Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

459 / 551


感想ありがとうございます!

前回から日が空いて申し訳ないです

446話です!どうぞ!


Mission446 林間学校~夏休みの始まりだー!~

明陽(めいよう)学苑高校 8月6日 9:43*

 

Devil May Cry鎮守府に侵攻してきたアメリカ軍が投降した翌日、制服を着て学校に来ていた(かえで)は、人気のない場所で携帯を弄り、クラスのグループチャットで話をしていた。話の内容は、ムカつく教師を投票する総選挙をしようというものだった。

会話に参加してる生徒の多くがネロの名を挙げていくが、楓が ある一石を投じた。これまで担任外しを目的として動いていたが、このタイミングで副担任外しを提案したのだ。つまり、今はネロだけでなく、羽黒も標的にされつつあった。

 

楓「敵だから・・・教師は皆」

 

夏休みに入っているのに、学校には楓だけでなく、2年4組の生徒全員がネロに呼ばれて学校に来ていた。

その中で、既にネロに心を開いてる男子生徒だけが、ネロと共に外で騒いでいた。何をしてるのかと言うと、ペットボトルロケットで遊んでるだけ。

何かの罰ゲームなのか、輝男(てるお)(のぼる)の手によって頭からパンストを被せられ、顔面がブサイクになる。

しかも そのパンストには紐が付いており、紐を辿ると その先はペットボトルロケットに繋がっていた。

男子生徒の1人が、ポンプ式の空気入れでペットボトルの空気圧を高めていき、レバーをシュポシュポ上下させるのに合わせて、ネロ達は元気良くカウントしていく。

そしてペットボトルロケットが発射して空へと舞い上がると、輝男の頭部からパンストが勢い良く外れる。

 

『ウェ~イ!』

 

輝男はパンストが外れた時の摩擦の痛みで顔を押さえるのだが、ネロ達はペットボトルロケットの打ち上げに成功して楽しそうに歓声を上げていた。

 

 

*駐車場*

 

教頭「やっぱりいいな・・・新車の香りは」

 

明陽学苑の駐車場では、教頭が新しく買った新車の運転席に座りながら、幸せそうにしていた。

すると天板に何かが落ちた音がし、何事かと車から降りると、ネロ達が飛ばしたペットボトルロケットが落ちていた。

教頭はペットボトルを拾い、次に車の天板を見る。

 

教頭「誰が こんな・・・」

 

そこに、ご機嫌な様子でペットボトルロケットを拾いにネロが来た。

 

ネロ「あー!悪い!」

 

教頭「ネロ!!車に傷が付いたら どうするんだ?!」

 

ネロ「教頭先生 車 買ったんスか!?マブいッスねぇ、これ!」

 

ネロは最近、漣から“マブい”という言葉を教えてもらい、チャンスがあれば言いまくっている。

 

教頭「ふふっ、まぁ、私ぐらいになると、これぐらいの高級車に乗らないと釣り合いが合わな・・・」

 

ネロに車を褒められ機嫌が良くなる教頭だったが、その顔が固まった。ネロが新車をベタベタと触りまくり、手の皮脂を付けまくっていた。

 

教頭「やめろー!!手形が付く!!」

 

ネロ「あっ」

 

ネロは悪いと思い、自分が着てるシャツの裾で拭いてあげる。けど拭いてあげたら また教頭がキレた。

 

教頭「拭くな・・・!そんなので拭いたら傷が付く・・・!」

 

ネロ「あっ」

 

ネロを止めてると、車のボンネットに昂達が飛ばした2発目のペットボトルロケットが着弾した。

 

教頭「ペットボトルは、やめろおおおおお!!!!!」

 

明陽学苑に教頭の怒声が響き渡ったが、空は気持ちいいほど晴れ渡っており、教頭以外は平和だった。

 

 

・・・・・・

 

数時間後、ネロは男子生徒達と共に、また教頭に怒られないようにと別の場所でペットボトルロケットを打ち上げて遊んでいた。

そこに、羽黒が通り掛かった。

 

