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439話です!どうぞ!
*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 8月2日 9:14*
ダンテはステフに呼ばれ、一緒に来るよう指名されていたアメリカ艦の艦娘と共に、オリーブ財団へと戻ってブリーフィングルームで話していた。
ステフが呼んだのは任務のためで、任務内容は ある小さな町で悪魔が頻繁に現れており、その討伐との事だった。
だが仕事を言い渡されてもダンテは動かず、ステフを見ていた。
ステフ「早く行きなさい」
ダンテ「・・・他に俺に言う事はないか?」
ステフ「・・・ないわ」
元々 姿を消した夕張に関してステフに話す気がないのは分かっていたが、ダンテは もう少し突っ込んでみる事にした。
ダンテ「夕張については どうだ?」
ステフ「・・・・・・・・・」
ダンテ「どうして話さない?夕張と何があった?」
ステフ「・・・ちょっとした擦れ違いがあっただけよ。あなたが気にする事じゃない」
ダンテ「鎮守府にも戻ってない。アンタの“ちょっとした擦れ違い”ってやつで、お嬢ちゃん1人が行方不明だ。これは普通か?」
ステフ「お願い、今は何も話せないの・・・」
いつもと違い弱々しいステフに、これまでとは何かが違うと判断したダンテは それ以上 問い質さず、アメリカ艦を連れて悪魔狩りへと向かった。
1人になったステフは端末を操作すると、巨大モニターに ある国のマップが表示された。それはアフリカだった。
ステフ「・・・・・・あなたは そこで何をしてるの?」
ステフは既に、夕張の居場所を掴んでいた。
・・・・・・
*町 8月3日 20:23*
ダンテとアメリカ艦が町に着くと、すぐに悪魔と戦闘になった。
町は悪魔に殺されたか逃げ出したかして、人の姿は無くゴーストタウンと化していた。
アイオワ「ホノルル、そっちに行ったわ!」
ホノルル『任せて!』
サラトガ「提督、2時の方角から敵影 接近中です!その角を曲がってください。間もなく会敵・・・3、2、1、今!」
ダンテとアメリカ艦は常に無線連絡を取り合い連携し、順調に悪魔を倒していった。
最後の1体を倒し、艦娘達が息を吐くのも束の間、突然 武装した部隊に囲まれ、銃を向けられた。その部隊の格好は、アメリカ軍だった。
コロラド「あなた達、何のつもり?!」
サウスダコタ「銃を下ろせ!銃を下ろせ!!」
アメリカ艦の面々からすれば、アメリカ軍に銃を向けられるのは味方に銃を向けられてる事を意味する。彼女達には納得のいかない状況だ。
すると部隊の後ろから、1人の女性将校が前に出てきた。
将校「Devil May Cry鎮守府ダンテ提督、貴官を拘束する」
アイオワ「拘束?拘束ですって?!」
フレッチャー「ど、どうして そんな事に・・・?」
将校「ダンテ提督には逮捕状が出ている。こちらも仕事であるため、穏便に済ませたい。抵抗はしてくれるな。捕らえろ」
女性将校の命令で部隊は動くが、艦娘達が艤装を構えた事で動きを止めた。
ホーネット「何の容疑で、私達の提督を捕らえるつもり?」
将校「国家の安全に関わる事だ」
アイオワ「その“国家の安全”が何なのか訊いてるのよ!」
将校「・・・ダンテ提督には、アメリカ軍から核弾頭を盗んだ容疑が掛かっている」
『はぁー!?』
予想だにしない話に、艦娘達は声を上げずにはいられなかった。
そして彼女達には、納得できないだけの言い分もある。
ヒューストン「提督が核弾頭 盗むなんて有り得ないわ」
