44話です!どうぞ!
*Devil May Cryの世界*
レディはDevil May Cryに向かう為にバイクを走らせていた。理由はダンテが不自然に消えた噂を耳にしたからだ。走っていると、前方から1台のバイクが こちらに向かって走ってくる。レディがバイクを止めると、向こうもバイクを止めた。
レディ「トリッシュ」
トリッシュ「レディも聞いた?」
レディ「じゃあ あなたも?」
トリッシュ「えぇ、さっきモリソンとパティから詳しく話を聞いてきたの」
トリッシュも噂を聞いてDevil May Cryに赴き、モリソンとパティから当時の状況を聞いたばかりだった。
レディ「私も そのつもりでDevil May Cryに行く途中だったの」
トリッシュ「まだ居ると思うわ。私はエンツォの店に行って何か知らないか当たってみる」
レディ「分かったわ」
必要最低限の会話を済ませ、2人は別々の方角へ走っていった。
・・・・・・
*Devil May Cry*
レディはDevil May Cryの事務所の前にバイクを停め、事務所の中へ入った。中にはモリソンとパティが居た。
パティ「レディも来てくれたんだ」
レディ「えぇ、そうよ。それにしても、妙な事になったわね」
モリソン「まったくだ、忽然と姿を消しやがった」
それからレディは、モリソンとパティから当時の状況を聞いた。
パティ「ダンテ、大丈夫だよね?」
パティは心配そうな表情で呟いた。心配になるのも当然だ。居るはずの者が何の前触れもなく消えれば、誰だって心配はする。
レディ「当然でしょ。あいつの事だから、どうせ気まぐれで どっかに行ってるだけよ」
レディはパティを不安にさせない為に あっけらかんと言ってみせる。
レディ「パティは家に帰りなさい。ダンテは私とトリッシュで探しておくから」
そう言ってレディも事務所を後にした。
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
執務室ではダンテと不知火が話しており、陽炎が それを黙って見守っている。
ダンテ「いいか、俺に護衛は要らない。ずっと一緒に居る必要はない。分かったか?」
不知火「はい」
ダンテ「じゃあ好きに遊びに行ってこい」
そう言っているのに、不知火はダンテを じっと見て動かない。ダンテは頭を抱えて溜め息を吐いた。どこに行っても不知火が来て、ずっと監視されているようで居心地が悪かった。
陽炎「(ダメだ こりゃ)」
陽炎は そんな様子に呆れるしかなかった。
そんな中、大淀が慌てて執務室に入ってくる。
大淀「提督、すぐに司令室に来てください!」
・・・・・・
*司令室*
鎮守府には、遠征に出ていた潜水艦隊から緊急連絡が入っていた。泊地に残っていた潜水艦は、海外艦と接触する為に遠征任務に出ていた。海外艦との邂逅を試みた結果、遠征任務は成功。潜水艦隊は そのまま鎮守府に帰還する予定だった。だが遠征任務の帰り、潜水艦隊はカレー洋からステビア海を臨む海域にて敵秘匿泊地を発見した。同泊地には『港湾水鬼』が居るのを確認している。緊急連絡は その報告だった。
そして鎮守府は大本営へと通信連絡した。通信には元帥と大将が出た。
元帥『こちらで緊急会議を開く』
ダンテ「悠長だな、こっちの艦娘なら すぐに出れるぞ。皆 暇してるからな」
大将『いや、今回は別の鎮守府に全線に出てもらう。貴様の艦隊は後方支援だ』
元帥『詳しい話は後程 連絡する』
そして通信は切れた。
大淀は心配そうな表情でダンテを見ている。
ダンテ「完全に蚊帳の外だな・・・」
大淀「仕方ありません。大本営からの指示ですから」
ダンテ「それか、俺達に行かせたくないとかな」
大淀「どういう事ですか?」
ダンテ「いや、こっちの話だ」
鳳翔が抱く大将に対しての疑い。確定している話ではないので、まだ大っぴらに言う訳にはいかない。
ダンテ「潜水艦の連中は?」
大淀「泊地で待機しています」
・・・・・・
*リンガ泊地*
その後、大本営と佐世保鎮守府の艦隊による精鋭艦隊で敵秘匿泊地へと殴り込みを敢行し、西方海域の敵残存戦力の活動を封殺する作戦が決まった。Devil May Cry鎮守府は潜水艦と水上艦の混成艦隊で西方海域の封鎖、同作戦の後方支援となった。
数日後、ダンテは夕張、白露、時雨と共に潜水艦の待つ泊地へと来た。
