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437話です!どうぞ!
学校に無断でプール開きし、ネロは2年4組の生徒を勝手に泳がせていた。
生徒達が楽しくプールで遊ぶ中、生徒の1人である
なぜ泳がないのか問うても誠也が無視するため、どうせ大した理由じゃないだろうとネロは無理矢理 制服を脱がそうとする。
プールから逃げ出した誠也を追うが、見失ってしまった。
一方プールを終えて教室に居る生徒達の様子を見に来た羽黒だったが、そこに人相が悪い男が現れ、背中にある誠也と同じ鬼の刺青を見せると、自分は誠也の父親だと名乗って息子を出せと暴れ回る。そのせいで、
男は誠也への伝言を残し立ち去り、男の怒声に圧倒されていた羽黒がハッとして明子に駆け寄るが、
“生徒が こんな目に遭ってるのに何もできないなんて、それでも教師ですか?”
輝男と共に学校に戻ったネロは、誠也の家庭事情を教えてもらいながら教室に向かっていた。
誠也の母親は男に だらしなく、誠也が生まれてから男を取っ替え引っ替えし、誠也自身は本当の父親が誰か知らなかった。
最後に選んだのが、誠也の父親を名乗り学校で暴れ回った
一条はDV男で、誠也は母親を護ろうとしたが敵わず、一条の手によって背中に同じ刺青を彫られてしまった。
ネロと輝男が教室に着くと、荒れ果てた教室の惨状を目にして驚く。
一条が来て誠也を探してるとクラスメイトから聞かされた輝男は、焦り誠也を探しに行こうとする。それを、ネロは協力を申し出るのだった。
*孤児院ホワイトスワン 7月30日 15:11*
誠也を探すために学校から飛び出したネロは、輝男の案内で『ホワイトスワン』と看板が掲げられた孤児院の前に来ていた。
ネロ「・・・何だ ここは?」
輝男「誠也が厄介になってるとこだよ。あいつ、半年前から ここに住んでるんだよ」
インターホンを鳴らし、誠也に会わせてもらえるよう話を通そうとしたのだが、応答もなく誰かが出てくる気配もない。
ネロ「・・・・・・あれ?誰も居ないのか?」
玄関の横の窓から中を覗くが、室内照明は点いておらず、人影も見当たらない。
「「何か ご用ですか?」」
後ろから重なった声が聞こえ振り返ると、赤いチェック柄と黒いチェック柄の服を着た、同じ顔を持つ双子の少女が立っていた。
ネロ「君達、ここの子?」
黒い少女「私達は卒業生。1ヶ月前に引き取られたんです、里親に」
赤い少女「懐かしくなって たまに こうやって会いに来るんです」
ネロ「そうなのか」
微笑ましい話にネロは笑顔を浮かべて輝男の方を見るのだが、輝男から何を笑ってるんだと言うように真顔で見られ、ネロの顔から笑みが消える。
ネロ「俺達 誠也に会いに来たんだけど、誰も居ないみたいなんだ」
黒い少女「私達も誠也に会いに来たんです」
赤い少女「誠也、親が複雑だから」
ネロ「親って、あの刺青男か?」
黒い少女「そう。誠也は“絶対 人 殺す”って言ってたから」
ネロ「殺す・・・?」
それを聞き、ネロは眉間に皺を寄せ、輝男は複雑そうな表情を浮かべた。
赤い少女「だって酷い男なんですよ。誠也に無理矢理 刺青を入れたのも、母親が居なくなった当て付けだったみたいで」
ある日 誠也が学校から自宅に帰ると、母親は置き手紙だけを残し姿を消した。
誠也が それを知るよりも早く一条は知っていたようで、置き手紙を見た誠也に母親に対する愚痴だけを溢した。
それを聞き誠也は激昂し、母親が居なくなったのは一条のせいだと責めて家から出ていこうとした。しかし腕を掴まれ、壁に叩き付けられると気絶してしまった。
次に目覚めた時、上の服が脱がされた状態だった。
そして酒を呑む一条に こう言われた。
“これで俺と お前は家族だな”
誠也は偶然 鏡に映った自分の背中を見ると、そこには背中一面に鬼の刺青が彫られていた。
“何だよ これ!?”