イントレピッド「
将校「彼が盗んだ証拠も出ている」
ホーネット「証拠ね・・・」
アイオワ「その証拠が間違ってるってのが分からないの?!」
ホノルル「そうだよ!あたし達の提督が そんな事する訳ない!」
将校「それを確めるために連行するのだ、分かってくれ。ダンテ提督、貴官も理解してもらえるな?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
アイオワ「ダーリン、こんなの従う必要ない」
ワシントン「その通りよ。明らかに おかしい」
将校「ダンテ提督」
ダンテ「・・・分かった」
ダンテは諦めたような笑みを浮かべながら両手を挙げ、降参のポーズを取る。
アイオワ「ダーリン!?」
サウスダコタ「何のつもりだ!?」
ダンテ「このままじゃ埒が空かないしな。俺が大人しく従えば済む話なんだろ?」
将校「その通りだ。用があるのは貴官だけで、艦娘には一切 手出ししない」
ダンテ「そういう事だ」
アイオワ「そんな・・・」
ダンテは部隊に手錠を掛けられ、車に乗せられると どこかへ連れていかれてしまった。
ホノルル「こんなの絶対 間違ってる。あいつらクビだね」
ジョンストン「コンビニで働いてろー!」
軽巡や駆逐艦の艦娘は、走り去っていく車に悪態を吐いていたが、戦艦、空母、重巡の艦娘は すぐに切り替え、これから どうするか考えていた。
ノーザンプトン「これから どうしましょ・・・?」
サラトガ「任務は完了したけど、これじゃ あまりにも・・・」
ワシントン「アイオワ」
アイオワ「・・・財団に戻ってステフに報告するわよ」
ステフの権限があれば、ダンテが どこに連れていかれたかも判るだろう。
それに口添えしてもらえれば、釈放もしてもらえるかもしれない。
艦娘達も急ぎ、その場から離れるのだった。
・・・・・・
*森 ?月?日 10:22*
荒廃した未来世界で、4神と呼ばれてる陸奥と摩耶、川内、五十鈴が森の中を進んでいた。
彼女達はレジスタンスに内緒で、自分の考えで独自に動いていた。
摩耶「これから行く場所って何なんだ?」
五十鈴「私が個人的に所有してるセーフハウス。そこはアーロンもレジスタンスも知らない」
陸奥「セーフハウス・・・そんなの持ってたのね」
摩耶「レジスタンスの拠点があるのに、セーフハウスなんか要るのかよ?」
摩耶が指摘した途端、川内と五十鈴が大きな溜め息を吐いた。
溜め息を吐いたのは摩耶の発言に対してではない。セーフハウスが必要な理由が理由だったからだ。
川内「摩耶さんなら気持ちは分かると思うけど、ずっとレジスタンスに居ると疲れるんだよね。私達は“風神・雷神”って呼ばれてるし、五十鈴はリーダーとしての顔もある」
五十鈴「リーダーだから しっかりしないといけないのは分かってるけど、やっぱり本来の自分に戻る時間って欲しくなっちゃうのよ。だからセーフハウスの事は秘密なの」
川内「それに脳ミソだけになったアーロンも気持ち悪いし、モニター越しに あの高笑い聞いてると砲撃したくなる」
摩耶「まぁ、そりゃ1人になれる場所も欲しくはなるわな・・・。けど、秘密なのに あたしらに教えていいのかよ?」
五十鈴「陸奥さんと摩耶さんは仲間だからね」
摩耶「へっ、随分と信頼してくれてるじゃねぇか」
陸奥「悪い気はしないわね」
摩耶「まさか、皆でピクニックしようとか そんな理由で呼んだのか?」
五十鈴「前に約束したでしょ?ダンテ提督と話せるようになったらって」
摩耶「まさか、提督と話せる通信機が完成したのか!?」
五十鈴「ほぼ完成して、あとは仕上げだけ」
摩耶「よっしゃ!早く行こうぜ!」