羽黒「・・・・・・・・・」

 

教師としての仕事に悩みを抱えている羽黒は、生徒の心を掴み、まるで友達かのように次々と仲良くなっていくネロを、思い詰めた様子で見ながら浮かない顔をしていた。

すると後ろから、食堂の おばちゃんの格好をした理事長が、パンを乗せた台車を押して通り掛かった。

 

理事長「せーんせ。じゃあ・・・はい」

 

理事長はパンの1つを差し出し、受け取った羽黒は笑顔で お礼を言った。

 

理事長「どう、何か分かった?」

 

羽黒「はい・・・でも、まだまだ至らない事ばかりです。生徒1人1人のこと、ちゃんと理解してあげれてないなと思って」

 

理事長「う~ん・・・それは無理よ」

 

理事長が難しい顔で羽黒の言った事を否定すると、羽黒は男子生徒と楽しそうにしてるネロの方に顔を向けた。

 

羽黒「でも、ネロ先生はできてます。勿論、強引だなと思う時もありますけど、自然に打ち解けて・・・正直、ちょっと・・・悔しかったり・・・」

 

そう言って心の内を曝け出した羽黒は、自嘲気味な笑みを浮かべた。

 

理事長「前にね、コロッケを お茶漬けに乗せた事があるの」

 

羽黒「ええっ!?」

 

理事長「不味いかなーと思ったら いやいやいやいやいや、これが意外と美味しいの!・・・一見、合わないように見える物でも実際 合わせてみると、思わぬ いい味を出す時がある。これって、教師と生徒の関係にも言える事だと思うの」

 

羽黒は相槌を打つように頷くが、理事長には、羽黒が その意味を本当に理解してないと見抜き、話を続ける。

 

理事長「まぁ、今は分からなくてもいい。でも、羽黒先生なら きっと、お茶漬けに乗せたコロッケみたいに、生徒達に意外な味を もたらす先生になれる。私は そう信じています。だから・・・」

 

話の途中だが、理事長は ふと羽黒の後ろに視線を向けると、2人の男性教師が校舎から出てきて顔を引き攣らせる。実は理事長、食堂で働いてる事は他の教職員に秘密にしていた。

理事長は小声で“頑張って”と言い残し、顔を見られないようにしながら台車を押して逃げていく。その時に、理事長は振り返らず羽黒に手を振って立ち去った。

 

 

・・・・・・

 

*教員室 13:10*

 

羽黒は自分の椅子に座りながら、机に最近 買った『生徒を理解する』という本と、副担任として受け持つ2年4組の生徒1人1人のプロフィールを自分で書き記したノートを広げていた。

そこに女性保険医の教師が通り掛かり、羽黒が何かしてるのに気付き足を止める。

 

保険医「ん~、何してるの?」

 

羽黒「生徒1人1人のプロフィール帳です」

 

すると、話が聞こえていた教師達が反応し、その反応も様々だった。

 

体育教師「熱心ですね」

 

羽黒「副担任として、ちゃんと生徒1人1人の事を把握しないと」

 

女性教師「大変すぎですよ、羽黒先生」

 

女性教師「どんなに頑張ったって、給料 上がらないんだから」

 

女性教師「生徒とは、付かず離れずが1番ですよ」

 

そう言われても、羽黒は嫌な顔1つせず、やる気に満ちていた。

保険医の教師は自分の意見を言わなかったが溜め息を吐き、羽黒の隣に座る眼鏡をした男性教師は、ただ黙って羽黒を見ていた。

 

 

・・・・・・

 

*2年4組 15:32*

 

教室にクラスの生徒達が揃ってる中、教壇に立つ羽黒は教師として、生徒達に諸々の諸注意を伝えていた。

 

羽黒「既に夏休みにも入り、明日には林間学校があります。これは勉強合宿でもあります。2年の夏で、成績に大きな開きが出ると言われてるから、先ずは勉強を・・・」

 

そう話していたのだが、隣でネロが椅子に座ってブツブツ言いながら本を読んでるため、そっちが気になって羽黒の話が途切れてしまう。

 