“どうよ?親子で お揃い紋々だ。あいつが逃げ出したからよぉ、家族の証を入れてやったって訳だ”
誠也は服を羽織り逃げ出すと、一条は ただ笑っていた。
輝男「あいつ それ以来、殻に閉じ籠ったみたいに、めっきり口 利かなくなってさ・・・」
ネロ「ひでぇ話だなぁ そりゃ・・・」
黒い少女「だから お願い。誠也を助けてあげて」
赤い少女「このままじゃ誠也、本気で あの男を、殺し兼ねないし・・・」
そう頼まれるネロは、乾いた笑みで鼻で笑うと、面倒臭そうに顔を しかめた。
ネロ「いっそ殺しちまってもいいんじゃないか、そんな奴」
ネロの言葉に双子の少女は顔を強張らせ、輝男が勢い良く立ち上がった。
輝男「お前、何ふざけた事を・・・!?」
?「あぁ、殺すよ」
そこに、行方が分からなくなっていた誠也が現れた。
誠也「母さんが居なくなったのは、
輝男「誠也・・・」
ネロ「よう、お邪魔してるぜ」
黒い少女「ネロ先生、誠也のこと心配して来てくれたんだって」
赤い少女「良かったね、いい先生で」
誠也「余計な お世話なんだよ」
誠也の態度に怒る訳でもなく、ネロは不敵に笑いながら腰掛けてた階段から立ち上がる。
ネロ「そうもいかねぇんだよ誠也。俺 担任だし」
誠也「・・・・・・・・・」
少しの間ネロを見た誠也は、いきなり殴り掛かった。しかし、ネロは腕を掴み それを止めた。
誠也はネロを睨み、ネロは挑発的な笑みで誠也を見る。
一触即発の雰囲気に双子の少女は顔を強張らせ、輝男は誠也の拳を簡単に止めたネロに驚いていた。
そして誠也の顔が、徐々に痛みで歪んでいく。誠也の腕を掴むネロの力が増し、無理矢理 下へと下ろされていく。
ネロ「学校で待ってるぞ。また明日な」
ネロは誠也の肩をポンと叩くと、その場から立ち去っていく。
輝男「おい!」
輝男は誠也に、学校に置いていってた彼のカバンを渡すと、慌ててネロを追う。
輝男「おい、ネロいいのかよ?誠也を このままにして。おい!」
輝男が呼び掛けても、ネロは歩く足を止めない。
それ処か さっきまでとは違い、顔からは笑みが消えていた。
ネロ「あいつの手、火薬の匂いしやがった・・・」
輝男「おい、それ どういう事だよ?おい!」
その頃 孤児院ホワイトスワンの中に入っていた誠也と双子の少女は・・・。
黒い少女「とーっても いい先生!はぁ・・・なーんてね」
赤い少女「何かウザそうだね あいつ」
誠也「あいつがプールで、突然 俺の服 脱がしやがった。折角お前らが、一条を学校に呼び出してくれたのに・・・殺るタイミングを逃した」
黒い少女「邪魔なようなら、こっちで何とかするわよ?うちの
赤い少女「誓い、実行する事が大事なんだから。で、どうなの、練習の方は?」
誠也「先ず先ずってとこだ」
黒い少女「分かってるわよね?あの男が生きてる限り、あんたは逃げられないんだってこと」
黒いチェック柄の少女がケースを渡し、誠也が それを開けると、18発の銃弾が入っていた。
黒い少女「子供をペットみたいにしか見てないバカ親達に、思い知らせてやるの」
赤い少女「ペットにも爪はあるんだってこと・・・分からせてやって」
2人の少女がヤクザの組長に引き取られた日の事だった。
“
組長は笑顔で近付くが、里依子に眼前に刃物を突き付けられ足を止めた。
“犯罪者の親分で、よく言うよ”
“あんたのこと、父親とも何とも思ってないから”
双子の少女も親から酷い扱いを受けた過去があり、“親”というものを信用していなかった。それは里親も例外ではなかった。
里依子と美伊子は、組長がロリコンという事もあり自分達の言いなりにして、その権威も我が物としていた。
美伊子「そして、私達みたいに便利な里親を見付ければいいのよ」
里依子「里親がロリコンでヤクザの組長なんて、羨ましいでしょ?怖いものないもん」
誠也「分かってるよ・・・・・・次こそは
誠也は手に持っていた銃を見詰め、双子の少女は互いの顔を見ながら不敵な笑みを浮かべていた。
*
その頃 明陽学苑では、教頭が女性教師を連れて また理事長の所に来ていた。