五十鈴「けど、これだけは覚えていて」
過去が そのままであれば、単純に“過去”と呼べるのだが、陸奥達の時間軸とダンテが生きてる時間軸を切り離した事で、ある意味ただの“過去”とは呼べなくなっていた。それは一種の、パラレルワールドとも呼べる。
気を付けなければいけないのは、自分達が知る過去と混同してはいけないということ。
五十鈴「これから話す彼は、あなた達が知る提督であり、別人とも呼べるの。みっともなく未練タラタラなこと言って、彼を困らせないように」
摩耶「そこなんだよなぁ。時間の話されても、未だに理解できねぇっていうか、訳分かんねぇっていうか・・・」
五十鈴「時間は複雑だから。誰1人として解明できてないしね」
川内「レジスタンスに帰ったら、怒ってる山風が待ってるから憂鬱・・・」
摩耶「何で一緒に連れてこなかったんだ?あんなに来たがってたのに」
川内「う~ん、だってさぁ・・・」
川内が保護して面倒を見ていた山風も、ダンテと話せると知って一緒に来たがっていたのだが、今回は込み入った話もあったため、留守番してもらう事にした。
留守番を言われた山風は かなり怒って駄々っ子みたいになり、宥めるのに苦労した。
レジスタンスの拠点を出発する時には、頬を膨らませた顔で ずっと睨まれた。
五十鈴「それにしても━━」
陸奥「・・・・・・・・・」
これからダンテと話せるという事で、摩耶と川内、五十鈴は楽しそうに話し続けるのだが、陸奥だけは切なそうな表情で黙っていた。
ダンテと長門を護れなかった自分を嘆き、後悔から氷の中に眠りに就いていた陸奥。そんな彼女は、これからダンテと話すのが少し怖かった。
*屋敷*
五十鈴「ようこそ、我がセーフハウスへ」
森を抜けると、そこには大きな洋館が建っていた。
その洋館を見て、陸奥と摩耶は少し顔を引き攣らせた。時代が時代であるため仕方ないが、外から見た限り洋館は あちこちが朽ちており、植物の蔦に覆われ、夜なら雰囲気あり過ぎである。
この洋館は持ち主が居なくなって何年も経つのか放置されていたため、五十鈴は丁度いいと勝手にセーフハウスとして利用していた。
敷地の周囲にはトラップや自動防衛システムを配備していて、留守でも並みの悪魔なら迎撃できるので安心である。
五十鈴「必要なら、陸奥さんと摩耶さんも好きな時に使ってください」
五十鈴に招かれるまま中に入ると、中も かなり荒れ果てていた。天井に吊るされていたはずのシャンデリアは床に落ち、植物も中にまで侵食してきている。どうやらセーフハウスとしては使っているが、改築や掃除はしていないようだ。
陸奥「ここには誰も済んでないの?」
川内「元の持ち主は不明で、今は代わりに、加賀さんが済んでます」
摩耶「加賀さん、こんな所に居たのかよ!?」
川内「加賀さん、戻りましたー!」
川内が呼ぶと、音もなく この時代を生き残る加賀が現れ、陸奥と摩耶はビクッとする。
加賀「あら、川内に陸奥に摩耶、帰ったのね」
川内「ただいま、加賀さん」
加賀「あら、そちらに居るのは・・・」
川内「ぁ・・・」
五十鈴「初めまして。呉鎮守府所属の五十鈴です。お邪魔します」
加賀「よく来たわね。提督達が色々 散らかしてるけど、気にせず ゆっくりしていって」
五十鈴「はい」
川内「・・・・・・・・・」
陸奥と摩耶は怪訝な顔をした。
ここに加賀が居て、五十鈴がセーフハウスとして ずっと利用してるなら、何度も面識はあるはずだ。それなのに、まるで初対面である反応だ。
それに この時代のダンテは死んだ。それは確かであり、どうやっても誤魔化せない事実である。それなら加賀の言う提督とは?