ゴーヤ「提督も来たんでちか?」
ダンテ「やりたい事があったからな」
時雨「・・・・・・・・・」
時雨には心配な事があった。ここに来る前に鳳翔からダンテの事を頼まれていた。大人しく後方支援に徹するとは思えない。ダンテが勝手に動いた場合、止められる自信もない。
ダンテ「作戦は明日だからな、今日は ゆっくりするか」
白露「提督、白露と お話しする?」
ダンテ「徹夜だぞ、寝とけ」
白露「えー」
ダンテと白露は建物へ先に入っていく。
夕張「食事、ずっと どうしてたの?」
ゴーヤ「魚とか捕まえて焼いてたでち」
イク「もう飽きたの・・・」
夕張「(サバイバルだ・・・)」
潜水艦しか居ない泊地。食事担当が居ないので、ずっと海の幸を捕まえて簡単な調理で食べていたようだ。
・・・・・・
*翌日*
作戦当日、夕張、時雨、白露、イムヤ、ハチの編成で配置場所に待機していた。作戦開始時刻になり艦隊は行動を開始した。
その途中、戦闘中に問題が起きた。
イムヤ「あれ?司令官は?」
時雨「・・・・・・しまった!!」
一緒に居たはずのダンテが居ない。戦闘の どさくさに紛れて姿を消した。止める処か、気付かない内に どこかへ行ってしまった。
夕張「提督は後回し!今は深海棲艦に集中して!」
*ステビア海アンズ諸島沖*
ダンテは敵秘匿泊地に全速力で向かっていた。前線では既に戦闘は始まっている。遠目では爆ぜる炎や煙が見える。ダンテは全線から反れる航路で島に上陸した。ダンテの新たな試み、それは敵基地への潜入。深海棲艦との会話は話が噛み合わない。ならば、基地内部を調べれば何か見付かると考えた。爆撃や砲撃が飛んでくるが、ダンテは気にせず基地を しらみ潰しに調べていく。地上は深海棲艦の物資しか見当たらない。だが探索の途中、エレベーターを発見した。エレベーターの行き先は地下のみ、ダンテはエレベーターで下層へと下りていった。
・・・・・・
下層に着いたエレベーターのドアが開くと、『マリオネット』が襲ってきた。マリオネットは、現世では身体を維持できない低級悪魔が人形という器を借りて動き回っている。
ダンテは透かさずリベリオンで近くのマリオネットを斬り飛ばした。斬り飛ばされたマリオネットは、他のマリオネットを巻き込みながら吹き飛んでいく。マリオネットは通路の奥から まだ来る。ダンテはマリオネットを破壊しながら通路を進む。
*ステビア海アンズ諸島沖*
前線では大本営から出撃していた大和も戦闘に加わっていた。その大和に、無線通信が入る。
時雨『大和、そっちに僕達の提督は来てないかな?』
大和「ダンテさん?こっちでは見ていませんが・・・まさか居ないんですか?」
時雨『気付いた時には』
大和「・・・そのまま作戦を継続してください。ダンテさんを見掛けたら連絡しますから」
時雨『了解』
時雨との通信を終えた大和は、前線の艦娘達にダンテを見たら すぐに知らせるように伝えた。
戦闘は続き、港湾水鬼と敵泊地への攻撃も続いている。
*敵基地 内部*
基地への攻撃で地響きがする中、ダンテは悪魔を倒しながら通路を進む。マリオネットが現れなくなると、今度はハエを媒介にした悪魔『ベルゼバブ』が現れた。その動きや外見は、醜悪なハエそのものである。
ダンテ「ブンブンうるせぇな!」
文句を言いつつベルゼバブを蹴散らすダンテ。
通路を進むと、かなり広い部屋に出た。部屋には いくつものカプセルが置かれている。カプセルの1つを見ると、中には培養液に漬けられた深海棲艦が入っていた。人型の深海棲艦や様々な艦種の深海棲艦が居る。
ダンテ「(まさか こいつら、誰かに造られたのか?)」
カプセルの間を通って奥に進むと、1つのデスクが置かれていた。デスクにはモニターや資料などが放置されている。資料には海軍や陸軍、政界の重要人物、各鎮守府の提督と そこに所属する艦娘のデータがあった。そしてダンテに関する資料も。
ダンテ「随分と勉強熱心なストーカーも居たもんだ」
資料を読み漁っていると、後方からカプセルを破壊しながら悪魔が現れた。悪魔は口部から火炎の塊を吐き出してくる。ダンテは横に回避するが、デスクは破壊され、資料などは全て燃えてしまった。
ダンテ「酷いな、全部ダメになっちまったじゃねぇか」
火炎を吐き出した悪魔は『ファントム』。蜘蛛の姿で、身体は燃えたぎるマグマで構成されており、それを固い外骨格で覆っている悪魔。