羽黒「ネロ先生!ネロ先生からも皆に何か言ってあげてください!」

 

そう言われたネロは、呆けた顔で羽黒と生徒達を見た。

 

ネロ「・・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・・』

 

ネロが すぐに喋らないため妙な沈黙が続くと、突然 読んでいた本をパンッと閉じ、その音に生徒の何人かがビクッとする。

そしてネロは椅子から立ち上がり、羽黒と生徒達の間に立ち・・・。

 

ネロ「テメェら・・・思いっきり恋をして思いっきり遊んで━━」

 

思ってたのと違う事を言い始めたため、羽黒はネロを見ながら唖然とする。

 

ネロ「━━思い出を沢山 作るんだ!以上!解散!!」

 

羽黒「先生!」

 

するべき諸注意を全て すっ飛ばした挙げ句 勝手に解散にし、ネロは椅子に戻り また本を読み始めてしまう。

そして生徒達は言うまでもなく、カバンを持って席から立ち、各々 帰ろうとする。

 

羽黒「ちょっと待って皆、今のはね」

 

羽黒は生徒達を止めようとするが、生徒の1人『(たくみ)』が それを遮る。

 

巧「もう固い固い羽黒ちゃん!2年の夏は1回しかないんだから、楽しまなきゃっしょ!」

 

輝男「今年の林間学校 海もあるらしいぞ」

 

それを聞き、生徒達から歓声が上がる。こうなったら、もう話を聞く耳など持ち合わせていないだろう。

 

巧「って事は、羽黒ちゃんの水着 見れるの超楽しみ!」

 

アホかと、バカかと、何を言ってるのかと、もう遊ぶ事やスケベ心の煩悩で頭が一杯の様子に、羽黒は眉間に皺を寄せながら落胆した様子で教壇に凭れ掛かる。

 

巧「羽黒ちゃん何カップですか?」

 

羽黒「先生を からかわない!」

 

巧「はい、個人的にはGカップが好みです」

 

羽黒「いい加減にしなさい!」

 

羽黒の話を聞かず教室が騒がしくなる中、生徒の1人である『冬美(ふゆみ)』が、何か不満そうな様子で羽黒と巧を見ていた。

 

 

・・・・・・

 

解散になった後、冬美は巧を呼び出した。

巧は訳も分からないまま歩き続ける冬美に付いていっていたが、いつまでも何も言わない事に痺れを切らしていた。

 

巧「なぁ、話って何だよ?」

 

巧が本題を話すよう促すと、冬美は やっと立ち止まり振り返った。

 

冬美「巧ってさ・・・羽黒先生のこと、好きなの?」

 

巧「・・・は?」

 

冬美「変な絡み見てさ、気持ち悪い」

 

巧「それ言うために呼び出したわけ?」

 

冬美「・・・・・・・・・」

 

巧「別にいいけどさ、お前に気持ち悪いとか思われたって。てか お前だって気持ち悪いだろ。男みてぇにデッケー身長でよぉ。人のこと呼び出してよ、人のこと“気持ち悪い”とか言ってんじゃねぇよ」

 

巧の歯に衣 着せぬ言葉に、冬美は何も言わず走り出してしまう。

 

ネロ「おい、冬美?おい!」

 

そこに偶然ネロが通り掛かり呼び止めるが、冬美は泣きながら走り去ってしまった。

視線を変えると、離れた場所に巧が居るのを見付ける。ネロは何かを察し、顔がニヤけてしまう。

 

ネロ「なーるーほーどぉ。青春ってかぁ?くぅ~っ、マブいねぇ」

 

 

・・・・・・

 

*校舎 16:15*

 

羽黒が校舎のロビーを歩いてると、そこにあるベンチに1人で座って泣いてる冬美を見付け、足を止める。

すると羽黒は、透かさず生徒のプロフィール帳を開き、冬美のページを見る。

自分で纏めた情報を再確認すると、羽黒は冬美の隣に座った。

 