川内と五十鈴は何事もなかったかのように話しているが、加賀の口から出る言葉の全てが、違和感でしかない。
摩耶「おい、これは どういう事だ?」
川内「・・・・・・・・・」
加賀「お客さんも居るし、お茶の準備をするわね」
川内「お願いします」
五十鈴「ありがとうございます」
加賀が戻り姿を消すと、川内と五十鈴は弱々しい笑みを浮かべた顔で、陸奥と摩耶の方を向いた。
川内「提督が死んだ あの日、加賀さんは壊れたの」
陸奥「こわ、れた・・・?どういう意味?」
五十鈴「精神を病んで、記憶障害も引き起こしてるんです」
ダンテが死に、赤城も居なくなってしまった事で加賀は、精神を病んでしまった。
元々 横須賀鎮守府の所属だった時にも多くの仲間を喪い、2度と同じ事を繰り返さないために秘書艦補佐として頑張っていたが、また多くの仲間を喪った事で秘書艦補佐としての重責に耐えられず、様々な要素が絡み壊れてしまった。
同時に記憶障害も引き起こし、加賀は この洋館を鎮守府だと思い込んでおり、記憶もダンテや赤城が居た頃のまま止まってるため、加賀の中ではダンテが生きてる事になっている。
五十鈴「普通なら新しい記憶を積み重ねて、人も艦娘も生きていくけど、加賀さんの時間は昔のまま止まって、今を記憶に留めておく事ができない」
川内「1日が終われば記憶がリセットされて、だから五十鈴と会うのも毎回 初対面に・・・」
陸奥「そんな彼女を、ここで1人にしてるの?」
五十鈴「生活面では問題ないんです。艤装による戦闘も可能で、ここの管理も最低限してくれてますし」
川内「居ないはずの鎮守府の皆と1人で話してる時もあって、本人も寂しさを感じてないから・・・」
摩耶「加賀さん、そんな事になってたのかよ・・・」
陸奥と摩耶は、昔からの仲間で家族でもある加賀が、そんな事になってるとも知らずに今日まで居た事を恥じた。
しかし文明が崩壊した時、生き残った艦娘達は散り散りとなり、後に合流してレジスタンスなどを結成した。
加賀はレジスタンスを結成する前に川内と五十鈴が見付け、その時には既に今の状態だったため、ここに彼女を匿った。
陸奥や摩耶を始め、加賀の事を誰にも伝えていなかったのは、セーフハウスを秘密にする必要があったのと同時に、元Devil May Cry鎮守府の艦娘に伝えるには心苦しさもあったからだ。
摩耶「水臭いじゃねぇか・・・」
川内「ごめん、今になって伝える事になって・・・」
これまで秘密にしていたことを話したのは、アーロンの考えの下で動いてるだけでは、世界を取り戻すのに限界を感じていたからだ。
嘗てのDevil May Cry鎮守府のように自ら考え、独自に動く柔軟性が必要になる。このセーフハウスは、その足掛かりとなるはずだ。
だからこそ、共に これから独自に動いてくれるメンバーにはセーフハウスの存在を教えておく必要もあり、ここを利用するなら いずれ加賀の事も知られるため、今になって話す事にしたのだ。
川内「あと、榛名さんも ここの事は知ってるから」
五十鈴「アーロンに勘付かれないようにって、いつもレジスタンスに残ってくれてて、まだ1度も ここには来た事ないけど・・・」
陸奥「じゃあ、加賀とも?」
五十鈴「まだ会わせてあげられてません」
陸奥「そう・・・」
川内「今は これが精一杯ですけど、一先ず問題はないですから」
五十鈴「とりあえず今は、目的を果たすという事で」
五十鈴を先頭に陸奥達は屋敷の2階へと上がり、ある部屋へと入る。
そこにある本棚の横の壁を押すと、本棚が横にスライドして隠し扉が出てきた。
中に入ると、何台ものモニターやコンピューターがある狭い部屋だった。
摩耶「4人で入ると狭いな」
五十鈴「元々 私1人で使うつもりだったから、広くはしてなくて」
陸奥「えっと・・・どうしたらいい?」
五十鈴「とりあえず適当に空いてる所に座ってもらって大丈夫です」
空いてる所と言っても、スペースは限られているため、4人で床に座るとギュウギュウだった。
五十鈴は床に座った途端、幾つもあるモニターに向かってキーボードを叩きまくり、何かの作業を始める。
摩耶「・・・あたしら座って何してりゃいいの?」
五十鈴「まだ通信機の調整があるから、そっちで お喋りでもして時間 潰して」
過去のダンテと話せると言われてたが今すぐという訳にはいかないようで、仕方ないので陸奥と摩耶、川内の3人で女子トークでもしながら待つのだった。
だったのだが・・・
加賀「川内、お茶を持ってきたわ」
「「っ・・・!?」」
川内「はーい」
