Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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45話です!どうぞ!


Mission45 切り札~集結するデビルハンター~

*Devil May Cryの世界*

 

トリッシュはエンツォの店を訪れていた。

 

エンツォ「おぉートリッシュ、魔具か魔銃でも売りに来たのか?今なら高く買い取るぜ」

 

トリッシュ「残念だけど今回は違うの。ダンテの事で来たのよ」

 

エンツォ「ダンテ?」

 

トリッシュは事情を説明したが、エンツォも心当たりはないようだ。トリッシュはダンテの知り合いが居る場所を回ったが、皆 ダンテが どこに行ったのか知らないようだった。ダンテが事務所を長く留守にするのは珍しくない。普段なら探すような事はしないが、今回は話が別だ。不自然に消えたのなら探しもする。話を聞かされたエンツォは ずっと考え込んでいたが、答えが出る事はないだろう。

その時、魔具を保管している奥の部屋で音がした。

 

トリッシュ「お客さんが来てたの?」

 

エンツォ「いや、今日は誰も来ちゃいないぜ」

 

泥棒かと思い、トリッシュとエンツォは奥の部屋に移動するが、誰も居ない。

だが、突如 空間に穴が空き、凄い吸引力で魔具や魔銃が吸い込まれていく。

 

エンツォ「あぁー!うちの商品がー!!」

 

トリッシュ「・・・・・・っ!?」

 

さらにトリッシュまで穴に吸い込まれた。トリッシュを呑み込んだ穴は閉じられ、店には静寂が戻った。

 

エンツォ「おいおい、どうなってんだよ・・・?」

 

不可思議な出来事に、エンツォは状況が分からず呆然とするだけだった。

 

 

*艦これの世界*

 

こちらでも空間に穴が空き、2人の女性が放り出された。

 

レディ「痛った~・・・」

 

トリッシュ「レディ?」

 

レディ「トリッシュじゃない。これ どうなってるの?」

 

放り出されたのはレディとトリッシュだった。レディも、別の場所に現れた穴に吸い込まれた。2人の周りには魔具や魔銃が散らばっている。とりあえず2人は魔具と魔銃を回収した。辺りを見回すが、見覚えのない場所で状況も分からない。2人も どうしたものかと困った。

 

赤城「あの~・・・もしかして、レディさんですか?」

 

レディ「・・・そうだけど、誰?」

 

赤城「私は赤城と申します。ダンテ提督の部下です」

 

トリッシュ「あなた、ダンテを知ってるの?」

 

レディ「・・・ん?提督?部下?」

 

レディとトリッシュが放り出された場所は、Devil May Cry鎮守府だった。

赤城は夢で、レディを視た事がある。だから声を掛けた。

トリッシュとレディは、目の前の赤城がダンテを知っている事に驚いたが、“提督”“部下”という単語に首を傾げた。2人の知ってるダンテはピザばっかり食べてる万年金欠便利屋、それが提督?2人の頭に浮かんだ答えは“意味不明”だった。

 

赤城「詳しい お話は中でします」

 

レディとトリッシュは、赤城に鎮守府の中へと案内された。

2人が こちらの世界に来たのは、ダンテがステビア海アンズ諸島沖での作戦の為に、鎮守府から出撃した翌日の事だった。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

執務室へと通された2人は、赤城、鳳翔、大淀から この世界について説明を受けた。そしてダンテとの関係も。

 

レディ「つまり何?ここは異世界だとでも言いたいわけ?」

 

トリッシュ「でも私も あちこち見て回ったけど、艦娘とか深海棲艦なんて聞いた事がないわね」

 

レディ「まさか信じるの?それにダンテ(あいつ)が海軍の提督とか、おもしろいジョークもあったものね」

 

レディは信じていないようで、トリッシュも目を瞑って何かを考えている。

 

鳳翔「これを」

 

鳳翔が見せたのは1枚の写真だった。その写真は、日頃 青葉が鎮守府の風景を撮っている写真の1枚。写真には、レディとトリッシュが よく知る、紛れもないダンテが写っていた。そして2人は、「どうする?」みたいな顔で、お互いの顔を見合わせた。

 

 

・・・・・・

 

それから数日後、ダンテは艦隊と共に鎮守府へと戻ってきた。

 