羽黒「何かあった?」

 

冬美「・・・・・・・・・」

 

羽黒「先生でいいなら何でも聞くよ」

 

冬美「・・・・・・・・・」

 

羽黒「何でも話して。ね?」

 

生徒の悩みを親身になって聞こうとする羽黒は、冬美の手を握った。

それに驚いた拍子に冬美は羽黒に視線を向け、ポツリポツリと悩みを話し始める。

 

冬美「男の人と付き合うのに・・・お互いの背の高さって、気にしますか?」

 

羽黒「え?」

 

冬美「・・・・・・・・・」

 

羽黒「それが、悩み?」

 

冬美「・・・はい」

 

羽黒「良かった~。すっごい深刻な顔してたから、もっと凄い悩みかと思った」

 

羽黒は何気なく言った言葉であったが、彼女の言葉に冬美は、真剣に悩んでる事を そんな簡単に捉えられた事に驚いた顔をする。

 

羽黒「全然 大丈夫。そんな事で悩まない。私は羨ましいよ。だってスタイルいいでしょ、モデルさんみたい。背、少し分けてほしいくらいだよ、ふふっ」

 

羽黒なりに励ましてるつもりではあるのだが、冬美の心にはチリチリと黒い何かが大きくなり始めていた。その引き金を引いたのは、間違いなく羽黒の言葉である。

すると、羽黒を呼ぶ校内アナウンスが流れた。

 

羽黒「何かあったら また相談して、ね?」

 

冬美を残して羽黒は教員室に向かい、冬美が浮かない顔で その背中を見送ってると、クラスの女子生徒3人が現れた。

 

生徒「あいつ、人の悩みを何だと思ってるの?」

 

生徒「一方的な事ばかり言って、ウザ過ぎ」

 

たが その場に現れたのは、女子生徒3人だけではなかった。楓も居た。

 

楓「教師って そんなもんよ。いつだって・・・」

 

楓は冬美の隣に座ると、たった1つだけの事を訊いてきた。

 

楓「羽黒外し、始める?」

 

生徒「いいじゃん、思い知らせてやろうよ」

 

生徒「だね」

 

楓「・・・これ以上、傷付く事がなくなるよ」

 

冬美は少し考えてから、“うん”と頷いた。

 

 

*2年4組*

 

その後 学校に残っていた一部の生徒のスマホに、メッセージアプリの通知が入る。見ると、林間学校で羽黒外しを行うという連絡だった。

 

生徒「えー、可哀想」

 

生徒「俺 結構 好きだったのに~」

 

羽黒外しで騒ぐ生徒達の会話を、林間学校の参加費の濡れ衣をネロに着せた男性教師と、眼鏡の教師が廊下で聞きながら見ていた。

 

教師「次は何を やらかすんですかねぇ?油断してると、こっちも足元 掬われますからね」

 

そう言って、ネロに濡れ衣を着せた教師は その場から立ち去っていく。

以前 楓に利用された事もあるため、彼が ああ言ってたのも無理からぬ事ではある。

だが眼鏡の教師は、どこか憎悪を感じさせるような目で生徒達を見ていた。

 

 

・・・・・・

 

*理事長室 16:37*

 

眼鏡の教師は生徒からスマホを没収し、羽黒外しをしようとしてる証拠として、2年4組を止めるために それを持って理事長に直談判しに来ていた。

ただ、理事長は直談判しに来られても困る様子だった。理事長が打った手は、ネロに生徒及び学校の問題を解決してもうという方法。それ以外の手を打つつもりはないのだ。

 

教師「このまま生徒を野放しにしておけば、いずれ学校は崩壊します。彼らにはルールというものを教えなければなりません」

 

理事長「先生の言ってる事は、よく分かりますが?」

 

理事長は顔を引き攣らせたまま、生徒から没収したスマホを眼鏡の教師に返した。

しかし理事長の様子に、眼鏡の教師は呆れた顔をしていた。

 

教師「理事長は、ネロ先生が どうにかしてくれると お思いですね?」

 