音もなく加賀が現れ、陸奥と摩耶は彼女の声に驚きビクッとする。
川内は慣れたように、人数分のお茶が載せられた お盆トレイを受け取ると、加賀は静かに立ち去った。
加賀が問題なく隠し部屋に入れたのは、この屋敷を鎮守府だと思い込んでる事に関係する。この部屋は青葉と夕張が執務室に作った隠し部屋だと認識しているため、加賀は何の疑問もなく出入りしていた。
摩耶「なぁ、何で加賀さん、あんな幽霊みたいにフラッと出てくるようになったんだよ?昔は ああじゃなかったろ」
川内「さぁ?ここに匿った時には既に あんな感じだったから。特に問題も起きなかったから気にしてなかったけど」
陸奥「こっちの心臓に悪いのよ・・・」
・・・・・・
*??? 8月4日 23:13*
過去のダンテは、アメリカ軍に連行されて大きな建物に連れてこられていた。
外観と地上階は廃墟になっているのだが、それはカモフラージュで、地下は綺麗な廊下が伸びており、そこが ちゃんとした何かの施設である事を物語っていた。
女性将校が前を歩き、部隊に挟まれる形でダンテが歩いていると、ある扉の前で女性将校が立ち止まった。
将校「ここが貴官の入る独房だ」
ダンテ「ここは刑務所なのか?」
将校「極秘だ」
ダンテ「独房って言いながら極秘って何だ?笑わせてくれるね」
将校「貴官が所持していた武器は こちらで預かるから心配するな」
ダンテ「気を付けて扱えよ。怪我するからな」
将校「心配は無用だ。だが・・・核弾頭の在処を言うなら、貴官の罪が少しでも軽くなるよう上に掛け合おう。核弾頭の隠し場所は どこだ?」
ダンテ「そうか、そりゃ お優しい事で。なら正直に打ち明けると・・・何も知らない」
将校「そんなはずはない」
ダンテ「その態度は立派だ、尊敬するぜ。だが どれだけ疑おうが、俺は本当に何も知らない。そもそも盗んじゃいないしな」
将校「では貴官の仲間が隠してるという訳か」
ダンテ「バカげた話だ。それに証拠ってのは何だ?」
将校「・・・・・・・・・」
女性将校が黙った事で、ダンテは ある疑いを持って目を細めた。
ダンテ「なるほどな。ご立派な軍服を着ちゃいるが、アンタは何も聞かされてないクチか。証拠ってのも、アンタ自身 直接 目にした訳じゃないんだろ?恐らく上からの命令に、何の疑いも持たず従ってる。そんなところか」
将校「尋問してるのは こちらだ」
ダンテ「どうせなら、その“上”ってのが誰か教えてほしいもんだな」
将校「・・・貴官の処遇が決まるまで、ここから出られると思うな」
互いに話が平行線のまま、ダンテは独房に ぶち込まれた。
ダンテは独房の扉を見詰めていたが、将校と部隊の足音が離れて聴こえなくなると、簡素なベッドへ腰掛けた。
1人になった女性将校は通路を歩き続ける中、ダンテに言われた事が頭の中で何度もリピートしていた。
将校「(上は何を考えてるんだ?いったい どういうつもりで・・・)」
ダンテが指摘していた通り、女性将校は何も知らなかった。上層部からダンテの拘束を命じられるまま、部隊を率いて動いただけだ。
ダンテが核弾頭を盗んだとは聞かされていたが、女性将校も本音では、彼が本当に そんな事するとは思えず疑念を抱いていた。ダンテの功績や活躍は耳にしているため、そういう意味でもダンテが盗んだとは思えなかった。
ダンテを拘束する上で証拠に目を通しておきたいと進言もしていたが、必要ないの一点張りで、上層部が何かを隠してるのは容易に想像できた。
それでも命令に従いダンテを拘束したのは、自身が軍人で命令を聞く立場であったからだ。決して低くない階級を与えられてる以上は、軍の規律を守るためにも従うしかない。
女性将校がダンテや上層部の事を考えていると、所持していた携帯に着信が入った。相手はダンテの拘束を命じた上層部からだ。
将校「私です・・・はい・・・はい・・・容疑者ダンテは無事 拘束し、現在は研究所『X―03』で拘留中です。・・・・・・何ですって!?それは どういう事ですか?!容疑者への尋問が まだなんです!・・・・・・了解しました」
電話の内容は次の命令だった。
ダンテを拘束する任務を与えられ、このままダンテの処遇が決まるまで任務を継続すると思っていた。しかし上層部は、女性将校に次の任務地に向かうよう指示した。
女性将校は納得できない様子だったが、命令なら仕方ないと研究所を後にするのだった。
ダンテが核弾頭を盗んだ容疑を掛けられ、本編に戻った途端に いきなりの急展開で申し訳ないです。
この話は長くなりますので、できるだけ連日 続けて投稿したいと思っております。
次回も宜しく お願い致します!