変な露店が出店していた。

 

龍驤「はい買ってってやー!」

 

利根「今しか手に入らんぞー!」

 

ネロ「今を ときめくアイドルの卵、西村 明子のグッズだよー!そこのアイドルオーディションに出た西村 明子のグッズだよー!」

 

ネロと龍驤、利根が露店販売をしており、昂達は慌てて駆け寄る。

 

輝男「お前 何してんだよ!?」

 

晶人「何だ これ!?」

 

何を売ってるのかと見てみれば、明子がプリントされたTシャツやキーホルダーなど、いつの間にか作られていたグッズが並んでいた。

 

ネロ「いや100万円 獲り逃したからな。どんな手を使ってでも林間学校の参加費 稼がないとだろ?」

 

輝男「いつの間に・・・」

 

晶人「それにしたって用意周到すぎるだろ」

 

昂「でも、これ作るの お金 掛かったんじゃないの!?」

 

ただでさえ林間学校へ行くための参加費が必要なのに、グッズなど作って出費を増やしていては元も子もないのだが・・・。

 

龍驤「そこはアレや。うちら艦娘のポケットマネーから出資して業者に作ってもらったんや。ネロ、しっかり売らな、借金 返されへんで」

 

ネロ「分かってるって」

 

100万円を手に入れてたとしても、そちらは林間学校の参加費に回すつもりだったのでネロの金欠は変わらない。だからネロは、明子がグランプリに選ばれても選ばれなくても、予めグッズ製作をして販売するつもりだった。

製作費は艦娘達の方から借りているため、何が何でも売って借金返済の足しにしなければならなかった。

 

利根「そこの若人達よ、お主らも手伝うがよい」

 

輝男「は!?何で俺達が!?」

 

ネロ「お前らが行く林間学校のためだろうが」

 

利根「うむ。“若い内は苦労は買ってでも”と言うではないか」

 

「「「えー!!」」」

 

ネロ「いいから ほら手伝え!」

 

昂達 男子生徒は露店の方に押され、3人は龍驤と利根にピンク色の法被と鉢巻きをさせられた。

艦娘2人から昂は会計を、輝男は呼び込み、晶人はグッズの値段を仕込まれ接客をさせられ、自分達が林間学校に行くための参加費を自分で稼ぐ事になり、渋々ながら手伝わされる。

 

美香「うわ・・・」

 

遥香「あいつら何やってるの・・・?」

 

杏子「さぁ・・・?」

 

明子「えーっ!?」

 

その後 会場から出てきた杏子、美香、遥香に、男子生徒3人は冷ややかな目で見られる事となり、明子は知らない間に自分のグッズが売られてる事に仰天した。

 

 

・・・・・・

 

*高架下 19:32*

 

丁度 日が暮れた時間に、電車が走る高架で発砲音が何度も鳴り響いた。

雑草が生い茂る高架下では、明陽学苑の制服を着た1人の男子生徒が銃を構えていた。

男子生徒が睨む先には人相の悪い男の顔写真があり、幾つもの穴が空いていた。男子生徒が持つ銃は、実弾が入った本物であった。

 

 

*???*

 

同時刻、明陽学苑の地下・・・そこにある誰にも発見されてない遺跡の最奥で、鼓動のような音が鳴り響き続けていたが、それが以前よりも音が大きくなっていた。

そして・・・

 

?『どうして・・・・・・どうして・・・!助けて・・・憎い・・・!

 

?『ママ・・・産ンデヨ・・・

 

戸惑い、悲しみ、怒りが入り交じった少女の声と、幼い子供の声がし、何かが産まれようとしていた。




次回も宜しく お願い致します!
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