理事長「・・・・・・・・・」

 

ネロの名が出た途端、それまでとは違い理事長の顔が真剣な顔付きに変わる。

その頃ネロは・・・

 

ネロ「えーあ~~~!」

 

『えあ~~~!』

 

男子生徒達と神父の格好をし、UFOを呼んでいた。

誠也(せいや)も神父の格好をさせられてるのだが、彼だけは加わらず、ネロとクラスメイト達を冷めた目で見ていた。

 

教師「あんな男に頼ってたら、その内 後悔する事になりますよ。僕に任せておけば良かったと」

 

理事長が苦笑いを浮かべながら軽く頷くと、眼鏡の教師は理事長室から退室した。

そして1人になった理事長は、大きな溜め息を吐いた。

 

理事長「羽黒先生も心配だけど・・・彼も心配ね」

 

心配というのは これまでの教師のように、眼鏡の教師が教師苛めの標的にならないかと彼の身を案じているのではない。彼が何か、生徒に対して とんでもない事をしでかさないかと心配してるのだ。

 

 

・・・・・・

 

*正門 8月7日 8:45*

 

翌日、林間学校に出発する日となる今日、正門にはバスが複数台 停まり、林間学校に行くのが楽しみな様子の生徒達が集まっていた。

そして出発の時間になりバスが走り出すのだが、2年4組の生徒だけ置いてかれた。

 

『・・・・・・え・・・?何で?』

 

生徒達は後ろを振り返ると、ネロが気まずそうにしていた。

生徒達に睨まれ、ネロは苦笑いを浮かべて誤魔化そうとしたのだが、結局は勢い良く頭を下げる事になった。

 

ネロ「すまん!」

 

輝男「どういう事だよ?」

 

ネロ「・・・・・・100万円、作れなかった」

 

巧「はぁー!?」

 

輝男「ふざけんなよネロォ!」

 

林間学校の参加費を使い込んでしまった事で、資金調達に あの手この手で頑張っていたのだが、その甲斐もなく期日までに間に合わなかった。なので、2年4組だけ林間学校に行けない。

生徒達から次々と文句が噴出し、責められるネロは子犬みたいに しょんぼりした顔になるのだが・・・

 

ネロ「だーーーっ!!だっだっ!だっ!俺だって頑張ってんのにゴチャゴチャ言うなぁ!!!」

 

『・・・・・・・・・』

 

まさかの逆ギレで生徒を黙らせた。

だが、ネロは このまま何もなく終わらせるつもりはなかった。

 

ネロ「任せとけ。俺が一生 忘れられねぇ夏にしてやるからよ!付いてこい!」

 

 

・・・・・・

 

*食堂 9:08*

 

巧「何だ これ!?」

 

ネロに付いていった生徒達は驚いた。食堂の外が飾り付けされており、学校では見慣れない椅子とテーブルが置かれ、カフェのテラスみたいになっていたのだ。

更に食堂の中に入ると、夏祭りに出る屋台のような物もあり、Devil May Cry鎮守府の大人組の艦娘達が待ち構えていた。

しかも食堂の中央にあるテーブルには、鳳翔と間宮が作った様々な料理が沢山 並び、ビュッフェ形式になっていた。

実はネロ、早々に資金調達が無理と判断し、林間学校に行けない代わりに生徒達を学校に お泊まりさせる事を考え、鎮守府の艦娘達にも協力を お願いしていた。

学校への許可?