「「ハァ~イ☆」」

 

執務室に入ったダンテは固まった。この世界に居るはずのないレディとトリッシュが、執務室で金剛が用意した紅茶で優雅にティータイムをしている。

執務室には赤城、加賀、金剛、比叡、霧島、鳳翔、龍驤、大淀が居る。

 

ダンテ「何で お前らが ここに居るんだ?」

 

レディ「それは こっちのセリフよ。アンタが消えて、パティもモリソンも心配してたのよ」

 

ダンテ「俺は何で ここに居るのか訊いてるんだ」

 

レディ「知らないわよ!」

 

口論になりそうで見兼ねたトリッシュが、ダンテに ここに来た経緯を説明する。

 

ダンテ「向こうの事も少しは考えてほしいもんだな」

 

話を聞く限りでは、レディとトリッシュもダンテ同様、呼ばれたのだろう。だが元の世界では、悪魔に対抗しうる存在が3人も消えた事になる。悪魔の被害が増える可能性もあり、レディとトリッシュだけでも元の世界に帰すか、こちらでの問題を早急に片付けて3人 一緒に帰る必要が出てきた。

 

レディ「次は そっちが説明する番よ」

 

ダンテは鳳翔達を見て、説明しなかったのか疑問の眼を向ける。

 

赤城「一応、説明はしたんですけど・・・」

 

トリッシュ「あなたの口から ちゃんと説明してちょうだい」

 

レディ「提督って本当なの?」

 

仕方なく、ダンテは事の始まりから今日までの事を話した。

 

ダンテ「これで分かったか?」

 

レディとトリッシュは何も言えなかった。赤城達から聞かされた話の通りだった。だからと言って、異世界に放り出された状況は困ってしまう。

 

ダンテ「分かったら、早く こっちで住む場所 見付けろよ」

 

レディ「・・・私達、ずっと ここに泊めてもらってたんだけど」

 

ダンテは、レディとトリッシュに鎮守府から出ていけと言っている。

 

龍驤「それヒドない?」

 

ダンテ「・・・誰だっけ?」

 

龍驤「龍驤や!忘れんなやボケェー!」

 

龍驤は鳳翔に泣き付いた。ダンテは冗談で言ったので、正直 龍驤の事は忘れていない。

 

トリッシュ「異世界で行く当てなんてないわよ」

 

ダンテ「勘弁してくれ。只でさえ口うるさいのが多いのに、お前らまで居たんじゃ心休まる時間がなくなる」

 

レディ「それ どういう意味よ!」

 

トリッシュ「まさか、またピザばかり食べてたりしてないわよね?」

 

ダンテ「頼むから お袋みたいな言い方しないでくれ」

 

大淀「口うるさいって、私達の事ですか?」

 

比叡「司令、説明してください!」

 

執務室に居る女性陣に問い詰められるダンテは頭が痛くなった。そして考えるのを やめた。

 

大淀「提督、聞いてますか?」

 

ダンテは眼を瞑り、口が半開きの表情で首を横に振った。その後も、執務室はギャーギャーとダンテを責め立てる声がしていた。しばらくして騒ぐのに疲れたのか、女性陣は静かになった。

そこでトリッシュが、執務机に魔具や魔銃を並べていく。

 

トリッシュ「一緒に こっちに吸い込まれたから、あなたに渡しておくわよ」

 

ダンテ「今頃エンツォが泣いてるな」

 

赤城「ケルベロス!」

 

見覚えのある魔具を見て、赤城達は懐かしくなった。

 

ダンテ「空いてる部屋はあったか?」

 

大淀「ありますよ」

 

ダンテ「レディとトリッシュを案内してやってくれ。俺は大本営に行ってくる」

 

鳳翔「レディさんとトリッシュさんの報告に?」

 

ダンテ「いや、2人の事は言わない。お前らも2人の事は秘密にしておけ」

 

ダンテは一応、レディとトリッシュを鎮守府に置く事にした。大本営に伝えないのは、敵の裏をかく為だ。敵は海軍や陸軍の情報を持っている。誰かが情報を流している可能性もある。敵秘匿泊地ではダンテの資料すらあった。つまり こちらの情報は筒抜けだ。だがレディとトリッシュは どうだろうか?敵には まだ知られていないはず。もし大本営に伝えれば、レディとトリッシュの情報も敵に伝わるだろう。誰にも知られていないレディとトリッシュは、ある意味 切り札となるかもしれない。だから艦娘達にも口止めした。