ダンテの悪態に対してファントムは何も言わない。以前ダンテは、マレット島で同種の悪魔と遭遇して戦っている。その時のファントムは喋っていたが、このファントムは言葉を話さない。
ダンテ「どうした?前に追いかけ回してきた奴は喋ってたぞ。それとも、お前は喋れないぐらい脳ミソ空っぽなのか?」
ダンテの挑発に怒ったのかファントムは雄叫びを上げて、素早い動きで尻尾をダンテに突き刺そうとしてくる。ダンテも素早く動き回避して、ファントムの顔面に銃弾を撃ち込んでいく。そんな最中、激しい地響きと共に瓦礫や鉄骨が落ちてくる。艦娘達の攻撃で基地が崩れようとしている。生き埋めにされる訳にはいかないので、ダンテはファントムを無視して通路を引き返す。目指すは地上に上がる為のエレベーター。
・・・・・・
*ステビア海アンズ諸島沖*
艦隊は港湾水鬼と敵秘匿泊地の破壊に成功。夕張達は前線の大和達と合流した。
時雨「提督は?」
大和「誰も見ていません」
ハチ「どこ行ったんでしょうね?」
一方、泊地の地上では、瓦礫を押し退けてダンテが出てきた。そしてファントムも瓦礫を吹き飛ばしながら地上に現れた。
ダンテ「しつこいな」
ファントムは顔を地面に埋めると、ダンテの足下が赤く光る。その場から飛び退くと、ダンテが立っていた場所から火柱が上がった。火柱はダンテを追って いくつも上がる。その火柱は艦娘達からも見えていた。
白露「もしかして・・・」
夕張「もしかしなくても提督でしょ」
艦娘達は泊地へと近付いていく。
地上では火炎を吐き出す悪魔とダンテが戦っていた。ダンテはファントムの背に飛び乗り、外骨格である鎧の隙間に数回リベリオンで斬ると、リベリオンを突き刺した。
そこに艦娘達が来る。
時雨「提督!」
白露「援護するよー!」
艦娘達は砲撃するが、ファントムの外骨格に全て弾かれる。
夕張「効いてないんだけど!」
ファントムの外骨格は物理的に強固なだけでなく、魔力的防御も兼ねており、あらゆる攻撃を受け付けない。頭部には魔力防御の亀裂があり、攻撃が効くとすれば頭部と背中の隙間だけだ。
ダンテ「顔を狙え!」
剣で突き刺され暴れるファントムの背中から、まるでロデオのような状態でダンテが指示する。艦娘達はファントムの顔面に狙いを定め砲撃する。
白露「うわっ!?」
大和「回避!」
怒りが爆発したファントムは上に向かって火炎の塊を吐き出した。すると上空から火炎弾が、艦娘達に向かって連続で降り注いだ。艦娘達は慌てて回避に専念する。それを見たダンテは、さらにリベリオンを深く突き刺す。背中のダンテを鬱陶しく思ったファントムは、尻尾をダンテに向けて伸ばす。ダンテは背中から飛び降りて回避。
大和「誰か徹甲弾はありますか?」
伊勢「あるよ!」
敵泊地を叩く作戦で必要とされていたのは三式弾だったが、佐世保の艦隊に居た伊勢は ちゃっかり徹甲弾を持ってきていた。伊勢が徹甲弾を装填、ファントムの顔面に砲撃する。ダンテに気を取られていたファントムは、回避する事もなく徹甲弾を顔面で受け止めた。かなりのダメージだったのか、ファントムは怯んだ。
ダンテ「もうギブアップか?」
ダンテの挑発に怒ったファントムは、ダンテに向かって顎を開いて突進する。ダンテを食べるつもりだ。
ダンテ「これでも喰らいな」
ダンテは指先でエボニー&アイボリーを回してからファントムに銃を構える。そしてファントムの顔面に、自身の魔力を込めた弾丸を高速連射した。ファントムは自身の身体を構成するマグマを垂れ流しながら消滅した。
艦娘達はダンテと合流する。
時雨「提督、勝手に居なくなったら困るよ!」
大和「どうして敵の泊地に居るんですか!」
ダンテ「作戦だ」
大和「そんなの作戦にありません!」
作戦内容に敵泊地に侵入する計画はなかった。ダンテは悪びれる様子もなく、艦娘達からの文句や説教を聞き流し、鎮守府に戻る事になった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
「「ハァ~イ☆」」
数日後、艦隊と共に鎮守府に戻って執務室に入ったダンテは固まった。この世界に居るはずのないレディとトリッシュが、執務室のソファーで優雅にティータイムをしていた。
次回も よろしく お願いいたします!