教頭「また2年4組です!トラブル続きは、全て、ネロの責任なのではないでしょうか?!」
教師「これだけトラブル続きで行方が分からないなんて、言語道断」
またネロの解雇要求で、理事長はウンザリした様子で隠す事もなく大きな溜め息を吐く。
それでも、教頭と女性教師の文句は止まらない。
教頭「
教師「半年前の時点で、村雨 誠也は退学にしておくべきだったんじゃないでしょうか?」
理事長「・・・村雨君が何か悪い事しましたか?」
教師「いえ、そ、それは・・・」
理事長「悪いのは・・・無責任な親です。そういう親に苦しめられてる子供は被害者です。せめて私達 教師が、救いの手を差し伸べるのは当然の事じゃありませんか?」
教頭「それは ご尤もではありますが━━」
理事長「少なくともネロ先生は、救いの手を差し伸べてくれていると、私は思っておりますが?」
教頭と女性教師は互いの顔を見合わせ、何も言い返せない事に顔を しかめていた。
*教員室*
教員室では、楓に言われた事を重く受け止めていた羽黒が、他の女性教師4人から慰められていた。
女性教師「そんな落ち込む事ないわよ。幸い、生徒の怪我も大した事なかったしさ」
女性教師「そうよ、羽黒先生。あんな男が相手じゃ、誰も どうする事もできなかったんだしさ」
女性教師「背中に刺青だっけ?」
女性教師「逃げ出さなかっただけ立派よ」
羽黒「・・・・・・ネロ先生だったら どうしたんだろ・・・?」
「「「「え?」」」」
羽黒「・・・ネロ先生だったら・・・私みたいじゃなかったと思うんです・・・」
すると、羽黒の向かいに座る楓に脅されていた男性教師が、話が聞こえていたため口を開く。
男性教師「野蛮人同士、殺し合いでもしたんじゃないかな?」
羽黒「・・・・・・・・・」
女性教師「でもネロ先生、また どっか行っちゃったままなんでしょ?」
男性教師「無責任な男ですね」
そう言って、眼鏡を掛けた男性教師まで便乗してきた。
しばらく沈黙していた羽黒は、何かを決意したかのように突然 椅子から立ち上がるのだった。
・・・・・・
*カフェ 19:03*
ネロは夕飯を食べに、カフェに来ていた。今日の夕飯はデミグラスソースのオムライス。
ネロを追い、輝男も同席していた。
このカフェでは便利屋としての依頼で金剛が働いており、過去にバージルを初日でクビにした店でもある。
輝男「こんなとこで のんびりしてていいのかよ?!」
ネロ「“こんなとこ”って金剛に失礼だろ。大体 俺に どうしろってんだ」
輝男「・・・お前、教師だろ」
ネロ「そう言う お前は
自分の言った事がネロの口からブーメランとして返ってきて、輝男は言い返せなくなり口をモゴモゴさせる。
ネロ「だったら お前が どうにかすればいいじゃねぇか。他人なんか当てにしねぇでよ。なぁ?」
金剛に話を振ると、彼女は少し間を置いてから“はい”と一言だけ返した。
輝男「・・・もういいよ」
輝男はネロに頼るのをやめて、カバンを持って店から出ていってしまった。
金剛「あの子、友達思いの いい子なんじゃないデスカ?」
ネロ「・・・あぁ」
すると今度は、羽黒が来店してきた。
金剛「羽黒、いらっしゃいデース」
羽黒「ネロさん!何をしてるんですか?」
ネロ「何って、金剛特性オムライス食ってるよ」
羽黒「誠也君の事は どうなったんですか?学校に、親代わりだって刺青 入れた男の人が探しに来たんです。このままじゃ あの子、何か とんでもない事に巻き込まれるかもしれないですし」
ネロ「そんなに心配ならなぁ、自分で何とかしたら どうだ?人に頭 下げてばっかりじゃなく」
羽黒「わ、私 別に・・・」
ネロ「それで、全部 人任せなんだよ羽黒は。少しは自分で何とかしてみたら どうなんだ?副担任なんだし」
羽黒「・・・・・・・・・」
金剛「・・・・・・・・・」
羽黒は怒って踵を返し出口に向かっていくと、今度は青葉が来店してきた。
青葉「あっ、羽黒、やっほー!」
羽黒は無視して そのまま出ていってしまった。
青葉「・・・・・・あら?」
金剛「・・・いいんデスカ?あんな冷たくして」