 

ダンテ「こっちに居る間は、しっかり働いてもらうぜ」

 

トリッシュ「仕方ないわね」

 

レディ「他に やる事もないしね」

 

レディとトリッシュも溜め息混じりに了承した。

そしてダンテは、大本営へと向かった。

 

 

・・・・・・

 

*大本営 元帥執務室*

 

元帥は報告書に目を通していた。

 

元帥「ダンテ提督が敵泊地に居たのは本当か?」

 

大和「はい」

 

元帥「何やっとるんじゃ、あの男は?」

 

大和「分かりませんよ。泊地では悪魔と戦ってましたけど」

 

元帥「う~ん・・・」

 

元帥と大和は、ダンテの作戦外の行動の意味を考え、頭を悩ませていた。噂をすれば影、そこへダンテが執務室に入ってきた。

 

元帥「おぉ、先日は ご苦労じゃったな」

 

ダンテ「じーさん、一緒に来てくれ」

 

元帥「・・・な、何じゃ!?」

 

大和「・・・え?待ってください!」

 

ダンテは元帥を無理矢理 椅子から立たせて、どこかに連れて行ってしまった。大和も慌てて それを追う。建物の外に出たダンテは、元帥を車の後部座席に乗せる。

 

元帥「おい、何のつもりじゃ!?説明せんか!」

 

大和「待ってください!元帥を どうするつもりですか?」

 

ダンテ「少しの間 借りるぜ」

 

ダンテも車に乗り込み、そのまま大本営の敷地から出ていってしまった。

 

 

・・・・・・

 

ダンテと元帥を乗せた車は、人気のない場所に停まった。

 

元帥「どういうつもりじゃ?」

 

ダンテ「アンタは この戦争を どうしたい?」

 

元帥「・・・できるなら早く終わらせたい」

 

ダンテ「その為に、悪魔の力も使うか?」

 

元帥「そんな訳ないじゃろ!誰が そんなもん使うか!」

 

ダンテはバックミラー越しに元帥の眼を見るが、嘘を言ってるような雰囲気はない。

 

ダンテ「・・・ちょっと安心したぜ」

 

元帥「そろそろ説明してくれんかのう」

 

それからダンテは敵秘匿泊地で見た事を話した。カプセルに入った深海棲艦、海軍と陸軍、そして政界の重要人物に関する資料、ダンテを含め、各鎮守府の提督と所属する艦娘の資料。深海棲艦と悪魔に確かな繋がりがある可能性。情報が敵に筒抜けになっていること。聞かされた元帥は絶句していた。

 

ダンテ「誰も信用できない状況だ。裏切りそうな奴に心当たりは?」

 

元帥「・・・分からん。おぬしは誰を疑う?」

 

ダンテ「さぁな・・・鳳翔はアンタの息子である大将を疑ってるけどな」

 

元帥は何も言わない。絶句したのとは様子が違う。まるで何かを考えて黙っているようだ。

 

ダンテ「その様子だと、心当たりあるってか?」

 

それから元帥は、自分の家族の身の上話を始めた。元帥の妻、つまり大将の母親は艦娘と深海棲艦の戦闘に巻き込まれて亡くなった。戦争をしていれば、市民に被害が出るのも珍しくはない。大将の母親は その1人だった。戦闘中の流れ弾が市民に襲いかかり、大将の母親が犠牲となった。流れ弾の砲弾は、艦娘の砲弾だと言われているらしい。

 

ダンテ「それで艦娘を恨んで裏切ったか?」

 

元帥「切っ掛けがあるとすればの話じゃ。じゃが儂は、あいつが裏切ったとは思えん」

 

ダンテ「親子の情か?」

 

元帥「違う、あいつは物事に対して真摯に向き合い、艦娘も大切にしている。昔なら ともかく、今の あいつが裏切るとは思えん」

 

裏切り者の話は保留となった。カプセルに入れられた深海棲艦の話は、まだ よく分からない事が多く、これも保留となった。

そして悪魔と深海棲艦の繋がりだ。リランカ島では港湾棲姫と話すのを邪魔するように悪魔が現れた。そして その悪魔の手で港湾棲姫は殺された。

 