・・・・・・生徒達は凄いと喜び笑顔を見せる者と、訳が分からず戸惑う者と分かれていた。

そんな生徒達を押し退けながら割って通るネロが前に出ると・・・。

 

ネロ「さぁー、さぁ さぁ さぁ さぁ さぁ!さぁ、オメェら、好きなの飲んでいいぞ!夏休みの・・・始まりだーーー!!!」

 

『うぉおおおおお!!!』

 

生徒達は各々 好きな屋台に行ったり、テーブルにある料理を皿に取り分けたりして早速 楽しみ始める。

 

隼鷹「美味い酒もあるよー!」

 

摩耶「ねぇよ馬鹿!」

 

未成年に呑ますな。

それ以前に用意してないので、生徒が誤って呑んでしまう心配はない。

すると そこに、生徒が騒ぐ声を聞き付けた羽黒と教頭、眼鏡の教師が来た。

 

羽黒「ネロ先生!何ですか これは!?」

 

教頭「学校を何だと思ってるんだ?!第一 貴様、林間学校の金を使い込んでおいて!」

 

強制的に撤去させられそうな流れになりそうになるが、そこに笑顔で理事長が現れた。

 

理事長「素敵じゃないですか。賑やかだと思って来てみたら、流石、ネロ先生ですね」

 

教頭「いや しかし、理事長、本来これは勉強合宿のはず」

 

理事長「まー、何事もメリハリが大事、ね?ネロ先生の やり方も、たまには面白い試みじゃないですか?」

 

羽黒は、信じられないという顔で理事長を見ていた。羽黒としても教頭と同じく、勝手に学校で このような事をするのは どうかと思うのだが、それを咎める訳でもなく理事長が肯定する事に、理解ができなかった。

 

教頭「ですが これは、何か問題が起きてからでは」

 

理事長「その問題が起きないよう、教頭先生達も残ってくださるんですよね?」

 

そう言われた瞬間、教頭と眼鏡の教師が俯いた。凄く嫌そう。

だが眼鏡の教師は どういう訳か、理事長の言った事を肯定し、教頭は驚き彼を見た。

 

理事長「じゃあ安心ね。ごゆっくり」

 

ネロ「ありがと」

 

教頭「し、しかし理事長・・・!」

 

立ち去っていく理事長が教頭と眼鏡の教師も巻き込んでくれた お陰で、この場は どうにか遣り過ごす事ができた。

 

ネロ「プールも解放するからさ、羽黒も入っていけよ」

 

羽黒「はい?」

 

巧「いいじゃん!羽黒ちゃんと、プールゥ~!」

 

羽黒「もう、からかわないで」

 

巧が また変に羽黒に絡むのを見て、冬美は どこか思い詰めた顔をしていた。

羽黒は巧を無視すると、眼鏡の教師に今から希望者を集めて、試験対策授業をするのは どうかと提案する。

 

教師「素晴らしい」

 

教頭「それはいい。素晴らしい提案です、羽黒先生」

 

羽黒「ありがとうございます」

 

この提案に教頭と眼鏡の教師は好印象のようであるが、ネロは羽黒の後ろから嫌そうな顔で、教頭と眼鏡の教師を睨んでいた。

すると、3人の女子生徒が駆け寄ってきた。

 

生徒「授業してくれるの?嬉しい!先生の授業、すっごい解りやすいから!」

 

羽黒「ほんと?」

 

ネロ「えー、何で勉強すんだよ?今日ぐらいいいじゃねぇか」

 

生徒「駄目ですよ、ネロ先生。羽黒先生に、今から授業してもらうんです。先生、行こ」

 

羽黒「うん!」

 

巧「羽黒ちゃんの水着姿、見れると思ったのに~・・・!」

 

輝男と晶人(あきと)、巧が残念そうにするが、羽黒は女子生徒の1人に背中を押されながら食堂を後にしようとする。

だが、冬美を見て足を止めた。

 

羽黒「あなたも どう?」

 

冬美「・・・はい」

 

冬美が ぎこちない笑顔で返事をすると、羽黒は今度こそ食堂を後にした。

だが その背中を見送る冬美の顔からは、笑顔が消えていた。

 

冬美「あんたが悪いんだから・・・」ボソッ・・・

 

そう呟いた冬美は遅れて追うが、今度は立ち去る冬美の背中をネロが見詰めていた。ネロには、冬美の呟きが聞こえていた。

悪魔的な勘から、ネロは生徒達の動きを警戒する事にするのだった。




あんまりやらないようにはしてたのですが、次回は胸糞展開になります
苦手な方々ごめんなさい

次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。