ネロ「・・・・・・・・・」
ネロが羽黒や輝男に冷たく突き放す事を言ったのは、自分が動くのが面倒臭くて言った訳ではない。ネロ自身は これから、危険がある部分に踏み込もうとしていた。そこに羽黒と輝男を巻き込む訳にはいかなかった。
羽黒と輝男なら、きっと誠也の心に寄り添おうとするだろう。2人には その役目を担ってくれるだけで充分だった。
そしてネロが危険に踏み込む事になると思われる理由は、誠也の手からした“火薬の匂い”にあった。
青葉「羽黒なんかあったんですか?」
ネロ「青葉、ちょっと調べてほしい事があるんだ」
青葉「何ですか?」
ネロ「女を探してくれ」
青葉「え?」
・・・・・・
*高架下 22:14*
夜の高架下で、電車が走ってるタイミングで音を誤魔化しながら、誠也が射撃訓練をしていた。
銃を撃ちながら、誠也の脳裏には幼い日の、母親との幸せな思い出が浮かんでいた。
?「へー、中々うめぇじゃん」
声がして振り返ると、雑誌を手に見物していたネロが居た。
ネロ「聞いたぜ、お前・・・母ちゃんの男に紋々 入れられたんだってなぁ。捨てたのは母ちゃんの方なのに、何で殺したいんだ?」
誠也の事情を聞き、全て理解してるはずなのだが、ネロが こんな事を言うのは ある事を試し、誠也に自覚させるためだった。
誠也「お前には分かんねぇよ」
ネロ「たぁーっ、ただの乳離れできねぇだけのガキがよ」
誠也「・・・何だと?」
ネロ「何がDVの恨みだ。母ちゃんが居なくなったの、あの男のせいだって思ってる ただのマザコンじゃねぇか」
誠也「テメェ・・・!」
ネロ「フッ・・・いい加減、捨てられたこと認めて、前に進めよ。母親なんて忘れてよぉ」
誠也「・・・一々うるせぇんだよ!!死にてぇのかテメェ!!」
ズカズカと心に踏み込むネロの言葉に激昂した誠也は、持っていた銃の銃口をネロに向ける。
するとネロは、自ら銃口に額を押し付ける。
ネロ「ほら、撃ってみろよ。人を撃つってのはなぁ、そんな簡単な事じゃねぇんだぞ~」
誠也「・・・・・・っ・・・!」
誠也は引き金を絞ろうとするが、それでも中々 撃てないでいた。
すると そこに、誠也が持つ銃とは別の銃声が鳴り、捨てられてるガラクタの山で火花が散った。ネロと誠也は一緒に そちらを見る。
ネロ「ん?」
次に反対側を向き、ネロに至っては丸めた雑誌を望遠鏡のようにして覗く。そこにはヤクザの組員達をゾロゾロと引き連れた、里依子と美伊子が居た。
更に組員の1人が撃鉄を起こし、銃口を向けてネロに狙いを定める。
美伊子「撃てちゃうよ!私なら簡単に!だから、私達の邪魔しないで」
里依子「邪魔するとぉ・・・殺しちゃうよ。私のパパの、部下達が」
「「・・・・・・・・・」」
ネロと誠也が黙って見てると、今度は組員全員が銃を抜いて銃口を向けてくる。
ネロは そちらに数歩 前に出ると、鼻で笑いながら雑誌を放り投げた。
次の瞬間・・・
ネロ「殺れるもんなら殺ってみろバーカ!!」
挑発して逃げた。
このまま真っ向から相手をすれば、ヤクザが撃った流れ弾に誠也が当たる可能性もある。それを避けるため、ネロは この場は逃げる事にしたのだった。
ヤクザ「待てコラァー!!」
ヤクザに追われるネロは右へ左へ蛇行しながら楽しそうに走り、闇夜に消えていった。
残された誠也の元に、里依子と美伊子が歩み寄る。
里依子「もう大丈夫だよ」
美伊子「だから頑張って誓いを実行して」
里依子「あんたには、私達が付いてる」
双子の少女に唆され、誠也は銃を握り締めるのだった。
・・・・・・
*明陽学苑高校 正門 7月31日 8:25*
翌日、ネロから特別授業と称して呼ばれていた2年4組の生徒達は、夏休みに入ってても制服で登校してきていた。
輝男と
声を掛けるが、誠也は何も言わず学校の敷地内に入り、輝男達は彼を追う。
だが そこに、羽黒が待ち構えており、誠也や輝男達は足を止める事になった。
羽黒は昨日ネロに言われた通り、自分で何とかしようと こうして誠也を待っていたのだ。
羽黒「誠也君・・・」