元帥「口封じか?」

 

ダンテ「だろうな、それに深海棲艦(向こう)の泊地にあった基地じゃ、普通に悪魔が徘徊してた。無関係って言うには無理があるだろ」

 

元帥「・・・まだ不確定な事が多い。おぬしは普段通りに動きなさい」

 

ダンテ「そっちは?」

 

元帥「こっちも同じじゃ、確たる証拠がなければ動けん。じゃが、情報の規制ぐらいはするつもりじゃ」

 

話は ここで終わり、ダンテは大本営に送る為に車を走らせた。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 食堂*

 

鎮守府へと戻ったダンテは、所属する艦娘を集めてレディとトリッシュを紹介した。食堂では2人の歓迎会が行われた。

 

暁「一人前のレディとして扱ってちょうだい!」

 

暁は“レディ”という名前から何かを感じたのか、レディに絡みに行った。

 

レディ「へぇ~、()()()()()()()、ねぇ・・・」

 

レディは不敵な笑みで暁の髪に触れる。何かを確認するように暁の髪を触っていく。

 

レディ「髪の毛 傷んでるわよ」

 

言われた暁は、被っている帽子で慌てて頭を押さえる。

 

レディ「一人前のレディなら髪の毛のケアは大切よ。良かったら、私が一人前のレディにしてあげましょうか?」

 

暁「本当!?」

 

レディ「勿論よ」

 

“一人前のレディ”にしてもらえると聞いて、暁の眼はキラキラとして、期待の眼差しでレディを見る。暁は“一人前のレディ”になる為に、レディに弟子入りした。レディの方は、新しい玩具を手に入れたとでもいうように満面の笑顔だった。だが雷と電は嫌な予感がしていた。雷と電には、レディの笑顔が とても悪い笑みに見えたからだ。

一方、トリッシュは・・・

 

金剛「トリッシュは提督の()相棒なのデスヨネ?」

 

トリッシュ「あら、私は今でも相棒のつもりよ」

 

金剛「聞いてた話と違うネ!提督は元相棒って言ってたデース!」

 

トリッシュ「一時的なものよ」

 

金剛「提督ぅ!どういう事デスカー!」

 

「「お姉さま、どうどう」」

 

トリッシュは金剛に絡まれ、比叡と霧島が金剛を落ち着かせようと必死だった。

レディとトリッシュは、形は違えど、所属する艦娘に受け入れられた。

 

赤城「また賑やかになりましたね」

 

ダンテ「予定外だけどな」

 

鳳翔「レディさんとトリッシュさんもデビルハンターなんですよね?」

 

加賀「あの2人の実力は どうなの?」

 

ダンテ「心配ない、俺でも手を焼く程だ」

 

ダンテの言葉に、艦娘達の動きが止まった。と言うか、固まった。騒がしかった食堂が一気に静かになる。青葉なんてインタビューを お願いしようとしている体勢で固まっている。

 

レディ「な、何?」

 

ダンテ「どうした?」

 

ダンテは人並外れた力を持っている。そんなダンテが手を焼く程の2人だと聞かされて、艦娘達はヤバい人が来たと思ってしまった。暁はレディに“一人前のレディ”にしてもらうつもりだったが、断ろうか考え始めた。しかし断るのも恐く、暁は嫌な汗が止まらない。トリッシュに絡んでいた金剛も、トリッシュから ゆっくり離れていく。話し合った訳ではないが、艦娘達が心で導き出した答えは一緒だった。

 

『(この2人は、何があっても怒らせちゃダメだ!)』

 

ダンテ「何を想像したか知らないが、お前らに害はない。ヤバいのは悪魔絡みの時と怒らせた時だけだ」

 

トリッシュ「ダンテ、それ どういう意味?」

 

レディ「しっかり聞かせてもらおうじゃない」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

艦娘達はダンテとレディ&トリッシュの間に入り、喧嘩になりそうな状況の仲裁に入った。歓迎会は別の意味で騒がしくなり、どうにか歓迎会を無事に終らせた。




登場人物が増えると、出し方に悩んで困っちゃいますね。
ゆっくり進めていきたいと思います。

次回も よろしく お願いいたします!
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