羽黒は輝男達に向かって頷くと、彼らは何も言わず校舎に入っていった。
羽黒「昨日は大変だったね。私に何かできる事あるかな?」
誠也は羽黒と目も合わせず黙ったままで、そんな誠也に困った羽黒も黙ってしまう。
そこにネロが出勤してきて、誠也を見て立ち止まった。だが次の瞬間、笑顔で手を振り出した。
ネロ「おー!マザコン誠也!」
羽黒「ネロ先生!」
あまりの言い草に羽黒はネロを咎めようとしたのだが・・・
誠也「なんだ、生きてたのか。今頃タンカーで船に乗せられてると思ったのに」
とんでもない話が飛び出し、羽黒は咎めるのも忘れて驚き戸惑っていた。
ネロ「フン、俺の足は天下一品だからよ。それより その後どうなった?」
誠也「何が?」
ネロ「何がって お前、殺人計画だよ!」
楽しそうに言うネロだが更に とんでもない話が飛び出し、羽黒の顔から血の気が引いて どういう事かとネロの顔を見る。
ネロ「あれ?お前 殺すんだろ?あの銃 使って刺青男を」
堂々と誠也がやろうとしてる事を言い、後ろから登校してきた生徒達は それが聞こえて一斉に足を止める。
羽黒「ネ、ネロ先生!」
他の生徒も居る場で とんでもない事を口走るネロを咎めようとする羽黒だったが、余計な事を言われた誠也は自分の肩に手を置くネロの腕を払い落とすと、踵を返して帰っていってしまった。
ネロ「あれ?帰っちゃうの?おーい、教えてよ、殺人計画!あー、行っちゃった」
羽黒「さ、殺人計画って どういう事ですか!?」
帰るのを止める訳でもなく、ネロは そのまま校舎の中へと入っていってしまったため、羽黒は詳しい話を聞きそびれてしまった。
そこに、自転車に乗った青葉が敷地内に突っ込んできた。
青葉「あー!!はーぐーろー!!」
羽黒「あの、どういった ご用件で・・・?」
青葉が1人でバカ騒ぎするので、生徒の手前 恥ずかしくて余所余所しく対応する羽黒。
すると青葉は、1枚の小さな紙を取り出し それを羽黒に渡す。
青葉「これネロさんに渡しといてくれる?」
羽黒「これは?」
青葉「ネロさんに、この人の住所 調べといてくれって頼まれてたの」
羽黒「この人って、もしかして誠也君の?」
青葉「大変だったんだってネロさんに伝えといて・・・!警察のシステム!ハッキングするの!今度ネロさんに奢ってって・・・・・・あれ・・・?居ないや・・・」
自転車のスタンドを立てるため羽黒から目を離し、次に羽黒の方を見た時には既に彼女は居なかった。
青葉が1人で喋ってバカ騒ぎしてる風景に、登校してくる生徒達は変な人を見る目で青葉を見ていた。
そんな青葉を、楓と複数人の女子生徒達が遠目から見ていた。その中には、
遥香「誠也君、どうしたのかな?」
楓「さぁ?」
*食堂*
食堂の売店で、理事長は今日も朝から働いていた。
今日のパンを並べていると、ネロが来てパンとコーヒー牛乳を買う。
ネロが その場でパンを食べ始めると・・・。
理事長「どう、上手くやってる?」
ネロ「何が?」
理事長「村雨 誠也君」
ネロ「フン・・・どうかなぁ?他人が どうこう言う事じゃねぇし、親子の問題だから」
理事長「あれ~?随分 弱気じゃな~い?しっかりジャーマン決めてもらわないと、今回も」
そう言って、理事長はネロの肩を叩く。
しかし、ネロの顔は前向きなものではなかった。
ネロ「気合い入らないんだよなぁ・・・」
理事長「レシート要る?」
ネロ「う~ん貰っとく」
そこに、ネロを探していた羽黒が食堂まで来た。
羽黒「あっ、ネロ先生!」
羽黒は理事長に会釈してから、青葉からだと さっき渡されていた小さな紙をネロに渡す。
羽黒「誠也君のために、ちゃんと何とかしようと思ってたんですね。私、すっかり誤解してて・・・」
理事長「な~んだぁ~、ちゃんとジャーマン決める気だったんじゃない」
ネロ「いや・・・。これからさ、本番はね」
必要な物は手に入った。
あとは殺人計画を止め、一条を制裁し、誠也の心を救うための計画を立てるだけだ。
これらの問題を纏めて片付けるため、ネロは本腰を入れて動き始めようとしていた。
次回も宜しく お願い致します!